JP2017137903A - 車両のシフト切替制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両停車直後の車体の揺れの抑制およびP抜きショックの抑制を図ることができるシフト切替制御装置を提供する。【解決手段】車両が走行状態から停車状態となった際、所定時間Taの経過前にPスイッチのON操作が行われた場合には、停車時車両減速Gを読み込み、この停車時車両減速Gに基づき車体揺り返し極大時間を算出する。この車体揺り返し極大時間は停車時車両減速Gが大きいほど長い時間として算出される。車体揺り返し極大時間に基づきクラッチ解放ショック目標時間を算出する。このクラッチ解放ショック目標時間に基づきクラッチ解放速度を設定する。このクラッチ解放速度は、クラッチ解放ショック目標時間が短いほど高い値として算出される。このクラッチ解放速度でクラッチ解放動作を行うことにより、車両の停車に起因する車体前後方向の揺れを打ち消すことができ車体の揺れを抑制できる。【選択図】図6

Description

本発明は、自動変速機のシフトレンジを切り替えるように作動するシフト切替装置に適用されるシフト切替制御装置に係る。
従来、シフトレバー等のシフト操作装置の操作状態に応じた操作信号に基づいて自動変速機のシフトレンジを切り替えるように電気的に作動するシフト切替装置が知られている。特許文献1には、シフトバイワイヤ(SBW)と称されるシフト切替装置が開示されている。
ところで、自動変速機が、R(リバース)レンジまたはD(ドライブ)レンジ(以下、これらシフトレンジを動力伝達レンジという場合もある)にあって、フットブレーキがオンされた車両停車状態では、エンジンからの動力(例えばアイドリング運転しているエンジンからの動力)が駆動輪に向けて伝達されていると共に駆動輪が停止状態に保持されている。この状態では、自動変速機から駆動輪に亘る動力伝達経路に捩り変形が生じている。
そして、シフト操作装置のP(パーキング)操作に伴って自動変速機がパーキングレンジに切り替えられる際、前記捩り変形が解除される前(動力伝達レンジで係合していた摩擦係合要素が解放される前)に、シフト切替装置に備えられたパーキング機構のパーキングギヤとパーキングロックポールとが噛み合わされると、パーキングギヤと駆動輪との間のドライブラインに捩れトルクが残留したまま(以下、このトルクを残留捩れトルクという)パーキングロック状態とされる場合がある。この場合、次回のシフト操作装置の操作(パーキング以外への操作)に伴ってパーキングロック状態が解除された際には、前記ドライブラインの捩れが一気に解放されて(残留捩れトルクが急に解放されて)、車体にショック(以下、P抜きショックと呼ぶ)が発生する可能性がある。
この点に鑑み、特許文献1では、シフト操作装置がパーキング操作された際、前記捩れトルクが解放された後にパーキング機構がパーキングロック状態となるようにすることを目的として、パーキング機構のパーキングロック動作の開始を遅延させるようにしている。以下、この動作をパーキングロック遅延動作という。
特開2011−122670号公報
しかしながら、車両が坂路で停車している場合、パーキング機構が未だパーキングロック状態になっていない状況でフットブレーキのオン操作(ブレーキ踏み込み操作)が解除されると、坂路を下る方向に車両が動き出してパーキングギヤが回転することになる。この場合、その後にパーキング機構のパーキングロック動作が開始されても、パーキングロックポールをパーキングギヤに噛み合せることができない虞がある。このため、車両が坂路で停車した場合には、前記パーキングロック遅延動作を実施することができなくなる。
また、車両が停車した路面が坂路(所定角度以上の坂路)であるか否かを判定するためには所定時間を要する。例えば、車両の停車直後は、車体の揺れ(揺動)に起因して車体前後Gが変動しているため、Gセンサを利用して路面が坂路(所定角度以上の坂路)であるか否かを判定しようとしても正確な判定ができないことから、この車体前後Gの変動が無くなった後に、この判定を行うことになる。このため、この判定には所定時間を要する。そして、この所定時間が経過する前に(坂路であるか否かが判定される前に)、シフト操作装置のパーキング操作が行われた際にあっては、坂路(所定角度以上の坂路)である可能性があることを考慮すると、この場合にも前記パーキングロック遅延動作を実施することができない。
このようにパーキングロック遅延動作が実施できない状況では、前述した残留捩れトルクが生じることとなり、P抜きショックが発生する可能性がある。
パーキングロック遅延動作が実施できない状況であっても前記残留捩れトルクを低減可能とする手段として、シフト操作装置のパーキング操作が行われたことに伴って、動力伝達レンジで係合していた摩擦係合要素を解放させる際に、その解放速度を高めることが考えられる。これにより、ドライブラインの捩れトルクを早期に解放し(パーキング機構がパーキングロック状態となるまでに捩れトルクを解放し)、パーキング機構がパーキングロック状態となった時点におけるドライブラインの残留捩れトルクを低減させることができる。
しかしながら、このように摩擦係合要素の解放速度を高めた場合には、この摩擦係合要素の解放に伴って車体にショック(以下、クラッチ解放ショックと呼ぶ)が発生し、乗員に違和感を与えてしまう場合がある。
このようにクラッチ解放ショックは乗員に違和感を与えてしまうものであるが、これまで、このクラッチ解放ショックを有効利用することに関する技術については提案されていない。本発明の発明者は、このクラッチ解放ショックの発生タイミングを制御することで車両停車直後の車体の揺れを抑制することについて考察した。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両停車直後の車体の揺れの抑制およびP抜きショックの抑制を図ることができるシフト切替制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車両に搭載された自動変速機のシフトレンジを、シフト操作装置の操作状態に応じた操作信号に基づいて前記自動変速機の摩擦係合要素の係合状態を切り替えることで成立させるシフト切替装置に適用されるシフト切替制御装置を前提とする。また、前記シフト切替装置は、前記シフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態とされた際には、前記摩擦係合要素を係合させて前記シフトレンジを動力伝達レンジにすると共にパーキング機構をパーキングアンロック状態にし、前記シフト操作装置の操作状態がパーキング操作状態とされた際には、前記摩擦係合要素を解放させて前記シフトレンジをパーキングレンジにすると共に前記パーキング機構をパーキングロック状態にする構成となっている。そして、前記車両が停車した際、その停車前の所定期間における車両減速度を算出する減速度算出部と、前記車両減速度に応じて車体前後方向の揺れが極大となるタイミングを算出する車体揺れ極大タイミング算出部と、前記車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中に前記シフト操作装置の操作状態が前記動力伝達操作状態から前記パーキング操作状態とされて前記摩擦係合要素を解放する場合、この摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生期間が、前記車体揺れ極大タイミング算出部で算出された前記タイミングに重なり、且つ前記摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生方向が、前記車体揺れ極大タイミング算出部で算出された前記タイミングでの車体前後方向の揺れの方向とは逆方向となるように、前記摩擦係合要素の解放制御を行う解放制御部とを備えさせている。
この特定事項により、車両が停車した際、減速度算出部が、その停車前の所定期間における車両減速度を算出する。また、車体揺れ極大タイミング算出部が、前記車両減速度に応じて車体前後方向の揺れが極大となるタイミングを算出する。そして、車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中にシフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態からパーキング操作状態とされて摩擦係合要素を解放する場合、解放制御部は、摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生期間が、車体揺れ極大タイミング算出部で算出されたタイミングに重なり、且つ摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生方向が、車体揺れ極大タイミング算出部で算出された前記タイミングでの車体前後方向の揺れの方向とは逆方向となるように、摩擦係合要素の解放制御を行う。
つまり、摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れ(前記クラッチ解放ショック)が、車両が停車した際の車体前後方向の揺れを打ち消すように作用することになる。また、摩擦係合要素の解放が早期に行われることで、ドライブラインの捩れトルクが早期に解放され、パーキング機構がパーキングロック状態となった時点におけるドライブラインの残留捩れトルクを低減させることができて、P抜きショックの抑制を図ることができる。これにより、車両停車直後の車体の揺れの抑制およびP抜きショックの抑制を図ることができる。
本発明では、車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中にシフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態からパーキング操作状態とされて摩擦係合要素を解放する場合、この摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れが、車両が停車したことに起因する車体前後方向の揺れを打ち消すように摩擦係合要素の解放制御を行うようにしている。これにより、車両停車直後の車体の揺れの抑制およびP抜きショックの抑制を図ることができる。
実施形態に係る車両の概略構成図である。 自動変速機のスケルトン図である。 自動変速機の係合表である。 シフトレンジ切替機構の構成を示す斜視図である。 シフト切替装置によるパーキングロック状態を示す図である。 クラッチ解放制御の手順を示すフローチャート図である。 車体揺り返し極大時間算出マップの一例を示す図である。 クラッチ解放速度算出マップの一例を示す図である。 車速、パーキング操作信号、車体前後G、クラッチ油圧、クラッチ解放ショックの変化の一例を示すタイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る車両の概略構成図である。この車両は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両であって、走行用動力源であるエンジン(内燃機関)1、トルクコンバータ2、自動変速機3、自動変速機3のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤ方式のシフト切替装置5、差動歯車装置6、および、ECU100等が搭載されている。
エンジン1の出力軸であるクランクシャフト(図示せず)はトルクコンバータ2に連結されており、エンジン1からの動力が、トルクコンバータ2から自動変速機3等を介して差動歯車装置6に伝達され、左右の駆動輪7,7へ分配されるようになっている。
−エンジン−
エンジン1は、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1に吸入される吸入空気量は電子制御式のスロットルバルブ11により調整される。スロットルバルブ11は、スロットルモータ12によって作動され、ECU100によって開度が制御される。また、その開度はスロットル開度センサ101によって検出される。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、図2(自動変速機のスケルトン図)に示すように、ポンプインペラ21、タービンランナ22、ステータ23、ワンウェイクラッチ24を備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。このトルクコンバータ2にはロックアップクラッチ25が設けられている。
−自動変速機−
自動変速機3は、図2に示すように、フロントプラネタリ33、リアプラネタリ34、複数のクラッチC1,C2、複数のブレーキB1〜B3、ワンウェイクラッチF1等を備えており、前進6段、後進1段のギヤ段が成立可能になっている。
なお、自動変速機3およびトルクコンバータ2は中心線に対して対称に構成されているので、図2では中心線の下半分を省略している。符号35は、差動歯車装置6のドリブンギヤ6a(図1を参照)に噛み合わされるドライブギヤである。符号36は自動変速機3のケースである。
フロントプラネタリ33は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構で構成されており、サンギヤS1、リングギヤR1、ピニオンギヤP1、キャリアCA1等を備えている。リアプラネタリ34は、ラビニオタイプの遊星歯車機構で構成されており、小径のサンギヤS2、大径のサンギヤS3、リングギヤR2、複数個のショートピニオンギヤPS、複数個のロングピニオンギヤPL、キャリアCA2等を備えている。これらフロントプラネタリ33およびリアプラネタリ34の構成は公知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3は、何れも油圧によって係合または解放される摩擦係合要素である。具体的に、これらクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3は、図示しないピストン、複数の摩擦係合プレート、作動油が供給される油圧サーボを備えた多板摩擦式油圧クラッチまたは多板摩擦式油圧ブレーキで構成されている。
そして、自動変速機3は、油圧制御回路4(図1を参照)を備えており、後述するシフトレバー531の操作位置(変速ポジション)、車速、アクセル開度等に応じて前記ECU100から出力される制御油圧信号に従って、この油圧制御回路4に備えられたマニュアルバルブ410(図4を参照)や図示しないリニアソレノイドバルブ等の各種バルブが制御され、この制御油圧信号に応じて調圧された作動油が、クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3の油圧サーボに対して供給またはドレンされる。これにより、各クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3が、所定の状態に係合または解放され、フロントプラネタリ33およびリアプラネタリ34それぞれの動力伝達経路を選択することにより、自動変速機3に適宜のギヤ段(1速〜6速の前進ギヤ段または後進ギヤ段)を成立させるようになっている。なお、油圧制御回路4に備えられた前記リニアソレノイドバルブの電流制御を行うことによって、クラッチC1,C2、ブレーキB1〜B3の各油圧サーボに対して供給される油圧およびドレンされる油圧それぞれの変化開始タイミング(作動油の供給を開始するタイミングおよび作動油のドレンを開始するタイミング)並びにその変化速度(油圧の変化速度)が調整可能となっている。
図3は、自動変速機3の各ギヤ段を成立させるためのクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3等の係合状態を表す係合表であり、「○」は係合を、「×」は解放を、「△」は駆動時のみ係合をそれぞれ表している。
図2に示すように、自動変速機3の入力軸31の回転数(タービン回転数)は入力軸回転数センサ102によって検出される。また、自動変速機3の出力軸32の回転数は出力軸回転数センサ103によって検出される。これら入力軸回転数センサ102および出力軸回転数センサ103の各出力信号から得られる回転数の比(出力軸回転数/入力軸回転数)に基づいて、自動変速機3の現在ギヤ段を判定することができる。
−シフト切替装置−
次に、シフト切替装置5について図1および図4を参照して説明する。
シフト切替装置5は、自動変速機3のシフトレンジを切り替える装置であって、シフトレンジ切替機構500、このシフトレンジ切替機構500を駆動するモータ501、モータ501のロータの回転角を検出するエンコーダ503、および、NSW(ニュートラルスタートスイッチ)504、Pスイッチ520、および、シフトスイッチ530等を備えている。シフト切替装置5は、電気制御により自動変速機3のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤ装置として機能する。
Pスイッチ520は、シフトレンジをパーキング以外のシフトレンジ(非Pレンジ)からパーキングレンジ(Pレンジ)へ切り替えるためのスイッチであって、図示はしないが、スイッチの状態をユーザ(運転者)に示すためのインジケータ、および、ユーザからの指示を受け付ける入力部等を備えており、ユーザによる入力部の操作(ON操作;押し込み操作)により、シフトレンジをPレンジに入れる指示を入力することができる。Pスイッチ520の入力部の操作による指示(Pレンジに入れる指示;操作信号(以下、パーキング操作信号という場合もある))はECU100に入力される。なお、Pスイッチ520の入力部としては、例えばプッシュスイッチ等を挙げることができる。
シフトスイッチ530は、ユーザによって操作されるスイッチであって、シフトレバー531が変位操作可能に設けられている。また、このシフトスイッチ530には、リバースポジション、ニュートラルポジション、および、ドライブポジションが設定されており、ユーザが所望の変速ポジションへシフトレバー531を変位(操作)させることが可能となっている。これら変速ポジションがユーザによって選択(操作)されると、その要求レンジ情報(操作信号)がECU100に入力される。前記Pスイッチ520および前記シフトレバー531によって本発明でいうシフト操作装置が構成されている。
NSW504は、後述するディテントプレート506の回動位置、つまり、マニュアルバルブ410が、Pレンジ、Rレンジ、NレンジまたはDレンジの何れの位置にあるのかを検出する。NSW504の出力信号はECU100に入力される。
シフトレンジ切替機構500は、自動変速機3のシフトレンジをPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジに切り替える機構である。このシフトレンジ切替機構500の駆動源となるモータ501は、例えばスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)等の同期モータであって、減速機構502が設けられている。また、モータ501には、ロータの回転角を検出するエンコーダ503が設けられている。エンコーダ503は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されており、モータ501のロータの回転に同期してパルス信号をECU100に出力する。
シフトレンジ切替機構500のモータ501の出力軸(減速機構502の回転軸)にはマニュアルシャフト505が連結されている。マニュアルシャフト505には、油圧制御回路4のマニュアルバルブ410を切り替えるためのディテントプレート506が固定されている。
ディテントプレート506には、マニュアルバルブ410のスプール弁410aが連結されており、モータ501によってマニュアルシャフト505と一体にディテントプレート506を回動させることで、マニュアルバルブ410の操作量(スプール弁410aの位置)を切り替えて自動変速機3のシフトレンジを、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの何れかに切り替える。
ディテントプレート506の上部には、マニュアルバルブ410のスプール弁410aを、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの各レンジに対応する位置に保持するための4個の凹部506aが形成されている。
ディテントプレート506の上方にはディテントスプリング(板ばね)507が配置されている。ディテントスプリング507はマニュアルバルブ410に片持ち支持で固定されている。ディテントスプリング507の先端部にはローラ508が取り付けられている。ローラ508はディテントスプリング507の弾性力によってディテントプレート506に押圧されている。そして、ローラ508がディテントプレート506の目標レンジの凹部506aに嵌まり込むことで、ディテントプレート506が目標レンジの回動位置で保持されて、マニュアルバルブ410のスプール弁410aの位置が目標レンジの位置で保持されるようになっている。
一方、ディテントプレート506にはパーキングロッド509を介してパーキング機構540が連結されている。このパーキング機構540は、自動変速機3の出力軸32に回転一体に設けられたパーキングギヤ513およびこのパーキングギヤ513に噛み合い可能なパーキングロックポール511を備えている。前記パーキングロッド509の先端部には円錐台形状のカム510が設けられており、このカム510の外周面(カム面)にパーキングロックポール511が当接している。パーキングロックポール511はカム510の位置に応じて回動軸512を中心にして上下動し、その上下動によってパーキングロックポール511のロック爪511aがパーキングギヤ513に係合し、または、パーキングギヤ513からロック爪511aが外れることにより、パーキングギヤ513の回転をロック/ロック解除(アンロック)するように構成されている。
以上のシフトレンジ切替機構500において、Pレンジでは、図5に示すように、パーキングロッド509が図中の右方向に移動して、カム510の大径部分がパーキングロックポール511を押し上げてパーキングロックポール511のロック爪511aがパーキングギヤ513に係合してパーキングギヤ513をロックした状態となる。これによって自動変速機3の出力軸32および駆動輪7がロックされた状態(パーキングロック状態)に保持される。
一方、Pレンジ以外のシフトレンジでは、パーキングロッド509が図中の左方向に移動し、この移動に伴って、パーキングロックポール511に対するカム510の接触部分が大径部分から小径部分に移動してパーキングロックポール511が下降する。これによってパーキングロックポール511のロック爪511aがパーキングギヤ513から外れてパーキングギヤ513のロックが解除され、自動変速機3の出力軸32および駆動輪7が回転可能な状態(パーキングアンロック状態)となる。
−ECU−
ECU100は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、および、入力・出力インターフェース等を備えている。
ECU100には、図1に示すように、スロットル開度センサ101、入力軸回転数センサ102、出力軸回転数センサ103、アクセル開度センサ104、Gセンサ105等が接続されている。各センサの出力信号、つまり、スロットルバルブ11の開度情報、自動変速機3の入力軸回転数情報、出力軸回転数情報、アクセルペダルの操作量情報、車体の前後G(加速度)情報等の信号がECU100に供給される。なお、Gセンサ105は、車両走行中の所定時間毎(例えば0.1sec毎)に車体前後方向のG(加速度)を検出している。また、ECU100には、シフト切替装置5のエンコーダ503、NSW504、Pスイッチ520、および、シフトスイッチ530等が接続されている。さらに、ECU100には、エンジン1のスロットルモータ12、自動変速機3の油圧制御回路4、および、シフト切替装置5のモータ501等が接続されている。
ECU100は、シフトレバー531の操作によって選択されたシフトレンジに対応する目標回転角(エンコーダカウント値の目標値)を設定してモータ501への通電を開始し、そのモータ501の検出回転角(エンコーダカウント値)が目標回転角と一致する位置で停止するようにモータ501をフィードバック制御(F/B制御)する。
また、ECU100は、NSW504の出力信号を読み込んで、その出力信号に基づいて現在のディテントプレート506の回動位置(マニュアルバルブ410の操作量に相当)、つまり現在のシフトレンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの何れであるのかを判定し、この判定結果と、シフトレバー531の操作によって選択されたシフトレンジ(目標レンジ)とを照合してシフトレンジの切り替えが正常に行われたか否かを判断する。
ECU100は、油圧制御回路4に制御油圧信号を出力する。この制御油圧信号に基づいて油圧制御回路4のリニアソレノイドバルブ等が制御され、所定のギヤ段(1速〜6速の前進ギヤ段または後進ギヤ段)が成立するように、自動変速機3の第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および、第3ブレーキB3が所定の状態に係合または解放される。
以上のように、シフト切替装置5は、自動変速機3のシフトレンジを、シフトレバー531の操作状態およびPスイッチ520の操作状態(本発明でいうシフト操作装置の操作状態)に応じた操作信号に基づいて自動変速機3の摩擦係合要素(クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3)の係合状態を切り替えることで成立させる構成となっている。また、このシフト切替装置5は、シフトレバー531がリバースポジションおよびドライブポジションの何れかに操作された際(本発明でいうシフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態とされた際)には、何れかの摩擦係合要素(クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3の何れか一つまたは複数)を係合させてシフトレンジを動力伝達レンジ(リバースレンジまたはドライブレンジ)にすると共にパーキング機構540をパーキングアンロック状態にし、Pスイッチ520のON操作が行われた際(本発明でいうシフト操作装置の操作状態がパーキング操作状態とされた際)には、各摩擦係合要素(クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3)を共に解放させてシフトレンジをパーキングレンジ(動力非伝達レンジ)にすると共にパーキング機構540をパーキングロック状態にするようになっている。
−クラッチ解放制御−
前述したように、従来、自動変速機が、RレンジまたはDレンジの動力伝達レンジにあって、フットブレーキがオンされた車両停車状態では、エンジンからの動力(例えばアイドリング運転しているエンジンからの動力)が駆動輪に向けて伝達されていると共に駆動輪が停止状態に保持されている。この状態では、自動変速機から駆動輪に亘る動力伝達経路に捩り変形が生じている。そして、パーキング操作(PスイッチのON操作)に伴って自動変速機がパーキングレンジに切り替えられる際、前記捩り変形が解除される前(動力伝達レンジで係合していた各種のクラッチやブレーキが解放される前)に、パーキング機構のパーキングギヤとパーキングロックポールとが噛み合わされると、パーキングギヤと駆動輪との間のドライブラインに捩れトルク(残留捩れトルク)が残留したままパーキングロック状態とされる場合がある。この場合、次回のシフト操作(パーキング以外へのシフト操作)に伴ってパーキングロック状態が解除された際には、前記ドライブラインの捩れが一気に解放されて(残留捩れトルクが急に解放されて)、車体にP抜きショックが発生する可能性がある。
前記特許文献1では、パーキング操作が行われた際、前記捩れトルクが解放された後にパーキング機構がパーキングロック状態となるようにすることを目的として、パーキング機構のパーキングロック動作の開始を遅延させるパーキングロック遅延動作を行うようにしている。
しかしながら、車両が坂路で停車している場合、パーキング機構が未だパーキングロック状態になっていない状況でフットブレーキのオン操作(ブレーキ踏み込み操作)が解除されると、坂路を下る方向に車両が動き出してパーキングギヤが回転することになる。この場合、その後にパーキング機構のパーキングロック動作が開始されても、パーキングロックポールをパーキングギヤに噛み合せることができない虞がある。このため、車両が坂路で停車した場合には、前記パーキングロック遅延動作を実施することができなくなる。
また、車両が停車した路面が坂路(所定角度以上の坂路)であるか否かを判定するためには所定時間を要する。例えば、車両の停車直後は、車体の揺れに起因して車体前後Gが変動しているため、Gセンサを利用して路面が坂路(所定角度以上の坂路)であるか否かを判定しようとしても正確な判定ができないことから、この車体前後Gの変動が無くなった後に、この判定を行うことになる。このため、この判定には所定時間を要する。そして、この所定時間が経過する前に(坂路であるか否かが判定される前に)、シフト操作装置のパーキング操作が行われた際にあっては、坂路(所定角度以上の坂路)である可能性があることを考慮すると、この場合にも前記パーキングロック遅延動作を実施することができない。
このようにパーキングロック遅延動作が実施できない状況では、前述した残留捩れトルクが生じることとなり、P抜きショックが発生する可能性がある。
パーキングロック遅延動作が実施できない状況であっても前記残留捩れトルクを低減可能とする手段として、シフト操作装置のパーキング操作が行われたことに伴って、動力伝達レンジで係合していた摩擦係合要素を解放させる際に、その解放速度を高めることが考えられる。これにより、ドライブラインの捩れトルクを早期に解放し(パーキング機構がパーキングロック状態となるまでに捩れトルクを解放し)、パーキング機構がパーキングロック状態となった時点におけるドライブラインの残留捩れトルクを低減することができる。
しかしながら、このように摩擦係合要素の解放速度を高めた場合には、この摩擦係合要素の解放に伴って車体にショック(クラッチ解放ショック)が発生し、乗員に違和感を与えてしまう場合がある。
このようにクラッチ解放ショックは乗員に違和感を与えてしまうものであるが、これまで、このクラッチ解放ショックを有効利用することに関する技術については提案されていない。
本実施形態は、以上の点に鑑み、クラッチ解放ショックの発生タイミングを制御することで車両停車直後の車体の揺れ(揺動)の抑制を図ることができるようにしている。以下、具体的に説明する。
本実施形態にあっては、車両が停車した際(走行状態から停車した際)、その停車前の所定期間における車両減速度を算出する。例えば、車両が停車した際、その停車直前の0.5sec間における車両減速度の平均値(例えば0.1sec毎に前記Gセンサ105からの出力信号に基づいて算出した車両減速度の平均値)を算出する。
また、前記車両減速度に応じて車体前後方向の揺れが極大となるタイミングを算出する。つまり、車両の停車直後は、車体が前後方向に揺れているが、その揺れの方向が切り替わるタイミング(車体前後方向の揺れが極大となるタイミング)を算出する。本実施形態では、車両の停車直後において、車体が後側へ揺れる状態(前側にGが発生している状態)から前側へ揺れる状態(後側にGが発生している状態)に切り替わるタイミングを算出するようにしている。より具体的には、車両の停車後に車体が周期的に前後に揺れている(揺り返しを生じている)状況において、車両停車直後にパーキング操作(PスイッチのON操作)が行われた場合に、この車両停車直後に最初に車体が後側へ揺れる状態から前側へ揺れる状態に切り替わるタイミングを算出するようにしている。
そして、車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中にシフト操作装置(シフトレバー531およびPスイッチ520)の操作状態が動力伝達操作状態(シフトレバー531がリバースポジションおよびドライブポジションの何れかに操作されている状態)からパーキング操作状態(Pスイッチ520のON操作によるパーキング操作状態)とされて摩擦係合要素を解放する場合(クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B3のうち係合状態となっている摩擦係合要素を解放する場合)、この摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れ(前記クラッチ解放ショック)の発生期間が、前記タイミング(車体前後方向の揺れが極大となるタイミング)に重なり、且つ前記クラッチ解放ショックの発生方向(車体前後方向の揺れの発生方向)が、前記タイミング(車体前後方向の揺れが極大となるタイミング)での車体前後方向の揺れの方向とは逆方向となるように、前記摩擦係合要素の解放制御を行うようにしている。この制御をクラッチ解放制御(クラッチの解放を制御する場合だけでなく、ブレーキの解放を制御する場合も含む)という。
これらの動作は、前記ECU100によって実行される。
このため、ECU100において、車両が停車した際、その停車前の所定期間における車両減速度を算出する機能部分が本発明でいう減速度算出部として構成されている。
また、ECU100において、車両減速度に応じて車体前後方向の揺れが極大となるタイミングを算出する機能部分が本発明でいう車体揺れ極大タイミング算出部として構成されている。
また、車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中にシフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態からパーキング操作状態とされて摩擦係合要素を解放する場合、この摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れ(前記クラッチ解放ショック)の発生期間が、前記タイミング(車体前後方向の揺れが極大となるタイミング)に重なり、且つ前記クラッチ解放ショックの発生方向が、前記タイミング(車体前後方向の揺れが極大となるタイミング)での車体前後方向の揺れの方向とは逆方向となるように、前記摩擦係合要素の解放制御を行う機能部分が本発明でいう解放制御部として構成されている。なお、車両が前進走行から停車した場合には、パーキング操作(PスイッチのON操作)に伴って第1クラッチC1が解放されることになるが、この場合に発生するクラッチ解放ショックは、車体が前側へ揺れるショックとして発生することになるため、前記タイミング(車体前後方向の揺れが極大となるタイミング;車体が後側へ揺れる状態から前側へ揺れる状態に切り替わるタイミング)で生じている車体の揺れの方向とは逆方向にクラッチ解放ショックが発生することになる。
以下、前述したクラッチ解放制御の手順について図6のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、エンジン1の始動後、所定時間毎に繰り返して実行される。なお、前述したパーキングロック遅延動作を実施するか否かの制御は別ルーチンで行われており、前述した如く、車両が停車した路面が坂路(所定角度以上の坂路)であるか否かの判定が完了している際には、坂路でない場合はパーキングロック遅延動作が実施され、坂路である場合はパーキングロック遅延動作は非実施とされることになる。また、坂路であるか否かが判定される前にパーキング操作が行われた場合には、パーキングロック遅延動作は非実施とされることになる。
先ず、ステップST1において、前記ECU100のRAMに格納されている停車フラグが1にセットされているか否かを判定する。この停車フラグは、車両が走行状態から停車状態になった際に1にセットされる(後述するステップST4で1にセットされる)フラグである。エンジン1の始動時点にあっては、この停車フラグは0にリセットされている。
車両の走行中等であって停車フラグが1にセットされておらず、ステップST1でNO判定された場合には、ステップST2に移り、車両が走行状態から停車状態になったか否かを判定する。この判定は、前記出力軸回転数センサ103によって検出されている自動変速機3の出力軸32の回転数の検出信号に基づいて行われる。つまり、出力軸回転数センサ103からの出力信号が、出力軸32の回転を検出する出力信号から出力軸32の停止を検出する出力信号に変化したか否かによって、車両が走行状態から停車状態になったか否かを判定する。
車両の走行状態が維持されている場合にはステップST2でNO判定され、そのままリターンされる。
一方、車両が走行状態から停車状態になり、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移り、この車両停車状態となる際における停車時車両減速Gを算出する。具体的には、停車直前の0.5sec間(出力軸回転数センサ103からの出力信号が出力軸32の停止を検出する出力信号に変化した時点から遡って0.5sec間)における車両減速度を予めモニタしておき、その期間における車両減速度の平均値(例えば0.1sec毎に前記Gセンサ105からの出力信号に基づいて算出した車両減速度の平均値)を停車時車両減速Gとして算出する。この算出された停車時車両減速Gは、ECU100のRAMに一旦記憶される。このステップST3の動作が、本発明でいう「減速度算出部による動作であって、車両が停車した際、その停車前の所定期間における車両減速度を算出する動作」に相当する。
このようにして停車時車両減速Gを算出した後、ステップST4に移り、前記停車フラグを1にセットしてステップST5に移る。
ステップST5では、前記ECU100のRAMに格納されている停車カウンタのカウントを開始する。この停車カウンタは所定時間Ta経過後にタイムアップするものであって、このタイムアップによってカウントを終了するカウンタである。この停車カウンタがタイムアップするまでの所定時間Taは、例えば、車両が停車した際に、車体前後方向に揺れが生じている(車体前後Gが変動している)期間が終了した後、前記Gセンサ105からの出力信号に基づいて、車両が停車した路面が坂路(所定角度以上の坂路)であるか否かの判定が完了するまでの期間(以下、坂路判定期間という)として、予め実験やシミュレーションに基づいて設定されている。つまり、この坂路判定期間とは、本発明でいう車体前後方向の揺れが生じている所定期間であって、車両が停車した際に、車体前後Gに基づく坂路判定が完了するまでに要する期間に相当する。なお、この坂路判定期間としては、例えば400msecに設定されている。また、この坂路判定期間は、予め規定された一定期間(固定された期間)に限らず、Gセンサ105からの出力信号が収束するまでの期間(車両減速度に応じて変動する期間)として設定されていてもよい。
前記停車カウンタのカウントを開始した後、ステップST6に移り、この停車カウンタのカウント値が所定時間Taに達したか否かを判定する。つまり、前記坂路判定期間が終了したか否かを判定する。
車両が停車した直後では、未だ坂路判定期間は終了していないため、ステップST6ではNO判定され、ステップST7に移ることになる。このステップST7では、Pスイッチ520のON操作(パーキング操作)が行われたか否かを判定する。この判定は、Pスイッチ520からの出力信号に基づいて行われる。
Pスイッチ520のON操作が行われていない場合(坂路判定期間が終了していない状況でPスイッチ520のON操作が行われていない場合)には、ステップST7でNO判定され、そのままリターンされる。
この場合、次回のルーチンでは、停車フラグが既に1にセットされているため、ステップST1でYES判定され、ステップST6に移って、停車カウンタのカウント値が所定時間Taに達したか否か(坂路判定期間が終了したか否か)を判定する。
そして、停車カウンタのカウント値が所定時間Taに達する前に(ステップST6でNO判定される状況で)Pスイッチ520のON操作が行われた場合には、ステップST7でYES判定されてステップST8に移る。このステップST8に移る状況が、本発明でいう「車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中にシフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態からパーキング操作状態とされた」状況に相当する。
ステップST8では、前記ステップST3で予め算出されていた停車時車両減速Gの情報を取り込む。
その後、ステップST9に移り、車体揺り返し極大時間を算出する。この車体揺り返し極大時間は、車両の停車直後において、この車両停車時点から、車体が後側へ揺れる状態(前側にGが発生している状態)と前側へ揺れる状態(後側にGが発生している状態)との間で車体の揺れ方向が切り替わるまでの時間である。ここでは、車両の停車直後に最初に車体が後側へ揺れる状態から前側へ揺れる状態に切り替わるタイミング(以下、このタイミングを車体揺れ極大タイミングという)までの経過時間(車両停車時点からの経過時間)を車体揺り返し極大時間として算出する。
この車体揺り返し極大時間は、前記ECU100のROMに予め記憶された車体揺り返し極大時間算出マップを参照して行われる。図7は車体揺り返し極大時間算出マップの一例を示す図である。この図7に示すように、車体揺り返し極大時間算出マップは、停車時車両減速Gと車体揺り返し極大時間との関係を表すマップであって、予め実験やシミュレーションに基づいて作成されたものである。この車体揺り返し極大時間算出マップは、停車時車両減速Gが大きいほど車体揺り返し極大時間が長い時間(車両が停車してから車体揺れ極大タイミングまでの時間が長くなる値)として抽出されるマップとなっている。例えば、停車時車両減速Gが図中のGaであった場合には、車体揺り返し極大時間は図中のT1として抽出される。また、停車時車両減速Gを変数とする所定の演算式によって車体揺り返し極大時間を算出するようにしてもよい。
このため、車両停車時点から、この車体揺り返し極大時間が経過したタイミングを前記車体揺れ極大タイミングとして求めることが可能となる。このため、この動作(車体揺れ極大タイミングを求める動作)が、本発明でいう「車体揺れ極大タイミング算出部による動作であって、車両減速度に応じて車体前後方向の揺れが極大となるタイミングを算出する動作」に相当する。
このようにして車体揺り返し極大時間を算出した後、ステップST10に移り、クラッチ解放ショック目標時間を算出する。このクラッチ解放ショック目標時間は、Pスイッチ520のON操作が行われてから車体揺れ極大タイミングまでの時間である。具体的に、このクラッチ解放ショック目標時間は、前記車体揺り返し極大時間(車両停車時点から車体揺れ極大タイミングまでの時間)に対して、車両停車時点からPスイッチ520のON操作が行われた時点までの時間を減算することによって求められる。
このようにしてクラッチ解放ショック目標時間を算出した後、ステップST11に移り、クラッチ解放速度の設定動作を行う。このクラッチ解放速度は、クラッチ解放に伴って発生するクラッチ解放ショックの発生タイミングと、前記車体揺れ極大タイミングとを一致させるための摩擦係合要素の解放速度である。つまり、前記クラッチ解放ショック目標時間の間にクラッチ解放ショックを発生させるクラッチ解放速度を算出することになる。このクラッチ解放速度の設定動作は、前記ECU100のROMに予め記憶されたクラッチ解放速度算出マップを参照して行われる。図8はクラッチ解放速度算出マップの一例を示す図である。この図8に示すように、クラッチ解放速度算出マップは、クラッチ解放ショック目標時間とクラッチ解放速度との関係を表すマップであって、予め実験やシミュレーションに基づいて作成されたものである。このクラッチ解放速度算出マップは、クラッチ解放ショック目標時間が短いほどクラッチ解放速度が高い値として抽出されるマップとなっている。例えば、クラッチ解放ショック目標時間が図中のT1−Tt(T1は車両停車時点から車体揺れ極大タイミングまでの時間、Ttは車両停車時点からPスイッチ520のON操作が行われた時点までの時間)であった場合には、クラッチ解放速度は図中のScとして抽出される。また、クラッチ解放ショック目標時間を変数とする所定の演算式によってクラッチ解放速度を算出するようにしてもよい。
このようにしてクラッチ解放速度を設定した後、ステップST12に移り、クラッチ解放動作を開始させる。つまり、車両停車時において係合状態となっていたクラッチまたはブレーキのうち何れかを前記設定されたクラッチ解放速度で解放させることにより、エンジン1からの動力が自動変速機3の出力軸32に伝達されないようにする。このクラッチ解放速度の調整は、前述したように、油圧制御回路4に備えられたリニアソレノイドバルブの電流制御を行うことによって油圧サーボからドレンされる作動油量(単位時間当たりのドレン油量)を調整して油圧の変化速度を調整することによって行われる。例えば、前進走行から車両が停車した場合には第1クラッチC1の油圧サーボからドレンされる作動油量(単位時間当たりのドレン油量)が調整されることになる。また、後退走行から車両が停車した場合には第2ブレーキB2の油圧サーボからドレンされる作動油量(単位時間当たりのドレン油量)が調整されることになる。
これらステップST6〜ステップST12の動作が、本発明でいう「解放制御部による動作であって、車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中にシフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態からパーキング操作状態とされて摩擦係合要素を解放する場合、この摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生期間が、車体揺れ極大タイミング算出部で算出されたタイミングに重なり、且つ摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生方向が、車体揺れ極大タイミング算出部で算出されたタイミングでの車体前後方向の揺れの方向とは逆方向となるように、摩擦係合要素の解放制御を行う動作」に相当する。
前記クラッチ解放動作を開始させた後、ステップST13に移り、停車フラグを0にリセットする。
なお、Pスイッチ520のON操作が行われることなく、停車カウンタのカウント値が所定時間Taに達した場合(坂路判定期間が終了したことで坂路判定が完了した場合)には、ステップST6でYES判定されてステップST14に移り、停車フラグを0にリセットする。この場合、坂路判定が完了しているので、平坦路または所定角度未満の坂路であった場合には、前述したパーキングロック遅延動作が実施されることになる。一方、所定角度以上の坂路であった場合には、前述したようにパーキングロックポール511をパーキングギヤ513に噛み合せることができない虞がある(パーキングロック遅延動作を実施した場合に噛み合せることができない虞がある)ため、パーキングロック遅延動作が非実施とされることになる。
以上のクラッチ解放制御が行われることから、前記ECU100によって(より具体的には、前述したECU100における各機能部分によって)本発明に係るシフト切替制御装置が構成されている。
図9は、本実施形態におけるクラッチ解放制御が行われた場合の車速、パーキング操作信号、車体前後G、クラッチ油圧、クラッチ解放ショックの変化の一例を示すタイミングチャート図である。
この図9においては、タイミングT1で車両が停車しており、タイミングT2で、Pスイッチ520のON操作(押し込み操作)が行われている。つまり、車両の停車直後であって車体前後方向の揺れが生じている所定期間中にPスイッチ520のON操作が行われている。
そして、このタイミングT2から所定速度でクラッチ油圧が係合油圧から解放油圧に向けて制御され、このクラッチ解放に起因するクラッチ解放ショックが極大となるタイミング(図中のタイミングT3)が、車体前後Gが極大となるタイミングT3に一致し、且つこれらの揺れの方向が互いに逆方向となっている。
以上説明したように、本実施形態によれば、摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生期間が、車体揺れ極大タイミングに重なり、且つ摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生方向が、車体揺れ極大タイミングでの車体前後方向の揺れの方向とは逆方向となるように、摩擦係合要素の解放制御を行うようにしている。これにより、摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れ(前記クラッチ解放ショック)が、車両が停車した際の車体前後方向の揺れを打ち消すように作用することになる。また、摩擦係合要素の解放が早期に行われることで、ドライブライン(パーキングギヤ513と駆動輪7との間の動力伝達経路)の捩れトルクが早期に解放され、パーキング機構540がパーキングロック状態となった時点におけるドライブラインの残留捩れトルクを低減させることができて、P抜きショックの抑制を図ることができる。これにより、車両停車直後の車体の揺れの抑制およびP抜きショックの抑制を図ることができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、クラッチ解放ショック目標時間に基づいてクラッチ解放速度を設定するものとしていた。本発明は、これに限らず、クラッチ解放ショック目標時間に基づいて、クラッチ解放開始タイミングおよびクラッチ解放速度の両方を設定するものとしてもよい。この場合、クラッチ解放ショックによる車体前後Gが極大となるタイミングと車体揺れ極大タイミングとを一致させる必要があることから、クラッチ解放開始タイミングが遅く設定されるほどクラッチ解放速度を高く設定することになる。このように、クラッチ解放速度を高く設定した場合、クラッチ解放ショックは大きくなる傾向がある(クラッチ解放ショックによる車体前後Gの極大値が大きくなる傾向がある)ため、車両停車直後の車体の揺れの抑制効果を大きく得ることが可能となる。
また、前記実施形態では、自動変速機3として有段変速機を適用していた。本発明はこれに限らず、ベルト式等の無段変速機を適用することも可能である。
また、前記実施形態では、走行用動力源としてエンジン1のみを搭載した車両に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、走行用動力源としてエンジンおよび電動モータを搭載したハイブリッド車両や、走行用動力源として電動モータのみを搭載した電気自動車に対しても適用が可能である。
また、前記実施形態では、油圧制御回路4にマニュアルバルブ410を備えた構成について説明したが、このマニュアルバルブ410を備えない構成に対しても本発明は適用が可能である。
本発明は、自動変速機のシフトレンジを切り替えるように電気的に作動するシフト切替装置の切り換え制御に適用可能である。
3 自動変速機
5 シフト切替装置
100 ECU(シフト切替制御装置)
103 出力軸回転数センサ
105 Gセンサ
520 Pスイッチ(シフト操作装置)
531 シフトレバー(シフト操作装置)
540 パーキング機構
C1,C2 クラッチ(摩擦係合要素)
B1〜B3 ブレーキ(摩擦係合要素)

Claims (1)

  1. 車両に搭載された自動変速機のシフトレンジを、シフト操作装置の操作状態に応じた操作信号に基づいて前記自動変速機の摩擦係合要素の係合状態を切り替えることで成立させるシフト切替装置に適用されるシフト切替制御装置であって、
    前記シフト切替装置は、前記シフト操作装置の操作状態が動力伝達操作状態とされた際には、前記摩擦係合要素を係合させて前記シフトレンジを動力伝達レンジにすると共にパーキング機構をパーキングアンロック状態にし、前記シフト操作装置の操作状態がパーキング操作状態とされた際には、前記摩擦係合要素を解放させて前記シフトレンジをパーキングレンジにすると共に前記パーキング機構をパーキングロック状態にするようになっており、
    前記車両が停車した際、その停車前の所定期間における車両減速度を算出する減速度算出部と、
    前記車両減速度に応じて車体前後方向の揺れが極大となるタイミングを算出する車体揺れ極大タイミング算出部と、
    前記車両が停車した際の車体前後方向の揺れが生じている所定期間中に前記シフト操作装置の操作状態が前記動力伝達操作状態から前記パーキング操作状態とされて前記摩擦係合要素を解放する場合、この摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生期間が、前記車体揺れ極大タイミング算出部で算出された前記タイミングに重なり、且つ前記摩擦係合要素の解放に起因する車体前後方向の揺れの発生方向が、前記車体揺れ極大タイミング算出部で算出された前記タイミングでの車体前後方向の揺れの方向とは逆方向となるように、前記摩擦係合要素の解放制御を行う解放制御部とを備えていることを特徴とする車両のシフト切替制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109131311A (zh) * 2018-10-09 2019-01-04 重庆长安汽车股份有限公司 混合动力汽车的怠速抖动控制方法、装置、介质、设备

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