JP2017197007A - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents

ステアリングホイールの位置調節装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017197007A
JP2017197007A JP2016089207A JP2016089207A JP2017197007A JP 2017197007 A JP2017197007 A JP 2017197007A JP 2016089207 A JP2016089207 A JP 2016089207A JP 2016089207 A JP2016089207 A JP 2016089207A JP 2017197007 A JP2017197007 A JP 2017197007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pair
steering wheel
movable
fixed
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016089207A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017197007A5 (ja
Inventor
祥史 黒川
Yoshifumi Kurokawa
祥史 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2016089207A priority Critical patent/JP2017197007A/ja
Publication of JP2017197007A publication Critical patent/JP2017197007A/ja
Publication of JP2017197007A5 publication Critical patent/JP2017197007A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)

Abstract

【課題】ステアリングホイールの上下位置又は前後位置を調節後の位置に保持可能な状態に於いて、このステアリングホイールの位置を強固に保持できる構造を実現する。【解決手段】支持ブラケット14aを構成する他方の支持板部22aの幅方向外側面に固定側歯部47を設ける。調節ロッド17aと上下方向に関する同期した変位可能、且つ、この調節ロッド17aとは別体に設けられたピボット軸43を中心とした揺動可能な状態に支持された可動側ロック部材48に可動側歯部55を設ける。そして、ロック状態に於いて、前記固定側歯部47と前記可動側歯部55とを上下方向に噛合させる。【選択図】図2

Description

この発明は、例えば自動車を操舵する為のステアリングホイールの前後位置又は上下位置を調節可能とする機能を備えたステアリングホイールの位置調節装置の改良に関する。
自動車用ステアリング装置は、図13に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。
上述の様なステアリング装置で、運転者の体格や運転姿勢に応じて、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構や、前後位置を調節する為のテレスコピック機構を備える事が、従来から考えられている(例えば特許文献1参照)。図示の構造では、チルト機構を構成する為に、前記ステアリングコラム6の前端部に固定したハウジング10の上部前端部を車体11に対し、幅方向(幅方向とは、車体の幅方向を言い、左右方向と一致する。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に配置したチルト軸12により、揺動変位を可能に支持している。又、前記ステアリングコラム6の軸方向中間部下面に、変位ブラケット13を設けると共に、この変位ブラケット13を幅方向両側から挟む状態で、支持ブラケット14を設けている。そして、この支持ブラケット14を構成する左右1対の支持板部22、22のそれぞれに、上下方向に長いチルト調節用長孔15を、前記変位ブラケット13のうちで、これら両チルト調節用長孔15の一部に整合する部分にテレスコ調節用通孔16を、それぞれ形成している。そして、前記両チルト調節用長孔15及びこのテレスコ調節用長孔16を幅方向に挿通する状態で、調節ロッド17を挿入している。又、前記テレスコピック機構を構成する為に、前記ステアリングシャフト5及びステアリングコラム6を伸縮可能な構造とすると共に、前記テレスコ調節用長孔16を前後方向に長い長孔としている。そして、前記調節ロッド17の一端部に設けた図示しない調節レバーを操作する事で、前記支持ブラケット14により前記変位ブラケット13を幅方向両側から挟持する力を調節し、ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態(アンロック状態)と、調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)とを切り替えられる様にしている。
上述の様なステアリング装置のより具体的な構造に就いて、図14、15を参照しつつ説明する。
ステアリングコラム6は、後側に配置したアウタコラム18の前部と、前側に配置したインナコラム19の後部とを摺動可能に嵌合させて、全長を伸縮可能にしている。このうち、例えば軽合金をダイキャスト成形する事により造ったアウタコラム18の前部にスリット20を設けて、この前部の内径を弾性的に拡縮可能としている。又、このスリット20を左右両側から挟む部分に左右1対の被挟持部21、21を設け、これら1対の被挟持部21、21により変位ブラケット13を構成している。又、これら1対の被挟持部21、21には、前後方向に長いテレスコ調節用長孔16、16を形成している。又、支持ブラケット14に設けられた左右1対の支持板部22、22を、前記変位ブラケット13を左右両側から挟持する部分に配置すると共に、これら1対の支持板部22、22のそれぞれに、チルト軸12(図13参照)を中心とする部分円弧状で上下方向に長い、チルト調節用長孔15、15を形成している。そして、これら両チルト調節用長孔15、15及び前記両テレスコ調節用長孔16、16に、調節ロッド17を幅方向に挿通している。
更に、前記調節ロッド17の軸方向一端部(図15の左端部)に調節レバー23を、軸方向他端部(図15の右端部)にナット24を、軸方向中間部一端寄り部分にスラストベアリング26、及び駆動側カム38と被駆動側カム37とにより構成されるカム装置28を、それぞれ設け、前記調節レバー23の揺動に基づいて前記1対の支持板部22、22の内側面同士の間隔を拡縮する様に構成している。
前記ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、前記調節レバー23を所定方向(一般的には下方)に揺動させて、前記駆動側カム38を、アンロック状態に切り替える際の回転方向であるアンロック方向に回転させる。そして、前記カム装置28の軸方向寸法を縮め、前記被駆動側カム37と前記ナット24との間隔を拡げる。この結果、前記1対の支持板部22、22の内側面と前記1対の被挟持部21、21の外側面との当接部の面圧が低下乃至は喪失すると同時に、前記アウタコラム18の前端部の内径が弾性的に拡がり、このアウタコラム18の前端部内周面と前記インナコラム19の後端部外周面との当接部の面圧が低下する。この状態で、前記調節ロッド17が前記両チルト調節用長孔15、15及び前記両テレスコ調節用長孔16、16内で動ける範囲で、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節できる。
前記ステアリングホイール1を所望位置に保持するには、このステアリングホイール1をこの所望位置に移動させた後、前記調節レバー23を逆方向(一般的には上方)に揺動させる。これにより、前記駆動側カム38を、ロック状態に切り替える際の回転方向であるロック方向に回転させる。そして、前記カム装置28の軸方向寸法を拡げ、前記1対の支持板部22、22の内側面同士の間隔を縮める。この状態で、これら1対の支持板部22、22の内側面と前記1対の被挟持部21、21の外側面との当接部の面圧が上昇すると同時に、前記アウタコラム18の前端部の内径が弾性的に縮まり、このアウタコラム18の前端部内周面と前記インナコラム19の後端部外周面との当接部の面圧が上昇して、前記ステアリングホイール1を、調節後の位置に保持できる。
以上の様な構成を有するステアリング装置は、前記1対の支持板部22、22と前記1対の被挟持部21、21との間等に作用する摩擦力により、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節後の位置に保持しているが、例えば、二次衝突時等の運転者の保護の充実を図る面から、前記ステアリングホイール1の位置をより強固に保持できる構造が求められている。
特開2009−227181号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ステアリングホイールの上下位置又は前後位置を調節後の位置に保持可能な状態に於いて、このステアリングホイールの位置を強固に保持できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のステアリングホイールの位置調節装置は、変位ブラケットと、固定側ブラケットと、調節ロッドと、1対の押圧部と、拡縮装置とを備えている。
このうちの変位ブラケットは、ステアリングコラムの一部に設けられ、幅方向に貫通する状態で第一通孔が形成されている。
前記固定側ブラケットは、前記変位側ブラケットを幅方向両側から挟む状態で設けられた1対の支持板部を有し、該1対の支持板部の互いに整合する部分に1対の第二通孔が形成され、車体側に固定される。
前記調節ロッドは、前記第一通孔及び前記1対の第二通孔を幅方向に挿通した状態で設けられている。
前記1対の押圧部は、前記調節ロッドの両端部で前記1対の支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
前記拡縮装置は、前記1対の押圧部同士の間隔を拡縮する為のものである。
又、前記第一通孔と前記1対の第二通孔とのうちの少なくとも一方の通孔を、ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向である位置調節方向に長い調節用長孔としている。尚、該位置調節方向とは、テレスコピック機構により前記ステアリングホイールの位置を調節する場合には前後方向であり、チルト機構により該ステアリングホイールの位置を調節する場合には上下方向である。
そして、前記拡縮機構の拡縮に基づいて、ステアリングホイールの前記位置調節方向に関する位置を調節可能なアンロック状態と、このステアリングホイールを調節後の位置に保持可能なロック状態とを切り替え可能である。
特に、本発明のステアリングホイールの位置調節装置の場合、ロック状態で、前記位置調節方向に凹凸係合するロック機構を備えている。
この様なロック機構は、固定側係合部と、ピボット軸と、可動側ロック部材とを有している。
このうちの固定側係合部は、前記固定側ブラケット又は前記変位側ブラケットのうちの前記調節用長孔が形成されたブラケットに直接又は他の部材を介して設けられている。
前記ピボット軸は、前記調節ロッドの中心軸に対してずれた位置に設けられている。
前記可動側ロック部材は、前記固定側係合部と凹凸係合可能な可動側係合部を有し、前記ロック状態と前記アンロック状態との間の切り換えの際の前記調節ロッドの回転に伴い、前記ピボット軸を中心とする揺動を可能、且つ、前記調節ロッドと前記位置調節方向に関する同期した変位を可能な状態に支持されている。
そして、前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合する。
一方、前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、前記可動側ロック部材を、前記固定側ブラケットを構成する1対の支持板部のうちの少なくとも一方の支持板部の幅方向外側面と、前記1対の押圧部のうちの該少なくとも一方の支持板部の幅方向外側に設けられた押圧部との間、又は、前記少なくとも一方の支持板部の幅方向内側面と、該少なくとも一方の支持板部の幅方向内側面と対向する前記変位側ブラケットの幅方向外側面との間に、幅方向の抜け止めを図られた状態で配置する構成を採用できる。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合には、追加的に、請求項3に記載した発明の様に、前記ピボット軸の中心軸を、幅方向に平行、且つ、前記調節ロッドの中心軸を通り前記位置調節方向に平行な仮想平面上に存在させる構成を採用できる。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、具体的には、請求項4に記載した発明の様に、前記固定側係合部が、第一の固定側係合部と第二の固定側係合部とから成り、前記可動側係合部が、第一の可動側係合部と第二の可動側係合部とから成り、前記ロック状態で、前記第一の可動側係合部と前記第一の固定側係合部とが係合し、且つ、前記第二の可動側係合部と前記第二の固定側係合部とが係合する構成を採用できる。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、具体的には、請求項5に記載した発明の様に、前記固定側歯部を構成する各凸部を、前記位置調節方向に関して非対称形状に形成すると共に、前記位置調節方向に直交する仮想平面に対して、該位置調節方向に傾斜させた構成を採用できる。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、具体的には、請求項6に記載した発明の様に、前記可動側ロック部材を、基部と、第一の腕部と、第二の腕部とにより構成する。
この様な構成を採用した場合には、前記基部に、前記ピボット軸を挿通可能な貫通孔を形成する。
又、前記第一の腕部のうち、前記固定側係合部と対向する側縁に、前記可動側係合部を形成する。
そして、アンロック状態からロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第一の腕部が前記固定側係合部に近付く方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合する様に構成する。
一方、ロック状態からアンロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第二の腕部が前記固定側係合部から離れる方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される様に構成する。
上述の様な請求項6に記載した発明を実施する場合に、具体的には、請求項7に記載した発明の様に、前記可動側ロック部材を構成する基部と、第一の腕部と、第二の腕部とにより画成される支持部の内側に、前記調節ロッドを挿通する構成を採用できる。この構成を採用した場合には、好ましくは、該支持孔と該調節ロッドとを少なくとも3箇所で当接させる様にする。
上述の様に構成する本発明のステアリングホイールの位置調節装置によれば、ステアリングホイールの上下位置又は前後位置を調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)に於いて、このステアリングホイールの位置を強固に保持できる。
即ち、本発明の場合、ロック状態に於いて、固定側ブラケット又は変位側ブラケットのうちの調節用長孔が形成されたブラケットに直接(又は間接的に)設けられた固定側係合部と、調節ロッドと共に前記位置調節方向への変位を可能な状態に支持された可動側ロック部材の可動側係合部とを、この位置調節方向に凹凸係合させている。この為、ロック状態に於いて、前記ステアリングホイールにこの位置調節方向の衝撃的な荷重が作用した場合でも、前記凹凸係合に基づいて前記ステアリングホイールが位置調節方向に変位する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図15と同様の図。 同じく、ロック機構を他方の支持板部の幅方向内側から見た状態で示す図であって、アンロック状態を示す図(a)と、ロック状態を示す図(b)。 同じく、図2(a)のX部拡大図。 同じく、図2のA−A断面図。 同じく、被駆動側カムを幅方向内側から見た斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同じく、図5と同様の図。 同じく、他方の可動側ロック部材を省略した状態のロック機構を他方の支持板部の幅方向内側から見た状態で示す斜視図。 同じく、1対の可動側ロック部材を省略した状態のロック機構を他方の支持板部の幅方向内側から見た状態で示す斜視図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、ロック機構を一方の被挟持部の幅方向外側から見た状態で示す図であって、アンロック状態を示す図(a)と、ロック状態を示す図(b)。 同じく、図10のB−B断面に相当する図。 本発明の実施の形態の第3例の別例の構造を説明する為の図であって、ロック状態のロック機構を幅方向外側から見た図。 ステアリング装置の従来構造の1例を示す部分断面側面図。 ステアリング装置の具体的な構造を説明する為の部分側面図。 図14のC−C断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。本例のステアリングホイールの位置調節装置を適用可能なステアリング装置の基本的構造は、図13に記載したステアリング装置の構造とほぼ同様である。
即ち、本例のステアリングホイールの位置調節装置を適用可能なステアリング装置は、ステアリングホイール1(図13参照)の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って、ラックアンドピニオン機構を介して、左右1対のタイロッド4、4を押し引きし車輪に舵角を付与する。
前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6aを軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6aに回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、図13に示す様に、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続しており、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。又、前記ステアリングシャフト5に操舵補助力を付与する為に、前記ステアリングコラム6aの前方に動力源となる電動モータ27(図13参照)を設けている。
後端部にステアリングホイール1を支持固定するステアリングシャフト5は、後側(図13の右側)に設けたアウタシャフト28の前端部と、前側(図13の左側)に設けたインナシャフト29の後端部とをスプライン係合させる事により、前記アウタシャフト28の前後位置を調節可能としている。そして、この様なステアリングシャフト5を、前記ステアリングコラム6aの内側に、図示しない単列深溝型等の玉軸受により、回転のみ可能に支持している。
前記ステアリングコラム6aは、後側に配置したアウタコラム18aの前部と、前側に配置したインナコラム19aの後部とを摺動可能に嵌合させて、全長を伸縮可能にしている。このうち、例えば軽合金をダイキャスト成形する事により造ったアウタコラム18aの前部且つ上端部にスリット20aを設けて、この前部の内径を弾性的に拡縮可能としている。又、このスリット20aを左右両側から挟む部分に左右1対の被挟持部21a、21aを設け、これら1対の被挟持部21a、21aにより変位ブラケット13aを構成している。この様な1対の被挟持部21a、21aには、前後方向に長いテレスコ調節用長孔16a、16aを形成している。
又、前記ステアリングコラム6a(前記インナコラム19a)の前端部には、ハウジング10(図13参照)を固定しており、このハウジング10の上部前端部を、車体11に対し、幅方向に配置したチルト軸12により、このチルト軸12を中心とした上下方向の揺動を可能な状態で支持している。又、前記ハウジング10内には、電動アシスト機構を構成する、図示しないウォーム及びウォームホイールを備えたウォーム式減速機等を配置している。そして、前記インナシャフト29に作用するトルクに基づき、前記ウォームを、前記ハウジング10に固定した前記電動モータ27により回転駆動する事で、前記ステアリングシャフト5に操舵補助力を付与する様にしている。
又、前記変位ブラケット13aを幅方向両側から挟む状態で、支持ブラケット14aを設けている。この支持ブラケット14aは、上部に設けられた取付板部30と、この取付板部30から下方に垂れ下がった左右1対の支持板部22a、22bとを備えている。本例の場合、これら1対の支持板部22a、22bの上端縁同士を連結板部31により幅方向に連続しており、この連結板部31の上面を、前記取付板部30の幅方向中央部の下面に溶接により固定している。この様な支持ブラケット14aは、前記取付板部30により、前記車体に対し1対の離脱カプセル32、32(図15参照)を介して、二次衝突時に前方への離脱を可能に支持されている。
又、前記1対の支持板部22a、22bには、前記チルト軸12を中心とする部分円弧状で上下方向に長い、1対のチルト調節用長孔15a、15bを形成している。尚、これら1対のチルト調節用長孔15a、15bは、部分円弧状ではなく、上方に向かうほど後方に向かう方向の直線状に形成する事もできる。本例の場合、前記1対のテレスコ調節用長孔16a、16aが特許請求の範囲に記載した第一通孔に、前記1対のチルト調節用長孔15a、15bが第二通孔に、それぞれ相当する。又、本例の場合、後述する様に、ロック状態で可動側ロック部材48の可動側歯部55と、固定側歯部47とが上下方向に凹凸係合する。従って、これら1対のチルト調節用長孔15a、15bが、特許請求の範囲に記載した調節用長孔に相当し、前記1対のチルト調節用長孔15a、15bの形成方向(上下方向)が、位置調節方向に相当する。
以上の構成により、前記チルト軸12を中心とする揺動変位に基づいて、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節可能とすると共に、前記ステアリングシャフト5及び前記ステアリングコラム6aの伸縮に基づいて、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節可能としている。
そして、前記1対のチルト調節用長孔15a、15b及び前記1対のテレスコ調節用長孔16a、16aに、調節ロッド17aを幅方向に挿通している。
この様な調節ロッド17aは、軸方向一端部(図1の右端部)に形成された雄ねじ部(図示省略)と、軸方向中間部に形成されたカム部33と、軸方向他端部(図1の左端部)に形成された頭部34とを有している。
このうちのカム部33は、前記調節ロッド17aのうち、前記1対のテレスコ調節用長孔16a、16aのうちの他方(図1の左方)のテレスコ調節用長孔16aの内側に配置される部分から、前記頭部34の幅方向内側面に隣接する部分にかけて設けられている。
具体的には、前記カム部33は、外周面の径方向に関して反対側となる2箇所位置を互いに平行な平坦面状に切り欠く様に形成された1対の平坦面部35a、35bと、前記調節ロッド17aの円周方向に関してこれら1対の平坦面部35a、35b同士の間部分に形成され、前記カム部33の中心軸を中心とした断面円弧状の1対の押圧曲面部36a、36bとを有している。この様なカム部33は、断面形状が、2回対称性(180°回転すると自らが重なる形状)を有しており、前記1対の平坦面部35a、35b同士の距離は、前記1対の押圧曲面部36a、36bの頂点同士の距離よりも小さい。本例の場合、図2(a)に示すステアリングホイールの位置を調節可能な状態(アンロック状態)で、前記1対の平坦面部35a、35bが、前記1対のチルト調節用長孔15a、15bの形成方向(上下方向)と平行(略平行を含む)となる様に配置している。尚、前記カム部33は、後述する可動側ロック部材48の内側に配置される部分を含む限り、前記調節ロッド17aのうちの任意の範囲に設ける事ができる。例えば、前記調節ロッド17aのうち、前記雄ねじ部及び前記頭部34以外の部分を全長に亙り前記カム部33とする事もできる。又、前記調節ロッド17aとは別部材に設けられ、外周面に1対の平坦面部と1対の押圧曲面部とを有する筒状部材を、この調節ロッド17aの軸方向中間部外周面に外嵌固定する事により、カム部を構成する事もできる。又、カム部の構造は本例の場合に限定されるものではない。例えば、図2に斜格子で示す様な断面形状を有する構造とする事もできる。
又、本例の場合には、前記調節ロッド17aの雄ねじ部に螺合されたナット24aと、前記1対の支持板部22a、22bのうちの一方(図1の右方)の支持板部22aとの間部分に、この一方の支持板部22aの側から順に、押圧プレート25、スラストベアリング26aを配置している。
又、前記調節ロッド17aの頭部34と前記1対の支持板部22a、22bのうちの他方(図1の左方)の支持板部22bとの間部分に、被駆動側カム37aと、駆動側カム38aと、調節レバー23とを配置している。
前記被駆動側カム37aは、前記駆動側カム38aと共に、特許請求の範囲に記載した拡縮機構に相当するカム装置を構成するものである。又、前記被駆動側カム37aは、例えば、焼結金属製で、前記調節ロッド17aを挿通する為の中心孔40を有し、全体を略円輪板状としている。又、前記被駆動側カム37aは、幅方向外側面(図1の左側面)に、周方向に関する凹凸面である被駆動側カム面が形成されている。一方、前記被駆動側カム37aの幅方向内側面のうち、組み付け状態で上側及び下側に配置される円周方向2箇所位置には、幅方向内側に突出した1対のガイド凸部42a、42bが形成されている。この様な1対のガイド突部42a、42bの前後方向寸法は、前記他方のチルト調節用長孔15bの前後方向寸法よりも僅かに小さい。又、前記1対のガイド突部42a、42bのうちの一方(上方)のガイド凸部42aの幅方向内端面には、幅方向内側に突出し、且つ、幅方向から見た形状が円形状のピボット軸43が形成されている。
この様な被駆動側カム37aは、前記調節ロッド17aの軸方向他端寄り部分を、前記中心孔40に挿通した状態で、この調節ロッド17aに対する相対回転を可能な状態、且つ、幅方向(この調節ロッド17aの軸方向)の相対変位を可能な状態に外嵌されている。又、前記1対のガイド凸部42a、42bは、前記他方のチルト調節用長孔15bの内側に配置されている。この状態でこれら1対のガイド凸部42a、42bの前側面が、この他方のチルト調節用長孔15bの前側縁と近接対向すると共に、同じく後側面が、この他方のチルト調節用長孔15bの後側縁と近接対向している(前記1対のガイド凸部42a、42bが、前記他方のチルト調節用長孔15bにがたつきなく係合している)。又、前記ピボット軸43の幅方向内端面(先端面)は、前記他方のチルト調節用長孔15bの幅方向内端縁よりも幅方向内側に突出している。この様な組み付け状態に於いて、前記ピボット軸43の中心軸は、幅方向に平行である。又、このピボット軸43の中心軸は、前記調節ロッド17aの中心軸を通り前記1対のチルト調節用長孔15a、15bの形成方向に平行な仮想平面上に存在している。尚、前記ピボット軸43の中心軸を、この仮想平面からずらして配置する事もできる。
一方、前記駆動側カム38aは、例えば、焼結金属製で、前記調節ロッド17aを挿通する為の中心孔41を有し、全体を例えば円輪板状或いは矩形板状としている。本例の場合、前記駆動側カム38aの中心孔41の内周面を、前記調節ロッド17aのカム部33の外周面と非円形嵌合可能な形状としている。又、前記駆動側カム38aの幅方向内側面には、周方向に関する凹凸面である、駆動側カム面が形成されている。又、前記駆動側カム38aの幅方向外側面には、幅方向外側に突出した駆動側係合凸部44が設けられている。この様な駆動側カム38aは、前記中心孔41に、前記調節ロッド17aの軸方向他端寄り部分のうちで、前記被駆動側カム37aを外嵌した部分よりも軸方向他端側部分の外周面(前記カム部33の一部)を非円形嵌合した状態で組み付けられている。又、この状態で、前記駆動側係合凸部44を、前記調節レバー23の基端部に設けられたレバー側通孔45に係合させている。この様にして、前記駆動側カム38aを、前記調節レバー23と一体的に回転可能としている。
尚、この駆動側カム38aの中心孔41に、前記調節ロッド17aの軸方向他端寄り部分を圧入する事で、これら駆動側カム38aと調節ロッド17aとを一体的に回転可能とする事もできる。
以上の様な構成により前記調節レバー23と、前記駆動側カム38aと、前記調節ロッド17aとを、同期した(一体的な)回転可能な状態に組み付けている。
又、前記他方(図1の左方)の支持板部22bの幅方向内側面と、前記1対の被挟持部21a、21aのうちの他方の被挟持部21aとの間にロック機構46を設けている。
この様なロック機構46は、固定側歯部47と、前記被駆動側カム37aのピボット軸43と、可動側ロック部材48と、前記調節ロッド17aに設けられたカム部33とにより構成されている。この様なロック機構46は、ロック状態に於ける、前記調節ロッド17aの上下方向の変位を、凹凸係合により阻止する為のものである。
前記固定側歯部47は、特許請求の範囲に記載した固定側係合部に相当するものであり、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面に、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)と平行(チルト調節用長孔の形成方向と平行とは、後述する様に、ロック状態で前記固定側歯部47と、可動側ロック部材48の可動側歯部55とが凹凸係合する事により、前記ステアリングホイール1の上下方向に関する保持力を大きくする事ができる限り略平行な状態も含む。以下、同じ)な方向に形成された凹凸部により構成されている。尚、前記固定側歯部47は、前記他方の支持板部22bに直接形成する事もできるし、この他方の支持板部22bに固定(例えば、溶接固定)される他の部材(例えば、板状部材等)に形成する事もできる。
具体的には、本例の場合、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面のうち、前記他方のチルト調節用長孔15bの前後方向及び上下方向に隣接した部分に凹部49を形成している。本例の場合、この凹部49を、幅方向から見た形状が上下方向に長い略矩形状としているが、この様な形状に限定されるものではない。この様な凹部49の前側面及び後側面は、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向と平行である。そして、この凹部49の後側面に、前記固定側歯部47を形成している。
尚、前記凹部49の後側面ではなく、前側面に、前記固定側歯部47を形成する事もできる。又、図示は省略するが、この固定側歯部47の形成態様の別例として、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面のうち、前記他方のチルト調節用長孔15bよりも前側部分及び後側部分に、この他方のチルト調節用長孔15bの形成方向と平行、且つ、幅方向内方に突出した状態で1対の上下方向凸部を形成し、これら1対の上下方向凸部のうちの一方(前方)の上下方向凸部の後側面(又は、他方の上下方向凸部の前側面)に、前記固定側歯部47を形成する事もできる。或いは、前記他方の支持板部22bと別体に設けた板状部材の前後方向両端部に1対の上下方向凸部を形成し、これら1対の上下方向凸部のうちの一方の上下方向凸部の後側面(又は、他方の上下方向凸部の前側面)に、前記固定側歯部47を形成する事もできる。この様な構成を採用した場合には、この板状部材を前記他方の支持板部22bに対して溶接により固定する。
本例の場合、前記固定側歯部47を構成する各凸部50、50を、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向に直交する仮想平面βに対して下方に傾斜した状態で形成している。具体的には、本例の場合、図3に示す様に、前記固定側歯部47を構成する各凸部50、50の基端部の上下方向中央位置Xと、同じく先端部の上下方向中央位置Xとを通り且つ前記調節ロッド17aの軸方向に平行な仮想平面P47を、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に直交する仮想平面βに対して前方に向かうほど下方に向かう方向に傾斜させている。又、前記各凸部50、50は、前記仮想平面P47に関して非対称な形状を有している。
前記可動側ロック部材48は、弾性を有する金属板にプレス加工を施す事により造られたものであって、基部51と、解除用腕部52と、歯形成腕部53とから成る。この様な可動側ロック部材48の構造に就いては、図2に示す組み付け状態を参照しつつ説明する。尚、図2(a)は、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態(アンロック状態)を示し、図2(b)は、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)を示している。
このうちの基部51は、中央部にこの基部51を幅方向(可動側ロック部材48の長さ方向)に貫通した貫通孔54が形成されている。
前記解除用腕部52は、特許請求の範囲に記載した第二の腕部に相当するものであり、幅方向から見た形状が前方に向けて凸となる略円弧形である。この様な解除用腕部52は、前記基部51の前端部(図2の右端部)から下方に湾曲した状態で形成されている。
前記歯形成腕部53は、特許請求の範囲に記載した第一の腕部に相当するものであり、幅方向から見た形状が上下方向に伸長した略矩形状である。この様な歯形成腕部53は、前記基部51の後端部(図2の左端部)から下方に延出した状態で形成されている。又、前記歯形成腕部53の後端縁(後側面)の下半部には、上下方向に形成された凹凸部により構成された可動側歯部55が設けられている。
前記可動側歯部55は、前記固定側歯部47と噛合可能な形状としている。
具体的には、前記可動側歯部55を構成する各凸部56、56を、これら各凸部56、56の基端部の上下方向中央位置Yと、同じく先端部の上下方向中央位置Yとを通り前記調節ロッド17aの軸方向に平行な仮想平面P49に関して非対称な形状にすると共に、この仮想平面P49を、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に直交する仮想平面βに対して、後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜させている。
又、本例の場合、前記可動側ロック部材48の厚さ寸法は、前記凹部49の深さ寸法(幅方向寸法)よりも小さい。
以上の様な構成を有する前記可動側ロック部材48は、前記基部51と、前記解除用腕部52と、前記歯形成腕部53とにより画成される支持部57に、前記調節ロッド17aのカム部33を挿通すると共に、前記基部51の貫通孔54に、前記被駆動側カム37aのピボット軸43を挿通した状態で、前記他方の支持板部22aの凹部49の内側に配置されている。図2(a)に示すアンロック状態で、前記歯形成腕部53の前側縁の上下方向中間部が、前記1対の平坦面部35a、35bのうちの他方(後方)の平坦面部35bの下端部に当接している。又、前記解除用腕部52の先端部(下端部)が、前記1対の平坦面部35a、35bのうちの一方(前方)の平坦面部35aの下端部に、弾性的に当接している。一方、前記基部51の外周面下端部(下端縁)は、前記カム部33の1対の押圧曲面部36a、36bのうちの一方(上方)の押圧曲面部36aに僅かな隙間を介して対向している。この様に前記カム部33の外周面を、前記支持部57と2箇所で当接させる事により、前記可動側ロック部材48が、前記調節ロッド17aに対してがたつく事を防止している。又、この状態でこの可動側ロック部材48は、前記調節ロッド17aと、上下方向及び回転方向に関する同期した変位を可能としている。
又、前記可動側ロック部材48は、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面(前記凹部49の底面)と、前記他方の被挟持部21aの幅方向外側面との間に挟まれた状態で配置されている。この様にして、前記可動側ロック部材48の幅方向に関する位置決め(抜け止め)を図っている。但し、前記可動側ロック部材48の厚さ寸法は、前記凹部49の深さ寸法よりも小さい。この為、前記可動側ロック部材48の幅方向外側面と前記他方の支持板部22bの幅方向内側面(前記凹部49の底面)との間、又は、前記可動側ロック部材48の幅方向内側面と前記他方の被挟持部21aの幅方向外側面との間に、幅方向の僅かな隙間を存在させる事ができる。この結果、前記可動側ロック部材48は、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面(前記凹部49の底面)と、前記他方の被挟持部21aの幅方向外側面とにより強く挟持される事はない。
尚、本例の構造では、前記ロック機構46を、前記1対の支持板部22a、22bのうちの他方の支持板部22b(前記調節レバー23と同じ側)にのみ設けているが、ロック機構を、一方の支持板部22a(前記調節レバー23と反対側)にのみ設ける構成を採用する事もできる。或いは、ロック機構を、前記1対の支持板部22a、22bの両方に設ける構成を採用する事もできる。この様に本例と異なる構成を採用する場合には、本例のロック機構46に関する形状、方向、及び位置等を適宜読み替えて適用する事ができる為、詳しい説明は省略する。
次に、本例のステアリングホイールの位置調節装置の動作に就いて説明する。
前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)とする際には、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態(アンロック状態)の前記調節レバー23を、所定方向(一般的には上方であって、以下、ロック方向と言う)に揺動させる。これにより、前記カム装置の軸方向寸法を拡げる事で、前記被駆動側カム37aと前記押圧プレート25との間隔を縮める。この結果、前記インナコラム19aの外周面と前記アウタコラム18aの内周面との接触部に作用する摩擦力、及び、前記変位ブラケット13aを構成する1対の被挟持部21a、21aの幅方向外側面と、前記支持ブラケット14aを構成する1対の支持板部22a、22bの幅方向内側面との接触部に作用する摩擦力、及び、これら1対の支持板部22a、22bの幅方向外側面と、前記被駆動側カム37a及び前記押圧プレート25の幅方向内側面との接触部に作用する摩擦力が、それぞれ増加して、ロック状態となる。
次に、前記ロック機構46の動作に就いて説明する。
上述の動作の際、前記調節レバー23の揺動に伴い前記調節ロッド17aが回転する。すると、前記カム部33が、前記可動側ロック部材48の歯形成腕部53を後側に押圧して、前記可動側ロック部材48が、前記ピボット軸43を中心に図2(a)に示す状態から図2(b)に示す様にロック方向に揺動する。そして、前記固定側歯部47の一部と、前記可動側歯部55の一部とが噛合(凹凸係合)する。別の言い方をすれば、前記固定側歯部47を構成する各凸部と、前記可動側歯部55を構成する各凸部とが、上下方向に重畳する。
この状態で、前記歯形成腕部53の前側縁の上下方向中間部が、前記1対の平坦面部35a、35bのうちの他方(後方)の平坦面部35bの下端部に当接している。
尚、本例の場合、図2(b)に示す状態では(少なくとも、ロック状態の直前からロック状態になるまでの間)、前記カム部33が、前記歯形成腕部53の前側縁のうちの前記可動側歯部55よりも前記ピボット軸43に近い部分(図2の上側)を押圧する様にしている。
又、前記解除用腕部52の先端部(下端部)が、前記1対の平坦面部35a、35bのうちの一方(前方)の平坦面部35aの下端部に、弾性的に当接している。尚、前記基部51の外周面下端部(下端縁)と、前記カム部33の1対の押圧曲面部36a、36bのうちの一方(上方)の押圧曲面部36aとの間には隙間が存在している(当接していない)が、前記基部51の外周面下端部を、前記カム部33の外周面に当接させる事もできる。
ロック状態からアンロック状態に切り替える際には、前記調節レバー23を前記所定方向とは反対方向(一般的には下方)に揺動させる事により、前記カム装置の軸方向寸法を縮める事で、前記被駆動側カム37aと前記押圧プレート25との間隔を拡げる。これにより、前記各摩擦力が小さくなる。又、前記調節レバー23の揺動に伴い前記調節ロッド17aが回転すると、前記カム部33が、前記可動側ロック部材48の解除用腕部52を前方に押圧して、前記可動側ロック部材48が、前記ピボット軸43を中心に図2(b)に示す状態から図2(a)に示す様にアンロック方向に揺動する。そして、前記固定側歯部47と、前記可動側歯部55との噛合(凹凸係合)が解除される。この状態で、前記調節ロッド17aが、前記1対のチルト調節用長孔15a、15b及び前記1対のテレスコ調節用長孔16a、16bの内側で変位できる範囲内で、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態となる。
以上の様な構成を有する本例によれば、ステアリングホイールを調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)に於いて、ステアリングホイールの上下方向に関する位置を強固に保持できる。
即ち、本例の場合、ロック状態に於いて、車体に固定される前記支持ブラケット14aの他方の支持板部22bに設けられた前記固定側歯部47と、前記可動側ロック部材48の可動側歯部55とを噛合させている。この様な可動側ロック部材48は、前記調節ロッド17aに対して一体的な変位を可能に支持されている。この為、例えば、二次衝突の際、前記ステアリングホイール1に上向きの大きな衝撃力が加わった場合でも、前記固定側歯部47と前記可動側歯部55との噛合に基づく大きな保持力により、前記ステアリングホイール1の上下方向への変位(例えば、跳ね上がり)を防止できる。この結果、前記ステアリングホイール1の後方で膨らんだエアバックの位置を適正な位置に保つ事ができ、このエアバッグによる運転者の保護充実を図り易くできる。又、例えば、運転者が車両への乗り降りの際、前記ステアリングホイール1に寄りかかって、このステアリングホイール1に下向きの衝撃的な荷重が作用した場合に、このステアリングホイール1が下方向に変位する事を防止できる。
又、本例の場合、ロック状態に於いて、前記可動側ロック部材48の幅方向外側面と前記他方の支持板部22aの幅方向内側面との間、又は、前記可動側ロック部材48の幅方向内側面と前記他方の被挟持部21aの幅方向外側面との間に、幅方向の僅かな隙間を存在させている。この為、前記可動側ロック部材48の幅方向両側面と、前記他方の支持板部22aの幅方向内側面及び前記他方の被挟持部21aの幅方向外側面との間に大きな摩擦力が生じる事はない。この結果、ロック状態からアンロック状態に切り換える際、前記可動側ロック部材48が揺動し難くなって、前記調節レバー23の操作性が低下する事を防止できる。
尚、本例の場合、前記ロック機構46を、前記他方の支持板部22cの幅方向内側に設けているが、この他方の支持板部22cの幅方向外側に設ける事もできる。
又、本例の場合、図2(b)に示す状態で(少なくとも、ロック状態の直前からロック状態になるまでの間)、前記カム部33が、前記歯形成腕部53の前側縁のうちの前記可動側歯部55よりも前記ピボット軸43に近い部分を押圧する様にしている。この為、前記歯形成腕部53のうちの前記カム部33により押圧されている部分よりも先端側部分(図2の下側部分)が弾性変形し易くなる。この結果、前記固定側歯部47を構成する各凸部50、50の先端部と、前記可動側歯部55を構成する各凸部56、56の先端部とが当接して正常な噛合状態にならない様な場合に、前記歯形成腕部53の弾性変形に基づいて、前記固定側歯部47を構成する各凸部50、50と、前記可動側歯部55を構成する各凸部56、56とが相対変位して、これら各凸部50、56同士の噛合状態を正常にする事ができる。
又、本例の場合、アンロック状態からロック状態に移行する際、前記可動側ロック部材48が、前記ピボット軸43を中心に図2(a)に示す状態から図2(b)に示す様にロック方向に揺動して、前記固定側歯部47の一部と、前記可動側歯部55の一部とが噛合(凹凸係合)する様にしている。この為、可動側ロック部材が、前記固定側歯部47に対して平行移動して近づく(揺動ではなく単なる前後方向の変位のみで近付く)構造と比べて、前記固定側歯部47を構成する各凸部50、50の先端部と、前記可動側歯部55を構成する各凸部56、56の先端部とが当接して、前記固定側歯部47とこの可動側歯部55とが正常に噛合していない状態を、生じにくくできる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6〜9を参照しつつ説明する。
本例のステアリングホイールの位置調節装置を構成するロック機構46aの場合、支持ブラケット14aを構成する他方の支持板部22bの幅方向内側面のうち、他方のチルト調節用長孔15b(図2参照)の前後方向及び上下方向に隣接した部分に凹部49aを形成している。この凹部49aは、幅方向から見た形状が上下方向に長い略矩形状であり、前側面及び後側面が、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向と平行な状態に形成されている。そして、前記凹部49aの後側面に、固定側歯部47を、同じく前側面に第二の固定側歯部58を、それぞれ形成している。本例の場合、この固定側歯部47を構成する凸部50、50と、前記第二の固定側歯部58を構成する各凸部50a、50aの上下方向に関する傾斜方向を互いに反対に形成している。即ち、前記固定側歯部47に関しては、前述した実施の形態の第1例と同様の構造を採用し、前記第二の固定側歯部58に関しては、前記固定側歯部47を調節ロッド17aの中心軸を中心に180°回転させた如き構造としている。
尚、本例の場合、前記固定側歯部47及び前記第二の固定側歯部58が、特許請求の範囲に記載した固定側係合部(第一の固定側係合部、第二の固定側係合部)に相当する。
又、被駆動側カム37bの幅方向内側面に形成された1対のガイド突部42a、42bのうちの他方(下方)のガイド突部42bの幅方向内端面(先端面)にも、幅方向内側に突出し、且つ、幅方向から見た形状円形状のピボット軸43が形成されている。即ち、本例の場合、前記被駆動側カム37aが1対のピボット軸43、43を有している。その他の被駆動側カム37aの構造は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
又、本例の場合、前記ロック機構46aは、1対の可動側ロック部材48、48を有している。具体的には、これら1対の可動側部材48、48のうちの一方(幅方向外側、図6の裏側)の可動側ロック部材48を、前述した実施の形態の第1例と同様の態様で配置している。一方、前記1対の可動側部材48、48のうちの他方(幅方向内側、図6の表側)の可動側ロック部材48を、前記一方の可動側ロック部材48に対して、180°回転した状態で(ロック状態で、前記他方の可動側ロック部材48の可動側歯部55が、前記凹部49aの後側面に形成された前記第二の固定側歯部58と噛合する様に)配置している。尚、本例の場合、前記1対の可動側ロック部材48、48の可動側歯部55、55のうちの一方の可動側歯部55が、特許請求の範囲に記載した第一の可動側係合部に相当し、同じく他方の可動側歯部55が、特許請求の範囲に記載した第二の可動側係合部に相当する。
以上の様な構成を有する前記1対の可動側ロック部材48、48のうちの一方の可動側ロック部材48は、基部51と、解除用腕部52と、歯形成腕部53とにより画成される支持部57に、調節ロッド17aのカム部33を挿通すると共に、前記基部51の貫通孔54に、前記被駆動側カム37bの1対のピボット軸43、43のうちの一方(上方)のピボット軸43を挿通した状態で、前記他方の支持板部22bの凹部49aの内側に配置されている。
一方、前記1対の可動側ロック部材48、48のうちの他方の可動側ロック部材48は、基部51と、解除用腕部52と、歯形成腕部53とにより画成される支持部57に、調節ロッド17aのカム部33を挿通すると共に、前記基部51の貫通孔54に、前記被駆動側カム37bの1対のピボット軸43、43のうちの他方(下方)のピボット軸43を挿通した状態で、前記他方の支持板部22bの凹部49aの内側に配置されている。
尚、本例の場合、前記1対の可動側ロック部材48、48の厚さ寸法の和を、前記凹部49aの深さ寸法(幅方向寸法)よりも小さくしている。この為、前記一方の可動側ロック部材48の幅方向外側面と前記他方の支持板部22bの幅方向内側面(前記凹部49aの底面)との間、この一方の可動側ロック部材48の幅方向内側面と前記他方の可動側ロック部材48の幅方向外側面との間、又は、この他方の可動側ロック部材48の幅方向内側面と他方の被挟持部21a(図1参照)の幅方向外側面との間に、幅方向の僅かな隙間を存在させる事ができる。この結果、前記1対の可動側ロック部材48、48は、前記他方の支持板部22bの幅方向内側面(前記凹部49aの底面)と、前記他方の被挟持部21aの幅方向内側面とにより強く挟持される事はない。
上述の様な構成を有する本例の場合、アンロック状態からロック状態に切り替える際の調節レバー23の揺動に伴い、前記調節ロッド17aがロック方向(図4の反時計方向)に回転すると、この調節ロッド17aのカム部33が、前記1対の可動側ロック部材48、48をそれぞれ押圧して、これら1対の可動側ロック部材48、48が図6(a)に示す状態から図6(b)に示す状態にロック方向に揺動する。そして、前記固定側歯部47の一部と、前記一方の可動側ロック部材48の可動側歯部55の一部とが噛合(凹凸係合)し、且つ、前記第二の固定側歯部58の一部と、前記他方の可動側ロック部材48の可動側歯部55の一部とが噛合(凹凸係合)する。
以上の様な本例の構造によれば、ロック状態に於ける前記ステアリングホイール1の上下方向位置を、前記固定側歯部47と前記一方の可動側ロック部材48の可動側歯部55との噛合、及び、前記第二の固定側歯部58と前記他方の可動側ロック部材48の可動側歯部55との噛合に基づいて、前述した実施の形態の第1例の構造と比べて、より強固に固定する事ができる。
特に本例の場合、前記固定側歯部47を構成する各凸部50、50と前記第二の固定側歯部58を構成する各凸部50a、50aの上下方向に関する傾斜方向を互いに反対としている。この為、前記固定側歯部47と前記一方の可動側ロック部材48の可動側歯部55との噛合により、ロック状態での前記ステアリングホイール1の上方への変位を強固に固定し、前記第二の固定側歯部58と前記他方の可動側ロック部材48の可動側歯部55との噛合により、前記ステアリングホイール1の下方への変位を強固に固定する事ができる。
尚、本例の構造を実施する場合には、前記固定側歯部47と前記第二の固定側歯部58との歯の傾斜方向を互いに同じにする事もできる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図10、11を参照しつつ説明する。
本例は、ロック状態に於けるステアリングホイール1の前後方向位置の保持力を強化する為のロック機構を備えたステアリングホイールの位置調節装置の構造を示すものである。
具体的には、本例の場合、アウタコラム18bの後端部で、支持ブラケット14a(図15参照)の1対の支持板部22a、22b同士の間に挟まれた部分に、例えば、十分な剛性を有する金属板を折り曲げ形成して成る、断面略U字型の変位ブラケット13bを、溶接等により固定している。
又、前記変位ブラケット13bを構成する1対の被挟持部21b、21cのそれぞれに、軸方向(前後方向)に伸長したテレスコ調節用通孔16c、16dを形成している。本例の場合、これら1対のテレスコ調節用通孔16c、16dが、特許請求の範囲に記載した調節用長孔に相当し、前後方向が位置調節方向に相当する。
又、前記1対の被挟持部21b、21cの幅方向外側面のうち、前記1対のテレスコ調節用通孔16c、16dの前後方向及び上下方向に隣接する部分に、前後方向に長い凹部59a、59bを形成している。
又、本例の場合、前記1対の被挟持部21b、21c毎にロック機構46b、46cを設けている。
以下、前記1対の被挟持部21b、21cのうちの一方(右方)の被挟持部21bに設けられたロック機構46bに就いて説明する。本例の場合、前記1対の被挟持部21b、21cのうちの他方の被挟持部21cに設けられたロック機構46cの構造は、前記一方の被挟持部21bに設けられたロック機構46bと同様である為、説明は省略する。
前記ロック機構46bは、固定側歯部47bと、支持部材60と、可動側ロック部材48と、調節ロッド17aに設けられたカム部33とにより構成されている。
このうちの固定側歯部47bは、前記一方の被挟持部21bの幅方向外側面に設けられており、それぞれが前記1対のテレスコ調節用通孔16c、16dのうちの一方のテレスコ調節用通孔16cの形成方向(前後方向)に形成された凹凸部により構成されている。
具体的には、本例の場合、前記一方の被挟持部21bとは別体に設けた前後方向に長い矩形枠状の枠部材61を構成する上側枠部の下側面に前記固定側歯部47bを形成している。この様な枠部材61は、前記凹部59aの内面に固定(例えば、溶接固定)されている。尚、図示は省略するが、固定側歯部47bを、前記凹部59aの上側面に、直接形成する事もできる。又、図12に示す様に、凹部59cの上側面及び下側面に複数個(本例の場合6個)の切り欠き62、62を設けると共に、枠部材61aの外周面の上側縁及び下側縁に複数の係止凸部63、63を設け、前記各切り欠き62、62とこれら各係止凸部63、63とを係合させる構成を採用する事もできる。この様な構成を採用すれば、前記枠部材61aの前後方向の位置決めを確実に図れる。
本例の場合、前記固定側歯部47bを構成する凸部50b、50bの、前記一方のテレスコ調節用通孔16cの形成方向(前後方向)に直交する仮想平面βに対して前後方向に傾斜させている。
具体的には、前記固定側歯部47bを構成する各凸部50b、50bを、これら各凸部50b、50bの基端部の前後方向中央位置Xと、同じく先端部の前後方向中央位置Xとを通り且つ前記調節ロッド17aの軸方向に平行な仮想平面P47bに関して非対称な形状にすると共に、この仮想平面P47bを、前記一方のテレスコ調節用長孔16dの形成方向(前後方向)に直交する仮想平面βに対して、前方(図10の右方)に向かうほど下方に向かう方向に傾斜させている。尚、前記仮想平面P47bを、前記仮想平面βに対して、後方(図10の左方)に向かうほど下方に向かう方向に傾斜させる事もできる。
前記支持部材60は、例えば、焼結金属製で、前記調節ロッド17aを挿通する為の中心孔を有し、全体を略円輪板状としている。又、前記支持部材60は、幅方向外側面のうち、組み付け状態で前側及び後側に配置される円周方向2箇所位置に、幅方向外側に突出した1対のガイド凸部42c(図11には前側に配置される一方のガイド凸部42cのみを示し、後側に配置される他方のガイド突部は省略)が設けられている。この様な1対のガイド突部42cの上下方向寸法は、前記1対のテレスコ調節用通孔16c、16dの上下方向寸法よりも僅かに小さい。又、前記1対のガイド突部42cのうちの後方に配置されるガイド凸部42cの幅方向外端面には、幅方向外側に突出し、且つ、幅方向から見た形状円形状のピボット軸43aが形成されている。要するに、前記支持部材60の幅方向外側面の構造は、前述した実施の形態の第1例の被駆動側カム37aの幅方向内側面の構造(図5参照)を、90°回転させた構造を有している。
以上の様な構成を有する支持部材60は、前記調節ロッド17aのカム部33のうちの前記一方の被挟持部21bの幅方向内側に隣接した部分に外嵌されている。又、前記1対のガイド凸部42cは、前記1対のテレスコ調節用通孔16c、16dのうちの一方のテレスコ調節用通孔16cの内側に挿入されている。この状態で前記1対のガイド凸部42cの上端面は前記一方のテレスコ調節用長孔16cの上側縁と、同じく下端面はこのテレスコ調節用長孔16cの下側縁と、それぞれ近接対向している。又、前記1対のガイド凸部42cの幅方向外端面は、前記一方のテレスコ調節用長孔16cの幅方向外端縁よりも幅方向内側に位置している。
又、前記ピボット軸43aの先端面は、前記一方のテレスコ調節用長孔16cの幅方向外端縁よりも幅方向外側に位置している。
又、本例の場合、前記調節ロッド17aの外周面のうち、前記ロック機構46bを構成する支持部材60と、前記ロック機構46cを構成する支持部材60との間に、これら各支持部材60、60に、互いに離れる方向の弾力を付与する為のコイルばね64を設けている。
前記可動側ロック部材48は、前述した実施の形態の第1例の可動側ロック部材48と同様の構造であって、実施の形態の第1例の配置態様に対して90°回転させた状態(ロック状態で、前記可動側ロック部材48の可動側歯部55が、前記固定側歯部47bと噛合する様に)配置している。その他の前記可動側ロック部材48の構造は、前記実施の形態の第1例の場合と同様である為、詳しい説明は省略する。
この様な可動側ロック部材48は、この可動側ロック部材48を構成する基部51と、解除用腕部52と、歯形成腕部53とにより画成される支持部57に、前記調節ロッド17aのカム部33を挿通すると共に、前記基部51の貫通孔54に、前記支持部材60のピボット軸43aを挿通した状態で、前記一方の被挟持部21bの凹部59a(前記枠部材61)の内側に配置されている。
以上の様な構成を有する本例の場合、図10(a)に示すアンロック状態から図10(b)に示すロック状態に移行する際、前記調節レバー23の揺動に伴い前記調節ロッド17aが回転する。すると、前記カム部33が、前記可動側ロック部材48の歯形成腕部53を上側に押圧して、前記可動側ロック部材48が、前記ピボット軸43aを中心に図10(a)に示す状態から図10(b)に示す様にロック方向に揺動する。そして、前記固定側歯部47の一部と、前記可動側歯部55の一部とが噛合(凹凸係合)する。別の言い方をすれば、前記固定側歯部47を構成する各凸部と、前記可動側歯部55を構成する各凸部とが、前後方向に重畳する。
ロック状態からアンロック状態に切り替える際には、前記調節レバー23の揺動に伴い前記調節ロッド17aがアンロック方向に回転すると、前記カム部33が、前記可動側ロック部材48の解除用腕部52を下側に押圧して、前記可動側ロック部材48が、前記ピボット軸43aを中心に図10(b)に示す状態から図10(a)に示す様にアンロック方向に揺動する。そして、前記固定側歯部47と、前記可動側歯部55との噛合(凹凸係合)が解除される。この状態で、前記調節ロッド17aが、前記1対のチルト調節用長孔15a、15b及び前記1対のテレスコ調節用長孔16a、16bの内側で変位できる範囲内で、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態となる。
以上の様な構成を有する本例によれば、ステアリングホイールの上下位置又は前後位置を調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)に於いて、ステアリングホイールの前後方向に関する位置を凹凸係合により強固に保持できる。
特に、本例の場合、前記固定側歯部47bを構成する各凸部50、50を、上述の方向に傾斜させている為、ステアリングホイールの前方への変位をより強固に保持できる。
尚、本例の構造を実施する場合には、前記固定側歯部47bを、前記枠部材61を構成する下側枠部の上側面、又は、前記凹部59cの下側面に直接形成する事もできる。この場合には、前記可動側ロック部材48を、図10に示す構造に対して上下方向対称な構造とする。又、本例の構造に対して、前述した実施の形態の第2例の1対の可動側ロック部材48、48を180°ずらした状態で組み合わせた構造を適用する事もできる。又、前記1対の被挟持部21b、21cのうちの何れか一方の支持板部21b(21c)にのみロック機構を設ける構造(前記各ロック機構46b、46cのうちの何れか一方を省略した構造)を採用する事もできる。更に、本例のロック機構46b、46cを、前記1対の被挟持部21b、21cの幅方向内側に設ける構造を採用する事もできる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の各例の構造は、技術的な矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせて実施する事ができる。実施の形態の第1例又は第2例の構造を、実施の形態の第3例の様なステアリングホイールの前後方向位置の保持力を強化する為のロック機構の構造に適用する場合には、各方向(前後方向及び上下方向)に関する説明を適宜読み替える。
又、本発明は、ステアリングホイールの上下位置を調節する為のチルト機構と、同じく前後位置を調節する為のテレスコピック機構との両方を備えた構造だけでなく、チルト機構のみ、又はテレスコピック機構のみを備えた構造に適用する事もできる。
又、変位ブラケットは、アウタコラムの下方に設けられた構造、又はアウタコラムの上方に設けられた構造の何れの構造も採用する事できる。
又、拡縮機構は、カム装置だけでなく、調節レバーの揺動に基づいて調節ロッドに設けられた雄ねじ部に螺合された調節ナットの締め付け量を調整するねじ式の構造を採用する事もできる。この場合には、例えば、前記調節ロッドと位置調節方向に同期した状態で設けられた1対の押圧部材等の部材にピボット軸を設ける事ができる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5 ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 ハウジング
11 車体
12 チルト軸
13、13a、13b 変位ブラケット
14、14a 支持ブラケット
15、15a、15b チルト調節用長孔
16、16a、16b、16c、16d テレスコ調節用通孔
17、17a、17b 調節ロッド
18、18a、18b アウタコラム
19、19a インナコラム
20、20a スリット
21、21a、21b、21c 被挟持部
22、22a、22b、22c 支持板部
23 調節レバー
24、24a ナット
25 押圧プレート
26、26a スラストベアリング
27 電動モータ
28 アウタシャフト
29 インナシャフト
30 取付板部
31 連結板部
32 離脱カプセル
33 カム部
34 頭部
35a、35b 平坦面部
36a、36b 押圧曲面部
37、37a、37b被駆動側カム
38、38a 駆動側カム
39 カム装置
40 中心孔
41 中心孔
42a、42b、42c ガイド凸部
43、43a ピボット軸
44 駆動側係合凸部
45 レバー側通孔
46、46a、46b、46c ロック機構
47、47a、47b 固定側歯部
48、48a 可動側ロック部材
49、49a 凹部
50、50a、50b 凸部
51 基部
52 解除用腕部
53 歯形成腕部
54 貫通孔
55 可動側歯部
56 凸部
57 支持部
58 第二の固定側歯部
59a、59b、59c 凹部
60 支持部材
61、61a 枠部材
62 切り欠き
63 係止凸部
64 コイルばね

Claims (7)

  1. ステアリングコラムの一部に設けられ、幅方向に貫通する状態で第一通孔が形成された変位側ブラケットと、
    該変位側ブラケットを幅方向両側から挟む状態で設けられた1対の支持板部を有し、該1対の支持板部の互いに整合する部分に1対の第二通孔が形成され、車体側に固定される固定側ブラケットと、
    前記第一通孔及び前記1対の第二通孔を幅方向に挿通した状態で設けられた調節ロッドと、
    該調節ロッドの両端部で前記1対の支持板部の外側面から突出した部分に設けられた1対の押圧部と、
    該1対の押圧部同士の間隔を拡縮する拡縮機構とを備え、
    前記第一通孔と前記1対の第二通孔とのうちの少なくとも一方の通孔が、ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向である位置調節方向に長い調節用長孔であり、
    前記拡縮機構により、前記1対の押圧部同士の間隔を拡縮させる事に基づいて、ステアリングホイールの前記位置調節方向に関する位置を調節可能なアンロック状態と、このステアリングホイールの位置を調節後の位置に保持可能なロック状態とを切り替え可能なステアリングホイールの位置調節装置であって、
    前記ロック状態で、前記位置調節方向に凹凸係合するロック機構を備え、
    該ロック機構は、固定側係合部と、ピボット軸と、可動側ロック部材とを有し、
    このうちの固定側係合部は、前記固定側ブラケット又は前記変位側ブラケットのうちの前記調節用長孔が形成されたブラケットに直接又は他の部材を介して設けられており、
    前記ピボット軸は、前記調節ロッドの中心軸に対してずれた位置に設けられており、
    前記可動側ロック部材は、前記固定側係合部と凹凸係合可能な可動側係合部を有し、前記ロック状態と前記アンロック状態との間の切り換えの際の前記調節ロッドの回転に伴い、前記ピボット軸を中心とする揺動を可能、且つ、前記調節ロッドと前記位置調節方向に関する同期した変位を可能な状態に支持されており、
    前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合し、
    前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える際、前記可動側ロック部材が、前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される、
    ステアリングホイールの位置調節装置。
  2. 前記可動側ロック部材が、前記固定側ブラケットを構成する1対の支持板部のうちの少なくとも一方の支持板部の幅方向外側面と、前記1対の押圧部のうちの該少なくとも一方の支持板部の幅方向外側に設けられた押圧部との間、又は、前記少なくとも一方の支持板部の幅方向内側面と該少なくとも一方の支持板部の幅方向内側面と対向する前記変位側ブラケットの幅方向外側面との間に、幅方向の抜け止めを図られた状態で配置されている、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  3. 前記ピボット軸の中心軸が、幅方向に平行、且つ、前記調節ロッドの中心軸を通り前記位置調節方向に平行な仮想平面上に存在している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  4. 前記固定側係合部が、第一の固定側係合部と第二の固定側係合部とから成り、
    前記可動側係合部が、第一の可動側係合部と第二の可動側係合部とから成り、
    前記ロック状態で、前記第一の可動側係合部と前記第一の固定側係合部とが係合し、且つ、前記第二の可動側係合部と前記第二の固定側係合部とが係合する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  5. 前記固定側歯部を構成する各凸部が、前記位置調節方向に関して非対称形状であり、且つ、前記位置調節方向に直交する仮想平面に対して、該位置調節方向に傾斜している、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  6. 前記可動側ロック部材が、基部と、第一の腕部と、第二の腕部とを備えており、
    このうちの基部は、前記ピボット軸を挿通可能な貫通孔が形成されており、
    前記第一の腕部のうち、前記固定側係合部と対向する側縁に、前記可動側係合部が形成されており、
    アンロック状態からロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第一の腕部が前記固定側係合部に近付く方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部とが、前記調節ロッドの前記位置調節方向に凹凸係合し、
    ロック状態からアンロック状態に切り替える際、前記調節ロッドにより前記第二の腕部が前記固定側係合部から離れる方向に押圧される事により、前記可動側ロック部材が前記ピボット軸を中心にアンロック方向に揺動して、前記固定側係合部と前記可動側係合部との凹凸係合が解除される、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  7. 前記可動側ロック部材を構成する基部と、第一の腕部と、第二の腕部とにより画成される支持部の内側に、前記調節ロッドが挿通されており、該支持部と該調節ロッドとが少なくとも3箇所で当接している、請求項6に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
JP2016089207A 2016-04-27 2016-04-27 ステアリングホイールの位置調節装置 Pending JP2017197007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016089207A JP2017197007A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 ステアリングホイールの位置調節装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016089207A JP2017197007A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 ステアリングホイールの位置調節装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017197007A true JP2017197007A (ja) 2017-11-02
JP2017197007A5 JP2017197007A5 (ja) 2019-03-14

Family

ID=60237123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016089207A Pending JP2017197007A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 ステアリングホイールの位置調節装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017197007A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023038013A1 (ja) * 2021-09-09 2023-03-16 日本精工株式会社 ステアリングコラム装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6139057A (en) * 1999-02-04 2000-10-31 Delphi Technologies, Inc. Position control apparatus for steering column
JP2015030321A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 株式会社ジェイテクト ステアリング装置
JP2015182611A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 株式会社ジェイテクト ステアリング装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6139057A (en) * 1999-02-04 2000-10-31 Delphi Technologies, Inc. Position control apparatus for steering column
JP2015030321A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 株式会社ジェイテクト ステアリング装置
JP2015182611A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 株式会社ジェイテクト ステアリング装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023038013A1 (ja) * 2021-09-09 2023-03-16 日本精工株式会社 ステアリングコラム装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6658872B2 (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
JP6048617B2 (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
US20160272234A1 (en) Position adjustable steering apparatus
JP2016190587A (ja) ステアリング装置
JP6751507B2 (ja) ステアリング装置
JP6658766B2 (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
JP6455200B2 (ja) 減速機構付カム装置及びステアリングホイールの位置調節装置
JP5850144B2 (ja) ステアリングコラムおよびテレスコピック式ステアリング装置
WO2014112196A1 (ja) チルト式ステアリング装置
JP2010247798A (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
JP2014083906A (ja) チルト式ステアリング装置
JP2016190585A (ja) ステアリング装置
JP2017197007A (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
JP2017197007A5 (ja)
JP6288385B2 (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
JP6733271B2 (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
JP2017185874A5 (ja)
JP2009137314A (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
JP2018202963A (ja) ステアリング装置
JP7318499B2 (ja) カム装置及びステアリング装置
JP6648632B2 (ja) ステアリング装置
JP6379863B2 (ja) ステアリングホイールの位置調節装置及びその製造方法
JP7279581B2 (ja) カム装置及びステアリング装置
WO2023038013A1 (ja) ステアリングコラム装置
JP2017094813A (ja) ステアリングホイールの位置調節装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201208