JP2018080597A - 蒸発燃料処理システムの異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料タンクに別途圧力センサを設けることなく、既存の燃料レベル検出手段を有効利用して、燃料レベルを検出することで、燃料タンクからキャニスタまでの経路(タンク通路)の閉塞の有無を確実に検出することができる蒸発燃料処理システムの異常検出装置の提供を目的とする。【解決手段】燃料タンク15からキャニスタ22までの経路23を減圧し、その時の圧力に基づいて当該経路23の異常を検出する異常検出手段を備えた蒸発燃料処理システムの異常検出装置であって、燃料タンク15の燃料レベルを検出する燃料レベル検出手段33を備え、異常検出手段は、減圧中に燃料レベル検出手段33により検出された燃料レベルの変化に基づいてタンク通路23の閉塞を検出するよう構成されたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
この発明は、蒸発燃料処理システムの異常検出装置に関し、詳しくは、燃料タンクと、該燃料タンクから発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、上記燃料タンクと上記キャニスタとを連結するタンク通路と、上記キャニスタとエンジンの吸気通路とを連結するパージ通路と、該パージ通路に配設され、上記キャニスタに吸着された蒸発燃料を上記吸気通路にパージするパージ制御弁と、上記燃料タンクから上記キャニスタまでの経路を減圧し、その時の圧力に基づいて当該経路の異常を検出する異常検出手段と、を備えた蒸発燃料処理システムの異常検出装置に関する。
従来、蒸発燃料処理システムの異常検出装置としては図6に示す構造が一般的である。
すなわち、図6に示すように、燃料タンク81と、この燃料タンク81から発生した蒸発燃料(エバポガス)を活性炭にて吸着するキャニスタ82と、上述の燃料タンク81とキャニスタ82とを連結するタンク通路83と、キャニスタ82とエンジン84のスロットル弁85下流の吸気通路86とを連結するパージ通路87と、このパージ通路87に配設され上述のキャニスタ82に吸着されたエバポガスを上記吸気通路86にパージするパージ制御弁88とを備え、上述のキャニスタ82と大気開放口89との間に、キャニスタ82および大気開放口89間を開閉する電磁弁90を設けたものである。
すなわち、図6に示すように、燃料タンク81と、この燃料タンク81から発生した蒸発燃料(エバポガス)を活性炭にて吸着するキャニスタ82と、上述の燃料タンク81とキャニスタ82とを連結するタンク通路83と、キャニスタ82とエンジン84のスロットル弁85下流の吸気通路86とを連結するパージ通路87と、このパージ通路87に配設され上述のキャニスタ82に吸着されたエバポガスを上記吸気通路86にパージするパージ制御弁88とを備え、上述のキャニスタ82と大気開放口89との間に、キャニスタ82および大気開放口89間を開閉する電磁弁90を設けたものである。
図6に示す従来構造において、異常検出を実行するには、車両停止状態下において電磁弁90を閉弁する。電磁弁90を閉弁するとエバポシステム(各要素81,83,82,87,88参照)内が密閉空間になる一方で、燃料タンク81からのエバポガスは発生しており、発生したエバポガスがエバポシステム内に充満し、同エバポシステム内がエバポガスの影響を受けて大気圧よりもその内圧が高くなる。
この内圧が所定値よりも高くなると、エバポシステムに穴があいていないと判定することができる。
この内圧が所定値よりも高くなると、エバポシステムに穴があいていないと判定することができる。
このような異常検出装置は、例えば、特許文献1により知られている。
しかしながら、図6に示す従来構造においては、次のような問題点があった。
つまり、図6に示す従来構造においては、異常検出のためにエバポガスを用いるものである。
本来、エバポガスは可及的発生させたくないものであって、この点において改善の余地があった。
つまり、図6に示す従来構造においては、異常検出のためにエバポガスを用いるものである。
本来、エバポガスは可及的発生させたくないものであって、この点において改善の余地があった。
そこで、従来、図7に示す蒸発燃料処理システムの異常検出装置が既に発明されている。
図7に示す従来構造は、図6で示した電磁弁90に代えて、診断モジュール91を採用したものである。なお、図7において、図6と同一の部分には同一符号を付している。
上述の診断モジュール91は、3ポート2位置型の切替弁92と、約0.5mmφの小孔に相当するオリフィス(固定絞り)93と、電動ポンプ94と、電動ポンプ94の上流側に設けられて圧力を検出する圧力センサ95と、を備えている。
上述の診断モジュール91は、3ポート2位置型の切替弁92と、約0.5mmφの小孔に相当するオリフィス(固定絞り)93と、電動ポンプ94と、電動ポンプ94の上流側に設けられて圧力を検出する圧力センサ95と、を備えている。
図7に示す従来構造において、異常検出を実行するには、車両停止状態下において、電動ポンプ94を駆動して、空気を大気開放口89から外部に出す。配管内の空気を外部に放出すると、パージ通路87およびタンク通路83を含むエバポシステムの内圧が負圧となり、圧力センサ95で検出した圧力が所定負圧に達すると、エバポシステム内に穴があいていないと判定することができる。
しかしながら、図7に示す従来構造においては、例えば、タンク通路83の一部が閉塞している場合も閉塞していない場合も同様に負圧となるため、タンク通路83が閉塞しているのか、または、正常であるのかを判断することが不可で、確実に燃料タンク81側まで穴があいていないことが立証できず、改善の余地があった。
なお、図6、図7において、96は燃料ポンプ、97はインジェクタ、98は燃料ポンプ96とインジェクタ97とを接続する燃料供給通路、99はフィラパイプである。
そこで、この発明は、燃料タンクに別途圧力センサを設けることなく、既存の燃料レベル検出手段を有効利用して、燃料レベルを検出することで、燃料タンクからキャニスタまでの経路(タンク通路)の閉塞の有無を確実に検出することができる蒸発燃料処理システムの異常検出装置の提供を目的とする。
この発明による蒸発燃料処理システムの異常検出装置は、燃料タンクと、該燃料タンクから発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、上記燃料タンクと上記キャニスタとを連結するタンク通路と、上記キャニスタとエンジンの吸気通路とを連結するパージ通路と、該パージ通路に配設され、上記キャニスタに吸着された蒸発燃料を上記吸気通路にパージするパージ制御弁と、上記燃料タンクから上記キャニスタまでの経路を減圧し、その時の圧力に基づいて当該経路の異常を検出する異常検出手段と、を備えた蒸発燃料処理システムの異常検出装置であって、上記燃料タンクの燃料レベルを検出する燃料レベル検出手段を備え、上記異常検出手段は、減圧中に上記燃料レベル検出手段により検出された燃料レベルの変化に基づいて上記タンク通路の閉塞を検出するよう構成されたものである。
上記構成は、減圧中においてタンク通路に閉塞がない場合には、燃料タンク内の液面が上昇することに着目して、減圧中の燃料レベル変動に基づいてタンク通路の閉塞の有無を検出するものである。
このため、上記構成によれば、燃料タンクに別途圧力センサを設けることなく、既存の燃料レベル検出手段を有効利用して、燃料レベルを検出することにより、燃料タンクからキャニスタまでの経路(タンク通路)の閉塞の有無を確実に検出することができる。
なお、タンク通路の閉塞としては、キャニスタ内の活性炭や燃料あるいはゴミ等がタンク通路内に侵入することによる閉塞、または、タンク通路それ自体の潰れがある。
なお、タンク通路の閉塞としては、キャニスタ内の活性炭や燃料あるいはゴミ等がタンク通路内に侵入することによる閉塞、または、タンク通路それ自体の潰れがある。
この発明の一実施態様においては、上記異常検出手段は、減圧開始前の燃料レベルと、減圧中の燃料レベルとの差が設定値よりも小さい時、上記タンク通路の閉塞を検出するものである。
上記構成によれば、減圧開始前の燃料レベルと、減圧中の燃料レベルとを検出している。つまり、燃料タンクの液面に負圧を作用させる前と負圧作用中の液面の変動を検出し、上記差が小さい時にはタンク通路に閉塞があることを検出するものである。
このため、液面に負圧が作用したか否かを高精度で検出することができる。
このため、液面に負圧が作用したか否かを高精度で検出することができる。
この発明の一実施態様においては、上記異常検出手段は、エンジン停止時に異常を検出するものである。
上記構成によれば、エンジン停止時に異常を検出するので、通常の車両挙動による燃料液面の変動の影響を受けないので、異常検出中における燃料レベル変化を精度よく検出することができる。
この発明の一実施態様においては、上記異常検出手段は、エンジン停止後所定時間経過した時に異常を検出するものである。
上記構成によれば、エンジン停止後で、かつ所定時間(例えば、4〜5時間)経過時に異常を検出するので、診断誤差因子となる排気管熱などの影響を受けることなく、蒸発燃料の発生が収まった状態で異常検出を実行するので、誤検出が防止できる。
この発明の一実施態様においては、上記異常検出手段は、上記キャニスタの大気開放口に設けられたポンプにより上記燃料タンクからキャニスタまでの経路を減圧するものである。
上記構成によれば、キャニスタを通して空気を大気開放口から外部に放出するので、蒸発燃料はキャニスタにトラップ(trap、捕捉)され、クリーンな気体だけを外部に放出することができる。
この発明によれば、燃料タンクに別途圧力センサを設けることなく、既存の燃料レベル検出手段を有効利用して、燃料レベルを検出することで、燃料タンクからキャニスタまでの経路(タンク通路)の閉塞の有無を確実に検出することができる効果がある。
燃料タンクに別途圧力センサを設けることなく、既存の燃料レベル検出手段を有効利用して、燃料レベルを検出することで、燃料タンクからキャニスタまでの経路(タンク通路)の閉塞の有無を確実に検出するという目的を、燃料タンクと、該燃料タンクから発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、上記燃料タンクと上記キャニスタとを連結するタンク通路と、上記キャニスタとエンジンの吸気通路とを連結するパージ通路と、該パージ通路に配設され、上記キャニスタに吸着された蒸発燃料を上記吸気通路にパージするパージ制御弁と、上記燃料タンクから上記キャニスタまでの経路を減圧し、その時の圧力に基づいて当該経路の異常を検出する異常検出手段と、を備えた蒸発燃料処理システムの異常検出装置であって、上記燃料タンクの燃料レベルを検出する燃料レベル検出手段を備え、上記異常検出手段は、減圧中に上記燃料レベル検出手段により検出された燃料レベルの変化に基づいて上記タンク通路の閉塞を検出するよう構成することで実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は蒸発燃料処理システムの異常検出装置を示し、図1は当該異常検出装置を備えた蒸発燃料処理システムの系統図である。
図面は蒸発燃料処理システムの異常検出装置を示し、図1は当該異常検出装置を備えた蒸発燃料処理システムの系統図である。
図1において、エンジン1はそのシリンダブロック内に気筒2を形成すると共に、気筒2内を往復上下動するピストン3を設けている。また、エンジン1のシリンダヘッドには吸気弁4で開閉される吸気ポート5と、排気弁6で開閉される排気ポート7と、を形成している。
上述の吸気ポート5には、吸気マニホルド8およびサージタンク9を介してスロットルボディ10を連通接続し、該スロットルボディ10にはスロットル弁11を設け、スロットルボディ10の後部と、サージタンク9と、吸気マニホルド8とでスロットル下流の吸気通路12を形成している。
一方で、エンジン1の燃焼室13には直噴タイプのインジェクタ(燃料噴射弁)14を取付けている。
燃料を貯溜する燃料タンク15には、燃料ポンプ16を設けており、この燃料ポンプ16と上述のインジェクタ14との間を燃料供給通路17で接続すると共に、該燃料供給通路17には、カムシャフトで駆動される高圧ポンプ18を介設している。なお、上述の燃料タンク15には、その上端に燃料キャップ19を備えたフィラーパイプ20が設けられると共に、燃料タンク15内の上部とフィラーパイプ20の上端近傍部とをエアベントチューブ21で連通接続している。
燃料を貯溜する燃料タンク15には、燃料ポンプ16を設けており、この燃料ポンプ16と上述のインジェクタ14との間を燃料供給通路17で接続すると共に、該燃料供給通路17には、カムシャフトで駆動される高圧ポンプ18を介設している。なお、上述の燃料タンク15には、その上端に燃料キャップ19を備えたフィラーパイプ20が設けられると共に、燃料タンク15内の上部とフィラーパイプ20の上端近傍部とをエアベントチューブ21で連通接続している。
図1に示すように、蒸発燃料供給システムは、上述の燃料タンク15と、該燃料タンク15から発生した蒸発燃料(エバポガス)を活性炭に吸着する2分割タイプ(車体の離間位置に取付けた第1キャニスタ22Aと第2キャニスタ22Bとをパイプやホースで連結したタイプ)のキャニスタ22と、上述の燃料タンク15とキャニスタ22(第2キャニスタ22B参照)とを連結するタンク通路23と、キャニスタ22(第2キャニスタ22B参照)とエンジン1のスロットル下流の吸気通路12とを連結するパージ通路24と、このパージ通路24に配設され、上述のキャニスタ22に吸着された蒸発燃料を吸気通路12にパージするパージ制御弁(以下、単にパージ弁と略記する)Vとを備えている。
ここで、上述の第1キャニスタ22Aには、診断モジュール25およびエアフィルタ26が介設された外気導入ライン27が接続されており、外気導入ライン27の反キャニスタ側の先端には大気開放口28が形成されている。
また、タンク通路23は燃料タンク15内において2つの分岐路23a,23bに分岐されており、一方に分岐路23aにはシャットオフバルブ29が取付けられており、他方の分岐路23bには、車両横転時に自動閉弁するロールオーババルブ30が取付けられている。
さらに、上述の燃料ポンプ16のハウジング下部には、可変抵抗式ポジションセンサ31とフロート32とから成る燃料タンク内レベルゲージ33(以下、単にレベルゲージと略記する)を設けており、このレベルゲージ33で、燃料タンク15の燃料レベル(液面レベル)を検出する燃料レベル検出手段を構成している。
図2は図1で示した診断モジュール25の等価回路である。
図2に示すように、診断モジュール25は、3ポート2位置型の電磁切替弁40(以下、単に切替弁と略記する)と、電動ポンプ41と、約0.5mmφの小孔に相当するオリフィス42(固定絞り)とを備えている。
図2に示すように、診断モジュール25は、3ポート2位置型の電磁切替弁40(以下、単に切替弁と略記する)と、電動ポンプ41と、約0.5mmφの小孔に相当するオリフィス42(固定絞り)とを備えている。
上述の切替弁40はキャニスタライン43を介してキャニスタ22に連通するキャニスタポートcaと、ポンプライン44に連通するポンプポートpuと、大気開放ライン45に連通する大気ポートaiとを有し、ノーマル状態では図示の如く各ポートca,aiが連通し、切替弁40の切替時には、各ポートca,puが連通するよう構成されている。
上述のオリフィス42は切替弁40をバイパスするバイパスライン46に介設されている。また、上述の電動ポンプ41はポンプライン44に介設されたもので、この電動ポンプ41におけるサクション部には圧力を検出する圧力センサ47が設けられ、電動ポンプ41の吐出側は接続部48で大気開放ライン45に接続されている。
図3は異常検出装置の制御回路ブロック図を示すものである。
制御手段としてのCPU60は、イグニッションスイッチ50、外気温センサ51、レベルゲージ33、圧力センサ47からの入力信号に基づいて、ROM61に格納されたプログラムに従って、パージ弁V、電動ポンプ41、切替弁40を駆動制御し、また記憶手段としてのRAM62は必要な所定時間データ、しきい値データなどのデータを読出し可能に記憶する。また、上述のCPU60は異常検出時に起動される診断部63とCPU内蔵タイマとを備えている。
制御手段としてのCPU60は、イグニッションスイッチ50、外気温センサ51、レベルゲージ33、圧力センサ47からの入力信号に基づいて、ROM61に格納されたプログラムに従って、パージ弁V、電動ポンプ41、切替弁40を駆動制御し、また記憶手段としてのRAM62は必要な所定時間データ、しきい値データなどのデータを読出し可能に記憶する。また、上述のCPU60は異常検出時に起動される診断部63とCPU内蔵タイマとを備えている。
ここで、上述のCPU60は、燃料タンク15からキャニスタ22までの経路(タンク通路23)を減圧し、その時の圧力に基づいて当該経路の異常を検出する異常検出手段を兼ねるものであって、該CPU60は、上記タンク通路23の減圧中にレベルゲージ33により検出された燃料レベルの変化(液面高さの変化)に基づいて上記タンク通路23の閉塞を検出するよう構成している(図4に示すフローチャートの各ステップS9,S17参照)。
また、上述のCPU60は、タンク通路23の減圧開始前の燃料レベル(図5に示すタイムチャートの液面リーク診断前の基準高さH0参照)と、減圧中の燃料レベル(図5の液面リーク診断中の検出高さH1参照)との差(H1−H0)が設定値△Hよりも小さい時、タンク通路23の閉塞を検出するよう構成している(図4のステップS17参照)。
さらに、上述のCPU60はエンジン停止後、所定時間(例えば、4〜5時間)経過した時(図4のステップS2参照)に異常を検出するよう構成している。
加えて、上述のCPU60は、キャニスタ22の大気開放口28側に設けられた診断モジュール25内の電動ポンプ41により燃料タンク15からキャニスタ22までの経路(タンク通路23)を減圧するよう構成している。
図4は異常検出処理を示すフローチャート、図5は異常検出処理を示すタイムチャートであって、以下、図4のフローチャート、図5のタイムチャートを参照して蒸発燃料処理システムの異常検出について詳述する。
ステップS1で、CPU60はイグニッションスイッチ50、外気温センサ51等からの必要な各種信号の読込みを実行する。
次のステップS2で、CPU60はイグニッションスイッチ50のOFF(図5の時点t1参照)後、CPU内蔵タイマが所定時間(4〜5時間)経過した時(図5の時点t2参照)、診断部63を起動する。
つまり、車両停止直後では排気管熱などの影響を受けて、診断誤差因子となる蒸発燃料の発生が過多となるので、エンジン停止後、所定時間が経過した時に診断部63を起動する。
次のステップS3で、CPU60は外気温センサ51からの入力により外気温が所定温度内で診断実行条件が成立したか否かを判定し、NO判定時にはステップS2にリターンする一方、YES判定時には診断条件判定フラグFをF=1として、次のステップS4に移行する。なお、外気温センサ51からの入力に加えて、大気圧を検出する大気圧センサからの入力を併用し、これらの外部環境条件に基づいて診断条件判定フラグFを立てるように構成してもよい。
次のステップS4で、CPU60はF=1に対応して、診断モジュール25内の電動ポンプ41を駆動し、流体がオリフィス42を通過する際の基準圧P0を圧力センサ47にて検出する(図5の時点t2〜t3参照)。
ステップS4で電動ポンプ41を駆動すると、切替弁40はノーマル位置であるから、流体は各要素41,48,45,ai,ca,46,42,47の順に循環し、オリフィス42を通るので、0.5mmφの小孔が存在する場合の基準圧P0を検出している。圧力が基準圧P0を下回ると各通路23,24に小孔があいていないことになる。
次のステップS5で、CPU60は燃料タンク15内のレベルゲージ33からの入力に基づいて減圧開始前の燃料レベルとしての液面リーク診断前の基準高さH0を検出する(図5の時点t2〜t3参照)。
次のステップS6で、CPU60は診断モジュール25内の切替弁40を切替えて、その各ポートca,CPUを連通させ、電動ポンプ41の吸引力を各通路23,24に作用させる。つまり、切替弁40を切替えて、電動ポンプ41による吸引力を各通路23,24に作用させることで、各通路23,24および燃料タンク15内を負圧化し、各要素23,24,15内を基準圧P0以下に負圧化することを目的とする処理である(図5の時点t3〜t5参照)。
次のステップS7で、CPU60は所定時間経過後に圧力センサ47で検出圧P1を検出すると共に、検出圧P1と基準圧P0とを比較して、P1<P0か否かを判定する。
NO判定時(P1≧P0の時)には、検出圧P1が負圧にならず、通路23,24に孔があいており、孔から空気が入ってくる状態であるので、ステップS16に移行して、CPU60はシステム内(各通路23,24内)にリークがあると判定(異常判定)する。
YES判定時(P1<P0の時)には次のステップS8に移行し、このステップS8で、CPU60は燃料タンク15内のレベルゲージ33からの入力に基づいて減圧中の燃料レベルとしての液面リーク診断中の検出高さH1を検出する(図5の時点t4〜t5参照)。
次のステップS9で、CPU60は減圧開始前の燃料レベル(基準高さH0)と、減圧中の燃料レベル(検出高さH1)との差(H1−H0)が設定値△Hよりも小さいか否かを判定する。
電動ポンプ41による負圧吸引力が燃料タンク15内に作用し、燃料タンク15内が負圧になると、燃料タンク15内の燃料液面は上昇し、検出高さH1は基準高さH0よりも高くなる。
そこで、ステップS9でのYES判定時(H1−H0=△Hの時)には負圧が正常に燃料タンク15内に作用しているので、次のステップS10に移行する一方、燃料液面の高さが変わらないH1=H0の時、つまり検出高さH1と基準高さH0との差(H1−H0)が設定値△Hよりも小さい時(NO判定時)には、別のステップS17に移行する。
このステップS17で、CPU60は燃料タンク15とキャニスタ22との間のタンク通路23に閉塞があると判定(異常判定)する。
一方、上述のステップS10では、H1−H0=△Hで正常な状態にあることに対応して、診断モジュール25から燃料タンク15までの間の診断を完了する。
次のステップS11で、CPU60はパージ弁Vを開弁し、パージ通路24に大気を導入する(図5の時点t5〜t6参照)。つまり、エンジン停止後においては吸気通路12内は大気圧になっており、パージ弁Vを開くことで、大気をパージ通路24に導入するものである。そして、このステップS11では、パージ弁Vの開弁後、圧力センサ47によりパージ弁開弁後の圧力P2を検出する。パージ通路24が正常であれば該パージ通路24の圧力は負圧から大気圧に戻ろうとする。
次のステップS12で、CPU60は上記圧力P2が大気圧になったか否かを判定し、YES判定時には次のステップS13に移行し、NO判定時(圧力P2が大気圧に戻らない場合)には、別のステップS18に移行する。
このステップS18で、CPU60はパージ通路24の閉塞、または、パージ弁Vの固着に起因して圧力P2が大気圧に戻らないことに対応し、パージ通路24の閉塞(パージ弁Vの固着を含む)があると判定(異常判定)する。
このステップS18で、CPU60はパージ通路24の閉塞、または、パージ弁Vの固着に起因して圧力P2が大気圧に戻らないことに対応し、パージ通路24の閉塞(パージ弁Vの固着を含む)があると判定(異常判定)する。
一方、上述のステップS13で、CPU60は電動ポンプ41の駆動を継続すると共に、切替弁40を元のノーマル位置に戻す(図5の時点t6参照)。切替弁40がノーマル位置に戻ると、流体はオリフィス42を通過するので、このオリフィス通過時の基準圧P0´を再検出する(図5の時点t6〜t7参照)。
次のステップS14で、CPU60はステップS4で検出した基準圧P0と、ステップS13で再検出した基準圧P0´とを比較して、これら両者P0,P0´が略等しいか否か、換言すれば、基準圧P0´が基準圧P0のしきい値以内か否かを判定し、YES判定時には次のステップS15で、CPU60はパージ通路24にリークがなく正常であると判定する一方、NO判定時には別のステップS19に移行する。
このステップS19で、CPU60は基準圧P0と基準圧P0´との間にしきい値以上の差があると認定して、診断モジュール25それ自体の故障であると判定(異常判定)する。
つまり、上述の各ステップS13,S14,S15では、切替弁40をOFFにして基準圧P0´を再検出し、予め検出した基準圧P0とを比較し、これら両者P0´,P0が略等しいことを確認し、各通路23,24および燃料タンク15内の診断が確実に実施されていることを確認している。
なお。図4に示すフローチャートの各ステップは、その処理内容に対応した手段を構成するものである。
このように、上記実施例の蒸発燃料処理システムの異常検出装置は、燃料タンク15と、該燃料タンク15から発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタ22と、上記燃料タンク15と上記キャニスタ22とを連結するタンク通路23と、上記キャニスタ22とエンジン1の吸気通路12とを連結するパージ通路24と、該パージ通路24に配設され、上記キャニスタ22に吸着された蒸発燃料を上記吸気通路12にパージするパージ制御弁(パージ弁V参照)と、上記燃料タンク15から上記キャニスタ22までの経路(タンク通路23)を減圧し、その時の圧力P1に基づいて当該経路の異常を検出する異常検出手段(CPU60参照)と、を備えた蒸発燃料処理システムの異常検出装置であって、上記燃料タンク15の燃料レベルを検出する燃料レベル検出手段(レベルゲージ33参照)を備え、上記異常検出手段(CPU60)は、減圧中に上記燃料レベル検出手段(レベルゲージ33)により検出された燃料レベルH1の変化に基づいて上記タンク通路23の閉塞を検出するよう構成されたものである(図1〜図4参照)。
この構成は、減圧中においてタンク通路23に閉塞がない場合には、燃料タンク15内の液面が上昇することに着目して、減圧中の燃料レベル変動に基づいてタンク通路23の閉塞の有無を検出するものである。
このため、上記構成によれば、燃料タンク15に別途圧力センサを設けることなく、既存の燃料レベル検出手段(レベルゲージ33)を有効利用して、燃料レベルを検出することにより、燃料タンク15からキャニスタ22までの経路(タンク通路23)の閉塞の有無を確実に検出することができる。
なお、タンク通路23の閉塞としては、キャニスタ22内の活性炭や燃料あるいはゴミ等がタンク通路23内に侵入することによる閉塞、または、タンク通路23を構成するパイプやホースそれ自体の潰れがある。
なお、タンク通路23の閉塞としては、キャニスタ22内の活性炭や燃料あるいはゴミ等がタンク通路23内に侵入することによる閉塞、または、タンク通路23を構成するパイプやホースそれ自体の潰れがある。
また、この発明の一実施形態においては、上記異常検出手段(CPU60)は、減圧開始前の燃料レベル(基準高さH0参照)と、減圧中の燃料レベル(検出高さH1参照)との差(H1−H0)が設定値△Hよりも小さい時、上記タンク通路23の閉塞を検出するものである(図4参照)。
この構成によれば、減圧開始前の燃料レベル(基準高さH0)と、減圧中の燃料レベル(検出高さH1)とを検出している。つまり、燃料タンク15の液面に負圧を作用させる前と負圧作用中の液面の変動を検出し、上記差(H1−H0)が小さい時にはタンク通路23に閉塞があることを検出するものである。
このため、液面に負圧が作用したか否かを高精度で検出することができる。
このため、液面に負圧が作用したか否かを高精度で検出することができる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記異常検出手段(CPU60)は、エンジン1の停止時に異常を検出するものである(図4参照)。
この構成によれば、エンジン停止時に異常を検出するので、通常の車両挙動による燃料液面の変動の影響を受けないので、異常検出中における燃料レベル変化を精度よく検出することができる。
さらにまた、この発明の一実施形態においては、上記異常検出手段(CPU60)は、エンジン停止後所定時間(例えば、4〜5時間)経過した時に異常を検出するものである(図4参照)。
この構成によれば、エンジン停止後で、かつ所定時間(例えば、4〜5時間)経過時に異常を検出するので、診断誤差因子となる排気管熱などの影響を受けることなく、蒸発燃料の発生が収まった状態で異常検出を実行するので、誤検出が防止できる。
加えて、この発明の一実施形態においては、上記異常検出手段(CPU60)は、上記キャニスタ22の大気開放口28側に設けられたポンプ(電動ポンプ41参照)により上記燃料タンク15からキャニスタ22までの経路を減圧するものである(図1、図2参照)。
この構成によれば、キャニスタ22を通して空気を大気開放口28から外部に放出するので、蒸発燃料はキャニスタ22にトラップ(trap、捕捉)され、クリーンな気体だけを外部に放出することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の異常検出手段は、実施例のCPU60およびCPU制御による各ステップS9,S17に対応し、
以下同様に、
燃料レベル検出手段は、レベルゲージ33に対応し、
パージ制御弁は、パージ弁Vに対応し、
ポンプは、電動ポンプ41に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
この発明の異常検出手段は、実施例のCPU60およびCPU制御による各ステップS9,S17に対応し、
以下同様に、
燃料レベル検出手段は、レベルゲージ33に対応し、
パージ制御弁は、パージ弁Vに対応し、
ポンプは、電動ポンプ41に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、燃料タンクと、該燃料タンクから発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、上記燃料タンクと上記キャニスタとを連結するタンク通路と、上記キャニスタとエンジンの吸気通路とを連結するパージ通路と、該パージ通路に配設され、上記キャニスタに吸着された蒸発燃料を上記吸気通路にパージするパージ制御弁と、上記燃料タンクから上記キャニスタまでの経路を減圧し、その時の圧力に基づいて当該経路の異常を検出する異常検出手段と、を備えた蒸発燃料処理システムの異常検出装置について有用である。
1…エンジン
15…燃料タンク
22…キャニスタ
23…タンク通路
24…パージ通路
28…大気開放口
33…レベルゲージ(燃料レベル検出手段)
41…電動ポンプ(ポンプ)
60…CPU(異常検出手段)
V…パージ弁(パージ制御弁)
S9,S17…異常検出手段
15…燃料タンク
22…キャニスタ
23…タンク通路
24…パージ通路
28…大気開放口
33…レベルゲージ(燃料レベル検出手段)
41…電動ポンプ(ポンプ)
60…CPU(異常検出手段)
V…パージ弁(パージ制御弁)
S9,S17…異常検出手段
Claims (5)
- 燃料タンクと、
該燃料タンクから発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
上記燃料タンクと上記キャニスタとを連結するタンク通路と、
上記キャニスタとエンジンの吸気通路とを連結するパージ通路と、
該パージ通路に配設され、上記キャニスタに吸着された蒸発燃料を上記吸気通路にパージするパージ制御弁と、
上記燃料タンクから上記キャニスタまでの経路を減圧し、その時の圧力に基づいて当該経路の異常を検出する異常検出手段と、を備えた蒸発燃料処理システムの異常検出装置であって、
上記燃料タンクの燃料レベルを検出する燃料レベル検出手段を備え、
上記異常検出手段は、減圧中に上記燃料レベル検出手段により検出された燃料レベルの変化に基づいて上記タンク通路の閉塞を検出するよう構成されたことを特徴とする
蒸発燃料処理システムの異常検出装置。 - 上記異常検出手段は、減圧開始前の燃料レベルと、減圧中の燃料レベルとの差が設定値よりも小さい時、上記タンク通路の閉塞を検出することを特徴とする
請求項1に記載の蒸発燃料処理システムの異常検出装置。 - 上記異常検出手段は、エンジン停止時に異常を検出することを特徴とする
請求項1または2に記載の蒸発燃料処理システムの異常検出装置。 - 上記異常検出手段は、エンジン停止後所定時間経過した時に異常を検出することを特徴とする
請求項3に記載の蒸発燃料処理システムの異常検出装置。 - 上記異常検出手段は、上記キャニスタの大気開放口に設けられたポンプにより上記燃料タンクからキャニスタまでの経路を減圧することを特徴とする
請求項1〜4の何れか一項に記載の蒸発燃料処理システムの異常検出装置。
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JP2016221710A JP2018080597A (ja) | 2016-11-14 | 2016-11-14 | 蒸発燃料処理システムの異常検出装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11927153B2 (en) | 2021-10-14 | 2024-03-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Diagnostic system for evaporated fuel treatment system |
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-
2016
- 2016-11-14 JP JP2016221710A patent/JP2018080597A/ja active Pending
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