以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る車両1の構成を示すブロック図であり、自動運転に関連する構成である。自動運転モードを搭載した車両1(自車)は、運転支援装置10、自動運転制御装置20、表示装置30、検出部40及び運転操作部50を備える。
表示装置30は、表示部31及び入力部32を含む。表示装置30は、カーナビゲーションシステム、ディスプレイオーディオ等のヘッドユニットであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末機器であってもよいし、専用のコンソール端末装置であってもよい。
表示部31は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイやヘッドアップディスプレイ(HUD)である。入力部32はユーザの入力を受け付けるユーザインタフェースである。表示部31と入力部32は一体化したタッチパネルディスプレイであってもよい。なお、タッチパネルまたはタッチパッド上での手の近接検知やホバー操作による指の位置検知を可能な近接タッチパネルのように、表示部から所定距離を離れた場所でのジェスチャ入力を受け付けられるものであってもよい。更に、入力部32は、マウス、スタイラスペン、トラックボール等のジェスチャ入力を補助する入力デバイスを備えていてもよい。また可視光または赤外線を発光するペンを使用してもよい。
なお、表示部31と入力部32が一体型のタッチパネルディスプレイではなく、物理的にセパレートであってもよい。例えば入力部32は、カメラ等のセンサを備え、空中ジェスチャ操作入力が可能な非接触型の入力デバイスであってもよい。例えば、対象を指さしでポイントし、親指と人差し指を近づけて閉じるジェスチャでドラッグ開始、親指と人差し指を離すジェスチャでドラッグ終了などの操作方法が考えられる。
運転支援装置10と表示装置30との間は、専用線やCAN(Controller Area Network)等の有線通信で接続されていても良いし、USB、Ethernet(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の有線通信または無線通信で接続されていても良い。
検出部40は、位置情報取得部41、センサ42、速度情報取得部43及び地図情報取得部44を含む。位置情報取得部41はGPS受信機から車両1の現在位置を取得する。センサ42は車外の状況および車両1の状態を検出するための各種センサの総称である。車外の状況を検出するためのセンサとして例えばカメラ、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、気温センサ、気圧センサ、湿度センサ、照度センサ等が搭載される。車外の状況とは、自車の走行する道路状況や天候を含む環境及び自車周辺を走行する他車の走行位置や走行状態が考えられる。なお、センサが検出できる車外の情報であれば何でもよい。また車両1の状態を検出するためのセンサとして例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、傾斜センサ等が搭載される。速度情報取得部43は車速センサから車両1の現在速度を取得する。地図情報取得部44は、地図データベースから車両1の現在位置周辺の地図情報を取得する。地図データベースは、車両1内の記録媒体に記録されていてもよいし、使用時にネットワークを介して地図サーバからダウンロードしてもよい。
検出部40と自動運転制御装置20との間は、専用線やUSB、Ethernet(登録商標)、CAN(Controller Area Network)等の有線通信で接続される。なお検出部40が取得および検出したデータを、検出部40から運転支援装置10に直接出力可能な構成であってもよい。
運転操作部50は、ステアリング51、ブレーキペダル52、アクセルペダル53、及びウインカスイッチ54を含む。本実施の形態に係る自動運転モードでは、加速、減速、操舵、及びウインカ点滅が自動運転制御装置20による自動制御の対象であり、図1にはそれらの制御を手動で行う際の操作部を描いている。なお運転者が手動で運転操作部50を少し動かした情報を運転支援装置10に出力してもよい。
ステアリング51は車両を操舵するための操作部である。運転者によりステアリング51が回転されると、ステアリングアクチュエータを介して車両の進行方向が制御される。ステアリングアクチュエータはステアリングECU(Electronic Control Unit)により電子制御が可能である。
ブレーキペダル52は車両1を減速させるための操作部である。運転者によりブレーキペダル52が踏まれると、ブレーキアクチュエータを介して車両が減速される。ブレーキアクチュエータはブレーキECUにより電子制御が可能である。
アクセルペダル53は車両1を加速させるための操作部である。運転者によりアクセルペダル53が踏まれると、アクセルアクチュエータを介してエンジン回転数および/またはモータ回転数が制御される。純粋なエンジンカーではエンジン回転数が制御され、純粋な電気自動車ではモータ回転数が制御され、ハイブリッドカーではその両方が制御される。アクセルアクチュエータはエンジンECUおよび/またはモータECUにより電子制御が可能である。
ウインカスイッチ54は、車両の進路を外部に通知するためのウインカを点滅させるための操作部である。運転者によりウインカスイッチ54がオン/オフされると、ウインカコントローラを介してウインカが点灯/消灯される。ウインカコントローラは、ウインカランプへの給電を制御するリレー等の駆動回路を備える。
ステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、モータECU、ウインカコントローラのそれぞれと自動運転制御装置20との間は、CANや専用線等の有線通信で接続される。ステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、モータECU、ウインカコントローラはそれぞれ、ステアリング、ブレーキ、エンジン、モータ、ウインカランプの状態を示す状態信号を自動運転制御装置20に送信する。
自動運転モードにおいて、ステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、モータECUは、自動運転制御装置20から供給される制御信号に応じて各アクチュエータを駆動する。手動運転モードにおいては、ステアリング51、ブレーキペダル52、アクセルペダル53のそれぞれから各アクチュエータに直接機械的に指示が伝達される構成であってもよいし、各ECUを介した電子制御が介在する構成であってもよい。ウインカコントローラは自動運転制御装置20から供給される制御信号、又はウインカスイッチ54からの指示信号に応じてウインカランプを点灯/消灯する。
自動運転制御装置20は、自動運転制御機能を実装した自動運転コントローラであり、制御部21、記憶部22及び入出力部23を備える。制御部21の構成はハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用でき、ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション、ファームウェア等のプログラムを利用できる。記憶部22は、フラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を備える。入出力部23は、各種の通信フォーマットに応じた各種の通信制御を実行する。
制御部21は、検出部40や各種ECUから収集した各種パラメータ値を自動運転アルゴリズムに適用して、車両1の進行方向等の自動制御対象を制御するための制御値を算出する。制御部21は算出した制御値を、各制御対象のECU又はコントローラに伝達する。本実施の形態ではステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、ウインカコントローラに伝達する。なお電気自動車やハイブリッドカーの場合、エンジンECUに代えて又は加えてモータECUに制御値を伝達する。
運転支援装置10は、車両1と運転者との間のインタフェース機能を実行するためのHMI(Human Machine Interface)コントローラであり、判定部11、生成部12、指示部13及び入出力部14を備える。判定部11、生成部12及び指示部13は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用でき、ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション、ファームウェア等のプログラムを利用できる。入出力部14は、各種の通信フォーマットに応じた各種の通信制御を実行する。入出力部14は、画像出力部14a、操作信号入力部14b、コマンド出力部14c、及び車両情報入力部14dを含む。画像出力部14aは、生成部12が生成した画像を表示部31に出力する。操作信号入力部14bは、入力部32に対してなされた運転者や乗員もしくは車外にいるユーザの操作による操作信号を受け付け、判定部11に出力する。コマンド出力部14cは、指示部13により指示されたコマンドを自動運転コントローラ20に出力する。車両情報入力部14dは、検出部40が取得した検出データや自動運転コントローラ20により生成された車両側の情報を受け付け、生成部12に出力する。
自動運転コントローラ20とHMIコントローラ10との間は直接、信号線で接続される。なおCANを介して接続する構成であってもよい。また自動運転コントローラ20とHMIコントローラ10を統合して1つのコントローラとする構成も可能である。
図2は、図1の検出部40、自動運転コントローラ20、HMIコントローラ10、表示部31、及び入力部32の基本シーケンスの一例を示す図である。検出部40は、自車位置情報、自車走行道路情報、及び自車周辺情報を検出して自動運転コントローラ20に出力する(P1)。自動運転コントローラ20は、検出部40から取得した自車位置情報、自車走行道路情報、及び自車周辺を走行する他車を含む自車周辺情報をHMIコントローラ10に出力する(P2)。HMIコントローラ10は、自動運転コントローラ20から取得した情報をもとに、自車と他車と自車の周辺状況を含む模式図を生成する(P3)。HMIコントローラ10は、生成した模式図を表示装置30に出力し、表示部31に表示させる(P4)。
表示部31に表示された模式図を見たユーザは、入力部32に接触する(P5)。表示部31は、接触を検出した座標データをHMIコントローラ10に出力する(P6)。HMIコントローラ10は、表示装置30から取得した座標データをもとにコマンドの種別を判定する(P7)。HMIコントローラ10は、一定時間が経過するまでは、追加入力の受け付けを行う(P8〜P12)。HMIコントローラ10はコマンドの判定後、コマンドの指示中であることを示す模式図を再生成する(P8)。HMIコントローラ10は、再生成した模式図を表示装置30に出力し、表示部31に表示させる(P9)。なおユーザの接触によるジェスチャ操作に該当するコマンドが存在しない場合は、エラーメッセージを含む模式図を生成して表示装置30に出力し、表示部31に表示させる。
コマンドの指示中であることを示す模式図を見たユーザが、入力部32に接触すると(P10)、表示部31は、接触を検出した座標データをHMIコントローラ10に出力する(P11)。HMIコントローラ10は、表示装置30から取得した座標データをもとに追加コマンド判定処理を実行する(P12)。HMIコントローラ10は、追加コマンド処理(P12)で新たなコマンドの入力がなかった場合は、P7で判定したコマンドを自動運転コントローラ20に発行する(P13、P14)。追加コマンド処理(P12)で新たなコマンドが入力された場合は、新たなコマンドを自動運転コントローラ20に発行する。新たに入力されたコマンドがキャンセルコマンドであった場合は、コマンド発行を取りやめる。新たなコマンドによる元のコマンドの上書き・キャンセル処理は、自動運転コントローラ20で行ってもよく、その場合、HMIコントローラ10は、P7、P12におけるコマンド判定処理後に自動運転コントローラ20へコマンドの送信を行い、自動運転コントローラ20内部の状態に応じて上書き・キャンセル処理を行う。
検出部40は定期的に、自車位置情報、自車走行道路情報、及び自車周辺情報を検出して自動運転コントローラ20に出力する(P15)。自動運転コントローラ20は当該情報をもとに、HMIコントローラ10から発行されたコマンドにより指示された制御が実行可能であるか否か判定する(P16)。実行可能である場合、自動運転コントローラ20は制御開始通知をHMIコントローラ10に出力する(P17)。HMIコントローラ10は制御開始通知を受けると、制御中であることを示すメッセージを含む模式図を再生成する(P18)。HMIコントローラ10は、再生成した模式図を表示装置30に出力し、表示部31に表示させる(P19)。図示しないが、自動運転コントローラ20が、検出部40や各種ECUから収集した各種パラメータ値を自動運転アルゴリズムに適用して、発行されたコマンドを遂行するための車両1の進行方向等の自動制御対象となる運転操作部50を制御する具体的な制御値を算出し、各制御対象のECU又はコントローラに伝達する。運転操作部50は具体的な制御値に基づき動作する。運転操作部50は、所定の制御値または検出部40の検出データが所定値(範囲)になり、自動運転コントローラ20が、発行されたコマンドの条件に満たしたと判断したら、コマンド実行完了と判断する。
HMIコントローラ10は、自動運転コントローラ20から制御完了通知を受けると、制御が完了したことを示すメッセージを含む模式図を生成して表示装置30に出力する。なお、ユーザから操作を受け付けない期間は、操作を受け付けないことを示すメッセージを含む模式図を生成して表示装置30に出力する。
図3は、図1のHMIコントローラ10の処理を説明するための基本フローチャートの一例を示す図である。HMIコントローラ10の判定部11は、運転モードが自動運転モードか手動運転モードであるかをチェックする(S1)。手動運転モードの場合(S2のN)、処理を終了する。自動運転モードの場合(S2のY)、以下のように処理される。
検出部40から自動運転コントローラ20に入力されるセンサ情報は随時更新されている(S3)。HMIコントローラ10の生成部12は、自動運転コントローラ20から入力される自車位置情報、自車走行道路情報、及び自車周辺を走行する他車を含む自車周辺情報を基に自車と他車と自車の周辺状況を含む模式図を生成し、生成した模式図を表示部31に描画する(S4)。判定部11は受付モードが、ユーザからの操作を受付可能な受付可モードか、ユーザからの操作を受付不可な受付不可モードであるかをチェックする(S5)。受付不可モードである場合(S6のN)、処理を終了する。受付可モードである場合(S6のY)、判定部11は入力部32に対するユーザによる接触があるか否か判定する(S7)。接触がない場合(S8のN)、後述する一定時間経過判定処理(S12)を実行する。接触がある場合(S8のY)、判定部11は、ユーザによるジェスチャ操作入力に応じて制御コマンドを決定する(S9)。この決定処理の詳細は後述する。
ステップS9で決定された制御コマンドがキャンセルコマンドでない場合(S10のN)、生成部12は表示部31にコマンド指示中を表示する(S11)。制御コマンドが決定されてから一定時間経過すると(S12のY)、ステップS9で決定された制御コマンドがある場合(S13のY)、表示部31に操作受付不可を表示し(S14)、判定部11は受付モードを受付可モードから受付不可モードに更新し(S15)、指示部13は、決定された制御コマンドを自動運転コントローラ20に出力する(S16)。一定時間が経過するまでは(S12のN)、ステップS3に遷移する。
ステップS10において、決定された制御コマンドがキャンセルコマンドである場合(S10のY)、キャンセルを表示し(S110)、処理を終了する。ステップS13において、ステップS9で決定された制御コマンドがない場合、入力エラーを表示し(S111)、処理を終了する。自動運転コントローラ20は、検出部40から自車位置情報、自車走行道路情報、及び自車周辺情報を定期的に検出している。周辺状況は刻々と変化するため、制御コマンドが自動運転コントローラ20に出力された後、制御コマンドが実行不能と判断される場合がある。例えば、追従指示後に、自車と他車の間に別の車が割り込んできた場合などである。自動運転コントローラ20により制御コマンドが実行可能と判断された場合(S17のY)、生成部12は表示部31に制御中であることを表示し(S18)、タイマを発動してカウントを開始する(S19)。自動運転コントローラ20により制御不能と判断された場合(S17のN)、生成部12は表示部31に制御不能エラーを表示する(S112)。
図4は、受付モードの更新処理を説明するためのフローチャートである。HMIコントローラ10の判定部11は、タイマのカウント値が設定値(例えば、10秒)に到達すると(S113のY)、受付モードを受付不可モードから受付可モードに更新する(S114)。なお、タイマのカウント値は自車の周辺状況に応じて変更してもよい。なお判定部11は、自動運転コントローラ20から制御完了を示す通知を受信するか、車両1の挙動から、制御コマンドに応じた制御が完了したと判断したとき、受付モードを受付不可モードから受付可モードに更新してもよい。
以下、本実施の形態では制御コマンドとして、追従走行を指示する制御コマンドが発行される例を説明する。追従走行とは、先行車と一定の車間距離を保ちながら走行する走行形態である。追従走行は後続車の風圧を軽減でき、後続車の燃費を向上させる効果がある。ユーザは、入力部32に対して追従走行を指示するジェスチャ操作を入力する。当該ジェスチャ操作の具体例は後述する。
図5は、図3のステップS9において追従走行を指示するジェスチャ操作が入力される場合の判定処理の一例を示すフローチャートである。HMIコントローラ10の判定部11は、接触開始位置に自車マークが存在するか否か判定する(S9a)。自車マークが存在しない場合(S9aのN)、判定部11は追従指示以外のその他の制御コマンドと判定する(S9b)。自車マークが存在する場合(S9aのY)、生成部12は、ドロップ可能エリアを模式図内に描画し、表示部31に表示させる(S9c)。ドロップ可能エリアの具体例は後述する。
判定部11は、入力部32で発生したタッチイベントを受信し(S9d)、タッチイベントの種別を判定する(S9e)。タッチイベントの種別が移動であった場合(S9eの移動)、生成部12は車両1の予測軌道/ルートの候補を模式図内に描画し、表示部31に表示させる(S9f)。
タッチイベントの種別が接触終了であった場合(S9eの接触終了)、判定部11は、接触終了位置が他車マーク上であるか否か判定する(S9g)。他車マーク上にある場合(S9gのY)、判定部11は他車マークが、自車マークが位置するレーンと同一レーン上に位置するか否か判定する(S9h)。他車マークが同一レーン上に位置する場合(S9hのY)、判定部11は追従指示コマンドと判定する(S9i)。他車マークが同一レーン上に位置しない場合(S9hのN)、判定部11は自車の進行方向と他車の進行方向が、同一進行方向であるか否か判定する(S9j)。同一進行方向である場合(S9jのY)、判定部11は他車マークが位置するレーンへの車線変更指示コマンドと判定する(S9k)。同一進行方向でない場合(S9jのN)、生成部12は表示部31にエラーメッセージを表示させる(S9l)。
ステップS9gにおいて接触終了位置が他車マーク上にない場合(S9gのN)、判定部11は、他車マークの座標と接触開始時の座標の距離と、他車マークの座標と接触終了時の座標の距離が異なるか否か判定する(S9m)。両者の距離が同じ場合(S9mのN)、判定部11は追従指示以外のその他の制御コマンドと判定する(S9n)。両者の距離が異なる場合(S9mのY)、判定部11は他車に追従走行中であるか否か判定する(S9o)。追従走行中でない場合(S9oのN)、判定部11は目標速度変更指示コマンドと判定する(S9p)。追従走行中である場合(S9oのY)、判定部11は車間距離変更指示コマンドと判定する(S9q)。
以下、追従時に使用されるジェスチャ操作の具体例を説明する。以下の例では表示部31及び入力部32が一体化したタッチパネルディスプレイを使用することを想定する。
図6は、ジェスチャ操作により追従指示コマンドを発行する第1処理例を示すフローチャートである。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S40)。タッチイベント(DOWN)は、タッチパネルに対する指やペンによる非接触状態から接触状態への変化を表すイベントである。判定部11は、タッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S41)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S41のN)、追従指示でないと判定して処理を終了する。
自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S41のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S42)。タッチイベント(MOVE)は、タッチパネルのある点に対する指やペンによる接触状態から、別の点に対する接触状態への変化を表すイベントである。その後、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(UP)を受信する(S43)。タッチイベント(UP)は、タッチパネルに対する指やペンによる接触状態から非接触状態への変化を表すイベントである。
判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された座標が他車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S44)。他車アイコンの表示エリアの内部である場合(S44のY)、指示部13は、当該他車アイコンに係る他車に追従走行するための追従指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S45)。生成部12は模式図内の自車アイコンと他車アイコンの間に、自車が他車を追従走行中であることを示す追従アイコンを表示させる(S46)。タッチイベント(UP)が検出された座標が他車アイコンの表示エリアの外である場合(S44のN)、追従指示コマンドでないと判定して処理を終了する。
図7(a)−(c)は、図6のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。図7(a)に示す模式図には、同一レーン上に自車アイコンV1と他車アイコンV2が表示されている。なお自車、他車、及び道路を含む周辺状況の表示形態には様々な表示形態が考えられる。実写映像を用いてもよいし、精緻なCG画像やアニメーション画像を用いてもよい。自車の表示もアイコンに限らず、よりシンプルなマークや文字で表示されてもよいし、実写映像で表示されてもよい。即ち、何らかの表示形態で画面内にオブジェクト表示されればよい。他車の表示についても同様である。
運転者が他車に追従走行したい場合、図7(a)に示すように自車アイコンV1をドラッグし、図7(b)に示すように他車アイコンV2上に自車アイコンV1をドロップする。これにより追従指示コマンドが発行され、図7(c)に示すように自車アイコンV1と他車アイコンV2の間に、自車が他車を追従走行中であることを示す追従アイコンF1が表示されるようになる。
図8は、ジェスチャ操作により追従指示コマンドを発行する第2処理例を示すフローチャートである。第2処理例は他車アイコンをドラッグ&ドロップする例である。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S40)。判定部11は、タッチイベント(DOWN)が検出された座標が他車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S47)。他車アイコンの表示エリアの外である場合(S47のN)、追従指示でないと判定して処理を終了する。
他車アイコンの表示エリアの内部である場合(S47のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S42)。その後、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(UP)を受信する(S43)。判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S48)。自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S48のY)、指示部13は、当該他車アイコンに係る他車に追従走行するための追従指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S45)。生成部12は模式図内の自車アイコンと他車アイコンの間に、自車が他車を追従走行中であることを示す追従アイコンを表示させる(S46)。タッチイベント(UP)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの外である場合(S48のN)、追従指示コマンドでないと判定して処理を終了する。
図9(a)−(c)は、図8のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が他車に追従走行したい場合、図9(a)に示すように他車アイコンV2をドラッグし、図9(b)に示すように自車アイコンV1上に他車アイコンV2をドロップする。これにより追従指示コマンドが発行され、図9(c)に示すように自車アイコンV1と他車アイコンV2の間に、自車が他車を追従走行中であることを示す追従アイコンF1が表示されるようになる。追従アイコンF1はバネや紐といった自車と他車の紐付け状態を表すアイコンや二者を指す矢印であってもよいし、追従中などの文字説明であってもよい。また、表示位置は自車アイコンと他車アイコンの間以外であってもよい。
図10は、ジェスチャ操作により追従指示コマンドを発行する第3処理例を示すフローチャートである。第3処理例は他車を自車に追従させる例である。ステップS40からステップS48までの処理は、図8のフローチャートと同じである。タッチイベント(UP)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S48のY)、指示部13は、当該他車アイコンに係る他車を自車に追従させるための他車追従指示コマンドを、当該他車に車車間通信を介して送信する(S49)。例えば車車間通信として、ITS(Intelligent Transport Systems)に準拠した車車間通信を使用することができる。タッチイベント(UP)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの外である場合(S48のN)、他車追従指示コマンドを送信しない。
他車のHMIコントローラ10は当該他車追従指示コマンドを受信し、当該他車の運転者の操作に従い「追従する」または「追従しない」を、コマンド送信先のHMIコントローラ10に返信する。自車のHMIコントローラ10の判定部11は、他車から「追従する」との応答を受信したか否か判定する(S410)。受信した場合(S410のY)、生成部12は模式図内の自車アイコンと他車アイコンの間に、他車が自車を追従走行中であることを示す追従アイコンを表示させる(S46)。他車から「追従する」を受信しない場合(S410のN)、他車追従走行は成立せず、ステップS46の処理はスキップされる。
図11は、ジェスチャ操作により追従指示コマンドを発行する第3処理例の変形例を示すフローチャートである。変形例では図10のフローチャートのステップS49の処理が、ステップS411の処理に置き換わる。即ち、タッチイベント(UP)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S48のY)、指示部13は、当該他車アイコンに係る他車を自車に追従させるための他車追従指示コマンドを、当該他車に中継装置を介して送信する(S411)。中継装置は路側機であってもよいし、インターネット上の中継サーバであってもよい。前者の例として、ITSに準拠した路車間通信を利用することができ、自車と路側機間の路車間通信と、路側機と他車間の路車間通信を介して他車追従指示コマンドを自車から他車に送信する。
図12(a)−(c)は、図10、図11のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が他車(後続車)を自車に追従走行させたい場合、図12(a)に示すように他車アイコンV2をドラッグし、図12(b)に示すように自車アイコンV1上に他車アイコンV2をドロップする。これにより他車追従指示コマンドが発行され、他車追従走行が成立すると、図12(c)に示すように自車アイコンV1と他車アイコンV2の間に、他車が自車を追従走行中であることを示す追従アイコンF1が表示されるようになる。なお、追従指示コマンドを発行するためのジェスチャ操作として、上記以外の自車アイコンと他車アイコンを紐付ける操作であってもよい。
図13は、ジェスチャ操作により追従走行中の車間距離を変更する追従車間距離変更指示コマンドを発行する第1処理例を示すフローチャートである。当該処理例では自車が他車にまたは他車が自車に追従走行中であることを前提とする。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルから2点のタッチイベント(DOWN)を受信する(S412)。判定部11は、第1のタッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S413)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S413のN)、車間距離変更指示でないと判定して処理を終了する。
第1のタッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S413のY)、判定部11は、第2のタッチイベント(DOWN)が検出された座標が他車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S414)。他車アイコンの表示エリアの外である場合(S414のN)、車間距離変更指示でないと判定して処理を終了する。
第2のタッチイベント(DOWN)が検出された座標が他車アイコンの表示エリアの内部である場合(S414のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S415)。その後、判定部11はタッチパネルから2点のタッチイベント(UP)を受信する(S416)。判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された第3の座標と第4の座標間の距離と、タッチイベント(DOWN)が検出された第1の座標と第2の座標間の距離とを比較する(S417)。両者の距離が異なる場合(S417のY)、指示部13は、追従走行中の自車と他車間の距離を変更するための追従車間距離変更指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S418)。生成部12は模式図内の自車アイコンと他車アイコンとの車間距離を変更する(S419)。両者の距離が同じ場合(S417のN)、車間距離変更指示でないと判定して処理を終了する。
図14(a)−(c)は、図13のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が追従走行中の自車と他車との車間距離を変更したい場合、図14(a)に示すように自車アイコンV1と他車アイコンV2に2本の指でタッチする。その状態から図14(b)に示すようにピンチインすると、自車と他車との車間距離を短くする車間距離変更指示コマンドが発行される。変更後の車間距離は自車アイコンV1と他車アイコンV2間の距離に応じて決定される。図14(c)は車間距離変更後の模式図を示しており、図14(a)と比較して自車アイコンV1と他車アイコンV2との車間距離が短くなっている。なお、自車アイコンV1と他車アイコンV2を2本の指でタッチした状態からピンチアウトすると、自車と他車との車間距離を長くする車間距離変更指示コマンドが発行される。
図15は、ジェスチャ操作により追従走行中の車間距離を変更する追従車間距離変更指示コマンドを発行する第2処理例を示すフローチャートである。当該処理例でも自車が他車にまたは他車が自車に追従走行中であることを前提とする。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルから2点のタッチイベント(DOWN)を受信する(S420)。判定部11は、自車アイコンの位置(第1の座標)と他車アイコンの位置(第2の座標)を結ぶ線上に、2点のタッチイベント(DOWN)が検出された座標があるか否か判定する(S421)。ない場合(S421のN)、車間距離変更指示でないと判定して処理を終了する。
上記の線上に2点のタッチイベント(DOWN)が検出された座標がある場合(S421のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S422)。その後、判定部11はタッチパネルから2点のタッチイベント(UP)を受信する(S423)。判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された第5の座標と第6の座標間の距離と、タッチイベント(DOWN)が検出された第3の座標と第4の座標間の距離とを比較する(S424)。両者の距離が異なる場合(S424のY)、指示部13は、追従走行中の自車と他車間の距離を変更するための追従車間距離変更指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S425)。生成部12は模式図内の自車アイコンと他車アイコンとの車間距離を変更する(S426)。両者の距離が同じ場合(S424のN)、車間距離変更指示でないと判定して処理を終了する。
図16(a)−(c)は、図15のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が追従走行中の自車と他車との車間距離を変更したい場合、図16(a)に示すように自車アイコンV1と他車アイコンV2との仮想線L1上の2点を2本の指でタッチする。その状態から図16(b)に示すようにピンチインすると、自車と他車との車間距離を短くする車間距離変更指示コマンドが発行される。変更後の車間距離は自車アイコンV1と他車アイコンV2間の距離に応じて決定される。図16(c)は車間距離変更後の模式図を示しており、図16(a)と比較して自車アイコンV1と他車アイコンV2との車間距離が短くなっている。なお、自車アイコンV1と他車アイコンV2との仮想線L1上の2点を2本の指でタッチした状態からピンチアウトすると、自車と他車との車間距離を長くする車間距離変更指示コマンドが発行される。また図16(a)−(b)では仮想線L1を模式図内に表示しているが、仮想線L1を表示しない例も可能である。なお、車間距離変更指示コマンドを発行するためのジェスチャ操作として、2本指でのピンチ操作以外の1本指での操作であってもよく、自車アイコンと他車アイコンの距離を変更する操作であればよい。
図17は、ジェスチャ操作により追従走行中の2台の車両の位置を入れ替えるコマンドを発行する処理例を示すフローチャートである。当該処理例では自車が他車に追従走行中であることを前提とする。ステップS412からステップS416までの処理は、図13のフローチャートと同じである。判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された第3の座標と第4の座標間の中心点が、タッチイベント(DOWN)が検出された第1の座標と第2の座標間の中心点と同じであるか否か判定する(S427)。同じである場合(S427のY)、指示部13は、自車が他車に追従している追従走行を解除するための追従解除指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S428)。それと共に、指示部13は、他車を自車に追従させるための他車追従指示コマンドを、車車間通信を介して当該他車に送信する(S429)。なお中継装置を介して他車追従指示コマンドを当該他車に送信してもよい。生成部12は模式図内の自車(追従車)アイコンと他車(被追従車)アイコンを入れ替える(S430)。ステップS427において2つの中心点の位置が異なる場合(S427のN)、追従走行中の車両入替指示でないと判定して処理を終了する。
図18(a)−(c)は、図17のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が追従走行中の自車と他車の位置を入れ替えたい場合、図18(a)に示すように自車アイコンV1と他車アイコンV2を2本の指でタッチする。その状態から図18(b)に示すように、自車アイコンV1と他車アイコンV2を入れ替えるように2本の指を回転させる。これにより追従走行中の自車と他車の位置を入れ替えるためのコマンドが発行される。図18(c)は車両入替後の模式図を示しており、図18(a)と比較して自車アイコンV1と他車アイコンV2の位置が逆になっている。なお図18(a)−(b)では仮想線L1と、自車アイコンV1と他車アイコンV2の中心点C2を模式図内に表示しているが、仮想線L1と中心点C2を表示しない例も可能である。追従走行の順番を定期的に入れ替えることにより、自車と他車の燃費を平準化できる。なお、追従関係変更指示コマンドを発行するためのジェスチャ操作として、上記以外の自車アイコンと他車アイコンの追従関係を入れ替える操作であってもよい。また、入れ替えボタンを自車アイコンまたは他車アイコンまたはそれらの間に表示し、入れ替えボタンを押すことで自車アイコンと他車アイコンを入れ替えてもよい。さらに、追従関係になってから、自動運転コントローラ20で定期的に入れ替える制御をしてもよい。
図19は、ジェスチャ操作により自車と他車との車間距離を設定する車間距離設定指示コマンドを発行する第1処理例を示すフローチャートである。この処理例は追従走行を指示する段階でも、追従走行が成立した後の車間距離変更の段階にも適用できる。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S431)。判定部11は、タッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S432)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S432のN)、車間距離設定指示でないと判定して処理を終了する。
自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S432のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S433)。生成部12は、自車と他車との車間距離を模式図内に表示する(S434)。タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信しない間(S435のN)、ステップS433に遷移し、タッチイベント(MOVE)の受信と車間距離情報の表示を継続する(S433、S434)。即ち、自車アイコンと他車アイコンとの距離が変更されるに従い、生成部12は模式図内の車間距離情報をリアルタイムに更新する。
タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信すると(S435のY)、判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された座標が、自車アイコンと同一車線上であり、他車アイコンの後方であるか否か判定する(S436)。同一車線上の他車アイコンの後方である場合(S436のY)、指示部13は、自車アイコンと他車アイコンとの距離に応じた車間距離を設定するための車間距離設定指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S437)。生成部12は模式図内に、設定された車間距離情報を表示する(S438)。タッチイベント(UP)が検出された座標が、同一車線上の他車アイコンの後方でない場合(S436のN)、車間距離設定指示でないと判定して処理を終了する。
図20(a)−(c)は、図19のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が自車と他車との車間距離を設定したい場合、図20(a)に示すように自車アイコンV1をドラッグして、図20(b)に示すように自車アイコンV1を上方向または下方向に移動させる。ドラッグ中は車間距離表示用のポップアップウインドウP1が表示される。図20(c)に示すように自車アイコンV1をドロップすると、車間距離設定指示コマンドが発行される。ポップアップウインドウP1内に車間距離を設定する旨のメッセージが表示され、その後、ポップアップウインドウP1が消去される。
図21は、ジェスチャ操作により自車と他車との車間距離を設定する車間距離設定指示コマンドを発行する第2処理例を示すフローチャートである。この処理例は、追従走行が成立した後の車間距離変更の段階に適用できる。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S439)。判定部11は、タッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S440)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S440のN)、車間距離設定指示でないと判定して処理を終了する。
自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S440のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S441)。判定部11は、タッチイベント(MOVE)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S442)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S442のN)、ステップS441に遷移し、タッチイベント(MOVE)の受信を継続する。
タッチイベント(MOVE)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S442のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(UP)を受信する(S443)。即ち、自車アイコンを起点とするフリック入力を検出する。指示部13は、自車と他車との現在の車間距離を一定の値、短くした又は長くした車間距離を設定するための車間距離設定指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S444)。生成部12は模式図内に、設定された車間距離情報を表示する(S445)。
図22(a)−(c)は、図21のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が自車と他車との車間距離を設定したい場合、図22(a)に示すように自車アイコンV1を起点としてフリックする。自車アイコンV1がフリックされると図22(b)に示すように現在の車間距離から除く、又は現在の車間距離に加える距離を含むポップアップウインドウP1が表示され、車間距離設定指示コマンドが発行される。その後、図22(c)に示すようにポップアップウインドウP1内に、変更後の車間距離を設定する旨のメッセージが表示され、所定時間経過後、ポップアップウインドウP1が消去される。図22(a)−(b)では自車アイコンV1を左側にフリックすることにより車間距離を10m短くしている。自車アイコンV1を右側にフリックすると、車間距離を10m長くできる。
図23は、ジェスチャ操作により追越走行を解除するための追従解除コマンドを発行する第1処理例を示すフローチャートである。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S446)。判定部11は、タッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S447)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S447のN)、追従解除指示でないと判定して処理を終了する。
自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S447のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S448)。タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信しない間(S449のN)、ステップS448に遷移し、タッチイベント(MOVE)の受信を継続する。タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信すると(S449のY)、判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された座標が、自車アイコンと同一車線上であり、他車アイコンの後方であるか否か判定する(S450)。同一車線上の他車アイコンの後方である場合(S450のY)、指示部13は、追従解除指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S451)。生成部12は模式図内の追従アイコンを消去する(S452)。タッチイベント(UP)が検出された座標が、同一車線上で他車アイコンの後方でない場合(S450のN)、追従解除指示でないと判定して処理を終了する。
図24(a)−(b)は、図23のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が追従走行を解除したい場合、図24(a)に示すように自車アイコンV1を起点として他車アイコンV2と同一車線上で離れる方向にフリックする。自車アイコンV1が当該方向にフリックされると、追従解除指示コマンドが発行される。その後、図24(b)に示すように、追従走行を解除する旨のメッセージを含むポップアップウインドウP1が表示され、所定時間経過後、消去される。また追従アイコンF1も消去される。なお、自車アイコンV1を他車アイコンV2と離れる方向にフリックする代わりに、他車アイコンV2を自車アイコンV1から離れる方向にフリックすることにより、追従解除指示コマンドが発行する形態でもよい。
図25は、ジェスチャ操作により追越走行を解除するための追従解除コマンドを発行する第2処理例を示すフローチャートである。ステップS446からステップS448までの処理は、図23のフローチャートと同じである。タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信すると(S448)、判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された座標が、追従アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S453)。追従アイコンの表示エリアの外である場合(S453のN)、ステップS448に遷移し、タッチイベント(MOVE)の受信を継続する。追従アイコンの表示エリアの内部である場合(S453のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(UP)を受信したか否か判定する(S449)。受信しない場合(S449のN)、追従解除指示でないと判定して処理を終了する。受信した場合(S449のY)、指示部13は、追従解除指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S451)。生成部12は模式図内の追従アイコンを消去する(S452)。
図26(a)−(b)は、図25のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が追従走行を解除したい場合、図26(a)に示すように追従アイコンF1を横切るようにスワイプする。これにより追従解除指示コマンドが発行される。その後、図26(b)に示すように、追従走行を解除する旨のメッセージを含むポップアップウインドウP1が表示され、所定時間経過後、消去される。また追従アイコンF1も消去される。なお、追従解除指示コマンドを発行するために、上記以外の自車アイコンと他車アイコンの紐付けを取り消す操作であってもよい。
図27は、ACC(Adaptive Cruise Control)モードと追従モードを選択可能な車両における模式図の表示例を示すフローチャートである。本実施の形態ではACCモードは設定された速度で定速走行することを主目的とするモードとし、追従モードは先行車と設定された車間距離を保ちながら走行することを主目的とするモードである。
HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S454)。判定部11は、タッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S455)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S455のN)、表示処理せずに終了する。
自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S455のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S456)。判定部11はACCモードがON状態であるか否か判定する(S457)。ON状態である場合(S457のY)、生成部12は、自車の現在の車速を模式図内に表示する(S458)。ON状態でない場合(S457のN)、生成部12は、自車と他車との車間距離を模式図内に表示する(S459)。タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信しない間(S460のN)、ステップS456に遷移し、ステップS457からステップS459までの処理を継続する。
タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信すると(S460のY)、判定部11は、タッチイベント(UP)が検出された座標が、自車アイコンと同一車線上であり、他車アイコンの後方であるか否か判定する(S461)。同一車線上で他車アイコンの後方である場合(S461のY)、生成部12は模式図内に、設定された車速情報または車間距離情報を表示する(S462)。タッチイベント(UP)が検出された座標が、同一車線上で他車アイコンの後方でない場合(S461のN)、設定された車速情報または車間距離情報を表示せずに終了する。
図28(a)−(f)は、図27のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。図28(a)−(c)は自車がACCモードに設定されている場合の例である。運転者が車速を設定したい場合、図28(a)に示すように自車アイコンV1をドラッグし、図28(b)に示すように自車アイコンV1を上方向または下方向に移動させる。例えば、上方向で速度アップ、下方向で速度ダウンする。ドラッグ中は車速表示用のポップアップウインドウP1が表示される。図28(c)に示すように自車アイコンV1をドロップすると、車速設定指示コマンドが発行される。ポップアップウインドウP1内に車速を設定する旨のメッセージが表示され、その後、ポップアップウインドウP1が消去される。
図28(d)−(f)は自車が追従モードに設定されている場合の例である。運転者が車間距離を設定したい場合、図28(d)に示すように自車アイコンV1をドラッグし、図28(e)に示すように自車アイコンV1を上方向または下方向に移動させる。例えば、上方向で車間距離が短くなり、下方向で車間距離が長くなる。ドラッグ中は車間距離表示用のポップアップウインドウP1が表示される。図28(f)に示すように自車アイコンV1をドロップすると、車間距離設定指示コマンドが発行される。ポップアップウインドウP1内に車間距離を設定する旨のメッセージが表示され、その後、ポップアップウインドウP1が消去される。
図29は、ジェスチャ操作により追従指示コマンドを発行する第4処理例を示すフローチャートである。第4処理例は自車アイコンをドラッグした後、模式図の縮尺を変更する例である。HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S463)。判定部11は、タッチイベント(DOWN)が検出された座標が自車アイコンの表示エリアの内部であるか否か判定する(S464)。自車アイコンの表示エリアの外である場合(S464のN)、追従指示でないと判定して処理を終了する。
自車アイコンの表示エリアの内部である場合(S464のY)、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE)を受信する(S465)。判定部11はタッチパネルに表示されている画面内の模式図に他車(先行車)アイコンが含まれているか否か判定する(S466)。画面内の模式図に他車(先行車)アイコンが含まれていない場合(S466のN)、生成部12は、模式図に他車(先行車)アイコンが含まれるよう模式図の縮尺を変更する(小さくする)(S467)。画面内の模式図に他車(先行車)アイコンが含まれている場合(S466のY)、ステップS467の処理をスキップする。タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信しない間(S468のN)、ステップS465に遷移し、ステップS465からステップS467までの処理を継続する。タッチパネルからタッチイベント(UP)を受信すると(S468のY)、指示部13は、縮尺変更指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S469)。生成部12は、設定された縮尺で模式図を表示する(S470)。
図30(a)−(b)は、図29のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。図30(a)に示すように運転者が自車アイコンV1をドラッグした際、画面に表示された模式図内に他車アイコンが存在しない場合、図30(b)に示すように他車アイコンV2が模式図内に含まれるようになるまで、模式図の縮尺を小さくする。他車アイコンV2上にドロップすると、追従指示コマンドが発行される。これにより、他車を簡単に見つけられ、より早く追従指示コマンドを発行でき、燃費の節約につながる。
図31は、ジェスチャ操作により隊列走行を指示する隊列指示コマンドを発行する処理例を示すフローチャートである。本実施の形態では隊列走行とは、3台以上の車両が一列に並んでそれぞれ同じ車間距離を保ちながら走行する走行形態をいう。隣り合う2台の車両の関係は追従走行と同じである。
HMIコントローラ10の判定部11は、タッチパネルからタッチイベント(DOWN)を受信する(S471)。その後、判定部11はタッチパネルからタッチイベント(MOVE/UP)を受信する(S472)。判定部11はタッチイベントの種類を判定する(S473)。タッチイベントの種類が「MOVE」である場合(S473のMOVE)、判定部11は、タッチイベント(MOVE)の座標をワークエリアに記憶する(S474)。その後、ステップS472の遷移し、タッチイベント(MOVE/UP)の受信を継続する。
タッチイベントの種類が「UP」である場合(S473UP)、判定部11はワークエリアを参照して、タッチイベント(MOVE)の座標が閉鎖域を形成しているか否か判定する(S474)。閉鎖域を形成している場合(S474のY)、判定部11は閉鎖域内に、自車アイコンを含む複数の車両アイコンが含まれるか否か判定する(S475)。複数の車両アイコンが含まれる場合(S475のY)、指示部13は隊列指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S476)。それと共に指示部13は、閉鎖域内の複数の他車アイコンに係る複数の他車のそれぞれに隊列指示コマンドを車車間通信を介して(または中継装置を介して)送信する(S478)。なお閉鎖域内に含まれる他車アイコンが1つの場合、隊列指示コマンドの代わりに追従指示コマンドが発行および送信される。ステップS474においてタッチイベント(MOVE)の座標が閉鎖域を形成していない場合(S474のN)、及びステップS475において閉鎖域に複数の車両アイコンが含まれない場合(S475のN)、隊列指示でないと判定して処理を終了する。
図32(a)−(d)は、図31のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が自車と他車2台を含む3台で隊列走行したい場合、図32(a)に示すように自車アイコンV1と2つの他車アイコンV2、V3を囲むように指示点を動かして、指示点をその起点まで戻すことにより閉鎖域A1を形成する。閉鎖域A1が形成されると隊列指示コマンドが発行され、図32(b)に示すように自車と他車2台を含む3台による隊列走行が成立する。隣接する車両アイコン間V1、V2、V3には、それぞれ追従アイコンF1、F2が表示される。
次に別の例を説明する。運転者が自車と他車2台を含む3台で隊列走行したい場合、図32(c)に示すように、矩形の範囲指定ウインドウA2で自車アイコンV1と2つの他車アイコンV2、V3を選択する。範囲指定操作が完了すると隊列指示コマンドが発行され、図32(d)に示すように自車と他車2台を含む3台による隊列走行が成立する。隣接する車両アイコン間V1、V2、V3には、それぞれ追従アイコンF1、F2が表示される。
図33は、ジェスチャ操作により追従指示コマンドを発行する第5処理例を示すフローチャートである。第5処理例は確定操作を求める例である。ステップS40からステップS44までの処理は、図6のフローチャートと同じである。
タッチイベント(UP)が検出された座標が、他車アイコンの表示エリアの内部である場合(S44のY)、判定部11が確定ジェスチャの入力を受け付けると(S485のY)、指示部13は、当該他車アイコンに係る他車に追従走行するための追従指示コマンドを自動運転コントローラ20に発行する(S45)。生成部12は模式図内の自車アイコンと他車アイコンの間に、自車が他車を追従走行中であることを示す追従アイコンを表示させる(S46)。確定ジェスチャの入力がない間は(S485のN)、コマンドの発行が保留される。
図34(a)−(c)は、図33のフローチャートに係るジェスチャ操作の一例を示す図である。運転者が他車に追従走行したい場合、図34(a)に示すように自車アイコンV1をドラッグし、図34(b)に示すように他車アイコンV2上に自車アイコンV1を移動させる。自車アイコンV1が移動されると確認用ボタンC1が表示される。図34(c)に示すように確認用ボタンC1が押下されると追従指示コマンドが発行され、追従走行が成立すると、自車アイコンV1と他車アイコンV2との間に追従アイコンF1が表示されるようになる。
図35(a)−(d)は、自車アイコンV1をドラッグしてから他車アイコンV2上にドロップするまでの間の表示例を示す図である。運転者が他車に追従走行したい場合、図35(a)に示すように自車アイコンV1をドラッグする。自車アイコンV1をドラッグしてから他車アイコンV2上にドロップするまでの間、図35(b)に示すように自車アイコンの元の位置に残像(点線の丸印など)V1aを表示させる。図35(c)に示すように自車アイコンV1が他車アイコンV2上にドロップされると、残像V1aが消去される。図35(d)に示すように追従走行が成立すると、自車アイコンV1と他車アイコンV2との間に追従アイコンF1が表示されるようになる。
図36(a)−(c)は、自車アイコンV1をドラッグしてから他車アイコンV2上にドロップするまでの間の別の表示例を示す図である。図36(a)は、自車アイコンV1をドラッグしてから他車アイコンV2上にドロップするまでの間、道路エリアの周辺にドロップエリアを表示する例である。図36(a)では道路エリアの上下左右に、取り消し用ドロップエリアD1、自宅にリルート用ドロップエリアD2、左折用ドロップエリアD3、右折用ドロップエリアD4がそれぞれ表示される。運転者はドロップエリアD1〜D4のいずれかに自車アイコンV1をドロップすることにより、対応する操作を行うことができる。なおドロップエリアには、上記操作以外の操作を表示してもよく、例えば、ガソリンスタンドへのリルート、パーキングエリアへのリルート、サービスエリアへのリルート、追越、車線変更、ACC、目標速度の加減速等の操作指示を表示してもよい。道路はすべて取り消し用ドロップエリアとしてもよい。
図36(b)は、自車アイコンV1をドラッグしてから他車アイコンV2上にドロップするまでの間、道路など背景の色を変更(反転、薄くなど)し、ドロップが完了したら、元の色に戻す例である。図36(c)は、自車アイコンV1をドラッグしてから他車アイコンV2上にドロップするまでの間、ドラッグ開始位置からドラッグ中の移動軌道(点線など)T1を表示し、ドロップが完了したら、軌道T1を消す例である。
図37(a)−(c)は、ドロップ不可エリアなどがある場合における、自車アイコンV1のドラッグ中の表示例を示す図である。運転者が他車に追従走行したい場合、図37(a)に示すように自車アイコンV1をドラッグする。自車アイコンV1をドラッグした後において、ドロップ不可エリア(追従を拒否している車両、反対車線など)があったり、状況により追従操作が不可なとき、自車アイコンV1の色を変更(反転、薄くなど)する。他車アイコンV2へのドロップが不可の場合において、図37(b)に示すように自車アイコンV1を他車アイコンV2上にドロップすると、図37(c)に示すように自車アイコンV1が元の位置に戻され、「追従操作不可エリアです。」といったエラーメッセージを含むポップアップウインドウP3が表示される。
図38(a)−(c)は、ドロップ不可エリアなどがある場合における、自車アイコンV1のドラッグ中の別の表示例を示す図である。図38(a)は、自車アイコンV1をドラッグした後において、追従操作が不可なとき、道路など背景の色を変更する例である。追従操作が可能な状況になれば、元の色に戻す。図38(b)は、自車アイコンV1をドラッグした後において、ドロップ不可エリアの色を変更(反転、薄くなど)する例である。図38(c)は、自車アイコンV1をドラッグした後において、ドロップ不可エリアがあったり、追従操作が不可だったりするとき、エラー音や振動を通知する。
図39(a)−(b)は、ドラッグ操作を不可とする場合における表示例を示す図である。運転者が他車に追従走行したい場合、図39(a)に示すように自車アイコンV1のドラッグ開始時において、操作開始不可な場合、図39(b)に示すように自車アイコンV1の色を変更し、ドラッグ操作(アイコンの移動)ができない状態とする。さらに、「追従操作不可エリアです。」といったエラーメッセージを含むポップアップウインドウP3を表示する。
図40(a)−(b)は、ドラッグ操作を不可とする場合における別の表示例を示す図である。図40(a)は、自車アイコンV1のドラッグ開始時において、操作開始不可な場合、道路など背景の色を変更する例である。追従操作が可能な状況になれば、元の色に戻す。図40(c)は、自車アイコンV1のドラッグ開始時において、操作開始不可な場合、ドラッグ操作ができない状態で、エラー音や振動を通知する。
自車アイコンをドロップしてから追従走行が成立するまでの間、生成部12は自車の状態をゴースト表示し、かつ自車の軌道を表示してもよい。また自車アイコンをドロップしてから追従走行が成立するまでの間、生成部12は自車アイコンの表示状態(点滅、色変更、サイズ、位置等)を変更してもよい。また自車アイコンをドロップしてから追従走行が成立するまでの間、判定部11は、追加操作で次の指示をキューイング(現在の制御が完了後に行われる制御の予約)してもよい。自車アイコンをドロップしてから追従走行が成立するまでの間、信号待ちなどで一時的に追従操作が不可の場合、生成部12は、追従制御が成立するまで「トライ中」表示をしてもよい。自車アイコンをドラッグ中、または、ドロップしてから追従走行が成立するまでの間、生成部12はドロップしてから追従走行が成立するまでの予想所要時間や所要残時間を表示したりするようにしてもよい。一時的に追従走行制御が不可の場合、可能になるまで制御を続けるか、あきらめて制御を中止するか、あらかじめ設定できるようにしてもよい。
以上説明したように本実施の形態によれば、タッチパネルに表示されたアイコンをジェスチャで移動させることにより、自動運転コントローラ20に種々の操作内容を伝達することができる。アイコンのジェスチャ操作は簡単な操作であり、運転者がステアリング51を回す、アクセルペダル53を踏み込むなどの従来の運転操作から解放される。例えば、自車アイコンと他車アイコンを含む模式図を表示し、自車アイコンを他車アイコン上に移動させることにより、簡易に追従走行の指示ができる。運転者は、周辺状況の確認と操作指示をタッチパネル上で同時に行うことができるため、視線移動が発生しない。従って、誤操作する可能性が低下し、より安全な運転を実現できる。なお、制御コマンドに対応するジェスチャ操作について、ドラッグアンドドロップなどで説明したが、タッチアンドタッチであってもよい。予め決められた操作であればよいが、運転者がカスタマイズ可能にしてもよい。また、表示部31にて、ジェスチャ操作と制御コマンドの対応関係が分かるように、説明文やアイコンや矢印を表示したりガイドの表示や音声によるガイダンスをしたりしてもよい。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、HMIコントローラ10は専用のLSIで実装する例を想定したが、表示装置30として使用するスマートフォンやタブレット等の携帯機器内のCPUを用いてHMIコントローラ10の機能を実現してもよい。この場合、表示装置30として使用する携帯機器と自動運転コントローラ20とが直接接続されることになる。またHMIコントローラ10の機能を、カーナビゲーション装置やディスプレイオーディオ等のヘッドユニット内のCPUで実現してもよい。またHMIコントローラ10を実装した専用のLSIをヘッドユニット内に含める構成でもよい。
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
[項目1]
表示部(31)に、自車を表す自車オブジェクトと他車を表す他車オブジェクトを含む画像を出力する画像出力部(14a)と、
前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離を変更するユーザの操作を受け付ける操作信号入力部(14b)と、
前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離が所定の距離以下の場合、一方の車両が他方の車両に追従走行することを指示するコマンドを、自動運転の制御を行う自動運転制御部(20)に出力するコマンド出力部(14c)と、
を備えることを特徴とする運転支援装置(10)。
これにより、ユーザが追従走行を指示する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目2]
前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトを前記他車オブジェクトの位置に移動させるユーザの操作、または前記他車オブジェクトを前記自車オブジェクトの位置に移動させるユーザの操作を前記操作信号入力部(14b)が受け付けると、前記コマンド出力部(14c)は、前記追従走行することを指示するコマンドを前記自動運転制御部(20)に出力することを特徴とする項目1に記載の運転支援装置。
これにより、ユーザが追従走行を指示する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目3]
前記追従走行すること/させることを通知するための無線信号を、車車間通信または中継装置を介して前記他車に通知する通知部(14)をさらに備えることを特徴とする項目1または2に記載の運転支援装置(10)。
これにより、自車を他車に追従することを通知する、または他車を自車に追従走行させることを通知する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目4]
前記追従走行している状態において、前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離を変更するユーザの操作を前記操作信号入力部(14b)が受け付けると、前記コマンド出力部(14c)は、前記自車と前記他車との車間距離を変更することを指示するコマンドを前記自動運転制御部(20)に出力することを特徴とする項目1に記載の運転支援装置(10)。
これにより、追従走行中の車間距離を変更する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目5]
前記追従走行している状態において、前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとを結ぶ仮想線上の2点間の距離を変更するユーザの操作を前記操作信号入力部(14b)が受け付けると、前記コマンド出力部(14c)は、前記自車と前記他車との車間距離を変更することを指示するコマンドを前記自動運転制御部(20)に出力することを特徴とする項目1に記載の運転支援装置(10)。
これにより、追従走行中の車間距離を変更する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目6]
前記自車と前記他車との車間距離を変更することを通知するための無線信号を、車車間通信または中継装置を介して前記他車に通知する通知部(14)をさらに備えることを特徴とする項目4または5に記載の運転支援装置(10)。
これにより、車間距離の変更を他車に通知する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目7]
前記追従走行している状態において、前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトを入れ替えるユーザの操作を前記操作信号入力部(14b)が受け付けると、前記コマンド出力部(14c)は、一方の車両が他方の車両に追従走行する状態から他方の車両が一方の車両に追従走行する状態に切り替えることを指示するコマンドを前記自動運転制御部(20)に出力することを特徴とする項目1に記載の運転支援装置(10)。
これにより、追従走行中の車両の順番を入れ替える操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目8]
前記追従走行している状態において、前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトまたは前記他車オブジェクトを、前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとを結ぶ仮想線の外に移動させるユーザの操作を前記操作信号入力部(14b)が受け付けると、前記コマンド出力部(14c)は、前記追従走行を解除することを指示するコマンドを前記自動運転制御部(20)に出力することを特徴とする項目1に記載の運転支援装置(10)。
これにより、追従走行を解除する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目9]
前記追従走行している状態において、前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとを結ぶ仮想線を、指示点で交差させるユーザの操作を前記操作信号入力部(14b)が受け付けると、前記コマンド出力部(14c)は、前記追従走行を解除することを指示するコマンドを前記自動運転制御部(20)に出力することを特徴とする項目1に記載の運転支援装置(10)。
これにより、追従走行を解除する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目10]
前記画像出力部(14a)は、前記追従走行している状態において、前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの間に追従走行していることを表す追従オブジェクトを含む画像を前記表示部(31)に出力することを特徴とする項目1から9のいずれかに記載の運転支援装置(10)。
これにより、ユーザが追従走行中であることを直感的に認識できるようになる。
[項目11]
前記追従オブジェクトは、バネまたは紐のオブジェクトであることを特徴とする項目10に記載の運転支援装置(10)。
これにより、ユーザが追従走行中であることを直感的に認識できるようになる。
[項目12]
画像を表示する表示装置(30)と、
前記表示装置(30)に画像を出力する運転支援装置(10)と、を備え、
前記運転支援装置(10)は、
前記表示装置(30)に、自車を表す自車オブジェクトと他車を表す他車オブジェクトを含む画像を出力する画像出力部(14a)と、
前記表示装置(30)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離を変更するユーザの操作を受け付ける操作信号入力部(14b)と、
前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離が所定の距離以下の場合、一方の車両が他方の車両に追従走行することを指示するコマンドを、自動運転の制御を行う自動運転制御部(20)に出力するコマンド出力部(14c)と、
を含むことを特徴とする運転支援システム(10、30)。
これにより、ユーザが追従走行を指示する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目13]
表示部(31)に、自車を表す自車オブジェクトと他車を表す他車オブジェクトを含む画像を出力するステップと、
前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離を変更するユーザの操作を受け付けるステップと、
前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離が所定の距離以下の場合、一方の車両が他方の車両に追従走行することを指示するコマンドを、自動運転の制御を行う自動運転制御部(20)に出力するステップと、
を備えることを特徴とする運転支援方法。
これにより、ユーザが追従走行を指示する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目14]
表示部(31)に、自車を表す自車オブジェクトと他車を表す他車オブジェクトを含む画像を出力する処理と、
前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離を変更するユーザの操作を受け付ける処理と、
前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離が所定の距離以下の場合、一方の車両が他方の車両に追従走行することを指示するコマンドを、自動運転の制御を行う自動運転制御部(20)に出力する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする運転支援プログラム。
これにより、ユーザが追従走行を指示する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。
[項目15]
表示部(31)に、自車を表す自車オブジェクトと他車を表す他車オブジェクトを含む画像を出力する画像出力部(14a)と、
前記表示部(31)に表示された画像内の前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離を変更するユーザの操作を受け付ける操作信号入力部(14b)と、
前記自車オブジェクトと前記他車オブジェクトとの距離が所定の距離以下の場合、一方の車両が他方の車両に追従走行することを指示するコマンドを出力するコマンド出力部(14c)と、
前記出力されたコマンドを実行する自動運転制御部(20)と、
を備えることを特徴とする自動運転車両(1)。
これにより、ユーザが追従走行を指示する操作を直感的かつ簡便に行うことができる。