JP2018162073A - 蓋材用無延伸共押出積層フィルム - Google Patents

蓋材用無延伸共押出積層フィルム Download PDF

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【課題】ガスバリア性が高く、食品トレーとの密封シール性と防曇性とを兼備し、トレーを段積みしても跡が残らない蓋材用無延伸共押出積層フィルムを提供する。【解決手段】少なくとも外層、中間層、および内層を有する積層フィルムにおいて、前記外層がポリプロピレン系樹脂とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層、またはポリプロピレン系樹脂を含む層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層をそれぞれ1層以上有し、前記中間層がエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物またはポリメタキシリレンアジパミド系樹脂を含むガスバリア層を有し、前記内層が防曇剤とポリオレフィン系樹脂を含むヒートシール層を有し、かつフィルムの総厚が20μm以上60μm以下とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性とヒートシール性と防曇性を有するプラスチックフィルムを用いた、蓋材用無延伸共押出積層フィルムに関する。
近年、食品業界では、環境負荷の削減やコスト削減、資源の有効活用として、食品の廃棄ロス削減に取り組む動きが活発化している。
包装材では、食品の賞味期限を延長する包装材や包装方法を提供することで、上記取り組みに寄与しており、例えば、食品の劣化の要因となる酸素流入や雑菌繁殖を抑制する手段が活用されている。
酸素流入や雑菌繁殖の抑制方法としては、密封包装での加熱殺菌や無菌室での密封包装が行われており、その効果をさらに高める方法として、ガスバリア性包材での真空パックやガス置換包装が用いられている。
特に、精肉や鮮魚、惣菜等の賞味期限の短い食品は、従来、発泡ポリスチレンやポリプロピレンのシートを成形した樹脂トレーにラップフィルムを巻き付けたものや、樹脂トレーに嵌め合わせの蓋をしただけのものが主流であり、これらの包装食品は、賞味期限が短い上に販売量が多いため、廃棄ロス削減が喫緊の課題となっている。
そこで、食品の樹脂トレーのガスバリア向上と、包装体の内部を不活性ガス等で充填しガスバリア性蓋材で密封するガス置換包装体が求められている。その形態は、例えば図1に示す樹脂トレーの縁に蓋材フィルムをヒートシールで溶融密着させるものが挙げられる。
しかしながら、従来のガス置換包装体(ガスパック)用蓋材は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているような、ポリアミド樹脂層とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層とヒートシール性ポリオレフィン樹脂層を有する共押出多層フィルムと、二軸延伸ポリエステルフィルム、無延伸ポリエステルシート(APET)やポリ塩化ビニルシート、ポリスチレンシートなどの基材とをドライラミネートした、総厚およそ100〜300μmの厚い積層体であり、既存のラップフィルムのような柔軟性と張りが求められるトレー蓋材には用いることができない。また、生鮮食品や惣菜からの水分により蓋材内面が曇ることを防ぎ、包装体の内容物視認性を維持するための防曇性が不十分である。
ガスバリア性と防曇性を付与した蓋材としては、例えば特許文献3や特許文献4を挙げることができる。しかし、これらはポリビニルアルコール樹脂フィルムと防曇剤を塗布したポリオレフィン樹脂フィルムを積層したものであり、防曇剤塗布層が内容物に接触して部分的に欠落することにより、防曇性が不十分になるか、あるいは外観が損なわれ、また防曇剤層によりフィルムが固着してしまうという課題があった。さらに、フィルムの吸湿によってガスバリア性が大きく低減するといった課題もある。
また、上記特許文献に開示されたいずれの技術には、フィルム同士を2次加工で積層する工程が含まれるため、製造費用と製造時間を要するといった別の課題もある。
一方、類似の包装材として熱収縮性フィルムがあるが、これらは安価で透明性が良いものの、包装や保管の条件によってフィルム自身の寸法変化が大きいことや、包装後の製品がフィルムの収縮によって変形し、価値が損なわれてしまうという課題があった。
他方、従来の無延伸共押出フィルムでは、トレーを段積みした際に蓋材が凹み、トレーを降ろした後も凹んだ跡が残ってしまうため、見栄えが悪いという課題があった。
特開平10−095075号公報 特開平11−227125号公報 特開平7−060919号公報 特開平7−060922号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ガスバリア性が高く、食品トレーとの密封シール性と防曇性とを兼備し、トレーを段積みしても跡が残らない蓋材用無延伸共押出積層フィルムを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、フィルムの層構成および各層の組成につき鋭意検討した結果、以下の本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]少なくとも外層、中間層、および内層を有する積層フィルムであって、前記外層がポリプロピレン系樹脂とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂とを含む層、またはポリプロピレン系樹脂を含む層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層とをそれぞれ1層以上有し、前記中間層がエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物またはポリメタキシリレンアジパミド系樹脂を含むガスバリア層を有し、内層が防曇剤とポリオレフィン系樹脂とを含むヒートシール層を有し、かつ、フィルムの総厚が20μm以上60μm以下である、蓋材用無延伸共押出積層フィルム。
[2]前記積層フィルムの中間層と内層との間にポリアミド系樹脂を含む層を有する、[1]に記載の蓋材用無延伸共押出積層フィルム。
[3]前記積層フィルムのヒートシール層の中間層側に該ヒートシール層と隣接するイージーピール層を有する[1]または[2]のいずれかに記載の蓋材用無延伸共押出積層フィルム。
[4][1]から[3]のいずれかに記載の蓋材用無延伸共押出積層フィルムを用いた深絞り包装体用蓋材。
[5][4]に記載の蓋材と、深絞り包装体用底材とからなる深絞り包装体。
[6]ガス置換深絞り包装体である、[5]に記載の深絞り包装体。
本発明のフィルムは、フィルムの総厚が60μm以下という薄いフィルムでありながら、引張強度、ストレッチ性、及び防曇性を兼ね備え、従来のトレーに巻き付けるラップフィルムのような美観性を持つ。更に、発泡ポリスチレンやプロピレン製の成型トレーに対し、その縁部で熱溶融封止でき、ガスバリア性もあることから、生鮮食品や惣菜などのガス置換包装体のトップシール蓋材として好適に使用できる。
本発明の実施の形態に係るガス置換包装体を例示したものである。 図1に示すように、1の蓋材に本発明の蓋材用無延伸共押出フィルムを使用し、2の底材(トレー)には、主にポリエチレンテレフタレート/エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物/ポリエチレンやポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物/ポリプロピレン等の構成品が使用される。3の蓋材と底材とのヒートシール密着部(トップシール部)は、蓋材と底材(トレー)がヒートシールにより溶融密着されている箇所である。4は生鮮食品等の収容物であり、5が不活性ガス等を充填した充填部である。10のガス置換包装体は、1〜5を組み合わせて作製されたものである。
本発明のフィルムは、後述の各層の組成や厚さの構成と、フィルム総厚が20μm以上60μm以下の無延伸共押出積層フィルムである。これにより、ガスバリア性が高く、食品トレーとの密封シール性と防曇性とを兼備するフィルムを提供し、且つトレーを段積みしても跡が残らないフィルムを提供できる。
本発明のフィルムの製造方法は、公知の方法を用いて行うことができ、例えば、共押出インフレーション法および共押出Tダイ法等を用いることができる。
<外層>
本発明のフィルムは、外層にポリプロピレン系樹脂(以下、PPと略記することがある。)とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂(以下、PS−POと略記することがある。)とを含む層、またはポリプロピレン系樹脂を含む層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層とをそれぞれ1層以上配する。
外層にポリプロピレン樹脂を含むことで耐熱性が付与され、ヒートシール時にフィルムの外層が熱板に融着することを防ぐことができ、外層にポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含むことでフィルムに伸縮性が付与される為、トレーの段積みによりフィルムが凹んだ場合も、トレーを降ろしたら凹みが消える性質を有する。
なお、外層にポリプロピレン系樹脂とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂の両方を含む層として設けても、外層にポリプロピレン系樹脂を含む層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層をそれぞれ1層以上設けてもかまわない。
また、外層にポリプロピレン系樹脂を含む層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層を設ける場合は、ヒートシール時に熱板との融着を防ぐ観点から、ポリプロピレン系樹脂を含む層をポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層より外層側に設けたほうが好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン、またはプロピレンと炭素数1〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体が挙げられる。中でも、ヒートシール時の融着を防止する為、ポリプロピレン樹脂の融点は140℃以上が好ましく、145℃以上がより好ましく、155℃以上が更に好ましい。融点は、JIS K 7121法に準じて測定できる。
ポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂としては、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の水素添加誘導体を示し、一般式:a(b−a)n、(a−b)n、またはa−b−cで表されるブロック共重合体の水素添加誘導体の1種または2種以上である。但し、式中、(a)はモノビニル置換芳香族炭化水素の重合体ブロック、(b)はモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック又は共役ジエンのエラストマー性重合体ブロック、(c)はモノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロックであって且つモノビニル置換芳香族炭化水素が漸増するテーパーブロックであり、nは1〜5の整数である。
上記の重合体ブロック(a)、(b)又は(c)を構成する単量体のビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、(o−、m−、p−)メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、これらの中では、スチレン又はα−メチルスチレンが好ましい。上記の重合体ブロック(b)又は(c)における共役ジエン単量体としては、ブタジエン及び/又はイソプレンが好ましい。重合体ブロック(b)又は(c)を形成するために、ブタジエンが単一の共役ジエン単量体として使用される場合は、ブロック共重合体が水素添加されて二重結合が飽和された後、プロピレン系重合体への相溶性を増大させる目的で、ポリブタジエンにおけるミクロ構造中の1,2−ミクロ構造が50質量%以上となる重合条件を採用するのが好ましい。1,2−ミクロ構造の好ましい割合は50質量%〜90質量%である。
重合体ブロック(a)の水素添加ブロック共重合体中に占める割合または重合体ブロック(a)と重合体ブロック(c)のビニル芳香族化合物の含量の和は、通常3〜30質量%、好ましくは5〜20質量%である。重合体ブロック(a)の割合または重合体ブロック(a)と重合体ブロック(c)のビニル芳香族化合物の含量の和が3質量%未満の場合には、得られる組成異物の機械的強度が劣る傾向となる。また、重合体ブロック(a)の割合または重合体ブロック(a)と重合体ブロック(c)のビニル芳香族化合物の含量の和が30質量%を超える場合は、組成物の柔軟性および透明性が劣る傾向がある。
ポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の値として、通常10〜55万、好ましくは15〜50万、更に好ましくは20〜45万である。重量平均分子量が10万未満の場合は、ゴム弾性および機械的強度が劣る傾向があり、55万を超える場合は、粘度が高くなり成形加工性が劣る傾向がある。
上記の様なポリスチレン−ポリオレフィン共重合体としては、例えば、クレイトンポリマーズ社製「KratonG」(登録商標)、クラレ社製「セプトン」(登録商標)、「ハイブラー」(登録商標)、旭化成社製「タフテック」(登録商標)、JSR社製「ダイナロン」(登録商標)、また、カネカ社製のカチオン重合により得られたスチレンブロックとイソブチレンブロックから構成される「SIBSTAR」(登録商標)、等が挙げられる。また、プロピレン系樹脂とスチレン系エラストマーとの樹脂組成物として三菱化学製「ゼラス」(登録商標)等が挙げられる。
外層におけるポリスチレン−ポリオレフィン共重合体の混合率は、25質量%以上50質量%以下が好ましい。ポリスチレン−ポリオレフィン共重合体を25質量%以上にすることで、トレー段積み時の凹みが消える性質が発現しやすくなり、50質量%以下にすることで、ヒートシール時の熱板への融着を防ぐことができる。
ポリプロピレン系樹脂及びポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂に関しては、前述のものと同様の原料を使用することができる。
<中間層>
本発明のフィルムは、内容物の食品の腐敗を防ぐ目的で、酸素ガスバリア層を中間層に配する。
ガスバリア層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下、EVOHと略記することがある)層、またはポリメタキシレンとアジピン酸からなるポリメタキシリレンアジパミド樹脂(以下、MXDと略記することがある)を含む層を少なくとも1層備えることで、賞味期限の延長に必要な酸素バリア性を付与し易い。より高いガスバリア性の効果の点では、EVOH層を配することがより好ましく、耐熱性・耐水性を兼ね備える点においては、MXD層を配することが好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物のエチレン含有率は、特に限定されるものではないが、フィルム製膜安定性の観点から、下限は27モル%以上が好ましく、32モル%以上がより好ましく、上限は47モル%以下が好ましく、44モル%以下がより好ましい。
ガスバリア層の厚さは、下限は1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。また、上限は8μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。
ガスバリア層の厚さを1μm以上とすることにより、本発明の目的に十分な酸素バリア性を付与することができ、且つ安定した製膜が可能となる。また、該厚さを8μm以下とすることにより、経済性に優れる他、耐ピンホール性の低下が避けられる。
<内層>
本発明のフィルムは、内層に防曇剤を含有したポリオレフィン樹脂からなるヒートシール層を少なくとも1層有することで、収容物の食品等からの水分による蓋材内面の曇り抑制と、底材等の被着体とのヒートシール性の機能を付与できる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ヒートシール性を付与できれば特に限定されないが、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン―アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン―アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン―アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン―メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン―メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリプロピレン(PP)の群から選ばれる少なくとも1種から構成されることが好ましい。
中でも、EVAは、透明性や柔軟性を付与する観点で好ましい。また、LLDPEは、ヒートシール可能温度域が広く、表面の強度、滑り性が良好である観点で好ましい。
本発明の複合フィルムは内層と中間層との間に、耐ピンホール性及び接着強度を向上するためにポリアミド系樹脂を含む層(以下、PAと略記することがある)を有することが好ましい。使用するポリアミド樹脂としては、種々のポリアミド樹脂のホモポリマーまたはコポリマーを各々単独で、もしくは混合物として用いることができる。例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン6−66、ナイロン6−610、ナイロン6−611、ナイロン6−12、ナイロン6−612、ナイロン6−6T、ナイロン6−6I、ナイロン6−66−610、ナイロン6−66−12、ナイロン6−66−612、ナイロン66−6T、ナイロン66−6I、ナイロン6T−6I、ナイロン66−6T−6I等が挙げられる。中でも、ポリアミドとしては、耐ピンホール性の観点から、6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。また、PAからなる層は2層以上設けることもでき2、各層が異なる種類のポリアミドで形成されていてもよい。
PA層の厚さは、1μm以上8μm以下が望ましい。1μm未満では厚さ振れが生じやすく、フィルムの強度も不十分となる。8μmを超えると、外層や内層などの他層が薄くなりその機能が損なわれる傾向が現れる。
<内層(ヒートシール層)>
本発明のフィルムの内層(ヒートシール層)には、防曇剤とポリオレフィン系樹脂を含むヒートシール層を配する。防曇剤は、ポリオレフィン系樹脂と混合して含有され、防曇剤と樹脂との混合は、マスターバッチで混練ペレットを作製する方法、樹脂と防曇剤をフィルム製膜押出機へ供給し押出機内で混合する方法、等が挙げられる。マスターバッチの防曇剤濃度は特に限定されず、フィルム内層における防曇剤含有濃度が後述の濃度範囲となるよう調整すればよい。
防曇剤をポリオレフィン樹脂と混合してフィルム内層を形成することで、塗布法で防曇剤層を形成する場合に比べ、フィルム成形、包装体成形、収容物接触を経ても、フィルム表面の防曇剤量が低減することなく、防曇効果を安定して維持できる。また、ガスバリア層の存在により、防曇剤のフィルム外層側、包装体外側への移行拡散が抑制され、防曇剤がフィルム内層表面へ効果的に析出し、効率的に防曇性を発現し得る。更に、外層側への移行抑制により、蓋材フィルムの外層側が接触する包装機熱板への防曇剤付着汚れが発生することもない。
防曇剤としては、公知の成分を使用でき、例えば、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステル有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。中でも、本発明のフィルムを食品接触用途に用いる場合は、内層を構成するポリオレフィン樹脂との混練適性と防曇性効果の点から、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
防曇剤含有濃度は、フィルム内層に対して、下限は0.020質量%以上が好ましく、0.025質量%以上がより好ましく、0.030質量%以上がさらに好ましい。上限は0.100質量%以下が好ましく、0.090質量%以下がより好ましく、0.080質量%以下がさらに好ましい。
0.020質量%以上により良好な防曇性効果を発現でき、0.100質量%以下により防曇剤の内層表面への過剰な析出を抑制し、フィルム表面のベタつきや粉末の発生を抑制することができる。
内層(ヒートシール層)の厚さは、下限は10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。上限は30μm以下が好ましい。厚さを10μm以上にすることで良好なヒートシール性と充分な防曇性と継時的に防曇性能が維持でき、厚さを30μm以下にすることによりフィルムの剛性が好適となり好ましい。
<イージーピール層>
本発明のフィルムは、内層(ヒートシール層)の中間層側に、ヒートシール層と隣接するイージーピール層を更に設けることもできる。底材(トレー)とヒートシールし密封後、蓋材を大きな力で引っ張らなくとも手で容易に引き開封することが可能になる。
イージーピール層は、2種類以上の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂の混合によって構成することで凝集破壊性を有する、開封時にこの層の内部で凝集破壊が生じて容易に開封が可能となる。その開封時、蓋材フィルムの開口部周辺のヒートシール層は、トレー側に残る。
イージーピール層を配設する場合は、液状防曇剤を、前述のヒートシール層と同様、液状防曇剤を添加することが好ましい。フィルム内層のヒートシール層に隣接したイージーピール層にも液状防曇剤を含有することにより、ヒートシール層に混合した液状防曇剤がイージーピール層側へ移行せずにヒートシール表面に効果的に析出し、フィルムの防曇性が経時的に維持される。他方、イージーピール層に液状防曇剤を含有させない場合は、ヒートシール層内の液状防曇剤が、フィルム内層側の表面のみでなくイージーピール層へも移行拡散するため、防曇性の維持が不十分となるため好ましくない。
この場合、イージーピール層の液状防曇剤の量は、隣接するフィルム内層のヒートシール層の液状防曇剤を含有比率以上の割合で含有することが好ましい。イージーピール層の液状防曇剤は、ヒートシール層のポリオレフィン樹脂層に含有する種類と同様のもの、および同様の方法で用いることができる。
凝集破壊性の観点から、イージーピール層に使用される樹脂の主成分には、隣接するポリオレフィン樹脂およびヒートシール層との共押出接着性を確保するために、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、等が挙げられる。
また、副成分には、イージーピール層に使用される樹脂の主成分と相溶性が低く、均等に分散可能な樹脂1種以上を選択すると、良好な凝集破壊性が得られるので好ましい。例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン(PB)、ポリスチレン(PS)等が好ましい。
中でも、主成分と副成分の組合せとして、LDPEとPB、LLDPEとPBの組合せが、安定した開封性と層間接着強度の両立の点でより好ましい。
本発明のフィルムを蓋材として底材(トレー)とヒートシールし密閉後、蓋材開封時のイージーピール強度は、23℃で、下限が4.0N/15mm幅以上、好ましくは6.0N/15mm幅以上、さらに好ましくは8.0N/15mm幅以上であり、上限は15.0N/15mm幅以下、好ましくは13.0N/15mm幅以下、さらに好ましくは12.0N/15mm幅以下である。下限の4.0N/15mm幅を下回ると、強度が小さくなりすぎて包装体の密封性の観点から好ましくなく、上限の15.0N/15mm幅を超えると開封し難くなり好ましくない。
イージーピール層に使用される樹脂の主成分は、イージーピール層全体に対し、下限は50質量%以上、好ましくは55質量%以上であり、上限は80質量%以下、好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。下限の50質量%より少ないとイージピール強度が小さくなりすぎて好ましくなく、上限の70質量%を超えるとイージピール強度が大きくなり開封し難くなり好ましくない。
イージーピール層に使用される副成分は、イージーピール層全体に対し、下限は20質量%以上、好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、上限は50質量%以下、好ましくは45質量%以下である。下限の20質量%より少ないと、開封時イージーピール層の凝集破壊性が小さくなり開封し難くなり好ましくなく、上限の50質量%を超えると、イージーピール層の凝集破壊性が大きくなるため好ましくない。
イージーピール層に隣接するフィルム内側のヒートシール層の厚さは、開封の際に破断する必要がある観点から薄く成形することが好ましく、上限は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。下限はフィルム製膜安定性の点から1μm以上が好ましく、2μm以下がより好ましい。
イージーピール層の厚さは、透明性と開封性の点から薄く形成することが望ましく、上限は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。上限の10μmを透明性が低下することと、開封性が低下するため好ましくない。特に下限は1μm以上が好ましく、2μm以下がより好ましい。下限の1μmより少ないと、製膜安定性や厚さ精度の観点から好ましくない場合がある。
イージーピール層を配設する場合は、イージーピール層より中間層側にポリオレフィン系樹脂と液状防曇剤からなる層を配することが好ましい。(以下、ポリオレフィン系樹脂層ということもある。)このポリオレフィン系樹脂層は、特に限定されないが、上述したヒートシール層と同様なものが使用できるが、ヒートシール層と同じものを使用しても構わない。
イージーピール層より中間層側にポリオレフィン系樹脂層を更に配する場合は、ヒートシール層、イージーピール層、ポリオレフィン系樹脂層とを合わせた厚さが、下限は10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。上限は30μm以下が好ましい。厚さを10μm以上にすることで良好な防曇性能が得られ、厚さを30μm以下にすることによりフィルムの剛性が好適となり好ましい。
<接着層>
本発明のフィルムは、各層の層間剥離強度を高める目的で、必要に応じて接着層を設けることができる。接着層は1層であっても良いし、複数層であっても良い。
接着層として使用可能な接着性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等が例示でき、その他、変性ポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはエチレン系エラストマーに、アクリル酸もしくはメタアクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、またはマレイン酸、フマール酸もしくはイタコン酸等の二塩基性脂肪酸の無水物を化学的に結合させたものを例示できる。中でも、ポリエチレンまたはポリプロピレンをベースとした接着性樹脂を用いることが好ましい。
接着層を設ける場合、接着層の厚さは特に制限はないが、接着性、作業性、経済性、取扱い性の観点から、下限は2μm以上が好ましく、また上限は8μm以下が好ましい。接着層の厚さが2μm以上であれば、層間剥離強度を向上させることができる。また接着層が厚過ぎると、透明性の悪化やフィルムの総厚さが厚くなってしまう他、製造コストもかさむため上限は8μm以下であることが好ましい。
<フィルム全体>
本発明のフィルムの層構成は、外層にポリプロピレン樹脂とポリスチレン−ポリオレフィン樹脂との混合層、またはポリプロピレン樹脂層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂層との積層、中間層にエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物またはポリメタキシリレンアジパミド樹脂からなるガスバリア層、内層に防曇剤含有ヒートシール層を有した構成であれば、特に制限はなく、各層間に接着樹脂層等の他の層を配しても良い。
本発明のフィルムの総厚は、フィルム製膜性、フィルムの剛性や強度、ヒートシール性と熱板非融着性、ガスバリア性、復元性、経済性などを良好に兼ね備える観点から、フィルム総厚の下限は20μm以上が好ましい。また、フィルム総厚の上限は60μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは45μm以下である。フィルム総厚が20μm未満であると、フィルム製膜性、フィルムの剛性や強度の観点で好ましくなく、フィルム総厚が、60μmをこえると、製造コストの面で好ましくない。
本発明のフィルムの酸素ガス透過率は、食品の劣化抑制の点から低いことが望ましく、20cc/(m・day・atm)以下が好ましく、15cc/(m・day・atm)以下がより好ましい。
<包装体>
本発明のフィルムは、各種包装体への使用に好適である。本発明のフィルムは、ガスバリア性が良く、トレー(トレイ)等との密封シール性と充分な防曇性と継続的な防曇性能を兼ね備え、特に、包装時に包装体を変形させず張りよく包装が可能なため、段積み、運搬、保管、陳列の際の痕残り(転写)が起き難く、ガス置換包装(ガスパック)等の深絞り包装体や、ブリスターパック、トレー(トレイ)包装体などの蓋材としての用途に有用である。
深絞り包装体の底材やトレー包装体の底材(トレー)については、材質、大きさ、形状などについて特に制限はなく、公知の包材を使用できる。深絞り包装体の底材としては、例えば、ポリアミド系樹脂層/ヒートシール層、ポリオレフィン系樹脂層/ポリアミド系樹脂層/ヒートシール層、等の層構成や、それらの層間にガスバリア層を配した層構成、等の無延伸共押出フィルムを用いて成形される底材が挙げられる。トレー底材としては、例えば、発泡ポリスチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリエチレンテレフタレートシート、等を用いて成形したトレー底材や、それらシートにオレフィン系樹脂からなるシール層を有するフィルムを積層し当該フィルムが収容物側に位置するように成形したトレー底材、等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1〜3に示す層構成のフィルムは、各層を構成する樹脂をそれぞれ、単軸押出機に投入しTダイ法により樹脂温度250℃で共押出成形した後、50℃のキャストロールで急冷製膜することにより無延伸共押出積層フィルムを作製した。
内層(ヒートシール層)への防曇剤の含有は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)に対し防曇剤15質量%の比率で配合し混練したマスターバッチを用い、更に当該マスターバッチをLLDPEと混合し、内層における防曇剤含有濃度を0.075質量%とした。実施例4,5については、更にイージーピール層とイージーピール層より内側にポリオレフィン系樹脂層を設けた。イージーピール層は、樹脂成分を直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)とポリブテン樹脂(PB)を70/30の質量割合で配合し、内層へ添加したのと同じ防曇剤のマスターバッチを使用し、防曇剤の含有濃度を0.075質量%となるように添加した。イージーピール層より内側のポリオレフィン系樹脂層は、内層(ヒートシール層)と同様に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)に対し、同じ防曇剤マスターバッチを用い、防曇剤含有濃度を0.075質量%とした。
比較例3においては、無延伸共押出積層フィルムを作製後、延伸機に投入し延伸倍率縦横各1.5倍、熱固定なしで延伸を行い、熱収縮性フィルムを得た。
次いで、深絞り包装機(MULTIVAC製R535)を用い、蓋材フィルムとして各例で得たフィルムを供し、底材フィルムとして、APET(270μm)/EVOH(10μm)/PE(20μm)の層構成の無延伸共押出フィルムを供した。
底材フィルムを底面10cm角、深さ5cmの略直方体の深絞り形状に真空成型し、水50mlを収容し、底材のフランジ部と蓋材フィルムとを重ね、その周縁部を140℃、2秒間、0.5MPaの設定条件でヒートシールすると共に、窒素ガスを圧力300kPa、流量8Lの条件で封入し、ガス置換包装体(ガスパック)を作製した。尚、ヒートシール熱板は、蓋材の外層側に位置する。
各例に示す層構成は、外層側から内層側への順に記した各層を構成する樹脂組成の表記には、次の略号を用いた。また、( )内は、各層の厚さを示し、「+」の表記は、含有を意味する。
PP; ポリプロピレン単独重合体、融点160℃
PS−PO;ポリスチレン−ポリオレフィン共重合体
Ny; ナイロン6単独重合体
EVOH;エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物 32モル%
MXD;ポリメタキシリレンジアジパミド樹脂
PE; 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
PB; ポリブテン樹脂
防曇; 防曇剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル
AD; 不飽和カルボン酸変性ポリエチレン系接着樹脂
<実施例1>
[PP60wt%+PS−PO40wt%](10μm)/AD(2μm)/EVOH(2μm)/AD(4μm)/PE+防曇(22μm)、総厚40μm
<実施例2>
PP(2μm)/PS−PO(8μm)/AD(2μm)/EVOH(2μm)/AD(4μm)/[PE+防曇](22μm)、総厚40μm
<実施例3>
PP(2μm)/PS−PO(8μm)/AD(2μm)/PA(2μm)/EVOH(2μm)/AD(4μm)/[PE+防曇](20μm)、総厚40μm
<実施例4>
PP(2μm)/PS−PO(8μm)/AD(2μm)/PA(2μm)/EVOH(2μm)/AD(4μm)/[PE+防曇](16μm)/[(PE/PB=70/30)+防曇](2μm)/[PE+防曇](2μm)、総厚40μm
<実施例5>
PP(2μm)/PS−PO(8μm)/AD(2μm)/PA(2μm)/MXD(2μm)/AD(4μm)/[PE+防曇](16μm)/[(PE/PB=70/30)+防曇](2μm)/[PE+防曇](2μm)、総厚40μm
<比較例1>
PP(10μm)/AD(2μm)/EVOH(2μm)/AD(4μm)/[PE+防曇](22μm)、総厚40μm
<比較例2>
PS−PO(10μm)/AD(2μm)/EVOH(2μm)/AD(4μm)/[PE+防曇](22μm)、総厚40μm
<比較例3> 熱収縮性フィルム
Ny(16μm)/EVOH(2μm)/AD(2μm)/[PE+防曇](20μm)、総厚40μm
各例で得たフィルムを用い作製したガス置換包装体について、以下の評価を行い、表1に結果を記した。
<熱板融着>
ヒートシールの際に、蓋材フィルムが熱板に融着しなかったものを「○」、したものを「×」と評価した。
<復元性(蓋材痕残り)>
水平台上のガス置換包装体の蓋材の中央部に、8cm角、300gの金属板を載せ、5℃、24時間静置保管した。その後、金属板を降ろして包装体の蓋材を観察し、金属板を載せた箇所に凹み痕が5分以内に消えたものを「○」、10分以内に消えたものを「△」、10分以内に消えなかったものを「×」とした。
<底材変形>
ガス置換包装体を作製直後に水平台上に静置し、水平面に対し、ヒートシール部(フランジ部)の反り返りが2mm未満だったのものを「○」、2mm以上だったものを「×」とした。
<接着強度(層間剥離強度)>
ガス置換包装体を作製後、本発明の積層フィルム(蓋材フィルム)を剥離し、積層フィルムに層間剥離が発生するかどうかを評価した。10パック剥離し、層間剥離が0パックだったものを「○」、層間剥離が1〜3パックだったものを「△」、4パック以上層間剥離したものを「×」とした。
<易開封性(イージーピール性)>
ガス置換包装体を作製後、本発明の積層フィルム(蓋材フィルム)を剥離した際、剥離強度が15N/15mm幅未満のものを「○」、15N/15mm幅以上のものを「×」とした。
Figure 2018162073
表1から分かるように、上記実施例に係る蓋材用無延伸共押出積層フィルムは、外層に、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層、またはポリプロピレン系樹脂層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層をそれぞれ配するため、ヒートシール時に熱板に融着せず、復元性も良好であった。
一方、比較例1は、外層にポリプロピレン系樹脂層のみを配しているので復元性が良くなく、比較例2は、外層にポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂層のみを配しているため、ヒートシール時に熱板への融着が発生した。比較例3の熱収縮性フィルムは、底材変形や接着強度に問題があった。
さらに、実施例4および実施例5については、イージーピール層を設けたため、易開封性(イージーピール性)が、良好な結果となった。
本発明のフィルムを包装体の蓋材に使用した場合、包装体を変形させずに張りが良く、ガスバリア性、シール性、防曇性が良好で、且つ、包装体を段積みした際の跡が消える特性から、特にガス置換深絞り包装体(ガスパック)として有用性が高く、生鮮食品などの賞味期限長期化に役立ち、引いては食品および包装材の廃棄量削減に大いに貢献できると考えられる。
1;蓋材
2;底材、トレー
3;蓋材と底材とのヒートシール密着部(トップシール部)
4;生鮮食品等の収容物
5;不活性ガス充填部
10;深絞り包装体

Claims (6)

  1. 少なくとも外層、中間層、および内層を有する積層フィルムであって、前記外層が、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂とを含む層、またはポリプロピレン系樹脂を含む層とポリスチレン−ポリオレフィン共重合体樹脂を含む層とをそれぞれ1層以上有し、前記中間層がエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物またはポリメタキシリレンアジパミド系樹脂を含むガスバリア層を有し、前記内層が防曇剤とポリオレフィン系樹脂とを含むヒートシール層を有し、かつ、フィルムの総厚が20μm以上60μm以下である、蓋材用無延伸共押出積層フィルム。
  2. 前記積層フィルムの中間層と内層との間にポリアミド系樹脂を含む層を有する、請求項1に記載の蓋材用無延伸共押出積層フィルム。
  3. 前記積層フィルムのヒートシール層の中間層側に該ヒートシール層と隣接するイージーピール層を有する、請求項1又は請求項2に記載の蓋材用無延伸共押出積層フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材用無延伸共押出積層フィルムを用いた深絞り包装体用蓋材。
  5. 請求項4に記載の蓋材と、深絞り包装体用底材とからなる深絞り包装体。
  6. ガス置換深絞り包装体である、請求項5に記載の深絞り包装体。
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