JP2018102728A - 車椅子固定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、自動的に車椅子を拘束できる車椅子固定装置を提供することにある。
図14を参照して、車椅子20を簡単に説明する。車椅子20は金属パイプで構成したフレーム22に着座部24、背もたれ26、肘かけ28、ステップ30を備えている。フレーム22は左右両側に配置された一対の主輪32と、補助輪34とで支えられており、走行自在としている。フレーム22には、介助者が車椅子20を押す場合に用いるグリップ36が設けられている。本実施形態では、フレーム22の下部には、被係止部材としてのアンカーバー38が設けられている。金属製のアンカーバー38は、その左右両端が上方に立ち上がった連結部38aを介してフレームの下部に一体に連結されていて、車椅子20の幅方向(左右方向)に亘って設けられている。アンカーバー38の左右方向の長さは、後述する車椅子固定装置10のフックプレート106、206の離間距離よりも長くされている。
なお、車椅子20のアンカーバー38の接地面からの高さをh1とすると、この高さh1は、車椅子20に着座する人の体重や、主輪32及び補助輪34がエアータイヤの場合はその空気圧の高低状態に応じて可変する。
次に、車椅子固定装置10について説明する。
図1(a)に示すように車椅子固定装置10は、左右にそれぞれ配置された一対のフック装置100、200と、フック装置100、200をロック状態とする一対のロック機構300、400と、ロック状態のロック機構300、400に対してアンロック操作を行う操作部500と、一対のインターロック機構600、700とを備えている。
<フック装置100、200>
図1(a)、図1(b)、図2に示すように、フック装置100、200は、図示しない車両の車室フロアに対して固定されたベース板12の上面に対して車両の左右方向において相互に離間し、かつ前後方向に沿って配置されている。
図9〜図11に示すように、フックプレート206は、下部内周面216及び上部内周面217を有するロック孔214、ガイド部210及びフック部212を有する。
次にロック機構300について説明する。
図2〜図4に示すように、ロック機構300は、ロックリンク部310と、ロックリンク部310に設けられたロックバー320と、前記ロックリンク部310に対して連結リンク330を介して連結されたロックレバー340とにて構成されている。
図1(a)、図3及び図4に示すように、ロック機構400は、ロックリンク部410と、ロックリンク部410に設けられたロックバー420と、前記ロックリンク部410に対して連結リンク430を介して連結されたロックレバー440(図2参照)とにて構成されている。ロックリンク部410は、インナープレート104、204間のベース板12において、インナープレート104側に寄った位置に立設された軸412に対して回動自在に支持された主ロックリンク413と、主ロックリンク413に対して回動自在に軸414にて支持された副ロックリンク415とにて構成されている。主ロックリンク413は、軸412に巻装された付勢部材としての捩りバネ(図示しない)により、時計回り方向へ付勢されている。
図1(a)及び図2に示すように、操作部500は、操作レバー510と、該操作レバー510の先端部(すなわち、前端部)に対してブラケット530を介して設けられた一対の係合部材540とを有している。なお、図2に示すように一対の係合部材540は、上下方向において離間して配置されているとともに、同形状となっており、図1(a)、図3〜図5では、下側の係合部材540は上側の係合部材540に隠れている。両係合部材540の詳細は後述する。
図2に示すように一対の係合部材540は前部操作部材512の前端に対してブラケット530を介して支持されて前方へ延出されている。
下側の係合部材540の前端側部には、上側の係合部材540と同様に、ロックレバー340の下方に配置されたロックレバー440(図2参照)の係合ピン(図示しない)に当接する第1当接面及び第2当接面(ともに図示しない)を有している。
<インターロック機構600、700>
次に、図1(a)、図3〜図5、図9〜図11を参照してインターロック機構600、700について説明する。インターロック機構600、700は、前記仮想鉛直平面を基準に鏡面対称状(すなわち、左右対称状)に設けられている。ここでは、インターロック機構700について説明し、インターロック機構600については、インターロック機構700を構成する各部材に相当するものには、インターロック機構700の各部材に付した符号のうち、2桁までの符号を同じとし、3桁目の700番を600番に代えることによりその詳細な説明を省略する。
図1、図3〜図5、図9〜図11を参照して、次に、ロック解除部800について説明する。
上記のように構成された車椅子固定装置10の作用を説明する。
<1.車椅子待ち>
図3は、車椅子固定装置10のフック装置100、200が車椅子待ち状態のときを示している。この状態のときは、第1インターロック作動部材としてのインターロック部材620及びインターロック部材720は、ロック片624及び図9に示すインターロック部材720のロック片724がインターロック孔612、712にそれぞれ係入されていて、係合位置に位置している。また、図6に示すように前部操作部材512(操作レバー510)のガイドピン518が係止部16b内に係入しないようにされている。
車椅子固定装置10により車椅子20を固定する場合は下記の通りとなる。
図3の車椅子待ち状態において、車椅子固定装置10の後方から、ストッパ面102a、202aに、アンカーバー38が当たるまで、車椅子20を前方へ移動(侵入)させる。ここで、前記車椅子20の前方向は、侵入方向に相当する。また、後方向は反侵入方向に相当する。
インターロック機構600、700のインターロック部材620、720は、アンカーバー38がフック部112、212に係入される完了以前にレバー片622、722が図示しない捩りバネの付勢力に抗して押圧されることにより、ロック片624、724がインターロック孔612、712から離脱して非係合位置に位置する。
次に、車椅子固定装置10をロック解除する場合について説明する。
図7に示すように操作レバー510が「車椅子ロック操作位置」に位置している状態から、付勢バネ524の付勢力に抗して前部操作部材512(操作レバー510)を固定軸18の回りで時計回り方向へ回動操作して、ガイドピン518を係止部16bから外す。図8に示すように、この後、付勢バネ522及び軸342に巻装された捩りバネ344等の付勢力に抗して、操作レバー510を「ロック解除操作位置」まで移動させる。
(1)本実施形態の車椅子固定装置10は、車椅子20のアンカーバー38(被係止部材)を受け入れ可能な車椅子待ち状態と、車椅子20が侵入した際に、アンカーバー38に係止する係止状態との間で遷移自在に設けられた一対のフック装置100、200を有する。また、車椅子固定装置10は、フック装置100、200毎に設けられ、アンロック時には、フック装置100、200の車椅子待ち状態を許容し、該フック装置100、200が係止状態に遷移した際にロック動作するロック機構300、400を有している。車椅子固定装置10は、フック装置100、200毎に、対応するフック装置100、200をインターロックするインターロック状態と、インターロック解除するインターロック解除状態との間を遷移するインターロック機構600、700を有する。
(2)本実施形態の車椅子固定装置10のインターロック機構600、700は、係合位置と、非係合位置間を移動自在に配置されて、常時、係合位置側へ付勢されたインターロック部材620、720(第1インターロック作動部材)を備えている。また、インターロック部材620、720の非係合位置から係合位置への移動を許容してインターロック部材620、720と係合するインターロック位置と、非係合位置から係合位置への移動を許容しない非インターロック位置との間を移動自在に配置したロックプレート610、ロックプレート710(第2インターロック作動部材)を含む。
(3)本実施形態では、ロック許容部は、全てのロック機構300、400のロックを許容する係合部材540と、係合部材540を支持する操作レバー510を含む、そして、操作レバー510は、インターロック部材620、インターロック部材720(第2インターロック作動部材)と一体に連結されている。
(4)本実施形態では、操作レバー510は、係合部材540を介して、ロック機構300、400による車椅子ロックの解除を行い、このロックの解除とともに、インターロック部材620、インターロック部材720の非インターロック位置からインターロック位置への移動を許容する。この結果、本実施形態によれば、操作レバー510により、車椅子ロックの解除とともにインターロックを行うことができる。
前記実施形態では、ロックプレート610、710にインターロック孔612、712を配置し、インターロック部材620、720にロック片624、724を設けたが、逆の関係にしてもよい。すなわち、インターロック部材720にインターロック孔を設けて、ロックプレート710に該インターロック孔に係入可能にロック片を設けてもよい。
また、ロックバー320の往復軌道は、前記実施形態では、水平線に沿って前後方向へ往復するものとしたが、必ずしも、往復軌道は水平線に沿うことに限定するものではない。例えば、前後方向であって、水平線に対して傾斜していてもよい。この場合、フックプレートのロック孔の下部内周面は、この往復軌道に対して、前後方向で、かつ交差する方向に延出されていればよい。
また、前記実施形態において、アウタープレート102をインナープレート104の設置位置に交換して配置するとともに、アウタープレート202をインナープレート204の設置位置に交換して配置してもよい。この場合、インナープレート104、204の設置位置に交換配置したアウタープレートが新たなインナープレートとなり、この新たなインナープレートが、ストッパ面を有することになる。
16…取付板、16a…ガイド孔、16b…係止部、18…固定軸、
20…車椅子、22…フレーム、24…着座部、26…背もたれ、
28…肘かけ、30…ステップ、32…主輪、34…補助輪、
36…グリップ、38…アンカーバー(被係止部材)、38a…連結部、
100…フック装置、102…アウタープレート、102a…ストッパ面、
104…インナープレート、106…フックプレート、
108…軸、110…ガイド部、112…フック部、114…ロック孔、
116…ロック孔114の下部内周面、
117…ロック孔114の上部内周面、
118…アウタープレート102の貫通孔、
118a…上部内周面、120…インナープレート104の貫通孔、
120a…上部内周面、130…被押上部、200…フック装置、
202…アウタープレート、202a…ストッパ面、
204…インナープレート、206…フックプレート、
208…軸、210…ガイド部、212…フック部、214…ロック孔、
216…ロック孔214の下部内周面、
217…ロック孔214の上部内周面、
218…アウタープレート202の貫通孔、
220…インナープレート204の貫通孔、
230…被押上部、300…ロック機構、310…ロックリンク部、
312…軸、313…主ロックリンク、314…軸、
315…副ロックリンク、316…長孔、317…係止突部、
318…ストッパピン、320…ロックバー、
330…連結リンク、340…ロックレバー、342…軸、
344…捩りバネ、346…係合ピン、400…ロック機構、
410…ロックリンク部、412…軸、413…主ロックリンク、
414…軸、415…副ロックリンク、416…長孔、417…係止突部、
418…ストッパピン、420…ロックバー、
430…連結リンク、440…ロックレバー、
500…操作部、510…操作レバー、512…前部操作部材、
514…後部操作部材、516…ガイド孔、518…ガイドピン、
522、524…付勢バネ、530…ブラケット、
540…係合部材(操作レバー510とともにロック許容部を構成する。)、
542…第1当接面、544…第2当接面、
550…ブラケット、600…インターロック機構、
610…ロックプレート(第2インターロック作動部材)、
611…軸、612…インターロック孔、
620…インターロック部材(第1インターロック作動部材)、
622…レバー片、624…ロック片、700…インターロック機構、
710…ロックプレート(第2インターロック作動部材)、
711…軸、712…インターロック孔、
720…インターロック部材(第1インターロック作動部材)、
722…レバー片、723…係合凹部、724…ロック片、
725…導入部、800…ロック解除部、810、820…被押上部、
830…ブラケット、840、850…押上部材、
h…係合凹部723の導入部725の高さ、
h1…車椅子20のアンカーバー38の高さ、O…基準線。
Claims (5)
- 車椅子の被係止部材を受け入れ可能な車椅子待ち状態と、車椅子が侵入した際に、前記被係止部材に係止する係止状態との間で遷移自在に設けられたフック装置と、
前記フック装置に設けられ、アンロック時には、該フック装置の車椅子待ち状態を許容し、該フック装置が係止状態に遷移した際にロック動作するロック機構を備えた車椅子固定装置であって、
前記フック装置には、該フック装置をインターロックするインターロック状態と、インターロック解除するインターロック解除状態との間を遷移するインターロック機構が設けられ、
前記インターロック機構は、前記フック装置が前記被係止部材に係止する際に、インターロック状態からインターロック解除状態に遷移するとともに、前記インターロック機構がインターロック解除状態となったときに、前記ロック機構のロックを許容するロック許容部に連係されている車椅子固定装置。 - 前記インターロック機構は、
係合位置と、非係合位置間を移動自在に配置されて、常時、係合位置側へ付勢された第1インターロック作動部材と、
前記第1インターロック作動部材の非係合位置から係合位置への移動を許容して該第1インターロック作動部材と係合するインターロック位置と、前記非係合位置から係合位置への移動を許容しない非インターロック位置との間を移動自在に配置した、第2インターロック作動部材を含む請求項1に記載の車椅子固定装置。 - 前記ロック許容部は、
前記ロック機構のロックを許容する係合部材と、該係合部材を支持する操作レバーを含み、
前記操作レバーは、前記第2インターロック作動部材と一体に連結されている請求項2に記載の車椅子固定装置。 - 前記操作レバーは、
前記係合部材を介して、前記ロック機構のロックの解除を行い、このロックの解除とともに、前記第2インターロック作動部材の非インターロック位置からインターロック位置への移動を許容する操作位置を有する請求項3に記載の車椅子固定装置。 - 前記フック装置は、複数個設けられ、
各フック装置のインターロック機構は、前記ロック許容部に連係されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車椅子固定装置。
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