JP6455200B2 - 減速機構付カム装置及びステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents
減速機構付カム装置及びステアリングホイールの位置調節装置Info
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即ち、前記ステアリングホイール1の位置調節を行うべく、図12の(A)→(B)に示した様に、ロック状態から前記調節レバー25を或る程度回動させると、前記駆動側カム面33に形成された駆動側凸部36の円周方向両側面のうち、ロック解除方向に関して後方側に位置する駆動側案内斜面42が、前記被駆動側カム面34に形成された被駆動側凸部38の円周方向両側面のうち、ロック解除方向に関して前方側に位置する被駆動側案内斜面43に案内される。この際、前記駆動側カム29には、慣性力が作用するだけでなく、前記両被挟持板部23、23の弾性復元力、及び、前記調節レバー25の自重が作用し、回転方向に付勢された状態となる。この為、前記駆動側カム29は勢い良く回転し、前記各駆動側凸部36の先端面が前記被駆動側基準面37に衝突すると共に、前記各被駆動側凸部38の先端面が前記駆動側基準面35に衝突する。更に、前記各駆動側凸部36の円周方向両側面のうち、ロック解除方向に関して前方側に位置する駆動側ストッパ面44が、前記被駆動側凸部38の円周方向両側面のうち、ロック解除方向に関して後方側に位置する被駆動側ストッパ面45に勢い良く衝突する。この結果、金属同士の衝突に基づく異音を発生させ、運転者等の乗員に不快感を与える可能性がある。
このうちのカム装置は、駆動側カムと、被駆動側カムとを組み合わせて構成される。
この駆動側カムは、例えば円輪板状で、その軸方向片側面に円周方向に関する凹凸面である駆動側カム面が設けられ、例えば杆状部材に回転可能に支持される。
又、前記被駆動側カムは、例えば円輪板状で、前記駆動側カム面と軸方向に対向する軸方向他側面に円周方向に関する凹凸面である被駆動側カム面が設けられ、軸方向に関して前記駆動側カムと反対側に対向する相手部材(例えば支持ブラケット)に回転不能に支持される。
又、前記駆動側カム面は、平坦面状の駆動側基準面と、この駆動側基準面の円周方向等間隔複数個所から軸方向片側に向けてそれぞれ突出する状態で設けられた複数の駆動側凸部とを有している。
又、前記被駆動側カム面は、平坦面状の被駆動側基準面と、この被駆動側基準面の円周方向等間隔複数個所から軸方向他側に向けてそれぞれ突出する状態で設けられた複数(駆動側凸部と同数)の被駆動側凸部とを有している。
そして、本発明の減速機構付カム装置は、前記駆動側カムを前記被駆動側カムに対して相対回転させる事により、前記各駆動側凸部と前記各被駆動側凸部とを円周方向に交互に配置したアンロック状態と、これら各駆動側凸部の先端面とこれら各被駆動側凸部の先端面とを突き合わせたロック状態とを、切り替え可能とし、軸方向寸法を拡縮させるものである。
前記摩擦板は、この他方のカムの径方向外方に配設され、円周方向に関して前記摩擦斜面に近づく方向に延出した、少なくとも1本(好ましくは2本以上)の延出腕部を備えており、この延出腕部の先端部には、先端側に向かう(円周方向に関して摩擦斜面に近づく)程、径方向外方に向かう方向に傾斜した(直線的に傾斜する場合だけでなく、曲線的に傾斜する場合を含む)、折れ曲がり部を設けている。
又、前記摩擦斜面は、周方向に関して、前記折れ曲がり部から離れる程、外径寸法が大きくなる方向に傾斜している。
そして、前記折れ曲がり部の先端面(内径側面)と前記摩擦斜面との間には、ロック状態で周方向隙間を設けており、ロック状態からアンロック状態に切り替えた際に、前記折れ曲がり部の先端面と前記摩擦斜面とを、押し付け力(折れ曲がり部の先端面の摩擦斜面に対する押し付け力)を次第に増大させつつ摺接させて、前記駆動側カムの前記被駆動側カムに対する相対回転を減速させる。
尚、ロック状態に於ける、前記折れ曲がり部の先端面と前記摩擦斜面との為す角度の大きさ(周方向隙間の大きさ)は、ロック状態からアンロック状態に切り替えた際の、駆動側カムの被駆動側カムに対する相対回転角度よりも小さく設定する。
又、上述した発明を実施する場合には、例えば、前記延出腕部を、径方向外方に延出した径方向腕部と、この径方向腕部の先端部から軸方向に折れ曲がって伸長した前記軸方向腕部と、この軸方向腕部の先端部から円周方向に折れ曲がって伸長した前記円周方向腕部とを備えたものとする事ができる。
又は、本発明の減速機構付カム装置を実施する場合、前記一方のカムの円周方向等間隔3個所又は4個所位置に前記延出腕部をそれぞれ設け、これら各延出腕部により、前記他方のカムを径方向外方から弾性的に挟持する事もできる。
このうちのステアリングコラムは、幅方向に配置されたチルト軸を中心として揺動変位するものである。
前記ステアリングシャフトは、前記ステアリングコラムの内側に回転自在に支持されて、このステアリングコラムの端部開口から突出した部分にステアリングホイールを固定するものである。
前記変位ブラケットは、前記ステアリングコラムの軸方向中間部に設けられている。
前記支持ブラケットは、上部に設けられた取付板部及びこの取付板部から下方に垂れ下がった1対の支持板部を有し、これら両支持板部により前記変位ブラケットを幅方向両側から挟む状態で、前記取付板部により車体に対し支持される。
前記チルト用長孔は、例えば前記チルト軸を中心とする部分円弧状又はこの様な円弧の接線方向に長い直線状で上下方向に長いものであり、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられている。
前記通孔は、例えば円孔又は前後方向に長い長孔であり、前記変位ブラケットのうちで、前記両チルト用長孔の一部と整合する部分に、幅方向に貫通する状態で形成されている。
前記杆状部材は、前記両チルト用長孔及び前記両通孔を幅方向に挿通するものである。
前記押圧部は、前記杆状部材の一端部で前記両支持板部のうちの一方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられる。
前記アンカ部は、前記杆状部材の他端部で前記両支持板部のうちの他方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられる。
更に、前記カム装置は、前記アンカ部と前記押圧部との間隔を拡縮するものである。
そして、この減速機構付カム装置を構成する前記被駆動側カムを、前記押圧部として機能させる。又、この減速機構付カム装置を構成する前記駆動側カムを、前記杆状部材の一端部に、この杆状部材を中心とする回転を可能に、且つ、この杆状部材の一端側への変位を抑えられた状態で支持する。
尚、前記駆動側カムは、前記杆状部材に対し、相対回転可能に外嵌しても良いし、この杆状部材と同期した回転を可能に外嵌しても良い。
即ち、本発明の場合には、駆動側カムがロック解除方向に回転する際に、この駆動側カムと被駆動側カムとのうちの一方のカムに相対回転不能に支持された摩擦板のうち、延出腕部の先端部に設けられた折れ曲がり部の先端面と、前記駆動側カムと前記被駆動側カムとのうちの他方のカムの外周面に形成された摩擦斜面とを、押し付け力を次第に増大させつつ摺接させる事ができる。この為、前記駆動側カムに作用する摩擦力(ブレーキ力)を徐々に大きくさせて、この駆動側カムの回転速度を減速させる事ができる。従って、本発明によれば、ロック状態からアンロック状態に切り替える際に、前記駆動側カムの回転速度を滑らかに低減させる事ができて、異音の発生を有効に防止できる。
更に、本発明の場合には、折れ曲がり部及び摩擦斜面の傾斜角度を調整したり、周方向隙間の大きさを調整する事で、前記駆動側カムに作用させる摩擦力の大きさや、摩擦力を付与するタイミングを、容易に調節する事ができる。従って、調節レバーの操作性(操作感)に関する設定の自由度を高める事ができる。又、折れ曲がり部の先端面と摩擦斜面との摺接部を、減速機構付カム装置のうちの外径側部分に配置しており、摩擦力(摩擦モーメント)の大きさを確保し易い為、前記駆動側カムに対し十分なブレーキ力を付与できる。
又、請求項3に記載した発明によれば、前記摩擦板に複数本の延出腕部を設ける場合にも、この摩擦板を1枚の板材(板ばね、金属板)から構成する事ができる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜6を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合にも、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール1(図8参照)の上下位置を調節する為のチルト機構、及び、前後位置を調節する為のテレスコピック機構を、それぞれ備えている。
尚、本例のステアリング装置の場合には、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節する為のテレスコピック機構を備えている為、前記両支持板部17a、17aに前後方向に長い通孔19a、19aを形成しているが、テレスコピック機構を備えない場合には、単なる円孔とする。
即ち、本例の場合には、前記駆動側カム29aがロック解除方向に回転する際に、この駆動側カム29aに設けられた前記各駆動側凸部36aの駆動側ストッパ面44aと、前記被駆動側カム30aの被駆動側ストッパ面45aとが当接(衝突)するよりも先に、前記両折れ曲がり部64、64の先端面を前記摩擦斜面56、56に対し摺接させる事ができる。この為、アンロック状態に切り替えた際に、前記両折れ曲がり部64、64の先端面と前記両摩擦斜面56、56との間で、摩擦力(摩擦モーメント、ブレーキ力)を発生させられる。従って、前記駆動側カム29aの回転速度を遅くし、この駆動側カム29aが勢い良く回転する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図7を参照しつつ説明する。本例の減速機構付カム装置49aの特徴は、駆動側カム29b及び被駆動側カム30bに対する、摩擦板57a及び摩擦斜面56aの配置関係を、実施の形態の第1例の場合とは逆にした点にある。即ち、本例の場合には、前記駆動側カム29bの幅方向中間部外周面の直径方向2個所位置に、径方向外方に突出した減速用突部55a、55aを設けている。又、これら両減速用突部55a、55aの円周方向両側面のうち、アンロック状態に切り替える際の前記駆動側カム29aの回転方向であるロック解除方向に関して前方側端部に、円周方向に関してこのロック解除方向とは反対方向に向かう程(後述する折れ曲がり部64aから離れる程)、外径寸法が大きくなる方向に傾斜した、減速機構51aを構成する摩擦斜面56aが形成されている。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 電動モータ
11 ハウジング
12 車体
13、13a チルト軸
14、14a 変位ブラケット
15、15a 支持ブラケット
16、16a 取付板部
17、17a 支持板部
18、18a チルト用長孔
19、19a 通孔
20、20a アウタコラム
21、21a インナコラム
22、22a スリット
23、23a 被挟持板部
24、24a 杆状部材
25、25a 調節レバー
26、26a アンカ部
27、27a カム装置
28 第一係合凸部
29、29a、29b 駆動側カム
30、30a、30b 被駆動側カム
31、31a 中心孔
32、32a 中心孔
33、33a 駆動側カム面
34、34a 被駆動側カム面
35、35a 駆動側基準面
36、36a 駆動側凸部
37、37a 被駆動側基準面
38、38a 被駆動側凸部
39 第二係合凸部
40、40a ナット
41、41a スラストベアリング
42、42a 駆動側案内斜面
43、43a 被駆動側案内斜面
44、44a 駆動側ストッパ面
45、45a 被駆動側ストッパ面
46 アウタシャフト
47 インナシャフト
48 係止カプセル
49、49a 減速機構付カム装置
50 テレスコスペーサ
51、51a 減速機構
52 駆動側係合凸部
53 取付孔
54 被駆動側係合凸部
55、55a 減速用突部
56、56a 摩擦斜面
57、57a 摩擦板
58、58a 基板部
59、59a 延出腕部
60、60a 係合孔
61、61a 径方向腕部
62、62a 軸方向腕部
63、63a 周方向腕部
64、64a 折れ曲がり部
65 周方向隙間
Claims (4)
- カム装置と減速機構とを備えた減速機構付カム装置であって、
このうちのカム装置が、軸方向片側面に円周方向に関する凹凸面である駆動側カム面が設けられ、回転可能に支持される駆動側カムと、この駆動側カム面と軸方向に対向する軸方向他側面に円周方向に関する凹凸面である被駆動側カム面が設けられ、回転不能に支持される被駆動側カムとから構成されており、
前記駆動側カム面が、駆動側基準面と、この駆動側基準面の円周方向複数個所から軸方向片側に向けて突出する状態で設けられた複数の駆動側凸部とを有しており、
前記被駆動側カム面が、被駆動側基準面と、この被駆動側基準面の円周方向複数個所から軸方向他側に向けて突出する状態で設けられた複数の被駆動側凸部とを有しており、
前記駆動側カムを前記被駆動側カムに対して相対回転させる事により、前記各駆動側凸部と前記各被駆動側凸部とを円周方向に交互に配置したアンロック状態と、これら各駆動側凸部の先端面とこれら各被駆動側凸部の先端面とを突き合わせたロック状態とを、切り替え可能とし、軸方向寸法を拡縮させるものであり、
前記減速機構が、前記駆動側カムと前記被駆動側カムとのうちの一方のカムに、この一方のカムに対する相対回転を不能に支持された摩擦板と、前記駆動側カムと前記被駆動側カムとのうちの他方のカムの外周面に形成された摩擦斜面とから構成されており、
前記摩擦板が、この他方のカムの径方向外方に配設され、円周方向に関して前記摩擦斜面に近づく方向に延出し、その先端部に、先端側に向かう程、径方向外方に向かう方向に傾斜した折れ曲がり部を有する、少なくとも1本の延出腕部を備えており、
前記摩擦斜面は、円周方向に関して前記折れ曲がり部から離れる程、外径寸法が大きくなる方向に傾斜しており、
前記折れ曲がり部の先端面と前記摩擦斜面との間には、ロック状態で周方向隙間が設けられており、ロック状態からアンロック状態に切り替える際に、前記折れ曲がり部の先端面と前記摩擦斜面とが、押し付け力を次第に増大させつつ摺接して、前記駆動側カムの回転速度を低減させる、事を特徴とする減速機構付カム装置。 - 前記一方のカムの直径方向反対側2個所位置に、前記延出腕部がそれぞれ設けられている、請求項1に記載した減速機構付カム装置。
- 前記摩擦板が、基板部と、この基板部の外周縁に連続する状態で設けられた前記延出腕部とを備えており、この基板部に設けられた係合孔が、前記一方のカムのうち、軸方向に関してカム面とは反対側の側面に設けられた係合凸部に対し、非円形嵌合している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した減速機構付カム装置。
- 幅方向に配置されたチルト軸を中心として揺動変位するステアリングコラムと、
このステアリングコラムの内側に回転自在に支持されて、このステアリングコラムの端部開口から突出した部分にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトと、
前記ステアリングコラムの軸方向中間部に設けられた変位ブラケットと、
上部に設けられた取付板部及びこの取付板部から下方に垂れ下がった1対の支持板部を有し、これら両支持板部により前記変位ブラケットを幅方向両側から挟む状態で、前記取付板部により車体に対し支持される支持ブラケットと、
前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられた、上下方向に長い1対のチルト用長孔と、
前記変位ブラケットのうちでこれら両チルト用長孔の一部と整合する部分に、幅方向に貫通する状態で形成された通孔と、
前記両チルト用長孔及びこれら両通孔を幅方向に挿通した杆状部材と、
この杆状部材の一端部で前記両支持板部のうちの一方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられた押圧部と、
前記杆状部材の他端部で前記両支持板部のうちの他方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられたアンカ部と、
このアンカ部と前記押圧部との間隔を拡縮するカム装置とを備えた、
ステアリングホイールの位置調節装置に於いて、
前記カム装置が、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した減速機構付カム装置であり、この減速機構付カム装置を構成する前記被駆動側カムが前記押圧部として機能し、前記駆動側カムが、前記杆状部材の一端部に、この杆状部材を中心とする回転を可能に、且つ、この杆状部材の一端側への変位を抑えられた状態で支持されている、事を特徴とするステアリングホイールの位置調節装置。
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