JP2018177556A - ガラス基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性(特に耐失透性)に優れると共に、HF系薬液に対するエッチングレートが速いガラス基板を創案する。【解決手段】本発明のガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO255〜65%、Al2O315〜25%、B2O35.4〜9%、MgO 0〜5%、CaO 5〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜10%、P2O50.01〜10%を含有し、質量比SiO2/B2O3が6〜11.5、モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が0.8〜1.4であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス基板に関し、具体的には、有機EL(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイの基板に好適なガラス基板に関する。更に、酸化物TFT、低温p−シリコン・TFT(LTPS)駆動のディスプレイの基板に好適なガラス基板に関する。
従来から、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、ハードディスク、フィルター、センサー等の基板として、ガラス基板が広く使用されている。近年では、従来の液晶ディスプレイに加えて、OLEDディスプレイが、自発光、高い色再現性、高視野角、高速応答、高精細等の理由から、盛んに開発されると共に、一部では既に実用化されている。また、スマートフォン等のモバイル機器の液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイは、小面積でありながら、多くの情報を表示することが要求されるため、超高精細の画面が必要になる。更に動画表示を行うため、高速応答も必要になる。
OLEDディスプレイは、画素を構成するOLED素子に電流が流れることで発光する。このため、駆動TFT素子として、低抵抗、高電子移動度の材料が使用される。この材料として、上記のLTPS(Low Temperature Polycrystalline Silicon)以外に、IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛酸化物)に代表される酸化物TFTが注目されている。酸化物TFTは、低抵抗、高移動度であり、且つ比較的低温で形成が可能である。従来のp−シリコン・TFT、特にLTPSは、非結晶シリコン(a−シリコン)の膜を多結晶化する際に用いるエキシマレーザの不安定性に起因して、大面積のガラス基板に素子を形成する際にTFT特性がばらつき易く、TV用途等では、画面の表示ムラが生じ易かった。一方、酸化物TFTは、大面積のガラス基板に素子を形成する場合に、TFT特性の均質性に優れるため、有力なTFT形成材料として注目されており、一部では既に実用化されている。
高精細のディスプレイに用いられるガラス基板には、多くの特性が要求される。特に、以下の(1)〜(4)の特性が要求される。
(1)ガラス基板中にアルカリ成分が多いと、熱処理時にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜の特性の劣化を招く。よって、アルカリ成分(特に、Li成分、Na成分)の含有量が少ないこと、或いは実質的に含有しないこと。
(2)半導体素子の成膜、アニール等の工程で、ガラス基板は数百度に熱処理される。熱処理の際に、ガラス基板が熱収縮すると、パターンズレ等が発生し易くなる。よって、熱収縮し難いこと、特に歪点が高いこと。
(3)熱膨張係数が、ガラス基板上に成膜される部材(例えば、a−シリコン、p−シリコン)に近いこと。例えば、熱膨張係数が30×10−7〜45×10−7/℃であること。なお、熱膨張係数が40×10−7/℃以下であると、耐熱衝撃性も向上する。
(4)ガラス基板の撓みに起因する不具合を抑制するために、ヤング率(又は比ヤング率)が高いこと。
更に、ガラス基板を製造する観点から、ガラス基板には、以下の(5)、(6)の特性も要求される。
(5)泡、ブツ、脈理等の溶融欠陥を防止するために、溶融性に優れていること。
(6)失透異物の混入を避けるために、耐失透性に優れていること。
特開2016−11256号公報
ところで、ディスプレイの薄型化には、一般的に、ガラス基板のケミカルエッチングが用いられている。この方法は、2枚のガラス基板を貼り合わせたディスプレイパネルをHF(フッ酸)系薬液に浸漬させることにより、ガラス基板を薄くする方法である。
しかし、従来のガラス基板は、HF系薬液に対する耐性が高いため、エッチングレートが非常に遅いという課題があった。エッチングレートを速めるために、薬液中のHF濃度を高めると、HF系溶液中に不溶な微粒子が多くなり、結果として、この微粒子がガラス表面に付着し易くなり、ガラス基板の面内においてエッチングの均一性が損なわれる。
上記課題を解決するために、特許文献1では、無アルカリガラス中のSiOの含有量からAlの2倍の含有量を減した量を65モル%未満にすることが開示されている。しかし、特許文献1に記載の無アルカリガラスは、耐失透性が低い(液相線温度が高い)ため、成形時に失透が生じ易く、ガラス基板への成形が困難である。よって、特許文献1に記載の無アルカリガラスは、エッチングレートの高速化と高耐失透性を両立させることが困難である。
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、生産性(特に耐失透性)に優れると共に、HF系薬液に対するエッチングレートが速いガラス基板を創案することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、SiO−Al−B−RO(ROは、アルカリ土類金属酸化物)系ガラスにおいてガラス組成範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜65%、Al 15〜25%、B 5.4〜9%、MgO 0〜5%、CaO 5〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜10%、P 0.01〜10%を含有し、質量比SiO/Bが6〜11.5、モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが0.8〜1.4であることを特徴とする。ここで、「MgO+CaO+SrO+BaO」とは、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。「モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al」は、MgO、CaO、SrO及びBaOのモル%合量をAlのモル%含有量で割った値を指す。
本発明者の調査によると、質量比SiO/Bを11.5以下まで小さくすると、エッチングレートの高速化を図ることができるが、その一方で、ガラスを安定化させることが困難になる。そこで、本発明では、ガラス組成中に必須成分としてBの含有量を5.4質量%以上、且つPを0.01質量%以上導入している。これにより、質量比SiO/Bが小さくても、ガラスを安定化させることが可能になる。
また、本発明のガラス基板は、ガラス組成中のLiO+NaO+KOの含有量が0.5質量%以下であることが好ましい。このようにすれば、熱処理中にアルカリイオンが成膜された半導体膜中に拡散し、半導体膜の特性が劣化する事態を防止し易くなる。ここで、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの合量を指す。
また、本発明のガラス基板は、ガラス組成中のFe+Crの含有量が0.012質量%以下であることが好ましい。ここで、「Fe+Cr」は、FeとCrの合量を指す。
また、本発明のガラス基板は、歪点が680℃以上であることが好ましい。ここで、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
また、本発明のガラス基板は、104.5dPa・sの粘度における温度が1300℃以下であることが好ましい。ここで、「104.5dPa・sの粘度における温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。
また、本発明のガラス基板は、液相線粘度が104.8dPa・s以上であることが好ましい。ここで、「液相線粘度」は、液相線温度における粘度を指し、白金球引き上げ法で測定した値を指す。「液相線温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、1050℃から1300℃に設定された温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、ガラス中に失透(結晶異物)が認められた温度を液相線温度とした。
また、本発明のガラス基板は、10質量%HF水溶液に室温で30分間浸漬した時のエッチング深さが25μm以上になることが好ましい。
また、本発明のガラス基板は、ヤング率が75GPa以上であることが好ましい。ここで、「ヤング率」は、JIS R1602に基づく動的弾性率測定法(共振法)により測定した値を指す。
また、本発明のガラス基板は、比ヤング率が30GPa/(g/cm)以上であることが好ましい。ここで、「比ヤング率」は、ヤング率を密度で割った値を指す。
また、本発明のガラス基板は、液晶ディスプレイに用いることが好ましい。
また、本発明のガラス基板は、OLEDディスプレイに用いることが好ましい。
また、本発明のガラス基板は、ポリシリコン又は酸化物TFT駆動の高精細ディスプレイに用いることが好ましい。
本発明のガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜65%、Al 15〜25%、B 5.4〜9%、MgO 0〜5%、CaO 5〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜10%、P 0.01〜10%を含有し、質量比SiO/Bが6〜11.5、モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが0.8〜1.4であることを特徴とする。上記のように、各成分の含有量を規制した理由を以下に説明する。なお、各成分の説明において、下記の%表示は、特に断りがない場合、質量%を指す。
SiOの含有量が少な過ぎると、耐薬品性、特に耐酸性が低下し易くなると共に、歪点が低下し易くなる。また低密度化を図り難くなる。更に初相として、2種類以上の結晶を析出させることが困難になる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、エッチングレートを高速化し難くなり、また高温粘度が高くなって、溶融性が低下し易くなり、更にSiO系結晶、特にクリストバライトが析出して、液相線粘度が低下し易くなる。よって、SiOの好適な上限含有量は65%、64.5%、64%、63.5%、特に63%であり、好適な下限含有量は55%、55.5%、56%、56.5%、特に57%である。最も好ましい含有範囲は57〜63%である。
Alの含有量が少な過ぎると、歪点が低下して、熱収縮値が大きくなると共に、ヤング率が低下して、ガラス基板が撓み易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、耐BHF(バッファードフッ酸)性が低下して、ガラス表面に白濁が生じ易くなると共に、耐クラック抵抗性が低下し易くなる。更にガラス中にSiO−Al系結晶、特にムライトが析出して、液相線粘度が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限含有量は25%、24%、23%、22%、21%、20%、特に19.5%であり、好適な下限含有量は15%、15.5%、16%、16.5%、17%、特に17.5%である。最も好ましい含有範囲は17.5〜19.5%である。
は、融剤として作用する成分であり、高温粘性を低下させて、溶融性を高める成分である。Bの含有量が少な過ぎると、融剤として十分に作用せず、耐BHF性や耐クラック性が低下し易くなる。また液相線温度が上昇し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、歪点と耐酸性が低下し易くなる。更にヤング率が低下して、ガラス基板の撓み量が大きくなり易い。よって、Bの好適な上限含有量は9%、8%、7.5%、7%、特に6.5%であり、好適な下限含有量は5.4%、5.6%、5.8%、特に6%である。最も好ましい含有範囲は6〜6.5%である。
質量比SiO/Bが小さくなると、エッチングレートが高速化し易くなる。よって、質量比SiO/Bの好適な上限値は11.5、11.1、10.8、10.5、10.2、特に10である。一方、質量比SiO/Bが大きくなると、歪点が低下し易くなる。よって、質量比SiO/Bの好適な下限値は6、6.5、7、7.5、8、特に8.5である。質量比SiO/Bの最適範囲は8.5〜10である。
MgOは、歪点を下げずに高温粘性を下げて、溶融性を改善する成分である。また、MgOは、RO中では最も密度を下げる効果を有するが、過剰に導入すると、SiO系結晶、特にクリストバライトが析出して、液相線粘度が低下し易くなる。更に、MgOは、BHFと反応して生成物を形成し易い成分である。この反応生成物は、ガラス基板表面の素子上に固着したり、ガラス基板に付着したりして、素子やガラス基板を白濁させる虞がある。更にドロマイト等のMgO導入原料からFe等の不純物がガラス中に混入し、ガラス基板の透過率を低下させる虞がある。よって、MgOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜4.5%、0〜4%、0〜3.5%、特に0.5〜3.5%である。
CaOは、MgOと同様にして、歪点を下げずに高温粘性を下げて、溶融性を顕著に改善する成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、SiO−Al−RO系結晶、特にアノーサイトが析出して、液相線粘度が低下し易くなると共に、耐BHF性が低下して、反応生成物がガラス基板表面の素子上に固着したり、ガラス基板に付着したりして、素子やガラス基板を白濁させる虞がある。よって、CaOの好適な上限含有量は10%、9.5%、9%、8.5%、特に8%であり、好適な下限含有量は5%、5.5%、6%、6.5%、特に7%である。最も好ましい含有範囲は7〜8%である。
SrOは、耐失透性、耐薬品性を高める成分であるが、RO全体の中で、その割合を高め過ぎると、溶融性が低下し易くなると共に、密度、熱膨張係数が上昇し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0〜5%、0.5〜4.5%、1〜4%、1.5〜3.5%、特に2〜3%である。
BaOは、耐失透性、耐薬品性を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、密度が上昇し易くなる。また、SiO−Al−B−RO系ガラスは、一般的に溶融し難いため、高品質のガラス基板を安価、且つ大量に供給する観点から、溶融性を高めて、泡、異物等による不良率を軽減することが非常に重要になる。しかし、BaOは、ROの中では、溶融性を高める効果が乏しい。よって、BaOの含有量は、好ましくは0〜10%、0.1〜8%、1〜6%、1.5〜4%、特に2〜3%である。
CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、密度が上昇して、ガラス基板の軽量化を図り難くなる。よって、CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは16%未満、15%未満、特に14%未満である。なお、「CaO+SrO+BaO」は、CaO、SrO及びBaOの合量である。
モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alを所定範囲に調整すると、液相線温度が大幅に低下し、ガラス中に結晶異物が生じ難くなり、また溶融性、成形性が改善する。モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが小さくなると、SiO−Al系結晶が析出し易くなる。一方、モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが大きくなると、SiO−Al−RO系結晶、SiO系結晶が析出し易くなる。モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alの好適な上限値は1.5、1.4、1.35、1.3、1.25、特に1.2であり、好適な下限値は0.7、0.8、0.9、0.95、0.98、1.0、1.02、特に1.05である。モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alの最適範囲は1.05〜1.2である。
{2×[SiO]−[MgO+CaO+SrO+BaO]}を所定値以下に規制すると、HF水溶液によるエッチング深さが大きくなり、エッチングレートを高速化し易くなる。{2×[SiO]−[MgO+CaO+SrO+BaO]}の好適な上限値は130モル%、129モル%、128モル%、127モル%、126モル%、125.5モル%、125モル%、124.5モル%、124モル%、123モル%、特に123モル%である。最適範囲は、{2×[SiO]−[MgO+CaO+SrO+BaO]}≦123モル%である。なお、「2×[SiO]−[MgO+CaO+SrO+BaO]」は、SiOのモル%含有量の2倍から、MgO、CaO、SrO及びBaOのモル%合量を減じた値を指す。
ROの内、二種以上(好ましくは三種以上)を混合して導入することが望ましい。これにより、液相線温度が大幅に低下して、ガラス中に結晶異物が生じ難くなり、更に溶融性、成形性が改善する。
は、SiO−Al−CaO系結晶(特にアノーサイト)とSiO−Al系結晶(特にムライト)の液相線温度を低下させる成分である。よって、Pを添加すれば、これらの結晶が析出し難くなり、初相として二種以上の結晶が析出し易くなる。結果として、耐失透性を大幅に高めることができる。但し、Pを多量に導入すると、ガラスが分相し易くなる。よって、Pの含有量は、好ましくは0.01〜10%、0.1〜7%、0.3〜6%、0.5〜5%、1〜4%、特に1〜3%である。
{[Al]+2×[P]}を所定値以上に規制すると、SiOの含有量が少なくても、歪点を高め易くなる。{[Al]+2×[P]}の好適な下限値は10モル%、10.5モル%、11モル%、11.5モル%、特に12モル%である。最適範囲は、{[Al]+2×[P]}≧12モル%である。ここで、「[Al]+2×[P]」は、Alのモル%含有量とPの2倍のモル%含有量の合量を指す。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入してもよい。
ZnOは、溶融性、耐BHF性を改善する成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなったり、歪点が低下したりして、耐熱性を確保し難くなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜4%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%である。
ZrOは、化学的耐久性を高める成分であるが、その導入量が多くなると、ZrSiOの失透異物が発生し易くなる。ZrOの好ましい上限含有量は1%、0.5%、0.3%、0.2%、特に0.1%であり、化学的耐久性の観点から0.005%以上導入することが好ましい。最も好ましい含有範囲は0.005〜0.1%である。なお、ZrOは、原料から導入してもよいし、耐火物からの溶出により導入してもよい。
TiOは、高温粘性を下げて溶融性を高め、また化学的耐久性を高める効果があるが、導入量が過剰になると、紫外線透過率が低下し易くなる。TiOの含有量は、好ましくは3%以下、1%以下、0.5%以下、0.3%以下、0.2%以下、特に0.1%以下である。なお、TiOを極少量導入(例えば0.001%以上)すると、紫外線による着色を抑制する効果が得られる。
清澄剤として、As、Sb、SnO、SO、Fe、CeO、F、Cl、C、或いはAl、Si等の金属粉末等を用いることができる。これらの含有量は、合量で1%以下が好ましい。
As、Sbは、環境負荷化学物質であるため、できるだけ使用しないことが望ましい。As、Sbの含有量は、それぞれ0.3%未満、0.1%未満、0.09%未満、0.05%未満、0.03%未満、0.01%未満、0.005%未満、特に0.003%未満が好ましい。
SnOは、ガラス中の泡を低減する清澄剤としての働きを有すると共に、Fe又はFeOと共存する際に、紫外線透過率を比較的高く維持する効果を有する。一方、SnOの含有量が多過ぎると、ガラス中にSnOの失透異物が発生し易くなる。SnOの好ましい上限含有量は0.5%、0.45%、0.4%、0.35%、特に0.3%であり、好ましい下限含有量は0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、特に0.05%である。最も好ましい含有範囲は0.05〜0.3%である。
鉄は、原料不純物として混入する成分である。鉄の含有量が多過ぎると、紫外線透過率が低下する虞がある。紫外線透過率が低下すると、TFTを作製するフォトリソグラフィー工程や紫外線による液晶の配向工程で不具合が発生する虞がある。よって、鉄の好適な下限含有量は、Fe換算で、0.001%であり、好適な上限含有量は、Fe換算で、0.012%、0.011%、特に0.01%である。最も好ましい含有範囲は0.001%〜0.01%である。
Crは、原料不純物として混入する成分である。Crの含有量が多過ぎると、ガラス基板端面から光を入射し、散乱光によりガラス基板内部の異物検査を行う場合に、光がガラス内を透過し難くなり、異物検査に不具合が生じる虞がある。特に、基板サイズが730mm×920mm以上の場合に、この不具合が発生し易くなる。また、ガラス基板の板厚が小さい(例えば0.5mm以下、0.4mm以下、特に0.3mm以下)と、ガラス基板端面から入射する光が少なくなるため、Crの含有量を規制する意義が大きくなる。Crの好ましい上限含有量は0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、特に0.0005%であり、好ましい下限含有量は0.00001%である。最も好ましい含有範囲は0.00001〜0.0005%である。
Fe+Crの含有量は、光透過性を高める観点から、好ましくは0.02%以下、0.015%以下、0.014%以下、0.013%以下、特に0.012%以下である。
SnOを0.01〜0.5%含む場合、Rhの含有量が多過ぎると、ガラスが着色し易くなる。なお、Rhは、白金製のガラス製造容器から混入する可能性がある。Rhの含有量は、好ましくは0〜0.0005%、より好ましくは0.00001〜0.0001%である。
SOは、不純物として、原料から混入する成分であるが、SOの含有量が多過ぎると、溶融や成形中に、リボイルと呼ばれる泡を発生させて、ガラス中に欠陥を生じさせる虞がある。SOの好適な上限含有量は0.005%、0.003%、0.002%、特に0.001%であり、好適な下限含有量は0.0001%である。最も好ましい含有範囲は0.0001%〜0.001%である。
アルカリ成分、特にLiO、NaOは、半導体膜の特性を劣化させる。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、合量で0〜0.5%、0〜0.4%、0〜0.3%、0〜0.2%、特に0〜0.1%が好ましい。なお、ガラス基板には、一般的に、原料不純物としてLiO、NaO及びKOが合量で100〜200質量ppm程度混入する。
上記成分以外にも、他の成分を導入してもよい。その導入量は、好ましくは2%以下、特に1%以下である。
本発明のガラス基板は、液相線温度から(液相線温度−50℃)の温度範囲において、SiO−Al−RO系結晶、SiO系結晶、SiO−Al系結晶の内、複数の結晶が析出する性質を有することが好ましい。また、複数の結晶を析出させる場合、SiO−Al−RO系結晶とSiO系結晶を析出させることが好ましい。複数の結晶相が液体と平衡状態になる領域近傍では、ガラスが安定化して、液相線温度が大幅に低下する。SiO−Al−RO系結晶として、SiO−Al−CaO系結晶が好ましく、特にアノーサイトが好ましい。SiO系結晶として、クリストバライトが好ましい。SiO−Al系結晶として、ムライトが好ましい。
本発明のガラス基板は、以下の特性を有することが好ましい。
近年、モバイル用途のディスプレイでは、軽量化の要求が高まっており、ガラス基板にも軽量化が求められている。この要求を満たすためには、ガラス基板の低密度化が望ましい。密度は、好ましくは2.6g/cm以下、2.57g/cm以下、2.56g/cm以下、2.55g/cm以下、2.54g/cm以下、特に2.53g/cm以下である。一方、密度が低過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれる虞がある。その結果、溶融温度の上昇、液相線粘度の低下が生じ易くなり、ガラス基板の生産性が低下し易くなる。また歪点も低下し易くなる。よって、密度は、好ましくは2.4g/cm以上、2.41g/cm以上、2.42g/cm以上、2.43g/cm以上、2.44g/cm以上、特に2.45g/cm以上である。
熱膨張係数は、好ましくは28×10−7〜45×10−7/℃、30×10−7〜43×10−7/℃、32×10−7〜42×10−7/℃、34×10−7〜41×10−7/℃、特に35×10−7〜40×10−7/℃である。このようにすれば、ガラス基板上に成膜される部材(例えば、a−シリコン、p−シリコン)の熱膨張係数に整合し易くなる。ここで、「熱膨張係数」は、30〜380℃の温度範囲で測定した平均熱膨張係数を指し、例えばディラトメーターで測定可能である。
OLEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等では、大面積のガラス基板(例えば、730×920mm以上、1100×1250mm以上、特に1500×1500mm以上)が使用されると共に、薄肉のガラス基板(例えば、板厚0.5mm以下、0.4mm以下、特に0.3mm以下)が使用される傾向にある。ガラス基板が大面積化、薄型化すると、自重による撓みが大きな問題になる。ガラス基板の撓みを低減するためには、ガラス基板の比ヤング率を高める必要がある。比ヤング率は、好ましくは28GPa/g・cm−3以上、28.5GPa/g・cm−3以上、29GPa/g・cm−3以上、29.5GPa/g・cm−3以上、30GPa/g・cm−3以上、30.5GPa/g・cm−3以上、31GPa/g・cm−3以上、31.5GPa/g・cm−3以上、特に32〜40GPa/g・cm−3である。また、ガラス基板が大面積化、薄型化すると、定盤上での熱処理工程、或いは各種の金属膜、酸化物膜、半導体膜、有機膜等の成膜工程後に、ガラス基板の反りが問題になる。ガラス基板の反りを低減するためには、ガラス基板のヤング率を高めることが有効である。ヤング率は、好ましくは75GPa以上、76GPa以上、77GPa以上、78GPa以上、特に79〜100GPaである。
歪点は、好ましくは680℃以上、690℃以上、695℃以上、700℃以上、705℃以上、特に710〜800℃である。これにより、半導体素子の形成プロセスで、ガラス基板が熱収縮し難くなる。
本発明のガラス基板において、室温(25℃)から5℃/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持した後、5℃/分の速度で室温まで降温した時、熱収縮値は、好ましくは30ppm以下、25ppm以下、22ppm以下、20ppm以下、18ppm以下、特に15ppm以下である。このようにすれば、半導体素子の形成プロセスで、熱処理を受けても、画素ピッチズレ等の不具合が生じ難くなる。なお、熱収縮値が小さ過ぎると、ガラスの生産性が低下し易くなる。よって、熱収縮値は、好ましくは5ppm以上、8ppm以上、特に10ppm以上である。なお、熱収縮値は、歪点を高める以外にも、成形時の冷却速度を低下させることでも低減することができる。
オーバーフローダウンドロー法では、断面略楔形の耐火物の表面を溶融ガラスが流下し、楔の下端で合流して、板状に成形される。スロットダウンドロー法では、例えば、スリット状の開口部を持つ白金族金属製容器からリボン状の溶融ガラスを流下、冷却して、板状に成形される。成形装置に接触している溶融ガラスの温度が高過ぎると、成形装置の老朽化を招き、ガラス基板の生産性が低下し易くなる。よって、104.5dPa・sの粘度における温度は、好ましくは1350℃以下、1340℃以下、1330℃以下、1320℃以下、1310℃以下、1300℃以下、特に1100〜1290℃である。なお、104.5dPa・sの粘度における温度は、成形時の溶融ガラスの温度に相当している。
低アルカリガラスや無アルカリガラスは、一般的に、溶融性が低いため、溶融性の向上が課題になる。溶融性を高めると、泡、異物等による不良率が軽減されるため、高品質のガラス基板を大量、且つ安価に供給することができる。一方、高温域でのガラスの粘度が高過ぎると、溶融工程で脱泡が促進され難くなる。よって、102.5dPa・sの粘度における温度は、好ましくは1700℃以下、1690℃以下、1680℃以下、1670℃以下、1660℃以下、特に1650℃以下である。ここで、「102.5dPa・sの粘度における温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、高温粘度102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当しており、この温度が低い程、溶融性に優れている。
ダウンドロー法等で成形する場合、耐失透性が重要になる。ガラス組成中にSiO、Al、B及びROを含むガラスの成形温度を考慮すると、液相線温度は、好ましくは1300℃未満、1280℃以下、1270℃以下、1260℃以下、1250℃以下、1240℃以下、1230℃以下、1220℃以下、特に900〜1210℃である。また、液相線粘度は、好ましくは104.3dPa・s以上、104.4dPa・s以上、104.5dPa・s以上、104.6dPa・s以上、104.7dPa・s以上、104.8dPa・s以上、104.9dPa・s以上、特に105.0〜107.0dPa・sである。
10質量%HF水溶液に室温(20℃)で30分間浸漬した時のエッチング深さは、好ましくは25μm以上、27μm以上、28μm以上、29〜50μm、特に30〜40μmになることが好ましい。このエッチング深さは、エッチングレートの指標になる。すなわち、エッチング深さが大きいと、エッチングレートが速くなり、エッチング深さが小さいと、エッチングレートが遅くなる。
β−OH値は、好ましくは0.35/mm以下、0.3/mm以下、0.25/mm以下、0.2/mm以下、特に0.15/mm以下である。β−OH値が大き過ぎると、歪点が低下し易くなる。一方、β−OH値が小さ過ぎると、溶融性が低下し易くなる。よって、β−OH値は、好ましくは0.01/mm以上、特に0.03/mm以上である。
ここで、「β−OH値」は、FT−IRを用いてガラスの透過率を測定し、下記の数式を用いて求めた値を指す。
[数1]
β−OH値 = (1/X)log(T/T
X:ガラス肉厚(mm)
:参照波長3846cm−1における透過率(%)
:水酸基吸収波長3600cm−1付近における最小透過率(%)
β−OH値を低下させる方法として、以下の(1)〜(7)の方法があり、その中でも、(1)〜(4)の方法が有効である。(1)低水分量の原料を選択する。(2)ガラスバッチ中にCl、SO等の乾燥剤を添加する。(3)加熱電極による通電加熱を行う。(4)小型溶融炉を採用する。(5)炉内雰囲気中の水分量を低下させる。(6)溶融ガラス中でNバブリングを行う。(7)溶融ガラスの流量を多くする。
本発明のガラス基板は、板厚方向の中央部に成形合流面を有すること、つまりオーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法とは、楔形の耐火物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを楔形の下端で合流させながら、下方に延伸成形して板状を成形する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス基板の表面となるべき面は耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。これにより、未研磨でも表面品位が良好なガラス基板を安価に製造することができる。またガラス基板の大面積化や薄型化も容易である。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、フロート法等でガラス基板を成形することも可能である。
本発明のガラス基板において、板厚は、特に限定されないが、好ましくは0.5mm以下、0.4mm以下、0.35mm以下、特に0.05〜0.3mmである。板厚が小さい程、デバイスを軽量化し易くなる。一方、板厚が小さ過ぎると、ガラス基板が撓み易くなるが、本発明のガラス基板は、ヤング率や比ヤング率が高いため、撓みに起因する不具合が生じ難い。なお、板厚は、ガラス製造時の流量や板引き速度等で調整可能である。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜18)を示している。
次のように、各試料を作製した。まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600℃で24時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した。得られた各試料について、密度、熱膨張係数、ヤング率、比ヤング率、歪点、徐冷点、軟化点、104.5dPa・sの粘度における温度、104.0dPa・sの粘度における温度、103.0dPa・sの粘度における温度、102.5dPa・sの粘度における温度、液相線温度、初相、液相線粘度logη、HO量、HF水溶液によるエッチング深さを評価した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
熱膨張係数は、30〜380℃の温度範囲において、ディラトメーターで測定した平均熱膨張係数である。
ヤング率は、JIS R1602に基づく動的弾性率測定法(共振法)により測定した値を指し、比ヤング率は、ヤング率を密度で割った値である。
歪点、徐冷点、軟化点は、ASTM C336及びC338の方法に基づいて測定した値である。
104.5dPa・sの粘度における温度、104.0dPa・sの粘度における温度、103.0dPa・sの粘度における温度、102.5dPa・sの粘度における温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相線温度と液相線粘度は、次のようにして測定した。各試料を粉砕し、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、1050℃から1300℃に設定された温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、ガラス中に失透(結晶異物)が認められた温度を液相線温度とした。そして、液相線温度から(液相線温度−50℃)の温度範囲に析出している結晶を初相として評価した。表中で「Ano」は、アノーサイトを指し、「Cri」は、クリストバライトを指し、「Mul」は、ムライトを指している。更に、液相線温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定し、これを液相線粘度とした。
各試料の両面を光学研磨した上で、試料表面の一部にマスキングを施し、10質量%のHF水溶液中で、室温(20℃)で30分間浸漬した後、得られた試料表面のマスキング部とエッチング部間での段差を測定することにより、エッチング深さを評価した。
O量は、ガラスのβ−OH値を上記の方法で測定した値である。
試料No.1〜18は、熱膨張係数が35×10−7〜40×10−7/℃、歪点が680℃以上であり、熱収縮値を低減することができる。またヤング率が75GPa以上、比ヤング率が30GPa/(g/cm)以上であり、撓みや変形が生じ難い。また104.5dPa・sの粘度における温度が1290℃以下、102.5dPa・sの粘度における温度が1632℃以下であり、且つ液相線温度が1206℃以下、液相線粘度が104.9dPa・s以上であるため、溶融性、成形性及び耐失透性に優れており、大量生産に向いている。更にエッチング深さが30μm以上であるため、エッチングレートを高速化することができる。
本発明のガラス基板は、高耐失透性、高歪点化及びエッチングレートの高速化を同時に達成することができる。よって、本発明のガラス基板は、OLEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等のディスプレイの基板に好適であり、LTPS、酸化物TFTで駆動するディスプレイの基板に好適である。

Claims (12)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜65%、Al 15〜25%、B 5.4〜9%、MgO 0〜5%、CaO 5〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜10%、P 0.01〜10%を含有し、質量比SiO/Bが6〜11.5、モル比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが0.8〜1.4であることを特徴とするガラス基板。
  2. ガラス組成中のLiO+NaO+KOの含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板。
  3. ガラス組成中のFe+Crの含有量が0.012質量%以下であることを特徴とする請求項1〜2の何れか一項に記載のガラス基板。
  4. 歪点が680℃以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のガラス基板。
  5. 104.5dPa・sの粘度における温度が1300℃以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のガラス基板。
  6. 液相線粘度が104.8dPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のガラス基板。
  7. 10質量%HF水溶液に室温で30分間浸漬した時のエッチング深さが25μm以上になることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のガラス基板。
  8. ヤング率が75GPa以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のガラス基板。
  9. 比ヤング率が30GPa/(g/cm)以上であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のガラス基板。
  10. 液晶ディスプレイに用いることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のガラス基板。
  11. OLEDディスプレイに用いることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のガラス基板。
  12. ポリシリコン又は酸化物TFT駆動の高精細ディスプレイに用いることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のガラス基板。
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