JP2009264207A - エバポガスパージシステムのフロー診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料タンクからエンジン吸気系までのエバポガス通路のうちの圧力センサよりも燃料タンク側の通路の詰まりの有無を精度良く判定できるようにする。
【解決手段】エンジン運転中にパージ制御弁15を開弁してエンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入した後、パージ制御弁15を閉弁してエバポ系を密閉した状態で、キャニスタ13に接続されたリークチェックモジュール17の圧力センサにより検出したエバポ系内の圧力の挙動(負圧導入後の検出圧力挙動)に基づいて、圧力センサよりも燃料タンク11側の通路であるエバポ通路12の詰まりの有無を判定する負圧導入後フロー診断を行う。これにより、エバポ通路12(圧力センサよりも燃料タンク11側のエバポガス通路)に詰まりが発生した場合と、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態の場合とを精度良く区別して、エバポ通路12の詰まりの有無を精度良く判定する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン運転中にパージ制御弁15を開弁してエンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入した後、パージ制御弁15を閉弁してエバポ系を密閉した状態で、キャニスタ13に接続されたリークチェックモジュール17の圧力センサにより検出したエバポ系内の圧力の挙動(負圧導入後の検出圧力挙動)に基づいて、圧力センサよりも燃料タンク11側の通路であるエバポ通路12の詰まりの有無を判定する負圧導入後フロー診断を行う。これにより、エバポ通路12(圧力センサよりも燃料タンク11側のエバポガス通路)に詰まりが発生した場合と、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態の場合とを精度良く区別して、エバポ通路12の詰まりの有無を精度良く判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガス(燃料蒸発ガス)を内燃機関の吸気系にパージ(放出)するためのエバポガス通路の詰まりの有無を判定するエバポガスパージシステムのフロー診断装置に関する発明である。
従来より、エバポガスパージシステムにおいては、燃料タンク内で発生するエバポガスが大気中に漏れ出すことを防止するために、燃料タンク内で発生したエバポガスをキャニスタ内に吸着し、このキャニスタと内燃機関の吸気系とを連通するパージ通路に設けたパージ制御弁を開弁することで、吸気系の負圧を利用してキャニスタ内に吸着されているエバポガスを吸気系へパージするようにしている。このエバポガスパージシステムから大気中にエバポガスが漏れる状態が長時間放置されるのを防止するために、エバポガスの漏れを早期に検出する必要がある。
そこで、特許文献1(特開2004−300997号公報)に記載されているように、エバポガスパージシステムのキャニスタに、圧力センサ、負圧ポンプ、基準圧力検出部、通路切換弁等を備えたリークチェックモジュールを接続し、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入して圧力センサで基準圧力を検出した後、通路切換弁で負圧ポンプの負圧導入経路を切り換えて、燃料タンクを含むエバポ系内に負圧を導入して圧力センサでエバポ系内の圧力を検出し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較してエバポ系のリーク(漏れ)の有無を精度良く判定するようにしたものがある。
特開2004−300997号公報(第2頁等)
ところで、エバポガスパージシステムでは、燃料タンク内のエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするためのエバポガス通路が異物等の詰まりや配管の潰れにより詰まった状態になると、燃料タンク内のエバポガスを吸気系にパージできなくなってしまう。そこで、本発明者は、内燃機関の運転中にパージ制御弁を開弁して吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに圧力センサで検出したエバポ系内の圧力の挙動(例えば低下速度)に基づいてエバポガス通路の詰まりの有無を判定するフロー診断を研究しているが、その研究過程で次のような新たな課題が判明した。
上記特許文献1の技術のように、エバポガスパージシステムのキャニスタにリークチェックモジュールを接続した構成は、燃料タンクから内燃機関の吸気系までのエバポガス通路の途中に配置したキャニスタに圧力センサを接続した構成となっている。この構成では、圧力センサ(キャニスタ)よりも吸気系側のエバポガス通路に詰まりが発生した場合(図4参照)には、吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに、圧力センサの検出位置では圧力があまり低下しないか又は圧力の低下速度が遅くなるため、負圧導入中の圧力センサの検出圧力挙動を監視することで、エバポガス通路の詰まりを検出することができる。
しかし、圧力センサ(キャニスタ)よりも燃料タンク側のエバポガス通路に詰まりが発生した場合(図7参照)と、燃料タンク内の燃料量が満杯状態でエバポガス通路のエバポガス導入口がシャットオフバルブで閉鎖された場合(図6参照)は、いずれも吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに、圧力センサの検出位置では圧力が比較的速やかに低下するため、負圧導入中の圧力センサの検出圧力挙動(例えば低下速度)の差が少なくなる。このため、負圧導入中の圧力センサの検出圧力挙動を監視しても、圧力センサよりも燃料タンク側のエバポガス通路に詰まりが発生した場合と、燃料タンク内の燃料量が満杯状態の場合とを区別することが難しくなり、圧力センサよりも燃料タンク側のエバポガス通路の詰まりの有無を精度良く判定することが困難である。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路の詰まりの有無を精度良く判定することができるエバポガスパージシステムのフロー診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするためのエバポガス通路を備えたエバポガスパージシステムにおいて、燃料タンクを含むエバポ系内の圧力を検出する圧力検出手段をエバポガス通路の途中に設け、エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態で圧力検出手段により検出したエバポ系内の圧力の挙動に基づいてエバポガス通路の詰まりの有無を判定する負圧導入後フロー診断をフロー診断手段により行うようにしたものである。
燃料タンク内の燃料量が満杯状態の場合には、エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態に維持すると、圧力検出手段の検出位置では圧力がある程度上昇してから安定するという挙動を示すが、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路に詰まりが発生した場合には、エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態に維持すると、圧力検出手段の検出位置では圧力があまり上昇せずに安定するという挙動を示す。
このような圧力挙動の相違を考慮して、エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態で圧力検出手段により検出したエバポ系内の圧力の挙動に基づいてエバポガス通路の詰まりの有無を判定する負圧導入後フロー診断を行うようにすれば、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路に詰まりが発生した場合と、燃料タンク内の燃料量が満杯状態の場合とを精度良く区別することが可能となり、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路の詰まりの有無を精度良く判定することができる。
この場合、請求項2のように、エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態で圧力検出手段により検出したエバポ系内の圧力の挙動に基づいて燃料タンク内の燃料量が満杯状態であるか否かを満杯判定手段により判定し、燃料タンク内の燃料量が満杯状態であると判定されたときに負圧導入後フロー診断を診断禁止手段により禁止するようにしても良い。このようにすれば、燃料タンク内の燃料量が満杯状態のときに、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路の詰まり無し(正常)と誤判定することを未然に防止することができる。
更に、請求項3のように、燃料タンク内の燃料量が満杯状態であると判定された後に該燃料タンク内の燃料が所定量以上消費されたか否かを燃料消費判定手段により判定し、燃料タンク内の燃料が所定量以上消費されたと判定されたときに負圧導入後フロー診断を診断許可手段により許可するようにしても良い。このようにすれば、燃料タンク内の燃料が所定量以上消費されて燃料タンク内の燃料量が満杯状態でなくなってから、負圧導入後フロー診断を行うことができ、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路の詰まりの有無を判定することができる。
前述したように、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路に詰まりが発生した場合と、燃料タンク内の燃料量が満杯状態の場合とでは、いずれもエバポ系内に負圧を導入するときに、圧力検出手段の検出位置では圧力が比較的速やかに低下するため、負圧導入中の検出圧力挙動を監視することで、圧力検出手段よりも燃料タンク側のエバポガス通路が詰まっている可能性が有る(つまり、エバポガス通路が詰まっている可能性も有るが、燃料タンク内の燃料量が満杯状態である可能性も有る)か否かを判定することができる。
そこで、請求項4のように、負圧導入後フロー診断を行う前にエバポ系内に負圧を導入するときに圧力検出手段により検出したエバポ系内の圧力の挙動に基づいてエバポガス通路が詰まっている可能性が有るか否かを判定し、エバポガス通路が詰まっている可能性が有ると判定された場合に負圧導入後フロー診断を実行するようにしても良い。このようにすれば、負圧導入後フロー診断を行う前に負圧導入中の検出圧力挙動に基づいてエバポガス通路が詰まっている可能性が有る(つまり、エバポガス通路が詰まっている可能性も有るが、燃料タンク内の燃料量が満杯状態である可能性も有る)と判定された場合のみ、負圧導入後フロー診断を実行するようにできるため、エバポガス通路が詰まっている可能性が無いにも拘らず、負圧導入後フロー診断を実行するという無駄な診断処理を未然に回避することができる。
本発明は、様々な構成のエバポガスパージシステムに適用可能であり、例えば、請求項5のように、圧力検出手段と、エバポ系内に所定の圧力を導入するためのポンプと、所定孔径の基準孔が形成された基準圧力検出部と、ポンプで基準圧力検出部内に所定の圧力を導入する経路とポンプでエバポ系内に所定の圧力を導入する経路とを切り換える通路切換弁とを有する圧力導入検出装置を設け、通路切換弁でポンプの圧力導入経路を切り換えて、基準圧力検出部内に所定の圧力を導入して基準孔で規制された圧力(以下「基準圧力」という)を検出する基準圧力検出処理と、エバポ系内に所定の圧力を導入して該エバポ系内の圧力を検出するエバポ系内圧力検出処理とを実行し、基準圧力と前記エバポ系内の圧力とを比較してエバポ系のリークの有無を判定するリーク診断をリーク診断手段により行うようにしても良い。このようにすれば、エバポ系のリーク(漏れ)の有無を精度良く判定することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図10に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの概略構成を説明する。
燃料タンク11には、エバポ通路12(エバポガス通路)を介してキャニスタ13が接続されている。このキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。
まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの概略構成を説明する。
燃料タンク11には、エバポ通路12(エバポガス通路)を介してキャニスタ13が接続されている。このキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。
一方、キャニスタ13とエンジン吸気系との間には、キャニスタ13内の吸着体に吸着されているエバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するためのパージ通路14(エバポガス通路)が設けられ、このパージ通路14の途中に、パージ流量を制御するパージ制御弁15が設けられている。このパージ制御弁15は、常閉型の電磁弁により構成され、通電をデューティ制御することで、キャニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ流量を制御するようになっている。
燃料タンク11からパージ制御弁15までのエバポ系のリーク診断を行うために、キャニスタ13には、リークチェックモジュール17(圧力導入検出装置)が取り付けられている。このリークチェックモジュール17は、図2に示すように、キャニスタ13側に接続されたキャニスタ連通路18に、通路切換弁19を介して大気連通路20と負圧導入路21とが接続されている。大気連通路20は、大気側に直接連通するように設けられ、負圧導入路21は、チェック弁22と電動式の負圧ポンプ23とを介して大気連通路20の途中に接続されている。負圧ポンプ23の駆動中は、チェック弁22が開弁して負圧導入路21から大気連通路20へガスを排出し、負圧ポンプ23の停止中は、チェック弁22が閉弁して大気連通路20から負圧導入路21への大気の逆流を阻止するようになっている。
通路切換弁19は、キャニスタ連通路18と大気連通路20とを接続する大気開放位置Bと、キャニスタ連通路18と負圧導入路21とを接続する負圧導入位置Aとの間を切換動作可能な電磁弁により構成されている。
また、キャニスタ連通路18と負圧導入路21との間には、通路切換弁19をバイパスするバイパス通路24が接続され、このバイパス通路24の途中に、基準オリフィス25(基準孔)が設けられている。この基準オリフィス25は、通路内径がバイパス通路24の他の部位の通路内径よりも大幅に絞られて基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)になるように形成されている。この基準オリフィス25と、バイパス通路24のうちの基準オリフィス25から負圧導入路21につながる通路24aとによって基準圧力検出部37が構成され、この基準圧力検出部37に、圧力センサ26(圧力検出手段)が設けられている。
パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が負圧導入位置Aに切り換えられているときには、エバポ系が密閉されて、基準圧力検出部37の圧力センサ26の周辺部分が負圧導入路21とキャニスタ連通路18を介してエバポ系内に連通するため、圧力センサ26により基準圧力検出部37内の圧力を検出することでエバポ系内の圧力を検出することができる。
そして、通路切換弁19が負圧導入位置Aに切り換えられてエバポ系が密閉された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、エバポ系内のガスがキャニスタ13を通って大気側に排出されて、エバポ系内に負圧が導入される。
一方、パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が大気開放位置Bに切り換えられているときには、バイパス通路24内(基準圧力検出部37内)が大気連通路20を介して大気に開放されるため、圧力センサ26により基準圧力検出部37内の圧力を検出することで大気圧を検出することができる。
そして、通路切換弁19が大気開放位置Bに切り換えられてエバポ系内が大気連通路20を介して大気に開放された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、基準オリフィス25の存在により基準圧力検出部37内が負圧になる。このとき、圧力センサ26により基準圧力検出部37内の圧力を検出することで、基準オリフィス25の基準リーク孔径に対応した基準圧力を検出することができる。
図1に示すように、エバポ通路12は、燃料タンク11内で第1の通路12aと第2の通路2bとに分岐され、第1の通路12aには、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態になったときに第1の通路12aのエバポガス導入口を閉鎖するシャットオフバルブ38が設けられ、第2の通路2bには、車両が傾斜したときや横転したときに第2の通路2bのエバポガス導入口を閉鎖するロールオーバーバルブ39が設けられている。
リークチェックモジュール17の圧力センサ26と、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ28と、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ29と、車速を検出する車速センサ30等の各種のセンサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)31に入力される。このECU31の電源端子には、メインリレー32を介して車載バッテリ(図示せず)から電源電圧が供給される。
この他、パージ制御弁15、通路切換弁19、負圧ポンプ23、圧力センサ26等に対しても、メインリレー32を介して電源電圧が供給される。メインリレー32のリレー接点32aを駆動するリレー駆動コイル32bは、ECU31のメインリレーコントロール端子に接続され、このリレー駆動コイル32bに通電することで、リレー接点32aがON(オン)して、ECU31等に電源電圧が供給される。そして、リレー駆動コイル32bへの通電をOFF(オフ)することで、リレー接点32aがOFFして、ECU31等への電源供給がOFFされる。
ECU31のキーSW端子には、イグニッションスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記する)33のON/OFF信号が入力される。IGスイッチ33をONすると、メインリレー32がONされて、ECU31等への電源供給が開始され、IGスイッチ33をOFFすると、メインリレー32がOFFされて、ECU31等への電源供給がOFFされる。
また、ECU31には、バックアップ電源34と、このバックアップ電源34を電源として計時動作するソークタイマ35が内蔵されている。このソークタイマ35は、エンジン停止後(IGスイッチ33のOFF後)に計時動作を開始してエンジン停止後の経過時間を計測する。前述したように、IGスイッチ33をOFFすると、メインリレー32がOFFされて、ECU31等への電源供給がOFFされるが、エンジン停止中にリーク診断を行うために、ソークタイマ35の計測時間(エンジン停止後の経過時間)が所定時間(例えば3〜5時間)に到達すると、ECU31のバックアップ電源34を電源にしてECU31のメインリレーコントロール端子の駆動回路を作動させてメインリレー32をONさせ、ECU31、パージ制御弁15、通路切換弁19、負圧ポンプ23、圧力センサ26等に電源電圧を供給するようになっている。
ECU31は、マイクロコンピュータを主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶された燃料噴射制御プログラム、点火制御プログラム及びパージ制御プログラムを実行することで、燃料噴射制御、点火制御及びパージ制御を行う。
更に、ECU31は、図示しないリーク診断ルーチンを実行することで、リーク診断手段として機能し、エンジン停止中にリークチェックモジュール17を制御して基準圧力とエバポ系内圧力を検出し、両者を比較してエバポ系のリークの有無を診断するリーク診断を行う。
ここで、ECU31が実行するエバポ系のリーク診断について説明する。エンジン運転停止(IGスイッチ33のOFF)から所定時間(例えば3〜5時間)が経過した時点で、基準圧力検出処理を開始する。この基準圧力検出処理では、パージ制御弁15を閉弁状態に維持すると共に通路切換弁19を大気開放位置Bに維持したまま負圧ポンプ23をONして、基準圧力検出部37内に負圧を導入し、基準圧力検出部37内への負圧導入開始から所定時間T0 が経過した時点で、基準圧力検出部37内の負圧が基準オリフィス25に対応した基準圧力付近で安定したと判断して、圧力センサ26により検出される基準圧力検出部37内の圧力を基準圧力P0 としてECU31のメモリに記憶する。
基準圧力P0 の検出後、エバポ系内圧力検出処理を開始する。このエバポ系内圧力検出処理では、負圧ポンプ23をON状態に維持したまま通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えて、負圧ポンプ23によりエバポ系内に負圧を導入する。エバポ系内への負圧導入開始から所定時間Tevp が経過した時点で、圧力センサ26によりエバポ系内の圧力Pevp を検出してECU31のメモリに記憶する。
この後、エバポ系内圧力Pevp とリーク判定値(例えば基準圧力P0 又はそれよりも少し低い圧力に設定された値)とを比較し、エバポ系内圧力Pevp がリーク判定値以下の場合には、リーク無しと判定する。一方、エバポ系内圧力Pevp がリーク判定値よりも高い場合には、リーク有りと判定する。その際、エバポ系内圧力Pevp が基準圧力P0 付近に収束していれば、基準オリフィス25の基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)相当のリーク孔と判定し、エバポ系内圧力Pevp が基準圧力P0 よりも高ければ、基準オリフィス25の基準リーク孔径よりも大きいリーク孔と判定する。
ところで、エバポガスパージシステムでは、燃料タンク11内のエバポガスをエンジン吸気系にパージするためのエバポガス通路(エバポ通路12やパージ通路14)が異物等の詰まりや配管の潰れにより詰まった状態になると、燃料タンク11内のエバポガスをエンジン吸気系にパージできなくなってしまう。
そこで、ECU31は、後述する図8の負圧導入中フロー診断ルーチンを実行することで、エンジン運転中にパージ制御弁15を開弁してエンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに圧力センサ26で検出したエバポ系内の圧力の挙動(以下「負圧導入中の検出圧力挙動」という)に基づいて、圧力センサ26(キャニスタ13)よりも吸気系側のエバポガス通路であるパージ通路14の詰まりの有無を判定する負圧導入中フロー診断を行う。
図3に示すように、パージ通路14(圧力センサ26よりも吸気系側のエバポガス通路)が正常な場合には、エンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに圧力センサ26の検出位置では圧力が低下するが、図4に示すように、パージ通路14に詰まりが発生した場合には、エンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに圧力センサ26の検出位置では圧力があまり低下しないか圧力の低下速度が遅くなる。このため、負圧導入中フロー診断を行って、負圧導入中の検出圧力挙動を監視することで、パージ通路14の詰まりを検出することができる。
しかし、図7に示すように、圧力センサ26(キャニスタ13)よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12に詰まりが発生した場合と、図6に示すように、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態でエバポ通路12の第1の通路12aのエバポガス導入口がシャットオフバルブ38で閉鎖された場合は、いずれもエンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに圧力センサ26の検出位置では圧力が比較的速やかに低下するため、負圧導入中の検出圧力挙動(例えば低下速度)の差が少なくなる。このため、負圧導入中の検出圧力挙動を監視しても、エバポ通路12(圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路)に詰まりが発生した場合と、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態の場合とを区別することが難しくなり、エバポ通路12の詰まりの有無を精度良く判定することは困難である。
そこで、ECU31は、後述する図9及び図10の負圧導入後フロー診断ルーチンを実行することで、エンジン運転中にパージ制御弁15を開弁してエンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入した後、パージ制御弁15を閉弁してエバポ系を密閉した状態で圧力センサ26により検出したエバポ系内の圧力の挙動(負圧導入後の検出圧力挙動)に基づいて、圧力センサ26(キャニスタ13)よりも燃料タンク11側の通路であるエバポ通路12の詰まりの有無を判定する負圧導入後フロー診断を行う。
図6に示すように、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態の場合には、エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態に維持すると、圧力センサ26の検出位置では圧力がある程度上昇してから安定するという挙動を示すが、図7に示すように、エバポ通路12(圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路)に詰まりが発生した場合には、エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態に維持すると、圧力センサ26の検出位置では圧力があまり上昇せずに安定するという挙動を示す。
こののような圧力挙動の相違を考慮して、負圧導入後フロー診断を行って、負圧導入後の検出圧力挙動(エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態で圧力センサ26により検出したエバポ系内の圧力の挙動)を監視するようにすれば、エバポ通路12(圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路)に詰まりが発生した場合と、燃料タンク11が満杯状態の場合とを精度良く区別して、エバポ通路12の詰まりの有無を精度良く判定することができる。
以上説明した負圧導入中フロー診断と負圧導入後フロー診断は、ECU31によって図8乃至図10のフロー診断用の各ルーチンに従って実行される。以下、これらの各ルーチンの処理内容を説明する。
[負圧導入中フロー診断ルーチン]
図8に示す負圧導入中フロー診断ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、負圧導入中フロー診断実行条件が成立しているか否かを、例えば、エンジン運転状態(エンジン回転速度や負荷等)が安定しているか否か等によって判定する。
図8に示す負圧導入中フロー診断ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、負圧導入中フロー診断実行条件が成立しているか否かを、例えば、エンジン運転状態(エンジン回転速度や負荷等)が安定しているか否か等によって判定する。
このステップ101で、負圧導入中フロー診断実行条件が不成立であると判定された場合には、ステップ102以降の負圧導入中フロー診断に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101で、負圧導入中フロー診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ102以降の負圧導入中フロー診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ102で、通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えて、エバポ系と大気との連通を遮断した後、ステップ103に進み、パージ制御弁15を開弁して、エンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入する。
この後、ステップ104に進み、圧力センサ26の検出圧力P(圧力センサ26で検出したエバポ系内の圧力)が所定値P1 以下に低下したか否かを判定する。このステップ104で、圧力センサ26の検出圧力Pが所定値P1 以上であると判定された場合には、ステップ105に進み、負圧導入時間(負圧導入の継続時間)を計測する負圧導入時間カウンタCOUNTAのカウント値をインクリメントした後、ステップ106に進み、負圧導入時間カウンタCOUNTAのカウント値が所定値T1 を越えたか否かを判定し、負圧導入時間カウンタCOUNTAのカウント値が所定値T1 を越えていなければ、そのまま本ルーチンを終了する。
その後、上記ステップ106で負圧導入時間カウンタCOUNTAのカウント値が所定値T1 を越えたと判定される前に、上記ステップ104で圧力センサ26の検出圧力Pが所定値P1 以下に低下したと判定された場合(図3参照)には、ステップ108に進み、圧力センサ26よりも吸気系側のエバポガス通路であるパージ通路14の詰まり無し(正常)と判定する。
これに対して、上記ステップ104で圧力センサ26の検出圧力Pが所定値P1 以下に低下したと判定されることなく、上記ステップ106で負圧導入時間カウンタCOUNTAのカウント値が所定値T1 を越えたと判定された場合(図4参照)には、ステップ107に進み、圧力センサ26よりも吸気系側のエバポガス通路であるパージ通路14の詰まり有りと判定して、異常判定時の処理を実行する。この異常判定時の処理では、例えば、異常フラグをONにセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ36を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU31のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU31の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶する。
以上のようにして圧力センサ26よりも吸気系側のエバポガス通路であるパージ通路14の詰まりの有無を判定した後、ステップ109に進み、パージ制御弁15を閉弁して、通路切換弁19を大気開放位置Bに切り換えると共に、負圧導入時間カウンタCOUNTAのカウント値を「0」にリセットした後、本ルーチンを終了する。
[負圧導入後フロー診断ルーチン]
図9及び図10に示す負圧導入後フロー診断ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうフロー診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、負圧導入後フロー診断実行条件が成立しているか否かを、例えば、エンジン運転状態(エンジン回転速度や負荷等)が安定しているか否か、前述した負圧導入中フロー診断ルーチンで正常判定されたか否か等によって判定する。
図9及び図10に示す負圧導入後フロー診断ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうフロー診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、負圧導入後フロー診断実行条件が成立しているか否かを、例えば、エンジン運転状態(エンジン回転速度や負荷等)が安定しているか否か、前述した負圧導入中フロー診断ルーチンで正常判定されたか否か等によって判定する。
このステップ201で、負圧導入後フロー診断実行条件が不成立であると判定された場合には、ステップ202以降の負圧導入後フロー診断に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ201で、負圧導入後フロー診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ202以降の負圧導入後フロー診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ202で、後述する圧力上昇中フラグXPUPが「0」であるか否かを判定し、圧力上昇中フラグXPUPが「0」であると判定されれば、ステップ203に進み、通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えて、エバポ系と大気との連通を遮断した後、ステップ204に進み、パージ制御弁15を開弁して、エンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入する。
この後、ステップ205に進み、圧力センサ26の検出圧力P(圧力センサ26で検出したエバポ系内の圧力)が所定値K1 以下に低下したか否かを判定する。このステップ205で、圧力センサ26の検出圧力Pが所定値K1 以上であると判定された場合には、ステップ206に進み、負圧導入時間(負圧導入の継続時間)を計測する負圧導入時間カウンタCOUNTBのカウント値をインクリメントした後、本ルーチンを終了する。
その後、上記ステップ205で、圧力センサ26の検出圧力Pが所定値K1 以下に低下したと判定された時点で、エバポ系内への負圧導入が完了したと判断して、ステップ207に進み、パージ制御弁15を閉弁して、エバポ系内への負圧導入処理を終了してエバポ系を密閉した状態にする。
この後、図10のステップ208に進み、負圧導入時間カウンタCOUNTBのカウント値が所定値T2 以下であるか否かによって、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12が詰まっている可能性が有る(つまり、エバポ通路12が詰まっている可能性も有るが、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態である可能性も有る)か否かを判定する。
このステップ208で、負圧導入時間カウンタCOUNTBのカウント値が所定値T2 を越えていると判定された場合(図5参照)には、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12が詰まっている可能性が無いと判断して、負圧導入後フロー診断を実行することなく、ステップ209に進み、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12の詰まり無し(正常)と判定する。
一方、上記ステップ208で、負圧導入時間カウンタCOUNTBのカウント値が所定値T2 以下であると判定された場合(図6,7参照)には、エンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入するときに圧力センサ26の検出圧力Pが比較的速やかに低下したため、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12が詰まっている可能性が有る(つまり、エバポ通路12が詰まっている可能性も有るが、燃料タンク11が満杯状態である可能性も有る)と判断して、次のようにして負圧導入後フロー診断を開始する。
まず、ステップ210で、圧力センサ26の検出圧力の今回値P(i) と前回値P(i-1) との差ΔPを算出して前回処理時からの圧力上昇量ΔP(圧力上昇率)を求めた後、ステップ211に進み、当該圧力上昇量ΔPが所定値KPよりも小さいか否かによって、圧力センサ26の検出圧力Pが安定したか否かを判定する。
このステップ211で、圧力上昇量ΔPが所定値KP以上であると判定された場合には、圧力センサ26の検出圧力Pが上昇中(安定してしない)と判断して、ステップ212に進み、圧力上昇中フラグXPUPを「1」にセットして、本ルーチンを終了する。
ステップ212で圧力上昇中フラグXPUPが「1」にセットされた後は、上記ステップ202から上記ステップ210に進み、圧力上昇量ΔPを算出する毎に、圧力上昇量ΔPが所定値KPよりも小さいか否かを判定する処理(ステップ210、211)を繰り返す。
その後、上記ステップ211で、圧力上昇量ΔPが所定値KPよりも小さいと判定されたときに、圧力センサ26の検出圧力Pが安定したと判断して、ステップ213に進み、圧力センサ26の検出圧力Pが所定の正常範囲内(K2 <P<K3 )であるか否かを判定する。
このステップ213で、圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲内(K2 <P<K3 )であると判定された場合(図6参照)には、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であるため、圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲内まで上昇してから安定したと判断して、ステップ209に進み、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12の詰まり無し(正常)と判定する。
一方、上記ステップ213で、圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲外(P≦K2 又はK3 ≦P)であると判定された場合には、ステップ214に進み、圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲の上限値K3 以上であるか否かを判定し、圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲の上限値K3 よりも低い(つまり圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲の下限値K2 以下である)と判定された場合には、ステップ215に進み、圧力センサ26の検出圧力Pが異常判定値K4 よりも低いか否かを判定する。ここで、異常判定値K4 は、正常範囲の下限値K2 よりも低い圧力に設定されている。
このステップ215で、圧力センサ26の検出圧力Pが異常判定値K4 よりも低いと判定された場合(図7参照)には、圧力センサ26の検出圧力があまり上昇せずに安定しているため、ステップ216に進み、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12の詰まり有りと判定して、所定の異常判定時の処理を実行する。
一方、上記ステップ215で、圧力センサ26の検出圧力Pが異常判定値K4 以上であると判定された場合には、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12の詰まりの有無を判定することなく、ステップ218に進む。
また、上記ステップ214で、圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲の上限値K3 以上であると判定された場合には、ステップ217に進み、エバポ系のリーク有りと判定して、所定の異常判定時の処理を実行する。
以上のようにして圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12の詰まりの有無を判定した後、ステップ218に進み、通路切換弁19を大気開放位置Bに切り換えると共に、負圧導入時間カウンタCOUNTBのカウント値を「0」にリセットした後、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例1では、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態の場合と、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12に詰まりが発生した場合とでは、負圧導入後の検出圧力挙動(エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態で圧力センサ26により検出したエバポ系内の圧力の挙動)が異なることに着目して、負圧導入後の検出圧力挙動に基づいてエバポ通路12の詰まりの有無を判定する負圧導入後フロー診断を行うようにしたので、エバポ通路12に詰まりが発生した場合と、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態の場合とを精度良く区別できて、エバポ通路12の詰まりの有無を精度良く判定することができる。
また、本実施例1では、負圧導入後フロー診断を行う前に、エバポ系内に負圧を導入するときに圧力センサ26の検出圧力Pが所定値K1 以下に低下するまでの負圧導入時間(負圧導入時間カウンタCOUNTBのカウント値)に基づいてエバポ通路12(圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路)が詰まっている可能性が有る(つまり、エバポ通路12が詰まっている可能性も有るが、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態である可能性も有る)か否かを判定し、エバポ通路12が詰まっている可能性が有ると判定された場合のみ、負圧導入後フロー診断を実行するようにしたので、エバポ通路12が詰まっている可能性が無いにも拘らず、負圧導入後フロー診断を実行することを未然に回避することができる。
次に、図11乃至図13を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、ECU31は、図11乃至図13の各ルーチンを実行することで、負圧導入後の検出圧力挙動(エバポ系内に負圧を導入した後にエバポ系を密閉した状態で圧力センサ26により検出したエバポ系内の圧力の挙動)に基づいて燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であるか否かを判定し、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であると判定されたときに負圧導入後フロー診断を禁止する。そして、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であると判定された後に該燃料タンク11内の燃料が所定量以上消費されたか否かを判定し、燃料タンク11内の燃料が所定量以上消費されたと判定されたときに負圧導入後フロー診断を許可するようにしている。
尚、図11及び図12のルーチンは、前記実施例1で説明した図9及び図10のルーチンにステップ201a、213aの処理を追加したものであり、これ以外の各ステップの処理は図9及び図10のルーチンと同じである。
[負圧導入後フロー診断ルーチン]
図11及び図12に示す負圧導入後フロー診断ルーチンでは、ステップ201で、負圧導入後フロー診断実行条件が成立していると判定されれれば、ステップ201aに進み、燃料タンク満杯フラグXFULLが燃料タンク11内の燃料量が満杯状態ではないことを意味する「0」であるか否かを判定し、燃料タンク満杯フラグXFULLが「0」であると判定された場合には、ステップ202以降の負圧導入後フロー診断に関する処理を実行する。
図11及び図12に示す負圧導入後フロー診断ルーチンでは、ステップ201で、負圧導入後フロー診断実行条件が成立していると判定されれれば、ステップ201aに進み、燃料タンク満杯フラグXFULLが燃料タンク11内の燃料量が満杯状態ではないことを意味する「0」であるか否かを判定し、燃料タンク満杯フラグXFULLが「0」であると判定された場合には、ステップ202以降の負圧導入後フロー診断に関する処理を実行する。
まず、通路切換弁19を負圧導入位置Aに切り換えると共にパージ制御弁15を開弁してエンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入した後に、パージ制御弁15を閉弁してエバポ系を密閉した状態にする(ステップ202〜207)。
この後、図12のステップ208で、負圧導入時間カウンタCOUNTBのカウント値が所定値T2 以下であると判定された場合には、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12が詰まっている可能性が有ると判断して、次のようにして負圧導入後フロー診断を開始する。
まず、圧力センサ26の検出圧力の圧力上昇量ΔPを求め、この圧力上昇量ΔPが所定値KPよりも小さいと判定されたときに、圧力センサ26の検出圧力Pが安定したと判断して、圧力センサ26の検出圧力Pが所定の正常範囲内(K2 <P<K3 )であるか否かを判定する(ステップ210〜213)。
圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲内(K2 <P<K3 )であると判定された場合には、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であるため、圧力センサ26の検出圧力Pが正常範囲内まで上昇してから安定したと判断して、負圧導入後フロー診断を中止して、ステップ213aに進み、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であると判定して、燃料タンク満杯フラグXFULLを燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であることを意味する「1」にセットする。これらのステップ213、213aの処理が特許請求の範囲でいう満杯判定手段としての役割を果たす。
このステップ213aで燃料タンク満杯フラグXFULLが「1」にセットされた後は、上記ステップ201aで「No」と判定されて、ステップ202以降の負圧導入後フロー診断に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了することで、負圧導入後フロー診断を禁止する。この処理が特許請求の範囲でいう診断禁止手段としての役割を果たす。
その後、後述する図13の燃料消費量判定ルーチンで、燃料タンク11内の燃料が所定量KFL以上消費されたと判定されて、燃料タンク満杯フラグXFULLが「0」にリセットされたときに、ステップ201aで「Yes」と判定されて、ステップ202以降の負圧導入後フロー診断に関する処理を実行することで、負圧導入後フロー診断を許可する。この処理が特許請求の範囲でいう診断許可手段としての役割を果たす。
[燃料消費判定ルーチン]
図13に示す燃料消費判定ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期(例えば燃料噴射周期)で実行され、特許請求の範囲でいう燃料消費判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、燃料タンク満杯フラグXFULLが「1」(満杯)にセットされているか否かを判定し、燃料タンク満杯フラグXFULLが「0」であると判定された場合には、ステップ302以降の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。
図13に示す燃料消費判定ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期(例えば燃料噴射周期)で実行され、特許請求の範囲でいう燃料消費判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、燃料タンク満杯フラグXFULLが「1」(満杯)にセットされているか否かを判定し、燃料タンク満杯フラグXFULLが「0」であると判定された場合には、ステップ302以降の処理を行うことなく本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ301で、燃料タンク満杯フラグXFULLが「1」にセットされていると判定された場合には、ステップ302に進み、先回までの総燃料噴射量に今回の燃料噴射量を加算して総燃料噴射量(燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であると判定された後の総燃料消費量)を求めた後、ステップ303に進み、総燃料噴射量が所定量KFL以上であるか否かによって、燃料タンク11内の燃料が所定量KFL以上消費されたか否かをを判定する。この所定量KFLは、例えば、エバポ通路12の第1の通路12aのエバポガス導入口がシャットオフバルブ38によって開放されるのに必要な燃料消費量に設定されている。
このステップ303で、総燃料噴射量が所定値KFL以上であると判定されたときに、燃料タンク11内の燃料が所定量KFL以上消費されて燃料タンク11内の燃料量が満杯状態でなくなったと判断して、ステップ304に進み、燃料タンク満杯フラグXFULLを「0」にリセットする。
以上説明した本実施例2では、負圧導入後の検出圧力挙動に基づいて燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であるか否かを判定し、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であると判定されたときに負圧導入後フロー診断を禁止するようにしたので、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態のときに、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12の詰まり無し(正常)と誤判定することを未然に防止することができる。
更に、本実施例2では、燃料タンク11内の燃料量が満杯状態であると判定された後に該燃料タンク11内の燃料が所定量以上消費されたか否かを判定し、燃料タンク11内の燃料が所定量以上消費されたと判定されたときに負圧導入後フロー診断を許可するようにしたので、燃料タンク11内の燃料が所定量以上消費されて燃料タンク11内の燃料量が満杯状態でなくなってから、負圧導入後フロー診断を行って、圧力センサ26よりも燃料タンク11側のエバポガス通路であるエバポ通路12の詰まりの有無を判定することができる。
尚、上記各実施例1,2では、負圧導入中フロー診断のためにエバポ系内に負圧を導入する処理と、負圧導入後フロー診断のためにエバポ系内に負圧を導入する処理とを別々に行うようにしたが、負圧導入中フロー診断のためにエバポ系内に負圧を導入した直後に連続的に負圧導入後フロー診断を行うようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、負圧導入中フロー診断と負圧導入後フロー診断を両方とも行うようにしたが、負圧導入後フロー診断のみを行うようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、負圧導入後フロー診断の際に、エンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入するようにしたが、リークチェックモジュール17の負圧ポンプ23でエバポ系内に負圧を導入するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、負圧導入後フロー診断の際に、エンジン吸気系からエバポ系内に負圧を導入するようにしたが、リークチェックモジュール17の負圧ポンプ23でエバポ系内に負圧を導入するようにしても良い。
その他、本発明は、図2に示すようなリークチェックモジュール17を備えた構成のエバポガスパージシステムに限定されず、種々の構成のエバポガスパージシステムに適用して実施できる。
11…燃料タンク、12…エバポ通路(エバポガス通路)、13…キャニスタ、14…パージ通路(エバポガス通路)、15…パージ制御弁、17…リークチェックモジュール(圧力導入検出装置)、19…通路切換弁、20…大気連通路、21…負圧導入路、23…負圧ポンプ、24…バイパス通路、25…基準オリフィス(基準孔)、26…圧力センサ(圧力検出手段)、31…ECU(フロー診断手段,満杯判定手段,診断禁止手段,燃料消費判定手段,診断許可手段,リーク診断手段)、37…基準圧力検出部
Claims (5)
- 燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするためのエバポガス通路を備えたエバポガスパージシステムにおいて、
前記エバポガス通路の途中で前記燃料タンクを含むエバポ系内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記エバポ系内に負圧を導入した後に前記エバポ系を密閉した状態で前記圧力検出手段により検出した前記エバポ系内の圧力の挙動に基づいて前記エバポガス通路の詰まりの有無を判定する負圧導入後フロー診断を行うフロー診断手段と
を備えていることを特徴とするエバポガスパージシステムのフロー診断装置。 - 前記エバポ系内に負圧を導入した後に前記パージ制御弁を閉弁して前記エバポ系を密閉した状態で前記圧力検出手段により検出した前記エバポ系内の圧力の挙動に基づいて前記燃料タンク内の燃料量が満杯状態であるか否かを判定する満杯判定手段と、
前記満杯判定手段により前記燃料タンク内の燃料量が満杯状態であると判定されたときに前記負圧導入後フロー診断を禁止する診断禁止手段と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエバポガスパージシステムのフロー診断装置。 - 前記満杯判定手段により前記燃料タンク内の燃料量が満杯状態であると判定された後に該燃料タンク内の燃料が所定量以上消費されたか否かを判定する燃料消費判定手段と、
前記燃料消費判定手段により前記燃料タンク内の燃料が所定量以上消費されたと判定されたときに前記負圧導入後フロー診断を許可する診断許可手段と
を備えていることを特徴とする請求項2に記載のエバポガスパージシステムのフロー診断装置。 - 前記フロー診断手段は、前記負圧導入後フロー診断を行う前に前記エバポ系内に負圧を導入するときに前記圧力検出手段により検出した前記エバポ系内の圧力の挙動に基づいて前記エバポガス通路が詰まっている可能性が有るか否かを判定し、前記エバポガス通路が詰まっている可能性が有ると判定された場合に前記負圧導入後フロー診断を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエバポガスパージシステムのフロー診断装置。
- 前記圧力検出手段と、前記エバポ系内に所定の圧力を導入するためのポンプと、所定孔径の基準孔が形成された基準圧力検出部と、前記ポンプで前記基準圧力検出部内に所定の圧力を導入する経路と前記ポンプで前記エバポ系内に所定の圧力を導入する経路とを切り換える通路切換弁とを有する圧力導入検出装置と、
前記通路切換弁で前記ポンプの圧力導入経路を切り換えて、前記基準圧力検出部内に所定の圧力を導入して前記基準孔で規制された圧力(以下「基準圧力」という)を検出する基準圧力検出処理と、前記エバポ系内に所定の圧力を導入して該エバポ系内の圧力を検出するエバポ系内圧力検出処理とを実行し、前記基準圧力と前記エバポ系内の圧力とを比較して前記エバポ系のリークの有無を判定するリーク診断を行うリーク診断手段と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエバポガスパージシステムのフロー診断装置。
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