JP2018052436A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダイブダウン状態及びチップアップ状態に切替可能な車両用シートであって、高い剛性の脚部材を必要とせず、かつロック解除を容易に行うことが可能な車両用シートを提供することにある。
上記構成によれば、ロック機構によってシートクッションとシートバックとの回動をロックできるため、高い剛性の脚部材を必要としない。また、車両用シートをダイブダウン状態にさせる際に、ロック解除部がフロア側に当接してロックを解除するので、特別な操作をせずとも、シートクッションとシートバック間のロックを解除することができる。なお、フロア側とは、フロア自体の他にフロアに取り付けられた部材も含むものとする。
上記構成によれば、ロック解除部がシートクッションの中央よりも前方に配置されていることで、チップアップ状態にする際に、使用者は、シートクッションの前方から手を伸ばしてロック解除部を操作しやすい。
上記構成によれば、リンク部材の接続部が、リンク部材がフロア側に当接する前の状態よりも、当接して回動した状態においてアウターケーブルにおける保持部材に保持される部位から離間した位置にあることで、線状部材のインナーケーブルを引いて、ロック解除部を動作させることができる。
上記構成によれば、リンク部材にコイルばねが取り付けられていることにより、リンク部材がフロア側から離間したときに、ロック機構をロック可能にすることができる。
また、本発明によれば、チップアップ状態にする際に、使用者は、シートクッションの前方から手を伸ばしてロック解除部を操作しやすい。
また、本発明によれば、線状部材のインナーケーブルを引いて、ロック解除部を動作させることができる。
また、本発明によれば、リンク部材がフロア側から離間したときに、ロック機構をロック可能にすることができる。
なお、以下の説明中、「前後方向」とは、車両用シートに着座する着座者から見たときの前後方向を意味し、一般的な車両の走行方向と一致する方向である。「左右方向」とは、車両用シートの横幅方向を意味する。「高さ方向」とは、車両用シートの高さ方向を意味し、車両用シートを正面から見たときの上下方向と一致する。
本実施形態に係る車両用シートSの構成及び動作の概略について、図1及び図2(a)を参照して説明する。なお、図1は、車両用シートSを示す斜視図、図2(a)は、着座可能状態の車両用シートSを示す模式的な側面図である。
ここで、フロアFは、上部フロアF1と、上部フロアF1から斜め前方に傾斜する段差Faを介して下部フロアF2と、を有する。
詳細には後述するが、車両用シートSは、着座可能状態から、フロア側回動支持部材2を中心にシートバックS2が前方、かつ下方、つまり下部フロアF2側に回動することにより、下部フロアF2上に折り畳まれたダイブダウン状態に変更可能に構成されている。また、車両用シートSは、着座可能状態から、フロア側回動支持部材2を中心にシートクッションS1が上方、かつ後方に回動することにより、シートバックS2に重なるように折り畳まれたチップアップ状態に変更可能に構成されている。
特に、シートクッションS1は、図1に示すように、上面視U字状に形成されたパイプフレーム25を備え、パイプフレーム25に後述する取付ブラケット24を介してロック解除リンク6が取り付けられている。詳細については後述するが、ロック解除リンク6は、ロック機構としてのシート部材間ロック部L2のロックを解除する機能を有し、シートクッションS1の下面側、つまり裏面側から下方に突出するように取り付けられている。
シートバックS2は、下方に突出する支持フレーム2aを有する。この支持フレーム2aの下端部が上部フロアF1側の部材であるフロア側回動支持部材2に回動可能に取り付けられている。このため、車両用シートSは、フロア側回動支持部材2を中心に回動可能となっている。
車両用シートSにおける着座可能状態からダイブダウン状態への変更について、図2(a)に加えて、図2(b)及び図2(c)を参照して説明する。なお、図2(b)は、着座可能状態からダイブダウン状態に移行中の車両用シートSを示す模式的な側面図、図2(c)は、ダイブダウン状態の車両用シートSを示す模式的な側面図である。
これと同時に、シートバックS2に回動可能に取り付けられたクッション側ブラケット20を介して接続されたシートクッションS1は、上部フロアF1よりも上方の位置から、上部フロアF1よりも下方にある下部フロアF2の上面に接するように移動することとなる。詳細については後述するが、図2(a)に示す、シート部材間ロック部L2による、シートクッションS1とシートバックS2とが展開した状態のロックは、図2(b)に示す、ロック解除リンク6が下部フロアF2に当接することによって回動することで、解除されることとなる。そして、図2(c)に示すように、シートバックS2がシートクッションS1に重なるように折り畳まれた状態であるダイブダウン状態となる。
車両用シートSにおける着座可能状態からチップアップ状態への変更について、図3(a),(b)を参照して説明する。なお、図3(a)は、着座可能状態の車両用シートSであって、ロック解除リンク6を操作した状態を示す模式的な側面図、図3(b)は、チップアップ状態の車両用シートSを示す模式的な側面図である。
シート部材間ロック部L2の機構について、図4を主に参照して説明する。なお、図4は、シート部材間ロック部L2の構成を説明する説明図である。
シート部材間ロック部L2は、係合溝10a,10bが形成されたバック側ブラケット10と、ロック解除リンク6の回動に応じて回動する第1リンク21と、第1リンク21に回動可能に係合する第2リンク22と、から主に構成されている。
なお、シート部材間ロック部L2の構成のうち、特表2004−528227号公報に記載されている構成と共通の構成については、その説明を省略する。
ここで、バック側ブラケット10に形成された係合溝10aは、着座可能状態において、第2リンク22に設けられた係合突起22aに係合して、その状態を保持するためのものである。
一方で、係合溝10bは、チップアップ状態において、第2リンク22の係合突起22aに係合して、その状態を保持するためのものである。なお、ダイブダウン状態においては、後述するフロアFに押圧されて回動するロック解除リンク6が、ケーブル7及び第1リンク21を介して、第2リンク22を回動させることで、係合突起22aが係合溝10aから離間して非係合状態となる。なお、ケーブル7は、インナーケーブル7aと、インナーケーブル7aが通る中空部を有するアウターケーブル7bと、から構成される部材であり、線状部材に相当する部材である。
次に、ロック解除リンク6について、図5〜図8を主に参照して説明する。なお、図5は、ロック解除リンク6を示す斜視図、図6は、ロック解除リンク6を示す平面図である。なお、図5は、図1に示すシートクッションS1の表皮1b及びクッション材1aを取り去ってパイプフレーム25を露出させた状態を示すものである。また、図7は、図5のVII-VII断面であり、ロック解除リンク6の断面を示す断面図、図8は、ケーブル接続部6a及びフロア当接部6bを外した状態におけるロック解除リンク6を下方から示す底面側斜視図である。
ケーブル接続部6aは、保持片24a側の端部に、ケーブル7と接続される接続穴6eを有する。接続穴6eは、ケーブル7のインナーケーブル7aと接続する部位であり、シート幅方向に延在する貫通孔である。
そして、ロック解除リンク6は、キャレット状の屈曲部分、換言すると、フロア当接部6bにおけるフロア当接部6bの延在方向と交差する部分において、取付ブラケット24に取り付けられたリンク回動軸6cにて回動可能に支持されている。
また、取付ブラケット24には、保持片24aにアウターケーブル7bを保持されたケーブル7のインナーケーブル7aを、取付ブラケット24の下方に挿通可能とする開口24bが保持片24aの前側に形成されている。つまり、インナーケーブル7aは、取付ブラケット24の開口24bを通ってケーブル接続部6aの接続穴6eに接続されることとなる。
具体的には、コイルばね6dの一端は、ロック解除リンク6における箱状に形成されたフロア当接部6bの内側の一部に固定されており、コイルばね6dの他端は、支持ブラケット27の一部に固定されている。
つまり、コイルばね6dは、ケーブル接続部6aの端部に設けられた接続穴6eが接続穴6eの後ろ側上方にある保持片24aに近接する位置に向かう方向に、ロック解除リンク6が回動するように、ロック解除リンク6を付勢している。このように、コイルばね6dに付勢された状態で、上記の自然状態にあるときには、接続穴6eが保持片24aに近接する位置にあることで、接続穴6eに接続されたインナーケーブル7aは、シート部材間ロック部L2を係合可能な方向に第1リンク21を押し出すこととなる。すなわち、ロック解除リンク6が下部フロアF2側から離間したときに、シート部材間ロック部L2をロック可能にすることができる。
ケーブル7は、ロック解除リンク6のケーブル接続部6aが下方に回動して、ケーブル接続部6aの接続穴6eによってインナーケーブル7aが引かれることによって下方に変形する。この場合でも、ケーブル7の下方にワイヤ部材28が設けられていることで、他の部材に干渉しない位置にケーブル7の変形位置を規制することができる。
車両用シートSの着座可能状態からダイブダウン状態への変更の際におけるシート部材間ロック部L2について、図2及び図7に加えて、図9〜図11を主に参照して説明する。図9は、着座可能状態におけるシート部材間ロック部L2の状態を説明する説明図、図10は、ロック解除リンク6によって、シート部材間ロック部L2のロックが解除された状態を示す説明図である。そして、図11は、ダイブダウン状態におけるシート部材間ロック部L2の状態を説明する説明図である。
このケーブル接続部6aの変位により、ケーブル接続部6aの端部にある接続穴6eが下方に変位し、インナーケーブル7aの前端側を保持片24aから下方に引くこととなる。
第1リンク21の回動によって、第1リンク21が第2リンク22に当接し、第2リンク22を回動軸22bを中心に回動させ、係合溝10aに係合していた係合突起22aを、図10に示すように、係合溝10aから離脱する位置まで変位させる。
このようにして、シート部材間ロック部L2のロックが解除される。そして、シートクッションS1は、さらに下方に移動する際に、傾斜して形成された段差FaにシートクッションS1の後端部が摺接してガイドされることにより、前方にも移動することになる。最終的に、図2(c)及び図11に示す、シートクッションS1にシートバックS2が近接する位置、つまり、シートクッションS1とシートバックS2とが折り畳まれた状態となる位置に移動することとなる。
このように、使用者によってシートバックS2を持ち上げられれば、クッション側ブラケット20によって接続されたシートクッションS1も持ち上がることとなり、ロック解除リンク6が下部フロアF2から離間することとなる。ロック解除リンク6が下部フロアF2から離間すると、図7に示すコイルばね6dの付勢によって、ロック解除リンク6は、図7上反時計回りに回動し、ケーブル接続部6aが上方に変位することとなる。
このケーブル接続部6aの変位により、ケーブル接続部6aの端部にある接続穴6eが上方に変位し、インナーケーブル7aの前端側を保持片24aから上方に押すこととなる。
第1リンク21の回動によって、第1リンク21が第2リンク22に当接し、第2リンク22を回動軸22bを中心に回動させ、係合溝10aから離間していた係合突起22aを、図9に示すように、係合溝10aに係合する位置まで変位させる。
このようにして、シート部材間ロック部L2のロックがされ、図2(a)及び図9に示す、シートクッションS1にシートバックS2が離間する位置、つまり、シートクッションS1とシートバックS2とが展開した状態に保持されることとなり、着座可能状態となる。
チップアップ状態におけるシート部材間ロック部L2について、図3及び図7に加えて、図12を主に参照して説明する。なお、図12は、チップアップ状態におけるシート部材間ロック部L2の状態を説明する説明図である。
具体的には、使用者がフロア当接部6bを上方に押すと、インナーケーブル7aが引かれて、第1リンク21をスプリング43の付勢に抗する方向に、回動軸21aを中心に回動させる。上記のように、第1リンク21の回動によって、第1リンク21が第2リンク22に当接し、第2リンク22を、回動軸22bを中心に回動させる。このとき、第2リンク22に形成された係合突起22aが、バック側ブラケット10に形成された係合溝10aから離間して係合が解除される位置に移動する。
このようにしてシート部材間ロック部L2のロックが解除されることによって、シートクッションS1をシートバックS2側に折り畳むことが可能となる。
特に、着座可能状態において、シート部材間ロック部L2が機能してロック状態を保持することによって、シートバックS2から展開したシートクッションS1の状態を保持することができる。このため、シートクッションS1を支持するための不図示の脚部材に剛性の低いものを用いることも可能となる。
さらには、シートクッションS1に脚部材を取り付ける必要がなくなる。このため、重量を軽減でき、さらには脚部材を取り付けないことで部材点数を削減できる。
一方、車両用シートSをチップアップ状態からダイブダウン状態にする場合には、ラッチ装置L1のロックを解除して、シートクッションS1及びシートバックS2を、フロア側回動支持部材2を中心に、前方、かつ下方に回動させればよい。
F フロア
F1 上部フロア
F2 下部フロア
Fa 段差
L1 ラッチ装置
L2 シート部材間ロック部(ロック機構)
S 車両用シート
S1 シートクッション
S2 シートバック
St ストライカ
1a クッション材
1b 表皮
2 フロア側回動支持部材
2a 支持フレーム
3 肩口レバー
3b ケーブル
5 サイドフレーム
6 ロック解除リンク(ロック解除部、リンク部材)
6a ケーブル接続部
6b フロア当接部
6ba ガイド片
6c リンク回動軸
6d コイルばね
6e 接続穴(接続部)
7 ケーブル(線状部材)
7a インナーケーブル
7b アウターケーブル
10 バック側ブラケット
10a,10b 係合溝
20 クッション側ブラケット
21 第1リンク
21a 回動軸
22 第2リンク
22a 係合突起
22b 回動軸
24 取付ブラケット(保持部材)
24a 保持片
24b 開口
24c 凹部
25 パイプフレーム(シートクッションフレーム)
26 板ばね
27 支持ブラケット
27a 本体
27b 取付片
27c ビス
28 ワイヤ部材
30 回動軸
43 スプリング
Claims (4)
- フロア側に回動可能に取り付けられたシートバックと、
該シートバックに対して回動可能に取り付けられたシートクッションと、を備えて、
前記フロア側に沈み込むダイブダウン状態及び着座可能状態に切替可能に構成された車両用シートであって、
前記シートクッションと前記シートバックとの回動をロック又はロックを解除し、ロックした状態において着座可能状態に保つロック機構と、
前記シートクッションの裏面に設けられ、前記ロック機構のロックを解除するロック解除部と、を備え、
前記車両用シートをダイブダウン状態にさせる際に、前記ロック解除部は、前記フロア側に当接して前記ロック機構のロックを解除することを特徴とする車両用シート。 - 前記ロック解除部は、前記シートクッションの前後方向における中央よりも前方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
- 前記ロック機構と前記ロック解除部とは、線状部材によって接続されており、
該線状部材は、アウターケーブルと、該アウターケーブル内を通るインナーケーブルと、から成り、
前記アウターケーブルは、前記シートクッションが有するシートクッションフレームに取り付けられた保持部材に保持されており、
前記ロック解除部は、前記シートクッションフレームに回動可能に取り付けられたリンク部材であり、
該リンク部材は、前記インナーケーブルに接続される接続部を有し、
該接続部は、前記アウターケーブルにおける前記保持部材に保持される部位からの位置に関して、前記リンク部材が前記フロア側に当接する前の状態よりも、前記リンク部材が前記フロア側に当接して回動した状態において離間した位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。 - 前記リンク部材には、コイルばねが取り付けられおり、
該コイルばねは、前記アウターケーブルにおける前記保持部材に保持される部位から前記接続部が近接する位置に向かって前記リンク部材が回動する方向に前記リンク部材を付勢していることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
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