JP2017068158A - 感光性導電フィルム、それを用いる導電パターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光性導電フィルムを用いて透明電極パターンを形成する場合において、ITO基板に対する感光性導電フィルムの密着性を向上すること、高照度露光機でパターンを形成出来るよう推奨露光量を高くすること、及び耐水性を向上させる。【解決手段】支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)リン酸エステル化合物を含有し、(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する感光性導電フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性導電フィルム、それを用いる導電パターンの形成方法に関する。より詳細には、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成方法に関する。
パソコンやテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器、OA機器、FA機器等の表示機器では、液晶表示素子やタッチスクリーンが用いられている。これら液晶表示素子やタッチスクリーン、太陽電池等のデバイスでは、透明配線、画素電極又は端子の一部に透明導電膜が用いられている。
透明導電膜の材料としては、従来、可視光に対して高い透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジウム、酸化スズ等が用いられている。液晶表示素子用基板等の電極では、前記の材料からなる透明導電膜をパターニングしたものが主流になっている。
透明導電膜のパターニング方法としては、透明導電膜を形成後、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、ウエットエッチングにより導電膜の所定部分を除去して導電パターンを形成する方法が一般的である。ITO及び酸化インジウム膜の場合、エッチング液は塩酸と塩化第二鉄の2液からなる混合液が一般に用いられている。
ITO膜や酸化スズ膜は一般にスパッタ法により形成される。しかし、この方法は、スパッタ方式の違い、スパッタパワーやガス圧、基板温度、雰囲気ガスの種類等によって透明導電膜の性質が変わりやすい。スパッタ条件の変動による透明導電膜の膜質の違いは、透明導電膜をウエットエッチングする際のエッチング速度のばらつきの原因となり、パターンニング不良による製品の歩留り低下を招きやすい。また、前記の導電パターンの形成方法は、スパッタ工程、レジスト形成工程及びエッチング工程を経ていることから、工程が長く、コスト面でも大きな負担となっている。
最近、前記の問題を解消するために、ITO、酸化インジウム、酸化スズ等に替わる材料を用いて透明導電パターンを形成する試みがなされている。
下記特許文献1には、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電性繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層とを備えた感光性導電フィルムを、基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートし、これを露光、現像する、導電パターンの形成方法が開示されている。この方法は、簡便な工程で基板との接着性が充分であり、且つ表面抵抗率が小さい導電パターンを充分な解像度で形成することを可能としている。
また、下記特許文献2には、1回目の露光を支持フィルムを介して行い、2回目の露光を支持フィルム除去した酸素存在下で行うという2段階の露光方法を用いることで、1回目の露光工程においてマスクで遮光した部分が樹脂硬化層となり、1回目の露光工程においてマスクで遮光せずに光照射した部分が導電パターンとなり、導電パターン部分と樹脂硬化層の高低差を小さくする手法が開示されている。
国際公開第2010/021224号 国際公開第2013/051516号
ところで、前記特許文献に記載の感光性導電フィルムで導電パターンを形成する際の推奨露光量が低く、高照度露光機では低露光量の制御ができないためパターン形成ができないという問題があった。
また、タッチセンサーの透明電極の製造時に前記特許文献に記載の感光性導電フィルムを使用する場合、ITOフィルム上に感光性導電フィルムで導電パターンを形成し、二層電極構造を作製することがある。しかしながら、前記特許文献に記載の感光性導電フィルムは、基材がITOフィルムの場合、ITOに対する密着性が低いという問題があった。
また、前記特許文献に記載の感光性導電フィルムを使用する場合、シラン化合物を含むと耐水性が悪く、基材から剥がれるといった問題があった。
本発明は、前記従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、感光性導電フィルムを用いて透明電極パターンを形成する場合において、ITO基板に対する感光性導電フィルムの密着性を向上すること、高照度露光機でパターンを形成出来るよう推奨露光量を高くすること、及び耐水性を向上させることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明では、以下の具体的態様を提供する。
<1>支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)リン酸エステル化合物を含有し、(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する感光性導電フィルム。
<2>前記(b)光重合性化合物は二重結合濃度が1.0×10-2官能基数(二重結合)/分子量以下である<1>に記載の感光性導電フィルム。
<3>前記(d)リン酸エステル化合物の含有量が、前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して1.0質量部以下である<1>又は<2>に記載の感光性導電フィルム。
<4>前記導電膜が、導電性繊維を少なくとも一種含有する<1>〜<3>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<5>前記導電性繊維が、銀繊維である<4>に記載の感光性導電フィルム。
<6><1>〜<5>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、露光した前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、
を備える導電パターンの形成方法。
<7><1>〜<5>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程と、
前記支持フィルムを剥離後、酸素存在下で、前記第一の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程と、
前記第二の露光工程の後に、前記感光性樹脂層と導電膜を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、
を備える導電パターンの形成方法。
<8>基板上に設けられた感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層の前記基板とは反対側の面に設けられた導電性繊維を含む導電膜の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを含み、
前記感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)リン酸エステル化合物を含有し、(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する導電パターンの形成方法。
<9>基板上に設けられた感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層の前記基板とは反対側の面に設けられた導電性繊維を含む導電膜の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程と、
酸素存在下で、前記第一の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程と、前記第二の露光工程の後に、前記感光性樹脂層と導電膜を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを含み、
前記感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)リン酸エステル化合物を含有し、(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する、導電パターンの形成方法。
本発明によれば、感光性導電フィルムを用いて透明電極パターンを形成する場合において、推奨露光量を高くすること、ITO基板に対する感光性導電フィルムの密着性を向上すること、及び耐水性を向上させることができる。
本発明の感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の感光性導電フィルムの一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。 本発明の導電パターンの形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。 本発明の導電パターンの形成方法の別の実施形態を説明するための模式断面図である。 静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。 図5に示されるタッチパネルセンサの製造方法の一例を説明するための模式図である。 図5に示されるa−a’線に沿った部分断面図である。 図5に示されるb−b’線に沿った部分断面図である。 耐水性評価に用いた構成を示す模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
<感光性導電フィルム>
図1は、本発明の感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。また、図2は該実施形態の一部切欠き斜視図である。
感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられた導電膜2と、導電膜2上に設けられた感光性樹脂層3とを備える。なお、導電膜2及び感光性樹脂層3を纏めて感光層4という。
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1、導電膜2及び感光性樹脂層3のそれぞれについて詳細に説明する。
本実施形態の感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、これらの重合体フィルムは、後に感光層から除去可能な範囲で表面処理が施されたものであってもよい。
支持フィルム1のヘーズ値は、感度及び解像度を良好にできる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることがさらに好ましく、0.01〜1.1%であることが特に好ましい。なお、ヘーズ値はJIS K 7105に準拠して測定することができ、例えば、商品名:NDH−5000(日本電色工業株式会社製)等の市販の濁度計で測定が可能である。
本実施形態の感光性導電フィルム10を構成する導電膜2は、導電性を有する膜であり、導電性繊維を含有することが好ましい。導電性繊維としては、金、銀、白金等の金属繊維、カーボンナノチューブ等の炭素繊維などが挙げられる。本実施形態では、導電性繊維として金属繊維を用いることが好ましく、銀繊維を用いることがより好ましい。
金属繊維は、例えば、金属イオンをNaBH4等の還元剤で還元する方法、又は、ポリオール法により調製することができる。カーボンナノチューブは、Unidym社製の商品名:Hipco単層カーボンナノチューブ等の市販品を使用することができる。
導電性繊維の繊維径は、1nm〜50nmであることが好ましく、2nm〜20nmであることがより好ましく、3nm〜10nmであることがさらに好ましい。また、導電性繊維の繊維長は、1μm〜100μmであることが好ましく、2μm〜50μmであることがより好ましく、3μm〜40μmであることがさらに好ましく、5μm〜35μmであることが特に好ましい。繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
導電膜2の厚さは、形成される導電膜、導電パターンの用途や求められる導電性によっても異なるが、1μm以下であることが好ましく、1nm〜0.5μmであることがより好ましく、5nm〜0.1μmであることがさらに好ましい。導電膜2の厚さが1μm以下であると、450〜650nmの波長域での光透過率が高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなる。
導電膜2は、導電性繊維同士が接触してなる網目構造を有することが好ましい。このような網目構造を有する導電膜2は、感光性樹脂層3の支持フィルム1側表面に形成されていてもよいが、支持フィルム1を剥離したときに露出する表面においてその面方向に導電性が得られるのであれば、感光性樹脂層3の支持フィルム1側表層に含まれる形態で形成されていてもよい。なお、網目構造を有する導電膜2の厚さは、走査型電子顕微鏡写真によって測定される値を指す。
導電性繊維を含有する導電膜2は支持フィルム1上に、上述した導電性繊維を水又は有機溶剤、界面活性剤等の分散安定剤などを加えた導電性繊維分散液を塗工した後、乾燥することにより形成することができる。乾燥後、支持フィルム1上に形成した導電膜2は、必要に応じてラミネートされてもよい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができるが、膜厚分布が良好であることや密閉系で塗液への異物混入が少ないという観点からダイコート法が好ましい。
導電膜2を低抵抗化又は低ヘーズ化する観点では、乾燥工程において、均一な膜を形成するために20℃以上65℃以下の乾燥温度で溶媒を揮発させることが好ましい。乾燥温度を前記範囲とすると、特に、導電性繊維が銀繊維である場合において、顕著に低抵抗化又は低ヘーズ化を達成することができる。対流が生じてベナールセルを形成することでムラとなり低抵抗な導電膜が形成し難くなることを防ぐ観点から、乾燥温度が65℃以下であることが好ましい。また、溶媒が揮発するために時間がかかり工程上問題となることを防ぐ観点から、乾燥温度が20℃以上であることが好ましい。乾燥温度は、25℃以上65℃以下がより好ましく、35℃以上65℃以下がさらに好ましく、40℃以上60℃以下が特に好ましい。
導電膜2において、導電性繊維は界面活性剤や分散安定剤と共存していてもかまわない。
感光性樹脂層3は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、(d)リン酸エステル化合物、及び(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する、感光性樹脂組成物から形成される。
(a)バインダーポリマーとしては、従来公知のものが特に制限無く使用できるが、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合させることにより製造することができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。また、上記アクリル樹脂は、スチレンに基づく構造単位を含んでもよい。
(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。このようなバインダーポリマーを得るための、カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(a)バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、バインダーポリマーを得るために使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、10〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましく、15〜25質量%であることが特に好ましい。アルカリ現像性に優れる点では、10質量%以上であることが好ましく、アルカリ耐性に優れる点では、50質量%以下であることが好ましい。
(a)成分であるバインダーポリマーの重量平均分子量は、10000〜200000であることが好ましいが、解像度の見地から、15000〜150000であることがより好ましく、30000〜150000であることがさらに好ましく、30000〜100000であることが特に好ましい。10000未満では、現像時に硬化膜のアルカリ耐性が低いため密着性が低下する場合があり、200000を超えると、現像時に未露光部の現像性が低くなり良好なパターンが得られづらくなる場合がある。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。
(b)成分である光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いることができる。これにより、導電パターン2aの解像度、及び、透明基材20との接着性をさらに高度に両立することができる。
エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、一官能ビニルモノマー、二官能ビニルモノマー、及び、少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーが挙げられる。
一官能ビニルモノマーとしては、上記した(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、それらと共重合可能なモノマー等が挙げられる。
二官能ビニルモノマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート等の、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物などが挙げられる。
(a)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して40〜80質量部であることが好ましく、50〜70質量部であることがより好ましい。この含有量が40質量部以上であれば、塗膜性に優れ、後述する転写形感光性導電フィルムを形成し、ロール状に巻き取った際に、エッジフュージョン(樹脂がフィルム端部から染み出すこと)を防ぐことができる。80質量部以下であれば、高感度となり、硬化膜の機械強度を向上させることができる。
(b)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して20〜60質量部であることが好ましく、30〜50質量部であることがより好ましい。この含有量が20質量部以上であれば、高感度となり、機械強度を強くすることができる。60質量部以下であれば、塗膜性に優れ、後述する転写形感光性導電フィルムを形成し、ロール状に巻き取った際に、エッジフュージョンが起こることを防ぐことができる。
(c)成分である光重合開始剤としては、従来公知のものを特に制限無く用いることができる。具体的には、芳香族ケトン、オキシムエステル化合物、ホスフィンオキサイド化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、薄膜(例えば、10μm以下の厚さ)としたときのパターン形成能に優れ、透明性に優れた導電パターンを形成し易い点で、オキシムエステル化合物又はホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
オキシムエステル化合物としては、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。ホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
(c)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。この含有量が0.1質量部以上であれば、感度を充分に高めることができる。10質量部以下であれば、露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となることを防ぐことができる。
(d)成分のリン酸エステル化合物としては、リン原子に水酸基を有する化合物であれば特に制限はないが、ユニケミカル株式会社製のPhosmerシリーズ(Phosmer−M,Phosmer−CL,Phosmer−PE,Phosmer−MH,Phosmer−PP(いずれも商品名(「Phosmer」は、登録商標。)))、又は日本化薬株式会社製のKAYAMERシリーズ(KAYAMER PM−21、KAYAMER PM−2(いずれも商品名(「KAYAMER」は、登録商標。)))、または共栄社化学株式会社製のライトエステルシリーズ(ライトエステルP−2M(商品名))が挙げられる。これらの中でも、下記式(1)〜(3)で表される化合物を用いることがより好ましい。
Figure 2017068158
(d)成分の含有割合は、基板に対する感光性樹脂層の密着性を向上させる観点から、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の合計100質量部に対して1.0質量部以下であることが好ましく、0.50質量部以下であることがより好ましい。また、0.10質量部以上であることが好ましく、0.20質量部以上であることがより好ましい。
本実施形態では、(d)成分のリン酸エステル化合物のリン原子と、ITO基板のインジウム原子が親和性を有することにより、ITO基板に対する密着性が向上すると推察している。また、リン酸エステル化合物に水酸基(−OH)が含有されている場合、水酸基はガラス表面の二酸化珪素SiOに親和性を有するため、シランカップリング剤による表面処理を施すことなしに、ガラス基板に対するに密着性を向上させることができると考えられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(e)シラン化合物を0〜1000質量ppm含有する。シラン化合物の含有量は0〜500質量ppmであることが好ましく、0〜100質量ppmであることがより好ましく、0〜50質量ppmであることがさらに好ましく、0質量ppmであることが特に好ましい。
本実施形態で使用する感光性樹脂組成物には、上述した(a)〜(d)成分の他に、必要に応じて、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を配合してもよい。
感光性樹脂層3は、上述した感光性樹脂組成物の溶液を塗布、乾燥することにより形成できる。溶剤としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が使用できる。
溶液中の固形分含有率は、10〜60質量%程度とすることが好ましい。
感光性樹脂組成物の溶液を、支持フィルム1上に形成した導電膜2上に塗布、乾燥する。但し、この場合、乾燥後の感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
感光性樹脂層3の厚さは、用途により異なるが、乾燥後の厚さで0.5〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、0.5〜10μmであることが特に好ましい。この厚さが1μm未満では塗工が困難となる傾向があり、50μmを超えると光透過の低下による感度が不充分となり転写する感光性樹脂層の光硬化性が低下する傾向がある。
本実施形態の感光性導電フィルムにおいて、導電膜2及び感光性樹脂層3の積層体は、両層の合計厚さを1〜10μmとしたときに、450〜650nmの波長域における光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。導電膜及び感光性樹脂層がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での視認性が向上する。
本実施形態の感光性導電フィルムにおいて、感光性樹脂層3の支持フィルム1側と反対側の面に接するように保護フィルムを積層することができる。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルムとして上述の支持体フィルムと同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルムと感光層との間の接着力は、保護フィルムを感光層から剥離しやすくするために、感光層4と支持フィルム1との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
<導電パターンの形成方法>
本実施形態の導電パターンの形成方法は、基板上に設けられた感光性樹脂層と導電膜にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、感光性樹脂層と導電膜の未露光部を除去することにより導電パターンを形成する現像工程とを含む。
感光性樹脂層は、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及びリン酸エステル化合物を含有する。
本発明の導電パターンの形成方法の一実施形態を、図3を用いて説明する。
導電パターンの形成には、図3(a)に示す積層体を用いることができる。図3(a)の積層体は、基板20上に、感光性樹脂層3と導電膜2を含む感光層4、及び支持フィルム1を有する感光性導電フィルム10が設けられている。
なお、この積層体は、例えば、上述した本発明の感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が基板20と接するように基板20上にラミネートすることにより得ることができる。
まず、感光性導電フィルム10上にマスク5を設け、マスク5を介して、感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)に活性光線Lをパターン状に照射する(露光工程:図3(b))。次に、現像により未硬化部分(未露光部分)を除去することにより、導電パターン(導電膜)2aを形成する(現像工程:図3(c))。
ここで、前記の方法で得られる導電パターンは、導電膜2aの厚さに加えて樹脂硬化層3bの厚さを有している。これらの厚さは基板との段差Hbとなる。段差Hbが大きいと、ディスプレイ等に要求される平滑性が得られにくくなるおそれがあり、また、導電パターンが視認されやすくなるおそれがあるので、用途によって下記の方法(図4)と使い分けることができる。
なお、導電パターンは本発明の感光性導電フィルムを用いて形成することが好ましいが、これに限られず、例えば、基板上に感光性樹脂層と導電膜を別々に形成後、露光、現像することにより形成してもよい。
本発明の導電パターンの形成方法の別の実施形態を、図4を用いて説明する。
図4に示す方法において、支持フィルム1を有する感光層4の所定部分に活性光線を照射する露光工程(第1の露光工程:図4(b))までは前記の製造方法と同じである。
第1の露光工程の後に、支持フィルム1を剥離してから、酸素存在下で、第1の露光工程での露光部及び未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する(第2の露光工程:図4(c))。これにより、基板20上に、導電パターン2aとともに導電膜が形成されていない樹脂硬化層3aが設けられることにより、基板上に導電パターンのみを設けた図3(c)の場合に比べて、導電パターンの段差を小さくすることができる(図4(d)に示す段差Ha)。
なお、基板20の材質、ラミネート条件等は上記特許文献2及び3を参照して設定することができる。
<導電パターン基板>
本実施形態に係る導電パターン基板は、上記の本実施形態に係る導電パターンの形成方法により形成される導電パターンを備える。
<タッチパネルセンサ>
本実施形態に係るタッチパネルセンサは、前記の本実施形態に係る導電パターン基板を備える。
図5は、静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。図5に示されるタッチパネルセンサは、透明基板101の片面にタッチ位置を検出するためのタッチ画面102があり、この領域に静電容量変化を検出して、X位置座標とする透明電極103と、Y位置座標とする透明電極104を備えている。これらのX、Y位置座標とするそれぞれの透明電極103、104には、タッチパネルとしての電気信号を制御するドライバー素子回路と接続するための引き出し配線105と、その引き出し配線105と透明電極103、104を接続する接続電極106が配置されている。さらに、引き出し配線105の接続電極106と反対側の端部には、ドライバー素子回路と接続する接続端子107が配置されている。
図6は、図5に示されるタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す模式図である。本実施形態においては、本実施形態に係る導電パターンの形成方法によって透明電極103、104が形成される。まず、図6(a)に示すように、透明基板101上に透明電極(X位置座標)103を形成する。具体的には、感光性導電フィルム10を感光性樹脂層が透明基板101に接するようラミネートする。転写した感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)に対し、所望の形状に遮光マスクを介してパターン状に活性光線を照射する(第一の露光工程)。その後、遮光マスクを除き、さらに支持フィルムを剥離したうえで感光層4に活性光線を照射する(第二の露光工程)。露光工程の後、現像を行うことで、硬化が不充分な感光性樹脂層3と共に、導電膜2が除去され、導電パターン2aが形成される。この導電パターン2aによりX位置座標を検知する透明電極103が形成される(図6(b))。図6(b)は、図6(a)のI−I切断面の模式断面図である。本発明に係る導電パターンの形成方法により透明電極103を形成することで、段差の小さな透明電極103を設けることができる。
続いて、図6(c)に示すように透明電極(Y位置座標)104を形成する。前記の工程により形成された透明電極103を備える透明基板101に、さらに、新たな感光性導電フィルム10をラミネートし、前記同様の操作により、Y位置座標を検知する透明電極104が形成される(図6(d))。図6(d)は、図6(c)のII−II切断面の模式断面図である。本実施形態に係る導電パターンの形成方法により透明電極104を形成することで、透明電極103上に透明電極104を形成する場合であっても、段差や気泡の捲き込みにより視認性が低下することを防ぎ、平滑性の高いタッチパネルセンサを作製することができる。
次に、透明基板101の表面に、外部回路と接続するための引き出し配線105と、この引き出し配線105と透明電極103、104を接続する接続電極106を形成する。図6では、引き出し配線105及び接続電極106は、透明電極103及び104の形成後に形成するように示しているが、各透明電極形成時に同時に形成してもよい。引き出し配線105は、例えば、フレーク状の銀を含有する導電ペースト材料を使って、スクリーン印刷法を用いて、接続電極106を形成するのと同時に形成することができる。
図7及び図8はそれぞれ、図5に示されるa−a’及びb−b’に沿った部分断面図である。これらは、XY位置座標の透明電極の交差部を示す。
図7及び図8に示されるように、透明電極が本実施形態に係る導電パターンの形成方法により形成されていることにより、段差が小さく平滑性の高いタッチパネルセンサを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1[銀繊維分散液の調製]
(1)ポリオール法による銀繊維の調製
2000mlの3口フラスコに、エチレングリコール500mlを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで撹拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl22mgを50mlのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO35gをエチレングリコール300mlに溶解した溶液と、重量平均分子量が4万のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mlに溶解した溶液とを、それぞれの滴下漏斗から1分間で滴下し、その後160℃で60分間撹拌した。
前記反応溶液が30℃以下になるまで放置してから、アセトンで10倍に希釈し、遠心分離機により2000min-1で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションした。沈殿物にアセトンを加え撹拌後に前記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションした。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を走査型電子顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は30nmで、繊維長は30μmであった。なお、前記の銀繊維の繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡観察の領域から無作為に100本の銀繊維を選び、これらの銀繊維の繊維径及び繊維長の測定結果に基づいて算出した平均値(算術平均値)である。
(2)銀繊維分散液の調製
純水に、前記(1)で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%の濃度となるように分散し、銀繊維分散液1を得た。
[感光性樹脂組成物の溶液の調製]
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液X1〜X4を調製した。
Figure 2017068158
(実施例1)
<感光性導電フィルムの作製>
上記銀繊維分散液1を、支持フィルムである厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名:G2−50)上に26g/m2で均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥し、室温(25℃)において1MPaの線圧で加圧することにより、支持フィルム上に銀繊維を含有する導電層を形成した。なお、走査型電子顕微鏡写真により測定したところ、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.1μmであった。
次に、支持フィルム上に形成された導電膜上に上記感光性樹脂組成物の溶液X1を均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。なお、走査型電子顕微鏡写真により測定したところ、感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。なお、走査型電子顕微鏡写真により測定したところ、感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。次に、感光性樹脂層を、ポリエチレン製のカバーフィルム(タマポリ株式会社製、商品名:NF−13)で覆い、感光性導電フィルムE1を得た。
<導電パターンの形成>
厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:コスモシャイン−A300(「コスモシャイン」は、登録商標。))の表面上に前記で得られた感光性導電フィルムE1の保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層をPETフィルムに対向させて、110℃、0.6m/min、0.4MPaの条件でラミネートした。
ラミネート後、PETフィルムを冷却し基板の温度が23℃になった時点で、感光特性調査用ステップタブレット(S/T;L/S=x/400、x=6〜47)マスクを被せ、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、60mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離し、100mJ/cm2の露光量で光照射した。
次に、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーすることにより現像した。さらにUV露光機により、1J/cm2の露光量を光照射した。
以上の操作により、導電パターンを形成した。
<感光特性評価>
抜け解像度の評価として、ライン/スペース(L/400μm)パターンのライン幅を測定した。ライン幅が細い程、抜け解像性が高い。結果を表2に示す。
<密着性評価>
ITOフィルム基板上に前記で得られた感光性導電フィルムE1の保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層をITO基板に対向させ、110℃、0.6m/min、0.4MPaの条件でラミネートした。
ラミネート後、ITOフィルムを冷却基板の温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、60mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離し、100mJ/cm2の露光量で光照射した。
次に、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーすることにより現像した。さらにUV露光機により、1J/cm2の露光量を光照射後、145℃60min加熱した。
ITO基板に対する感光性導電フィルムの密着性の判断基準として、ASTM D3359に準拠してクロスカット試験を行い、下記のごとく評価した。結果を表2に示す。
(密着性評価等級)
5B:全く剥がれない。
4B:剥がれた部分が5%未満
3B:剥がれた部分が5%以上15%未満
2B:剥がれた部分が15%以上35%未満
1B:剥がれた部分が35%以上65%未満
0B:剥がれた部分が65%以上
<耐水性評価(膨れ試験)>
図9に示す構成を用いて膨れの評価を行った。図9に示す構成を作製した条件を以下に示す。
厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:コスモシャイン−A300)の表面上に前記で得られた感光性導電フィルムE1の保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層をPETフィルムに対向させて、110℃、0.6m/min、0.4MPaの条件でラミネートした。
ラミネート後、PETフィルムを冷却基板の温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、60mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離し、100mJ/cm2の露光量で光照射した。
次にUV露光機により、1J/cm2の露光量を光照射し、PET、硬化した感光性樹脂層、導電膜の中間品Aを作製した(図9参照)。
一方で、ガラスに透明粘着フィルムをハンドローラーで貼り合わせた(中間品B)を作製した。
中間品Bの透明粘着剤のカバーフィルムを剥がし、透明粘着剤と中間品Aの導電膜が面するようにしてハンドローラーで中間品AとBを貼り合わせた。
作製したサンプルを浸漬するように水をいれ、恒温試験機(80℃)に投入し、48時間後に膨れの状態を観察した(観察面積:50×50mm)。
(比較例1〜3)
表1に示す感光性樹脂組成物の溶液を用いた。また、導電パターンの形成は比較例1では20mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離し、50mJ/cm2の露光量で光照射した。また、比較例2、3では60mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離し、100mJ/cm2の露光量で光照射した。ほかは実施例1と同様にして積層体を形成した。評価結果についても表2に示す。
Figure 2017068158
(実施例1)
光重合性化合物として二重結合濃度が1.0×10-2官能基数(二重結合)/分子量以下である日本化薬株式会社製、商品名:T−1420を用いた際、推奨露光量を高露光量側にシフトすることができた(1回目露光量:20→60mJ/cm2、2回目露光:50→100mJ/cm2)。
また、リン酸エステル化合物(日本化薬株式会社製、商品名:KAYAMER PM21)を添加した際、密着力評価であるクロスカット試験が0B→4Bに向上した。
さらに、シラン化合物の含有量が、前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して1000質量ppm以下にした際、耐水試験後の剥がれが改善した。
以上の結果より、本発明の感光性導電フィルムにおいて、感光性導電フィルムの樹脂層に、二重結合濃度が1.0×10-2官能基数(二重結合)/分子量以下である光重合性化合物を用いることで推奨露光量が高くなり、高照度露光機でも導電パターンを形成することができようになった。また、リン酸エステル化合物を添加することにより、感光性導電フィルムのITO基板に対する密着性を向上させることが可能であることが確認できた。
また、シラン化合物の含有量が、前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して1000質量ppm以下にしたことで耐水性が向上し、基材からの剥がれが改善した。
本発明の感光性導電フィルム及び導電パターンは、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成等に用いることができる。本発明のタッチパネルセンサは、液晶表示素子やタッチスクリーンに用いることができる。
1 支持フィルム
2 導電膜
2a 導電パターン(導電膜)
3 感光性樹脂層
3a,3b 樹脂硬化層
4 感光層
5 マスク
10 感光性導電フィルム
20 基板
101 透明基板
102 タッチ画面
103 透明電極(X位置座標)
104 透明電極(Y位置座標)
105 引き出し配線
106 接続電極
107 接続端子

Claims (9)

  1. 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)リン酸エステル化合物を含有し、(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する感光性導電フィルム。
  2. 前記(b)光重合性化合物は、二重結合濃度が1.0×10-2官能基数(二重結合)/分子量以下である請求項1に記載の感光性導電フィルム。
  3. 前記(d)リン酸エステル化合物の含有量が、前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して1.0質量部以下である請求項1又は2に記載の感光性導電フィルム。
  4. 前記導電膜が、導電性繊維を少なくとも一種含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
  5. 前記導電性繊維が、銀繊維である請求項4に記載の感光性導電フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
    前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
    前記支持フィルムを剥離後、露光した前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、
    を備える導電パターンの形成方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
    前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程と、
    前記支持フィルムを剥離後、酸素存在下で、前記第一の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程と、
    前記第二の露光工程の後に、前記感光性樹脂層と導電膜を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、
    を備える導電パターンの形成方法。
  8. 基板上に設けられた感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層の前記基板とは反対側の面に設けられた導電性繊維を含む導電膜の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
    前記感光性樹脂層と導電膜の未露光部を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを含み、
    前記感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)リン酸エステル化合物を含有し、(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する導電パターンの形成方法。
  9. 基板上に設けられた感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層の前記基板とは反対側の面に設けられた導電性繊維を含む導電膜の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程と、
    酸素存在下で、前記第一の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程と、前記第二の露光工程の後に、前記感光性樹脂層と導電膜を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを含み、
    前記感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)リン酸エステル化合物を含有し、(e)シラン化合物を前記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して0〜1000質量ppm含有する、導電パターンの形成方法。
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