JP2017197007A - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ステアリングコラム6は、後側に配置したアウタコラム18の前部と、前側に配置したインナコラム19の後部とを摺動可能に嵌合させて、全長を伸縮可能にしている。このうち、例えば軽合金をダイキャスト成形する事により造ったアウタコラム18の前部にスリット20を設けて、この前部の内径を弾性的に拡縮可能としている。又、このスリット20を左右両側から挟む部分に左右1対の被挟持部21、21を設け、これら1対の被挟持部21、21により変位ブラケット13を構成している。又、これら1対の被挟持部21、21には、前後方向に長いテレスコ調節用長孔16、16を形成している。又、支持ブラケット14に設けられた左右1対の支持板部22、22を、前記変位ブラケット13を左右両側から挟持する部分に配置すると共に、これら1対の支持板部22、22のそれぞれに、チルト軸12(図13参照)を中心とする部分円弧状で上下方向に長い、チルト調節用長孔15、15を形成している。そして、これら両チルト調節用長孔15、15及び前記両テレスコ調節用長孔16、16に、調節ロッド17を幅方向に挿通している。
このうちの変位ブラケットは、ステアリングコラムの一部に設けられ、幅方向に貫通する状態で第一通孔が形成されている。
前記固定側ブラケットは、前記変位側ブラケットを幅方向両側から挟む状態で設けられた1対の支持板部を有し、該1対の支持板部の互いに整合する部分に1対の第二通孔が形成され、車体側に固定される。
前記調節ロッドは、前記第一通孔及び前記1対の第二通孔を幅方向に挿通した状態で設けられている。
前記1対の押圧部は、前記調節ロッドの両端部で前記1対の支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
前記拡縮装置は、前記1対の押圧部同士の間隔を拡縮する為のものである。
又、前記第一通孔と前記1対の第二通孔とのうちの少なくとも一方の通孔を、ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向である位置調節方向に長い調節用長孔としている。尚、該位置調節方向とは、テレスコピック機構により前記ステアリングホイールの位置を調節する場合には前後方向であり、チルト機構により該ステアリングホイールの位置を調節する場合には上下方向である。
そして、前記拡縮機構の拡縮に基づいて、ステアリングホイールの前記位置調節方向に関する位置を調節可能なアンロック状態と、このステアリングホイールを調節後の位置に保持可能なロック状態とを切り替え可能である。
この様なロック機構は、固定側係合部と、ピボット軸と、可動側ロック部材とを有している。
このうちの固定側係合部は、前記固定側ブラケット又は前記変位側ブラケットのうちの前記調節用長孔が形成されたブラケットに直接又は他の部材を介して設けられている。
前記ピボット軸は、前記調節ロッドの中心軸に対してずれた位置に設けられている。
前記可動側ロック部材は、前記固定側係合部と凹凸係合可能な可動側係合部を有し、前記ロック状態と前記アンロック状態との間の切り換えの際の前記調節ロッドの回転に伴い、前記ピボット軸を中心とする揺動を可能、且つ、前記調節ロッドと前記位置調節方向に関する同期した変位を可能な状態に支持されている。
そして、前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合する。
一方、前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される。
この様な構成を採用した場合には、前記基部に、前記ピボット軸を挿通可能な貫通孔を形成する。
又、前記第一の腕部のうち、前記固定側係合部と対向する側縁に、前記可動側係合部を形成する。
そして、アンロック状態からロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第一の腕部が前記固定側係合部に近付く方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合する様に構成する。
一方、ロック状態からアンロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第二の腕部が前記固定側係合部から離れる方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される様に構成する。
即ち、本発明の場合、ロック状態に於いて、固定側ブラケット又は変位側ブラケットのうちの調節用長孔が形成されたブラケットに直接(又は間接的に)設けられた固定側係合部と、調節ロッドと共に前記位置調節方向への変位を可能な状態に支持された可動側ロック部材の可動側係合部とを、この位置調節方向に凹凸係合させている。この為、ロック状態に於いて、前記ステアリングホイールにこの位置調節方向の衝撃的な荷重が作用した場合でも、前記凹凸係合に基づいて前記ステアリングホイールが位置調節方向に変位する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。本例のステアリングホイールの位置調節装置を適用可能なステアリング装置の基本的構造は、図13に記載したステアリング装置の構造とほぼ同様である。
即ち、本例のステアリングホイールの位置調節装置を適用可能なステアリング装置は、ステアリングホイール1(図13参照)の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って、ラックアンドピニオン機構を介して、左右1対のタイロッド4、4を押し引きし車輪に舵角を付与する。
以上の構成により、前記チルト軸12を中心とする揺動変位に基づいて、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節可能とすると共に、前記ステアリングシャフト5及び前記ステアリングコラム6aの伸縮に基づいて、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節可能としている。
この様な調節ロッド17aは、軸方向一端部(図1の右端部)に形成された雄ねじ部(図示省略)と、軸方向中間部に形成されたカム部33と、軸方向他端部(図1の左端部)に形成された頭部34とを有している。
具体的には、前記カム部33は、外周面の径方向に関して反対側となる2箇所位置を互いに平行な平坦面状に切り欠く様に形成された1対の平坦面部35a、35bと、前記調節ロッド17aの円周方向に関してこれら1対の平坦面部35a、35b同士の間部分に形成され、前記カム部33の中心軸を中心とした断面円弧状の1対の押圧曲面部36a、36bとを有している。この様なカム部33は、断面形状が、2回対称性(180°回転すると自らが重なる形状)を有しており、前記1対の平坦面部35a、35b同士の距離は、前記1対の押圧曲面部36a、36bの頂点同士の距離よりも小さい。本例の場合、図2(a)に示すステアリングホイールの位置を調節可能な状態(アンロック状態)で、前記1対の平坦面部35a、35bが、前記1対のチルト調節用長孔15a、15bの形成方向(上下方向)と平行(略平行を含む)となる様に配置している。尚、前記カム部33は、後述する可動側ロック部材48の内側に配置される部分を含む限り、前記調節ロッド17aのうちの任意の範囲に設ける事ができる。例えば、前記調節ロッド17aのうち、前記雄ねじ部及び前記頭部34以外の部分を全長に亙り前記カム部33とする事もできる。又、前記調節ロッド17aとは別部材に設けられ、外周面に1対の平坦面部と1対の押圧曲面部とを有する筒状部材を、この調節ロッド17aの軸方向中間部外周面に外嵌固定する事により、カム部を構成する事もできる。又、カム部の構造は本例の場合に限定されるものではない。例えば、図2に斜格子で示す様な断面形状を有する構造とする事もできる。
尚、この駆動側カム38aの中心孔41に、前記調節ロッド17aの軸方向他端寄り部分を圧入する事で、これら駆動側カム38aと調節ロッド17aとを一体的に回転可能とする事もできる。
以上の様な構成により前記調節レバー23と、前記駆動側カム38aと、前記調節ロッド17aとを、同期した(一体的な)回転可能な状態に組み付けている。
この様なロック機構46は、固定側歯部47と、前記被駆動側カム37aのピボット軸43と、可動側ロック部材48と、前記調節ロッド17aに設けられたカム部33とにより構成されている。この様なロック機構46は、ロック状態に於ける、前記調節ロッド17aの上下方向の変位を、凹凸係合により阻止する為のものである。
前記固定側歯部47は、特許請求の範囲に記載した固定側係合部に相当するものであり、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面に、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)と平行(チルト調節用長孔の形成方向と平行とは、後述する様に、ロック状態で前記固定側歯部47と、可動側ロック部材48の可動側歯部55とが凹凸係合する事により、前記ステアリングホイール1の上下方向に関する保持力を大きくする事ができる限り略平行な状態も含む。以下、同じ)な方向に形成された凹凸部により構成されている。尚、前記固定側歯部47は、前記他方の支持板部22bに直接形成する事もできるし、この他方の支持板部22bに固定(例えば、溶接固定)される他の部材(例えば、板状部材等)に形成する事もできる。
前記解除用腕部52は、特許請求の範囲に記載した第二の腕部に相当するものであり、幅方向から見た形状が前方に向けて凸となる略円弧形である。この様な解除用腕部52は、前記基部51の前端部(図2の右端部)から下方に湾曲した状態で形成されている。
前記歯形成腕部53は、特許請求の範囲に記載した第一の腕部に相当するものであり、幅方向から見た形状が上下方向に伸長した略矩形状である。この様な歯形成腕部53は、前記基部51の後端部(図2の左端部)から下方に延出した状態で形成されている。又、前記歯形成腕部53の後端縁(後側面)の下半部には、上下方向に形成された凹凸部により構成された可動側歯部55が設けられている。
具体的には、前記可動側歯部55を構成する各凸部56、56を、これら各凸部56、56の基端部の上下方向中央位置Y1と、同じく先端部の上下方向中央位置Y2とを通り前記調節ロッド17aの軸方向に平行な仮想平面P49に関して非対称な形状にすると共に、この仮想平面P49を、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に直交する仮想平面βに対して、後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜させている。
又、本例の場合、前記可動側ロック部材48の厚さ寸法は、前記凹部49の深さ寸法(幅方向寸法)よりも小さい。
尚、本例の構造では、前記ロック機構46を、前記1対の支持板部22a、22bのうちの他方の支持板部22b(前記調節レバー23と同じ側)にのみ設けているが、ロック機構を、一方の支持板部22a(前記調節レバー23と反対側)にのみ設ける構成を採用する事もできる。或いは、ロック機構を、前記1対の支持板部22a、22bの両方に設ける構成を採用する事もできる。この様に本例と異なる構成を採用する場合には、本例のロック機構46に関する形状、方向、及び位置等を適宜読み替えて適用する事ができる為、詳しい説明は省略する。
前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)とする際には、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態(アンロック状態)の前記調節レバー23を、所定方向(一般的には上方であって、以下、ロック方向と言う)に揺動させる。これにより、前記カム装置の軸方向寸法を拡げる事で、前記被駆動側カム37aと前記押圧プレート25との間隔を縮める。この結果、前記インナコラム19aの外周面と前記アウタコラム18aの内周面との接触部に作用する摩擦力、及び、前記変位ブラケット13aを構成する1対の被挟持部21a、21aの幅方向外側面と、前記支持ブラケット14aを構成する1対の支持板部22a、22bの幅方向内側面との接触部に作用する摩擦力、及び、これら1対の支持板部22a、22bの幅方向外側面と、前記被駆動側カム37a及び前記押圧プレート25の幅方向内側面との接触部に作用する摩擦力が、それぞれ増加して、ロック状態となる。
上述の動作の際、前記調節レバー23の揺動に伴い前記調節ロッド17aが回転する。すると、前記カム部33が、前記可動側ロック部材48の歯形成腕部53を後側に押圧して、前記可動側ロック部材48が、前記ピボット軸43を中心に図2(a)に示す状態から図2(b)に示す様にロック方向に揺動する。そして、前記固定側歯部47の一部と、前記可動側歯部55の一部とが噛合(凹凸係合)する。別の言い方をすれば、前記固定側歯部47を構成する各凸部と、前記可動側歯部55を構成する各凸部とが、上下方向に重畳する。
尚、本例の場合、図2(b)に示す状態では(少なくとも、ロック状態の直前からロック状態になるまでの間)、前記カム部33が、前記歯形成腕部53の前側縁のうちの前記可動側歯部55よりも前記ピボット軸43に近い部分(図2の上側)を押圧する様にしている。
又、前記解除用腕部52の先端部(下端部)が、前記1対の平坦面部35a、35bのうちの一方(前方)の平坦面部35aの下端部に、弾性的に当接している。尚、前記基部51の外周面下端部(下端縁)と、前記カム部33の1対の押圧曲面部36a、36bのうちの一方(上方)の押圧曲面部36aとの間には隙間が存在している(当接していない)が、前記基部51の外周面下端部を、前記カム部33の外周面に当接させる事もできる。
即ち、本例の場合、ロック状態に於いて、車体に固定される前記支持ブラケット14aの他方の支持板部22bに設けられた前記固定側歯部47と、前記可動側ロック部材48の可動側歯部55とを噛合させている。この様な可動側ロック部材48は、前記調節ロッド17aに対して一体的な変位を可能に支持されている。この為、例えば、二次衝突の際、前記ステアリングホイール1に上向きの大きな衝撃力が加わった場合でも、前記固定側歯部47と前記可動側歯部55との噛合に基づく大きな保持力により、前記ステアリングホイール1の上下方向への変位(例えば、跳ね上がり)を防止できる。この結果、前記ステアリングホイール1の後方で膨らんだエアバックの位置を適正な位置に保つ事ができ、このエアバッグによる運転者の保護充実を図り易くできる。又、例えば、運転者が車両への乗り降りの際、前記ステアリングホイール1に寄りかかって、このステアリングホイール1に下向きの衝撃的な荷重が作用した場合に、このステアリングホイール1が下方向に変位する事を防止できる。
尚、本例の場合、前記ロック機構46を、前記他方の支持板部22cの幅方向内側に設けているが、この他方の支持板部22cの幅方向外側に設ける事もできる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6〜9を参照しつつ説明する。
本例のステアリングホイールの位置調節装置を構成するロック機構46aの場合、支持ブラケット14aを構成する他方の支持板部22bの幅方向内側面のうち、他方のチルト調節用長孔15b(図2参照)の前後方向及び上下方向に隣接した部分に凹部49aを形成している。この凹部49aは、幅方向から見た形状が上下方向に長い略矩形状であり、前側面及び後側面が、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向と平行な状態に形成されている。そして、前記凹部49aの後側面に、固定側歯部47を、同じく前側面に第二の固定側歯部58を、それぞれ形成している。本例の場合、この固定側歯部47を構成する凸部50、50と、前記第二の固定側歯部58を構成する各凸部50a、50aの上下方向に関する傾斜方向を互いに反対に形成している。即ち、前記固定側歯部47に関しては、前述した実施の形態の第1例と同様の構造を採用し、前記第二の固定側歯部58に関しては、前記固定側歯部47を調節ロッド17aの中心軸を中心に180°回転させた如き構造としている。
尚、本例の場合、前記固定側歯部47及び前記第二の固定側歯部58が、特許請求の範囲に記載した固定側係合部(第一の固定側係合部、第二の固定側係合部)に相当する。
尚、本例の場合、前記1対の可動側ロック部材48、48の厚さ寸法の和を、前記凹部49aの深さ寸法(幅方向寸法)よりも小さくしている。この為、前記一方の可動側ロック部材48の幅方向外側面と前記他方の支持板部22bの幅方向内側面(前記凹部49aの底面)との間、この一方の可動側ロック部材48の幅方向内側面と前記他方の可動側ロック部材48の幅方向外側面との間、又は、この他方の可動側ロック部材48の幅方向内側面と他方の被挟持部21a(図1参照)の幅方向外側面との間に、幅方向の僅かな隙間を存在させる事ができる。この結果、前記1対の可動側ロック部材48、48は、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面(前記凹部49aの底面)と、前記他方の被挟持部21aの幅方向内側面とにより強く挟持される事はない。
尚、本例の構造を実施する場合には、前記固定側歯部47と前記第二の固定側歯部58との歯の傾斜方向を互いに同じにする事もできる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図10、11を参照しつつ説明する。
本例は、ロック状態に於けるステアリングホイール1の前後方向位置の保持力を強化する為のロック機構を備えたステアリングホイールの位置調節装置の構造を示すものである。
具体的には、本例の場合、アウタコラム18bの後端部で、支持ブラケット14a(図15参照)の1対の支持板部22a、22b同士の間に挟まれた部分に、例えば、十分な剛性を有する金属板を折り曲げ形成して成る、断面略U字型の変位ブラケット13bを、溶接等により固定している。
又、前記変位ブラケット13bを構成する1対の被挟持部21b、21cのそれぞれに、軸方向(前後方向)に伸長したテレスコ調節用通孔16c、16dを形成している。本例の場合、これら1対のテレスコ調節用通孔16c、16dが、特許請求の範囲に記載した調節用長孔に相当し、前後方向が位置調節方向に相当する。
以下、前記1対の被挟持部21b、21cのうちの一方(右方)の被挟持部21bに設けられたロック機構46bに就いて説明する。本例の場合、前記1対の被挟持部21b、21cのうちの他方の被挟持部21cに設けられたロック機構46cの構造は、前記一方の被挟持部21bに設けられたロック機構46bと同様である為、説明は省略する。
このうちの固定側歯部47bは、前記一方の被挟持部21bの幅方向外側面に設けられており、それぞれが前記1対のテレスコ調節用通孔16c、16dのうちの一方のテレスコ調節用通孔16cの形成方向(前後方向)に形成された凹凸部により構成されている。
具体的には、前記固定側歯部47bを構成する各凸部50b、50bを、これら各凸部50b、50bの基端部の前後方向中央位置X1と、同じく先端部の前後方向中央位置X2とを通り且つ前記調節ロッド17aの軸方向に平行な仮想平面P47bに関して非対称な形状にすると共に、この仮想平面P47bを、前記一方のテレスコ調節用長孔16dの形成方向(前後方向)に直交する仮想平面βに対して、前方(図10の右方)に向かうほど下方に向かう方向に傾斜させている。尚、前記仮想平面P47bを、前記仮想平面βに対して、後方(図10の左方)に向かうほど下方に向かう方向に傾斜させる事もできる。
又、前記ピボット軸43aの先端面は、前記一方のテレスコ調節用長孔16cの幅方向外端縁よりも幅方向外側に位置している。
又、本例の場合、前記調節ロッド17aの外周面のうち、前記ロック機構46bを構成する支持部材60と、前記ロック機構46cを構成する支持部材60との間に、これら各支持部材60、60に、互いに離れる方向の弾力を付与する為のコイルばね64を設けている。
特に、本例の場合、前記固定側歯部47bを構成する各凸部50、50を、上述の方向に傾斜させている為、ステアリングホイールの前方への変位をより強固に保持できる。
尚、本例の構造を実施する場合には、前記固定側歯部47bを、前記枠部材61を構成する下側枠部の上側面、又は、前記凹部59cの下側面に直接形成する事もできる。この場合には、前記可動側ロック部材48を、図10に示す構造に対して上下方向対称な構造とする。又、本例の構造に対して、前述した実施の形態の第2例の1対の可動側ロック部材48、48を180°ずらした状態で組み合わせた構造を適用する事もできる。又、前記1対の被挟持部21b、21cのうちの何れか一方の支持板部21b(21c)にのみロック機構を設ける構造(前記各ロック機構46b、46cのうちの何れか一方を省略した構造)を採用する事もできる。更に、本例のロック機構46b、46cを、前記1対の被挟持部21b、21cの幅方向内側に設ける構造を採用する事もできる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
又、本発明は、ステアリングホイールの上下位置を調節する為のチルト機構と、同じく前後位置を調節する為のテレスコピック機構との両方を備えた構造だけでなく、チルト機構のみ、又はテレスコピック機構のみを備えた構造に適用する事もできる。
又、変位ブラケットは、アウタコラムの下方に設けられた構造、又はアウタコラムの上方に設けられた構造の何れの構造も採用する事できる。
又、拡縮機構は、カム装置だけでなく、調節レバーの揺動に基づいて調節ロッドに設けられた雄ねじ部に螺合された調節ナットの締め付け量を調整するねじ式の構造を採用する事もできる。この場合には、例えば、前記調節ロッドと位置調節方向に同期した状態で設けられた1対の押圧部材等の部材にピボット軸を設ける事ができる。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5 ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 ハウジング
11 車体
12 チルト軸
13、13a、13b 変位ブラケット
14、14a 支持ブラケット
15、15a、15b チルト調節用長孔
16、16a、16b、16c、16d テレスコ調節用通孔
17、17a、17b 調節ロッド
18、18a、18b アウタコラム
19、19a インナコラム
20、20a スリット
21、21a、21b、21c 被挟持部
22、22a、22b、22c 支持板部
23 調節レバー
24、24a ナット
25 押圧プレート
26、26a スラストベアリング
27 電動モータ
28 アウタシャフト
29 インナシャフト
30 取付板部
31 連結板部
32 離脱カプセル
33 カム部
34 頭部
35a、35b 平坦面部
36a、36b 押圧曲面部
37、37a、37b被駆動側カム
38、38a 駆動側カム
39 カム装置
40 中心孔
41 中心孔
42a、42b、42c ガイド凸部
43、43a ピボット軸
44 駆動側係合凸部
45 レバー側通孔
46、46a、46b、46c ロック機構
47、47a、47b 固定側歯部
48、48a 可動側ロック部材
49、49a 凹部
50、50a、50b 凸部
51 基部
52 解除用腕部
53 歯形成腕部
54 貫通孔
55 可動側歯部
56 凸部
57 支持部
58 第二の固定側歯部
59a、59b、59c 凹部
60 支持部材
61、61a 枠部材
62 切り欠き
63 係止凸部
64 コイルばね
Claims (7)
- ステアリングコラムの一部に設けられ、幅方向に貫通する状態で第一通孔が形成された変位側ブラケットと、
該変位側ブラケットを幅方向両側から挟む状態で設けられた1対の支持板部を有し、該1対の支持板部の互いに整合する部分に1対の第二通孔が形成され、車体側に固定される固定側ブラケットと、
前記第一通孔及び前記1対の第二通孔を幅方向に挿通した状態で設けられた調節ロッドと、
該調節ロッドの両端部で前記1対の支持板部の外側面から突出した部分に設けられた1対の押圧部と、
該1対の押圧部同士の間隔を拡縮する拡縮機構とを備え、
前記第一通孔と前記1対の第二通孔とのうちの少なくとも一方の通孔が、ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向である位置調節方向に長い調節用長孔であり、
前記拡縮機構により、前記1対の押圧部同士の間隔を拡縮させる事に基づいて、ステアリングホイールの前記位置調節方向に関する位置を調節可能なアンロック状態と、このステアリングホイールの位置を調節後の位置に保持可能なロック状態とを切り替え可能なステアリングホイールの位置調節装置であって、
前記ロック状態で、前記位置調節方向に凹凸係合するロック機構を備え、
該ロック機構は、固定側係合部と、ピボット軸と、可動側ロック部材とを有し、
このうちの固定側係合部は、前記固定側ブラケット又は前記変位側ブラケットのうちの前記調節用長孔が形成されたブラケットに直接又は他の部材を介して設けられており、
前記ピボット軸は、前記調節ロッドの中心軸に対してずれた位置に設けられており、
前記可動側ロック部材は、前記固定側係合部と凹凸係合可能な可動側係合部を有し、前記ロック状態と前記アンロック状態との間の切り換えの際の前記調節ロッドの回転に伴い、前記ピボット軸を中心とする揺動を可能、且つ、前記調節ロッドと前記位置調節方向に関する同期した変位を可能な状態に支持されており、
前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合し、
前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される、
ステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記可動側ロック部材が、前記固定側ブラケットを構成する1対の支持板部のうちの少なくとも一方の支持板部の幅方向外側面と、前記1対の押圧部のうちの該少なくとも一方の支持板部の幅方向外側に設けられた押圧部との間、又は、前記少なくとも一方の支持板部の幅方向内側面と該少なくとも一方の支持板部の幅方向内側面と対向する前記変位側ブラケットの幅方向外側面との間に、幅方向の抜け止めを図られた状態で配置されている、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記ピボット軸の中心軸が、幅方向に平行、且つ、前記調節ロッドの中心軸を通り前記位置調節方向に平行な仮想平面上に存在している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記固定側係合部が、第一の固定側係合部と第二の固定側係合部とから成り、
前記可動側係合部が、第一の可動側係合部と第二の可動側係合部とから成り、
前記ロック状態で、前記第一の可動側係合部と前記第一の固定側係合部とが係合し、且つ、前記第二の可動側係合部と前記第二の固定側係合部とが係合する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記固定側歯部を構成する各凸部が、前記位置調節方向に関して非対称形状であり、且つ、前記位置調節方向に直交する仮想平面に対して、該位置調節方向に傾斜している、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記可動側ロック部材が、基部と、第一の腕部と、第二の腕部とを備えており、
このうちの基部は、前記ピボット軸を挿通可能な貫通孔が形成されており、
前記第一の腕部のうち、前記固定側係合部と対向する側縁に、前記可動側係合部が形成されており、
アンロック状態からロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第一の腕部が前記固定側係合部に近付く方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合し、
ロック状態からアンロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第二の腕部が前記固定側係合部から離れる方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記可動側ロック部材を構成する基部と、第一の腕部と、第二の腕部とにより画成される支持部の内側に、前記調節ロッドが挿通されており、該支持部と該調節ロッドとが少なくとも3箇所で当接している、請求項6に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
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-
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- 2016-04-27 JP JP2016089207A patent/JP2017197007A/ja active Pending
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