JP2017159847A - 走行装置 - Google Patents

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多田隈 建二郎
Kenjiro Tadakuma
建二郎 多田隈
輝 佐藤
Teru Sato
輝 佐藤
憲一 島川
Kenichi Shimakawa
憲一 島川
真規 岡田
Masanori Okada
真規 岡田
貴久 曽根
Takahisa Sone
貴久 曽根
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Abstract

【課題】直進性を向上できる走行装置を提供すること【解決手段】第1駆動部が生じる駆動力により第1回転軸が回転し、その第1回転軸の回転により第1回転軸周りにフレームが回転する。フレームに支持されて第1回転軸の軸方向に沿って掛け渡される複数のクローラが第1回転軸の周方向に並べられる。フレームに固定される第2駆動部が生じる駆動力を動力伝達部により複数のクローラ全てにそれぞれ直接伝達してクローラを回転させる。これにより、複数のクローラ間での回転速度差を抑制できるので、クローラを回転させつつ第1回転軸を回転させて接地するクローラが変わったときに、クローラの回転による移動が瞬間的に速くなったり遅くなったりすることを抑制できる。その結果、走行装置の直進性を向上できる効果がある。【選択図】図2

Description

本発明は走行装置に関し、直進性を向上できる走行装置に関するものである。
従来、転動軸の周りに複数のクローラを並べた走行装置(全方向車輪)がある(特許文献1)。この走行装置は、転動軸を回転させて転動軸周りにクローラを回転させることで前後進でき、転動軸の回転を止めてクローラを回転させることで横行でき、転動軸を回転させながらクローラを回転させることで斜行できる。複数のクローラは、駆動クローラと、駆動クローラとの噛み合わせやギヤ、ベルト等の伝達機構により駆動クローラに従動する従動クローラとを備えている。駆動クローラと従動クローラとは転動軸の周りに交互に配置されている。
特開2014−51221号公報
しかしながら、上記従来の技術では、駆動クローラに従動クローラを従動させるための伝達機構により、駆動クローラの回転速度に対して従動クローラの回転速度が遅くなることがある。走行装置を斜行させる場合、駆動クローラと従動クローラとが交互に接地するので、従動クローラが接地すると横方向の移動が瞬間的に遅くなったり、駆動クローラが接地すると横方向の移動が瞬間的に速くなったりする。そのため、走行装置の直進性が悪化するという問題点がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、直進性を向上できる走行装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1記載の走行装置によれば、第1駆動部が生じる駆動力により第1回転軸が回転し、その第1回転軸の回転により第1回転軸周りにフレームが回転する。フレームに支持されて第1回転軸の軸方向に沿って掛け渡される複数のクローラが第1回転軸の周方向に並べられる。フレームに固定される第2駆動部が生じる駆動力を動力伝達部により複数のクローラ全てにそれぞれ直接伝達してクローラを回転させる。これにより、複数のクローラ間での回転速度差を抑制できるので、クローラを回転させつつ第1回転軸を回転させて接地するクローラが変わったときに、クローラの回転による移動が瞬間的に速くなったり遅くなったりすることを抑制できる。その結果、走行装置の直進性を向上できる効果がある。
請求項2記載の走行装置によれば、複数のクローラは、複数の第1クローラと、第1回転軸の周方向に隣り合う第1クローラの間にそれぞれ配置される複数の第2クローラとを備える。複数の第1クローラ及び第2クローラの第1回転軸の軸心から離れた側の接地面が、第1回転軸の軸心からの距離がそれぞれ等しい円弧状に形成される。第1クローラ及び第2クローラの第1回転軸の軸心から離れた側の接地面に対して、第1クローラと第2クローラとの間の隙間が第1回転軸側へ凹むので、第1回転軸の軸心から離れた側の接地面間の隙間が大きい場合、接地するクローラが変わるときに走行装置が上下に揺れ易い。一方、第2クローラの幅方向両端の一部が第1クローラに囲まれるので、第1クローラと第2クローラとを互いに近づけて第1回転軸の軸心から離れた側の接地面間の隙間を小さくできる。これにより、請求項1の効果に加え、接地するクローラが変わるときの走行装置の上下の揺れを抑制できる効果がある。
請求項3記載の走行装置によれば、幅方向両端の一部が第1クローラに囲まれる第2クローラの幅が第1クローラの幅よりも大きいので、第1クローラと第2クローラとを互いに近づけて第1回転軸の軸心から離れた側の接地面間の隙間をより小さくできる。その結果、請求項2の効果に加え、接地するクローラが変わるときの走行装置の上下の揺れをより抑制できる効果がある。
請求項4記載の走行装置によれば、フレームは、第2クローラよりも第1回転軸の軸方向の端部側、且つ、第1回転軸の周方向に隣り合う第1クローラの間に傾斜部が設けられる。傾斜部は、第2クローラから離れるにつれて第1回転軸の軸心へ向かって傾斜する。走行装置が走行する路面に乗り越えなければならない障害物があるとき、障害物に対して傾斜部を滑らして走行装置を持ち上げることで、障害物を乗り越えることができる。また、第2クローラの第1回転軸の軸心から離れた側の接地面よりも第1回転軸の軸心側に傾斜部が位置するので、路面が平坦であるときに傾斜部が路面に接触することを防止できる。これらの結果、請求項2又は3の効果に加え、走行装置の踏破性を向上できる効果がある。
請求項5記載の走行装置によれば、第2クローラよりも第1回転軸の軸方向の両端側にそれぞれ傾斜部が設けられる。傾斜部を挟んで隣り合う第1クローラにおける第1回転軸の軸心から離れた側の接地面の幅方向端部を結んだ仮想線よりも第1回転軸の軸心側に傾斜部が位置する。これにより、片側の傾斜部が路面の障害物に乗り上げたとき、反対側の傾斜部が路面に接触することを防止できる。その結果、請求項4の効果に加え、走行装置の踏破性をより向上できる効果がある。
請求項6記載の走行装置によれば、動力伝達部は、軸心が第1回転軸の軸心と一致する第2回転軸と、第2回転軸の外周面に螺旋状に設けられる歯部とを備える。第1回転軸の軸心からの距離がそれぞれ同一に設定される複数のクローラに歯部がそれぞれ接触する。螺旋状の歯部が第2回転軸周りに回転することで、第2回転軸の軸方向の駆動力が歯部から複数のクローラへ伝達される。動力伝達部を単純化しつつ、複数のクローラ間での回転速度差を抑制できるので、単純化された動力伝達部により走行装置の直進性を向上できる効果がある。
中心軸が第2回転軸に支持される複数の円盤部を、第2回転軸から離れた側の外周縁を結んだ形状が螺旋状に形成されるように配置することで、複数の円盤部により歯部が形成される。中心軸を中心に円盤部が回転するので、円盤部の外周縁とクローラとの接触による第2回転軸の周方向の摩擦を低減できる。その結果、請求項1から5のいずれかの効果に加え、円盤部およびクローラの摩耗を抑制できるので、円盤部およびクローラの耐久性を向上できる効果がある。
請求項7記載の走行装置によれば、動力伝達部は、軸心が第1回転軸の軸心と一致する第2回転軸と、第2回転軸の外周面に螺旋状に設けられる歯部とを備える。第1回転軸の軸心からの距離がそれぞれ同一に設定される複数のクローラに設けられる複数の凸部に歯部のフランクが接触する。螺旋状の歯部が第2回転軸周りに回転することで、第2回転軸の軸方向の駆動力が歯部から複数のクローラへ伝達される。また、歯部のフランクと凸部とが接触するので、第2回転軸の軸方向の駆動力を歯部から複数のクローラへ確実に伝達できる。その結果、動力伝達部を単純化しつつ、駆動力の伝達を確実にして複数のクローラ間での回転速度差をより抑制できるので、単純化された動力伝達部により走行装置の直進性をより向上できる効果がある。
クローラの回転により凸部がクローラの回転方向に曲げられると、回転の外側(凸部の先端側)へ向かうにつれて凸部の伸び量が大きくなり、その伸びによる抵抗が生じる。凸部に設けられる切込部により凸部の先端側が分割されるので、凸部の先端側の伸び量を低減して、その伸びによる抵抗を小さくできる。その結果、請求項1から5のいずれかの効果に加え、クローラの回転をスムーズにできる効果がある。
本発明の第1実施の形態における走行装置が配置された移動体の斜視図である。 (a)は移動体の側面図であり、(b)は走行装置の正面図である。 (a)は第1クローラ及び第1フレーム部の斜視図であり、(b)は第1フレーム部の側面図である。 (a)は第2クローラ及び第2フレーム部の斜視図であり、(b)は第2フレーム部の斜視図である。 図2(b)のV−V線における走行装置の断面図である。 図2(a)のVI−VI線における走行装置の断面図である。 動力伝達部の斜視図である。 (a)は路面を走行する走行装置の側面図であり、(b)は障害物に乗り上げた走行装置の側面図である。 (a)は第2実施の形態における走行装置の正面図であり、(b)は障害物に乗り上げた走行装置の正面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の第1実施の形態における走行装置20が配置された移動体10について説明する。図1は本発明の第1実施の形態における走行装置20が配置された移動体10の斜視図である。図1の矢印U,D,F,B,L,R方向は、それぞれ移動体10及び走行装置20の上方向、下方向、前方向、後方向、左方向、右方向を示している(図2,5,6も同様)。
図1に示すように、移動体10は、前後左右に移動する走行装置20により車体12が走行可能に支持される装置である。移動体10は、平板状の車体12と、車体12の下面に配置される2つの円柱状の走行装置20と、車体12の下面に固定されて走行装置20の両端側を回転可能に支持する一対の支持部14,16とを備える。移動体10は、車体に搭載される制御装置(図示せず)により走行装置20が制御され、車体12に搭載される電源装置(図示せず)から走行装置20及び制御装置へ電力が供給される。
移動体10は、2つの走行装置20がそれぞれ前後方向(矢印F−B方向)に平行に延びるように配置される。2つの走行装置20が平行に配置されるので、各走行装置20を同様に動かして移動体10を走行させることができる。これにより、制御装置による2つの走行装置20の制御を容易にできる。
なお、車体12に2つの走行装置20を設ける場合に限らず、車体12に3つ以上の走行装置20を設けることが可能である。この場合、走行装置20の制御を容易にするために各走行装置20を平行に配置することが好ましい。また、車体12に1つの走行装置20を設け、移動体10の走行に従動するキャスタ(図示せず)を車体12に設けることで、車体12を1つの走行装置20とキャスタとで支持させることも可能である。
次に、図2(a)、図2(b)を参照して、走行装置20について説明する。図2(a)は移動体10の側面図であり、図2(b)は走行装置20の正面図である。図2(b)は第1駆動部21が省略して図示される。
図2(a)に示すように、走行装置20は、駆動力を生じる第1駆動部21と、第1駆動部21の駆動力により回転する第1回転軸22と、第1回転軸22に固定されるフレーム30と、フレーム30に支持される4つの第1クローラ24及び4つの第2クローラ25(クローラ)と、フレーム30に固定されて駆動力を生じる第2駆動部26と、第2駆動部26の駆動力により第1クローラ24及び第2クローラ25を回転させる動力伝達部60(図5参照)とを備える。
第1駆動部21は、モータ(図示せず)が内蔵され、支持部14(車体12)に固定される。第1回転軸22は、軸心Cを中心に回転する金属製または合成樹脂製の軸であり、支持部14に軸受け(図示せず)を介して回転可能に支持される。第2駆動部26は、モータ(図示せず)が内蔵され、支持部16に軸受け(図示せず)を介して回転可能に支持される。
第1クローラ24及び第2クローラ25は、ゴムや合成樹脂により構成される環状の部材である。第1クローラ24及び第2クローラ25は、軸心Cと平行に延びるようにフレーム30にそれぞれ掛け渡される。第1クローラ24は、長さ(軸心C方向(F−B方向)の寸法)が第2クローラ25の長さよりも大きく設定される。第1クローラ24は、第1端部31(傾斜部31b)及び第2端部32(傾斜部32b)から軸心C方向に突出する。
図2(b)に示すように、4つの第1クローラ24及び4つの第2クローラ25は、軸心C周りの周方向に交互に並べられる。第2クローラ25は、幅が第1クローラ24の幅よりも大きく設定される。
第1クローラ24及び第2クローラ25は、外周面が地面等の路面S(図8(a)参照)に接地する接地面24a,25aである。接地面24a,25aは、軸心C方向視においてそれぞれ円弧状に形成される。軸心Cから離れた側の接地面24a,25aが、軸心Cからの距離がそれぞれ等しい円弧状に形成されるように接地面24a,25aの曲率が設定される。
図2(a)及び図2(b)に示すように、フレーム30は、金属製または合成樹脂製の部材であり、軸心C方向に延びて形成される。フレーム30は、両端側を構成する第1端部31及び第2端部32と、第1端部31及び第2端部32間に掛け渡される4つの第1フレーム部40と、第1端部31と第2端部32との間かつ第1フレーム部40間に設けられる4つの第2フレーム部50とを備える。
第1端部31及び第2端部32は、軸心C方向視において軸心Cを中心とした円形状に形成される部材である。第1端部31及び第2端部32は、外周側から軸心Cへ向かって凹む固定溝31a,32aが形成される。固定溝31a,32aは、第1フレーム部40が挿入されて固定される部位であり、軸心C周りに90度ずつずれて配置される。第1端部31及び第2端部32は、軸心C方向視において、外周面が第2クローラ25の軸心Cから離れた側の接地面25aよりも軸心C側に配置される。
第1端部31及び第2端部32は、軸方向外側へ向かう(第2フレーム部50から離れる)につれて軸心Cへ向かって傾斜する傾斜部31b,32bを備える。傾斜部31b,32bは、外側に凸の曲面状に形成される。
第1端部31は、傾斜部31bから第2フレーム部50側に延びる筒部31cを備え、軸方向端部側が第1回転軸22に固定される。筒部31cは、後述する第1フレーム部40の調整機構44を第1端部31側に設けるために、第1端部31を軸心C方向に延ばす円筒状の部位である。筒部31cは、軸心Cから外周面までの距離が一定に形成される。筒部31cは、第1フレーム部40を固定するためのボルト33及びナット34を取り付けるために凹んだ凹部31dが設けられる。
第2端部32は、第2駆動部26が固定される。第2端部32の傾斜部32bは、第1フレーム部40を固定するためのボルト33及びナット34を取り付けるために凹んだ凹部32cが設けられる。
次に図3(a)及び図3(b)を参照して第1クローラ24及び第1フレーム部40について説明する。図3(a)は第1クローラ24及び第1フレーム部40の斜視図であり、図3(b)は第1クローラ24及び第1フレーム部40の側面図である。図3(a)は、シュー24cの一部を外した状態を示している。
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1クローラ24は、第1フレーム部40に掛け回される環状のベルト24bと、ベルト24bの外周面に裏面が接着される複数のシュー24cとを備えている。シュー24cの表面により第1クローラ24の接地面24aが構成される。
シュー24cは、第1クローラ24(ベルト24b)の幅方向(図3(b)紙面垂直方向)に長い部材である。複数のシュー24cは、第1クローラ24の回転方向(周方向)に亘って隙間なく突き合わされるように、ベルト24bの外周面に接着される。これにより、シュー24cとシュー24cとの境界24eが第1クローラ24の幅方向に延びる。
第1クローラ24は、幅方向に対して傾いて延びる複数の凸部24dが接地面24aに設けられる。凸部24dは、2つのシュー24cに亘って形成されるので、隣り合うシュー24cの境界24e(切込部)で第1クローラ24の回転方向に分割される。
第1フレーム部40は、フレーム本体41と、フレーム本体41の両端に回転可能に支持される一対のローラ42,43と、ローラ42,43間の距離を調整する調整機構44とを備える。ローラ42,43は、第1フレーム部40に掛け回された第1クローラ24を折り返す部位である。
フレーム本体41は、第1フレーム部40の長手方向に延びる一対の摺動面部45,46と、一対の摺動面部45,46を第1フレーム部40の長手方向に亘って連結する連結部47と、摺動面部45,46及び連結部47の両端に取り付けられるローラ支持部48,49とを備える。摺動面部45,46は、表面が第1クローラ24と対向する平板状の部材である。摺動面部45,46の表面を第1クローラ24が摺動する。
摺動面部45,46は、長さが第2クローラ25及び第2フレーム部50(図4(a)参照)の長さよりも大きく設定される。摺動面部45,46は、幅(第1クローラ24の幅方向の寸法)が第1クローラ24の幅よりも僅かに大きく設定される。
摺動面部45,46は、第1クローラ24が嵌まるガイド溝41aが表面に設けられる。ガイド溝41aは、第1クローラ24が嵌まる部位であり、ガイド溝41aから第1クローラ24の接地面24aが張り出すようにガイド溝41aの深さが設定される。これにより、ガイド溝41aによって第1クローラ24の回転を案内しつつ、ガイド溝41a(フレーム本体41)が接地することを防止できる。
連結部47は、摺動面部45,46の裏面の幅方向中央を互いに連結する部材であり、幅(第1クローラ24の幅方向の寸法)が摺動面部45,46の幅よりも小さく設定される。連結部47は、摺動面部45から摺動面部46へ向かうにつれて幅が小さくなる。これにより、フレーム本体41の質量あたりの曲げ剛性や曲げ強度を向上できる。連結部47は、幅方向に貫通する矩形状の貫通孔41bが摺動面部45側に形成される。
ローラ支持部48,49は、摺動面部45,46及び連結部47の幅方向両端面に取り付けられて長手方向に延びる一対の板材であり、ローラ軸42a,43aでローラ42,43を回転可能に支持する。ローラ軸42aは、中心にボルト孔42bが設けられる円筒状の部材であり、ローラ支持部48に固定される。ボルト孔42bにボルト33(図2(a)参照)を挿入しナット34(図2(a)参照)を締結することで、第1フレーム部40が第2端部32(図2(a)参照)に固定される。
ローラ支持部49は、ボルト33が挿入されるボルト孔49aが設けられ、第1フレーム部40の長手方向に延びるガイド孔49bが形成される。ボルト孔49aにボルト33を挿入しナット34(図2(a)参照)を締結することで、第1フレーム部40が第1端部31に固定される。ローラ軸43aは、円柱状の部材であり、ガイド孔49bに挿入される。
調整機構44は、ローラ軸43aとローラ支持部49(フレーム本体41)とを連結してガイド孔49b内でのローラ軸43aの位置を調整する。第1フレーム部40に掛け回された第1クローラ24は、一対のローラ42,43に引っ張られて張力が付与され、その張力が調整機構44により調整される。
次に図4(a)及び図4(b)を参照して第2クローラ25及び第2フレーム部50について説明する。図4(a)は第2クローラ25及び第2フレーム部50の斜視図であり、図4(b)は第2フレーム部50の斜視図である。図4(a)は、シュー25cの一部を外した状態を示している。図4(b)は、フレーム本体51の内部構造を示すためにフレーム本体51が省略して図示される。
図4(a)に示すように、第2クローラ25は、第2フレーム部50に掛け回される環状の2本のベルト25bと、2本のベルト25bを連結しつつベルト25bの外周面に裏面が接着される複数のシュー25cとを備えている。シュー25cの表面により第2クローラ25の接地面25aが構成される。
シュー25cは、第2クローラ25(ベルト25b)の幅方向に長い部材である。複数のシュー25cは、第2クローラ25の回転方向(周方向)に亘って隙間なく突き合わされるように、ベルト24bの外周面に接着される。これにより、シュー24cとシュー24cとの境界25fが第2クローラ25の幅方向に延びる。
第2クローラ25は、幅方向に対して傾いて延びる複数の凸部25dと、凸部25dの幅方向両側にベルト25bの回転方向(周方向)に亘って接地面25aから凹む一対の溝部25eとが接地面25aに設けられる。凸部25dは、2つのシュー25cに亘って形成されるので、隣り合うシュー25cの境界25f(切込部)で第2クローラ25の回転方向に分割される。
図4(a)及び図4(b)に示すように、第2フレーム部50は、フレーム本体51と、フレーム本体51の両端に回転可能に設けられる一対のローラ52,53と、ローラ52,53間の距離を調整する調整機構54とを備える。フレーム本体51は、箱状の部材であり、幅方向両端面から突出部51aが突出する。突出部51aは、第1フレーム部40の貫通孔41b(図3(b)参照)に挿入される部位である。貫通孔41bに突出部51aを挿入することで、第2フレーム部50が第1フレーム部40に固定される。
フレーム本体51は、幅が第2クローラ25の幅と略同一であり、第2クローラ25の幅方向両端に接触するようにフレーム本体51の幅方向両端面に板状のガイド部51bが取り付けられる。ガイド部51b間に第2クローラ25が嵌められ、第2クローラ25の接地面25aがガイド部51b間から外側に張り出すようにガイド部51bの寸法(板幅)が設定される。これにより、ガイド部51bにより第2クローラ25を案内しつつ、フレーム本体51が接地することを防止できる。
ローラ52,53は、第2フレーム部50に掛け回された第2クローラ25を折り返す部位であり、ガイド部51bにローラ軸52a,53aで回転可能に支持される。ローラ軸52a,53aは、ガイド部51bに設けられたガイド孔51cに挿入される。
調整機構54は、ガイド孔51c内を移動してローラ軸52a,53aを押すスライド部54a,54bと、スライド部54a,54b間に配置される調整部54cとを備える。スライド部54a,54bと調整部54cとは互いに接触する。調整部54cは、第2フレーム部50の幅方向に延びるボルト54dが貫通する。
フレーム本体51に支持されるボルト54dを回転させることで、調整部54cがボルト54dの軸方向に移動する。調整部54cとスライド部54a,54bとの接触面は、第2フレーム部50の幅方向に対して傾いたカム面54eであるので、調整部54cがボルト54dの軸方向に移動することで、スライド部54a,54bが第2フレーム部50の長手方向外側へ移動する。スライド部54a,54bによりローラ軸52a,53aが第2フレーム部50の長手方向外側へ押されてローラ52,53間の距離が設定される。第2フレーム部50に掛け回された第2クローラ25は、一対のローラ52,53に引っ張られて張力が付与され、その張力が調整機構54により調整される。
次に、図5及び図6を参照して走行装置20の内部構造について説明する。図5は図2(b)のV−V線における走行装置20の断面図であり、図6は図2(a)のVI−VI線における走行装置20の断面図である。なお、図5及び図6は第1クローラ24及び第2クローラ25の一部が模式的に図示される。図6は第2フレーム部50の内部構造が省略して図示される。
図5及び図6に示すように、第1フレーム部40及び第2フレーム部50は、軸心Cと平行に配置される。第1フレーム部40は、長手方向(F−B方向)の寸法が第2フレーム部50の長手方向寸法よりも大きく設定される。4つの第1フレーム部40及び4つの第2フレーム部50が軸心C周りの周方向に交互に並べられる。これにより、フレーム30は、軸心Cを中心とする筒状に形成される。
第1フレーム部40は、摺動面部45,46の幅よりも幅が小さく設定される連結部47により摺動面部45,46の幅方向中央を連結するので、摺動面部45,46の間に第2クローラ25及び第2フレーム部50の幅方向両端の一部を進入させることができる。第2クローラ25の幅方向両端の一部が第1クローラ24に囲まれるので、第1クローラ24と第2クローラ25とを互いに近づけて軸心Cから離れた側の接地面24a,25a間の隙間を小さくできる。
連結部47は、摺動面部45から摺動面部46へ向かうにつれて幅(厚さ)が小さくなるので、摺動面部45,46間に第2クローラ25及び第2フレーム部50を進入させるためのスペースを確保しつつ、第1フレーム部40の強度を確保できる。さらに、連結部47の幅により摺動面部45側に形成される貫通孔41bの幅方向寸法を確保できるので、貫通孔41bに突出部51aが挿入された連結部47を座屈し難くできる。
第1フレーム部40のボルト孔42b,49aにボルト33を挿入しナット34を締結して、第1フレーム部40を第1端部31及び第2端部32に固定し、第1フレーム部40の貫通孔41bに第2フレーム部50の突出部51aを挿入することで第2フレーム部50を第1フレーム部40に固定する。これにより、第1端部31、第2端部32、第1フレーム部40及び第2フレーム部50を相互に簡便に固定できる。また、貫通孔41bは第1フレーム部40の幅方向(軸心C周りの周方向)に延びるので、軸心C周りに90度ずれる第1フレーム部40に第2フレーム部50を強固に固定できる。
走行装置20は、第1フレーム部40(第1クローラ24)と第2フレーム部50(第2クローラ25)とに囲まれた部分に動力伝達部60が設けられる。動力伝達部60は、第2駆動部26が生じる駆動力を第1クローラ24及び第2クローラ25へ伝達する部材である。動力伝達部60は、円柱状の第2回転軸61と、第2回転軸61の外周面から径方向外側に突出する複数の円盤部62(歯部)とを備える。
第2回転軸61は、軸心が第1回転軸22の軸心Cと一致するように配置され、両端側が第1端部31及び第2端部32に軸受け64を介してそれぞれ回転可能に支持される。第2回転軸61は、第2駆動部26の駆動力により軸心Cを中心に回転する。
ここで、図7を参照して動力伝達部60について説明する。図7は、動力伝達部60の斜視図である。図7に示すように、円盤部62は、中心軸63を中心に回転する円盤状の部材であり、中心軸63が第2回転軸61に埋め込まれるようにして支持される。
円盤部62は、略半周が第2回転軸61から径方向外側に突出し、その突出量は全て同一に設定される。複数の円盤部62は、第2回転軸61の外周面から離れた側の円盤部62の外周縁を結んだ形状が螺旋状に形成されるように配置される。これにより、動力伝達部60を1条ねじのようにできる。円盤部62は、螺旋の谷底(第2回転軸61の外周面)と、螺旋の山の頂(第2回転軸61の外周面から離れた側の円盤部62の外周縁)とを結ぶ面がフランク62aである。
図5及び図6に戻って説明する。図5に示すように、円盤部62のフランク62aは、第1クローラ24及び第2クローラ25の凸部24d,25dと接触する。軸心Cを中心に第2回転軸61を回転させて、全体として螺旋状の円盤部62が軸心C周りに回転することで、第1クローラ24及び第2クローラ25の凸部24d,25dに円盤部62のフランク62aから軸心C方向の駆動力がそれぞれ伝達される。これにより、第1クローラ24及び第2クローラ25が回転する。フランク62aと凸部24d,25dとが軸心C方向に接触するので、円盤部62から第1クローラ24及び第2クローラ25への駆動力を確実に伝達できる。
円盤部62が中心軸63を中心に回転するので、円盤部62の外周縁と第1クローラ24及び第2クローラ25との接触による軸心C周りの周方向の摩擦を低減できる。その結果、円盤部62、第1クローラ24及び第2クローラ25の摩耗を抑制できるので、円盤部62、第1クローラ24及び第2クローラ25の耐久性を向上できる。
図6に示すように、第1クローラ24及び第2クローラ25は、軸心Cからの距離がそれぞれ同一に設定される。さらに、第2回転軸61からの径方向外側の突出量が全て同一に設定されるので、第2回転軸61を回転させると、各円盤部62が第1クローラ24及び第2クローラ25の全てと接触できる。さらに、第2回転軸61が軸心Cを中心に回転したときのいずれの状態においても、全ての第1クローラ24及び第2クローラ25がそれぞれ1つ以上の円盤部62のフランク62aと接触するように円盤部62が配置される。
その結果、第2回転軸61の回転により、全ての第1クローラ24及び第2クローラ25の凸部24d,25dに円盤部62のフランク62aから軸心C方向の駆動力がそれぞれ伝達できる。螺旋の回転により軸心C方向の駆動力を伝達するという単純化された動力伝達部60により、全ての第1クローラ24及び第2クローラ25を同時に同速度で回転させることができる。
次に走行装置20の走行方法について説明する。走行装置20は、第2回転軸61の回転を止めて、第1駆動部21の駆動力により第1回転軸22を回転させることで、第1駆動部21(車体12)に対して走行装置20(第1クローラ24及び第2クローラ25)が軸心C周りに回転する。これにより、走行装置20が左右方向(軸心Cの軸直方向)に移動(横行)する。
走行装置20は、上述したように、第1回転軸22の回転を止めて、第2駆動部26の駆動力により第2回転軸61を回転させることで、円盤部62から第1クローラ24及び第2クローラ25へ軸心C方向の駆動力が伝達され、第1クローラ24及び第2クローラ25が回転する。これにより、走行装置20が前後方向(軸心C方向)に移動(前後進)する。
走行装置20を前後方向および左右方向に対して斜めに移動(斜行)させる場合、第2回転軸61を回転させて第1クローラ24及び第2クローラ25を回転させつつ、第1回転軸22を回転させて軸心C周りに走行装置20を回転させる。第1クローラ24と第2クローラ25との間で回転速度差が生じる場合には、軸心C周りの回転により第1クローラ24と第2クローラ25とで接地するクローラが変わったときに、走行装置20の軸心C方向への移動速度が瞬間的に遅くなったり速くなったりするので、走行装置20の直進性が悪化する。
本実施の形態では、動力伝達部60により第2駆動部26が生じる駆動力を第1クローラ24及び第2クローラ25全てにそれぞれ直接伝達して第1クローラ24及び第2クローラ25を回転させることができる。これにより、第1クローラ24と第2クローラ25との間での回転速度差を抑制できるので、走行装置20を斜行させる場合でも走行装置20の直進性を向上できる。
次に図8(a)及び図8(b)を参照して、走行装置20が障害物Oを乗り越える動作について説明する。図8(a)は路面Sを走行する走行装置20の側面図であり、図8(b)は障害物Oに乗り上げた走行装置20の側面図である。図8(a)及び図8(b)は第1クローラ24及び第2クローラ25が模式的に図示され、第1駆動部21及び第2駆動部26が省略して図示される。
図8(a)に示すように、走行装置20が走行する路面Sには、乗り越えなければならない障害物Oがある。走行装置20が横行する場合、軸心Cから離れた側の接地面24a,25aまでの軸心Cからの距離(接地面24a,25aの曲率半径)よりも障害物Oが低ければ、走行装置20は障害物Oを乗り越えることができる。
第1クローラ24が接地した状態で走行装置20が前後進する場合、第1クローラ24の折り返し部分(ローラ42,43側)が障害物Oに接触する。ローラ42,43の軸心から接地面24aまでの距離よりも障害物Oが低ければ、走行装置20は障害物Oを乗り越えることができる。
図8(b)に示すように、第2クローラ25が接地した状態で走行装置20が前後進する場合、傾斜部31b又は傾斜部32bが障害物Oに接触する。傾斜部31b,32bの最も軸心C側の部分の路面Sからの高さよりも障害物Oが低ければ、傾斜部31b又は傾斜部32bを障害物Oに対して滑らして走行装置20を持ち上げることで、障害物Oを乗り越えることができる。
また、第1端部31及び第2端部32は、軸心C方向視において軸心Cから離れた側の接地面25aよりも軸心C側に配置されるので、路面Sが平坦であるときには、傾斜部31b(第1端部31)及び傾斜部32b(第2端部32)が路面Sに接触することを防止できる。それらの結果、走行装置20の踏破性を向上できる。
なお、第2端部32の傾斜部32bには凹部32cが設けられるので、凹部32cが障害物Oに引っ掛かることがある。一方、第1端部31は、筒部31cに凹部31dが設けられる(傾斜部31bには凹部31dがない)ので、障害物Oに対して滑る傾斜部31bが障害物Oに引っ掛かることを防止できる。
以上の走行装置20によれば、第1クローラ24及び第2クローラ25は、軸心Cから離れた側の接地面24a,25aが、軸心Cからの距離がそれぞれ等しい円弧状に形成されるので、第1クローラ24と第2クローラ25とで接地するクローラが変わらないときは走行装置20の上下の揺れを抑制できる。軸心Cから離れた側の接地面24a,25aに対して、第1クローラ24と第2クローラ25との間の隙間が軸心C側へ凹むので、軸心Cから離れた側の接地面24a,25a間の隙間が大きい場合、第1クローラ24と第2クローラ25とで接地するクローラが変わるときに走行装置20が上下に揺れ易い。
本実施の形態では、第2クローラ25の幅方向両端の一部が第1クローラ24に囲まれるので、軸心Cから離れた側の接地面24a,25a間の隙間を小さくできる。これにより、第1クローラ24と第2クローラ25とで接地するクローラが変わるときの走行装置20の上下の揺れを抑制できる。
幅方向両端の一部が第1クローラ24に囲まれる第2クローラ25の幅が第1クローラ24の幅よりも大きいので、第1クローラ24と第2クローラ25とを互いに近づけて軸心Cから離れた側の接地面24a,25a間の隙間をより小さくできる。これにより、第1クローラ24と第2クローラ25とで接地するクローラが変わるときの走行装置20の上下の揺れをより抑制できる。
軸心Cから第1クローラ24及び第2クローラ25までの距離が同一に設定される場合、軸心C側の接地面24a,25aが接触しないように第1クローラ24及び第2クローラ25の幅を制限することがある。本実施の形態では、第2クローラ25に溝部25eが設けられるので、溝部25eにより第1クローラ24の幅方向端部を迂回して、第2クローラ25を幅方向に延ばすことができる。軸心Cから第1クローラ24及び第2クローラ25までの距離が同一に設定される場合でも、第2クローラ25の一部を第1クローラ24に囲ませて、接地面24a,25a間の隙間を小さくできる。単純化された動力伝達部60を用いつつ、第1クローラ24と第2クローラ25とで接地するクローラが変わるときの走行装置20の上下の揺れを抑制できる。
第1クローラ24及び第2クローラ25は、ローラ42,43,52,53により折り返されるので、凸部24d,25dが第1クローラ24及び第2クローラ25の回転方向に曲げられる。凸部24d,25dがベルト24bの幅方向に対して傾いて延びるので、回転方向に凸部24d,25dが曲げられると、回転の外側(接地面24a,25a側)へ向かうにつれて凸部24d,25dの伸び量が大きくなり、その伸びによる抵抗が生じる。
境界24e,25fで第1クローラ24及び第2クローラ25の回転方向に凸部24d,25dが分割されるので、凸部24d,25dの接地面24a,25a(先端)側の伸び量を低減して、その伸びによる抵抗を小さくできる。その結果、第1クローラ24及び第2クローラ25の回転をスムーズにできる。
次に図9(a)及び図9(b)を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、軸心C方向視において軸心Cから離れた側の接地面25aよりも軸心C側に第1端部31(傾斜部31b)及び第2端部32(傾斜部32b)が配置される場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、軸心C方向視において軸心Cから離れた側の接地面24aの幅方向端部を結んだ仮想線Aよりも軸心C側に第1端部31(傾斜部31b)及び第2端部32(傾斜部32b)が配置される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図9(a)は第2実施の形態における走行装置70の正面図であり、図9(b)は障害物Oに乗り上げた走行装置70の正面図である。図9(b)は、第1実施の形態における走行装置20の傾斜部31bが2点鎖線で図示される。
図9(a)に示すように、走行装置70のフレーム71は、両端側を構成する第1端部72及び第2端部73(図示せず)と、第1端部72及び第2端部73間に掛け渡される4つの第1フレーム部40と、第1端部72及び第2端部73間、且つ、第1フレーム部40間に設けられる4つの第2フレーム部50とを備える。
第1端部72は、軸方向視において第1クローラ24が4隅に設けられた矩形状の部材であり、第2クローラ25から離れるにつれて軸心Cへ向かって傾斜する傾斜部72aを備える。ここで、傾斜部72aを挟んで隣り合う第1クローラ24において、軸心Cから離れた側の接地面24aの幅方向端部を結んで仮想線Aを引く。傾斜部72aは、軸心C方向視において仮想線Aよりも軸心C側に位置する。なお、第2端部73(第2端部73の傾斜部73a)は第1端部72(第1端部72の傾斜部72a)と同様に構成されるので、第2端部73の説明を省略する。
図9(b)に示すように、第2端部73の傾斜部73aを障害物Oに対して滑らせて走行装置70の第2端部73側(図9(b)紙面奥側)を持ち上げた場合、第1実施の形態における傾斜部31bが路面Sに接触することがある。この場合、第1クローラ24及び第2クローラ25が路面Sや障害物Oに接地していないので、走行装置20が前後進(図9(b)紙面垂直方向に移動)できない。走行装置20を前後進させるには、第1回転軸22を回転させて走行装置20を横行(図9(b)紙面左右方向に移動)させて、傾斜部31bから軸心C方向に突出する第1クローラ24を接地させる必要がある。
一方、本実施の形態では、軸心C方向視において仮想線Aよりも軸心C側に傾斜部72aが位置するので、第1クローラ24又は第2クローラ25が路面Sに接触し、傾斜部72aが路面Sに接触することを防止できる。障害物Oに乗り上げた走行装置70が移動できなくなることを防止できるので、走行装置70の踏破性を向上できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、車体12や走行装置20,70、第1クローラ24、第2クローラ25、フレーム30の形状や寸法は一例であり、種々の形状や寸法を採用することは当然である。
上記第1実施の形態では、第1クローラ24及び第2クローラ25が軸心Cと平行に延びる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1クローラ24及び第2クローラ25が軸心Cに対して僅かに傾くように軸心C方向に延ばすことが可能である。
上記第1実施の形態では、4つの第1クローラ24と4つの第2クローラ25とが軸心C周りの周方向に交互に並べられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、8つの各同一のクローラを軸心C周りの周方向に並べることは当然可能である。また、クローラの数は8つに限らず、7つ以下や9つ以上にすることが可能である。また、第1クローラ24及び第2クローラ25をそれぞれ3つ以下にしたり、5つ以上にしたりすることも可能である。
上記第1実施の形態では、第1クローラ24及び第2クローラ25に凸部24d,25dが設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凸部24d,25dを省略することは当然可能である。この場合、円盤部62の外周縁が第1クローラ24及び第2クローラ25に接触し、円盤部62と第1クローラ24及び第2クローラ25との間の摩擦力により、円盤部62から第1クローラ24及び第2クローラ25へ軸心C方向の駆動力を伝達できる。
上記第1実施の形態では、凸部24d,25dが2つのシュー24c,25cに亘って形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、3つ以上のシュー24c,25cに亘って凸部24d,25dを形成することは当然可能である。第1クローラ24及び第2クローラ25の回転方向に凸部24d,25dを3つ以上に分割できるので、凸部24d,25dが2分割される場合と比較して、凸部24d,25dの接地面24a,25a側の伸び量をより低減して、その伸びによる抵抗をより小さくできる。
上記第1実施の形態では、ベルト24b,25bの外周面に複数のシュー24c,25cを設けた第1クローラ24及び第2クローラ25について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、シュー24c,25cを省略し、ゴム製や合成樹脂製の環状のベルトで第1クローラ及び第2クローラを構成することは当然可能である。ベルトの外周面が接地面であり、ベルトの外周面に凹凸を形成して接地面に凸部24d,25dを設けることが可能である。凸部24d,25dの先端から切り込まれる切込部を凸部24d,25dに設けることで、凸部24d,25dの先端(接地面)側の伸び量を低減して、その伸びによる抵抗を小さくできる。この場合、切込部を起点にベルトが裂けるおそれがある。第1実施の形態では、別体であるシュー24c,25cの境界24e,25fが切込部なので、第1クローラ24及び第2クローラ25が切込部を起点に裂けることを防止できる。
また、ベルト24b,25bを省略して複数のシューを互いに連結することが可能である。この場合、シューの強度を確保するために合成樹脂製や金属製のシューを用いることが好ましい。路面Sとの摩擦を確保するために合成樹脂製や金属製のシューの接地面側にゴムを取り付けることが可能である。
上記第1実施の形態では、第2回転軸61の外周面から複数の円盤部62が突出して動力伝達部60が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2回転軸61の外周面に連続した螺旋状の突起による歯部を設け、動力伝達部を1条ねじのように形成することは当然可能である。また、第2回転軸61の外周面に連続した螺旋状の溝による歯部を設けて動力伝達部を1条ねじのように形成し、その歯部に凸部24d,25dを噛み合わせるように構成することも可能である。また、1条ねじに限らず、複数の円盤部62や歯部を多条ねじ(例えば2条ねじ、3条ねじ)になるように配置することが可能である。
また、動力伝達部60は第2回転軸61の外周面に螺旋を設けたものに限らず、ギヤやベルトにより動力伝達部を構成することが可能である。この場合の動力伝達部も、第1実施の形態の動力伝達部60と同様に、第1クローラ24及び第2クローラ25全てに第2駆動部26の駆動力が直接伝達されるように構成される。このとき、第2駆動部26から第1クローラ24及び第2クローラ25までの動力伝達部による駆動力の伝達経路が等しいことが好ましい。例えば、動力伝達部のギヤの径や数が同一であることが好ましい。これにより、第1クローラ24及び第2クローラ25の回転速度差をより抑制できるので、走行装置の直進性をより向上できる。
20,70 走行装置
21 第1駆動部
22 第1回転軸
71 フレーム
24 第1クローラ(クローラ)
25 第2クローラ(クローラ)
26 第2駆動部
60 動力伝達部
24a,25a 接地面
31b,32b,72a,73a 傾斜部
61 第2回転軸
62 円盤部(歯部)
24e,25f 境界(切込部)
24d,25d 凸部
A 仮想線
C 軸心

Claims (7)

  1. 駆動力を生じる第1駆動部と、
    その第1駆動部の駆動力により回転する第1回転軸と、
    その第1回転軸の回転により前記第1回転軸周りに回転するフレームと、
    そのフレームに支持されて前記第1回転軸の軸方向に沿って掛け渡される、前記第1回転軸の周方向に並べられる複数のクローラと、
    前記フレームに固定される、駆動力を生じる第2駆動部と、
    その第2駆動部が生じる駆動力を複数の前記クローラ全てにそれぞれ直接伝達して前記クローラを回転させる動力伝達部とを備えることを特徴とする走行装置。
  2. 複数の前記クローラは、複数の第1クローラと、
    前記第1回転軸の周方向に隣り合う前記第1クローラの間にそれぞれ配置されて幅方向両端の一部が前記第1クローラに囲まれる複数の第2クローラとを備え、
    複数の前記第1クローラ及び前記第2クローラは、前記第1回転軸の軸心から離れた側の接地面が、前記第1回転軸の軸心からの距離がそれぞれ等しい円弧状に形成されることを特徴とする請求項1記載の走行装置。
  3. 前記第2クローラは、幅が前記第1クローラの幅よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の走行装置。
  4. 前記フレームは、前記第2クローラよりも前記第1回転軸の軸方向の端部側、且つ、前記第1回転軸の周方向に隣り合う前記第1クローラの間に設けられる、前記第2クローラから離れるにつれて前記第1回転軸の軸心へ向かって傾斜する傾斜部を備え、
    その傾斜部は、前記第2クローラの前記第1回転軸の軸心から離れた側の前記接地面よりも前記第1回転軸の軸心側に位置することを特徴とする請求項2又は3に記載の走行装置。
  5. 前記傾斜部は、前記第2クローラよりも前記第1回転軸の軸方向の両端側にそれぞれ設けられ、前記傾斜部を挟んで隣り合う前記第1クローラにおける前記第1回転軸の軸心から離れた側の前記接地面の幅方向端部を結んだ仮想線よりも前記第1回転軸の軸心側に位置することを特徴とする請求項4記載の走行装置。
  6. 複数の前記クローラは、前記第1回転軸の軸心からの距離がそれぞれ同一に設定され、
    前記動力伝達部は、軸心が前記第1回転軸の軸心と一致する第2回転軸と、
    その第2回転軸の外周面に螺旋状に設けられて複数の前記クローラにそれぞれ接触する歯部とを備え、
    その歯部は、中心軸が前記第2回転軸に支持されて中心軸を中心に回転する複数の円盤部を備え、
    その複数の円盤部は、前記第2回転軸の軸心から離れた側の外周縁を結んだ形状が螺旋状に形成されるように配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の走行装置。
  7. 前記動力伝達部は、軸心が前記第1回転軸の軸心と一致する第2回転軸と、
    その第2回転軸の外周面に螺旋状に設けられる歯部とを備え、
    複数の前記クローラは、前記第1回転軸の軸心からの距離がそれぞれ同一に設定され、前記歯部のフランクが接触する複数の凸部が形成され、
    その凸部は、前記凸部の先端側を分割する切込部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の走行装置。
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