JP2017108477A - 永久磁石形同期電動機の制御装置 - Google Patents

永久磁石形同期電動機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低速運転時でも、PMSMの速度・磁極位置を高精度に推定して安定したセンサレス制御を可能にする。【解決手段】PMSM80の電流相当値、端子電圧相当値及び速度相当値を用いて磁極の位置推定誤差演算値を求める拡張誘起電圧演算器31及び角度差演算器32と、位置推定誤差演算値から速度推定値を演算する速度推定器33と、速度推定値を積分して磁極位置推定値を演算する積分器34とを備え、速度推定器33は、位置推定誤差演算値に比例する比例項を演算するゲイン乗算器101と、位置推定誤差演算値を積分する積分器102と、その出力から積分項を演算する乗算器107と、比例項及び積分項を用いて速度推定値を演算する加算器103と、低速運転時に積分項を低減するためのゲイン演算器111,112、最大値選択器113、K1,K2演算器114,115等を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、永久磁石形同期電動機の速度及び磁極位置を演算により推定する技術に関するものである。
永久磁石形同期電動機(以下、PMSMともいう)の制御装置をコストダウンするための技術として、磁極位置検出器を用いずにPMSMを運転する、いわゆるセンサレス制御が実用化されている。センサレス制御は、電動機の端子電圧、電流の情報から回転子の速度及び磁極位置を演算し、これらに基づいて電流制御を行うことにより所望のトルク制御や速度制御を実現するものである。
例えば、非特許文献1には、回転子の磁極方向に対して直交方向に発生する拡張誘起電圧を推定すると共に、拡張誘起電圧推定値から磁極位置推定値と実際の磁極位置との誤差を演算し、この磁極位置推定誤差が零になるように比例・積分補償器及び積分器を用いて回転子の速度及び磁極位置を推定する技術が開示されている。
田中康司,三木一郎,「拡張誘起電圧を用いた埋込磁石同期電動機の位置センサレス制御」,電気学会論文誌D,Vol.125,No.9,p.833−p.838(2005年)
しかしながら、非特許文献1には、その「3.実験結果」の項目や図6,図8から明らかなように、拡張誘起電圧の推定誤差に起因して速度・磁極位置にも推定誤差が発生し、この誤差は、電動機の誘起電圧が小さくなる低速運転時ほど大きくなることが記載されている。
このように速度や磁極位置の推定精度が低い場合には、制御系が不安定になって運転不能になるおそれがあった。
そこで、本発明の解決課題は、低速運転時においても電動機の速度及び磁極位置を高精度に推定し、安定したセンサレス制御を可能にした永久磁石形同期電動機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、永久磁石形同期電動機を電力変換器によりセンサレス制御するための制御装置において、
前記電動機の電流相当値、端子電圧相当値、及び速度相当値を用いて、前記電動機の磁極位置推定誤差を位置推定誤差演算値として求める位置推定誤差演算手段と、
前記位置推定誤差演算値から前記電動機の速度推定値を演算する速度推定手段と、
前記速度推定値を積分して前記電動機の磁極位置推定値を演算する磁極位置推定手段と、を備え、
前記速度推定手段は、
前記位置推定誤差演算値に比例する比例項を演算する手段と、前記位置推定誤差演算値の積分値を演算する手段と、前記位置推定誤差演算値の積分値から積分項を演算する手段と、前記比例項と前記積分項とを用いて前記速度推定値を演算する手段と、前記電動機の低速運転時に前記積分項を低減する積分項低減手段と、を有するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、 前記積分項低減手段は、前記速度推定値の絶対値が小さいときに前記積分項を低減するものである。
請求項1または2に係る発明によれば、電動機の低速運転時における位置推定値の演算誤差を低減し、安定性の向上が可能になる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記位置推定誤差演算手段は、前記電動機の拡張誘起電圧演算値を求める手段を備え、前記積分項低減手段は、前記拡張誘起電圧演算値の絶対値が小さいときに前記積分項を低減するものである。
請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記位置推定誤差演算手段は、前記電動機の誘起電圧演算値を求める手段を備え、前記積分項低減手段は、前記誘起電圧演算値の絶対値が小さいときに前記積分項を低減するものである。
請求項3または4に係る発明によれば、速度推定値の演算遅れに起因する過渡特性を改善することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記積分項低減手段は、前記積分器の出力にフィードバックゲインを乗算し、その乗算結果を前記積分器の入力に負帰還する手段を備え、前記フィードバックゲインは、前記電動機の速度が所定値より大きいときに零とし、かつ、前記所定値より小さいときに増加させるものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記積分項低減手段は、前記位置推定誤差演算値に第1のゲインを乗算した値を前記積分器に入力する手段と、前記第1のゲインを、前記電動機の速度が所定値より大きいときに1とし、かつ、前記所定値より小さいときに1より減少させる手段と、を備えたものである。
請求項7に係る発明は、請求項5または6に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記積分項低減手段は、前記位置推定誤差演算値の積分値に第2のゲインを乗算して前記積分項を演算する手段と、前記第2のゲインを、前記電動機の速度が所定値より大きいときに1とし、かつ、前記所定値より小さいときに1より減少させる手段と、を備えたものである。
請求項5〜7に係る発明によれば、電動機の速度に応じて前記積分項の大きさを制御することができる。
請求項8に係る発明は、請求項6に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、 前記フィードバックゲインと前記第1のゲインとの和が1であることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項7に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記フィードバックゲインと前記第2のゲインとの和が1であることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項7に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記フィードバックゲインと、前記第1のゲインと前記第2のゲインの積との和が1であることを特徴とする。
請求項8〜10に係る発明によれば、電動機の速度に応じて速度推定値演算手段の伝達関数の直流ゲインを制御することが可能である。
請求項11に係る発明は、請求項5〜10の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記フィードバックゲインを、前記速度推定値の絶対値が第1の設定値より大きいときに零とし、かつ、前記第1の設定値未満の第2の設定値より小さいときに1に制御するものである。
請求項12に係る発明は、請求項5〜11の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記フィードバックゲインを、前記電動機の拡張誘起電圧演算値の絶対値が第3の設定値より大きいときに零とし、かつ、前記第3の設定値未満の第4の設定値より小さいときに1に制御するものである。
請求項13に係る発明は、請求項5〜11の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、前記フィードバックゲインを、前記電動機の誘起電圧演算値の絶対値が第5の所定値より大きいときに零とし、かつ、前記第5の所定値未満の第6の所定値より小さいときに1に制御するものである。
請求項11〜13に係る発明によれば、速度推定値の演算遅れに起因する過渡特性を改善することができる。
本発明によれば、PMSMの低速運転時においても電動機の速度・磁極位置を高精度に推定することができ、これによって従来よりも安定したセンサレス制御を実現することができる。
本発明の実施形態に係る制御装置を主回路と共に示したブロック図である。 座標軸の定義を示す図である。 図1における速度推定器33のブロック図である。 図3に示した速度推定器33を比例・積分演算により実現する場合のボード線図である。 図3に示した速度推定器33の伝達関数を数式7とした場合のボード線図である。 図3におけるゲイン演算器111の入力と出力との関係を示す図である。 図3におけるゲイン演算器112の第1実施例を示す入出力特性図である。 図3におけるゲイン演算器112の第2実施例を示す入出力特性図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
始めに、PMSMは、回転子に同期して回転する直交回転軸(d,q軸)上で電流、電圧を制御することで高性能なトルク制御や速度制御を実現している。ここで、d,q軸は、回転子の磁極のN極方向をd軸と定義し、d軸から90°進み方向をq軸と定義する。しかしながら、磁極位置検出器を用いずに運転するセンサレス制御の場合、d,q軸の位置を直接検出することができない。そこで、制御装置では、d,q軸の推定軸として内部にγ,δ軸を想定し、電動機の電流、電圧をγ,δ軸上で取り扱うことにより制御演算を行っている。
前後するが、図2は、d,q軸及びγ,δ軸の定義を示している。
PMSMのu相巻線を基準としたγ軸の角度(位置推定値)θとu相巻線を基準としたd軸の角度(磁極位置)θとの角度差(位置推定誤差)を、θerrとして数式1により定義する。
Figure 2017108477
また、図2に示すように、d,q軸の角速度をω(回転子速度)と定義し、γ,δ軸の角速度(速度推定値)をωと定義する。
次に、図1に基づいて、本発明の実施形態に係る制御装置の構成及び作用を説明する。まず、PMSMの速度制御、電流制御、及び電圧制御について説明する。
図1において、速度指令値ω と速度推定値ωとの偏差を減算器16により演算し、この偏差が零になるように速度調節器17が動作してその出力をトルク指令値τとする。電流指令演算器18は、トルク指令値τと速度推定値ωとに基づき、PMSM80が所望のトルクを発生するためのd軸電流指令値i 、q軸電流指令値i を演算する。ここで、d軸電流指令値i はγ軸電流指令値iγ として減算器19aに入力され、q軸電流指令値i はδ軸電流指令値iδ として減算器19bに入力される。
一方、PMSM80の入力側のu相電流検出器11u、w相電流検出器11wによりそれぞれ検出した相電流検出値i,iは、座標変換器14により位置推定誤差θを用いてγ,δ軸電流検出値iγ,iδに座標変換される。
減算器19aはγ軸電流指令値iγ とγ軸電流検出値iγとの偏差を演算し、この偏差が零になるようにγ軸電流調節器20aが動作してその出力がγ軸電圧指令値vγ となる。同様に、減算器19bはδ軸電流指令値iδ とδ軸電流検出値iδとの偏差を演算し、この偏差が零になるようにδ軸電流調節器20bが動作してその出力がδ軸電圧指令値vδ となる。
上記γ軸電圧指令値vγ 、δ軸電圧指令値vδ は、座標変換器15において位置推定値θに基づき座標変換され、相電圧指令値v ,v ,v としてPWM回路13に入力される。
三相交流電源50の交流電圧は整流回路60により整流され、インバータ等の電力変換器70に供給される。
PWM回路13は、電力変換器70の出力電圧を相電圧指令値v ,v ,v に制御するためのゲート信号を生成して電力変換器70に与える。電力変換器70は、ゲート信号に基づいて内部の半導体スイッチング素子を制御することにより、PMSM80の端子電圧を相電圧指令値v ,v ,v に制御する。
以上の制御により、PMSM80の速度を速度指令値ω に一致させることができる。
次に、この実施形態における速度・磁極位置の推定手段について説明する。
図1における拡張誘起電圧演算器31は、数式2により拡張誘起電圧を演算する。
Figure 2017108477
数式2において、γ軸電圧vγ、δ軸電圧vδには、それぞれ、γ軸電圧指令値vγ 、δ軸電圧指令値vδ が用いられる。
なお、数式2のγ軸電圧vγ、δ軸電圧vδには、図示されていない電圧検出回路を使用してPMSM80の相電圧または線間電圧を検出し、これらの検出値と位置推定値θとから演算した値を用いても良い。また、数式2におけるγ軸電流iγ、δ軸電流iδの代わりにγ軸電流指令値iγ 、δ軸電流指令値iδ を用いても良いし、速度推定値ωの代わりに速度指令値ω を用いても良い。
次に、γ,δ軸拡張誘起電圧演算値eexγest,eexδestを用いて速度及び磁極位置を推定する方法について説明する。
図1の角度差演算器32は、数式3により、拡張誘起電圧演算値eexγest,eexδestから位置推定誤差演算値θerrestを求める。なお、拡張誘起電圧演算器31及び角度差演算器32は、請求項における位置推定誤差演算手段を構成している。
Figure 2017108477
速度推定器33は、位置推定誤差演算値θerrestが零になるように速度推定値ωを求める。その具体的な演算方法については後述する。
積分器34は、請求項における磁極位置推定手段に相当しており、速度推定値ωを積分して位置推定値θを演算する。
これらの演算により、位置推定誤差演算値θerrestが零になるように速度推定値ωと位置推定値θとが演算され、これらの値を真値に収束させることができる。
次に、速度推定器33の詳細について説明する。
図3は、速度推定器33の構成を示すブロック図である。なお、この速度推定器33の構成及び機能は、請求項4を除く全ての請求項に相当するものである。
図3において、速度推定値ωは、加算器103により比例項ω1Pと積分項ω1Iとを加算して求められる。
ここで、上記の比例項ω1Pは、図1の角度差演算器32により求めた位置推定誤差演算値θerrestの極性を反転した値(−θerrest)に、ゲイン乗算器101により比例ゲインKPωestを乗算して求める。また、積分項ω1Iは、上記比例項ω1Pに基づき、乗算器104、減算器105、乗算器106、積分器102、及び乗算器107を用いて演算する。
なお、図3の構成から、ゲイン乗算器101、積分器102、及び加算器103等を除いた部分は、各請求項における積分項低減手段を構成している。
図3における比例項ω1Pから積分項ω1Iまでの伝達関数は、数式4に示す通りである。
Figure 2017108477
数式4から、速度推定器33の伝達関数(位置推定誤差演算値の極性を反転した値(−θerrest)から速度推定値ωまでの伝達関数)であるG(s)は、数式5となる。
Figure 2017108477
数式4より、フィードバックゲインKFBωestを零とし、ゲインK,Kを1に制御する場合、積分項ω1Iは比例項ω1Pの完全積分となり、速度推定器33による速度推定値ωの演算は、非特許文献1と同様に比例・積分演算となる。この着想は、数式8,9に発明に相当する。
一方、数式4より、フィードバックゲインKFBωestを大きくし、ゲインK,Kを1よりも小さくすることで、積分項ω1Iを小さく制御することができる。ここで、フィードバックゲインKFBωest、ゲインK,Kは、数式6に示す関係に制御する。この数式6は、請求項10に相当する。
Figure 2017108477
この場合、速度推定器33の伝達関数G(s)は数式7となる。
Figure 2017108477
数式7より、フィードバックゲインKFBωestを零に制御すると、伝達関数G(s)は比例・積分演算となる。一方、フィードバックゲインKFBωestを1に制御すると、伝達関数G(s)は、比例演算となる。
図4は、速度推定器33を比例・積分演算により実現する場合の伝達関数G(s)のボード線図を示している。また、図5は、速度推定器33の伝達関数G(s)が数式7である場合のボード線図を示している。
図4より、速度推定器33を比例・積分演算により実現する場合には、直流ゲインが無限大になる。一方、図5より、数式7の伝達関数G(s)は、フィードバックゲインKFBωestを大きくすれば直流ゲインを低減でき、これによって位置推定誤差演算値θerrestが速度推定値及び位置推定値に与える影響を低減することができる。
次に、数式5〜数式7におけるフィードバックゲインKFBωest及びゲインK,Kの具体的な演算方法を説明する。
図3における第1のゲイン演算器111は、図6に示す関数に従って、速度推定値ωの絶対値に基づいてフィードバックゲインKFBωest1を演算する。この図6は請求項11に相当しており、フィードバックゲインKFBωest1は、速度推定値ωの絶対値がω1thP(第2の設定値)より小さいときには1に制御され、前記絶対値がω1thPI(第1の設定値)より大きいときには零に制御される。なお、ω1thP<ω1thPIであり、ω1thP〜ω1thPIの領域では、速度推定値ωの絶対値が大きくなるにつれてフィードバックゲインKFBωest1は直線的に減少する。
一方、ゲイン演算器112は、図7に示す関数に従って、図1の拡張誘起電圧演算器31が求めたδ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値に基づいてフィードバックゲインKFBωest2を演算する。
この図7は、ゲイン演算器112の第1実施例であり、請求項12に相当する。フィードバックゲインKFBωest2は、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値がeexδthP(第4の設定値)より小さいときには1に制御され、上記絶対値がeexδthPI(第3の設定値)より大きいときは零に制御される。なお、eexδthP<eexδthPIであり、eexδthP〜eexδthPIの領域では、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値が大きくなるにつれてフィードバックゲインKFBωest2は直線的に減少する。
図3における最大値選択器113は、ゲイン演算器111,112により演算したフィードバックゲインKFBωest1,KFBωest2のうち大きい方を選択し、フィードバックゲインKFBωestとして出力する。
なお、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestはPMSM80の速度に比例するので、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値から、速度が低下したことを検出可能である。一般に、速度推定値ωには演算遅れがあり、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの演算遅れは速度推定値ωよりも小さいため、ゲイン演算器112がδ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値に基づいてフィードバックゲインを演算することで、過渡特性を改善することができる。
次に、図3のK演算器114、K演算器115は、フィードバックゲインKFBωestを用いて、数式8により第1のゲインK,第2のゲインKを演算する。そして、第1のゲインKは乗算器104に入力されて比例項ω1Pとの乗算に用いられ、第2のゲインKは乗算器107に入力されて積分項ω1Iを演算するために用いられる。
Figure 2017108477
以上の動作により、速度推定器33の伝達関数G(s)を数式7の特性とし、高速運転時(速度推定値ωの絶対値がω1thPIより大きいとき、または、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値がeexδthPIより大きいとき)にはフィードバックゲインKFBωestを零に制御してK=K=1とすることにより、速度推定器33を比例・積分演算させる。
また、低速運転時(速度推定値ωの絶対値がω1thPIより小さいとき、または、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値がeexδthPIより小さいとき)にはフィードバックゲインKFBωestを0〜1の範囲内に制御してK,Kを1よりも小さくすることにより、数式4の積分項ω1Iを小さく制御することができる。
次に、ゲイン演算器112の第2実施例について、図8を参照しつつ説明する。
この第2実施例は請求項4に相当しており、ゲイン演算器112によるフィードバックゲインKFBωest2の演算を、PMSM80の誘起電圧演算値を用いて行うようにしたものである。この場合、図1の拡張誘起電圧演算器31の代わりに設けた誘起電圧演算器(図示せず)によりδ軸誘起電圧演算値emfδest及びγ軸誘起電圧演算値emfγestを求めて図1の角度差演算器32に入力することにより、位置推定誤差演算値θerrestを求めるようにする。
まず、誘起電圧演算器は、δ軸誘起電圧演算値emfδestを数式9により求める。
Figure 2017108477
ゲイン演算器112は、第1実施例におけるδ軸拡張誘起電圧演算値eexδestの絶対値の代わりに、フィードバックゲインKFBωest2を、δ軸誘起電圧演算値emfδestの絶対値に基づいて図8の関数により演算する。
図8は請求項13に相当するものであり、フィードバックゲインKFBωest2は、δ軸誘起電圧演算値emfδestの絶対値がemfδthP(第6の設定値)より小さいときには1に制御され、上記絶対値がemfδthPI(第5の設定値)より大きいときは零に制御される。なお、emfδthP<emfδthPIであり、emfδthP〜emfδthPIの領域では、δ軸誘起電圧演算値emfδestの絶対値が大きくなるにつれてフィードバックゲインKFBωest2は直線的に減少する。
図3に示したように、ゲイン演算器112の第1実施例に用いられるδ軸拡張誘起電圧演算値eexδestは電流値によって大きさが変化するが、δ軸誘起電圧演算値emfδestは電流によらず一定であり、速度に比例する。このため、図8の特性に基づき、δ軸誘起電圧演算値emfδestを用いてフィードバックゲインKFBωest2を演算することで、速度に応じて適切に数式4の積分項ω1Iを制御することができる。
以上説明した実施形態は、拡張誘起電圧または誘起電圧を利用してPMSMをセンサレス制御する場合のものであるが、本発明は、例えば特開2011−67066号公報等に記載されているように、拡張磁束を利用してPMSMをセンサレス制御する場合にも適用可能である。
50 三相交流電源
60 整流回路
70 電力変換器
80 PMSM(永久磁石形同期電動機)
11u u相電流検出器
11w w相電流検出器
13 PWM回路
14,15 座標変換器
16,19a,19b 減算器
17 速度調節器
18 電流指令演算器
20a γ軸電流調節器
20b δ軸電流調節器
31 拡張誘起電圧演算器
32 角度差演算器
33 速度推定器
34 積分器
101 ゲイン乗算器
102 積分器
103 加算器
104,106,107 乗算器
105 減算器
111,112 ゲイン演算器
113 最大値選択器
114 K演算器
115 K演算器

Claims (13)

  1. 永久磁石形同期電動機を電力変換器によりセンサレス制御するための制御装置において、
    前記電動機の電流相当値、端子電圧相当値、及び速度相当値を用いて、前記電動機の磁極位置推定誤差を位置推定誤差演算値として求める位置推定誤差演算手段と、
    前記位置推定誤差演算値から前記電動機の速度推定値を演算する速度推定手段と、
    前記速度推定値を積分して前記電動機の磁極位置推定値を演算する磁極位置推定手段と、
    を備え、
    前記速度推定手段は、
    前記位置推定誤差演算値に比例する比例項を演算する手段と、
    前記位置推定誤差演算値の積分値を演算する手段と、
    前記位置推定誤差演算値の積分値から積分項を演算する手段と、
    前記比例項と前記積分項とを用いて前記速度推定値を演算する手段と、
    前記電動機の低速運転時に前記積分項を低減する積分項低減手段と、
    を有することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記積分項低減手段は、
    前記速度推定値の絶対値が小さいときに前記積分項を低減することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記位置推定誤差演算手段は、前記電動機の拡張誘起電圧演算値を求める手段を備え、
    前記積分項低減手段は、
    前記拡張誘起電圧演算値の絶対値が小さいときに前記積分項を低減することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  4. 請求項1または2に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記位置推定誤差演算手段は、前記電動機の誘起電圧演算値を求める手段を備え、
    前記積分項低減手段は、
    前記誘起電圧演算値の絶対値が小さいときに前記積分項を低減することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記積分項低減手段は、
    前記積分器の出力にフィードバックゲインを乗算し、その乗算結果を前記積分器の入力に負帰還する手段を備え、
    前記フィードバックゲインは、前記電動機の速度が所定値より大きいときに零とし、かつ、前記所定値より小さいときに増加させることを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  6. 請求項5に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記積分項低減手段は、
    前記位置推定誤差演算値に第1のゲインを乗算した値を前記積分器に入力する手段と、
    前記第1のゲインを、前記電動機の速度が所定値より大きいときに1とし、かつ、前記所定値より小さいときに1より減少させる手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  7. 請求項5または6に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記積分項低減手段は、
    前記位置推定誤差演算値の積分値に第2のゲインを乗算して前記積分項を演算する手段と、
    前記第2のゲインを、前記電動機の速度が所定値より大きいときに1とし、かつ、前記所定値より小さいときに1より減少させる手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  8. 請求項6に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記フィードバックゲインと前記第1のゲインとの和が1であることを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  9. 請求項7に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記フィードバックゲインと前記第2のゲインとの和が1であることを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  10. 請求項7に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記フィードバックゲインと、前記第1のゲインと前記第2のゲインの積との和が1であることを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  11. 請求項5〜10の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記フィードバックゲインを、前記速度推定値の絶対値が第1の設定値より大きいときに零とし、かつ、前記第1の設定値未満の第2の設定値より小さいときに1に制御することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  12. 請求項5〜11の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記フィードバックゲインを、前記電動機の拡張誘起電圧演算値の絶対値が第3の設定値より大きいときに零とし、かつ、前記第3の設定値未満の第4の設定値より小さいときに1に制御することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
  13. 請求項5〜11の何れか1項に記載した永久磁石形同期電動機の制御装置において、
    前記フィードバックゲインを、前記電動機の誘起電圧演算値の絶対値が第5の所定値より大きいときに零とし、かつ、前記第5の所定値未満の第6の所定値より小さいときに1に制御することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
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