JP6387326B2 - 車輪 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪に関し、更に詳細には、オムニホイール式の車輪に関する。
乗り物や物品搬送装置、ロボット等に用いられる全方向移動装置の車輪として、円環状をなす芯体と、前記芯体の外周に嵌装された複数のインナースリーブと、前記インナースリーブの外周に回転可能に取り付けられたフリーローラとを有する車輪が知られている(例えば、特許文献1)。この車輪は、オムニホイール式と呼ばれ、この車輪を用いた全方向移動装置は、芯体の円環中心に一致する中心軸線周りの回転(公転)によって前後方向の走行(前後移動)を行い、フリーローラの中心軸線周りの回転(自転)によって横方向の走行(横移動)を行い、その二つの回転の組み合わせによって斜め方向の走行を行うことができる。
このような車輪では、周方向に隣り合うフリーローラ間に楔形状の空間ができ、走行中(車輪の回転中)に前記空間に小石等の異物が侵入し、フリーローラの回転を妨げる虞がある。前記空間に異物が侵入することを防止するために、当該空間を埋めるように略楔形状のスペーサ(補填部材)が芯体に取り付けられた車輪が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2010−247640号公報 国際公開第2010/64408号パンフレット
スペーサは、フリーローラの回転を妨げることなく走行中に芯体より脱落しないように、芯体或いは芯体に固定されたインナースリーブに確実に固定される必要がある。しかし、このスペーサの固定が確実に行われる取付構造が採用されるほど取付作業が面倒なものになる。
本発明が解決しようとする課題は、取付作業が面倒なものになることなくスペーサの固定が確実に行われるようにすることである。
本発明による車輪は、円環状をなす芯体(32)と、前記芯体(32)の外周に嵌装された複数のインナースリーブ(36)と、前記インナースリーブ(36)の外周に回転可能に取り付けられたフリーローラ(60)と、前記芯体(32)の円環方向に隣り合う前記フリーローラ(60)間の空間に配置されて係止部材によって前記インナースリーブ(36)に係止されたスペーサ(66)とを有し、前記係止部材は、前記芯体(32)の軸線方向と平行な方向に延在して前記スペーサ(66)に係止される中間部(68A)と、前記中間部(68A)の両端から互いに同方向に延在し先端が前記インナースリーブ(36)の周方向に互いに異なる位置に形成された2個の凹部(56)に各々弾発的に係合する一対の脚片部(68B)とを有する板ばね(68)を含んでいる。
この構成によれば、板ばね(68)の先端がインナースリーブ(36)の凹部(56)に弾発的に係合するだけでスペーサ(66)がインナースリーブ(36)に固定されるから、取付作業が面倒なものになることなくスペーサ(66)の固定が確実に行われる。
本発明による車輪は、好ましくは、前記スペーサ(66)は、板状をしていて、前記芯体(32)の円環方向に向く一方の面に開口した凹部(66E)を有し、当該凹部(66E)に開口側から前記中間部(68A)を挿入されることにより当該中間部(68A)を係止する。
この構成によれば、板ばね(68)の中間部(68A)をスペーサ(66)の凹部(66E)に押し込むだけで、板ばね(68)を作業性よくスペーサ(66)に取り付けることができる。
本発明による車輪は、好ましくは、前記スペーサ(66)は前記凹部(66E)の開口側に当該凹部(66E)に対する前記中間部(68A)の挿入を案内するテーパ形状部(66H)を有する。
この構成によれば、スペーサ(66)に対する板ばね(68)の装着作業性がよくなる。
本発明による車輪は、好ましくは、前記スペーサ(66)は前記一方の面とは反対の他方の面から前記凹部(66E)の底部に連通する工具挿入用開口(66K)を有する。
この構成によれば、メンテナンス時に工具挿入用開口(66K)に挿入される工具によって中間部(68A)をスリット状凹部(66B)から押し出すことができる。
本発明による車輪は、好ましくは、前記スペーサ(66)は前記脚片部(68B)に当接して前記中間部(68A)が前記スリット状凹部(66E)から抜け出す方向に移動することを阻止する抜け阻止突起部(66G)を有する。
この構成によれば、板ばね(68)がスペーサ(66)から容易に離脱することがない。
本発明による車輪は、好ましくは、前記スペーサ(66)は、前記芯体(32)の円環外方に位置する中央部(66A)と、前記中央部(66A)の両端より同方向に延在する一対の脚片部(66B)とを有し、前記インナースリーブ(36)を前記芯体(32)の軸線方向と平行な方向に跨ぐ門形をしており、前記脚片部(66B)には前記インナースリーブ(36)の外周に設けられた突起部(48A)が嵌合する係止凹部(66J)を有する。
この構成によれば、スペーサ(86)が芯体(32)の円環方向に倒れることが防止され、スペーサ(66)が芯体(32)の円環中心に対して放射状に延在する正規の姿勢を保つことが保証される。
本発明による車輪は、好ましくは、前記スペーサ(66)は、外側から車輪の半径方向と同方向に延在して前記脚片部(68B)の先端と前記凹部(56)との係合部に開口した開口部(66L)を有する。
この構成によれば、開口部(66L)によって、脚片部(68B)の先端が凹部(56)に正しく嵌合しているかを確認することができる。開口部(66L)はスペーサ(66)の内側に侵入した雨水を排水する排水路としても作用する。
本発明による車輪は、好ましくは、前記スペーサ(66)は、外側から車輪の軸線方向と同方向に延在して前記脚片部(68B)の先端と前記凹部(56)との係合部に開口した開口部(66M)を有する。
この構成によれば、開口部(66M)によって、脚片部(68B)の先端が凹部(56)に正しく嵌合しているかを確認することができる。開口部(66M)はスペーサ(66)の内側に侵入した雨水を排水する排水路としても作用する。
本発明による車輪によれば、板ばねによってスペーサがインナースリーブにクリップ式に装着されるから、取付作業が面倒なものになることなくスペーサの固定が確実に行われる。
本発明による車輪および摩擦式駆動装置が用いられた倒立振子型車両の一つの実施形態を示す正面図 本実施形態による車輪(主輪)の縦断面図 本実施形態による車輪のスペーサ未装着の分解斜視図 (A)は本実施形態による車輪に用いられる芯体の分解斜視図、(B)は同芯体の組立斜視図 本実施形態による車輪に用いられるインナースリーブおよびフリーローラの拡大断面図 本実施形態による車輪に用いられるインナースリーブを右側から見た斜視図 同インナースリーブを左側から見た斜視図 図2の線VIII−VIIIに沿った拡大断面図 本実施形態による車輪に用いられるスペーサの拡大正面図 同スペーサの拡大断面図(図11の線X−Xに沿った断面図相当) 図9の線XI−XIに沿った断面図 同スペーサの前側から見た拡大斜視図 同スペーサの後側から見た拡大斜視図 本発明による車輪に用いられるスペーサおよび板ばねの他の実施形態を示す拡大断面図(図2の線VIII−VIIIに沿った拡大断面図相当)
以下に、本発明による車輪が用いられた倒立振子型車両の一つの実施形態を、図1〜図13を参照して説明する。
図1に示されているように、本実施形態の倒立振子型車両(全方向移動装置)は、車体骨格をなす車体フレーム10を有する。車体フレーム10は、前後2個の上部部材12と、上部部材12の左右両端より各々垂下し且つ前後2個の上部部材12を互いに接続する左右の脚部材14と、脚部材14の下部に取り付けられた左右の下部支持プレート16とを含む。上部部材12の上部には乗員の臀部を支持するサドル18が取り付けられている。下部支持プレート16には乗員の足裏を支持する左右のフットステップ20が取り付けられている。
左右の脚部材14および下部支持プレート16間には主輪(車輪)30および左右のドライブディスク70が配置されている。左右のドライブディスク70は、主輪30の左右両側に対称の配置で、ハブ72と、ホイール74と、ハブ72およびホイール74の周方向に等間隔に配置されて両端をハブ72、ホイール74に固定された複数のホルダ76との組立体によって構成され、下部支持プレート16に取り付けられた共通の支持軸22によって車体フレーム10に左右方向に延在する略水平な中心軸線周りに回転可能に支持されている。換言すると、車体フレーム10は一つの支持軸22によって左右のドライブディスク70を各々左右方向に延在する略水平な同一軸線上に回転可能に支持している。
左右のドライブディスク70には、各々、ホルダ76によって複数のドライブローラ78がドライブディスク70の周方向に等間隔に配置されている。ドライブローラ78は各々ドライブディスク70の回転軸線(中心軸線)に対してねじれの関係をなす回転軸線周りに回転可能である。左右のドライブローラ78は下側に位置するもののみが外周面をもって後述する主輪30の接地側(下側)に位置するフリーローラ(ドリブンローラ)60の外周面(主輪30の径方向内方の外周面)に左右対称に摺接している。
接地側に位置するドライブローラ78は、サドル18に着座した乗員の荷重が車体フレーム10を介して支持軸22に作用することにより、接地している主輪30のフリーローラ60に押し付けられる。
車体フレーム10には鼓形状の規制ローラ102が支持軸22の中心軸線と平行な軸線周りに回転可能に取り付けられている。規制ローラ102は、主輪30内の上部を左右方向に貫通して延在し、円弧状の括れ部が主輪30の上側に位置するフリーローラ60の外周面(主輪30の径方向内方の外周面)に摺接する。
接地しているフリーローラ60の前後に位置するフリーローラ60を左右から挟むようにしてフリーローラ60の外周面(主輪30の径方向内方の外周面)に摺接する規制ローラ110が支持軸22を中心として回動可能に支持部材108に取り付けられている。規制ローラ110は、接地点を通る鉛直線より前後方向に離れた位置にあるフリーローラ60に接触している。
主輪30は、下側を左右のドライブローラ78および規制ローラ110によって軸線方向に挟まれ、上側を規制ローラ102によって支持されることにより、中心軸線が略水平になる起立姿勢を維持する。
ドライブディスク70にはドリブンプーリ80が同心に固定されている。車体フレーム10は主輪30の上方にギヤボックス82を取り付けられている。ギヤボックス82の外壁には左右の電動モータ84(図1では右側のドライブディスク70用の電動モータのみを図示)および左右のドライブプーリ86(図1では左側のドライブディスク70用のドライブプーリのみを図示)が取り付けられている。ギヤボックス82は減速歯車装置(不図示)を内蔵しており、当該減速歯車装置は左右の電動モータ84の回転を減速して左右のドライブプーリ86に個別に伝達する。ドライブプーリ86とドリブンプーリ80とには左右で対応するもの同士間に無端のコグドベルト88(図1では左側のドライブディスク70用のコグドベルトのみを図示)が掛け渡されている。これにより、左右のドライブディスク70が個別に回転駆動される。
下部支持プレート16には支持軸90によって尾輪支持アーム92の基端が回動可能に連結されている。尾輪支持アーム92は、基端より主輪30の後方に向けて延在し、支持軸90の中心軸線周りに車体フレーム10に対して略上下方向に回動可能になっている。尾輪支持アーム92は遊端にオムニホイール式の尾輪(副輪)94をドライブディスク70の回転軸線に直交する略水平な中心軸線周りに回転可能に支持している。尾輪94は尾輪支持アーム92に取り付けられた電動モータ96によって回転駆動される。
ギヤボックス82の前部には電気ボックス98が取り付けられている。電気ボックス98は、電子制御装置、ジャイロセンサ、モータドライブユニット等を内蔵している。電子制御装置は、倒立振子制御則に従った制御処理に基づいて車体フレーム10が略直立姿勢を維持すべく左右の電動モータ84を制御すると共に、旋回のために電動モータ96を制御する。なお、車体フレーム10には、図示されていないが、これらの電装品の電源をなすバッテリが搭載されている。
左右の電動モータ84が同一方向に且つ同一速度で駆動されている場合には、左右のドライブディスク70が同一速度で同一方向に回転し、主輪30が円環中心を回転軸線として回転する。このとき、左右のドライブディスク70に回転速度差が生じないため、主輪30のフリーローラ60が自転せず、倒立振子型車両は真っ直ぐに前進あるいは後進する。
左右の電動モータ84が互いに異なった回転方向及び又は回転速度に駆動されている場合には、左右のドライブディスク70間に回転速度差が生じ、左右のドライブディスク70の回転力による円周(接線)方向の力に対し、この力に直交する向きの分力が左右のドライブローラ78と主輪30のフリーローラ60との接触面に作用する。この分力によってフリーローラ60が自身の中心軸線回りに回転(自転)することになる。
フリーローラ60の回転は、左右のドライブディスク70の回転速度差によって定まるから、例えば、左右のドライブディスク70を互いに同一速度で逆向きに回転させると、主輪30は全く公転せず、フリーローラ60の自転だけが生じる。これにより、主輪30には左右方向の走行力が加わることになり、倒立振子型車両は、左右方向に走行(真横移動)する。左右のドライブディスク70を同一方向に相違した速度で回転させると、主輪30の公転と共にフリーローラ60の自転が生じ、倒立振子型車両は斜め前方あるいは斜め後方に走行する。
電動モータ96によって尾輪94が回転駆動されると、倒立振子型車両は主輪30の接地点を中心として旋回する。なお、主輪30及び尾輪94が同時に回転駆動されると、その回転駆動の状態に応じて、旋回中心は変化する。
つぎに、主輪30の詳細を、図2〜図13を参照して説明する。主輪30は、図2、図3に示されているように、芯体32を有する。芯体32は、図4(A)に示されている半円形の2個の分割部材34の組み合わせによって図4(B)に示されているような所定輪径による円環状をなしている。詳細には、芯体32は、2個の分割部材34の端部同士の突き合わせによって端面35同士が互いに対向して接合することにより2個の継ぎ目A(図2参照)を形成し、各継ぎ目Aにおいて分割部材34同士が接合されることによって連続した円環状をなしている。継ぎ目Aにおける分割部材34の接合は後述するインナースリーブ36によって行われる。
芯体32には複数のインナースリーブ36が嵌装されている。インナースリーブ36は、図5〜図7に示されているように、芯体32の曲率と同じ曲率による円弧軸線による中空部38と、中空部38の接線方向に延在する軸線を中心軸線とする外周面による円筒部40と、円筒部40の軸線方向の両側に且つ互いに180度反転した周方向位置に設けられた半円筒部42および43とを有する。中空部38は、円筒部40および半円筒部42、43を同一曲率をもって連続して貫通している。芯体32は外周面が中空部38の内周面に密に嵌合する状態で中空部38を貫通している。
一方の半円筒部43は円筒部40と同一の外径であるのに対して、他方の半円筒部42は円筒部40より大きい外径を有しており、半円筒部42と円筒部40との間に段差端面部(肩部)41が形成されている。円筒部40の外周にはアウタレース62Aにゴム製のフリーローラ60を加硫接着されたボールベアリング62のインナレース62Bが、円筒部40に取り付けられたスナップリング64と段差端面部41とに挟まれて固定されている。
芯体32に対するインナースリーブ36の装着は、既にフリーローラ60を装着されているインナースリーブ36を、図4(A)に示されているように、分割部材34が円環状に組み合わせられていない2個の半円状の分割部材34の各々に、分割部材34の端部より所定個数挿入することにより行われる。
インナースリーブ36は、各々、芯体32の円環方向に隣接するインナースリーブ36の半円筒部42と43とが互いに180度異なった周方向位置にある状態で、中空部38に芯体32を通されることにより、隣接する半円筒部42と43とが互いに補完し合って外径違いの略円筒状をなし、図2に示されているように、芯体32の周方向の全体に実質的に隙間なく配置される。
半円筒部42および43にはリベット孔44が貫通形成されていると共に、芯体32には各インナースリーブ36のリベット孔44に整合するリベット孔46が貫通形成されている。リベット孔44および46には、図8に示されているように、インナースリーブ36の外側からブラインドリベット48が挿入される。ブラインドリベット48は、先端が芯体32の中空部内において膨径変形することによって芯体32に係止され、各インナースリーブ36を芯体32に固定する。
リベット孔44および46は芯体32の中心軸線方向に延在している。このことにより、ブラインドリベット48の打ち込みが芯体32の中心軸線方向側からフリーローラ60と干渉することなく行われる。
半円筒部42および43にはもう一つのリベット孔50が貫通形成されていると共に、芯体32には継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36のリベット孔50に整合するリベット孔52が貫通形成されている。インナースリーブ36のうち、継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36は、継ぎ目Aを芯体32の円環方向を跨って延在している。換言すると、フリーローラ60毎の複数のインナースリーブ36は、継ぎ目Aを跨って延在して継ぎ目Aの両側を芯体32に固定されるものを2個含んでいる。
リベット孔50および52には、図8に示されているように、インナースリーブ36の外側からブラインドリベット54が挿入される。ブラインドリベット54は、先端が芯体32の中空部内において膨径変形することによって芯体32に係止される。これにより、継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36はブラインドリベット48に加えてブラインドリベット54によって継ぎ目Aの両側に固定される。つまり、継ぎ目Aに位置するインナースリーブ36は、円筒部40の一方の側の半円筒部42あるいは43を、継ぎ目Aを隔てて突き合わせられている2個の分割部材34のうちの一方の分割部材34に固定され、円筒部40の他方の側の半円筒部42あるいは43を他方の分割部材34に固定され、継手を兼ねるようにして2個の分割部材34を接合している。
リベット孔50および52はリベット孔44および46より芯体32の輪外側に形成されていることにより、ブラインドリベット54の打ち込みも芯体32の輪外側からフリーローラ60と干渉することなく行われる。
半円筒部42の円周方向の互いに異なる位置には各々インナースリーブ36の軸線方向に長い長円形状の係止孔(凹部)56が形成されている。
芯体32の円環方向に隣り合うフリーローラ60間には、図2に示されているように、スペーサ66が配置されている。スペーサ66は当該スペーサ66に係止された板ばね68(図8参照)によって後述する要領でインナースリーブ36に固定される。
板ばね68は、ステンレス鋼板等のばね性を有する金属板によるプレス成形品であり、図8に示されているように、芯体32の軸線方向と平行な方向に直線状に延在する中間部68Aと、中間部68Aの両端に互いに同じ方向(芯体32の円環内方)に略90度折曲形成された左右一対の脚片部68Bとを有する門形(ステープル形)をしている。脚片部68Bの先端は内向きのフック形状部68Cになっている。
スペーサ66は、ABS樹脂等による板状の樹脂成形品であり、図2に示されているように、芯体32の円環方向に隣り合うフリーローラ60間にできる、芯体32の軸線方向で見て楔形状の空間、特に芯体32の輪外側の空間を埋めるように、芯体32の軸線方向で見た形状、つまり側面形状が楔形をしている。
スペーサ66は、図8〜図13に示されているように、芯体32の円環外方に位置する中央部66Aと、中央部66Aの左右両端より同方向に延在する左右一対の脚片部66Bとを有し、正面形状がインナースリーブ36の半円筒部42および43を左右方向(芯体32の軸線方向と平行な方向)に跨ぐ門形(ステープル形)をしている。中央部66Aの内側は略1/2ずつ半円筒部42の外周面42Aに係合する円弧面66Cおよび半円筒部43の外周面43Aに係合する円弧面66Dになっている。
中央部66Aには、板ばね68の板厚に略等しいスリット幅をもって左右方向に直線状に延在して当該中央部66Aの一方の面(芯体32の円環方向に向く一方の面)に開口し、且つ奥側が閉じられた有底のスリット状凹部66Eが形成されている。スリット状凹部66Eには開口側から板ばね68の中間部68Aが挿入される。これにより、板ばね68は、スリット状凹部66Eに対する芯体32の円環方向に向く方向の差し込みだけで、作業性よく中間部68Aをスペーサ66に係止される。
スリット状凹部66Eの左右両側には板ばね68の脚片部68Bが係合する脚係合凹部66Fが連続している。脚係合凹部66Fは、スリット状凹部66Eと同様の有底の凹溝であり、脚片部68Bの内側面と対応する側は脚片部68Bが接合するが、脚片部68Bの外側面と対応する側は脚片部68Bの拡開方向の弾性変形を許すべく左右外側に拡張されている。中央部66Aが脚係合凹部66Fの終端に対応する位置には、脚片部68Bに当接して中間部68Aがスリット状凹部66Eより抜け出すことを阻止する抜け阻止突起部66G(図9、図12参照)が形成されている。
中央部66Aには、スリット状凹部66Eの開口側の手前、つまり中央部66Aの前記一方の面側に先細のテーパ形状部66Hが形成されている(図11参照)。テーパ形状部66Hは、スリット状凹部66Eに対する中間部68Aの嵌挿を案内し、スペーサ66に対する板ばね68の装着作業を容易にする。
この嵌挿は、脚片部68Bが抜け阻止突起部66Gを乗り越えて脚片部68Bが抜け阻止突起部66Gに当接するまで行われることにより、一旦正規の嵌挿位置までスリット状凹部66Eに対する中間部68Aの嵌挿が行われると、中間部68Aがスリット状凹部66Eより抜け出すことがない。これにより、スペーサ66に対する板ばね68の装着作業が容易に行われても、板ばね68がスペーサ66より容易に離脱することがない。
各脚片部68Bの内側面には係止凹部66Jが形成されている。係止凹部66Jは、インナースリーブ36の中心軸線周りに互いに180度回転変位した位置の外周に各々突出して突起部をなすブラインドリベット48の頭部48A(図8参照)に嵌合している。この嵌合により、スペーサ66が芯体32の円環方向に倒れることが防止され、スペーサ66が芯体32の円環中心に対して放射状に延在する正規の姿勢を保つ。
中央部66Aには前記一方の面とは反対の他方の面(芯体32の円環方向に向く前記一方の面とは反対の方の面からスリット状凹部66Eの底部に連通する工具挿入用開口66K(図11参照)が形成されている。
スペーサ66には、外側から芯体32(車輪)の半径方向と同方向に延在して脚片部68Bの先端と係止孔56との係合部に向けて開口した開口部66Lおよび外側から芯体32(車輪)の軸線方向(左右方向)と同方向に延在して脚片部68Bの先端と係止孔56との係合部に向けて開口した開口部66Mが形成されている。
スペーサ66は、芯体32の円環外方から円環内方に向けて、隣り合うフリーローラ60間の空隙に対する差し込みにより、板ばね68の左右一対のフック形状部68Cが、インナースリーブ36の円周方向の互いに異なる位置に形成されている2個の係止孔56の各々に、脚片部68Bの拡脚方向の弾性変形によって弾発的に嵌合することにより、インナースリーブ36に固定される。なお、一つの板ばね68の一方のフック形状部68Cは隣接するインナースリーブ36のうちの一方のインナースリーブ36の半円筒部42の係止孔56に嵌合し、他方のフック形状部68Cは隣接するインナースリーブ36のうちの他方のインナースリーブ36の半円筒部43の係止孔56に嵌合する。これらの嵌合は、脚片部68Bの弾性変形のもとに、工具を必要とすることなく弾圧的に行われる。これにより、インナースリーブ36に対するスペーサ66の取り付けが、工具を必要とすることなくワンタッチで、作業性よく行われる。
インナースリーブ36に対するスペーサ66の取り付けは、芯体32の円環外方から芯体32の円環内方に向けて、隣り合うフリーローラ60間の空隙に差し込むことにより行われるのに対して、スペーサ66に対する板ばね68の取り付けは、芯体32の円環方向に向く方向の差し込みによって行われので、この両取り付けが干渉し合うことがない。このため、インナースリーブ36に対するスペーサ66の取付時に、板ばね68がスペーサ66より離脱するような不具合が生じることがない。
このようにしてインナースリーブ36に装着されたスペーサ66は、隣り合うフリーローラ60間の空隙に異物が侵入することを防止する。これにより、フリーローラ60の回転が異物の噛み込みによって阻害されることが防止される。
スペーサ66の組み付け後に、開口部66L、66Mの各々によって、フック形状部68Cが係止孔56に正しく嵌合しているかを互いに異なる方向より確認することができる。開口部66L、66Mはスペーサ66の内側に侵入した雨水を速やか排水する排水路としても作用する。また、開口部66L、66Mは、肉抜きとして、スペーサ66の軽量化、材料量削減にも寄与する。
本発明による車輪の他の実施形態を、図12を参照して説明する。なお、図14において、図8に対応する部分は、図8に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施形態では、脚片部68Bの先端が内側に半円形に曲げられたカール加工された内向きのカール形状部68Dになっている。スペーサ66は、板ばね68のカール形状部68Dが係止孔56に嵌合することにより、インナースリーブ36に固定される。
また、この実施形態では、抜け阻止突起部66Gが省略されており、工具挿入用開口66Kに挿入されるマイナスドライバ等の工具によって板ばね68の中間部68Aをスリット状凹部66Eより抜き出すことが可能になっている。板ばね68の取り外しによってスペーサ66をインナースリーブ36より取り外すことができる。これにより、スペーサ66の交換が容易に行われるようになり、主輪30のメンテナンス性が向上する。
その他のことは前述の実施形態と同等であり、前述の実施形態と同等の作用効果が得られる。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。スペーサ66はアルミニウム等による軽金属の鋳造品によって構成されていてもよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 車体フレーム
18 サドル
20 フットステップ
22 支持軸
30 主輪(車輪)
32 芯体
36 インナースリーブ
38 中空部
40 円筒部
42 半円筒部
48 ブラインドリベット
48A 頭部
56 係止孔
60 フリーローラ
66 スペーサ
66A 中央部
66B 脚片部
66C 円弧面
66D 円弧面
66E スリット状凹部
66F 脚係合凹部
66G 抜け阻止突起部
66H テーパ形状部
66J 凹部
66K 工具挿入用開口
66L 開口部
66M 開口部
68 板ばね
68A 中間部
68B 脚片部
68C フック形状部
68D カール形状部
70 ドライブディスク
78 ドライブローラ
80 ドリブンプーリ
82 ギヤボックス
84 電動モータ
86 ドライブプーリ
88 コグドベルト
92 尾輪支持アーム
94 尾輪
96 電動モータ
98 電気ボックス

Claims (8)

  1. 円環状をなす芯体と、
    前記芯体の外周に嵌装された複数のインナースリーブと、
    前記インナースリーブの外周に回転可能に取り付けられたフリーローラと、
    前記芯体の円環方向に隣り合う前記フリーローラ間の空間に配置されて係止部材によって前記インナースリーブに係止されたスペーサとを有し、
    前記係止部材は、前記芯体の軸線方向と平行な方向に延在して前記スペーサに係止される中間部と、前記中間部の両端から互いに同方向に延在し先端が前記インナースリーブの周方向に互いに異なる位置に形成された2個の凹部に各々弾発的に係合する一対の脚片部とを有する板ばねを含んでいる車輪。
  2. 前記スペーサは、板状をしていて、前記芯体の円環方向に向く一方の面に開口した凹部を有し、当該凹部に開口側から前記中間部を挿入されることにより当該中間部を係止する請求項1に記載の車輪。
  3. 前記スペーサは前記凹部の開口側に当該凹部に対する前記中間部の挿入を案内するテーパ形状部を有する請求項2に記載の車輪。
  4. 前記スペーサは前記一方の面とは反対の他方の面から前記凹部の底部に連通する工具挿入用開口を有する請求項3に記載の車輪。
  5. 前記スペーサは前記脚片部に当接して前記中間部が前記凹部から抜け出す方向に移動することを阻止する突起部を有する請求項2から4の何れか一項に記載の車輪。
  6. 前記スペーサは、前記芯体の円環外方に位置する中央部と、前記中央部の両端より同方向に延在する一対の脚片部とを有し、前記インナースリーブを前記芯体の軸線方向と平行な方向に跨ぐ門形をしており、
    前記脚片部には前記インナースリーブの外周に設けられた突起部が嵌合する係止凹部が形成されている請求項1から5の何れか一項に記載の車輪。
  7. 前記スペーサは、外側から車輪の半径方向と同方向に延在して前記脚片部の先端と前記凹部との係合部に向けて開口した開口部を有する請求項1から6の何れか一項に記載の車輪。
  8. 前記スペーサは、外側から車輪の軸線方向と同方向に延在して前記脚片部の先端と前記凹部との係合部に向けて開口した開口部を有する請求項1から7の何れか一項に記載の車輪。
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