JP2018147987A - 半導体チップの製造方法及び粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体チップ処理工程時には充分な接着力を維持し、かつ、半導体チップ処理工程終了後には糊残りなく粘着テープを剥離できる半導体チップの製造方法及び該半導体チップの製造方法に用いる粘着テープを提供する。
【解決手段】製造方法は、貫通孔が複数設けられたステージ基板1の一方の面に、硬化型粘着剤層21と基材22を有する粘着テープ2を貼りつける工程と、貫通孔より露出した粘着テープの硬化型粘着剤層上に半導体チップ3を設置する工程と、硬化型粘着剤に刺激を与えて硬化型粘着剤層を硬化させる工程と、半導体チップを設置した面にモールド樹脂を充填する工程と、モールド樹脂を熱硬化させる工程と、粘着テープをステージ基板から剥離する工程とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】製造方法は、貫通孔が複数設けられたステージ基板1の一方の面に、硬化型粘着剤層21と基材22を有する粘着テープ2を貼りつける工程と、貫通孔より露出した粘着テープの硬化型粘着剤層上に半導体チップ3を設置する工程と、硬化型粘着剤に刺激を与えて硬化型粘着剤層を硬化させる工程と、半導体チップを設置した面にモールド樹脂を充填する工程と、モールド樹脂を熱硬化させる工程と、粘着テープをステージ基板から剥離する工程とを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、加熱処理を施す半導体チップ処理工程を有するにもかかわらず、半導体チップ処理工程時には充分な接着力と保護性能を維持し、かつ、半導体チップ処理工程終了後には糊残りなく粘着テープを剥離できる半導体チップの製造方法及び該半導体チップの製造方法に用いる粘着テープに関する。
半導体チップの製造工程において、ウエハや半導体チップの加工時の取扱いを容易にし、破損を防止するために粘着テープが用いられている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合、厚膜ウエハに粘着テープを貼り合わせた後に研削が行われる。
このような粘着テープに用いられる接着剤組成物には、加工工程中にウエハや半導体チップを強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後にはウエハや半導体チップを損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離を実現した接着剤組成物として特許文献1には、アゾ化合物等の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する接着層を有する両面接着テープを用いたウエハの処理方法が記載されている。特許文献1に記載されたウエハの処理方法では、まず、両面接着テープを介してウエハを支持板に固定する。その状態で研削工程等を行った後に刺激を与えると、気体発生剤から発生した気体がテープの表面とウエハとの界面に放出され、その圧力によって少なくとも一部が剥離される。特許文献1の両面接着テープを用いれば、ウエハを損傷することなく、かつ、糊残りもすることなく剥離できる。
高接着易剥離を実現した接着剤組成物として特許文献1には、アゾ化合物等の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する接着層を有する両面接着テープを用いたウエハの処理方法が記載されている。特許文献1に記載されたウエハの処理方法では、まず、両面接着テープを介してウエハを支持板に固定する。その状態で研削工程等を行った後に刺激を与えると、気体発生剤から発生した気体がテープの表面とウエハとの界面に放出され、その圧力によって少なくとも一部が剥離される。特許文献1の両面接着テープを用いれば、ウエハを損傷することなく、かつ、糊残りもすることなく剥離できる。
近年粘着テープを貼付した状態で加熱処理や薬品処理が行われるようになってきた。例えば、半導体チップをモールド樹脂で覆うモールド工程では、複数の貫通孔を有するステージ基板の片面に粘着テープを貼り付け、該貫通孔から露出した粘着テープの粘着面に半導体チップを固定し、その後モールド樹脂を充填、加熱硬化させる。
このようなモールド工程では、モールド樹脂を硬化させるために高温処理が行われる。しかしながら、従来の半導体チップの製造方法では高温処理によって粘着テープの接着昂進が起こり、粘着テープをはがす際に糊残りが発生してしまうという問題があった。特に、モールド工程ではモールド樹脂を充填する際に熱プレスを行うため、粘着テープと加熱したモールド樹脂とが接する部分では通常の加熱処理よりも接着昂進が大きくなりやすく、糊残りの問題がより顕著になっていた。
このようなモールド工程では、モールド樹脂を硬化させるために高温処理が行われる。しかしながら、従来の半導体チップの製造方法では高温処理によって粘着テープの接着昂進が起こり、粘着テープをはがす際に糊残りが発生してしまうという問題があった。特に、モールド工程ではモールド樹脂を充填する際に熱プレスを行うため、粘着テープと加熱したモールド樹脂とが接する部分では通常の加熱処理よりも接着昂進が大きくなりやすく、糊残りの問題がより顕著になっていた。
本発明は、上記現状に鑑み、加熱処理を施す半導体チップ処理工程を有するにもかかわらず、半導体チップ処理工程時には充分な接着力を維持し、かつ、半導体チップ処理工程終了後には糊残りなく粘着テープを剥離できる半導体チップの製造方法及び該半導体チップの製造方法に用いる粘着テープを提供することを目的とする。
第1の本発明は、貫通孔が複数設けられたステージ基板の一方の面に、重合性ポリマーと重合開始剤からなる硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材を有する粘着テープを貼りつける粘着テープ貼り付け工程と、前記ステージ基板の前記粘着テープが貼られていない面において前記貫通孔より露出した前記粘着テープの硬化型粘着剤層上に半導体チップを設置する半導体チップ設置工程と、前記硬化型粘着剤に刺激を与えて前記硬化型粘着剤層を硬化させる粘着剤硬化工程と、前記半導体チップを設置した面にモールド樹脂を充填するモールド樹脂充填工程と、前記モールド樹脂を熱硬化させるモールド樹脂硬化工程と、前記粘着テープをステージ基板から剥離する粘着テープ剥離工程とを有する半導体チップの製造方法である。
第2の本発明は、貫通孔が複数設けられたステージ基板の一方の面に、重合性ポリマーと重合開始剤からなる硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材を有する粘着テープを貼りつける粘着テープ貼り付け工程と、前記ステージ基板の前記粘着テープが貼られていない面において前記貫通孔より露出した前記粘着テープの硬化型粘着剤層上に半導体チップを設置する半導体チップ設置工程と、前記半導体チップを設置した面にモールド樹脂を充填するモールド樹脂充填工程と、前記硬化型粘着剤に刺激を与えて前記硬化型粘着剤層を硬化させる粘着剤硬化工程と、前記モールド樹脂を熱硬化させるモールド樹脂硬化工程と、前記粘着テープをステージ基板から剥離する粘着テープ剥離工程とを有する半導体チップの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討した結果、粘着テープの粘着剤を硬化型粘着剤とし、モールド樹脂を硬化させる前に硬化型粘着剤を硬化させることによって、接着昂進を防ぎ、モールド樹脂に糊残りすることなく粘着テープを剥離できることを見出し本発明を完成させるに至った。
第1及び第2の本発明の半導体チップの製造方法では、まず、貫通孔が複数設けられたステージ基板の一方の面に、重合性ポリマーと重合開始剤からなる硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材を有する粘着テープを貼りつける粘着テープ貼り付け工程を行う。
粘着テープを貼りつけることにより、加工時の取扱いを容易にし、ステージ基板及び半導体チップの損傷を防ぐことができる。
上記粘着テープ貼り付け工程の様子を模式的に表した図を図1に示した。図1(b)に示すようにステージ基板1は複数の貫通孔12を有している。このようなステージ基板1の片面に基材22と硬化型粘着剤層21を有する粘着テープ2を図1(a)に示すように貼り付ける。
上記ステージ基板の材料としては、特に制限されないが、一般的にはエポキシ樹脂等が用いられる。
粘着テープを貼りつけることにより、加工時の取扱いを容易にし、ステージ基板及び半導体チップの損傷を防ぐことができる。
上記粘着テープ貼り付け工程の様子を模式的に表した図を図1に示した。図1(b)に示すようにステージ基板1は複数の貫通孔12を有している。このようなステージ基板1の片面に基材22と硬化型粘着剤層21を有する粘着テープ2を図1(a)に示すように貼り付ける。
上記ステージ基板の材料としては、特に制限されないが、一般的にはエポキシ樹脂等が用いられる。
上記硬化型粘着剤としては、光照射により架橋、硬化する光硬化型粘着剤や加熱により架橋、硬化する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記光硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として光重合開始剤を用いた光硬化型粘着剤が挙げられる。
上記熱硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として熱重合開始剤を用いた熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記光硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として光重合開始剤を用いた光硬化型粘着剤が挙げられる。
上記熱硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として熱重合開始剤を用いた熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
本発明において、上記重合性ポリマーは水酸基価が40mgKOH/g以上であることが好ましい。
上記重合性ポリマーの水酸基価が40mgKOH/g以上であることによって、熱による硬化型粘着剤とモールド樹脂との反応を抑えることができるため、より確実にモールド樹脂に対する糊残りを防止できる。特に第2の本発明では硬化型粘着剤層をモールド樹脂充填工程後に硬化させるため、モールド樹脂充填工程時の熱プレスによって、硬化型粘着剤と加熱されたモールド樹脂が反応しやすいことから上記重合性ポリマーの水酸基価が40mgKOH/g以上であることが好ましい。上記水酸基価のより好ましい下限は45mgKOH/g、さらに好ましい下限は50mgKOH/g、好ましい上限は70mgKOH/gより好ましい上限は65mgKOH/gである。
上記重合性ポリマーの水酸基価が40mgKOH/g以上であることによって、熱による硬化型粘着剤とモールド樹脂との反応を抑えることができるため、より確実にモールド樹脂に対する糊残りを防止できる。特に第2の本発明では硬化型粘着剤層をモールド樹脂充填工程後に硬化させるため、モールド樹脂充填工程時の熱プレスによって、硬化型粘着剤と加熱されたモールド樹脂が反応しやすいことから上記重合性ポリマーの水酸基価が40mgKOH/g以上であることが好ましい。上記水酸基価のより好ましい下限は45mgKOH/g、さらに好ましい下限は50mgKOH/g、好ましい上限は70mgKOH/gより好ましい上限は65mgKOH/gである。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーペンタH(以上いずれも日油社製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化型粘着剤層は、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化型粘着剤層は、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有してもよい。上記硬化型粘着剤層が上記気体発生剤を含有する場合には、ステージ基板から粘着テープを剥離する際に、刺激を与えて上記気体発生剤から気体を発生させることにより、より容易に、かつ、糊残りすることなく粘着テープを剥離することができる。
上記気体発生剤は特に限定されないが、加熱を伴う処理に対する耐性に優れることから、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸等のカルボン酸化合物又はその塩や、1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5,5−アゾビス−1H−テトラゾール等のテトラゾール化合物又はその塩等が好適である。このような気体発生剤は、紫外線等の光を照射することにより気体を発生する一方、200℃程度の高温下でも分解しない高い耐熱性を有する。
上記気体発生剤の含有量は、上記硬化型粘着剤100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量が5重量部未満であると、刺激による二酸化炭素ガス又は窒素ガスの発生が少なくなり充分な剥離を行うことができないことがあり、50重量部を超えると、硬化型粘着剤へ溶けきれなくなり接着力が低下してしまうことがある。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記硬化型粘着剤層は、更に、光増感剤を含有してもよい。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記硬化型粘着剤層は、上記硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を含有してもよい。シリコーン化合物は、耐熱性に優れることから、200℃以上の加熱を伴う処理を経ても粘着剤の焦げ付き等を防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。シリコーン化合物が上記硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有することにより、光照射又は加熱することにより上記硬化型粘着剤と化学反応して上記硬化型粘着剤中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。また、シリコーン化合物を配合することにより、半導体チップ上への糊残りを防止する効果も発揮される。
上記硬化型粘着剤層は、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜含有してもよい。
上記硬化型粘着剤層は、ヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記硬化型粘着剤層は、ヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記硬化型粘着剤層は、上記テープ貼り付け工程時のゲル分率が30%以上であることが好ましい。硬化前の硬化型粘着剤層のゲル分率がこの範囲内にあると、半導体チップの製造工程において粘着テープが意図せず剥離してしまうことがない一方、処理終了後に粘着テープを剥離する際、モールド樹脂の表面に糊残りが発生するのを防止することができる。上記ゲル分率のより好ましい下限は40%以上である。なお、上記ゲル分率の上限は特に限定されないが、80%以下であることが好ましい。
上記硬化型粘着剤層は、後述する粘着剤硬化工程の前における23℃での引っ張り貯蔵弾性率が1×105Pa以上であることが好ましい。
架橋、硬化前の硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率がこの範囲内にあることで、半導体チップを充分に保護できるとともに、高温処理によるステージ基板や半導体チップの反りを防止できる。また、接着昂進による半導体チップ及びモールド樹脂への糊残りも防止することができるため、処理終了後には糊残りなく粘着テープを剥離することができる。上記引っ張り貯蔵弾性率のより好ましい下限は5×105Paである。上記引っ張り貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、1×108Pa以下であることが好ましい。
なお、引っ張り貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、アイティー計測制御社製、DVA−200)を用いて、動的粘弾性測定の引っ張りモード、角周波数10Hzの条件で測定を行うことで求めることができる。
架橋、硬化前の硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率がこの範囲内にあることで、半導体チップを充分に保護できるとともに、高温処理によるステージ基板や半導体チップの反りを防止できる。また、接着昂進による半導体チップ及びモールド樹脂への糊残りも防止することができるため、処理終了後には糊残りなく粘着テープを剥離することができる。上記引っ張り貯蔵弾性率のより好ましい下限は5×105Paである。上記引っ張り貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、1×108Pa以下であることが好ましい。
なお、引っ張り貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、アイティー計測制御社製、DVA−200)を用いて、動的粘弾性測定の引っ張りモード、角周波数10Hzの条件で測定を行うことで求めることができる。
上記硬化型粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記粘着剤層の厚みがこの範囲内にあると、充分な粘着力でウエハに貼着でき、処理中の半導体チップを保護することができる。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
上記基材としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリカプロラクトン共重合等の、透明かつ耐熱性に優れる樹脂からなるシートが挙げられる。なかでも、耐熱性に優れることからポリエチレンナフタレートが好ましい。
上記基材の厚みは特に制限されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は200μmである。上記基材の厚みがこの範囲内にあると、充分にステージ基板や半導体チップの補強ができるとともに、工程終了後には粘着テープを容易に剥離することができる。
第1及び第2の本発明の半導体チップの製造方法は、次いで、上記ステージ基板の上記粘着テープが貼られていない面において上記貫通孔より露出した上記粘着テープの硬化型粘着剤層上に半導体チップを設置する半導体チップ設置工程を行う。
半導体チップが設置されたステージ基板の様子を模式的に表した図を図2(b)に示した。粘着テープ2が貼られた面を下面にしてステージ基板1を置くと、貫通孔12の底部には粘着テープ2の硬化型粘着剤層21が露出する。この貫通孔12から露出した硬化型粘着剤層21上に半導体チップ3を設置する。ここで、設置される半導体チップ3は、図2(a)に示すように、高さがステージ基板1の厚み、即ち、貫通孔12の高さよりも低くなっている。半導体チップの高さを貫通孔の高さより低くすることで、後の工程でモールド樹脂を充填した際に確実に半導体チップの上面までモールド樹脂で覆いつくすことができる。
半導体チップが設置されたステージ基板の様子を模式的に表した図を図2(b)に示した。粘着テープ2が貼られた面を下面にしてステージ基板1を置くと、貫通孔12の底部には粘着テープ2の硬化型粘着剤層21が露出する。この貫通孔12から露出した硬化型粘着剤層21上に半導体チップ3を設置する。ここで、設置される半導体チップ3は、図2(a)に示すように、高さがステージ基板1の厚み、即ち、貫通孔12の高さよりも低くなっている。半導体チップの高さを貫通孔の高さより低くすることで、後の工程でモールド樹脂を充填した際に確実に半導体チップの上面までモールド樹脂で覆いつくすことができる。
第1の本発明の半導体チップの製造方法は、次いで上記硬化型粘着剤に刺激を与えて上記硬化型粘着剤層を硬化させる粘着剤硬化工程を行う。
刺激によって硬化型粘着剤層を架橋、硬化させることによって硬化型粘着剤層の弾性率が上昇し、高温によっても接着昂進しにくくなる。その結果、モールド工程終了後に粘着テープを剥離する際に、モールド樹脂に糊残りすることなく粘着テープを剥離することができる。なお、後述のように第2の本発明では、モールド樹脂充填工程の後に粘着剤硬化工程を行う。
刺激によって硬化型粘着剤層を架橋、硬化させることによって硬化型粘着剤層の弾性率が上昇し、高温によっても接着昂進しにくくなる。その結果、モールド工程終了後に粘着テープを剥離する際に、モールド樹脂に糊残りすることなく粘着テープを剥離することができる。なお、後述のように第2の本発明では、モールド樹脂充填工程の後に粘着剤硬化工程を行う。
上記硬化型粘着剤が光硬化型粘着剤であり、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有するポリマーと250〜800nmの波長で活性化する光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤を用いた場合、365nm以上の波長の光を照射することにより、上記光硬化型粘着剤を架橋、硬化させることができる。
このような光硬化型粘着剤に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
このような光硬化型粘着剤に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
また、上記硬化型粘着剤が熱硬化型粘着剤であり、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有するポリマーと50〜150℃程度の加熱で活性化する熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤を用いた場合、50〜150℃程度の温度にまで加熱することにより、上記熱硬化型粘着剤を架橋、硬化させることができる。
第1及び第2の本発明の半導体チップの製造方法では、次いで、上記半導体チップを設置した面にモールド樹脂を充填するモールド樹脂充填工程を有する。
上記モールド樹脂充填工程の様子を模式的に表した図を図3(a)に示した。上記モールド樹脂充填工程では、ステージ基板1の粘着テープ2が貼られた面を下面としてモールド樹脂4を貫通孔に充填する。モールド樹脂4は貫通孔を埋め、図2(b)のようにステージ基板上面の貫通孔が設けられた範囲を覆うまで充填される。その後、120℃、12kg/cm2程度の熱プレスを行う。
上記モールド樹脂充填工程の様子を模式的に表した図を図3(a)に示した。上記モールド樹脂充填工程では、ステージ基板1の粘着テープ2が貼られた面を下面としてモールド樹脂4を貫通孔に充填する。モールド樹脂4は貫通孔を埋め、図2(b)のようにステージ基板上面の貫通孔が設けられた範囲を覆うまで充填される。その後、120℃、12kg/cm2程度の熱プレスを行う。
上記モールド樹脂としては例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。なかでも、信頼性の観点からエポキシ樹脂が好ましい。
第2の本発明の半導体チップの製造方法では、次いで上記硬化型粘着剤に刺激を与えて上記硬化型粘着剤層を硬化させる粘着剤硬化工程を行う。
半導体チップの製造において、製造設備によってはモールド樹脂充填工程までが一連の工程となることがある。その場合、モールド樹脂充填工程の前に硬化型粘着剤層の硬化を行えないため、第1の本発明を用いることができない。そこで、粘着剤硬化工程をモールド樹脂充填工程の後に行うことによって、製造設備による制約に柔軟に対応することができる。なお、上記粘着剤硬化工程の条件については第1の本発明と同じ条件を用いることができる。
半導体チップの製造において、製造設備によってはモールド樹脂充填工程までが一連の工程となることがある。その場合、モールド樹脂充填工程の前に硬化型粘着剤層の硬化を行えないため、第1の本発明を用いることができない。そこで、粘着剤硬化工程をモールド樹脂充填工程の後に行うことによって、製造設備による制約に柔軟に対応することができる。なお、上記粘着剤硬化工程の条件については第1の本発明と同じ条件を用いることができる。
第1及び第2の本発明の半導体チップの製造方法では、次いで、上記モールド樹脂を熱硬化させるモールド樹脂硬化工程を有する。
モールド樹脂がエポキシ樹脂である場合、モールド樹脂を硬化させる温度としては、170℃〜190℃であることが好ましい。
モールド樹脂がエポキシ樹脂である場合、モールド樹脂を硬化させる温度としては、170℃〜190℃であることが好ましい。
第1及び第2の本発明の半導体チップの製造方法では、上記モールド樹脂硬化工程後に粘着テープをステージ基板から剥離する粘着テープ剥離工程を有する。上記粘着剤硬化工程において硬化型粘着剤は架橋、硬化していることから、モールド樹脂や半導体チップに糊残りすることなく、容易に粘着テープを剥離することができる。
上記硬化型粘着剤層が上記気体発生剤を含有する場合には、粘着テープ剥離工程において処理後の粘着テープに刺激を与えて上記気体発生剤から気体を発生させることにより、より容易にステージ基板から粘着テープを剥離することができる。
例えば、上記気体発生剤として300nm以下の波長の光を照射することにより気体を発生する気体発生剤を用いた場合には、300nm以下の波長の光を照射することにより上記気体発生剤から気体を発生させて、支持板をウエハから容易に剥離することができる。
このような気体発生剤に対しては、例えば、波長254nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長254nmの光を1000mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、1000mJ以上、20J以下の積算照度で照射することがより好ましく、1500mJ以上、15J以下の積算照度で照射することが更に好ましく、2000mJ以上、10J以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
このような気体発生剤に対しては、例えば、波長254nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長254nmの光を1000mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、1000mJ以上、20J以下の積算照度で照射することがより好ましく、1500mJ以上、15J以下の積算照度で照射することが更に好ましく、2000mJ以上、10J以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
また、例えば、上記気体発生剤として200℃以上の加熱により気体を発生する気体発生剤を用いた場合には、200℃以上の温度に加熱することにより上記気体発生剤から気体を発生させて、支持板をウエハから容易に剥離することができる。
上記第1及び第2の本発明に用いられる粘着テープもまた本発明の1つである。
本発明によれば、加熱処理を施す半導体チップ処理工程を有するにもかかわらず、半導体チップ処理工程時には充分な接着力を維持し、かつ、半導体チップ処理工程終了後には糊残りなく粘着テープを剥離できる半導体チップの製造方法及び該半導体チップの製造方法に用いる粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)硬化型粘着剤の合成
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマーA(水酸基価59mgKOH/g)を得た。その後、得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコーンアクリレート(EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)20重量部、シリカフィラー(レオロシール MT−10、トクヤマ製)20重量部、化学架橋剤(コロネートL−45、積水フーラー社製)0.5重量部、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部を混合し、硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
(1)硬化型粘着剤の合成
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマーA(水酸基価59mgKOH/g)を得た。その後、得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコーンアクリレート(EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)20重量部、シリカフィラー(レオロシール MT−10、トクヤマ製)20重量部、化学架橋剤(コロネートL−45、積水フーラー社製)0.5重量部、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部を混合し、硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
(2)粘着テープの製造
得られた硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンナフタレートフィルムのコロナ処理面上に、硬化型粘着剤層の厚さが30μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、粘着テープを得た。
得られた硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンナフタレートフィルムのコロナ処理面上に、硬化型粘着剤層の厚さが30μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、粘着テープを得た。
(3)硬化前の硬化型粘着剤のゲル分率の測定
得られた粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、重量を測定した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出した。結果を表1に示した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
得られた粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、重量を測定した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出した。結果を表1に示した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(4)硬化前の硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率の測定
「(1)硬化型粘着剤の合成」で得られた硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離形処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルムの離形処理面上に、乾燥後の硬化型粘着剤層の厚さが50μmとなるようにドクターナイフで塗工し、反対側に離形処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルムを貼り合わせ、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた後、40℃、3日間静置養生を行った。次いで、PETフィルムを剥離し、粘着剤同士を折り重ねて400μm厚の粘着テープとし、得られた粘着テープを縦0.6cm、横1.0cmの長方形状に切断して、評価用サンプルとした。
得られた評価用サンプルを、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製のDVA−200)を用いて動的粘弾性測定の引っ張りモード、角周波数10Hzで測定を行い、23℃での貯蔵弾性率の値を得た。結果を表1に示した。
「(1)硬化型粘着剤の合成」で得られた硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離形処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルムの離形処理面上に、乾燥後の硬化型粘着剤層の厚さが50μmとなるようにドクターナイフで塗工し、反対側に離形処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルムを貼り合わせ、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた後、40℃、3日間静置養生を行った。次いで、PETフィルムを剥離し、粘着剤同士を折り重ねて400μm厚の粘着テープとし、得られた粘着テープを縦0.6cm、横1.0cmの長方形状に切断して、評価用サンプルとした。
得られた評価用サンプルを、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製のDVA−200)を用いて動的粘弾性測定の引っ張りモード、角周波数10Hzで測定を行い、23℃での貯蔵弾性率の値を得た。結果を表1に示した。
(5)糊残りの評価
200×200mm□に10mm□の貫通孔が5mm間隔で格子状に設けられているエポキシ樹脂で固めたステージ基板に得られた粘着テープを真空中で貼り付けた。粘着テープを貼り付けた面を下面にし、8mm□、厚み100μmのSiベアの半導体チップを真空中でステージ基板の貫通孔から露出した粘着剤層に貼りつけた。
次いで、粘着テープ側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線を粘着テープへの照射強度が80mW/cm2となるよう照度を調節して1分間照射して、硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。
硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた後の積層体の粘着テープが貼られていない面からモールド樹脂としてエポキシ樹脂を充填した。充填は貫通孔を埋め、ステージ基板表面の貫通孔が設けられた部分を覆うまで行った。モールド樹脂を充填後、120℃、12kg/cm2で2分間熱プレスを行った。
次いで、熱プレス後の積層体に180℃、1時間の熱処理を行い、モールド樹脂を硬化させた。放冷後、粘着テープを剥離した。
粘着テープを剥離した積層体の表面を目視にて観察して、糊残りが存在しなかった場合を「◎」、糊残りが全体の面積の5%未満であった場合を「○」、糊残り全体の面積の5%以上であった場合を「×」として評価した。結果を表1に示した。
200×200mm□に10mm□の貫通孔が5mm間隔で格子状に設けられているエポキシ樹脂で固めたステージ基板に得られた粘着テープを真空中で貼り付けた。粘着テープを貼り付けた面を下面にし、8mm□、厚み100μmのSiベアの半導体チップを真空中でステージ基板の貫通孔から露出した粘着剤層に貼りつけた。
次いで、粘着テープ側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線を粘着テープへの照射強度が80mW/cm2となるよう照度を調節して1分間照射して、硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。
硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた後の積層体の粘着テープが貼られていない面からモールド樹脂としてエポキシ樹脂を充填した。充填は貫通孔を埋め、ステージ基板表面の貫通孔が設けられた部分を覆うまで行った。モールド樹脂を充填後、120℃、12kg/cm2で2分間熱プレスを行った。
次いで、熱プレス後の積層体に180℃、1時間の熱処理を行い、モールド樹脂を硬化させた。放冷後、粘着テープを剥離した。
粘着テープを剥離した積層体の表面を目視にて観察して、糊残りが存在しなかった場合を「◎」、糊残りが全体の面積の5%未満であった場合を「○」、糊残り全体の面積の5%以上であった場合を「×」として評価した。結果を表1に示した。
(実施例2〜4、比較例1)
「(1)硬化型粘着剤の合成」において、用いる化合物及び配合量を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして硬化型粘着剤及び粘着テープを得た。得られた粘着テープを用いて、実施例1と同様の測定、評価を行った。
なお、実施例3、4では、「(5)糊残りの評価」において硬化型粘着剤層の光硬化を熱プレスと熱処理の間に行った。また、比較例1では「(5)糊残りの評価」において硬化型粘着剤層の光硬化を行わなかった。
結果を表1に示した。
「(1)硬化型粘着剤の合成」において、用いる化合物及び配合量を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして硬化型粘着剤及び粘着テープを得た。得られた粘着テープを用いて、実施例1と同様の測定、評価を行った。
なお、実施例3、4では、「(5)糊残りの評価」において硬化型粘着剤層の光硬化を熱プレスと熱処理の間に行った。また、比較例1では「(5)糊残りの評価」において硬化型粘着剤層の光硬化を行わなかった。
結果を表1に示した。
本発明によれば、加熱処理を施す半導体チップ処理工程を有するにもかかわらず、半導体チップ処理工程時には充分な接着力を維持し、かつ、半導体チップ処理工程終了後には糊残りなく粘着テープを剥離できる半導体チップの製造方法及び該半導体チップの製造方法に用いる粘着テープを提供することができる。
1 ステージ基板
12 貫通孔
2 粘着テープ
21 硬化型粘着剤層
22 基材
3 半導体チップ
4 モールド樹脂
12 貫通孔
2 粘着テープ
21 硬化型粘着剤層
22 基材
3 半導体チップ
4 モールド樹脂
Claims (6)
- 貫通孔が複数設けられたステージ基板の一方の面に、重合性ポリマーと重合開始剤からなる硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材を有する粘着テープを貼りつける粘着テープ貼り付け工程と、
前記ステージ基板の前記粘着テープが貼られていない面において前記貫通孔より露出した前記粘着テープの硬化型粘着剤層上に半導体チップを設置する半導体チップ設置工程と、
前記硬化型粘着剤に刺激を与えて前記硬化型粘着剤層を硬化させる粘着剤硬化工程と、
前記半導体チップを設置した面にモールド樹脂を充填するモールド樹脂充填工程と、
前記モールド樹脂を熱硬化させるモールド樹脂硬化工程と、
前記粘着テープをステージ基板から剥離する粘着テープ剥離工程とを有する
ことを特徴とする半導体チップの製造方法。 - 貫通孔が複数設けられたステージ基板の一方の面に、重合性ポリマーと重合開始剤からなる硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材を有する粘着テープを貼りつける粘着テープ貼り付け工程と、
前記ステージ基板の前記粘着テープが貼られていない面において前記貫通孔より露出した前記粘着テープの硬化型粘着剤層上に半導体チップを設置する半導体チップ設置工程と、
前記半導体チップを設置した面にモールド樹脂を充填するモールド樹脂充填工程と、
前記硬化型粘着剤に刺激を与えて前記硬化型粘着剤層を硬化させる粘着剤硬化工程と、
前記モールド樹脂を熱硬化させるモールド樹脂硬化工程と、
前記粘着テープをステージ基板から剥離する粘着テープ剥離工程とを有する
ことを特徴とする半導体チップの製造方法。 - 重合性ポリマーの水酸基価が40mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項2記載の半導体チップの製造方法。
- 硬化型粘着剤層のテープ貼り付け工程時のゲル分率が30%以上であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の半導体チップの製造方法。
- 粘着剤硬化工程前の硬化型粘着剤層の23℃での引っ張り貯蔵弾性率が1×105Pa以上であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の半導体チップの製造方法。
- 請求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載の半導体チップの製造方法に用いられることを特徴とする粘着テープ。
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Cited By (2)
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JP2020184612A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-12 | 積水化学工業株式会社 | 粘着テープ |
JP2021050266A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 積水化学工業株式会社 | 粘着テープ |
-
2017
- 2017-03-03 JP JP2017040481A patent/JP2018147987A/ja active Pending
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