JP6379863B2 - ステアリングホイールの位置調節装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
尚、本明細書及び特許請求の範囲全体で、前後方向、左右方向(幅方向)、及び上下方向は、特に断らない限り、車両の前後方向、左右方向(幅方向)、及び上下方向を言う。
尚、図示の例は、電動モータ17を補助動力源として前記ステアリングホイール1を操作する為に要する力の低減を図る、電動式パワーステアリング装置も組み込んでいる。
このステアリングホイールの位置調節装置は、ステアリングコラム6aと、変位ブラケット18と、コラム側貫通孔である前後方向長孔19と、ステアリングシャフト5aと、支持ブラケット12aと、左右1対の上下方向長孔20、20と、調節ロッド21と、1対の押圧部22a、22bと、拡縮装置と、1対の摩擦板24、24とを備える。
又、前記変位ブラケット18は、アルミニウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形する事により、前記アウタコラム13aの前半部の下側に、このアウタコラム13aと一体に造られている。前記変位ブラケット18は、幅方向中央部に形成したスリット25により、全幅を弾性的に拡縮可能としている。
又、前記前後方向長孔19は、前記変位ブラケット18の一部で、前記スリット25を挟んで互いに整合する位置に、この変位ブラケット18を幅方向に貫通する状態で設けられている。
このうちのステアリングコラムは、後端部にステアリングホイールを支持固定したステアリングシャフトをその内側に回転自在に支持するもので、筒状である。
又、前記変位ブラケットは、前記ステアリングコラムの一部に固設されている。
又、前記コラム側貫通孔は、前記変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けられている。
又、前記支持ブラケットは、前記変位ブラケットを幅方向両側から挟持する左右1対の支持板部を備え、車体に支持される。
又、前記上下方向長孔は、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられたもので、上下方向に伸長している。
又、前記調節ロッドは、前記コラム側貫通孔及び前記上下方向長孔を幅方向に挿通する状態で設けられている。
又、前記両押圧部は、前記調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
更に、前記拡縮装置は、前記両押圧部同士の間隔を拡縮可能である。
又、前記少なくとも一方の支持板部のうち、前記上下方向長孔の周囲部分に、他の部分の内側面よりも幅方向内側に突出した内側凸部と、他の部分の外側面よりも幅方向外側に突出した外側凸部とが設けられている。
又、前記内側凸部と前記外側凸部とのうちの一方の凸部が、前記上下方向長孔の周囲部分のうちの内周側部分に設けられており、同じく他方の凸部が、この周囲部分のうちの外周側部分に設けられている。
又、前記少なくとも一方の支持板部の両側面のうち、前記一方の凸部が設けられた側面には、この一方の凸部の周囲に隣接する部分に凹部が設けられている。
又、前記少なくとも一方の支持板部の内側面は、前記内側凸部の先端面のみが、前記変位ブラケットの外側面に当接している。
又、前記少なくとも一方の支持板部の外側面は、前記外側凸部の先端面のみが、前記摩擦板の内側面に当接している。
又、互いに当接する前記外側凸部の先端面と前記摩擦板の内側面とのそれぞれが平坦面になっている。
本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記変位ブラケットの外側面と前記摩擦板の内側面とのうち、前記一方の凸部の先端面と当接する方の側面を、前記ステアリングホイールの調節位置にかかわらず、前記凹部の少なくとも一部と対向する様に設ける。
又、好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記一方の凸部を前記外側凸部とし、前記他方の凸部を前記内側凸部とする。即ち、前記外側凸部が、前記上下方向長孔の周囲部分のうちの内周側部分に設けられており、前記内側凸部が、この周囲部分のうちの外周側部分に設けられたものとする。あるいは、前記一方の凸部を前記内側凸部とし、前記他方の凸部を前記外側凸部とする事もできる。
又、請求項5に記載したステアリングホイールの位置調節装置の製造方法は、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置の製造方法である。この製造方法では、前記内側凸部及び前記外側凸部を、前記少なくとも一方の支持板部にプレス加工の一種である張り出し加工(面押し加工)を施す事により形成する。
又、請求項6に記載したステアリングホイールの位置調節装置の製造方法は、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置の製造方法である。この製造方法では、前記上下方向長孔の周囲部分のうち、この上下方向長孔の内周縁部分に、プレス加工の一種であるバーリング加工を施す事により、前記一方の凸部を形成し、前記上下方向長孔の周囲部分のうち、前記一方の凸部の周囲部分に、プレス加工の一種である張り出し加工を施す事により、前記他方の凸部を形成する。
即ち、本発明の場合には、前記変位ブラケットの外側面に対する前記支持板部の内側面の当接位置を、上下方向長孔の周囲部分に設けられた内側凸部の先端面に(狭い範囲に)限定している。これと共に、前記摩擦板の内側面に対する前記支持板部の外側面の当接位置を、前記上下方向長孔の周囲部分に設けられた外側凸部の先端面に(狭い範囲に)限定している。この為、前記支持板部の両側面のうち、前記変位ブラケットの外側面及び前記摩擦板の内側面と対向する部分の全体を、これら変位ブラケットの外側面及び摩擦板の内側面に(広い範囲で)当接させる構造に比べて、これら各面同士の当接状態を安定させられる為、これら各面同士の当接部に作用する摩擦力を安定させられる。この結果、前記ステアリングホイールを調節後の位置に保持する力の安定化を図れる。
即ち、請求項5に記載した発明を実施する場合で、前記上下方向長孔の周囲部分のうち、内周側部分に前記内側凸部を、外周側部分に外側凸部を、それぞれ設ける場合には、この外側凸部を張り出し加工により形成する事に伴って、前記外側凹部の周囲に存在する肉が、この外側凹部の内側に寄せられ、この外側凹部の開口幅が(前記外側凸部を形成しない場合に比べて)狭まる。この為、前記内側凸部の先端面の面積を或る程度(適正量)確保する場合でも、前記外側凹部の開口幅(前後方向幅)を狭くして、この開口幅を、押圧部の内側面の前後方向幅以下にする(好ましくは、この前後方向幅よりも小さくする)事が容易となる。そして、この様に外側凹部の開口幅を押圧部の内側面の前後方向幅以下にすれば、(この外側凹部の内側にワッシャ等を配置しなくても、)前記押圧部により押圧された前記摩擦板が撓む事を防止できる。又、この外側凹部の開口幅を、前記押圧部の内側面の前後方向幅以下にしない場合であっても、この外側凹部の開口幅が狭くなった分だけ、(この外側凹部の内側にワッシャ等を配置しなくても、)上述の様な撓みが生じる事を抑制できる。
又、請求項5に記載した発明を実施する場合で、上下方向長孔の周囲部分のうち、外周側部分に内側凸部を、内周側部分に外側凸部を、それぞれ設ける場合には、前記外側凹部が、前記支持板部の外側面のうち、前記外側凸部の周囲部分に配置された状態となる。この為、(この外側凹部の内側にワッシャ等を配置しなくても、)前記外側凸部の先端面に前記摩擦板の内側面が当接する事に基づいて、前記押圧部により押圧されたこの摩擦板が撓む事を防止できる。
又、請求項6に記載した発明を実施する場合で、内側凸部をバーリング加工により形成する場合には、支持板部の外側面のうち、前記内側凸部の背面側部分に外側凹部が形成される事はない。従って、押圧部により押圧された摩擦板が撓むと言った不都合が生じる事もない。
図1〜4は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、支持ブラケット12bを構成する1対の支持板部27c、27dのうち、上下方向長孔20、20の周囲部分の形状を工夫する事により、ステアリングホイール1(図6参照)を調節後の位置に保持する力の安定化を図る点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図7〜10に示した従来構造の場合と同様であるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図5は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、支持ブラケットを構成する1対の支持板部27e(27f)のうちの、上下方向長孔20の周囲部分のうち、この上下方向長孔20の内周縁部分に、扁平筒状の外側凸部33aが、プレス加工の一種であるバーリング加工により形成されている。又、前記上下方向長孔20の周囲部分のうち、前記外側凸部33aの周囲部分に、幅方向内方から見た形状が矩形である内側凸部28bが、プレス加工の一種である張り出し加工により形成されている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
又、本発明を実施する場合には、1対の支持板部の外側面と1対の押圧部の内側面との間部分のうち、何れか一方の間部分にのみ、摩擦板を挟持する事もできる。
又、本発明を実施する場合、支持板部の外側面と押圧部の内側面のとの間には、特許文献2に記載された構造の様に、複数の摩擦板を幅方向に重ねた状態で設置する事もできる。
又、本発明は、テレスコ機構を省略した、単なるチルト式ステアリング装置で実施する事もできる。この場合には、コラム側貫通孔を(前後方向長孔に代え、)単なる円孔とする。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 車体
11、11a 枢軸
12、12a、12b 支持ブラケット
13、13a アウタコラム
14、14a インナコラム
15、15a アウタシャフト
16、16a インナシャフト
17 電動モータ
18 変位ブラケット
19 前後方向長孔
20 上下方向長孔
21 調節ロッド
22a、22b 押圧部
23 調節レバー
24 摩擦板
25 スリット
26 取付板部
27a〜27f 支持板部
28、28a、28b 内側凸部
29、29a、29b 外側凹部
30 支持軸
31 ガイド長孔
32 ワッシャ
33、33a 外側凸部
34 内側凹部
Claims (6)
- 後端部にステアリングホイールを支持固定したステアリングシャフトをその内側に回転自在に支持する、筒状のステアリングコラムと、
このステアリングコラムの一部に固設された変位ブラケットと、
この変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けられたコラム側貫通孔と、
前記変位ブラケットを幅方向両側から挟む左右1対の支持板部を備え、車体に支持される支持ブラケットと、
前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられ、上下方向に伸長する上下方向長孔と、
前記コラム側貫通孔及びこの上下方向長孔を幅方向に挿通する状態で設けられた調節ロッドと、
この調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けられた1対の押圧部と、
これら両押圧部同士の間隔を拡縮可能とした拡縮装置と
を備えるステアリングホイールの位置調節装置であって、
前記両支持板部のうちの少なくとも一方の支持板部の外側面と、この外側面と対向する前記押圧部の内側面との間に、前記ステアリングホイールの位置を調節する際に前記支持ブラケットに対して相対変位する摩擦板が挟持されており、
前記少なくとも一方の支持板部のうち、前記上下方向長孔の周囲部分に、他の部分の内側面よりも幅方向内側に突出した内側凸部と、他の部分の外側面よりも幅方向外側に突出した外側凸部とが設けられており、
前記内側凸部と前記外側凸部とのうちの一方の凸部が、前記上下方向長孔の周囲部分のうちの内周側部分に設けられており、同じく他方の凸部が、この周囲部分のうちの外周側部分に設けられており、
前記少なくとも一方の支持板部の両側面のうち、前記一方の凸部が設けられた側面には、この一方の凸部の周囲に隣接する部分に凹部が設けられており、
前記少なくとも一方の支持板部の内側面は、前記内側凸部の先端面のみが、前記変位ブラケットの外側面に当接しており、
前記少なくとも一方の支持板部の外側面は、前記外側凸部の先端面のみが、前記摩擦板の内側面に当接しており、
互いに当接する前記外側凸部の先端面と前記摩擦板の内側面とのそれぞれが平坦面になっている
事を特徴とするステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記変位ブラケットの外側面と前記摩擦板の内側面とのうち、前記一方の凸部の先端面と当接する方の側面は、前記ステアリングホイールの調節位置にかかわらず、前記凹部の少なくとも一部と対向する様に設けられている、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記一方の凸部が前記外側凸部であり、前記他方の凸部が前記内側凸部である、請求項2に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置の製造方法であって、
前記内側凸部及び前記外側凸部を、前記少なくとも一方の支持板部にプレス加工を施す事により形成する
ステアリングホイールの位置調節装置の製造方法。 - 請求項1〜3に記載したステアリングホイールの位置調節装置の製造方法であって、
前記内側凸部及び前記外側凸部を、前記少なくとも一方の支持板部にプレス加工の一種である張り出し加工を施す事により形成する
ステアリングホイールの位置調節装置の製造方法。 - 請求項1〜3に記載したステアリングホイールの位置調節装置の製造方法であって、
前記上下方向長孔の周囲部分のうち、この上下方向長孔の内周縁部分に、プレス加工の一種であるバーリング加工を施す事により、前記一方の凸部を形成し、前記上下方向長孔の周囲部分のうち、前記一方の凸部の周囲部分に、プレス加工の一種である張り出し加工を施す事により、前記他方の凸部を形成する
ステアリングホイールの位置調節装置の製造方法。
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