JP2018108498A - 薬液注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な操作でかつ直感的に注入プロトコルを設定可能な薬液注入装置を提供する。
【解決手段】この薬液注入装置は、ピストン駆動機構を有する注入ヘッドと、前記ピストン駆動機構に電気的に接続されたコンピュータユニットおよびディスプレイを有するコンソールと、を備える。コンピュータユニットは、a1:ディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させ、a2:そのうち1つが選択された場合に、ディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の対象部位アイコンを表示させ、a3:そのうち1つが選択された場合に、ディスプレイに、その対象部位に対応する造影用の薬液注入条件を提示し、a4:ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示したまたは修正された前記注入条件を注入プロトコルとして設定するよう構成されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、簡単な操作でかつ直感的に注入プロトコルを設定可能な薬液注入装置に関する。
現在、医療用の画像診断装置として、CT(Computed Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、超音波診断装置、血管造影(アンギオグラフィ)撮像装置等が知られている。このような撮像装置を使用する際、患者に造影剤や生理食塩水など(以下、これらを単に「薬液」とも言う)を注入することがある。
特に血管造影に関しては次のようなことが言える。すなわち、近年の薬液注入装置を使用した血管撮影技術は経皮的カテーテル法の開発より、X線機器やカテーテル、造影剤などの開発によって、それまでの画像診断のみから治療を目的としたInterventional Radiology(IVR)へと発展してきた。手技別に考えると、カテーテルを利用して局部への薬剤の動注、血管の塞栓、血管の拡張および開通に分けられる。対象としては、腫瘍、出血、血管性病変等がある。腫瘍については、抗癌剤の動注や経カテーテル的動脈塞栓術(Transcatheter Arterial Embolization:TAE)がある。出血については、血管収縮剤の持続動注や動脈塞栓術があり、血管性病変については、血栓溶解術や経皮的血管形成術(Percutaneous Transluminal Angioplasty:PTA)がある。
現在盛んに行われている経皮的血管形成術の中でも急速に発展しているのは、経皮経管的冠状動脈形成術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:PTCA)であり、PTCAはバルーンカテーテル、アテレクトミー(冠動脈内粥腫(じゅくしゅ)切除術)およびステントの埋め込み術に大別することができる。このような血管造影の進化の背景から、頭部、胸部(心臓含む)、腹部、下肢領域の臓器や病変部位に直結した様々な血管を選択的にまたは同じ血管を何度も造影し(複雑な血管走行の確認のため、血管の前後関係を知るため撮影角度を変更して、カテーテルが抜けない注入条件を微調整し、治療後の確認のため)画像診断と同時に確実に治療に繋げることが要求されている。
上記のとおり、血管造影検査は、造影剤の濃度や注入速度を血管部位に応じて適宜調節し繰り返し造影剤の注入が行われる点が、静脈から造影剤を1度注入し1度撮像して終了するCTやMRI撮像検査との1つの相違点となっている。
例えば、特許文献1には、血管造影用の薬液注入装置の一例が開示されている。この薬液注入装置は、下記のような血管造影法において使用される:すなわち、カテーテル法では、皮膚を切開することなく、カテーテルがガイドワイヤによって経皮的に血管(動脈)内に導入される。そして、目的血管の起始部付近にカテーテルの先端を位置させた後、薬液注入装置を動作させて所定の注入プロトコルで造影剤を注入するとともに、撮像装置を用いて連続撮影を行う。これにより、造影された血管が所定のディスプレイに映し出され、医師はその画像を見ながら診断および治療を行う。
なお、血管造影用の薬液注入装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、注入ヘッドとコンソールとを備えるものが知られている。血管造影用の注入ヘッドは、CT検査やMR検査用の注入ヘッドとは異なる次のような特徴がある。すなわち、血管造影においては、血管内に導入される細いカテーテルを通じて薬液の注入が行われるものであるので、注入圧力が非常に高くなるという特徴がある。そのため、シリンジが保護ケース等に入れられた状態で注入ヘッドに装着される構成となっているものが多い。この点が、シリンジが直接装着される、または、シリンジの一部を保持するアダプタを介して装着されるCT検査やMR検査用の注入ヘッドとは異なっている。
WO2006/068171
一般に、血管造影用の薬液注入装置を使用する際、医師がその場で放射技師や看護師といった医療従事者に注入条件(注入速度や注入量)の指示を行い、医療従事者が、検査室または操作室にある注入装置のコンソールへ入力する等して注入条件の設定を行なわれる。一例で、医療従事者が、予め登録された所定の注入条件をメモリリストから呼び出して注入条件の設定が行われることもある。
他方、上記したように、昨今の血管造影では治療目的に応じて多数の血管を選択的に造影したり同じ血管を何度も造影し画像診断と同時に確実に治療に繋げることが要求されている。そして、一般に、一人の患者に、例えば十数回造影剤を注入し様々な血管または同じ血管を何度も撮像することがルーチンとなっていることもある。
従来の血管造影用の薬液注入装置では、患者の血管部位を画面上で選択できるような構成にはなっておらず、一般に、予め登録した注入条件リスト(メモリリスト)の中から所望の条件を選択するような方式のものが多い。したがって、簡単な操作でかつ直感的に注入条件の選択/注入プロトコルの設定をするという観点から改善の余地が残されている。
なお、上記のような問題点は、必ずしも血管造影用の薬液注入装置に固有のものではなく、他の種類の薬液注入装置においても当てはまりうるものである。
本発明の目的は、対象部位に応じて造影剤の濃度や注入速度を適宜調節して複数回の薬液注入を繰り返す造影検査において、簡単な操作でかつ直感的に注入プロトコルを設定可能な薬液注入装置等を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の一形態の薬液注入装置は下記のとおりである:
薬液を注入する薬液注入装置であって、
A1:少なくとも1つのピストン駆動機構と、
A2:前記ピストン駆動機構を動作させるように前記ピストン駆動機構に電気的に接続されたコンピュータユニットと、
A3:少なくとも1つのディスプレイと、
を備え、
前記コンピュータユニットは、
a1:前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させ、
a2:前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の対象部位アイコンを表示させ、
a3:前記対象部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その対象部位に対応する造影用の薬液注入条件を提示し、
a4:ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示したまたは修正された前記注入条件を注入プロトコルとして設定する、
ようにプログラムされている、薬液注入装置。
上記のように本発明における「薬液注入装置」は、次の構成要素を備えている:
−ピストン駆動機構
−コンピュータユニット
−ディスプレイ
ここで、これらの構成要素は、薬液注入装置を構成するいずれの機器に備えられていてもよい。すなわち、薬液注入装置が注入ヘッドおよびコンソール等を備える場合には;
(a)注入ヘッドにピストン駆動機構が備えられ、コンソールにコンピュータユニットとディスプレイとが備えられてもよいし、
(b)注入ヘッドとコンソールの双方にコンピュータユニットが設けられもよいし、
(c)注入ヘッドとコンソールの双方にディスプレイが設けられもよい。
このように、ピストン駆動機構、コンピュータユニット、ディスプレイ等の構成要素の配置については種々の形態とすることができる。
(用語の説明)
「薬液注入装置」とは、薬液を注入する薬液注入装置のことをいい、当該薬液注入装置とともに使用される撮像装置の種類は何ら限定されるものではない。すなわち、撮像装置として、血管造影装置、CT装置、MRI装置、超音波装置、または血管造影装置等と一緒に使用される薬液注入装置も本願の薬液注入装置に該当しうる。薬液注入装置は、カテーテルを通じて薬液を注入するものであってもよい。
「カテーテル」とは、狭義には、例えば長さが数十cm程度(一例で30cm以上)であって血管内に導入されて血管造影のために使用されるものであり、広義には、長さ数cm程度であって例えば腕などの血管に穿刺されるタイプのものをも含む。
「薬液」とは、例えば、造影剤、生理食塩水、またはそれらを混合したものをいう。
「注入プロトコル」とは、どのような薬液を、どれくらいの量、どれくらいの速度で注入するかを示すものである。本明細書においては、「注入プロトコル」と「(薬液)注入条件」が同義であることがある。
「ユーザ」とは、本明細書においては、薬液注入装置を使用する人のことをいい、例えば医師または医療従事者を意図している。
「患者」−本明細書においては、「患者」は「被検者」と同義であることがある。
「データ」−本明細書においては、「データ」は「情報」と同義であることがある。
「接続」−本明細書において、所定の機器と他の機器とが接続されていると言った場合には、有線接続または無線接続のいずれの形態であってもよい。
「電気的に接続」とは、一方向または双方向に電気的信号の送信が行えるように構成要素どうしが接続されていることをいい、有線接続または無線接続のいずれの形態であってもよい。また、構成要素どうしが互いに直接接続されているものに加え、他の要素を介して間接的に接続されている場合も含む。
「アイコン」とは、(i)所定の情報を表示しかつユーザによって選択することができるものと、(ii)単に所定の情報を表示するためのものであって選択できるようには構成されていないものと、の両方を含む。画面に表示される全てまたは一部のアイコンは、それぞれの表示箇所をタッチペンあるいは操作者の指等でタッチすることで、または、画面上のカーソル等で、選択可能である。
「注入プロトコルとして設定する」とは、その注入プロトコル(注入条件)で薬液注入を実施できる状態になることをいう。一例としては、装置側で注入プロトコルが設定された後、医師または医療従事者からの入力があったときに、薬液の注入が開始される。
「検査目的に応じたルーチン」とは、例えば血管造影の例で言えば、ある血管造影検査において、順番が予め決められた複数の血管造影のことをいい、このような順序は、例えば、当該薬液注入装置を使用する医師によって設定されてもよいし、または、薬液注入装置に予め設定されたものであってもよい。他の形態では、ネットワークを介して、こうしたルーチンのデータが適時更新されるようになっていてもよい。
本発明によれば、簡単な操作でかつ直感的に注入プロトコルを設定可能な薬液注入装置等を提供することができる。
薬液注入装置の全体構成を模式的に示す図である。 医療機関の検査室、捜査室、および機械室の一例を示す模式図である。 シリンジおよび保護ケースを示す斜視図である。 注入プロトコルの設定および薬液注入等の手順の一例を示すフローチャートである。 注入プロトコルを設定するためのGUI画面の一例を示す図である(設定画面、初期)。 注入プロトコルを設定するためのGUI画面の一例を示す図である(設定画面、撮像部位選択)。 注入プロトコルを設定するためのGUI画面の一例を示す図である(設定画面、血管部位を選択)。 注入プロトコルを設定するためのGUI画面の一例を示す図である(設定画面、血管部位を選択)。 薬液注入実行中の画面の一例を示す図である。 注入後の画面の一例を示す図である(実施条件表示)。 注入プロトコルを設定するためのGUI画面の一例を示す図である(設定画面、他の血管部位を選択)。 注入後の画面の一例を示す図である(実施条件表示)。 注入後の画面の一例を示す図である(実施条件表示)。 注入後の画面の別の一例を示す図である(実施条件表示)。 注入プロトコルを設定するためのGUI画面の一例を示す図である(身体区分選択後、撮像領域を選択)。 医用検査システムの構成の一例を示す図である。 コンソールの外観の一例およびその表示部に表示される画面の一例を示す六面図である。 表示部に表示される画面の他の一例を示す図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の薬液注入システム500は、図1に示すように、患者に薬液として少なくとも造影剤を注入する血管造影用の薬液注入装置100を有している。薬液注入システム500は、また、患者の透視画像を撮像する撮像装置300を備えていてもよい。
薬液注入装置100は、シリンジ200が装着される注入ヘッド110と、それに有線または無線で接続されたコンソール150と、注入ヘッド110およびコンソール150に接続される電源ユニット148と、を備えていてもよい。
このような構成の場合、一例で、図2に示すように、撮像装置300および注入ヘッド110が検査室内に配置され、コンソール150が操作室内に配置され、電源ユニット148が機械室内に配置されてもよい。各室は壁によって仕切られていてもよく、検査室と操作室との間には窓が設けられていてもよい。
電源ユニット148の配置位置に関し、他の形態では、電源ユニット148は操作室内に配置されてもよい。または、電源ユニット148は検査室内に配置されてもよい。
なお、注入ヘッド110とコンソール150とが、あるいは注入ヘッド110とコンソール150と電源ユニット148とが一体的に構成された薬液注入装置としてもよい。このような薬液注入装置が検査室内に配置されてもよい。ここで、「一体的に構成」とは、必ずしも1つの筐体内にすべての機器が収められている必要はなく、各機器が隣接して配置され、医師または医療従事者によって一体的に移動されるような構成をも含むものである。例えば、可動式のスタンドに注入ヘッド110およびコンソール150(必要に応じて電源ユニット148も)に相当するものが搭載された薬液注入装置としてもよい。
他の形態では、注入ヘッドに電気的に接続されるバッテリーが、可動式の保持手段に搭載されて、自由に移動可能に構成されていてもよい。また、バッテリーに車輪等が設けられ、それにより該バッテリーが移動可能に構成されていてもよい。バッテリーとしては一例でDCバッテリーを利用できる。
〔1.血管造影用シリンジ〕
血管造影用のシリンジ200は、一例で、筒状のシリンダ部材210と、その内部にスライド自在に挿入されたピストン部材(プランジャ)220とを有している。血管造影用のシリンジ200としては市販のものを利用してもよい。シリンジ200の容量は、例えば100ml〜200ml程度であってもよい。
シリンダ部材210の材質は、樹脂、ガラス、または金属等であってもよい。シリンダ部材210は、基端部が開口しており、基端部付近にシリンダフランジ211aが形成されていてもよい。シリンダフランジ211aの輪郭形状は、どのようなものであっても構わないが、例えば、円形、楕円形、多角形、またはそれらの形状の一部を変形させたもの(例えばIカット形状、Dカット形状など)であってもよい。
シリンダ部材210の先端部は閉じており、細長く突出した導管部(ノズル部)211bが形成されていてもよい。導管部211bの先端には、薬液チューブを接続するためのルアーロック構造が形成されていてもよい。シリンダ部材210の先端部は、平坦面であってもよいし、先端側向かって突出した略円錐状であってもよい。
ピストン部材220は、いわゆるロッドレスタイプのものであってもよい。ピストン部材220の背面には、ロッドあるいはピストン駆動機構のラム部材を、直接または間接的に連結するための係止突起214が形成されていてもよい。
この係止突起214の形状は、どのようなものであっても構わないが、一例で、シリンジの軸方向に延在する軸部材とその軸部材の端部に形成された円板状部とを有するものであってもよい。別の形態では、所定の間隔をあけてピストン部材220の背面に配置された一対のL字型部材からなるものであってもよい。ピストン部材220の材質は、特に限定されないが、樹脂、金属、またはそれらとゴムの組合せなどであってもよい。
血管造影用のシリンジ200には、一般に、製品の保証耐圧が設定されている。保証耐圧は一例で1000psi等であることもある。シリンジ200は、滅菌済みのディスポーザブル製品として流通するものであってもよい。シリンジ200は、単品で、または、所定の付属品と組合せで包装袋に収容されていてもよい。
なお、シリンジは予め薬液が充填されたプレフィルドタイプであってもよいし、空のシリンジに薬液を吸引して使用する吸引式のものであってもよい。
〔2.保護ケース〕
血管造影用のシリンジ200は、図3に例示するような保護ケース240内に挿入された状態で注入ヘッド110に装着されるものであってもよい。このような保護ケース240としては、一例で、円筒形の中空の本体部材241を有するものであってもよい。本体部材241は、先端側が閉じ、後端側が開口した構成となっている。シリンジ200は保護ケース240の後端側の開口から挿入される。本体部材241の閉塞した先端面にはシリンジの導管部211bを通すための開口部241aが形成されている。限定されるものではないが、開口部241aは、先端面の中心部に位置するように形成されていてもよい。
保護ケース240の基端部には、フランジ部241bが形成されていてもよい。このフランジ部241bには、保護ケースの上下を判別するためのインジケータが形成されていてもよい。インジケータは例えば突起部であってもよい。この突起部に、例えば、「上側(UPSIDE)」のような刻印がなされていてもよい。フランジ部241bは、注入ヘッド側の保持構造(例えばクランパ機構)によって保持されるのに適した形状および/または強度に設計されていることが好ましい。保護ケース240の材質は、特に限定されないが、樹脂、ガラス、金属等であってもよい。
〔3.識別部材〕
保護ケースおよび/またはシリンジには、当該保護ケースおよび/またはシリンジの種類を識別するための1つまたは複数の識別部材(識別手段)が設けられていてもよい。識別手段としては、所定のデータキャリア部材であってもよい。データキャリア部材としては、ICタグ、バーコード、または磁性体等を利用するものであってもよい。
識別される情報、または、記憶される情報としては、下記の少なくとも1つまたは組合せであってもよい:
(1)シリンジに関する情報
−シリンジの識別情報
−シリンジの耐圧
−シリンダ部材の内径
−ピストン部材のストローク、等
(2)シリンジに充填された薬液の情報
−名称(例えば製品名)
−ヨード量などの成分情報
−消費期限
−薬液容量、等
(3)保護ケースに関する情報
−保護ケースの識別情報
−保護ケースの耐圧、等
(4)固有のユニークID
〔4.延長チューブ〕
シリンジの導管部先端には、延長チューブが連結される。2つのシリンジが使用される場合、延長チューブは、いわゆるT字管またはY字管であってもよい。このような延長チューブとしては、一例で、一方のシリンジの導管部から延長チューブの分岐部まで延びる第1のチューブ部分と、他方のシリンジの導管部から分岐部まで延びる第2のチューブ部分と、分岐部から患者に向けて延びるメインチューブ部分とを有するものであってもよい。
延長チューブの先端側には、種々のカテーテルが交換可能に接続される。
カテーテルが患者体内に導入された状態で、注入ヘッドを動作させ1つまたは複数のシリンジ内の薬液を押し出すことで、カテーテルを通じて、血管内に薬液が注入される。
シリンジ内に薬液を吸引する場面では、シリンジの導管部先端に、シリンジ内に薬液を吸引するための吸引チューブが取り付けられてもよく、吸引チューブとしては、例えば先端側が湾曲して全体としてJ形状に形成されたものと利用してもよい。
〔5.注入ヘッド〕
注入ヘッド110は、一例で、前後方向に長さを有するような筐体を有し、その筐体の前端側に、1つまたは複数のシリンジが装着されるものであってもよい。注入ヘッド110は、単一のシリンジを保持するシングルタイプのものであってもよいし、2本のシリンジを保持するデュアル(二筒式)タイプのものであってもよく、例えば、市販の血管造影用の注入ヘッドを利用することも可能である。
注入ヘッド110は、1つまたは複数のピストン駆動機構130と、そのピストン駆動機構130に電気的に接続されたコンピュータユニット144と、を有するものであってもよい。
(ピストン駆動機構)
ピストン駆動機構は、駆動源であるモータと、そのモータの回転出力を直線運動に変換する運動変換機構と、その運動変換機構によって動かされシリンジのピストン部材を前進または後退させるラム部材(プレッサー部材)とを有するものであってもよい。このようなピストン駆動機構としては、薬液注入装置で一般に用いられる公知の機構を用いることができる。
ピストン駆動機構は2系統設けられていてもよく、この場合、一方が造影剤シリンジ用で他方が生理食塩水シリンジ用であってもよい。各ピストン駆動機構は、独立して動作可能に構成されており、これらは、コンピュータユニットからの制御信号にしたがって、同時にまたは別々に動作可能となっている。
典型的なピストン駆動機構の動作としては、次のようなものが挙げられる:
−薬液注入(ラム部材の前進)
−薬液吸引(ラム部材の後退)
「薬液注入」では、所定のモータ制御信号にしたがってモータを動作させラム部材を前進させることにより、設定された注入プロトコルに従った薬液注入を行う。
「薬液吸引」では、所定の制御信号にしたがってモータを動作させピストン部材を後退させることにより、シリンジ内に薬液を吸引する。
なお、プレフィルドシリンジの場合には、薬液吸引は実施しなくてよい。
(コンピュータユニット)
コンピュータユニット144は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)とメモリとインターフェース等を有し、メモリ内に格納されたコンピュータプログラムを実行することで様々な機能を実現するものであってもよい。
コンピュータユニット144は、CPU、ROM、RAM、およびI/F等のハードウェアを有しプログラムが実装されたワンチップマイコンであってもよい。
コンピュータユニット144は、後述する注入ヘッドの各種要素に電気的に接続されている。そして、コンピュータユニット144は一例で下記のような処理を行うように構成され(プログムされ)たものであってもよい:
−各種センサ(詳細下記)からの信号に基づいて所定の演算処理を行う
−ピストン駆動機構に対して所定のモータ制御信号を送り、動作を制御する
−ディスプレイ等(詳細下記)に所定の情報を表示させる
−物理ボタン等の入力装置(詳細下記)を通じたユーザからの入力を受け付ける
−ヒータ(詳細下記)の動作を制御する、等
(各種センサ)
注入ヘッド110は、各種センサ145として次のようなもののうち1つまたは複数を有してもよい:
−1つまたは複数の圧力センサ
−1つまたは複数のシリンジ検出センサ(磁石センサ、ホールセンサ等)
−1つまたは複数の傾斜センサ
−1つまたは複数のロータリエンコーダ
−1つまたは複数のモータ電流検出器、等
(a1)圧力センサ
圧力センサは、ピストン部材を押す圧力を算出するためのものであり、これにより、薬液の圧力推定値を求めることができる。圧力センサは、一例でロードセルであってもよい。ロードセルは、ピストン駆動機構のラム部材がピストン部材を押す圧力を検出できるような位置に設けられていればよい。
ロードセルの検出結果を利用して、例えば、薬液を注入しているときの薬液の圧力の推定値を求める場合、その算出は、針のサイズ、薬液の濃度、注入条件なども考慮して行われてもよい。
(a2)シリンジ検出センサ
シリンジ検出センサは、シリンジおよび/または保護ケースが装着されたか否かを検出する、あるいは、どのような種類のシリンジおよび/または保護ケースが装着されたかを判定するのに用いられるものである。このようなセンサとしては、接触式または非接触式のいずれであってもよく、例えば次のようなものを利用できる:
−物理的な接触を利用した接触センサ
−電気的に対象物を検出する電気センサ
−磁気センサ
−ホールセンサ
−光センサ
−近接センサ、等
(a3)傾斜センサ
傾斜センサは、注入ヘッドの傾きを検出する。一般に、この種の注入ヘッドは、その前端側(つまりシリンジ側)が上方となるような姿勢でシリンジ内への薬液吸引が実施される。一方、薬液注入は、注入ヘッドの前端側が相対的に下方となるような姿勢(先端側をやや下に向けた姿勢)で実施される。傾斜センサの検出結果を用いることで、例えば、望ましくない姿勢での薬液吸引または薬液注入することを防止することも可能である。
(a4)ロータリエンコーダ
ピストン駆動機構のモータの回転数および/または回転方向を検出するためのロータリエンコーダ等が設けられていてもよい。
(a5)モータ電流検出器
ロードセル等を用いずモータ電流に基づいて薬液の圧力推測値を算出することも可能である。この方式においては、モータ電流検出器により、モータの動作中、モータ電流を監視し、そのモータ電流に基づいて薬液の圧力推定値を求める。
(注入ヘッドの他の構成要素)
注入ヘッドは、さらに、次のようなもののうち1つまたは複数を有してもよい:
−1つまたは複数のシリンジヒータ(147a)
−1つまたは複数のディスプレイ(147b)
−1つまたは複数のヘッド状況表示部
−1つまたは複数の手動操作されるノブ(マニュアルノブ)
−1つまたは複数の物理ボタン(入力装置、147c)
−1つまたは複数のクランプ機構
−1つまたは複数のシリンジ受け部(保護カバー受け部)
−1つまたは複数のRFID通信デバイス
−1つまたは複数のデータレシーバ
−1つまたは複数のデータトランスミッタ、等
(b1)ヒータ
ヒータは、シリンジ内の薬液を所定温度に保温するためのものである。ヒータの形態および発熱方式はどのようなものであっても構わないが、一例として、シート状のヒータを利用してもよい。シート状のヒータは、保護ケースの外周面に近接するように、注入ヘッドのシリンジ受け部(保護ケース受け部)に設けられていてもよい。
(b2−1)ディスプレイ
所定の情報を表示するためのディスプレイが注入ヘッドに設けられていてもよい。ディスプレイは、例えば、注入ヘッドの筐体の一部に設けられていてもよい。あるいは、筐体とは別体に用意されたサブディスプレイであってもよい。
ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイ等を利用した表示部であってもよいが、LED(Light Emitting Diode)を利用した表示部であってもよい。
このディスプレイに表示される内容としては、特に限定されないが、次のようなものであってもよい:
−注入動作中の所定の状態表示
−注入予定の薬液注入条件
−注入された薬液注入条件
−薬液注入量
−薬液圧力、等
(b2−2)ヘッド状況表示部
例えば、注入ヘッドの筐体の一部に、注入ヘッドの所定の状態をユーザに知らせるための所定の発光部が設けられていてもよい。光源としては、一例でLED(Light Emitting Diode)等を利用できる。このような発光部は、ヘッド状況表示部
としての機能を有し、発光色や発光パターンを変化させることにより、注入ヘッドの種々の状況をユーザに知らせることができる。
(b3)物理ボタン
物理ボタンとしては、特に限定されないが、次のようなものであってもよい:
−ラム部材を前進させるための前進ボタン
−ラム部材を前進させるための後退ボタン
−前進ボタンまたは後退ボタンと同時に押すことでラム部材の移動速度を早くするアクセラレータボタン
−ヘッドの動作を停止させる停止ボタン、等
これらの物理ボタンは注入ヘッド筐体の上面、側面、下面、後端面等に適宜配置可能である。二筒式の注入ヘッドの場合、一方のピストン駆動機構のための物理ボタンの配置と、他方のピストン駆動機構のための物理ボタンの配置とが非対称となっていてもよい。
(b4)クランプ機構
クランプ機構は、保護ケースのフランジ部を保持する機構であり、例えば、一対の保持部材でフランジ部分を両側から挟み込んでフランジ部を保持するものであってもよい。このような保持部材は、一例で、各々略円弧形状に形成され所定の軸周りに回動して開閉するものであってもよい。他の形態では、一端側が軸支されその軸周りに回動して開閉するように構成された単一の部材を有し、その部材でフランジ部をロックするものであってもよい。
(b5)マニュアルノブ
マニュアルノブは、それを操作(例えば回転操作)することで、ラム部材を手動で前進または後退移動させるためのものである。ピストン駆動機構が2系統設けられている場合、それぞれのピストン駆動機構ごとに1つずつマニュアルノブが設けられていてもよい。マニュアルノブは、一例で、注入ヘッドの、後端部、側部、上部、下部などに配置することができる。
(b6)RFID通信デバイス
シリンジまたは保護カバーにICタグなどのデータ保持手段が付されている場合には、同タグの情報を読み取る無線通信デバイスが設けられていてもよい。この無線通信デバイスは、単にICタグからデータの読取りを行うRFIDリーダであってもよいし、または、ICタグにデータの書込みを行うことも可能なRFIDリーダ/ライタであってもよい。
(b7)データレシーバ
データレシーバは、有線または無線により、外部から注入ヘッドに対して送信されたデータを受けるためのものである。データレシーバは、一例で、次のようなデータを外部から受けるようになっていてもよい:
−撮像装置によって生成された任意のデータ
−病院システムによって生成された任意のデータ、等
(b8)データトランスミッタ
データトランスミッタは、有線または無線により、注入ヘッドから外部に対して所定のデータを送り出すためのものである。
データレシーバおよびデータトランスミッタの通信プロトコルは、通信の相手方である他の機器との通信方式を考慮して適宜好適なものを採用すればよい。
データトランスミッタにより注入ヘッドから外部に送信可能なデータとしては、次のようなものの1つまたは複数であってもよい:
−使用された造影剤の名称等(造影剤識別情報)
−造影剤の注入総量
−造影剤の注入時間
−造影剤の注入速度、等
また、次のようなものの1つまたは複数:
−患者の識別情報(例えば患者ID)
−検査識別情報(例えば検査ID)
−撮像時刻に関する情報、等
このような情報は、上述した造影剤に関する情報と組み合わせて送信されてもよい。
〔6.コンソール〕
コンソール150は、図1に示すように、ディスプレイ151と、コンピュータユニット153と、種々の入力手段157a〜157c等を有している。コンソール150の物理的な形態は、特に限定されないが、例えば1つまたは複数の筐体を有するものであってもよい。
一例で、1つの筐体内にコンピュータユニット153が配置されるとともに、その筐体前面にディスプレイ151が配置されたような一体型のコンソールとしてもよい。
ただし、筐体の形態は何ら限定されるものではない。コンソール150が使用される場面に応じて適宜好ましい筐体形状としてもよい。例えば、次のようなものであってもよい:
−操作室のテーブルに配置されて使用されるのに適した据置型の筐体形状、
−所定の支持部材あるいは壁などに好適に取り付けることができる筐体形状(例えば背面側が略フラットに形成された薄型の筐体)、等。
コンソールのディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイ等を利用した表示部であってもよい。
また、タッチパネル式ディスプレイであってもよい。
コンソールに、複数のディスプレイが設けられていてもよい。
(コンピュータユニット)
コンピュータユニット153は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)とメモリとインターフェース等を有しており、メモリ内に格納されたコンピュータプログラムを実行することで、様々な機能を実現する。コンピュータユニット153は、CPU、ROM、RAM、およびI/F等のハードウェアを有しプログラムが実装されたワンチップマイコンであってもよい。
コンピュータユニット153は、実装されたプログラムにしたがって多数の機能を有するが、コンソールの機能としては、一例で次のようなものが挙げられる:
−注入プロトコル設定GUI表示機能
−注入プロトコル設定機能
−注入中の画面表示機能
−注入後の画面表示機能
−入力検出機能
−注入制御機能、等
なお、コンピュータプログラムはコンソールが有する所定の記憶領域に予め記憶されたものであってもよいし、ネットワーク等を通じて外部からダウンロードされ所定の記憶領域に記憶されるものであってもよいし、あるいは、スロットに挿入された情報記憶媒体から読み取られるものであってもよい。
上記の機能は、それぞれ、コンピュータプログラムによりコンピュータユニット内に構成される、注入プロトコル設定GUI表示部、注入プロトコル設定部、注入中の画面表示部、注入後の画面表示部、入力検出部、注入制御部によって実現されてもよい。
注入プロトコル設定GUI表示機能は、注入プロトコルを設定するためのGUI画面をディスプレイに表示する。具体的には、身体区分アイコン、撮像領域アイコン、血管部位アイコン等を表示し、また、血管部位アイコンが選択された場合には所定の薬液注入条件をディスプレイに提示する。
注入プロトコル設定機能は、上記のように提示された薬液注入条件が医師または医療従事者によって確認/修正された後、その内容を注入プロトコルとして設定する。
注入中の画面表示機能は、薬液の注入中に、静止画像もしくはアニメーション画像等をディスプレイに表示する。また、薬液の注入中に、薬液の圧力情報をディスプレイに表示する。
注入後の画面表示機能は、実施した薬液注入に関する情報を、ディスプレイに表示する。
入力検出機能は、タッチパネルや物理ボタン等(一例)を通じて行われる医師または医療従事者からの入力を受け付ける。
注入制御機能は、設定された注入プロトコルにしたがってピストン駆動機構を動作させ、薬液の注入を実施する。ピストン駆動機構の一方のみを動作させること、および、両方を同時に動作させることを行うものであってもよい。
コンピュータユニット153は、さらに、次のような機能を有していてもよい:
−注入履歴生成機能
−注入履歴出力機能
注入履歴生成機能は、注入履歴データを生成する機能である。「注入履歴データ」としては、例えば、次のようなものの一つまたは複数であってもよい:
−注入作業ごとに固有の識別情報である注入作業ID
−注入開始および終了の日時
−薬液注入装置の識別情報
−前述の注入条件である薬液や撮像部位の識別情報、等
上記データのフォーマットはテキストデータ形式であってもよい。または、上記データのフォーマットはDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格方式、および/または、医療情報交換の標準規格であるHL7規格(Health Level 7規格)であってもよい。
注入履歴出力機能は、注入履歴データを外部に送信する機能に相当するものであってもよい。具体的には、外部の所定の機器および/またはネットワークにデータを送信するものであってもよい。注入履歴データのみならず、例えば、シリンジまたは保護ケースのICタグから取得した薬液、シリンジ、または保護ケースのデータ等を外部に送信するようにしてもよい。
(入力手段)
コンソール150は、入力手段として、例えば、ハンドスイッチ157a、操作ボタン157b、スロット157c等を有していてもよい。
ハンドスイッチ157aは、コンソールに有線または無線で接続されユーザの手元で操作されるものであり、押しボタン式のスイッチ等を有するものであってもよい。
操作ボタン157bとしては、例えば、コンソール150の筐体に設けられた1つまたは複数の物理的ボタンであってもよい。これらの物理的ボタンは、一例で筐体の前面に設けられていてもよい。
スロット157cは、所定の情報記憶媒体が差し込まれる部分であり、コンソールはこの情報記憶媒体から所定のデータを読み込むことができる。
限定されるものではないが、電源ユニット148にフットスイッチ157d(図2参照)が接続されており、このフットスイッチ157dを操作することで注入ヘッド110および/またはコンソール150の動作が制御されるように構成されていてもよい。
なお、フットスイッチ157dは、他の形態では、コンソール150に接続されてもよい。あるいは、フットスイッチ157dが注入ヘッド110に接続されてもよい。
(コンソールのその他の構成要素)
−コンソール150は、音および/または音声を出力するためのスピーカ等(不図示)を有していてもよい。
−コンソール150は、音声を入力するためのマイク等(不図示)を有していてもよい。
〔7.撮像装置〕
撮像装置300としては、例えば従来公知の血管造影装置等を利用することができる。撮像装置300は、ベッドに横たわった患者の所定の血管部位の撮像を行うCアーム等を含む撮像部304と、その制御を行うコンピュータユニット303と、1つまたは複数の読影モニタ305を有するものであってもよい。
Cアームは、一方の端部にX線管が設けられ反対側の端部に例えばFRD(Flat Panel Detector、平面検出器)が設けられたものであってもよい。1つまたは複数のCアームを有する血管造影装置であってもよい。読影モニタ305としては、例えば、4つまたは6つのモニタが並んで配置されたようなものであってもよい。読影モニタ305は、一例で、検査室内に配置されてもよい。
撮像装置と薬液注入装置とは、有線または無線により互いに接続され、所定の通信プロトコルによりデータ通信できるように構成されていてもよい。撮像装置および薬液注入装置は連動可能に構成されていることも好ましい。すなわち、薬液注入装置の所定の動作をトリガとして、その動作と同時に、または、その動作に対して所定の時間間隔をあけたタイミングで撮像装置の所定の動作が行われるように構成されていてもよい。逆に、撮像装置の所定の動作をトリガとして、その動作と同時に、または、その動作に対して所定の時間間隔をあけたタイミングで薬液注入装置の所定の動作が行われるように構成されていてもよい。
血管造影の場合、カテーテル先端が目的の血管部位付近に到達した状態で造影剤が注入されるものであるので、薬液注入装置を動作させてピストン部材を前進させるとすぐに、目的の血管内に造影剤が送り込まれることとなる。そのため、適切なタイミングで撮像を行えるように、撮像装置と薬液注入装置とが連動するようになっていることが一般的である。
上記のような連動を実現するための通信プロトコルとしては、一例で、CAN(コントローラエリアネットワーク)をベースにしたCANopenプロトコルを利用してもよい。
注入ヘッドおよびコンソール等の構成に関し、下記のような変更がなされてもよい:
(c1)注入ヘッドとコンソールとは、ケーブルで接続されてもよいが、無線方式の通信ユニット等を介して接続されていてもよい。この場合、通信ユニットは、注入ヘッドに外付けされてもよいし、内蔵されてもよい。同様に、通信ユニットは、コンソールに外付けされてもよいし、内蔵されてもよい。
(c2)薬液注入装置は、Cアームを備えた血管造影用のものに限らず、他の撮像装置例えばX線CT撮像装置等であってもよい。
(c3)少なくとも注入ヘッドに電力供給を行うバッテリユニットが設けられ、そのバッテリユニットは、検査室の任意の個所に据え置かれてもよいし、可動式スタンドの一部に保持されるものでもよい。
(c4−1)有線または無線のリモートコントローラを用いて、検査室の外部から薬液注入装置の所定の動作をコントロール可能な薬液注入装置。この場合、無線の方式としては、赤外線を用いる方式であってもよいし、無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等を用いるものであってもよい。
(c4−2)コントロールされる動作としては、例えば、装置の電源オン/電源オフ等をはじめとしてどのようなものであっても構わない。他の例としては、注入ヘッドの任意の動作の開始および/または停止がリモートコントローラでコントロールされてもよい。
(c5−1)コンソールを小型化したようなコントロールユニット(例えば1つまたは複数のボタンおよび/またはディスプレイを有するようなものであってもよい)が、注入ヘッドの近傍に配置された薬液注入装置。
(c5−2)このようなコントロールユニットは、一例で、注入ヘッドと一緒に可動式スタンド上に保持されてもよい。または、例えばこのようなコントロールユニットは、注入ヘッドと一緒に天井懸垂式のアームに保持されてもよい。
〔8.注入プロトコルの設定〕
次に、本実施形態の薬液注入装置100での注入プロトコルの設定の一例について、図面を参照しながら説明する。
(ステップS1)
まず、例えば、操作者がコンソール150に対して所定の入力操作を行うことにより、ディスプレイ151に図5に示すような画面が表示される(ステップS1)。
「所定の入力操作」としては、例えば、コンソール150の使用を開始するためにコンソールの物理的ボタン等を押すこと等であってもよい。
図5に示すように、このGUI画面は、一例で、画面上部に、所定の情報やアイコン等を表示するスペースである横長の表示領域721を含んでいてもよい。このような表示領域721は、画面上部ではなく、側部、下部等に表示してもよい。また、横長形状に限定されず、矩形、縦長形状、多角形等の表示としてもよい。
図5に示すように、このGUI画面は、装着されたシリンジの薬液残量を示す残量表示部725を含んでいてもよい。残量表示部725は、画面上部左側、画面上部中央部、画面上部右側、画面中部左側、画面中部中央部、画面中部右側、画面下部左側、画面下部中央部、画面下部右側のいずれに表示されてもよいが、この例では、画面上部右側に表示されている。
図5に示すように、このGUI画面は、複数の身体区分アイコン701a〜701dが全体として人型の形状に表示された人体画像701を含んでいてもよい。
この例では、人体の正面視形状を水平方向(横方向)に表示した画像としているが、他の形態では、鉛直方向(縦方向)の表示としてもよい。また、正面視形状ではなく、人体の側面視形状を、横方向または縦方向で表示するようにしてもよい。このような人体画像は、画面のサイズに対してどのような大きさであっても構わないが、例えば、図5の例の場合、画面サイズ(幅)に対する全体の長さ(身長に相当する長さ)が50%以上としてもよい。
このような横型の人体画像701は、画面の中心付近、中心部より上寄りの位置、または中心部より下寄りの位置のいずれに表示されてもよいが、この例では、中心部より上寄りの位置に表示されている。なお、人体画像が縦型の場合、人体画像は、画面の中心付近、中心部より左寄りの位置、または中心部より下寄りの位置のいずれに表示されてもよい。
複数の身体区分アイコン701としては、頭部701a、胸部701b、腹部701c、下肢部701dを含んでいてもよい。なお、これらのうち一部のみを表示するようにしてもよい。また、これらのうち任意の複数をまとめて1つの表示としてもよい。
(ステップS2)
以下、胸部手技の場合を例として説明する。
図5のGUI画面において、胸部の身体区分アイコン701bを選択すると、図6に示すように、一例で、その区分がハイライトされた状態(反転表示状態)となり、かつ、心臓を示すマークが表示される。
また、選択された胸部(心臓部)701bに対応する複数の血管部位アイコン703a〜703cが表示される。血管部位アイコン703a〜703cは、次のような検査部位であってもよい:
−LVG:左心室(Left Ventricle)
−LCA:左冠状動脈(LCA:left coronary artery)
−RCA:右冠状動脈(RCA:Right coronary artery)
なお、アイコン703a〜703cの内容としては必ずしも血管部位に限定されるものではない。他の形態においては、臓器名称などをも含む造影部位や撮像手技名であってもよい。
複数の血管部位アイコン703a〜703cは、人体画像701の上側、下側、右側、左側のいずれに表示されてもよいが、この例では、下側に表示されている。
このように、アイコン703a〜703cが人体画像701の下側に表示される場合、ユーザは、身体区分の選択およびそれに続く血管部位の選択という動作を一連の流れとして操作できる、言い換えれば、それらの動作をGUI上で行い易いという利点がある。更に、後述するように、本実施形態では、注入条件のパラメータがアイコン703a〜703cの下側に表示されるようになっていてもよい。この場合、身体区分の選択、血管部位の選択、およびその後のパラメータ修正という動作を一連の流れとして実施し易いという利点がある。
複数の検査部位アイコン703a〜703cは、縦方向または横方向のいずれの方向に並べて表示してもよいが、この例では、横方向に並べて表示されている。
より具体的には、血管部位アイコン703a〜703cの表示順序が、その血管造影の一般的なルーチン(詳細後述)に対応する順序となるように表示されることも好ましい。ここでは、LVG、LCA、RCAの順でアイコンが並んでいるが、これは、この血管造影における一般的なルーチンがLVG、LCA、RCAの順であることを意味している。
当然ながら、医師は、これらの順番に拘束されることなく検査を行うことが可能であるし、これら以外の血管造影を行ってもよい。
なお、胸部の場合、上記項目である身体区分アイコン701bを選択した段階で、下位項目である血管部位アイコン703a〜703cようになっているが、例えば腹部の身体区分アイコン701cを選択した場合には、中位項目である撮像領域アイコン(詳細は図15を参照して後述する)が表示され、その後、下位項目である血管部位の順で表示されるようになっている。
(ステップS3)
図6の画面において、例えば、LVGのアイコン703aを選択すると、図7に示すように、LVG(左心室造影)用に予め設定された注入条件715が画面に表示される。LVGのアイコン703aを選択した場合、そのアイコン703aがハイライトされた状態(反転表示状態)となるようになっていてもよい。また、選択されたアイコン703aが、他のアイコン703b、703cよりもやや大きいサイズで表示されるようになっていてもよい。
注入条件としては、限定されないが、次のようなものの一部または全部含んでもよい:
−注入速度
−注入量
−ディレイ
−圧力リミット
−立上り時間(ライズタイム)
「注入速度」とは、薬液の注入速度であり、その単位は一例で[ml/sec]である。
「量」とは、注入する薬液量であり、その単位は一例で[ml]である。
「ディレイ」とは、薬液の注入開始時刻と撮像装置による撮像開始時刻との間の時間差であり、その単位は一例で[sec]である。薬液注入開始から所定時間経過後に撮像が開始される場合と、薬液注入開始の所定時間前から撮像が開始されている場合とがある。
「圧力リミット」は、注入する薬液の圧力の上限値となるものであって、使用されるカテーテルの種類等に基づいて決定される。その単位は一例で[psi]、[kg/cm]、[MPa]等である。
この例では、上記のようなパラメータが、それぞれアイコンとして表示されていてもよい。これらのアイコンの一部または全部は、好ましくは、ユーザがそれを選択して数値を修正することができるようになっていてもよい。
例えば、アイコンを押すと、テンキー画像、数値増減用の画像ボタン、またはそれらの組合せが表示され、医師または医療従事者がそうした画像を操作することで数値の変更を行えるようになっていてもよい。
なお、音声入力機能により、数値の修正が行えるようになっていてもよい。音声入力機能は、例えば、注入ヘッドまたはコンソールに設けられたマイクと、注入ヘッドまたはコンソールのコンピュータユニットの機能の1つとして設けられた音声認識機能とを利用して実現することができる。
このように音声認識を利用する場合、次のような利点が得られる。すなわち、血管造影においては医師によってカテーテルの操作が行われるところ、音声認識によれば、入力操作のために物理的ボタンやタッチパネル等に触れる必要がなく、衛生的である。
他の形態では、人の動き(ジェスチャ等)を非接触で認識するジェスチャ認識機能を利用してもよい。ジェスチャ認識機能は、カメラなどの画像認識手段と、注入ヘッドまたはコンソールのコンピュータユニットの機能の1つとして設けられたジェスチャ解析機能とによって実現されるものであってもよい。
再び図7を参照すると、この画面では、表示領域721内にスタンバイアイコン721aが表示されている。限定されるものではないが、このスタンバイアイコン721aは、一例で、所定の血管部位アイコン703a〜703cを選択したタイミングで現れるようになっていてもよい。
(ステップS4〜ステップS6)
図7の画面において、例えば、医師または医療従事者が注入条件を確認した後(ステップS4)、または、医師または医療従事者が必要に応じて注入条件を変更した後(ステップS5)、スタンバイアイコン721aを押すことにより、注入プロトコルが設定され、その注入プロトコルで薬液注入を行うことができる状態となる。スタンバイアイコン721aを押すと、図8のように、同アイコン内の表示が「スタートOK」に切り替わるようになっていてもよい。
限定されるものではないが、スタンバイアイコン721aをさらにもう1度押すことにより、注入が開始されるように構成されていてもよい。
(ステップS7)
画面の表示が、上記のように「スタートOK」に切り替わった後、医師または医療従事者が所定の入力を行うことにより、設定された注入プロトコルに従った薬液注入が実施される。「所定の入力」としては、例えば次のようなものが挙げられる:
−ハンドスイッチの操作
−連携しているアンギオグラフィ撮像装置に対する所定の操作
なお、図8の画面では表示されていないが、注入条件を再修正するため図8の画面から図7の画面に戻るための「戻る」アイコン(不図示)が画面に表示されるようになっていてもよい。
薬液注入中は、例えば図9に示すような注入実行中をあらわす画像が表示されてもよい。この例では、画面上部の表示領域721内に現在選択されている身体区分を確認することができる人体画像アイコン721bが表示されている。人体画像アイコンに関して、選択箇所を視認し易いように、選択されている箇所がハイライトされた状態(反転表示状態)となるようにしてもよい。現在の血管部位の情報(「LVG」)も表示されている。一例で、この「LVG」の情報は、文字情報として表示領域721内に表示されてもよい。
他の形態では、この「LVG」の情報は、画面における表示領域721外の任意の位置に表示されてもよい。文字情報だけでなく、図柄等の画像が表示されてもよい。
表示領域721中には、また、薬液注入注であることを示す「注入中」の文字が表示されていてもよい。
図9の画面では、また、医師または医療従事者が薬液注入中であることを視覚的に確認しやすいように、シリンジ画像716aとそのシリンジ先端から吐出されるように描かれた複数の液滴画像717aとが表示されていてもよい。液滴画像717aは、薬液注入中、アニメーション表示されるように構成されていてもよく、アニメーション表示の一例としては、それぞれの液滴の色を時間とともに段階的に変化させていき、液滴が前方に押し出されていることが視覚的に理解できるようなものであってもよい。
図9の画面では、薬液注入条件の情報(速度、量、ディレイ時間)、薬液注入中の情報(経過時間、薬液残量)等が表示されていてもよい。
図9の画面では、また、薬液注入中の圧力を表示するための圧力表示ウィンドウ713が表示されてもよい。この圧力表示ウィンドウ713内には、複数セグメントを含む圧力表示部713aが表示されており、圧力に応じてセグメントの色が変わるようになっている。圧力表示部713aの上部には600[psi]、800[psi]、1200[psi]等の情報が表示されていてもよい。また、圧力リミットがどれくらいであるかを視覚的に確認しやすいように、圧力リミット表示713bが表示されていてもよく、この圧力リミット表示713bは例えば三角形形状や矢印形状といった図形表示であってもよい。
薬液注入注、注入を中断する必要が生じた場合には、例えば、
−ハンドスイッチの操作(例えば押下)を解除する
−フットスイッチの操作(例えば押下)を解除する
−注入ヘッドのいずれかのボタンを押す
−コンソールの停止ボタン(一例)を押す
などの操作により、注入が停止するようになっていてもよい。
なお、ハンドスイッチの一例としては、ユーザによって握られる筐体に、注入動作を開始させるためのスタートボタンと、注入動作を停止させるストップボタンとが別々に設けられたようなものであってもよい。または、1つのボタンのオン/オフを切り替えることで操作されるものや、1つのボタンを押下している間のみ入力信号を発するようなものであってもよい。
(ステップS8)
薬液注入が完了すると、図10に示すように、設定画面内に、実施した注入条件のデータが結果表示バー717a内に表示される。この例では、結果表示バー717a内には、一例として、注入速度および注入量のデータが表示されている。注入速度および注入量の両方が表示されることが好ましいが、いずれか一方のみとしてもよい。
結果表示バー717aは、血管部位アイコンの上側、下側、右側、左側のいずれに表示されてもよいが、この例では、下側に表示されている。注入速度および注入量の表示位置は、結果表示バー717a内のいずれの位置であってもよい。ただし、この例のように、実施した検査(ここでは「LVG」)に対応する位置、つまりアイコン703bや703cの下ではなく、アイコン703aの下に表示させることも好ましい。これにより、ユーザが、どの検査部位に対して実施した薬液注入の条件であるかを容易に把握できるようになるためである。
図10の画面では、一例で、注入された薬液の総量719が表示されるようになっている。総量719の表示は、画面上の任意の位置とすることができるが、この例では、結果表示バー717aに隣接した位置(一例で、表示バー717aの側方)となっている。
図10の画面では、一例で、今回の薬液注入で消費された分を減じたシリンジ内の薬液残量が残量表示部725に表示される。この例では、残量が150mlから130mlに変化している。
(ステップS9)
続いて、ステップS9では、医師または医療従事者は、更なる血管造影が必要であるか否かを判断する。検査の全行程が終わって更なる血管造影が必要ない場合には、検査終了となる。他方、次の血管造影を行う場合には、ステップS1に戻り、他の血管部位に対して上記同様のステップにより血管造影を実施していく。
図11は、次の工程として、LCA:左冠状動脈造影を実施する場合を示している。医師または医療従事者が、LCAのアイコン703bを選択することにより、上記同様、選択されたアイコン703bがハイライトされた状態(反転表示状態)となり、また、それに対応する注入条件715が画面に表示される。以降、上記同様のステップにより、LCAについての注入プロトコルの設定およびその注入プロトコルに従った薬液注入を行うことができる。
LCAについての血管造影検査が完了すると、図12に示すように、今回実施した注入条件のデータが結果表示バー717b内に表示されるようになっていてもよい。この例では、結果表示バー717b内には、一例として、上記同様、注入速度および注入量のデータが表示されている。結果表示バー717bは、どのような位置に表示されてもよいが、この例では、前の結果表示バー717aに隣接して表示される。具体的には、結果表示バー717bは、結果表示バー717aの上側、下側、右側、左側のいずれに表示されてもよいが、この例では、前回の結果表示バーの上側に並ぶように表示されている。
結果表示バー717bに関しても、注入速度および注入量の表示位置が、実施した検査(ここでは「LCA」)に対応する位置、つまりアイコン703aや703cの下ではなく、アイコン703bの下に表示されるようになっている。
注入された薬液の総量は、1回目と2回目の血管造影で注入された薬液の総量が積算量表示部719表示されるようになっている。総量719の表示は、画面上の任意の位置とすることができるが、この例では、今回の結果表示バー717bに隣接した位置(一例で、表示バー717bの側方)となっている。
以降、上述した一連の工程と同様に、次の血管造影(RCA:右冠状動脈)を行う。この場合も、上記同様、結果表示バー717cを画面上に表示してよい。結果表示バー717cに関しても、注入速度および注入量の表示位置が、実施した検査(ここでは「RCA」)に対応する位置、つまりアイコン703aや703bの下ではなく、アイコン703cの下に表示されるようになっていてもよい。
図13は4回目の造影で、再びLCAを選択し、薬液注入した例を示している。このように、同じ血管造影(ここでは「LCA」)を繰り返し実施した場合の注入結果の表示形態としては、図13のように、当初表示された血管部位アイコン703a〜703cの表示を変更することなく、4つ目の結果表示バー717d内の注入速度、注入量をアイコン703bの下方に表示するようにしてもよい。
別の形態として、図14のように、LCAのアイコン703dを追加表示し、そのアイコン703dの下方に注入速度、注入量を表示するようにしてもよい。図14のような表示の場合、表示されるアイコン703a〜703dの数が多くなる可能性があるが、結果表示バー717内の数値データが階段状に表示されることとなる。
(腹部の血管造影)
続いて、腹部の血管造影について説明する。腹部、頭部、下肢部等についても、基本的には上述した胸部と同様の方式で注入プロトコルの設定、薬液注入の実施を行うことが可能である。ただし、この実施形態では、腹部については、「腹腔動脈」、「腎臓」、「肝臓」のような、中位項目である撮像領域アイコン702a〜702cが先ず表示され、そのうちの1つを選択すると、その撮像領域に対応した血管部位のアイコン703a〜703cが表示されるようになっている。
撮像領域アイコンとしては、特に限定されるものではないが、例えば腹腔動脈(702a)、腎臓(702b)、肝臓(702c)等であってもよい。
各アイコン702a〜702cは、それぞれの臓器ないし血管を模式的に表した図形型に表示されていてもよく、これにより、医師または医療従事者が視覚的に容易に選択することが可能となる。
3つのアイコン702a〜702cは、選択された身体区分アイコン(ここでは腹部、アイコン701c)上に重なるように表示されてもよい。3つのアイコン702a〜702cが、選択された身体区分アイコン内に収まるように表示されてもよいが、図15のように、選択された身体区分アイコンよりもやや広い領域(一点鎖線参照)内で表示されるようになっていてもよい。
この一点鎖線で示す領域の表示に関し、当該領域は、例えば不透明色で表示されてもよいし、または、半透明色(したがって身体区分アイコンが部分的に僅かに視認できる)であってもよい。さらに、当該領域の縁部分がグラデーション状(縁に近い程淡い色となる)に表示されてもよい。図の例では、一点鎖線は矩形に表示されているが、そのコーナー部に丸みを持たせたような表示態様としてもよい。
色彩については何ら限定されるものではなく自由に設定可能である。例えば、一点鎖線部分を青色とし、未選択のアイコンを白色としてもよい。
なお、アイコン702a〜702cのうちいずれかが選択された場合、その選択されたアイコンが反転表示となるなどして、そのアイコンが選択されたものであることが一目で分かるようになっていてもよい。具体的な一例としては、選択されたアイコンが白色から青色となり、他方、一点鎖線の背景画像が青色から白色に切り替わるような表示態様などが挙げられる。
これらのアイコン702a〜702cのうちいずれか1つを選択することにより、それに対応した1つまたは複数の血管部位アイコン703a〜703cが表示されることとなる。それ以降の、各血管造影のための注入プロトコル設定、薬液注入の実行、および注入結果の表示等については、上述した内容と同様の手順で実施することが可能であるので、詳細な説明は省略するものとする。
図15の例において、当然ながら、撮像領域アイコン702a〜702cの表示数を増減させてもよい。また、撮像領域アイコン702a〜702cについてもこれに限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。本発明の他の形態においては、撮像領域アイコンに関して次のような変更を採用しうるものである:
−腹部以外の身体区分(頭部、胸部、下肢部)においても、その身体区分に含まれる臓器等を表した撮像領域アイコンが表示され、その1つを選択することで、対応する血管部位アイコンが表示される、
−複数の撮像領域アイコンが表示される場合に、それらを、検査のルーチンにしたがった順序で表示する、
−上記説明では、身体区分アイコンの選択の後、撮像領域アイコンの選択を行うことを説明した。しかし、身体区分アイコンが表示されず初期画面から撮像領域アイコンが表示されているようなGUI画面としてもよい。この場合であっても、撮像領域アイコンの選択の後、所定の血管部位アイコンが表示され、その血管部位アイコンを選択することで予め登録された所定の注入条件が表示される。
以上説明したような本実施形態の薬液注入装置100によれば、各種血管部位に対する注入プロトコルを設定するために、従来のような、メモリリストからの選択ではなく、次のような手順で行うことができる。すなわち、まず、ディスプレイのGUI画面上で目的の身体区分アイコン(必要であれば撮像区分アイコン)を選択し、次いで、血管部位アイコンを選択する。これにより、その血管部位に対応して事前に登録された所定の注入条件が提示されるので、これを確認し、または必要に応じて修正することにより、注入プロトコルを設定することができる。
メモリリストから1つの条件を選択する従来のような方式では、メモリリスト中の各条件が部位ごとにグループ化されていなかったり、リスト中の条件が単なる数値データであったりして、選択したい条件を選び出すのに時間や手間がかかることがあった。しかしながら、本実施形態のような方式によれば、身体区分や撮像領域といったグループを先ず選び、そして、その中の血管部位が選択される。したがって、例えば、現在の検査(例えば胸部)に全く関連のない別の血管部位(例えば頭部の血管部位)を選択してしまうようなこともない。しかも、アイコンを選択して身体区分や撮像領域、また、血管部位を選択できるので操作性よく、直感的に選択を行うことが可能となる。
また、メモリリストから1つの条件を選択する従来のような方式では、ある条件設定用画面からメモリリスト表示画面に画面が切り替わり、1つの条件を選択後、再び条件設定用画面に戻るような構成となっていることもあった。この場合、それぞれの画面をいったりきたりして(すなわち、画面の表示を何度が切り替えて)選択、確認、修正等を行う必要があったが、本実施形態の構成によれば、基本的にプロトコル設定用の1つのGUI画面内で注入プロトコルの設定操作のすべてを実施できるので操作性がよく、効率的かつ正確にプロトコルの設定を行うことができる。
また、具体的には、次のような作用効果も得られる。すなわち、今回の薬液注入装置で採用したインターフェースでは頭部、胸部(心臓含む)、腹部、下肢といった身体大部位のグループからIVRで必要な選択的血管造影詳細部位を呼び出し、簡便に瞬時に注入条件(速度、量、圧力リミッター、撮像タイミング:ディレイ)を呼び出すことができる。さらに、血管部位の検査の順番に並んでおり迷わず選択でき、直感的操作が可能となる。その結果、医療現場での作業効率化をあげ、注入プロトコルの誤った設定等をも防止できる。そのため、検査の質的向上や時間の短縮にも貢献する。
また、注入終了後、大部位、選択的血管造影詳細部位、詳細部位に応じた注入結果を一元的に把握できる表示を設定画面上に設けたことで、操作の分断ということも生じない。
さらに、造影した透視画像と注入条件を、検査室または操作室のどの場所においても医師・放射線技師・看護師すべての医療従事者が情報共有を一度に行え、次のアクションを確実に間違いなく実施することが可能となる。
具体的な一例としては、透視造影画像、身体大部位、選択的血管造影詳細部位、詳細部位に応じた注入結果を一元的に検査室にて医師と対面するモニタで確認するようにしてもよい。こうすることで、造影効果が足りない場合や治療計画に必要な予備的情報を得るために、更に追加で同一条件でまたは微調整した造影剤投与条件を結果画面兼設定画面より素早く判断し医療従事者に注入と撮像を指示しまたは自ら注入を実行したり、造影剤の投与総量をその場で確認できるため腎機能が低下した被験者に対して造影剤投与を中止し腎症の発症を未然に防ぐこともでき安全性が向上する。
また、注入終了後、人体画像と選択された血管部位ごとの注入結果が一度に表示され、(透視された造影画像と)注入結果をみて再度同じ速度や量を設定したり微調整したり同一画面からの注入が即座に可能である。同時に総積算量の表示より過剰投与より腎症を発症しないようなリスクマネジメントも可能となる。詳細血管ボタンからまたは結果一覧から設定画面へジャンプしてもよい。
注入した結果は設定画面と同一の人体画像と血管詳細部位が表示され時系列に詳細部位に応じた注入結果(速度・量・積算量)が表示され、設定画面との統一性が保持され操作がスムースとなる。
〔9.医用検査システム〕
本発明の一形態に係る薬液注入システムは、医用検査システムの一部を構成するものであってもよい。図16は、医用検査システムの一例を模式的に示す図である。
図16の医用検査システムは、ネットワーク上に接続された次のような構成要素を備えている:
−薬液注入システム500
−病院情報システムであるHIS(Hospital Information System)901
−放射線科情報システムであるRIS(Radiology Information System)902
−画像保存サーバであるPACS(Picture Archiving and Communication Systems)903
−データ処理装置である画像ビューワ904
−情報の出力を行うプリンタ905、等
なお、上記構成はあくまで一例であって、図示されている全ての要素が本発明に必須というわけではない。
各機器の接続は、例えば、LAN(Local Area Network)や専用線などの通信回線を介して行われてもよい。また、この医用検査システムは、デジタル医用画像に関する標準規格であるDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に準拠したものであってもよい。
(薬液注入システム)
薬液注入システム500は、図1を参照して説明したようなものであってもよい。ここで、撮像装置300の具体的な機能について説明すると、撮像装置300のコンピュータユニット303は例えば次のような機能の少なくとも1つを有するものであってもよい:
−取得した画像に対して識別情報(画像ID)を付与する、
−取得した画像に対して撮像時刻情報を付与する、
−患者の透視画像のデータを外部に送信する、
−実施した透視撮像(一回の検査)における曝射時間のデータを外部に送信する、
−実施した透視撮像(一回の検査)における曝射量のデータを外部に送信する、
−実施した透視撮像の識別情報を外部に送信する、
−任意のデータを、HIS、RIS、PACSの少なくともいずれかに送信する、
−任意のデータを、薬液注入装置に送信する、
−任意のデータを、画像ビューアに送信する、
−任意のデータを、プリンタに送信する。
HIS901は、電子カルテシステム、オーダエントリーシステム、在庫管理システム医事会計システム等を統合した院内システムである。もっとも、これらのうちの一部をHISから独立したシステムとして構築してもよい。
会計システムは、例えば、当該システムが設置されている病院内などにおける患者が受けた検査費用等について取り扱うものであってもよい。在庫管理システムは、例えば、撮像装置で消費される部材や、薬液注入装置で消費される部材(例えば造影剤シリンジや生理食塩水シリンジ等)の在庫について管理するものであってもよい。
RIS902は、例えば、患者に対して撮像を行うための撮像オーダデータを管理するものであってもよい。この撮像オーダデータは、例えば次のような情報の少なくとも1つを含むものであってもよい:
−固有の識別情報である撮像作業ID
−透視撮像装置の識別情報
−患者の識別情報
−撮像を実施した日時、等
PACS903は、患者の透視画像データを保存するためのものである。PACS903は、一例で、専用のコンピュータプログラムが実装されているデータベースサーバとして構成されていてもよい。PACS903は、次のような機能の少なくとも1つを有するものであってもよい:
−撮像装置から受信した画像データを保存する
−ワークステーション(画像ビューア)に対して保存している所定のデータを送信する
−接続されている所定の画像閲覧装置(不図示)に対して保存している所定のデータを送信する、等
画像ビューア904は、一例でワークステーションとして構成されていてもよく、例えば、透視画像等を閲覧するのに使用されるものであってもよい。
このワークステーションは、一例でコンピュータ等から構成され、具体的には、コンピュータ本体と、その内部に設けられたコンピュータユニットと、記憶デバイスと、表示デバイスと、入力装置等を備えるものであってもよい。なお、コンピュータユニットや記憶デバイスの配置位置は特に限定されるものではなく、コンピュータ本体の内部または外部のいずれに配置されていてもよい。表示デバイスは、コンピュータユニットにより制御されて、検査データや撮像画像などの各種のデータを表示する。表示デバイスは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などにより構成される。入力装置としては、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティックなどの任意のデバイスが挙げられる。表示デバイスがタッチ式ディスプレイである場合には、該タッチパネル式ディスプレイが入力装置の役割も兼用することとなる。記憶部デバイスは、各種のデータを記憶する。記憶部デバイスは、ハードディスクドライブ等の記憶装置を含んで構成されてもよい。
他の形態においては、画像ビューワは、タブレット端末のような携帯可能なデバイスであってもよい。この携帯可能なデバイスは、筐体内にプロセッサ部、メモリ、記憶デバイス等が内蔵され、一例でタッチパネル式であるディスプレイに所定の情報を表示する。
プリンタ905は、ネットワークを介してシステム内の各機器と接続されている。例えば、薬液注入システム500に備わる機器からの指令を受けて、所定の情報が紙媒体にプリントアウトできるように構成されていてもよい。他の形態では、例えば、画像ビューア904からの指令を受けて、所定の情報が紙媒体にプリントアウトできるように構成されていてもよい。
プリンタ905のネットワークへの接続または他の機器への接続は、有線または無線方式のいずれであっても構わない。
プリンタの使用に関し、例えば:
−注入した結果をプリントアウトしてもよい。
医用検査システムに関し、例えば:
−注入した結果が、ネットワーク経由でカルテ情報に関連付けられてもよい。具体的には、例えば、そのような関連付けにより、薬剤請求が間違いなく確実に実施されるようになっていてもよい。また、血管造影の記録の一部として造影剤投与履歴が保存されてもよい。
−ネットワークに入ることで、透視画像、身体モニタ情報(カテラボ)、注入情報の1つまたは複数を一元的にモニタで把握し、治療や画像診断の総合判断を迅速・確実に実施できる。
(造影剤情報の利用例)
また、HISの在庫管理システムに関し、次のような構成としてもよい。すなわち、在庫管理システムにおいては、(a)どの造影剤がどの程度使用され、造影剤の在庫量がどのような状況になっているか、および/または、(b)その状況に基づいて所定の造影剤についての補充の必要が否か等がシステムによって自動的に判定されるものであってもよい。
上記の様な判定は、例えば、造影剤の名称等(造影剤識別情報)、造影剤の注入総量、造影剤の注入時間、及び造影剤の注入速度(単位時間当りの注入スピード)等の情報に基づいて、行われるものであってもよい。このような造影剤に係る情報は、薬液注入装置からHISに対して直接送信されてもよいし、他の1つまたは複数の機器を経由して送信されるようになっていてもよい。
(検査情報の利用例)
また、検査で使用したカテーテルの情報に関し、次のような構成としてもよい。すなわち、検査で使用した1つまたは複数のカテーテルについての情報を、医用検査システム内の所定の記憶領域に記憶するようにしてもよい。
カテーテルについての情報としては、例えば、次のようなものを利用可能である:
−カテーテルの種類(識別情報)
−直径(フレンチ)等のサイズ情報(カテーテルの太さ情報)
−使用本数、等。
カテーテルの情報は、カテーテル名称テーブルのような表形式で保存されてもよい。また、カテーテルの情報が、例えば、検査で用いた薬液注入装置の情報に関連付けて保存されても良い。また、カテーテルの情報が、実施した注入プロトコルの情報に関連付けて保存されてもよい。
薬液注入装置としては、1つまたは複数のディスプレイにそのようなカテーテルと注入プロトコルとの対応付けに関する情報(一例で表形式)を表示するように構成されていてもよい。また、所定の注入プロトコルが選択された場合に、その注入プロトコルに関連付けられたカテーテル(例えば、その注入プロトコルに推奨されるカテーテル、あるいは、前回その注入プロトコルで使用されたカテーテル)をディスプレイに表示するように構成されていてもよい。これにより、医師または医療従事者は、その注入プロトコルで使用するべきカテーテルを知ることが可能となる。
〔薬液注入装置等の他の構成例について〕
以上、本発明について幾つかの形態を参照して説明したが当然ながら、本明細書で開示する技術事項はその内容が相反しないかぎり適宜組み合わせることができる。また、本発明は上記内容に限定されるものではなく、種々変更可能である。
(s1)情報記憶媒体であるカード媒体から薬液注入装置に注入条件に関するデータを読み込んでもよい。情報記憶媒体としては各種製品を使用することが可能である。注入条件に関するデータは、外部のデータベースサーバに記憶されたものをオンラインでダウンロードすることも可能である。
(s2)注入される薬液の圧力は薬液シリンジのピストン部材を押圧する圧力から算出することができるが、例えば、薬液シリンジや延長チューブの内部に感圧素子を設置して薬液圧力を直接に検出することも可能である。
(s3)装着される薬液シリンジの造影剤の種類を判定することで造影剤の種類の入力操作を無用とし、作業負担を軽減することが可能である。
薬液注入装置およびそれを含むシステム等については、上記内容に限定されるものではなく、更に例えば下記のように種々変更可能である:
(t1)シリンジ等のICタグが、そのシリンジを加温するかどうかの情報を含んでいてもよい。
(t2)シリンジ等のICタグから読み取られた情報の少なくとも一部の項目をプリンタ等を用いて印刷する。または、シリンジ等のICタグから読み取られた情報の少なくとも一部の項目と薬液の注入履歴データとを少なくとも含むデータを、プリンタ等を用いて印刷する。
(t3)使用後のシリンジが廃棄されたかどうかの情報をシステム内の所定の管理サーバで管理する。
(t4)薬液注入装置のコントローラユニットの機能により、注入中の薬液圧力の推定値を、ロードセルとモータ電流との両方を用いて算出してもよい。
(t5−1)注入プロトコル設定用画面において、画面上に所定のヘルプボタンが表示され、それを押すと、動作や画面上の表示についてのヘルプテキスト、ペルプ画像、音声としてのヘルプガイダンス、またはこれらの組合せが表示されるように、薬液注入装置のコンピュータユニットが構成される。
(t5−2)画面において表示される各種数値データの単位は適宜変更可能である。例えば、圧力については「Kg/cm」と「psi」と「MPa」のうち少なくとも2つを切替可能であってもよい。
(t5−3)コンソールの画面の一部に、造影剤名称(製品名など)を表示させる。薬液注入装置のコンピュータがこのような機能を有する。
(t5−4)コンソールの画面の一部に、そのコンソールが他の機器の接続されているか、または、接続されかつ連動する状態となっているかなどのステータスを表示する。薬液注入装置のコンピュータがこのような機能を有する。
(t6−1)空のシリンジに薬液を吸引する方式の場合では、薬液注入装置は次のように構成されてもよい:
−シリンジを注入ヘッドにセットして、吸引チューブを薬液ボトル等に接続した状態で、所定のボタンを押すとガスケット(ピストン部材、プランジャ)が前進してエア抜きを行う。ここで、所定のボタンとしては具体的な一例でオートフィルボタンであってもよい。
−次いで、薬液の吸引を行う。
−このステップとしては、まず、薬液を途中まで吸引する(すなわち、目的量の全量を引くのではなく、一部のみを引く)。
−次いで、再度エア抜きの動作を行う。
−その後、目的量となるまで薬液の吸引を継続する。この吸引は、上記最初の吸引速度と同じであってもよいし、そより速い速度であってもよい。その後、シリンジのピストン部材を少量前進させることで準備が完了する。
(t6−2)注入ヘッドに傾斜センサが内蔵されている薬液注入装置としてもよい。この場合、コンピュータユニットは、次の処理の一部または全部を行う:
−注入ヘッドが略垂直となっている状態(言い換えれば、シリンジが搭載されるヘッド前方が鉛直上方を向いた状態)かどうかを判定する。
−注入ヘッドが略垂直となっている状態の場合、オートフィル動作の実施を許容する。そうでない場合にはオートフィル動作は禁止する。
−注入ヘッドが水平姿勢もしくは前方が相対的に低くなった姿勢かどうかを判定する。
−これらの姿勢であって場合、薬液の注入動作を許容する。そうでない場合には、注入動作は禁止する。
(u1)延長チューブからのエア抜きのための動作としては、Aシリンジ(造影剤)側のピストン駆動機構を動作させ、次いで、Bシリンジ(生理食塩水)側のピストン駆動機構を動作させさせてもよい。あるいは、Aシリンジ(造影剤)側のピストン駆動機構とBシリンジ(生理食塩水)側のピストン駆動機構とを同時に動作させさせてもよい。エア抜きの動作としてオートパージと呼ばれるような機能が備わっていてもよい。
なお、本明細書で云う各種の構成要素(デバイス、装置、手段、部、ユニットなど)は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていてもよい。一つの構成要素が複数の部材で形成されていてもよい。ある構成要素が他の構成要素の一部でってもよい。ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していてもよい。
ここで、本発明において、コンピュータユニット(制御回路、プロセッサユニット)内の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、ハードウェアにより実現するものでも、ソフトウェアにより実現されるものでも何れでも構わない。例えば、ある構成要素が、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより実現された処理装置、これらの組合せ、等として実現することができる。
機器を相互接続するためのネットワークシステムは、様々なものを利用でき、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)、CAN(キャンパスエリアネットワーク)、WWW(ワールドワイドウェブ)等、または、それらのうち任意の組合せであってもよい。
〔10.血管造影検査に関する近時の状況および具体的な血管造影検査の例〕
(DSAについて)
血管造影検査においては、DSA(digital subtraction angiography)と呼ばれる検査方法が用いられることもある。DSAとは、造影剤を注入した血管をX線撮像し、それにより得られた画像をコンピュータ処理して、造影剤の入った血管のみを造影する方法のことをいう。具体的には、DSAでは、例えば血管造影画像よりマスク画像を差分することによって、骨などの無い血管系のみ画像を構築可能である。
DSA検査を行うためのシステムとしては、一例で、高電圧発生装置、X線管装置、I.I.装置、光学系、画像処理系などを備えるものが知られている。DSAの長所としては、造影剤が少量で可能、リアルタイムに画像が観察できる、および、経静脈性の動脈造影も可能といった点が挙げられる。
(IVRについて)
また、近年、治療技術として、インターベンショナル・ラジオロジー(IVR、interventional radiology)の進歩に伴って、低侵襲治療が可能になってきている。IVRとは、例えばX線CT装置や血管撮影装置による撮像を、ステント挿入や塞栓術あるいは拡張術といった治療用に応用するものである。
血管造影検査では、一般に、一例で足の血管からワイヤーを使ってカテーテルが挿入され、次いで、カテーテル先端が脳や心臓まで推し進められ、カテーテル先端が目的の検査部位に達したところで造影剤が流し込まれる。ワイヤーは、よれたりねじられたりしないため、これを導線として血管の中をたどっていくことで、柔らかいカテーテルを目的の血管まで自在に到達させることが可能となる。
さらに、この血管造影検査の手技を治療にも用いられるようにしたものがIVRである。すなわち、IVRでは、血管造影法を行いつつ、同じカテーテルを使って治療が実施されることとなる。
より詳細には、IVRでは、医師がリアルタイムでエックス線の透過像を見ながら、血管内に挿入したカテーテルの操作を行う。それにより、例えば動脈硬化などで狭くなった血管を広げたり(血管形成)、コイルを詰めて血管が破れる恐れのある動脈瘤に血液が流れ込まないようにしたりといった治療を行う。あるいは、がん組織に栄養を与える血管の血液を遮断する(血管塞栓術)といった治療を行う場合もある。
〔12.検査例〕
(心臓カテーテル検査の一例)
心臓カテーテル検査のルーチンの一例としては、次のようなもの血管部位を順に検査していくものが挙げられる:
・AO(胸部大動脈)
・LVG(左心室造影)
・LCA(左冠状静脈)
・RCA(右冠状動脈)
心臓カテーテル検査の概要は、例えば、まず、心・大血管・肺動脈血管造影撮影して心臓大血管内の形とその流れを動く画像でとらえる。そして、冠状動脈造影撮影に移り、心臓の栄養血管であって心筋に血液を運ぶ冠状動脈の状態を動く画像でとらえる。次に狭心症・急性心筋梗塞などに対しては、PTCA(風船療法)と呼ばれる治療方法を行う。風船療法は、風船の付いたカテ−テル、ステントを用いて狭窄部の改善が図られる。
(腹部の血管造影検査の一例)
腹部検査のルーチンの一例としては、次のような血管部位を順に検査していくものが挙げられる:
・腹部大動脈
・CA(腹腔動脈)
・CHA(総肝動脈)
・PHA(固有肝動脈)
・上腸間膜動脈(門脈)(SMA)
・(経カテーテル的動脈塞栓術:TAE)
腹部の血管造影検査の概要は、例えば、まず、腹腔動脈・上腸間膜動脈造影撮影し肝臓、胆道、膵臓等にできた腫瘍の状態を観察し、腫瘍の栄養血管となる動脈を特定していく。肝臓のように複雑な血管走行(肝動脈、門脈、肝静脈)をしているので目的の血管を選択して特定栄養血管にたどりつくまでに何度も造影剤を注入する。その後、薬を注入したり、詰めたりして治療が完了する。
検査方法は、一例で、次のようなものである:
・通常、大腿動脈を穿刺する。
・その穿刺部からカテーテルを挿入し、目的血管を選択して造影する。
造影剤の注入条件としては、一例で、次のようなものである:
・腹部大動脈:注入速度10〜15(ml/sec)、注入量20〜30(ml)。
腹部症例としては、一例で、次のようなものが挙げられる:
・腹部塞栓術(TAE:transcatheter arterial embolization)
・腎動脈造影(renal angiography)
・動中リザーバ留置(inplantetion port−catheter systems)
・BRATO(balloon−occluded retrograde tranvenous obliteration)
・下大静脈フィルタ(inferior vena cava filter)
・精索静脈瘤(varicocele)のIVR
・骨盤動脈(pelvic arery)TAE
(脳部の血管造影検査の一例)
腹部検査のルーチンの一例としては、次のような血管部位を順に検査していくものが挙げられる:
・AO(胸部大動脈)
・CCA(総頸動脈)
・IC(内頸動脈)
・EC(外頸動脈)
この血管造影検査は、例えば、脳動脈瘤・脳梗塞など脳血管性病変や脳腫瘍性病変の存在・質的診断が主な目的である。くも膜下出血の原因となる動脈瘤や脳動静脈の奇形などの手術の前に、その状態を詳しく観察したり、脳腫瘍の手術前に、腫瘍の近くを重要な血管が通っていないか、腫瘍に血管が食い込んでいないかなどが調べられる。また、バイパスを観察したり、動脈硬化で細くなった血管がどの程度血液を通しているのかなどが調べられる。
検査方法は、一例で、次のようなものである:
・通常、大腿動脈を穿刺する。
・その穿刺部からカテーテルを挿入し、目的血管を選択して造影する。
造影剤の注入条件としては、一例で、次のようなものである:
・大動脈:注入速度10〜15(ml/sec)、注入量15〜20(ml)。
頭部症例としては、一例で、次のようなものが挙げられる:
・脳動脈瘤(cerebral aneurysm)
・脳動静脈奇形(intracranial arteriovenous malfomation)
・脳梗塞(brainin infarction)
・脳腫瘍(brain tumor)
(血管造影検査で用いられるカテーテル)
血管造影検査で用いられるカテーテルとしては、限定されるものではないが、例えば下記のようなものを使用可能である:
JB2カテーテル、シモンズカテーテル、ヘッドハンターカテーテル、シェファードフックカテーテル、コブラカテーテル、ピッグテールカテーテル、オムニフラッシュカテーテル、スワンガンツカテーテル、バーマンカテーテル、マルチパーパスカテーテル、ジャドキンスカテーテル、アンプラッツカテーテル、ROTA、DCA、バルーンカテーテル、ステントカテーテル、血栓吸引カテーテル。
本出願は、少なくとも以下の発明を開示する:
1.血管内に挿入されたカテーテルを通じて薬液を注入する血管造影用の薬液注入装置であって、
A1:少なくとも1つのピストン駆動機構と、
A2:前記ピストン駆動機構を動作させるように前記ピストン駆動機構に電気的に接続されたコンピュータユニットと、
A3:少なくとも1つのディスプレイと、
を備え、
前記コンピュータユニットは、
a1:前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させ、
a2:前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の血管部位アイコン(対象部位アイコン)を表示させ、
a3:前記血管部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その血管部位に対応する血管造影用の薬液注入条件を提示し、
a4:ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示したまたは修正された前記注入条件を注入プロトコルとして設定する、
ようにプログラムされている、薬液注入装置。
2.前記コンピュータユニットは、
a5:まず、前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の前記身体区分アイコンを表示させ、
a6:次いで、前記複数の身体区分アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分に対応する撮像領域アイコンを表示させる、
ようにプログラムされている、上記1に記載の薬液注入装置。
3.前記コンピュータユニットは、
複数の前記身体区分アイコンを、全体として人型の形状に表示させる、
ようにプログラムされている、上記1または2に記載の薬液注入装置。
4.前記コンピュータユニットは、
前記複数の身体区分アイコンとして、頭部、胸部、腹部、および下肢部から選択される1つまたは複数を表示させる、
ようにプログラムされている、上記1〜3のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
5.前記コンピュータユニットは、
複数の前記血管部位アイコンを、縦方向または横方向に並べて表示させる、
ようにプログラムされている、上記1〜4のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
6.前記コンピュータユニットは、
前記複数の血管部位アイコンを、検査目的に応じたルーチンにしたがった順序で、縦方向または横方向に順に表示させる、
ようにプログラムされている、上記5に記載の薬液注入装置。
7.提示される前記薬液注入条件には、
−注入量、
−注入速度、
−遅延時間、および
−圧力リミット
のうちの1つまたは複数が含まれる、上記1〜6のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
8.前記コンピュータユニットは、
a7:薬液注入後に、実施した注入条件のデータを前記少なくとも1つのディスプレイ内に表示させる、
ようにプログラムされている、上記1〜7のいずれか一つに薬液注入装置。
9.前記コンピュータユニットは、
a8:1度の薬液注入の完了後、他の血管部位(対象部位)に対する薬液注入を繰り返すことができるように、少なくとも、前記選択可能な複数の身体区分アイコンまたは前記選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させた状態に戻る、
ようにプログラムされている、上記1〜8のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
なお、「少なくとも、前記選択可能な複数の身体区分アイコンまたは前記選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させた状態」とは、これらのアイコンのみが表示されている場合と、それらのアイコンと例えば血管部位アイコンとの両方が表示されている場合とのいずれでもあっても構わない。
10.前記コンピュータユニットは、
a9:複数回の薬液注入が実施された場合に、それぞれの薬液注入で実施した複数の注入条件のデータを前記少なくとも1つのディスプレイ内に表示させる、
ようにプログラムされている、上記9に記載の薬液注入装置。
11.前記コンピュータユニットは、
前記複数の注入条件のデータを、縦方向または横方向に並べて表示させる、
ようにプログラムされている、上記10に記載の薬液注入装置。
12.前記コンピュータユニットは、
a10:注入した薬液の総量のデータを、前記少なくとも1つのディスプレイ内に表示させる、
ようにプログラムされている、上記10または11に記載の薬液注入装置。
13.血管内に挿入されたカテーテルを通じて薬液を注入する薬液注入装置であって、
B1:少なくとも1つのピストン駆動機構を有する注入ヘッドと、
B2:前記ピストン駆動機構を動作させるように前記ピストン駆動機構に電気的に接続されたコンピュータユニットおよび少なくとも1つのディスプレイを有するコンソールと、
を備え、
前記コンソールのコンピュータユニットは、
a1:前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させ、
a2:前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の血管部位アイコンを表示させ、
a3:前記血管部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その血管部位に対応する血管造影用の薬液注入条件を提示し、
a4:ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示したまたは修正された前記注入条件を注入プロトコルとして設定する、
ようにプログラムされている、薬液注入装置。
14.前記注入ヘッドが、
互いに独立に動作可能な2つの前記ピストン駆動機構を有する、上記14に記載の薬液注入装置。
15.前記注入ヘッドが、
所定の情報を表示する情報表示部を有している、上記13または14に記載の薬液注入装置。
16.さらに、
前記注入ヘッドを保持する注入ヘッド保持手段を備え、
前記注入ヘッド保持手段は、
可動式のスタンド、
天井懸垂式の保持アーム、または、
撮像装置の一部にスライド自在に取り付けられ前記注入ヘッドを保持する注入ヘッド保持バー、
である、上記13〜15のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
上記では、一例として、血管造影のための薬液注入装置(すなわち血管造影用薬液注入装置)について例示をしたが、本願の薬液注入装置は血管造影以外の他の用途に用いられるものであってもよい。この場合、例えば、用語「血管部位」は一例で用語「対象部位」に置き換えられ、それにより表現される薬液注入装置も本発明に含まれる。
本出願は、薬液注入プロトコルの設定方法にも関する:
(1)血管内に挿入されたカテーテルを通じて薬液を注入する血管造影用の薬液注入装置における薬液注入プロトコルの設定方法であって、
−前記薬液注入装置の少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させるステップと、
−前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の血管部位アイコンを表示させるステップと、
−前記血管部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その血管部位に対応する血管造影用の薬液注入条件を提示するステップと、
−ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示した前記薬液注入条件または修正された前記薬液注入条件を、注入プロトコルとして設定するステップと、
を有する、薬液注入プロトコルの設定方法。
(2)選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させる前記ステップでは、
−まず、前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の前記身体区分アイコンを表示させ、
−次いで、前記複数の身体区分アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分に対応する撮像領域アイコンを表示させる、
、上記に記載の薬液注入プロトコルの設定方法。
(3)さらに、
設定された前記注入プロトコルにしたがって薬液をカテーテル経由で患者体内に注入する、1または複数のステップを有する、
上記に記載の薬液注入プロトコルの設定方法。
(血管造影以外の用途の薬液注入装置における薬液注入プロトコルの設定方法)
本出願は、さらに、以下の薬液注入プロトコルの設定方法にも関する:
(4)薬液を注入する薬液注入装置における薬液注入プロトコルの設定方法であって、
−前記薬液注入装置の少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させるステップと、
−前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の対象部位アイコンを表示させるステップと、
−前記対象部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その対象部位に対応する薬液注入条件を提示するステップと、
−ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示した前記薬液注入条件または修正された前記薬液注入条件を、注入プロトコルとして設定するステップと、
を有する、薬液注入プロトコルの設定方法。
(意匠に関する説明)
本願は、図17に示すような薬液注入器用インジェクタの操作機についての意匠も開示する。この図では、図9に示したような薬液注入中の画面が一例として表示されている。なお、この画面におけるそれぞれの画像、例えば、シリンジの画像自体、表示領域内の小さい人体画像自体、または圧力表示ウィンドウ内の表示自体が、独立して、部分意匠の対象となりうるものである。表示されている数値等は、意匠の内容を何ら限定するものではない。
薬液の注入後、図18に示すような画面が表示される構成としてもよい。この画面では、画面のほぼ中央部に横向き三角形型の画像が表示されている。この横向き三角形型の画像は円形の画像内に表示されるものであってもよい。この三角形型の画像を押すと、一例で、図10のような画面に切り替わるように構成されていてもよい。
(付記)
D1.薬液を注入する薬液注入装置であって、
A1:少なくとも1つのピストン駆動機構と、
A2:前記ピストン駆動機構を動作させるように前記ピストン駆動機構に電気的に接続されたコンピュータユニットと、
A3:少なくとも1つのディスプレイと、を備え、
前記コンピュータユニットは、
a1:前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させ、
a2:前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の対象部位アイコンを表示させ、
a3:前記対象部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その対象部位に対応する造影用の薬液注入条件を提示し、
a4:ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示したまたは修正された前記注入条件を注入プロトコルとして設定する、
ようにプログラムされている、薬液注入装置。
D2.前記コンピュータユニットは、
a5:まず、前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の前記身体区分アイコンを表示させ、
a6:次いで、前記複数の身体区分アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分に対応する撮像領域アイコンを表示させる、
ようにプログラムされている。
D3.前記コンピュータユニットは、複数の前記身体区分アイコンを、全体として人型の形状に表示させる、ようにプログラムされている。
D4.前記コンピュータユニットは、前記複数の身体区分アイコンとして、頭部、胸部、腹部、および下肢部から選択される1つまたは複数を表示させる、ようにプログラムされている。
D5.前記コンピュータユニットは、複数の前記対象部位アイコンを、縦方向または横方向に並べて表示させる、ようにプログラムされている。
D6.前記コンピュータユニットは、前記複数の対象部位アイコンを、検査目的に応じたルーチンにしたがった順序で、縦方向または横方向に順に表示させる、ようにプログラムされている。
D7.提示される前記薬液注入条件には、注入量、注入速度、遅延時間、および圧力リミットのうちの1つまたは複数が含まれる。
D8.前記コンピュータユニットは、
a7:薬液注入後に、実施した注入条件のデータを前記少なくとも1つのディスプレイ内に表示させる、
ようにプログラムされている。
D9.前記コンピュータユニットは、
a8:1度の薬液注入の完了後、他の対象部位に対する薬液注入を繰り返すことができるように、少なくとも、前記選択可能な複数の身体区分アイコンまたは前記選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させた状態に戻る、
ようにプログラムされている。
D10.前記コンピュータユニットは、
a9:複数回の薬液注入が実施された場合に、それぞれの薬液注入で実施した複数の注入条件のデータを前記少なくとも1つのディスプレイ内に表示させる、
ようにプログラムされている。
D11.前記コンピュータユニットは、
前記複数の注入条件のデータを、縦方向または横方向に並べて表示させる、ようにプログラムされている。
D12.前記コンピュータユニットは、
a10:注入した薬液の総量のデータを、前記少なくとも1つのディスプレイ内に表示させる、
ようにプログラムされている。
D13.薬液を注入する薬液注入装置であって、
B1:少なくとも1つのピストン駆動機構を有する注入ヘッドと、
B2:前記ピストン駆動機構を動作させるように前記ピストン駆動機構に電気的に接続されたコンピュータユニットおよび少なくとも1つのディスプレイを有するコンソールと、
を備え、
前記コンソールのコンピュータユニットは、
a1:前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させ、
a2:前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の対象部位アイコンを表示させ、
a3:前記対象部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その対象部位に対応する造影用の薬液注入条件を提示し、
a4:ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示したまたは修正された前記注入条件を注入プロトコルとして設定する、
ようにプログラムされている。
D14.前記注入ヘッドが、互いに独立に動作可能な2つの前記ピストン駆動機構を有する。
D15.前記注入ヘッドが、所定の情報を表示する情報表示部を有している。
D16.さらに、
前記注入ヘッドを保持する注入ヘッド保持手段を備え、前記注入ヘッド保持手段は、可動式のスタンド、天井懸垂式の保持アーム、または、撮像装置の一部にスライド自在に取り付けられ前記注入ヘッドを保持する注入ヘッド保持バーである。
100 薬液注入装置
110 注入ヘッド(インジェクタヘッド)
130 ピストン駆動機構
144 コンピュータユニット(制御回路)
145 各種センサ
147a ヒータ
147b ディスプレイ
147c 入力装置
148 電源ユニット(メインユニット)
150 コンソール
151 ディスプレイ
153 コンピュータユニット(制御回路)
157a 操作ボタン
157b ハンドスイッチ
157c スロット
157d フットスイッチ
200 シリンジ
210 シリンダ部材
211b 導管部
214 係止突起
220 ピストン部材
240 保護ケース
241 本体部材
300 撮像装置
303 コンピュータユニット(制御回路)
304 撮像部
305 読影モニタ
701 人体画像
701a〜701d 身体区分アイコン
702a〜703b 撮像領域アイコン
703a〜703c 血管部位アイコン
713 圧力表示ウィンドウ
713a 圧力表示部
713b 圧力リミット表示
715 注入条件
716a シリンジ画像
716b 液滴画像
717a〜717d 結果表示バー
719 積算量表示
721 表示領域
721a スタンバイボタン
721b 人体画像アイコン(注入中)
725 残量表示部

Claims (1)

  1. 薬液を注入する薬液注入装置であって、
    A1:少なくとも1つのピストン駆動機構と、
    A2:前記ピストン駆動機構を動作させるように前記ピストン駆動機構に電気的に接続されたコンピュータユニットと、
    A3:少なくとも1つのディスプレイと、
    を備え、
    前記コンピュータユニットは、
    a1:前記少なくとも1つのディスプレイに、選択可能な複数の身体区分アイコンまたは選択可能な複数の撮像領域アイコンを表示させ、
    a2:前記複数の身体区分アイコンまたは撮像領域アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その身体区分または撮像領域に対応する、選択可能な複数の対象部位アイコンを表示させ、
    a3:前記対象部位アイコンのうち1つが選択された場合に、前記少なくとも1つのディスプレイに、その対象部位に対応する造影用の薬液注入条件を提示し、
    a4:ユーザによる確認または修正がされた場合に、提示したまたは修正された前記注入条件を注入プロトコルとして設定する、
    ようにプログラムされている、薬液注入装置。
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