JP2018016502A - シリカ粒子、シリカ粒子含有組成物、オルガノゾル及びシリカ粒子の製造方法 - Google Patents

シリカ粒子、シリカ粒子含有組成物、オルガノゾル及びシリカ粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れており、粘度の増大が抑制されるシリカ粒子、及びシリカ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 29Si−固体NMRスペクトルが、M、T2及びT3のピークを有するシリカ粒子であって、
前記Mは、15〜10ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
前記T2は、−55〜−60ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
前記T3は、−65〜70ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
前記シリカ粒子を粘性物質中に含有するシリカ粒子含有組成物の、下記粘度測定方法により測定される粘度が、前記粘性物質の粘度の30倍以下であることを特徴とするシリカ粒子。
[粘度測定方法]
(1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、シリカ粒子含有組成物を調製する。
(2)E型粘度計を用いて、25℃、回転数5rpmの条件で粘度を測定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリカ粒子、シリカ粒子含有組成物、オルガノゾル及びシリカ粒子の製造方法に関する。
従来、無機酸化物微粒子が様々な用途で用いられている。特に、シリカ粒子は、樹脂製品中に含有される構成とすることにより、当該樹脂製品に耐摩耗性等の様々な特性を付与することができるため、有用に用いられている。
上述のようなシリカ粒子として、特定の官能基がシリカ粒子の表面に結合しているシリカ粒子材料が提案されており、水を含む液状媒体中でシランカップリング剤およびオルガノシラザンによってシリカ粒子を表面処理する表面処理工程を有するシリカ粒子の表面処理方法により処理されたシリカ粒子が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ビーム活性官能基で表面修飾された無機ナノ粒子を用いてプラスチック物品の耐摩耗性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、二酸化ケイ素を含む水性シリカゾルと、特定のシランカップリング剤(A)とを混合し、反応させる工程(I)と、前記工程(I)で得られた生成物と、特定の化合物(2)及び/または特定の化合物(3)から構成されるシランカップリング剤(B)とを混合し、反応させる工程(II)とを含む変性シリカ微粒子の製造方法が提案されており、シランカップリング剤(B)として、ヘキサメチルシラザンを用いることが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献1〜3に記載のシリカ粒子等では、シリカ粒子の分散性については十分に検討されていない。シリカ粒子を含有する樹脂製品を製造する場合、シリカ粒子を液状樹脂等の粘性物質と混合して樹脂組成物を調製し、硬化させることとなる。特許文献1〜3に記載のシリカ粒子等では、液状樹脂等の粘性物質への分散性が十分でなく、粘度が高くなり過ぎて混合、撹拌等ができず、均一に分散させることができないという問題がある。このため、樹脂組成物及び樹脂製品の透明性が低下し、また、作業性、成形性に劣るという問題がある。
樹脂組成物の粘度の増大を抑制するために、シリカ粒子と粘性物質とを混合する際に、溶剤の存在下で混合し、溶剤を含有する樹脂組成物を調製して、成型時等に、溶剤を除去することが行われている。
しかしながら、上記方法では、溶剤を除去する工程が必要あり、工程が煩雑であるという問題がある。
従って、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れており、粘度の増大が抑制されるシリカ粒子、当該シリカ粒子を含有するシリカ粒子含有組成物、オルガノゾルの開発が求められており、上記シリカ粒子の製造方法の開発が求められている。
特開2011−213514号公報 特表2009−511737号公報 特開2015−86103号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れており、粘度の増大が抑制されるシリカ粒子、及びシリカ粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、29Si−固体NMRスペクトルが、M、T2及びT3のピークを有するシリカ粒子であって、シリカ粒子を粘性物質中に含有するシリカ粒子含有組成物の、特定の粘度測定方法により測定される粘度が、粘性物質の粘度の30倍以下であるシリカ粒子によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のシリカ粒子、シリカ粒子含有組成物、オルガノゾル及びシリカ粒子の製造方法に関する。
1.29Si−固体NMRスペクトルが、M、T2及びT3のピークを有するシリカ粒子であって、
前記Mは、15〜10ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
前記T2は、−55〜−60ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
前記T3は、−65〜70ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
前記シリカ粒子を粘性物質中に含有するシリカ粒子含有組成物の、下記粘度測定方法により測定される粘度が、前記粘性物質の粘度の30倍以下であることを特徴とするシリカ粒子。
[粘度測定方法]
(1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、シリカ粒子含有組成物を調製する。
(2)E型粘度計を用いて、25℃、回転数5rpmの条件で粘度を測定する。
2.前記粘性物質は、液状樹脂であり、E型粘度計を用いて25℃、回転数5rpmの条件で測定される粘度が50〜5000mPa・sである、項1に記載のシリカ粒子。
3.前記液状樹脂は、トリメチロールプロパントリアクリレート及びビスフェノールA型樹脂から選択される少なくとも1種の液状樹脂である、項2に記載のシリカ粒子。
4.前記シリカ粒子は、下記ヘイズ差測定方法により測定されるヘイズ差ΔHが、+3%以下である、項1〜3のいずれかに記載のシリカ粒子。
[ヘイズ差測定方法]
(1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、基材フィルム上に、50μmの厚みで塗布し、積層体とする。
(2)積層体のヘイズと、基材フィルムのヘイズとの差ΔHを、下記式に基づいて算出する。
ΔH(%)=(積層体のヘイズ(%))−(基材フィルムのヘイズ(%))
5.項1〜4のいずれかに記載のシリカ粒子を、粘性物質中に含有することを特徴とする、シリカ粒子含有組成物。
6.前記シリカ粒子と、前記粘性物質とを1:4〜4:1の質量比で含有する、項5に記載のシリカ粒子含有組成物。
7.ハードコート用材料、3Dプリンター用材料、又は封止用材料である、項1〜4のいずれかに記載のシリカ粒子、又は、項5若しくは6に記載のシリカ粒子含有組成物。
8.項1〜4のいずれかに記載のシリカ粒子、及び、有機溶媒を含有することを特徴とする、オルガノゾル。
9.シリカ粒子の製造方法であって、
(1)水系中性シリカスラリーに、アルコール及びトリアルコキシシランを加えて、45℃以上、前記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程1、
(2)工程1で得られた液にオルガノシラザンを添加し、45℃以上、前記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程2、
(3)工程2で得られた液に、水及び濾過促進剤を添加する工程3、並びに、
(4)工程3で得られた液を濾過し、乾燥させる工程4
を含むことを特徴とする、シリカ粒子の製造方法。
10.前記アルコールは、炭素数3以下のアルコールである、項9に記載の製造方法。
11.前記トリアルコキシシランは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びトリフルオロプロピルトリメトキシシランからなる群より選択される少なくとも1種である、項9又は10に記載の製造方法。
12.前記オルガノシラザンは、ヘキサメチルジシラザンであり、且つ、前記工程2の前記ヘキサメチルジシラザンの添加量が、前記工程1で用いる水系中性シリカスラリーを100質量部として、5〜15質量部である、項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
13.前記濾過促進剤は、塩酸、酢酸、又はγ−ブチロラクトンである、項9〜12のいずれかに記載の製造方法。
本発明のシリカ粒子は、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れており、粘度の増大を抑制することができ、シリカ粒子含有組成物に、透明性、作業性、成形性を付与することができる。また、粘性物質と混合する際に、粘度の増大を抑制するために溶剤を用いる必要がなく、樹脂製品を製造する際に、溶剤を除去する工程が不要となり、容易に樹脂製品を製造することができる。
また、本発明の製造方法は、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れており、粘度の増大を抑制することができるシリカ粒子を容易に製造することができる。
以下、本発明のシリカ粒子、シリカ粒子含有組成物、オルガノゾル及びシリカ粒子の製造方法について詳細に説明する。
1.シリカ粒子
本発明のシリカ粒子は、29Si−固体NMRスペクトルが、M、T2及びT3のピークを有するシリカ粒子であって、上記Mは、15〜10ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、上記T2は、−55〜−60ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、上記T3は、−65〜70ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、上記シリカ粒子を粘性物質中に含有するシリカ粒子含有組成物の、下記粘度測定方法により測定される粘度が、上記粘性物質の粘度の30倍以下である。
[粘度測定方法]
(1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、シリカ粒子含有組成物を調製する。
(2)E型粘度計を用いて、25℃、回転数5rpmの条件で粘度を測定する。
上記特徴を有するシリカ粒子は、29Si−固体NMRスペクトルが、上記M、T2及びT3のピークを有している。ここで、Mは、15〜10ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示しており、オルガノシラザン由来の1官能のケイ素原子のピークである。また、T2は、−55〜−60ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示しており、テトラメチルオルトシリケート由来の3官能の、2つの酸素原子と1つの水酸基が結合したケイ素原子のピークであり、すなわち、残存シラノール基が1つであるケイ素原子のピークである。また、T3は、−65〜70ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示しており、テトラメチルオルトシリケート由来の3官能の、3つの酸素原子が結合したケイ素原子のピークであり、すなわち、残存シラノール基が0であるケイ素原子のピークである。
本発明のシリカ粒子は、上記M、T2及びT3のピークを有するので、残存シラノール基が少なく、緻密な構造を有している。このようなシリカ粒子は、上記粘度測定方法により、粘性物質と無溶剤条件下で混合されて調製されたシリカ粒子含有組成物の粘度が、シリカ粒子の混合前の粘性物質の粘度の30倍以下となっている。このため、本発明のシリカ粒子は、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れており、粘度の増大が抑制されており、作業性、成形性に優れている。また、粘性物質とシリカ粒子とを混合する際に、粘度の増大を抑制するために溶剤を用いる必要がなく、樹脂製品を製造する際に、溶剤を除去する工程が不要となり、容易に樹脂製品を製造することができる。なお、上記緻密な構造を有するシリカ粒子とは、シロキサン結合がより完全に形成され、残存するシラノール基が少ないシリカ粒子である。
本発明のシリカ粒子の29Si−固体NMRスペクトルは、上記M、T2及びT3のピークを有していればよいが、T1のピークを有していないことが好ましい。T1のピークを有しない場合、シリカ粒子の表面の残存シラノール基が低減され、シロキサン結合の完成度がより高い緻密なシリカ粒子となり、より高い粘性物質への分散性を示すことができる。
本明細書における、シリカ粒子の29Si−固体NMRスペクトルは、4mm HXMASプローブを備えたJNM―ECX400(日本電子株式会社製)を用い、固体NMR試料管 4mm、サンプル量 70μL、測定核種 29Si(79.4MHz)、回転速度 8kHz、温度 21℃、測定モード CPMAX、繰り返し時間 3.10sec、積算回数 2000回、外部標準 シリコンゴム(−22.333ppm)の条件で測定することができる。
本発明のシリカ粒子は、当該シリカ粒子を粘性物質中に含有するシリカ粒子含有組成物の、下記粘度測定方法により測定される粘度が、粘性物質の粘度の30倍以下である。
[粘度測定方法]
(1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、シリカ粒子含有組成物を調製する。
(2)E型粘度計を用いて、25℃、回転数5rpmの条件で粘度を測定する。
上記シリカ粒子含有組成物の粘度がこのような粘度であることにより、本発明のシリカ粒子が、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への優れた分散性を示すことができ、シリカ粒子含有組成物の粘度の増大が抑制される。上記シリカ粒子含有組成物の粘度は、上記粘性物質の粘度の30倍以下が好ましく、27倍以下がより好ましい。また、上記シリカ粒子含有組成物の粘度の下限は特に限定されず、1倍以上程度であればよい。
上記粘性物質としては、樹脂成型品の作製に用いることができる適度な粘度を有していれば特に限定されず、樹脂成型品に通常用いられる従来公知の粘性物質を用いることができる。このような粘性物質としては、たとえば、液状樹脂が挙げられる。
液状樹脂としては、アクリレート、エポキシ型の樹脂等が挙げられ、これらの中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールA型液状樹脂が好ましい。
上記液状樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記液状樹脂のE型粘度計を用いて25℃、回転数5rpmの条件で測定される粘度は、10〜5000mPa・sが好ましく、50〜5000mPa・sがより好ましく、50〜3000mPa・sが更に好ましい。液状樹脂の上記粘度を上述の範囲とすることにより、本発明のシリカ粒子を無溶剤条件下で混合しても、より優れた分散性を示すことができる。
本明細書における、シリカ粒子含有組成物の粘度は、E型粘度計「DV−1MCP」(BROOKFIELD社製)を用いて、25℃、5rpmの条件で測定することができる。
本発明のシリカ粒子は、下記ヘイズ差測定方法により測定されるヘイズ差ΔHが、+3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。また、上記ヘイズ差ΔHの好ましい下限は特に限定されず、基材自体と同程度であればよい。
[ヘイズ差測定方法]
(1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、基材フィルム上に、50μmの厚みで塗布し、積層体とする。
(2)積層体のヘイズと、基材フィルムのヘイズとの差ΔHを、下記式に基づいて算出する。
ΔH(%)=(積層体のヘイズ(%))−(基材フィルムのヘイズ(%))
上記ヘイズの差ΔHが上記範囲であると、基材フィルム上に上記シリカ粒子含有組成物からなるシリカ粒子含有層を形成しても、ヘイズの増大が、より抑制される。本発明のシリカ粒子は、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れるので、上記ヘイズの差ΔHを上記範囲とすることができる。
上記ヘイズは、JIS K7136に準拠した測定方法により、ヘイズメーター「NDH4000」(日本電色工業株式会社製)を用いて、シリカ粒子含有層の厚み50μm、JIS K7136の条件で測定される値である。
2.シリカ粒子含有組成物
本発明は、また、上記シリカ粒子を、粘性物質中に含有するシリカ粒子含有組成物でもある。本発明のシリカ粒子含有組成物に用いられる粘性物質としては、上述の粘性物質を用いることができる。
本発明のシリカ粒子含有組成物において、シリカ粒子と粘性物質との質量比は、1:4〜4:1が好ましく、1:1.5〜1.5:1がより好ましい。シリカ粒子と粘性物質との質量比を上記範囲とすることにより、シリカ粒子含有組成物が、より優れた粘性物質への分散性を示し、且つ、粘度の増大が、より抑制される。
シリカ粒子含有組成物は、上記シリカ粒子、及び粘性物質の他に、他の添加剤を含有していてもよい。
3.オルガノゾル
本発明は、また、上記シリカ粒子、及び、有機溶媒を含有するオルガノゾルでもある。上記オルガノゾルは、上記シリカ粒子を出荷、保存等する際に、有機溶媒中に浸漬させて、シリカ粒子の表面を保護している。
有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素、エーテル等が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール等のアルカノール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオールが挙げられる。ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン等のジアルキルケトンが挙げられる。エステルとしては、酢酸エチル等の酢酸エステルが挙げられる。炭化水素としては、イソオクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。エーテルとしては、ジエチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルが挙げられる。
上記有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
オルガノゾル中のシリカ粒子の含有量は、オルガノゾルを100質量%として、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。シリカ粒子の含有量を上述の範囲とすることにより、オルガノゾル中でシリカ粒子をより保存し易くなる。
オルガノゾルは、上記シリカ粒子、及び、有機溶媒の他に、他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、着色防止剤等が挙げられる。
4.シリカ粒子の製造方法
本発明のシリカ粒子の製造方法は、
(1)水系中性シリカスラリーに、アルコール及びトリアルコキシシランを加えて、45℃以上、上記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程1、
(2)工程1で得られた液にオルガノシラザンを添加し、45℃以上、上記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程2、
(3)工程2で得られた液に、水及び濾過促進剤を添加する工程3、並びに、
(4)工程3で得られた液を濾過し、乾燥させる工程4
を含む製造方法である。
以下、各工程について詳細に説明する。
<工程1>
工程1は、水系中性シリカスラリーに、アルコール及びトリアルコキシシランを加えて、45℃以上、上記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程である。
水系中性シリカスラリーとしては特に限定されず、従来公知の方法により調製された水系中性シリカスラリーを用いることができる。このような方法としては、例えば、加水分解可能なケイ素化合物を用いてゾルゲル法によりシリカゾルを調製し、シリカスラリーとする方法を例示することができる。上記水系中性シリカスラリーとしては、より具体的には、扶桑化学工業株式会社製のクォートロンPLシリーズ等を用いることができる。尚、この水系中性シリカスラリーに含まれるシリカ粒子は上記方法を用いて調製されていればよく、中空状、ポーラス状等の構造であってもよい。
上記水系中性シリカスラリー中のシリカ粒子の一次粒子径は、5〜200nmが好ましい。水系中性シリカスラリー中のシリカ粒子の一次粒子径を上記範囲とすることにより、有機材料への分散の際に、沈降が、より生じ難い。
アルコールとしては、ケイ素化合物の加水分解に用いることができるアルコールであれば特に限定されず、公知のアルコールを用いることができる。このようなアルコールとしては、例えば、炭素数10以下のアルコールが挙げられ、炭素数6以下のアルコールが好ましく、炭素数3以下のアルコールがより好ましい。上記アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等を用いることができる。これらの中でも、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコールが好ましく、メタノール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
工程1で調製される液中の、上記アルコールの含有量は、上記水系中性シリカスラリーを100質量部として、10〜100質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましい。アルコールの含有量を上記範囲とすることにより、製造されるシリカ粒子の表面を十分に修飾することができ、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に、より優れたシリカ粒子を調製することができる。
トリアルコキシシランとしては、一般式(1)
Si(OR (1)
で示されるトリアルコキシシラン又はそれらの誘導体が挙げられる。上記一般式(1)において、Rは同一又は異なって、アルキル基であり、好ましくは炭素数1〜8の低級アルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基であり、更に好ましくは、炭素数1〜3の低級アルキル基である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を例示でき、アルコキシ基の加水分解性に優れる観点から、Rが、メチル基であるトリメトキシシラン、エチル基であるトリエトキシシランがより好ましい。
上記一般式(1)において、Rは、水素、又はアルキル基である。当該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜9のアルキル基である。また、上記アルキル基は、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を含有していてもよい。上記アルキル基は、有機官能基を有していてもよい。有機官能基としては、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、ビニル基、フェニル基、アミノ基、フルオロ基が挙げられる。
上記トリアルコキシシランの好ましい具体例としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランが挙げられ、より好ましい具体例としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランを好適に用いることができる。
上記トリアルコキシシランは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
工程1で調製される液中のトリアルコキシシランの濃度は、0.01〜50質量%であることが好ましく、0.01〜20質量%であることがより好ましい。
工程1で調製される液は、45℃以上で加熱される。加熱温度が45℃未満であると、シリカ粒子とトリアルコキシシランとの反応が不十分となるため、粘性物質への分散性が低下し、粘度の増大を抑制することができない。加熱温度の好ましい下限は、50℃であり、より好ましい下限は、60℃である。また、加熱温度の上限は、上記アルコールの沸点以下であり、好ましい上限は90℃であり、より好ましい上限は80℃である。
工程1での加熱時間は特に限定されず、10〜300分が好ましく、30〜240分がより好ましく、60〜180分が更に好ましく、90〜120分が特に好ましい。
<工程2>
工程2は、工程1で得られた液にオルガノシラザンを添加し、45℃以上、上記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程である。工程2では、工程1で得られた液に対してオルガノシラザンを添加しており、例えば、工程1において水系中性シリカスラリーに対して、アルコール、トリアルコキシシラン及びオルガノシラザンを同時に添加しても、粘性物質への分散性に優れており、シリカ粒子含有組成物に、透明性、作業性、成形性を付与することができるシリカ粒子が得られない。
オルガノシラザンとしては特に限定されず、公知のオルガノシラザンを用いることができる。具体的には、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手性の点で、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
上記オルガノシラザンは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
オルガノシラザンの添加量は、上記工程1で用いる水系中性シリカスラリーを100質量部として、5〜15質量部が好ましく、6〜9質量部がより好ましい。オルガノシラザンの添加量を上記範囲とすることにより、製造されるシリカ粒子が、粘性物質への分散性により優れ、粘度の増大を、より抑制することができる。
工程2で調製される液は、45℃以上で加熱される。加熱温度が45℃未満であると、シリカ粒子とトリアルコキシシランとの反応が不十分となるため、粘性物質への分散性が低下し、粘度の増大を抑制することができない。加熱温度の好ましい下限は、50℃であり、より好ましい下限は、60℃である。また、加熱温度の上限は、上記アルコールの沸点以下であり、好ましい上限は90℃であり、より好ましい上限は80℃である。
工程2での加熱時間は特に限定されず、10〜300分が好ましく、30〜240分がより好ましい。
<工程3>
工程3は、工程2で得られた液に、水及び濾過促進剤を添加する工程である。工程3により、工程2で得られた液に水を添加することにより、疎水性シリカが析出する。また、濾過促進剤を添加することにより、後述する工程4による、析出した疎水性シリカの濾過が容易となる。
水の添加量は、上記工程1で用いる水系中性シリカスラリーを100質量部として、5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。水の添加量を上記範囲とすることにより、疎水性シリカがより析出し易くなる。
工程3では、水に加え、アルコールを添加してもよい。工程2で得られた液にアルコールを添加することで、アルコールが析出剤として作用し、疎水性シリカがより析出し易くなる。
アルコールとしては、特に限定されず、メタノール、エタノール、プロパノール等の水溶性アルコール等が挙げられる。これらの中でも、疎水性シリカがより析出し易くなる点で、メタノールが好ましい。
アルコールの添加量は、上記工程1で用いる水系中性シリカスラリーを100質量部として、5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。水の添加量を上記範囲とすることにより、疎水性シリカがより析出し易くなる。
工程3において水、及び必要に応じてアルコールを添加する際の、上記工程2で得られた液の温度は、10〜80℃が好ましく、20〜60℃がより好ましい。工程2で得られた液の温度を上記範囲とすることにより、疎水性シリカがより析出し易くなる。
濾過促進剤としては特に限定されず、従来公知の濾過促進剤を用いることができる。このような濾過促進剤としては、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸及びそれらの塩;ギ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等の有機酸及びそれらの塩;γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクタム、L−(−)−ラクチドなどの環状化合物等が挙げられる。これらの中でも、より濾過促進効果に優れる点で、塩酸、酢酸、γ−ブチロラクトンが好ましい。
上記濾過促進剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
濾過促進剤の添加量は、上記工程1で用いる水系中性シリカスラリーを100質量部として、0.01〜100質量部が好ましく、0.1〜50質量部がより好ましい。濾過促進剤の添加量を上記範囲とすることにより、より優れた濾過促進効果を示すことができる。
上記濾過促進剤を添加する際の液の温度は、10〜80℃が好ましく、20〜60℃がより好ましい。濾過促進剤を添加する際の液の温度を上記範囲とすることにより、より優れた濾過促進効果を示すことができる。
工程3では、工程2で得られた液に、水、濾過促進剤、及び必要に応じてアルコールを添加する際に、これらを同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。これらを別々に添加する場合の添加順序は特に限定されず、例えば、アルコール、水、濾過促進剤をこの順で、順次添加する添加順序;水、アルコール、濾過促進剤をこの順で、順次添加する添加順序;水及びアルコールを先に添加し、濾過促進剤を後で添加する添加順序等が挙げられる。
<工程4>
工程4は、工程3で得られた液を濾過し、乾燥させる工程である。
上記濾過としては特に限定されず、減圧濾過等の従来公知の濾過方法により濾過することができる。
上記乾燥方法としては特に限定されず、従来公知の乾燥方法により乾燥することができる。このような乾燥方法としては、ナウター乾燥機、コニカル乾燥機、棚段乾燥機等を用いる乾燥方法が挙げられる。
工程4では、上記濾過方法により濾過を行った後、乾燥前に、純水、又はメタノール水溶液で洗浄することが好ましい。
以上説明した工程1〜4を含む製造方法により、上述の本発明のシリカ粒子を製造することができる。本発明のシリカ粒子は、無溶剤条件下で液状樹脂等の粘性物質と混合した際に、粘性物質への分散性に優れており、粘度の増大を抑制することができ、シリカ粒子含有組成物に、透明性、作業性、成形性を付与することができる。また、粘性物質と混合する際に、粘度の増大を抑制するために溶剤を用いる必要がなく、樹脂製品を製造する際に、溶剤を除去する工程が不要となり、容易に樹脂製品を製造することができる。このため、本発明のシリカ粒子、及びシリカ粒子含有組成物は、樹脂成型品に用いられる材料として、様々な分野に用いることができる。上記シリカ粒子、及びシリカ粒子含有組成物は、例えば、ハードコート用材料、3Dプリンター用材料、封止用材料等として、好適に用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
(シリカ粒子の調製)
実施例1
PL−2L(1次粒子径20nm、シリカ濃度19.5wt%)50g、IPA30g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5gを混合して撹拌し、75℃で2時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン3.1gを滴下し、更に2時間加熱した。次いで、反応液を50℃まで冷却し、メタノール及び純水をそれぞれ12.8gずつ順次添加した後、1mol/L塩酸水溶液を12.8g添加し、減圧濾過にて固形分を回収した。回収した固形分をメタノール水溶液で洗浄し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
実施例2
PL−7(1次粒子径70nm、シリカ濃度23wt%)50g、IPA30g、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.65gを混合して撹拌し、75℃で2時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン4.5gを滴下し、更に2時間加熱した。次いで、反応液を50℃以下まで冷却し、純水と1mol/L塩酸水溶液とをそれぞれ12.8gずつ順次添加した後、減圧濾過にて固形分を回収した。回収した固形分を純水で洗浄し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
実施例3
PL−2L(1次粒子径20nm、シリカ濃度19.5wt%)50g、IPA30g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5gを混合して撹拌し、75℃で2時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン3.1gを滴下し、更に2時間加熱した。次いで、反応液を50℃まで冷却し、メタノール及び純水をそれぞれ12.8gずつ順次添加した後、1mol/L塩酸水溶液を12.8g添加し、減圧濾過にて固形分を回収し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
比較例1
PL−2L(1次粒子径20nm、シリカ濃度19.5wt%)50g、IPA30g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5gを混合して撹拌し、40℃で20時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン3.1gを滴下し、更に20時間加熱した。次いで、反応液にメタノール及び純水をそれぞれ12.8gずつ順次添加した後、1mol/L塩酸水溶液を12.8g添加し、減圧濾過にて固形分を回収した。回収した固形分をメタノール水溶液で洗浄し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
比較例2
PL−2L(1次粒子径20nm、シリカ濃度19.5wt%)50g、IPA30g、1mol/L塩酸水溶液2.2gを混合撹拌し、pHを3.4に調整した。次いで、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5gを混合して撹拌し、75℃で2時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン3.1gを滴下し、更に2時間加熱した。次いで、反応液を50℃まで冷却し、メタノール及び純水をそれぞれ12.8gずつ順次添加した後、1mol/L塩酸水溶液を12.8g添加し、減圧濾過にて固形分を回収した。回収した固形分をメタノール水溶液で洗浄し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
比較例3
PL−2L(1次粒子径20nm、シリカ濃度19.5wt%)50g、28%アンモニア水溶液1.0gを混合撹拌し、pHを10.6に調整した。次いで、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5gを混合して撹拌し、75℃で2時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン3.1gを滴下し、更に2時間加熱した。次いで、反応液を50℃まで冷却し、メタノール及び純水をそれぞれ12.8gずつ順次添加した後、1mol/L塩酸水溶液を12.8g添加し、減圧濾過にて固形分を回収した。回収した固形分をメタノール水溶液で洗浄し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
比較例4
PL−2L(1次粒子径20nm、シリカ濃度19.5wt%)50g、IPA30g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5g、及びヘキサメチルジシラザン3.1gを混合して撹拌し、75℃で4時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン3.1gを滴下し、更に2時間加熱した。次いで、反応液を50℃まで冷却し、メタノール及び純水をそれぞれ12.8gずつ順次添加した後、1mol/L塩酸水溶液を12.8g添加し、減圧濾過にて固形分を回収した。回収した固形分をメタノール水溶液で洗浄し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
比較例5
市販の酸性コロイダルシリカ100g(シリカ濃度20wt%)、IPA156g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0gを混合して、70℃で5時間加熱した。次いで、ヘキサメチルジシラザン12.0gを添加して、更に3時間加熱した。次いで、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
比較例6
PL−2L(1次粒子径20nm、シリカ濃度19.5wt%)50g、メタノール5.5g、10%酢酸水溶液0.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.0gを混合して撹拌し、75℃で6時間加熱した。次いで、反応液を50℃まで冷却し、減圧濾過にて固形分を回収した。回収した固形分を純水で洗浄し、120℃で真空乾燥して、シリカ粒子を調製した。
(シリカ粒子含有組成物の調製)
実施例及び比較例で得られたシリカ粒子の粉末2.0g、及び、表1に示す液状樹脂2.0gを秤量し、撹拌・脱泡装置「KK−300SS」(クラボウ製)を用いて混合処理を行い、シリカ粒子含有組成物を調製した。
(積層体の作製)
上述のようにして得られたシリカ粒子含有組成物を厚み125μmのPETフィルム(全光線透過率(T.T)=89.7%、ヘイズ(Haze)=0.4)上に、アプリケーターを用いて50μmの膜厚で塗膜して、シリカ粒子含有層を形成し、積層体を作製した。
実施例及び比較例で得られたシリカ粒子、シリカ粒子含有組成物、及び積層体の特性を、以下の方法により測定した。なお、シリカ粒子含有組成物、及び積層体については、比較のために、シリカ粒子を添加する前の液状樹脂を用いて、同じ測定を行った。
29Si−固体NMRスペクトル]
シリカ粒子の29Si−固体NMRスペクトルを、4mm HXMASプローブを備えたJNM―ECX400(日本電子株式会社製)を用い、固体NMR試料管 4mm、サンプル量 70μL、測定核種 29Si(79.4MHz)、回転速度 8kHz、温度 21℃、測定モード CPMAX、繰り返し時間 3.10sec、積算回数 2000回、外部標準 シリコンゴム(−22.333ppm)の条件で測定した。
[MEK分散性]
シリカ粒子5gと、MEK5gとを混合してオルガノゾルを調製し、オルガノゾルの外観を目視で観察した。
[粘度]
シリカ含有組成物の25℃の粘度を、E型粘度計「DV−1MCP」(BROOKFIELD社製)を用いて、5rpm、及び50rpmの条件で測定した。
[ヘイズ]
積層体のヘイズを、ヘイズメーター「NDH4000」(日本電色工業株式会社製)を用いて、JIS K7136の条件で測定した。
[全光線透過率]
積層体の全光線透過率を、ヘイズメーター「NDH4000」(日本電色工業株式会社製)を用いて、JIS K7136−1の条件で測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2018016502

Claims (13)

  1. 29Si−固体NMRスペクトルが、M、T2及びT3のピークを有するシリカ粒子であって、
    前記Mは、15〜10ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
    前記T2は、−55〜−60ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
    前記T3は、−65〜70ppmの範囲内に化学シフトの中心値を有するピークを示し、
    前記シリカ粒子を粘性物質中に含有するシリカ粒子含有組成物の、下記粘度測定方法により測定される粘度が、前記粘性物質の粘度の30倍以下であることを特徴とするシリカ粒子。
    [粘度測定方法]
    (1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、シリカ粒子含有組成物を調製する。
    (2)E型粘度計を用いて、25℃、回転数5rpmの条件で粘度を測定する。
  2. 前記粘性物質は、液状樹脂であり、E型粘度計を用いて25℃、回転数5rpmの条件で測定される粘度が50〜5000mPa・sである、請求項1に記載のシリカ粒子。
  3. 前記液状樹脂は、トリメチロールプロパントリアクリレート及びビスフェノールA型樹脂から選択される少なくとも1種の液状樹脂である、請求項2に記載のシリカ粒子。
  4. 前記シリカ粒子は、下記ヘイズ差測定方法により測定されるヘイズ差ΔHが、+3%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ粒子。
    [ヘイズ差測定方法]
    (1)粘性物質と、シリカ粒子とを無溶剤条件下にて1:1の質量比で混合して、基材フィルム上に、50μmの厚みで塗布し、積層体とする。
    (2)積層体のヘイズと、基材フィルムのヘイズとの差ΔHを、下記式に基づいて算出する。
    ΔH(%)=(積層体のヘイズ(%))−(基材フィルムのヘイズ(%))
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ粒子を、粘性物質中に含有することを特徴とする、シリカ粒子含有組成物。
  6. 前記シリカ粒子と、前記粘性物質とを1:4〜4:1の質量比で含有する、請求項5に記載のシリカ粒子含有組成物。
  7. ハードコート用材料、3Dプリンター用材料、又は封止用材料である、請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ粒子、又は、請求項5若しくは6に記載のシリカ粒子含有組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ粒子、及び、有機溶媒を含有することを特徴とする、オルガノゾル。
  9. シリカ粒子の製造方法であって、
    (1)水系中性シリカスラリーに、アルコール及びトリアルコキシシランを加えて、45℃以上、前記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程1、
    (2)工程1で得られた液にオルガノシラザンを添加し、45℃以上、前記アルコールの沸点以下の温度で加熱する工程2、
    (3)工程2で得られた液に、水及び濾過促進剤を添加する工程3、並びに、
    (4)工程3で得られた液を濾過し、乾燥させる工程4
    を含むことを特徴とする、シリカ粒子の製造方法。
  10. 前記アルコールは、炭素数3以下のアルコールである、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記トリアルコキシシランは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びトリフルオロプロピルトリメトキシシランからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項9又は10に記載の製造方法。
  12. 前記オルガノシラザンは、ヘキサメチルジシラザンであり、且つ、前記工程2の前記ヘキサメチルジシラザンの添加量が、前記工程1で用いる水系中性シリカスラリーを100質量部として、5〜15質量部である、請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記濾過促進剤は、塩酸、酢酸、又はγ−ブチロラクトンである、請求項9〜12のいずれかに記載の製造方法。
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