JP2018158839A - 搬送ベルト - Google Patents

搬送ベルト Download PDF

Info

Publication number
JP2018158839A
JP2018158839A JP2018040488A JP2018040488A JP2018158839A JP 2018158839 A JP2018158839 A JP 2018158839A JP 2018040488 A JP2018040488 A JP 2018040488A JP 2018040488 A JP2018040488 A JP 2018040488A JP 2018158839 A JP2018158839 A JP 2018158839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
belt
polyurethane
adhesive
thermoplastic elastomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018040488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7260253B2 (ja
Inventor
健二 山下
Kenji Yamashita
健二 山下
邦王 森本
Kunio Morimoto
邦王 森本
片岡 真吾
Shingo Kataoka
真吾 片岡
啓志 植村
Keiji Uemura
啓志 植村
高広 佐々木
Takahiro Sasaki
高広 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Publication of JP2018158839A publication Critical patent/JP2018158839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7260253B2 publication Critical patent/JP7260253B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Belt Conveyors (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】耐傷付き性、耐油性、クッション性などに優れ、積層する芯体帆布層間の接着性を向上させることができる、搬送ベルトを提供する。【解決手段】搬送物を搬送する搬送面となるカバー層と、帆布素材を含む、複数の芯体帆布層と、各芯体帆布層の間に配置される中間層とが積層された搬送ベルトに関して、カバー層を、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂も含む)で構成し、中間層を、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂も含む)で構成する。【選択図】図4

Description

本発明は、ベルトコンベヤ装置に用いる、無端状の搬送ベルトに関する。
従来から、ベルトコンベア装置に用いられる搬送ベルトとして、芯体帆布と、弾性体で形成された樹脂層とが積層された構造の平ベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような平ベルトは、長尺の積層シート(帯状のベルト)を所定の長さに切断し、その両端部を接合した接合部を有する無端状の搬送ベルトとして使用される。
上記無端状の搬送ベルトにおいて、搬送物を積載して搬送する面(搬送面)として樹脂層(カバー層)を配置する場合には、搬送物の種類や使用環境に対応すべく、樹脂材料が適宜選択されて用いられる。また、この樹脂層(カバー層)は、弾性材料で形成される。通常、カバー層の材質は、例えば、ポリウレタン(PU)系、ポリ塩化ビニル(PVC)系、およびポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマー(または熱可塑性樹脂)である。また、樹脂層(カバー層)と芯体帆布との接着性を確保するため、芯体帆布は、公知の接着処理を施して接着成分が付着したものを用いる。
一方で、搬送ベルトでは、搬送に必要な強度を確保するために芯体帆布を2層(2ply)あるいは3層(3ply)積層して用いることも通例であるが、このような搬送ベルトでは、複数の芯体帆布の層間の接着性を確保するために、帆布と帆布との間にも樹脂層(中間層)を配置する。通常、中間層の材質は、コスト低減の観点から、カバー層と同じものを用いる。
カバー層にポリ塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーを用いた搬送ベルトは、ポリウレタン系の搬送ベルトに比べ、耐傷付き性、耐油性、クッション性などに優れる為、物流ターミナル等でのコンベヤ装置に好適に使用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−202990号公報 実公平3−13446号公報 実開平4−84212号公報 特開2016−155688号公報 特開平10−297730号公報
しかし、中間層にカバー層と同じポリ塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーが使用される搬送ベルトでは、ポリウレタン系の搬送ベルトに比べ、以下のような問題点がある。まず、積層する複数層の芯体帆布間の接着力が欠如し、搬送ベルトの耐久性が劣る場合がある。また、両端が接合された無端状の搬送ベルトの接合部(特にFOF式の場合:特許文献3及び特許文献4参照)における芯体帆布の両端同士の接着性(特に搬送ベルトの周長方向の接着性、即ち、接合部の耐久性)も欠如するため、その接着性を確保するために、接合部の裏面に接着補強材(ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等のシート材)を接着剤で貼り付けて補強しなければならない(図3の従来の搬送ベルト参照)。このため、接合部が他の部分よりも分厚くなり、屈曲性が低下してしまう。
そこで、本発明は、搬送物と接するカバー層にポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを用いることで、耐傷付き性、耐油性、クッション性などに優れ、中間層にポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いることで、積層する芯体帆布層間の接着性を向上させることができる、搬送ベルトを提供することを目的とする。
上記のように、本発明では、あえてコスト高になったとしても、カバー層と中間層とに別の材料を組み合わせて、搬送ベルトの品質を向上させることを目的にしている。
この点、特許文献5の段落[0010]には、「上カバー層4及び中間樹脂層3は、熱可塑性のポリウレタン、PVC、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等から形成されている。」と記載されているが、「上カバー層4及び中間樹脂層3」との記載からは、「上カバー層4及び中間樹脂層3」が揃って、熱可塑性のポリウレタン、PVC、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の何れかによって形成されているものと解釈される。このように「上カバー層4及び中間樹脂層3」の材料を揃えていると解釈するのは、特許文献5の段落[0012][0019]等に記載されたコスト低減の思想からも自然である。従って、特許文献5には、カバー層と中間層に別の材料を組み合わせて、あえてコスト高になるような技術思想までは開示も示唆もされていないものと思われる。
本発明は、搬送物を搬送する搬送面となるカバー層と、
帆布素材を含む、複数の芯体帆布層と、
各芯体帆布層の間に配置される中間層と、
が積層された搬送ベルトであって、
前記カバー層が、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂も含む)で構成され、
前記中間層が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂も含む)で構成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、搬送ベルトのカバー層がポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより構成されていることから、耐傷付き性、耐油性に優れ、傷や油が付きやすい搬送物の搬送に適用できる(物流での各種荷物、油付着品、合板、化学製品等)。更に、芯体帆布層と芯体帆布層との間に配置される中間層にポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを用いる場合に比べ、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーを使用することで、積層する芯体帆布層間の接着力が充分に得られ、搬送ベルトの耐久性が向上する。また、中間層にポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いる場合、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを用いる場合に比べて、中間層を薄くしても接着力が充分に得られる。これにより、搬送ベルトの厚みを薄くして屈曲性を向上させて、より小径のプーリにも適応することができる。また、中間層を薄くすることができることから軽量化により省エネに貢献できる。
また、本発明は、上記の搬送ベルトが、帯状のベルトの両端が接合された接合部を有する無端状の搬送ベルトであり、
前記複数の芯体帆布層の中で少なくとも、前記搬送面とは反対側の内周面側に配置された前記芯体帆布層が、ポリウレタン系の接着成分を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、芯体帆布層がポリウレタン系の接着成分を含む構成にすることにより、帯状の搬送ベルトの両端が接合された無端状の搬送ベルトの接合部(特にFOF式の場合)において、接合部における芯体帆布層の両端同士の接着性(特に搬送ベルトの周長方向の接着性)を高めて、接合部の耐久性を高めることができる。これにより、搬送ベルトの接合部の内周面に接着補強材(ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等のシート材)を貼り付けるなどの補強をする必要がなくなり、接合部の厚みを薄くすることができる。このため、搬送ベルトの接合部の屈曲性を向上させて、より小径のプーリにも適応することができる。また、接着補強材を貼り付ける作業を省略でき、製造工程を簡素化することができる。
また、搬送ベルトの最も内周面側に配置された芯体帆布層の接着成分もポリウレタン系になることで、中間層やカバー層との接着性を、ポリ塩化ビニル系の接着成分を含ませた場合に比べて向上させることができる。また、ポリウレタン系の接着成分を芯体帆布層に含ませることにより、プーリ等との接触が伴う搬送ベルトの内周面側に配置された芯体帆布層が補強され、搬送ベルトの強度を向上させることができる。
搬送物と接するカバー層にポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを用いることで、耐傷付き性、耐油性、クッション性などに優れ、中間層にポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いることで、積層する芯体帆布層間の接着性を向上させ、搬送ベルトの屈曲性を確保することができる、搬送ベルトを提供することができる。
実施形態に係る搬送ベルトの側面図及び上面図である。 実施形態に係る搬送ベルトの側面図である。 従来の搬送ベルトの接合部の説明図である。 実施形態に係る搬送ベルトの接合部の説明図である。 実施例に係る傷付き性試験で使用する連続加重式引掻強度試験機の説明図である。 実施例に係る屈曲性試験で使用する5軸レイアウトの説明図である。 その他の実施形態に係る搬送ベルトの側面図である。 その他の実施形態に係る搬送ベルトの側面図である。 実施例6に係る搬送ベルトの説明図である。 実施例7に係る搬送ベルトの説明図である。
(実施形態)
以下、本発明の搬送ベルト1の実施形態を図面に従って説明する。
(搬送ベルト1)
本実施形態に係る搬送ベルト1は、長尺な帯状のベルト本体の両端部を接合することにより無端状にした平ベルトであり、図1に示すように、駆動プーリ2と従動プーリ3との間に巻き掛けられて使用される。例えば、搬送ベルト1の搬送面上に、物流での各種荷物、油付着品、合板、化学製品などの搬送物を乗せて、従動プーリ3側から駆動プーリ2側に搬送する。
搬送ベルト1は、図2(搬送ベルトの側面図A)に示すように、搬送ベルト1の外周側(搬送面側)から内周側へ順に、カバー層11と、第1芯体帆布層12と、中間層13と、第2芯体帆布層14とが積層されて構成されている。なお、図2は、図1の搬送ベルト1の上面図に示すA区間の側面図であり、搬送ベルト1の本体部の厚み方向の層を示している。
(カバー層11)
カバー層11は、物流での各種荷物、油付着品、合板、化学製品等の搬送物に直接接触する搬送面になるため、耐傷付き性、耐油性に優れた、ポリ塩化ビニル(PVC)系の熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂から形成されている。
(第1芯体帆布層12及び第2芯体帆布層14)
第1芯体帆布層12及び第2芯体帆布層14は、経糸と緯糸(帆布素材)を交差させて織られた織布(平織り、綾織り、朱子織等)である。例えば、経糸、緯糸をほぼ直角に交差して織られた平織り帆布が使用できる。経糸・緯糸の材質としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、綿繊維などが用いられる。また、経糸・緯糸は、フィラメント(長繊維)を撚り合せたマルチフィラメント、またはモノフィラメントや、短繊維を撚り合せたスパン糸(紡績糸)を用いてもよい。経糸・緯糸の繊度は、フィラメント糸の場合は、500〜1500dtexである(スパン糸の場合は、5〜22番手)。経糸密度は、70〜150本/5cm、緯糸密度は、45〜80本/5cmである。
また、第1芯体帆布層12は、ポリ塩化ビニル(PVC)系の接着成分を含む接着剤による接着処理がなされている。この接着処理は、有機溶媒に溶かしたポリ塩化ビニル系の接着剤を第1芯体帆布層12にコーティング、または、第1芯体帆布層12を接着剤に浸漬することにより行う。ポリ塩化ビニル系の接着剤としては、ポリ塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーをメチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させたものが挙げられる。
また、第2芯体帆布層14は、ポリウレタン(PU)系の接着成分を含む接着剤による接着処理がなされている。この接着処理は、有機溶媒に溶かしたポリウレタン系の接着剤を第2芯体帆布層14にコーティング、または、第2芯体帆布層14を接着剤に浸漬することにより行う。ポリウレタン系の接着剤としては、ポリウレタンの種類としてポリエーテル系ポリウレタン、又は、ポリカーボネート系ポリウレタンが好ましく、特にポリエーテル系ポリウレタンで構成されるポリウレタン系の熱可塑性エラストマーをメチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させたものが好ましい。
なお、本発明では、複数の芯体帆布層を備えている場合、複数の芯体帆布層の中で少なくとも、搬送ベルトの搬送面とは反対側の内周面側に配置された芯体帆布層がポリウレタン系の接着成分を含む接着剤による接着処理がなされていることが好ましい。即ち、本実施形態のように、第1芯体帆布層12及び第2芯体帆布層14のうち、搬送ベルト1の最も内周面側に配置された第2芯体帆布層14がポリウレタン系の接着成分を含む接着剤によって接着処理されていることが好ましい。従って、第1芯体帆布層12については、ポリ塩化ビニル系の接着成分を含む接着剤による接着処理を行っても良いし、ポリウレタン系の接着成分を含む接着剤による接着処理を行っても良い。
(中間層13)
中間層13は、ポリウレタン(PU)系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂から形成されている。例えば、加工性や強度に優れたポリウレタンであって、ポリウレタンの種類として、耐加水分解性に優れたポリエーテル系ポリウレタンや、耐熱性、耐薬品性に優れたポリカーボネート系ポリウレタンなどが挙げられる。中間層13の厚さは、0.1〜2.0mmである。
(接合部20)
搬送ベルト1は、図1及び図4に示すように、長尺な帯状のベルト本体の両端部を接合した接合部20を有している(FOF式)。この接合部20は、X、Y軸カッティングプロッタや、打ち抜き機等で裁断することにより互いに嵌合するようにジグザグ形状(電光形状、フィンガー形状)になるように形成されたベルト本体の両端部を嵌合し加熱圧縮することにより融着接合され、更に、搬送面側の継ぎ目に接着補強材15としてポリ塩化ビニル製のシート材(PVCシート)が貼り付けられている。なお、図4は、図1の搬送ベルト1の上面図に示すB区間の側面図であり、搬送ベルト1の接合部20の厚み方向の層を示している。
上記構成によれば、搬送ベルト1のカバー層11がポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより構成されていることから、耐傷付き性、耐油性に優れ、傷や油が付きやすい搬送物の搬送に適用できる(物流での各種荷物、油付着品、合板、化学製品等)。更に、第1芯体帆布層12と第2芯体帆布層14との間に配置される中間層13にポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを用いる場合に比べ、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーを使用することで、中間層を介した第1芯体帆布層と第2芯体帆布層との間の接着力が充分に得られ、搬送ベルト1の耐久性が向上する。また、中間層13にポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いる場合、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを用いる場合に比べて、中間層13を薄く(0.1〜2.0mm)しても接着力が充分に得られる。これにより、搬送ベルト1の厚みを薄くして屈曲性を向上させて、より小径の駆動プーリ2・従動プーリ3にも適応することができる。また、中間層13を薄くすることができることから軽量化により省エネに貢献できる。
また、第2芯体帆布層14がポリウレタン系の接着成分を含む構成にすることにより、帯状の搬送ベルト1の両端が接合された無端状の搬送ベルト1の接合部20(特にFOF式の場合)において、接合部20における第2芯体帆布層14の両端同士の接着性(特に搬送ベルト1の周長方向の接着性)を高めて、接合部20の耐久性を高めることができる。これにより、図3に示す従来の搬送ベルトのように、接合部20の内周面側の継ぎ目に、接着補強材(ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等のシート材)を貼り付けるなどの補強をする必要がなくなり、接合部20の厚みを薄くすることができる。このため、搬送ベルト1の接合部20の屈曲性を向上させて、より小径の駆動プーリ2・従動プーリ3にも適応することができる。また、接合部20の内周面側の継ぎ目に、接着補強材(ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等のシート材)を貼り付ける作業を省略でき、製造工程を簡素化することができる。
また、搬送ベルト1の最も内周面側に配置された第2芯体帆布層14の接着成分もポリウレタン系になることで、中間層13との接着性を、ポリ塩化ビニル系の接着成分を含ませた場合に比べて向上させることができる。また、ポリウレタン系の接着成分を第2芯体帆布層14に含ませることにより、駆動プーリ2・従動プーリ3との接触が伴う搬送ベルト1の内周面側に配置された第2芯体帆布層14が補強され、搬送ベルト1の強度を向上させることができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、第2芯体帆布層14はポリウレタン系の接着成分を含む接着剤によって接着処理されているが、必ずしもポリウレタン系の接着成分を含む構成でなくてもよく、ポリ塩化ビニル系の接着成分を含む接着剤による接着処理が行われていてもよい。
また、上記実施形態では、図2に示すように、カバー層11と、第1芯体帆布層12と、中間層13と、第2芯体帆布層14とが積層された、2ply(芯体帆布層が2層、中間層が1層)の搬送ベルト1について説明したが、図7に示すように、カバー層211と、第1芯体帆布層212と、第1中間層213と、第2芯体帆布層214と、第2中間層215と、第3芯体帆布層216とが積層された、3ply(芯体帆布層が3層、中間層が2層)の搬送ベルト201であってもよい。この場合、第1芯体帆布層212、第2芯体帆布層214、及び、第3芯体帆布層216のうち、搬送ベルト201の最も内周面側に配置された第3芯体帆布層216がポリウレタン系の接着成分を含む接着剤によって接着処理されていることが好ましい。従って、この場合、第1芯体帆布層212及び第2芯体帆布層214については、ポリ塩化ビニル系の接着成分を含む接着剤による接着処理を行っても良いし、ポリウレタン系の接着成分を含む接着剤による接着処理を行っても良い。
また、図8に示すように、第1カバー層311と、第1芯体帆布層312と、中間層313と、第2芯体帆布層314と、第2カバー層315とが積層された(搬送面側と内周面側にそれぞれカバー層が配置されている)の搬送ベルト301であってもよい。この場合、内周面側に配置される第2カバー層315を形成する熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂は、内周面の使用環境に応じて、ポリ塩化ビニル系またはポリウレタン系から選択できる。また、搬送ベルト301の最も内周面側に配置された第2芯体帆布層314を接着処理する接着剤は、第2カバー層315を形成する熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂の種類に対応して、ポリ塩化ビニル系またはポリウレタン系から選択できる。第2カバー層315をポリ塩化ビニル系の熱可塑性エラストマー(又は熱可塑性樹脂)で形成する場合は、内周面側の接合部の継ぎ目にも、接着補強材としてポリ塩化ビニル製のシート材(PVCシート)を貼り付けるのが好ましい。
また、上記実施形態では、接合部20を有する無端状の搬送ベルト1を例に挙げて説明しているが、本発明の構成は、接合部の無い無端状の搬送ベルトや、有端(両端部を有する)の搬送ベルトにも採用することができる。
次に、表1〜表3に示す、実施例1〜7に係る搬送ベルト、及び、比較例1、2に係る搬送ベルトを作製し、各搬送ベルトに対して、(1)傷付き性試験、(2)耐油性試験、(3)屈曲性試験を行った。
なお、実施例2では、実施例1の構成で、中間層にエステル系ポリウレタン(PU)熱可塑性エラストマーを使用しており、実施例3では、実施例1の構成で、中間層にカーボネート系ポリウレタン(PU)熱可塑性エラストマーを使用している。また、実施例4は、実施例1の構成で、中間層の厚みを薄く(0.2mm)した構成であり、実施例5は、実施例1の構成で、中間層の厚みを厚く(0.6mm)した構成である。また、実施例6は、図7に示す3ply(芯体帆布層が3層、中間層が2層)の搬送ベルト201に適用した例(構成材料は実施例1と同じ)である(図9参照)。また、実施例7は、図8に示す搬送面側と内周面側にそれぞれカバー層が配置されている搬送ベルト301(構成材料は実施例1と同じ)に適用した例である(図10参照)。
(表1)
(実施例1〜5及び比較例1、2の搬送ベルトの構成)

(表2)
(実施例6の搬送ベルトの構成)
(表3)
(実施例7の搬送ベルトの構成)
※1[ポリ塩化ビニル(PVC)熱可塑性エラストマー]:プラス・テク(株)製「ポリビンGXC」
※2[エーテル系ポリウレタン(PU)熱可塑性エラストマー]:東ソー(株)製「ミラクトランE385PNAT」
※3[エステル系ポリウレタン(PU)熱可塑性エラストマー]:東ソー(株)製「ミラクトランE585PNAT」
※4[カーボネート系ポリウレタン(PU)熱可塑性エラストマー]:東ソー(株)製「ミラクトランE985PNAT」
※5[ポリエステル帆布]:経糸・緯糸にポリエステル繊維を用いた平織布(経糸(スパン糸)の繊度:20番手、緯糸の繊度:1100dtex、経糸密度:140本/5cm、緯糸密度:56本/5cm)
第1芯体帆布層・第2芯体帆布層の接着処理は、有機溶媒に溶かした接着剤を第1芯体帆布層・第2芯体帆布層にコーティング、または、第1芯体帆布層・第2芯体帆布層を接着剤に浸漬することにより行う。
※6[ポリウレタン(PU)系接着処理剤]:中間層で用いるPU熱可塑性エラストマーをメチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させたもの
※7[ポリ塩化ビニル(PVC)系接着処理剤]:カバー層で用いるPVC熱可塑性エラストマーをメチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させたもの
(1)傷付き性試験(連続加重式引掻強度試験機)
実施例1〜7及び比較例1、2の各搬送ベルトを平板状の試験片に加工し、加工した平板状の試験片のカバー層表面に、連続的に荷重を増やしながら一定距離を引掻針で引掻き(引掻針先端形状:R0.05mm、荷重範囲:0〜200gf)、傷の入り始める荷重を傷の入り始めた位置から計算する方法で、表面の破壊強度を比較評価した(図5参照)。判定はカバー層がポリ塩化ビニル系のベルトと、ポリウレタン系のベルトとの相対評価で判定した。傷付き性試験結果を表4に示す。
(2)耐油性試験
実施例1〜7及び比較例1、2の各搬送ベルトの試験片を試験用オイル(IRM903)に70℃で7日間浸漬した後、試験片のカバー層と第1芯体帆布層との間の接着力を測定した。浸漬していない試験片の接着力に対して、浸漬した後の試験片の接着力の低下率により、判定した。判定は、接着力低下率(%)が10%未満であれば「○」の判定、接着力低下率(%)が10以上であれば「×」の判定とした。耐油性試験結果を表4に示す。
(3)屈曲性試験
実施例1〜7及び比較例1、2の各搬送ベルトを、図6に示す5軸レイアウト(5つのプーリ)に巻き掛け、ベルト走行により、走行後の第1芯体帆布層と第2芯体帆布層との間の接着力、ベルト強力、接合部の状態から屈曲性の優劣を比較した。なお、実施例1〜7及び比較例1、2の各搬送ベルトのサイズは幅100mm×長さ1500mm、5つのプーリ径はφ50mmまたはφ25mm、張力が8N/mm、走行速度が150m/min、屈曲回数が200万回、雰囲気温度23℃の条件で屈曲性試験を行った。屈曲性試験結果を表4に示す。
(表4)
(傷付き性試験結果及び耐油性試験結果)
比較例1の搬送ベルトは、カバー層(搬送面)がポリ塩化ビニル系(PVC熱可塑性エラストマー)であるため、耐傷付き性、耐油性に優れるが、中間層もポリ塩化ビニル系(PVC熱可塑性エラストマー)であることから、中間層を介した第1芯体帆布層と第2芯体帆布層との間の接着性に不足する。このため、比較例1の搬送ベルトは、屈曲を伴う走行において接着力が低下し、ベルト強力が低下するうえ、接合部に異常(先端部の起き上がり(剥がれ))が生じた。
比較例2の搬送ベルトは、カバー層(搬送面)がポリウレタン系(エーテル系PU熱可塑性エラストマー)であるため、カバー層がポリ塩化ビニル系の搬送ベルトに比べてカバー層の耐傷付き性、耐油性に劣るが、中間層もポリウレタン系(エーテル系PU熱可塑性エラストマー)であることから、中間層を介した第1芯体帆布層と第2芯体帆布層との間の接着性に優れる。このため、比較例2の搬送ベルトは、屈曲を伴う走行において接着力が低下せず、ベルト強力も保持でき、接合部も異常がなかった。
実施例1の搬送ベルトは、カバー層(搬送面)がポリ塩化ビニル系(PVC熱可塑性エラストマー)であるため、耐傷付き性、耐油性に優れ、更に、中間層はポリウレタン系(エーテル系PU熱可塑性エラストマー)であることから、中間層を介した第1芯体帆布層と第2芯体帆布層との間の接着性に優れる。このため、実施例1の搬送ベルトは、屈曲を伴う走行において接着力が低下せず、ベルト強力も保持でき、接合部も異常がなかった。
実施例2の搬送ベルトは、中間層にエステル系ポリウレタン(PU)熱可塑性エラストマーを使用しているが(中間層以外は実施例1と同じ構成)、実施例1同様に、屈曲を伴う走行において接着力が低下せず、ベルト強力も保持でき、接合部も異常がなかった。
実施例3の搬送ベルトは、中間層にカーボネート系ポリウレタン(PU)熱可塑性エラストマーを使用しているが(中間層以外は実施例1と同じ構成)、実施例1同様に、屈曲を伴う走行において接着力が低下せず、ベルト強力も保持でき、接合部も異常がなかった。
実施例4の搬送ベルトは、実施例1に比べて、中間層の厚みを薄く(0.2mm)しているが、実施例1と同等の効果が得られ、比較例1のような中間層がポリ塩化ビニル(PVC)熱可塑性エラストマーである搬送ベルトよりも厚みを低減することができた。
実施例5の搬送ベルトは、実施例1に比べて、中間層が厚い分(0.6mm)、屈曲性が若干低下したことから、走行試験でのベルト強力や接着力の保持率が若干低下したが、接合部には異常はなかった。
実施例6の搬送ベルト(3ply)は、実施例1に比べて、ベルト厚みが増した分、屈曲性が若干低下したことから、走行試験でのベルト強力や接着力の保持率が若干低下し、プーリ径がφ25mの場合において接合部に先端起き上がり(剥がれ)が生じたが、比較例1のような接着力の低下や、ベルト強力の低下までは見られず、十分な走行性能が得られた。
実施例7の搬送ベルトは、搬送面側と内周面側にそれぞれカバー層を配置している分、ベルト厚みが増しているが、実施例1同様に、屈曲を伴う走行において接着力が低下せず、ベルト強力も保持でき、接合部も異常がなかった。
1 搬送ベルト
2 駆動プーリ
3 従動プーリ
11 カバー層
12 第1芯体帆布層
13 中間層
14 第2芯体帆布層
15 接着補強材
20 接合部

Claims (2)

  1. 搬送物を搬送する搬送面となるカバー層と、
    帆布素材を含む、複数の芯体帆布層と、
    各芯体帆布層の間に配置される中間層と、
    が積層された搬送ベルトであって、
    前記カバー層が、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂も含む)で構成され、
    前記中間層が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(熱可塑性樹脂も含む)で構成されていることを特徴とする、搬送ベルト。
  2. 請求項1に記載の搬送ベルトが、帯状のベルトの両端が接合された接合部を有する無端状の搬送ベルトであり、
    前記複数の芯体帆布層の中で少なくとも、前記搬送面とは反対側の内周面側に配置された前記芯体帆布層が、ポリウレタン系の接着成分を含むことを特徴とする。
JP2018040488A 2017-03-23 2018-03-07 搬送ベルト Active JP7260253B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017057886 2017-03-23
JP2017057886 2017-03-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018158839A true JP2018158839A (ja) 2018-10-11
JP7260253B2 JP7260253B2 (ja) 2023-04-18

Family

ID=63795055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018040488A Active JP7260253B2 (ja) 2017-03-23 2018-03-07 搬送ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7260253B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000309414A (ja) * 1999-04-23 2000-11-07 Bando Chem Ind Ltd 食品等搬送用非付着コンベヤベルト
JP2001097520A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Bando Chem Ind Ltd 樹脂製コンベヤベルト
JP2003171006A (ja) * 2001-09-28 2003-06-17 Mitsuboshi Belting Ltd 食品裁断兼用搬送ベルト
JP2006155688A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Mitsumi Electric Co Ltd 記録再生装置
US20090233746A1 (en) * 2008-03-14 2009-09-17 Jay Philip Leighton Belt
JP2016155688A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 三ツ星ベルト株式会社 搬送ベルト及びその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242007A (ja) 2008-03-28 2009-10-22 Nitta Ind Corp 平ベルト
US8897931B2 (en) 2011-08-02 2014-11-25 The Boeing Company Flight interpreter for captive carry unmanned aircraft systems demonstration

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000309414A (ja) * 1999-04-23 2000-11-07 Bando Chem Ind Ltd 食品等搬送用非付着コンベヤベルト
JP2001097520A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Bando Chem Ind Ltd 樹脂製コンベヤベルト
JP2003171006A (ja) * 2001-09-28 2003-06-17 Mitsuboshi Belting Ltd 食品裁断兼用搬送ベルト
JP2006155688A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Mitsumi Electric Co Ltd 記録再生装置
US20090233746A1 (en) * 2008-03-14 2009-09-17 Jay Philip Leighton Belt
JP2016155688A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 三ツ星ベルト株式会社 搬送ベルト及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7260253B2 (ja) 2023-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6527458B2 (ja) 搬送ベルト及びその製造方法
TWI640462B (zh) 用於輸送的裝置及方法
JP6804847B2 (ja) 搬送ベルト及びその製造方法
JP2018158839A (ja) 搬送ベルト
JP6118224B2 (ja) 搬送ベルト
JP6605234B2 (ja) 搬送ベルト
JP6770901B2 (ja) 搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法
JP2516423B2 (ja) コンベヤベルト
JP2008081318A (ja) 樹脂コンベヤベルト
JP2013180832A (ja) シームレスベルトおよびその製造方法
JP5873355B2 (ja) シームレスベルト
JP2003171006A (ja) 食品裁断兼用搬送ベルト
JP2018203497A (ja) 低伸縮生地
JP2002068440A (ja) 高強度複合ベルト
JP4478600B2 (ja) 搬送用平ベルト
JP7260297B2 (ja) 搬送用コンベヤベルト
JP3004708U (ja) 搬送用歯付ベルトの接合構造
JP6118220B2 (ja) シームレスベルト、シームレスベルトの芯体の製造方法、並びに、成形機
CN110546084B (zh) 传送带用纤维增强层以及传送带
JP4470057B2 (ja) 搬送ベルト
JP6912857B2 (ja) 平ベルト
JP4558302B2 (ja) 搬送用平ベルト
JP2017179668A (ja) コンベヤベルト用繊維補強層およびコンベヤベルト
JPWO2003016181A1 (ja) 布補強コンベヤベルト
JP2020023396A (ja) 搬送ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220727

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220727

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220803

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220809

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220902

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220906

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230110

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20230214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230216

C302 Record of communication

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C302

Effective date: 20230301

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20230307

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20230404

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7260253

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150