JP2017068734A - 感光性導電フィルム、それを用いる導電パターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたESD耐性を有する感光性導電フィルム、それを用いる導電パターンの形成方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサを提供することを目的とする。【解決手段】支持フィルム1と、該支持フィルム1上に設けられた導電繊維を含む導電膜2及び該導電膜2上に設けられた感光性樹脂層3を備える感光性導電フィルム10であって、前記導電膜2は無機酸の金属塩を含む、感光性導電フィルム10。【選択図】図1
Description
本発明は、感光性導電フィルム、それを用いる導電パターンの形成方法に関する。より詳細には、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成方法に関する。
パソコンやテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器、OA機器、FA機器等の表示機器では、液晶表示素子やタッチスクリーンが使用されている。これら液晶表示素子やタッチスクリーン、太陽電池等のデバイスでは、透明配線、画素電極又は端子の一部に透明導電膜が使用されている。
透明導電膜の材料としては、従来、可視光に対して高い透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジウム、酸化スズ等が用いられている。液晶表示素子用基板等の電極では、前記の材料からなる透明導電膜をパターニングしたものが主流になっている。
透明導電膜のパターニング方法としては、透明導電膜を形成後、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、ウエットエッチングにより導電膜の所定部分を除去して導電パターンを形成する方法が一般的である。ITO及び酸化インジウム膜の場合、エッチング液は塩酸と塩化第二鉄の2液からなる混合液が一般に用いられている。
ITO膜や酸化スズ膜は一般にスパッタ法により形成される。しかし、この方法は、スパッタ方式の違い、スパッタパワーやガス圧、基板温度、雰囲気ガスの種類等によって透明導電膜の性質が変わりやすい。スパッタ条件の変動による透明導電膜の膜質の違いは、透明導電膜をウエットエッチングする際のエッチング速度のばらつきの原因となり、パターンニング不良による製品の歩留り低下を招きやすい。また、前記の導電パターンの形成方法は、スパッタ工程、レジスト形成工程及びエッチング工程を経ていることから、工程が長く、コスト面でも大きな負担となっている。
最近、前記の問題を解消するために、ITO、酸化インジウム、酸化スズ等に替わる材料を用いて透明な導電パターンを形成する試みがなされている。
例えば、下記特許文献1には、基板上に、銀繊維等の金属繊維を含有する導電層を形成した後、導電層上に感光性樹脂層を形成し、その上からパターンマスクを介して露光し、現像する導電パターンの形成方法が開示されている。
例えば、下記特許文献1には、基板上に、銀繊維等の金属繊維を含有する導電層を形成した後、導電層上に感光性樹脂層を形成し、その上からパターンマスクを介して露光し、現像する導電パターンの形成方法が開示されている。
下記特許文献1には、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた金属繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層とを備えた感光性導電フィルムを、基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートし、これを露光、現像する、導電パターンの形成方法が開示されている。この方法は、簡便な工程で基板との接着性が充分であり、且つ表面抵抗率が小さい導電パターンを充分な解像度で形成することを可能としている。
また、下記特許文献2には、1回目の露光を支持フィルムを介して行い、2回目の露光を支持フィルムを除去した酸素下で行うという2段階の露光方法を用い、これにより、1回目の露光工程においてパターンマスクで遮光した部分が樹脂硬化層となり、1回目の露光工程においてマスクで遮光せずに光照射した部分が導電パターンとなり、導電パターン部分と樹脂硬化層の高低差を小さくする手法が開示されている。
ところで、タッチセンサーの透明電極の製造時に上記特許文献に記載の感光性導電フィルムを使用する場合、製造工程において、フィルム上に静電気が発生し、その瞬間的な放電により、金属繊維が断線するというESD(ESD:ElectroStatic Discharge)問題が発生している。
上記実情に鑑み、本発明は、優れたESD耐性を有する感光性導電フィルム、それを用いる導電パターンの形成方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサを提供することを目的とする。
本発明者らが種々検討した結果、ESD問題では、瞬間的に過剰な電圧がかかるため、金属繊維の断線箇所や、断線のメカニズムを明確に確定することが困難であった。そこで、金属繊維同士の接触部分では、繊維の本体に比較して、抵抗が大きいため、この接触部分の抵抗値を低減すれば、ESD耐性が向上することが期待されると考え、本願発明を完成した。
すなわち本発明は以下のものに関する。
<1>支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電性繊維を含む導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記導電膜は無機酸の金属塩を含む、感光性導電フィルム。
<2>前記感光性樹脂層が、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合性開始剤を含む<1>に記載の感光性導電フィルム。
<3>前記導電性繊維が、銀繊維である、<1>又は<2>に記載の感光性導電フィルム。
<4><1>〜<3>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、露光した前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える導電パターンの形成方法。
<5><1>〜<3>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、酸素存在下で、前記第一の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程と、
前記第二の露光工程の後に、前記感光性樹脂層と導電膜を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える導電パターンの形成方法。
<1>支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電性繊維を含む導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記導電膜は無機酸の金属塩を含む、感光性導電フィルム。
<2>前記感光性樹脂層が、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合性開始剤を含む<1>に記載の感光性導電フィルム。
<3>前記導電性繊維が、銀繊維である、<1>又は<2>に記載の感光性導電フィルム。
<4><1>〜<3>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、露光した前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える導電パターンの形成方法。
<5><1>〜<3>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、酸素存在下で、前記第一の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程と、
前記第二の露光工程の後に、前記感光性樹脂層と導電膜を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える導電パターンの形成方法。
本発明では、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電性繊維を含む導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムにおいて、前記導電膜に無機酸の金属塩を含むことにより、ESD耐性を向上させることが可能である。
本発明によれば、優れたESD耐性を有する感光性導電フィルム、それを用いる導電パターンの形成方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
<感光性導電フィルム>
図1は、本発明の感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。また、図2は該実施形態の一部切欠き斜視図である。
感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられた導電性繊維を含有する導電膜2と、導電膜2上に設けられた感光性樹脂層3とを備える。尚、導電膜2及び感光性樹脂層3を纏めて感光層4という。
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1、導電性繊維を含有する導電膜2及び感光性樹脂層3のそれぞれについて詳細に説明する。
図1は、本発明の感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。また、図2は該実施形態の一部切欠き斜視図である。
感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられた導電性繊維を含有する導電膜2と、導電膜2上に設けられた感光性樹脂層3とを備える。尚、導電膜2及び感光性樹脂層3を纏めて感光層4という。
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1、導電性繊維を含有する導電膜2及び感光性樹脂層3のそれぞれについて詳細に説明する。
本実施形態の感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。尚、これらの重合体フィルムは、後に感光性樹脂層から除去可能な範囲で表面処理が施されたものであってもよい。
支持フィルム1のヘーズ値は、感度及び解像度を向上させる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることがさらに好ましく、0.01〜1.1%であることが特に好ましい。尚、ヘーズ値はJIS K 7105に準拠して測定することができ、例えば、商品名:NDH−5000(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計で測定が可能である。
本実施形態の感光性導電フィルム10を構成する導電膜2は、導電性を有する膜であり、導電性繊維を含有することが好ましい。導電性繊維としては、金、銀、白金等の金属繊維、カーボンナノチューブ等の炭素繊維などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態では、導電性繊維として金属繊維を使用することが好ましく、特に、銀繊維を使用することが好ましい。
金属繊維は、例えば、金属イオンをNaBH4等の還元剤で還元する方法、又は、ポリオール法により調製することができる。カーボンナノチューブは、Unidym社製の商品名:Hipco単層カーボンナノチューブ等の市販品を使用することができる。
導電性繊維の繊維径は、1nm〜50nmであることが好ましく、2nm〜20nmであることがより好ましく、3nm〜10nmであることがさらに好ましい。また、導電性繊維の繊維長は、1μm〜100μmであることが好ましく、2μm〜50μmであることがより好ましく、3μm〜40μmであることがさらに好ましく、5μm〜35μmであることが特に好ましい。繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
導電膜2は無機酸の金属塩を含む。無機酸の金属塩は、導電性繊維同士の間の接触を強固にするための化合物である。具体的には、硝酸銀のような無機酸の金属塩を含むことにより、導電性繊維同士の間で硝酸銀が還元され、銀が付着することで、抵抗値の増大を抑制することができる。また、無機酸の金属塩が導電性繊維に付着することで、抵抗値の増大を抑制することができる。
導電膜2の厚さは、形成される導電膜、導電パターンの用途や求められる導電性によっても異なるが、1μm以下であることが好ましく、1nm〜0.5μmであることがより好ましく、5nm〜0.1μmであることがさらに好ましい。導電膜2の厚さが1μm以下であると、450〜650nmの波長域での光透過率が高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなる。
導電膜2は、導電性繊維同士が接触してなる網目構造を有することが好ましい。このような網目構造を有する導電膜2は、感光性樹脂層3の支持フィルム1側表面に形成されていてもよいが、支持フィルム1を剥離したときに露出する表面においてその面方向に導電性が得られるのであれば、感光性樹脂層3の支持フィルム1側表層に含まれる形態で形成されていてもよい。尚、網目構造を有する導電膜2の厚さは、走査型電子顕微鏡写真によって測定される値を指す。
導電性繊維を含有する導電膜2は支持フィルム1上に、上述した導電性繊維を水又は有機溶剤、界面活性剤等の分散安定剤等を加えた導電性繊維分散液を塗工した後、乾燥することにより形成することができる。乾燥後、支持フィルム1上に形成した導電膜2は、必要に応じてラミネートされてもよい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができるが、膜厚分布が均等であることや密閉系で塗液への異物混入が少ないという観点からダイコート法が好ましい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができるが、膜厚分布が均等であることや密閉系で塗液への異物混入が少ないという観点からダイコート法が好ましい。
導電膜2を低抵抗化又は低ヘーズ化する観点では、乾燥工程において、均一な膜を形成するために20℃以上65℃以下の乾燥温度で溶媒を揮発させることが好ましい。乾燥温度を前記範囲とすると、特に、導電性繊維が銀繊維である場合において、顕著に低抵抗化又は低ヘーズ化を達成することができる。対流が生じてベナールセルを形成することでムラとなり低抵抗な導電膜が形成し難くなることを防ぐ観点から、乾燥温度が65℃以下であることが好ましい。また、溶媒が揮発するために時間がかかり工程上問題となることを防ぐ観点から、乾燥温度が20℃以上であることが好ましい。乾燥温度は、25℃以上65℃以下がより好ましく、35℃以上65℃以下がさらに好ましく、40℃以上60℃以下が特に好ましい。
導電膜2において、導電性繊維は界面活性剤や分散安定剤と共存していてもかまわない。
感光性樹脂層3は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する、感光性樹脂組成物から形成されることが好ましい。
(a)成分はカルボキシル基を有することが好ましい。また、(a)成分の酸価は、パターン性に優れる観点から、75〜200mgKOH/gであることが好ましく、75〜150mgKOH/gであることがより好ましく、75〜120mgKOH/gであることがさらに好ましい。
(a)バインダーポリマーとしては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記の中でも、アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましく、そのアクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有するとより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体に由来するモノマー単位を主に有する重合体のことを意味する。
前記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体をラジカル重合して製造されるものが使用できる。このアクリル樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体としては、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名:ビスコート#2311HP)、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
また、前記アクリル樹脂は、前記のような(メタ)アクリル基を有する重合性単量体の他に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸等の1種又は2種以上の重合性単量体が共重合されていてもよい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記重合性単量体の中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、又は(メタ)アクリル酸グリシジルエステルを含むことが好ましい。
また、(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性を向上させる観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が挙げられる。
また、(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性を向上させる観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が挙げられる。
(b)成分の光重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有することが好ましい。なかでも、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
これらの化合物は、工業的に販売されているものを使用できる(例えば、日本化薬株式会社製、商品名:PET−30)。
これらの化合物は、工業的に販売されているものを使用できる(例えば、日本化薬株式会社製、商品名:PET−30)。
(b)成分の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の合計100質量%に対して、30〜80質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。光硬化性及び転写した導電膜(導電膜及び感光性樹脂層)の塗膜性に優れる点では、30質量%以上であることが好ましく、フィルムとして巻き取った場合の保管安定性に優れる点では、80質量%以下であることが好ましい。
(c)成分の光重合開始剤は、使用する露光機の光波長と、機能発現に必要な波長とが合うものを選択すれば、特に制限はない。光重合開始剤は、オキシムエステル化合物又はホスフィンオキサイド化合物を含むことが好ましい。
具体的には、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−フェニル,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。これらは、それぞれIRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02(いずれもBASFジャパン株式会社製、商品名(「IRGACURE」は、登録商標。))として商業的に入手可能である。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
具体的には、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−フェニル,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。これらは、それぞれIRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02(いずれもBASFジャパン株式会社製、商品名(「IRGACURE」は、登録商標。))として商業的に入手可能である。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
オキシムエステル化合物の中でも、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−フェニル,2−(O−ベンゾイルオキシム)]が特に好ましい。
(c)成分の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。光感度に優れる点では、0.1質量部以上であることが好ましく、光硬化性に優れる点では、20質量部以下であることが好ましい。
本実施形態で使用する感光性樹脂組成物には、上述した(a)〜(c)成分の他に、必要に応じて、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を配合してもよい。これら添加剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて含有させることができる。これらの添加剤の添加量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
感光性樹脂層3は、上述した感光性樹脂組成物の溶液を塗布、乾燥することにより形成できる。
溶剤としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が使用できる。
溶液中の固形分含有率は、10〜60質量%程度とすることが好ましい。
溶剤としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が使用できる。
溶液中の固形分含有率は、10〜60質量%程度とすることが好ましい。
感光性樹脂組成物の溶液を、支持フィルム1上に形成した導電膜2上に塗布、乾燥する。但し、この場合、乾燥後の感光性樹脂層3中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
感光性樹脂層3の厚さは、用途により異なるが、乾燥後の厚さで0.5〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、0.5〜10μmであることが特に好ましい。この厚さが0.5μm未満では塗工が困難となる傾向があり、50μmを超えると光透過の低下による感度が不充分となり転写する感光性樹脂層の光硬化性が低下する傾向がある。
本実施形態の感光性導電フィルム10において、導電膜2及び感光性樹脂層3の積層体は、両層の合計厚を1〜10μmとしたときに450〜650nmの波長域における光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。導電膜及び感光性樹脂層がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での視認性が向上する。
本実施形態の感光性導電フィルム10において、感光性樹脂層3の支持フィルム1側と反対側の面に接するように保護フィルムを積層することができる。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルムとして上述の支持体フィルム1と同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルムとして上述の支持体フィルム1と同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルムと感光性樹脂層3との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層3から剥離しやすくするために、導電膜2及び感光性樹脂層3と支持フィルム1との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
<導電パターンの形成方法>
本実施形態の導電パターンの形成方法は、上記の本実施形態の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、前記基板上の感光性樹脂層と導電膜の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、前記支持フィルムを剥離後、露光した前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを含む。
感光性樹脂層は、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合性開始剤を含有する。
導電膜(導電層)は、感光性樹脂層の基板とは反対側の面に設けられた膜であり、導電性繊維と、導電性繊維間の接触を可能にする化合物を含む。
本実施形態の導電パターンの形成方法は、上記の本実施形態の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、前記基板上の感光性樹脂層と導電膜の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、前記支持フィルムを剥離後、露光した前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを含む。
感光性樹脂層は、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合性開始剤を含有する。
導電膜(導電層)は、感光性樹脂層の基板とは反対側の面に設けられた膜であり、導電性繊維と、導電性繊維間の接触を可能にする化合物を含む。
本実施形態の導電パターンの形成方法の一実施形態を、図3を用いて説明する。
導電パターンの形成には、図3(a)に示す積層体を用いることができる。図3(a)の積層体は、基板20上に、感光性樹脂層3と導電膜2を含む感光層4、及び支持フィルム1を有する感光性導電フィルム10が設けられている。
尚、この積層体は、例えば、上述した本実施形態の感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が基板20と接するように基板20上にラミネートすることによって得ることができる。
導電パターンの形成には、図3(a)に示す積層体を用いることができる。図3(a)の積層体は、基板20上に、感光性樹脂層3と導電膜2を含む感光層4、及び支持フィルム1を有する感光性導電フィルム10が設けられている。
尚、この積層体は、例えば、上述した本実施形態の感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が基板20と接するように基板20上にラミネートすることによって得ることができる。
まず、感光性導電フィルム10上にマスク5を設け、マスク5を介して、感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)に活性光線Lをパターン状に照射する(露光工程:図3(b))。次に、現像により未硬化部分(未露光部分)を除去することにより、導電パターン(導電膜)2aを形成する(現像工程:図3(c))。
ここで、上記の方法で得られる導電パターンは、導電膜2aの厚さに加えて樹脂硬化層3bの厚さを有している。これらの厚さは基板との段差Hbとなる。段差Hbが大きいと、ディスプレイ等に要求される平滑性が得られにくくなるおそれがあり、また、導電パターンが視認されやすくなるおそれがあるので、用途によって下記の方法(図4)と使い分けることができる。
尚、導電パターンは本実施形態の感光性導電フィルムを用いて形成することが好ましいが、これに限られず、例えば、基板上に感光性樹脂層と導電性繊維を含む導電膜を別々に形成後、露光、現像することにより形成してもよい。
尚、導電パターンは本実施形態の感光性導電フィルムを用いて形成することが好ましいが、これに限られず、例えば、基板上に感光性樹脂層と導電性繊維を含む導電膜を別々に形成後、露光、現像することにより形成してもよい。
本発明の導電パターンの形成方法の別の実施形態を、図4を用いて説明する。
図4に示す方法において、支持フィルム1を有する感光層4の所定部分に活性光線を照射する露光工程(第1の露光工程:図4(b))までは上記の導電パターンの形成方法と同じである。
第1の露光工程の後に、支持フィルム1を剥離してから、酸素存在下で、第1の露光工程での露光部及び未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する(第2の露光工程:図4(c))。これにより、基板20上に、導電パターン2aとともに導電膜が形成されていない樹脂硬化層3aが設けられることにより、基板20上に導電パターンのみを設けた図3(c)の場合に比べて、導電パターンの段差を小さくすることができる(図4(d)に示す段差Ha)。
図4に示す方法において、支持フィルム1を有する感光層4の所定部分に活性光線を照射する露光工程(第1の露光工程:図4(b))までは上記の導電パターンの形成方法と同じである。
第1の露光工程の後に、支持フィルム1を剥離してから、酸素存在下で、第1の露光工程での露光部及び未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する(第2の露光工程:図4(c))。これにより、基板20上に、導電パターン2aとともに導電膜が形成されていない樹脂硬化層3aが設けられることにより、基板20上に導電パターンのみを設けた図3(c)の場合に比べて、導電パターンの段差を小さくすることができる(図4(d)に示す段差Ha)。
<導電パターン基板>
本実施形態に係る導電パターン基板は、上記の本実施形態に係る導電パターンの形成方法により得られる導電パターンを備える。
本実施形態に係る導電パターン基板は、上記の本実施形態に係る導電パターンの形成方法により得られる導電パターンを備える。
<タッチパネルセンサ>
本実施形態に係るタッチパネルセンサは、上記の本実施形態に係る導電パターン基板を備える。
図5は、静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。図5に示されるタッチパネルセンサは、透明基板101の片面にタッチ位置を検出するためのタッチ画面102があり、この領域に静電容量変化を検出して、X位置座標とする透明電極103と、Y位置座標とする透明電極104を備えている。これらのX、Y位置座標とするそれぞれの透明電極103、104には、タッチパネルとしての電気信号を制御するドライバー素子回路と接続するための引き出し配線105と、その引き出し配線105と透明電極103、104を接続する接続電極106が配置されている。さらに、引き出し配線105の接続電極106と反対側の端部には、ドライバー素子回路と接続する接続端子107が配置されている。
本実施形態に係るタッチパネルセンサは、上記の本実施形態に係る導電パターン基板を備える。
図5は、静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。図5に示されるタッチパネルセンサは、透明基板101の片面にタッチ位置を検出するためのタッチ画面102があり、この領域に静電容量変化を検出して、X位置座標とする透明電極103と、Y位置座標とする透明電極104を備えている。これらのX、Y位置座標とするそれぞれの透明電極103、104には、タッチパネルとしての電気信号を制御するドライバー素子回路と接続するための引き出し配線105と、その引き出し配線105と透明電極103、104を接続する接続電極106が配置されている。さらに、引き出し配線105の接続電極106と反対側の端部には、ドライバー素子回路と接続する接続端子107が配置されている。
図6は、図5に示されるタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す模式図である。本実施形態においては、本実施形態に係る導電パターンの形成方法によって透明電極103、104が形成される。まず、図6(a)に示すように、透明基板101上に透明電極(X位置座標)103を形成する。具体的には、感光性導電フィルム10を感光性樹脂層が透明基板101に接するようラミネートする。転写した感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)に対し、所望の形状に遮光マスクを介してパターン状に活性光線を照射する(第一の露光工程)。その後、遮光マスクを除き、さらに支持フィルム1を剥離したうえで感光層4に活性光線を照射する(第二の露光工程)。露光工程の後、現像を行うことで、硬化が不充分な感光性樹脂層3と共に、導電膜2が除去され、導電パターン2aが形成される。この導電パターン2aによりX位置座標を検知する透明電極103が形成される(図6(b))。図6(b)は、図6(a)のI−I切断面の模式断面図である。本発明に係る導電パターンの形成方法により透明電極103を形成することで、段差の小さな透明電極103を設けることができる。
続いて、図6(c)に示すように透明電極(Y位置座標)104を形成する。上記の工程により形成された透明電極103を備える透明基板101に、さらに、新たな感光性導電フィルム10をラミネートし、上記同様の操作により、Y位置座標を検知する透明電極104が形成される(図6(d))。図6(d)は、図6(c)のII−II切断面の模式断面図である。本実施形態に係る導電パターンの形成方法により透明電極104を形成することで、透明電極103上に透明電極104を形成する場合であっても、段差や気泡の捲き込みによる美観の低減が充分に抑制された、平滑性の高いタッチパネルセンサを作製することができる。
次に、透明基板101の表面に、外部回路と接続するための引き出し配線105と、この引き出し配線と透明電極103、104を接続する接続電極106を形成する。図6では、引き出し配線105及び接続電極106は、透明電極103及び104の形成後に形成するように示しているが、各透明電極形成時に同時に形成してもよい。引き出し配線105は、例えば、フレーク状の銀を含有する導電ペースト材料を使って、スクリーン印刷法を用いて、接続電極106を形成するのと同時に形成することができる。
図7及び図8はそれぞれ、図5に示されるa−a’及びb−b’に沿った部分断面図である。これらは、XY位置座標の透明電極の交差部を示す。
図7及び図8に示されるように、透明電極が本実施形態に係る導電パターンの形成方法により形成されていることにより、段差が小さく平滑性の高いタッチパネルセンサを得ることができる。
図7及び図8に示されるように、透明電極が本実施形態に係る導電パターンの形成方法により形成されていることにより、段差が小さく平滑性の高いタッチパネルセンサを得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1[銀繊維分散液の調製]
(1)ポリオール法による銀繊維の調製
2000mlの3口フラスコに、エチレングリコール500mlを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで撹拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl22mgを50mlのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO35gをエチレングリコール300mlに溶解した溶液と、重量平均分子量が4万のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mlに溶解した溶液とを、それぞれの滴下漏斗から1分間で滴下し、その後160℃で60分間撹拌した。
(1)ポリオール法による銀繊維の調製
2000mlの3口フラスコに、エチレングリコール500mlを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで撹拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl22mgを50mlのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO35gをエチレングリコール300mlに溶解した溶液と、重量平均分子量が4万のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mlに溶解した溶液とを、それぞれの滴下漏斗から1分間で滴下し、その後160℃で60分間撹拌した。
前記反応溶液が30℃以下になるまで放置してから、アセトンで10倍に希釈し、遠心分離機により回転数2000min−1で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションした。沈殿物にアセトンを加え撹拌後に前記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションした。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を走査型電子顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は30nmで、繊維長は30μmであった。なお、前記の銀繊維の繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡観察の領域から無作為に100本の銀繊維を選び、これらの銀繊維の繊維径及び繊維長の測定結果に基づいて算出した平均値(算術平均値)である。
(2)銀繊維分散液の調製
純水に、上記(1)で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%、硝酸銀を0.013質量%含むイソプロパノール溶液を2.0質量%の濃度となるように分散し、銀繊維分散液1を得た。
純水に、上記(1)で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%、硝酸銀を0.013質量%含むイソプロパノール溶液を2.0質量%の濃度となるように分散し、銀繊維分散液1を得た。
製造例2[感光性樹脂組成物の溶液の調製]
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
表1中の各成分を下記に示す。
アクリルポリマーA:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチル共重合体=12/58/30/(質量比)の共重合体、重量平均分子量70,000
T−1420:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名)
Lucirin−TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、商品名(「Lucirin」は、登録商標。))
アクリルポリマーA:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチル共重合体=12/58/30/(質量比)の共重合体、重量平均分子量70,000
T−1420:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名)
Lucirin−TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、商品名(「Lucirin」は、登録商標。))
(実施例1)
(1)感光性導電フィルムの作製
製造例1で調製した銀繊維分散液1を支持フィルムである厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製、商品名:A−1517)上に25g/m2で均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥し、室温(25℃)において10kg/cmの線圧で加圧した。これにより、支持フィルム上に導電性繊維を含有する導電膜を形成した。尚、導電膜の乾燥後の膜厚は、約0.01μmであった。
(1)感光性導電フィルムの作製
製造例1で調製した銀繊維分散液1を支持フィルムである厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製、商品名:A−1517)上に25g/m2で均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥し、室温(25℃)において10kg/cmの線圧で加圧した。これにより、支持フィルム上に導電性繊維を含有する導電膜を形成した。尚、導電膜の乾燥後の膜厚は、約0.01μmであった。
次に、製造例2で調製した感光性樹脂組成物の溶液を撹拌後、導電膜が形成された厚さ16μmのPETフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。その後、感光性樹脂層を、ポリエチレン製の保護フィルム(タマポリ株式会社製、商品名:NF−13)で覆い、感光性導電フィルムを得た。尚、感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。
(2)導電パターンの形成
PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:A4300)を110℃に加温し、その表面上に、上記で得られた感光性導電フィルムの保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層をPETフィルムに対向させて、110℃、0.4MPa、0.6m/分の条件でラミネートした。
ラミネート後、PETフィルムの温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、40mJ/cm2の露光量で、光照射した。
尚、パターンマスクは、ESD耐性試験用のパターンが形成されているガラスマスクを用いた。パターンは、線幅2.0mm、ライン長30mmで、ライン右側端部分に、長さ2.0mmの極細線幅のくびれがある構造になっている。くびれの線幅は、太線幅順に、0.8、0.4、0.2、0.15、0.12、0.08mmである。
光照射後、支持フィルムを剥離し、酸素雰囲気下で、100mJ/cm2の露光量で、光照射した。続けて、UV露光機により、2J/cm2の露光量を光照射した。形成されたESD耐性試験用パターンの両端に、銀ペースト(商品名:DW117H−41、東洋紡株式会社製)を塗布し、130℃、30分間乾燥させた。サンプルは、フィルムMD(塗工方向)方向と、TD(塗工方向に直角方向)方向の2種類を作製した。
PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:A4300)を110℃に加温し、その表面上に、上記で得られた感光性導電フィルムの保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層をPETフィルムに対向させて、110℃、0.4MPa、0.6m/分の条件でラミネートした。
ラミネート後、PETフィルムの温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、40mJ/cm2の露光量で、光照射した。
尚、パターンマスクは、ESD耐性試験用のパターンが形成されているガラスマスクを用いた。パターンは、線幅2.0mm、ライン長30mmで、ライン右側端部分に、長さ2.0mmの極細線幅のくびれがある構造になっている。くびれの線幅は、太線幅順に、0.8、0.4、0.2、0.15、0.12、0.08mmである。
光照射後、支持フィルムを剥離し、酸素雰囲気下で、100mJ/cm2の露光量で、光照射した。続けて、UV露光機により、2J/cm2の露光量を光照射した。形成されたESD耐性試験用パターンの両端に、銀ペースト(商品名:DW117H−41、東洋紡株式会社製)を塗布し、130℃、30分間乾燥させた。サンプルは、フィルムMD(塗工方向)方向と、TD(塗工方向に直角方向)方向の2種類を作製した。
ESD耐性試験では、銀ペーストを塗布したESD耐性試験用パターンを、ESD試験装置、Compact ESD Simulator HCE−5000(阪和電子工業株式会社製、商品名)にかけた。100Vから2500Vの領域において、1本のラインパターンに対し、ある電圧を1回印加した。次に、印加前後において、テスターにより線抵抗を測定し、断線しているかを確認した。断線していない場合は、別のサンプルを用いて、前サンプルの電圧から100V上げた電圧を印加し、断線しているかどうかを確認し、断線が起きるまで以上の操作を繰り返した。断線した電圧の100V低い電圧を耐電圧とした。
(比較例1)
硝酸銀のイソプロパノール溶液を抜いた以外は、実施例1と全く同様にして導電パターンを形成し、ESD耐性試験を実施した。
硝酸銀のイソプロパノール溶液を抜いた以外は、実施例1と全く同様にして導電パターンを形成し、ESD耐性試験を実施した。
ESD耐性試験の結果を図9に示す。
図9の結果から、比較例における従来の感光性導電フィルムに比較して、実施例における感光性導電フィルムの方が、特に0.4mm以上の太い線幅において、ESD耐電圧が高いことがわかった。
図9の結果から、比較例における従来の感光性導電フィルムに比較して、実施例における感光性導電フィルムの方が、特に0.4mm以上の太い線幅において、ESD耐電圧が高いことがわかった。
本発明の感光性導電フィルム及び導電パターンは、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成等に使用できる。
本発明のタッチパネルセンサは、液晶表示素子やタッチスクリーンに使用できる。
本発明のタッチパネルセンサは、液晶表示素子やタッチスクリーンに使用できる。
1 支持フィルム
2 導電膜
2a 導電パターン(導電膜)
3 感光性樹脂層
3a,3b 樹脂硬化層
4 感光層
5 パターンマスク
10 感光性導電フィルム
20 基板
101 透明基板
102 タッチ画面
103 透明電極(X位置座標)
104 透明電極(Y位置座標)
105 引き出し配線
106 接続電極
107 接続端子
2 導電膜
2a 導電パターン(導電膜)
3 感光性樹脂層
3a,3b 樹脂硬化層
4 感光層
5 パターンマスク
10 感光性導電フィルム
20 基板
101 透明基板
102 タッチ画面
103 透明電極(X位置座標)
104 透明電極(Y位置座標)
105 引き出し配線
106 接続電極
107 接続端子
Claims (5)
- 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電性繊維を含む導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記導電膜は無機酸の金属塩を含む、感光性導電フィルム。
- 前記感光性樹脂層が、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合性開始剤を含む請求項1に記載の感光性導電フィルム。
- 前記導電性繊維が、銀繊維である、請求項1又は2に記載の感光性導電フィルム。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層と前記導電膜の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、露光した前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える導電パターンの形成方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、酸素存在下で、前記第一の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程と、
前記第二の露光工程の後に、前記感光性樹脂層と導電膜を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える導電パターンの形成方法。
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WO2019043790A1 (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-07 | 日立化成株式会社 | 基板、タッチパネルセンサ、モジュール及び基板の製造方法 |
-
2015
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WO2019043790A1 (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-07 | 日立化成株式会社 | 基板、タッチパネルセンサ、モジュール及び基板の製造方法 |
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