JP6527458B2 - 搬送ベルト及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物品を搬送する搬送ベルト及びその製造方法に関する。
パンや菓子生地のような粘着性のある搬送物(物品)を搬送する搬送ベルトにおいては、搬送物が搬送ベルトの搬送面に付着しにくくするために、芯体帆布を搬送面にして、その芯体帆布の凹凸(織り模様)によって良好な剥離性が得られるようにした搬送ベルトが採択されることがある。
また、一般に、搬送ベルトでは、搬送物の位置、処理の内容等を分かり易くするため、搬送面にポジショニングマーク、PR用マーク、商標、仕様説明等のマーク(図形、線、文字)を表示することがある。
従来、このようなマークは、搬送面にインクジェット印刷により直接描いたり、予めマークを描いた熱可塑性樹脂シート(フィルム)を溶着したりするといった方法で表示していた(特許文献1参照)。
実開平2−69610号公報 特開平7−309414号公報 特開2000−7119号公報
しかし、芯体帆布のような凹凸のある搬送面に対してはインクやフィルムの密着性が低いため、搬送時にインクやフィルムの剥がれが生じ、それらが異物として搬送物に付着、混入する問題が生じる場合がある。特に、パンや菓子生地などの食品加工工程では大きな問題となり得る。
また、特許文献2では、抗張体とエラストマシートとを積層し、そのエラストマシートの表面にドットで構成したマークを印刷し、更にその上に透明シートを積層した搬送ベルトが開示されている。このように、マークをドット印刷にすることで、マーク(インキ層)と透明シートとの単位面積当たりの接触面積を減らす(=透明シートとエラストマー層の接触面積を増やす)ことによって、透明シートとエラストマシートとの接着力の低下を防止することができるようにしている。
しかしながら、この搬送ベルトでもマーク(インキ層)と透明シートの接触部が存在するため、その部分では透明シートの剥がれが発生する虞がある。
さらに、搬送面(ベルト表面)の透明シートはウレタンのような樹脂材料であるので、搬送物の粘着性が高い場合、剥離性が悪いという問題がある。
また、特許文献3では、ベルト継手部分の表面ゴム又は樹脂内に、ベルトの表面ゴム又は樹脂と別色の走行方向表示を埋設してなり、表面ゴム又は樹脂を透して走行方向表示が見えるようにしてある搬送ベルトが開示されている。この搬送ベルトでは、走行方向表示がベルト内部に埋設されているので、走行方向表示の剥がれや搬送物への付着は防止することができる。
しかしながら、ベルトの継手部分のみに走行方向表示をする方法であるため、搬送ベルトの全面に様々な模様のマークを設ける用途には不向きである。
そこで、本発明は、パンや菓子生地のような粘着性のある搬送物との良好な剥離性を有し、マークが剥がれて搬送物に付着・混入してしまうことを防止することができる搬送ベルトを提供することを目的とする。
本発明の一つは、透明性を有し、帆布素材を含む第1芯体帆布層と、
前記第1芯体帆布層の下側に積層され、透明性を有し、樹脂を含む第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の下側に積層され、外部に情報を伝達するマークを含むマーク層と、
前記マーク層の下側に積層される、保護層と、が積層されていることを特徴とする搬送ベルトである。
上記構成によれば、マーク層を第1樹脂層と保護層との間に配置していることにより、マーク層が搬送物などと直接接触しないようにすることができる。これにより、マーク層が剥がれて、搬送物に付着・混入してしまうことを防止することができる。
また、第1芯体帆布層及び第1樹脂層が透明性を有することにより、保護層の上側に積層されたマーク層のマークを、外部から、第1芯体帆布層及び第1樹脂層を通して目視することができる。
また、搬送物と直接接触する第1芯体帆布層に帆布素材を採用していることにより、搬送物に対する良好な剥離性を保持することができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記保護層が、樹脂を含む第2樹脂層であることを特徴としている。
上記構成によれば、マーク層を第1樹脂層と第2樹脂層との間に配置していることにより、マーク層を強度・加工性に優れた樹脂によって挟み込んで保持することができる。これにより、マーク層を第1樹脂層と第2樹脂層との間に安定的に定着させることができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記保護層が、帆布素材を含む第2芯体帆布層であることを特徴としている。
上記構成によれば、搬送ベルトの上側(搬送物と接触する側の面)と下側を帆布素材により覆うことができる。これにより、搬送ベルトの強度・耐久性を向上させることができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記保護層が、前記マーク層の下側に積層され、樹脂を含む第2樹脂層と、
前記第2樹脂層の下側に積層され、帆布素材を含む第2芯体帆布層と、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、マーク層を第1樹脂層と第2樹脂層との間に配置していることにより、マーク層を強度・加工性に優れた樹脂によって挟み込んで保持することができる。また、搬送ベルトの上側(搬送物と接触する側の面)と下側を帆布素材で覆うことにより、搬送ベルトの強度・耐久性を向上させることができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記第1芯体帆布層の前記帆布素材が、繊度280〜1200dtexの繊維であることを特徴としている。
第1芯体帆布層の帆布素材の繊度が280dtex未満の場合、ベルト張力が低くなり、搬送時に搬送ベルトが弛んでしまい搬送に支障がでる虞があり、一方で、繊度が1200dtexを超えると、第1芯体帆布層の透明性が悪くなり、マークの視認性が低下してしまう。
そこで、上記構成により、第1芯体帆布層を構成する帆布素材を、繊度280〜1200dtexの繊維にすることにより、マークの視認性を確保しつつ、搬送に対する良好なベルト張力を保持することができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記第1芯体帆布層の厚みが、0.2〜0.8mmであることを特徴としている。
第1芯体帆布層の厚みが、0.2mmよりも薄いと、搬送物の搬送に必要な搬送ベルトの強度や耐久性が確保できず、一方で、0.8mmよりも厚いと、第1芯体帆布層の透明性が悪くなり、マークの視認性が低下してしまう。
そこで、上記構成により、第1芯体帆布層の厚みを、0.2〜0.8mmにすることにより、マークの視認性を確保しつつ、搬送ベルトに良好な強度や耐久性を保持させることができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記第1樹脂層が、透明熱可塑性エラストマー、又は、透明熱可塑性樹脂であることを特徴としている。
上記構成によれば、第1樹脂層の下側に配置されたマークの視認性を確保しつつ、第1樹脂層を加工性・強度に優れた構成にすることができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、第1芯体帆布層の帆布素材が、白色導電性繊維を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、第1芯体帆布層の帆布素材が白色導電性繊維を含むことにより、マーク層に対する視認性を損なわず、搬送ベルトを帯電しにくくすることができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記第1芯体帆布層は、透明熱可塑性エラストマー、又は、透明熱可塑性樹脂からなる接着剤が含浸された前記帆布素材を含んでいることを特徴としている。
上記構成によれば、第1芯体帆布層を介してのマークの視認性を確保しつつ、第1芯体帆布層と第1樹脂層との接着性を向上させることができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトにおいて、前記第2樹脂層が、白色であることを特徴としている。
上記構成によれば、マーク層の下側に白色の第2樹脂層が配置されるため、マークの視認性を向上させることができる。
また、本発明の一つは、第2樹脂層の上側に、外部に情報を伝達するマークを直接印刷、又は、前記マークが印刷されたフィルムを積層して、マーク層を形成するマーク層形成工程と、
前記マーク層の上側に、透明性を有する第1樹脂層を積層する第1樹脂層形成工程と、
前記第1樹脂層の上側に、透明性を有し、帆布素材を含む第1芯体帆布層を積層する第1芯体帆布層形成工程と、を含むことを特徴とする搬送ベルトの製造方法である。
上記方法によれば、マーク層を第1樹脂層と第2樹脂層との間に配置することができ、マーク層が搬送物などと直接接触しないようにすることができる。これにより、マーク層が剥がれて、搬送物に付着・混入してしまうことを防止することができる搬送ベルトを製造することができる。
また、第1芯体帆布層及び第1樹脂層が透明性を有することにより、第2樹脂層の上側に積層されたマーク層のマークを、外部から、第1芯体帆布層及び第1樹脂層を通して目視することができる搬送ベルトを製造することができる。
また、搬送物と直接接触する第1芯体帆布層に帆布素材を使用して、搬送物に対する良好な剥離性を保持した搬送ベルトを製造することができる。
また、本発明の一つは、上記搬送ベルトの製造方法において、第2樹脂層の下側に、帆布素材を含む第2芯体帆布層を積層する第2芯体帆布層形成工程を、更に含むことを特徴としている。
上記方法によれば、搬送ベルトの上側(搬送物と接触する側の面)と下側を帆布素材により覆い、搬送ベルトの強度・耐久性を向上させた搬送ベルトを製造することができる。
また、本発明の一つは、第1樹脂層の下側に、外部に情報を伝達するマークを直接印刷、又は、前記マークが印刷されたフィルムを積層して、マーク層を形成するマーク層形成工程と、
前記第1樹脂層の上側に、透明性を有し、帆布素材を含む第1芯体帆布層を積層する第1芯体帆布層形成工程と、
前記マーク層の下側に、透明性を有し、帆布素材を含む第2芯体帆布層を積層する第2芯体帆布層形成工程と、を含むことを特徴とする搬送ベルトの製造方法である。
上記方法によれば、搬送ベルトの上側(搬送物と接触する側の面)と下側を帆布素材により覆い、搬送ベルトの強度・耐久性を向上させた搬送ベルトを製造することができる。
また、樹脂層を一層だけにして、薄型の搬送ベルトを製造することができる。
パンや菓子生地のような粘着性のある搬送物との良好な剥離性を有し、マークが剥がれて搬送物に付着・混入してしまうことを防止することができる搬送ベルトを提供することができる。
本実施形態に係る搬送ベルトの概要説明図である。 第1実施形態に係る搬送ベルトの周長方向の断面図である。 第1実施形態に係る搬送ベルト(フィルムあり)の周長方向の断面図である。 第1実施形態に係る搬送ベルトの製造方法の説明図である。 第1実施形態に係る搬送ベルト(フィルムあり)の製造方法の説明図である。 第2実施形態に係る搬送ベルトの周長方向の断面図である。 第2実施形態に係る搬送ベルトの製造方法の説明図である。 第3実施形態に係る搬送ベルトの周長方向の断面図である。 第3実施形態に係る搬送ベルトの製造方法の説明図である。 実施例に係る走行試験の説明図である。 マークの視認性の官能試験で使用する試験片の説明図である。 マークの視認性の官能試験の方法を説明する図である。 マークの視認性の官能試験の結果を示す図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
(搬送ベルト1概要)
本実施形態に係る搬送ベルト1は、無端状の平ベルトであり、図1に示すように、駆動プーリ11と従動プーリ12との間に巻き掛けられて使用される。これにより、搬送ベルト1の表面上にパンや菓子生地のような食品などの搬送物(物品)を乗せて、従動プーリ12側から駆動プーリ11側に搬送可能となる。なお、本実施形態では、搬送ベルトとして無端状の平ベルトを例示して説明しているが、両端部があるオープンエンドベルトなどでもよい。
(第1実施形態)
図2に、第1実施形態に係る搬送ベルト1の断面図を示す。図2に示す搬送ベルト1は、図の上面側が搬送物が載置される外周側、下面側が内周側(駆動プーリ11及び従動プーリ12に接する面側)となり、図の長手方向が搬送ベルト1の周長方向となり、図の奥行き方向が搬送ベルト1の幅方向となる。
図2に示すように、第1実施形態の搬送ベルト1は、搬送ベルト1の外周側から内周側へ順に、第1芯体帆布層2と、第1樹脂層4と、マーク層5と、第2樹脂層6(保護層)とが積層された構造として形成される。
(第1芯体帆布層2)
第1芯体帆布層2は、搬送ベルト1の最表面に設けられ、搬送物と直接接する搬送面となる。第1芯体帆布層2は、接着剤3が含浸された帆布素材により構成され、帆布素材には、経糸と緯糸を交差させて織られた織布(平織り、綾織り、朱子織等)が使用されている。例えば、第1芯体帆布層2の帆布素材は、経糸、緯糸をほぼ直角に交差して織られた平織り布が使用できる。
第1芯体帆布層2は、後述するマークを形成するマーク層が、搬送面側(第1芯体帆布層側)から視認可能な透明性を有するように(図1参照)、帆布素材の経糸と緯糸の材質、繊度、密度、及び、第1芯体帆布層2の厚みが決定される。
経糸と緯糸の材質としては、ポリエステル、ビニロン、ポリ乳酸、ポリウレタンなどの合成繊維が用いられるが、帆布全体の透明性を高くするため、透明、半透明、白色の外観を呈することが好ましい。
経糸と緯糸の繊度(糸の太さ)は、経糸と緯糸がフィラメント(長繊維)を撚り合せたマルチフィラメント、または、モノフィラメントである場合、280〜1200dtexであることが好ましい(実施例では緯糸が660dtex)。なお、dtex(デシテックス)とは、10,000メートルの糸の質量をグラム単位で表したものである。
また、経糸及び緯糸が短繊維を撚り合せたスパン糸(紡績糸)である場合、繊度(糸の太さ)は、21〜5番手であることが好ましい(実施例では経糸が20番手)。
繊度が280dtex(または21番手)未満の場合、搬送ベルト1のベルト張力が低くなり、搬送時に搬送ベルト1が弛んでしまい搬送に支障がでる虞があり、一方で、繊度が1200dtex(または5番手)を超えると、第1芯体帆布層の透明性が悪くなり、マークの視認性が低下してしまうからである。
経糸と緯糸の密度は、それぞれ、経糸密度60〜140本/5cm(実施例では78本)、緯糸密度45〜105本/5cm(実施例では68本)であることが好ましい。
第1芯体帆布層2の厚みは、0.2〜0.8mmであって、特に0.25〜0.6mmが好ましい。第1芯体帆布層2の厚みが、0.2mmよりも薄いと、搬送物の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性が確保できず、一方で、0.8mmよりも厚いと、第1芯体帆布層2の透明性が悪くなり、マークの視認性が低下してしまうからである。
更に、第1芯体帆布層2の帆布素材を構成する経糸には、導電性繊維が撚り込みされた導電性経糸を使用することが好ましい。第1芯体帆布層2が導電性繊維を含むことにより、搬送ベルト1を帯電しにくくすることができる。尚、通常の経糸複数本に1本の割合で、導電性経糸を撚り込んだものを、経糸として使用する。また、導電性繊維は、マーク層5の視認性を損なわないために白色であることが好ましい。このように第1芯体帆布層2を形成する繊維に導電性繊維を含ませることにより、静電気を放電させ、搬送ベルト1の帯電を防止することができる。
ここで、導電性繊維としては、ポリエステル繊維に白色導電セラミックスまたは導電性カーボンを練り込んだ、例えば、繊度28dtex(2本撚り合わせ)、線抵抗107Ω/cm以下の繊維を用いることができる。具体的には、第1芯体帆布層2を構成する経糸に撚りを掛ける際に、導電性繊維を複数本(例えば、2本)一緒に撚り込み、導電性の経糸を作成する。
第1芯体帆布層2の帆布素材には、第1樹脂層4との接着性を向上させるため、接着剤3を含ませる接着処理をすることが好ましい。接着処理は、第1樹脂層4と同様の材料を用いて、これを有機溶媒に溶かした接着剤3を帆布素材にコーティング、または、帆布素材を接着剤3に浸漬することにより行う。
接着剤3としては、透明熱可塑性エラストマーまたは透明熱可塑性樹脂が用いられ、特にポリエーテルポリウレタンエラストマーをメチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させたものが好ましい。
なお、接着剤3に使用する樹脂・溶媒は、後述するマークを形成するマーク層が、搬送面側(第1芯体帆布層側)から視認可能な透明性を有するように、無色透明の外観を呈し、顔料や染料、固体充填剤など光を隠蔽する成分を含まないものとする。
(第1樹脂層4)
第1樹脂層4は、ポリウレタン、ポリエチレン・ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステルからなる透明熱可塑性樹脂または透明熱可塑性エラストマーから形成されている。特に、加工性や強度に優れたポリウレタンエラストマーであって、耐加水分解性に優れたポリエーテル系ポリウレタンエラストマーが好ましい。
なお、マーク層5より上側(搬送面側)にある第1樹脂層4は、搬送面側からマーク層5が透けて見えるように透明性のあることが必要であり、無色透明の外観を呈し、顔料や染料、固体充填剤など光を隠蔽する成分を含まないものとする。
(マーク層5)
マーク層5は、図2に示すように、第2樹脂層6にインクで直接印刷したマーク51、又は、図3に示すように、予めマーク51を印刷したフィルム52により形成されている。ここで、マーク51とは、外部に視覚的に情報を伝達する機能を有するものであり、例えば、図形や線や文字により構成された、ポジショニングマーク、PR用マーク、商標、仕様説明などが挙げられる。
第2樹脂層6に直接印刷する方法としては、インクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、或いは、ペン等で描く手段が挙げられる。特に、搬送面全体に亘って、様々なデザイン・色調でマーク51を表示できることから、インクジェットプリンタにより印刷してマーク層5(マーク51)を形成する方法が好ましい。また、インクジェット印刷の場合、マーク層5のマークをドット状に印刷することにより、マーク層5を挟んで積層される第1樹脂層4と第2樹脂層6との接触面積を増やして、接着性を良くすることができる。
図3に示すように、マーク層5が、予めマーク51を印刷したフィルム52の場合、フィルム52の大きさはマーク51と同じでも、マーク51より大きくてもよい。例えば、搬送ベルト1と同寸法のフィルム52にマーク51を印刷したマーク層5を第2樹脂層6に積層してもよい。
(第2樹脂層6)
第2樹脂層6は、第1樹脂層4と同様に、ポリウレタン、ポリエチレン・ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステルからなる透明熱可塑性樹脂または透明熱可塑性エラストマーから形成されている。
第2樹脂層6は、第1樹脂層4と同様に、透明性を有していても良い。なお、マーク層5の下面側(内周側)に積層される第2樹脂層6を白色にすると、マーク51の発色が良くなり、搬送面側から第1芯体帆布層2及び第1樹脂層4を通してマーク51を見たときの視認性が向上する。
第1樹脂層4及び第2樹脂層6の厚さは、それぞれ0.1〜0.3mmであって、第1樹脂層4、マーク層5、及び、第2樹脂層6が積層して一体となったときの厚さは、0.2〜0.6mmが好ましい。
(第1実施形態の搬送ベルトの製造方法)
上記第1実施形態に係る搬送ベルト1の製造方法を説明する。
まず、透明熱可塑性エラストマーを有機溶媒に溶かした接着剤3を作製し、この接着剤3を帆布素材(平織り布)にコーティングする、又は、帆布素材を接着剤3に浸漬することにより接着処理を施した第1芯体帆布層2を作製する。
また、透明熱可塑性エラストマーを押出し機によって所定の寸法のシート状に押出し成形して、第1樹脂層4及び第2樹脂層6を作製する。
次に、図4のマーク層形成工程に示すように、作製した第2樹脂層6の搬送面側の表面に、インクジェットプリンタによりマーク51を印刷してマーク層5を形成する。
次に、図4の第1樹脂層形成工程に示すように、第2樹脂層6のマーク層5を形成した表面側に第1樹脂層4を積層する。
さらに、図4の第1芯体帆布層形成工程に示すように、接着処理を施した第1芯体帆布層2を第1樹脂層4の搬送面側に積層し、プレス加圧により接着して搬送ベルト1を得る。
なお、マーク層5を、予めマーク51を印刷したフィルム52により形成する場合には、図5に示すように、マーク層形成工程において、第2樹脂層6の搬送面側の表面に、予めインクジェットプリンタによりマーク51をフィルム52に印刷して作製したマーク層5を積層する。
また、マーク層形成工程、及び、第1樹脂層形成工程では、第1樹脂層4の下側(内周側)にマーク51を印刷してマーク層5を形成し、第1樹脂層4のマーク層5を形成した下側(内周側)に第2樹脂層6を積層してもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態の搬送ベルト1は、図6に示すように、搬送ベルト1の外周側から内周側へ順に、第1芯体帆布層2と、第1樹脂層4と、マーク層5と、第2樹脂層6(保護層)とが積層され、更に、第2樹脂層6の下側(内周側)に第2芯体帆布層7(保護層)が積層された構造として形成される。なお、第1芯体帆布層2と、第1樹脂層4と、マーク層5と、第2樹脂層6については、第1実施形態と同様である。
第2芯体帆布層7は、第1芯体帆布層2と同様に、第2樹脂層6との接着性を向上させるため、接着剤3が含浸された帆布素材により構成され、帆布素材には、経糸と緯糸を交差させて織られた織布(平織り、綾織り、朱子織等)が使用される。また、経糸と緯糸の材質としては、第1芯体帆布層2同様に、ポリエステル、ビニロン、ポリ乳酸、ポリウレタンなどの合成繊維が用いられる。なお、第2芯体帆布層7に関しては、第1芯体帆布層2と違い、透明性を条件とせずに、帆布素材の経糸と緯糸の材質、繊度、密度、及び、厚みを決定することができる。
(第2実施形態の搬送ベルトの製造方法)
まず、透明熱可塑性エラストマーを有機溶媒に溶かした接着剤3を作製し、この接着剤3を帆布素材(平織り布)にコーティングする、又は、帆布素材を接着剤3に浸漬することにより接着処理を施した第1芯体帆布層2及び第2芯体帆布層7を作製する。
また、透明熱可塑性エラストマーを押出し機によって所定の寸法のシート状に押出し成形して、第1樹脂層4及び第2樹脂層6を作製する。
次に、図7のマーク層形成工程に示すように、作製した第2樹脂層6の搬送面側の表面に、インクジェットプリンタによりマーク51を印刷してマーク層5を形成する。
次に、図7の第1樹脂層形成工程に示すように、第2樹脂層6のマーク層5を形成した表面側に第1樹脂層4を積層する。
さらに、図7の第1芯体帆布層形成工程に示すように、接着処理を施した第1芯体帆布層2を第1樹脂層4の搬送面側に積層し、図7の第2芯体帆布層形成工程に示すように、接着処理を施した第2芯体帆布層7を第2樹脂層6の下側に積層し、プレス加圧により接着して搬送ベルト1を得る。
(第3実施形態)
第3実施形態の搬送ベルト1は、図8に示すように、搬送ベルト1の外周側から内周側へ順に、第1芯体帆布層2と、第1樹脂層4と、マーク層5とが積層され、更に、マーク層5の下側(内周側)に第2芯体帆布層7(保護層)が積層された構造として形成される。なお、第1芯体帆布層2と、第1樹脂層4と、マーク層5については、第1実施形態と同様であり、第2芯体帆布層7については、第2実施形態と同様である。
(第3実施形態の搬送ベルトの製造方法)
まず、透明熱可塑性エラストマーを有機溶媒に溶かした接着剤3を作製し、この接着剤3を帆布素材(平織り布)にコーティングする、又は、帆布素材を接着剤3に浸漬することにより接着処理を施した第1芯体帆布層2及び第2芯体帆布層7を作製する。
また、透明熱可塑性エラストマーを押出し機によって所定の寸法のシート状に押出し成形して、第1樹脂層4を作製する。
次に、図9のマーク層形成工程に示すように、作製した第1樹脂層4の下側(内周側)に、インクジェットプリンタによりマーク51を印刷してマーク層5を形成する。
次に、図9の第1芯体帆布層形成工程に示すように、接着処理を施した第1芯体帆布層2を第1樹脂層4の搬送面側に積層し、図9の第2芯体帆布層形成工程に示すように、接着処理を施した第2芯体帆布層7を第1樹脂層4のマーク層5を形成した表面側に積層し、プレス加圧により接着して搬送ベルト1を得る。
(第1の評価試験)
次に、以下の表1に記載した構成により実施例1〜3、及び、比較例1〜2に係る搬送ベルトを作製し、各搬送ベルトについて、(1)マーク層剥離試験(拭き取りテスト)、(2)走行試験前のベルト強力の測定、(3)走行試験後のベルト強力の測定、(4)走行試験後のマーク層剥離の確認試験を行った。なお、実施例1は、上述の第1実施形態に係る搬送ベルト1に相当し、実施例2は、上述の第2実施形態に係る搬送ベルト1に相当し、実施例3は、上述の第3実施形態に係る搬送ベルト1に相当する。また、比較例1は、1層の芯体帆布層(1プライ)によって構成された搬送ベルトであり、芯体帆布層の搬送面にマークを印刷している。比較例2は、樹脂層を2層の芯体帆布層によって挟んだ構成の搬送ベルトであり、搬送面側の芯体帆布層にマークを印刷している。
(1)マーク層剥離試験(拭き取りテスト)では、搬送ベルトの搬送面をアルコールで拭き取りマーク層のマーク剥離(インク剥離)の有無を評価した。判定基準としては、剥離が無ければ「○」、剥離が有れば「×」と評価する。
(2)走行試験前のベルト強力の測定では、走行試験(後述)前の各搬送ベルトのそれぞれについて、JISK 6376準拠の方法にて試験片を採取し、アムスラー試験機によって100mm/minの引張り速度で引張り、ベルト強力を測定した。判定基準としては、食品搬送用途で要求されるベルト強力である10N/mm以上であれば、問題なしと評価し、10N/mm未満であれば、問題ありと評価する。
(3)走行試験後のベルト強力の測定では、まず、各搬送ベルトについて走行試験を行う。走行試験としては、各搬送ベルトについて、図10に示す走行試験機を用いて走行させ、走行後の各搬送ベルトのベルト強力を測定した。具体的には、図10に示すように、実施例1〜3、及び、比較例1〜2に係る搬送ベルト(ベルトサイズ:幅100mm×長さ1,450mm)を、ドライブプーリ(φ100)、ベンドプーリ(φ100)、テークアッププーリ(φ25)、及び、テールプーリ(φ25)の4つのプーリに巻き掛けて、スクレーパー(幅50mm×長さ140mm×厚さ5mm、先端にφ6mm(R3mm)の円筒状の押し圧子を設置)を各搬送ベルトの搬送面に2.6kgfの荷重で押し付けながら、ベルト速度30m/min、ベルト張力2.6kgf/cm、屈曲回数60万サイクルの条件で走行させる。
そして、走行試験後の各搬送ベルトのそれぞれについて、JISK 6376準拠の方法にて試験片を採取し、アムスラー試験機によって100mm/minの引張り速度で引張り、ベルト強力を測定した。判定基準としては、食品搬送用途で要求されるベルト強力である10N/mm以上であれば、問題なしと判断し、10N/mm未満であれば、問題ありと判断する。
(4)走行試験後のマーク層剥離の確認試験では、走行試験後の各搬送ベルトの搬送面を観察し、マーク層(マーク)の剥離の有無を目視で観察した。判定基準としては、剥離が無ければ「○」、剥離が有れば「×」と評価する。
(マーク層剥離試験の評価結果)
実施例1〜3は、マーク層5が第1樹脂層4と第2樹脂層6との間に配置されているので(マークが搬送ベルト内部にある)、走行試験前においてマーク層が剥離しない。比較例1〜2は、アルコールによる拭取りによってマーク層が剥離した。
(走行試験前のベルト強力の測定結果)
芯体帆布層が1層(1プライ)の実施例1の搬送ベルトのベルト強力(46N/mm)は、同じ1層の芯体帆布層(1プライ)によって構成された比較例1の搬送ベルトのベルト強力(44N/mm)と比べるとほぼ同じ強力を示した。また、芯体帆布層が2層(2プライ)の実施例2、及び、実施例3の搬送ベルトのベルト強力(それぞれ76N/mm、71N/mm)は、同じ2層の芯体帆布層(2プライ)によって構成された比較例2の搬送ベルトのベルト強力(90N/mm)と比べると、ベルト強力が小さくなった。しかし、通常の食品搬送用途で要求されるベルト強力は10N/mm以上であるので問題なく使用できる。
(走行試験後のベルト強力の測定結果)
実施例1の搬送ベルトのベルト強力(43N/mm)は、比較例1の搬送ベルトのベルト強力(42N/mm)と比べるとほぼ同じ強力を示した。また、実施例2、及び、実施例3の搬送ベルトのベルト強力(それぞれ72N/mm、68N/mm)は、比較例2の搬送ベルトのベルト強力(86N/mm)と比べると、ベルト強力が小さくなった。実施例1〜3、比較例1〜2ともに走行試験後のベルト強力は、走行試験前に比べやや低下するが、通常の食品搬送用途で要求されるベルト強力である10N/mm以上であるので問題なく使用できる。
(走行試験後のマーク層剥離の確認試験の評価結果)
実施例1〜3は、マーク層5が第1樹脂層4と第2樹脂層6との間に配置されているので(マークが搬送ベルト内部にある)、走行試験後においてもマーク層が剥離しない。比較例1〜2は、走行試験後、マーク層が剥離した。
第1〜第3実施形態の搬送ベルト1では、マーク層5(マーク51)を第1樹脂層4の下側に配置することにより、マーク層5が剥がれたりしないようにしている。この際、マーク層5の視認性を確保するために、第1芯体帆布層2及び第1樹脂層4に透明性を有するような材料(繊維の種類・繊度・密度・厚みなど)を使用しているが、上記試験結果によれば、第1〜第3実施形態の搬送ベルト1は、走行試験前、走行試験後においても、通常の食品搬送用途で要求されるベルト強力である10N/mm以上を備えているため、搬送ベルトとして十分な性能を有しているということが言える。
(第2の評価試験)
次に、マークの大きさや色を選択する際の指標になる芯体帆布層の厚みの優劣を、「マークの視認性の官能試験」及び「走行試験前・後のベルト強力の測定」によって検証した。
(マークの視認性の官能試験)
マークの視認性の官能試験では、表2に記載した構成により、実施例1、及び、芯体帆布層の構成以外は実施例1と同じ構成の実施例4〜7の搬送ベルトを作製した。各搬送ベルトには、第2樹脂層(白色)の搬送面側の表面にインクジェットプリンタでマーク(「あ」の文字)を印刷したマーク層を形成した。マーク(「あ」の文字)の大きさは、図11に示すように、文字の縦、横が各50mm、40mm、30mm、20mm、10mm(マークサイズ)とした。また、マーク(「あ」の文字)の色は、図11に示すように、各サイズで、赤、青、黒、黄の4種類とした。そして、作製した各搬送ベルトを所定のサイズ(210×297mm)に切断したものを試験片とした。即ち、合計20種類の試験片を作成した。
マークの視認性の官能試験では、図12に示すように、20種類のマーク入りの試験片を高さ600mmの台上に置き、観察者6名(A〜F)が、台から約1m離れた位置でマークを目視し、マーク(文字)が読めた(識別できた)場合には「○」、マーク(文字)が読めなかった(識別できなかった)場合には「×」の基準で判定し、観察者ごとに、各実施例のマーク(文字)が読めたかどうかを判定し記録した。マークの視認性の官能試験の結果を、図13に示す。次に、図13のマークの視認性の官能試験の結果に対して、各実施例のマークサイズ、及び、色ごとに「○」の数を集計した結果と正答率とを表4にまとめた。なお、「○」の数の集計と正答率の計算の一例として、実施例1におけるマーク(文字)が赤色の観察者別の識別の可否の集計結果を表3に示す。
[表3]
(実施例1におけるマーク(文字)が赤色の観察者別の識別の可否)
上記マークの視認性の官能試験の結果によると、芯体帆布層が薄いほど、小さいマークサイズでもが識別できることがわかる。すなわち、芯体帆布層が薄いほど、小さいマークを用いることができるが、芯体帆布層が厚くなるほどマークを大きくする必要があることがわかる。ただし、厚み0.9mmの芯体帆布層を有する実施例6では、黄色のマークに対しては、マークサイズを50mmにしても6人の観察者は誰も識別することができないことから、芯体帆布層の厚みは0.8mm以下にすることが望ましい(実施例1、4、5では、少なくとも1人の観察者が識別している)。
また、各実施例の搬送ベルトは、第2樹脂層が白色なので搬送面が白色である。この白色の搬送面に対しては、赤、青、黒などの濃い色が識別しやすく、黄色は識別しにくいことがわかる。
(走行試験前・後のベルト強力の測定)
次に、芯体帆布層を薄くすると、ベルト強力がどの程度低下するのかを検証した。芯体帆布層の厚みが異なること以外は実施例1と同じ構成の、実施例8(芯体帆布層の厚み0.2mm)、及び、実施例9(芯体帆布層の厚み0.1mm)の搬送ベルトを作製し、走行試験前・後のベルト強力の測定、及び、マーク層剥離試験を行った。走行試験前・後のベルト強力の測定、及び、マーク層剥離試験の結果を、表5に示す。
走行試験前・後のベルト強力の測定結果によると、芯体帆布層の厚みが0.2mmの実施例8の搬送ベルトのベルト強力は、走行試験前は19.5N/mm、走行試験後は15.5N/mmであり、芯体帆布層の厚みが0.5mmの実施例1よりもベルト強力は低下している。しかしながら、芯体帆布層の厚みが0.2mmの実施例8の搬送ベルトのベルト強力は、食品搬送用途で要求されるベルト強力である10N/mm以上であるので問題なく使用できる。一方、芯体帆布層の厚みが0.1mmの実施例9の搬送ベルトのベルト強力は、走行試験前は9.3N/mm、走行試験後は7.2N/mmであり、食品搬送用途で要求されるベルト強力である10N/mmを下回った。 従って、芯体帆布層の厚みは、ベルト強力の観点から0.2mm以上にすることが望ましいことが分かった。
なお、実施例8、及び、実施例9のマーク層の剥がれは、実施例1と同様に発生せず問題なかった。
上記第2の評価試験から、上記搬送ベルトにおいて、ベルト強力及びマーク(文字)の視認性の観点から、第1芯体帆布層の厚みを、0.2mm〜0.8mmの範囲にすることが好ましいことがわかった。
(効果)
上記構成によれば、マーク層5を第1樹脂層4と保護層との間に配置していることにより、マーク層5が搬送物などと直接接触しないようにすることができる。これにより、マーク層5が剥がれて、搬送物に付着・混入してしまうことを防止することができる。
また、第1芯体帆布層2及び第1樹脂層4が透明性を有することにより、保護層の上側に積層されたマーク層5のマーク51を、外部から、第1芯体帆布層2及び第1樹脂層4を通して目視することができる。
また、搬送物と直接接触する第1芯体帆布層2に帆布素材を採用していることにより、搬送物に対する良好な剥離性を保持することができる。
また、第1・第2実施形態の構成によれば、マーク層5を第1樹脂層4と第2樹脂層6との間に配置していることにより、マーク層5を強度・加工性に優れた樹脂によって挟み込んで保持することができる。これにより、マーク層5を第1樹脂層4と第2樹脂層6との間に安定的に定着させることができる。
また、第2・第3実施形態の構成によれば、搬送ベルト1の上側(搬送物と接触する側の面)と下側を帆布素材により覆うことができる。これにより、搬送ベルト1の強度・耐久性を向上させることができる。
また、上記構成により、第1芯体帆布層2を構成する帆布素材を、繊度280〜1200dtexの繊維にすることにより、マーク51の視認性を確保しつつ、搬送に対する良好なベルト張力を保持することができる。
また、上記構成により、第1芯体帆布層2の厚みを、0.2〜0.8mmにすることにより、マーク51の視認性を確保しつつ、搬送ベルト1に良好な強度や耐久性を保持させることができる。
また、上記構成によれば、第1樹脂層4を、透明熱可塑性エラストマー、又は、透明熱可塑性樹脂にすることにより、第1樹脂層4の下側に配置されたマーク51の視認性を確保しつつ、第1樹脂層4を加工性・強度に優れた構成にすることができる。
また、上記構成によれば、第1芯体帆布層2の帆布素材が白色導電性繊維を含むことにより、マーク層5に対する視認性を損なわず、搬送ベルト1を帯電しにくくすることができる。
また、上記構成によれば、第1芯体帆布層2は、透明熱可塑性エラストマー、又は、透明熱可塑性樹脂からなる接着剤3が含浸された帆布素材を含んでいることから、第1芯体帆布層2を介してのマーク51の視認性を確保しつつ、第1芯体帆布層2と第1樹脂層4との接着性を向上させることができる。
また、第1・第2実施形態の構成によれば、マーク層5の下側に白色の第2樹脂層6が配置されるため、マーク51の視認性を向上させることができる。
また、第1実施形態の製造方法によれば、マーク層5を第1樹脂層4と第2樹脂層6との間に配置することができ、マーク層5が搬送物などと直接接触しないようにすることができる。これにより、マーク層5が剥がれて、搬送物に付着・混入してしまうことを防止することができる搬送ベルト1を製造することができる。
また、第1芯体帆布層2及び第1樹脂層4が透明性を有することにより、第2樹脂層6の上側に積層されたマーク層5のマーク51を、外部から、第1芯体帆布層2及び第1樹脂層4を通して目視することができる搬送ベルト1を製造することができる。
また、搬送物と直接接触する第1芯体帆布層2に帆布素材を使用して、搬送物に対する良好な剥離性を保持した搬送ベルト1を製造することができる。
また、第2実施形態の製造方法によれば、搬送ベルト1の上側(搬送物と接触する側の面)と下側を帆布素材により覆い、搬送ベルト1の強度・耐久性を向上させた搬送ベルト1を製造することができる。
また、第3実施形態の製造方法によれば、搬送ベルト1の上側(搬送物と接触する側の面)と下側を帆布素材により覆い、搬送ベルト1の強度・耐久性を向上させた搬送ベルト1を製造することができる。
また、樹脂層を一層だけにして、薄型の搬送ベルト1を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及び実施例に限定されるものでないと考えられるべきである。また、本発明の範囲は、上記した実施形態及び実施例の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 搬送ベルト
2 第1芯体帆布層
3 接着剤
4 第1樹脂層
5 マーク層
6 第2樹脂層
7 第2芯体帆布層
51 マーク
52 フィルム

Claims (13)

  1. 透明性を有し、帆布素材を含む第1芯体帆布層と、
    前記第1芯体帆布層の下側に積層され、透明性を有し、樹脂を含む第1樹脂層と、
    前記第1樹脂層の下側に積層され、外部に情報を伝達するマークを含むマーク層と、
    前記マーク層の下側に積層される、保護層と、
    が積層されていることを特徴とする搬送ベルト。
  2. 前記保護層は、樹脂を含む第2樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルト。
  3. 前記保護層は、帆布素材を含む第2芯体帆布層であることを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルト。
  4. 前記保護層は、
    前記マーク層の下側に積層され、樹脂を含む第2樹脂層と、
    前記第2樹脂層の下側に積層され、帆布素材を含む第2芯体帆布層と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルト。
  5. 前記第1芯体帆布層の前記帆布素材は、繊度280〜1200dtexの繊維であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の搬送ベルト。
  6. 前記第1芯体帆布層の厚みは、0.2〜0.8mmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の搬送ベルト。
  7. 前記第1樹脂層は、透明熱可塑性エラストマー、又は、透明熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の搬送ベルト。
  8. 第1芯体帆布層の帆布素材は、白色導電性繊維を含むことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の搬送ベルト。
  9. 前記第1芯体帆布層は、透明熱可塑性エラストマー、又は、透明熱可塑性樹脂からなる接着剤が含浸された前記帆布素材を含んでいることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の搬送ベルト。
  10. 前記第2樹脂層は、白色であることを特徴とする請求項2又は4に記載の搬送ベルト。
  11. 第2樹脂層の上側に、外部に情報を伝達するマークを直接印刷、又は、前記マークが印刷されたフィルムを積層して、マーク層を形成するマーク層形成工程と、
    前記マーク層の上側に、透明性を有する第1樹脂層を積層する第1樹脂層形成工程と、
    前記第1樹脂層の上側に、透明性を有し、帆布素材を含む第1芯体帆布層を積層する第1芯体帆布層形成工程と、
    を含むことを特徴とする搬送ベルトの製造方法。
  12. 第2樹脂層の下側に、帆布素材を含む第2芯体帆布層を積層する第2芯体帆布層形成工程を、更に含むことを特徴とする請求項11に記載の搬送ベルトの製造方法。
  13. 第1樹脂層の下側に、外部に情報を伝達するマークを直接印刷、又は、前記マークが印刷されたフィルムを積層して、マーク層を形成するマーク層形成工程と、
    前記第1樹脂層の上側に、透明性を有し、帆布素材を含む第1芯体帆布層を積層する第1芯体帆布層形成工程と、
    前記マーク層の下側に、透明性を有し、帆布素材を含む第2芯体帆布層を積層する第2芯体帆布層形成工程と、
    を含むことを特徴とする搬送ベルトの製造方法。
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