JP2017014051A - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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Hiroichi Hiwatari
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Abstract

【課題】ガラス基板の一端を挟持した状態で熱処理した場合であっても、ガラス基板の破損を抑制することができるガラス基板の製造方法等を提供する。【解決手段】ディスプレイ用のガラス基板の熱処理工程を含むガラス基板の製造方法であって、熱処理工程は、ガラス基板の平面が鉛直方向になるようにガラス基板の一端を、耐熱性を有する挟持部材により複数の位置で挟持する挟持工程と、挟持されたガラス基板を熱処理することにより、ガラス基板の熱収縮率を低下させる処理工程と、を備え、挟持部材は、熱処理に耐性を有し、金属、又は、合金を繊維化した繊維化部材からなる。【選択図】 図6

Description

本発明は、ガラス基板の熱処理工程を含むガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
近年、ディスプレイパネルの分野では、画質の向上のために画素の高精細化が進展している。この高精細化の進展に伴って、ディスプレイパネルに用いるガラス基板にも寸法精度が高いことが望まれている。例えば、ディスプレイパネルの製造工程中に、ガラス基板が高温で熱処理されても寸法が変化しにくいように、熱収縮の小さいガラス基板が求められている。
一般に、ガラス基板の熱収縮率は、ガラスの歪点が高いほど小さくなる。このため、熱収縮率を抑制するために、歪点が高くなるようにガラス組成を変更する方法が知られている(特許文献1)。しかし、歪点が高くなるようにガラス組成を変更すると、熔解温度が高くなる傾向にあり、ガラス基板の製造が難しくなるという問題がある。
特表2014−503465
ガラス基板製造の困難性を招くことなく、ガラス基板の熱収縮を低減させる方法として、フュージョン法等により成形したシートガラスを切断することで得たガラス基板をオフラインにおいて熱処理(オフラインアニール処理)する方法がある。熱収縮のばらつきを抑制するために、ガラス基板の平坦性が維持されるようガラス基板の一端を挟持して、ガラス基板の平面が鉛直方向になるように保持しつつ熱処理する方法がある。しかし、ガラス基板の一端を挟持した状態で熱処理すると、挟持部分が変形し、ガラス基板が破損、又は、ガラス基板を挟持できずに落下するおそれがある。
そこで、本発明は、ガラス基板の一端を挟持した状態で熱処理した場合であっても、ガラス基板の破損を抑制することができるガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ディスプレイ用のガラス基板の熱処理工程を含むガラス基板の製造方法であって、
前記熱処理工程は、
前記ガラス基板の平面が鉛直方向になるように前記ガラス基板の一端を、耐熱性を有する挟持部材により複数の位置で挟持する挟持工程と、
前記挟持されたガラス基板を熱処理することにより、前記ガラス基板の熱収縮率を低下させる処理工程と、を備え、
前記挟持部材は、前記熱処理に耐性を有し、金属、又は、合金を繊維化した繊維化部材からなる、
ことを特徴とする。
前記繊維化部材は、ステンレス鋼、クロム合金、及び、ニッケル合金から選ばれた一種、又は、それらの組合せからなる合金鋼を繊維化した部材からなる、ことが好ましい。
前記挟持工程では、摩擦係数が0.3〜0.6からなる前記挟持部材により、前記ガラス基板の割れを抑制するよう3kgから12kgの範囲の挟持力によりガラス基板を挟持し、前記ガラス基板の重量G、および前記挟持部材により前記ガラス基板を挟持する数Nが、以下の式を満たす、ことが好ましい。
式:(G/N)<(挟持力3kg〜12kg)×(摩擦係数0.3〜0.6)
前記挟持部材が前記ガラス基板と接触することにより、前記ガラス基板に付着する金属異物が10個/m以下である、ことが好ましい。
本発明の他の態様は、ディスプレイ用のガラス基板の熱処理装置を含むガラス基板の製造装置であって、
前記熱処理装置は、
前記ガラス基板の平面が鉛直方向になるように前記ガラス基板の一端を、耐熱性を有する挟持部材により複数の位置で挟持する挟持部と、
前記挟持されたガラス基板を熱処理することにより、前記ガラス基板の熱収縮率を低下させる処理部と、を備え、
前記挟持部材は、前記熱処理に耐性を有し、金属、又は、合金を繊維化した繊維化部材からなる、
ことを特徴とする。
上述のガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置によれば、ガラス基板の一端を挟持した状態で熱処理した場合であっても、ガラス基板の破損を抑制することができる。
本実施形態のガラス基板の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の熱処理工程で用いられる熱処理炉の内部構造を説明する図である。 本実施形態の搬送工程を説明する図である。 クランプに把持されたガラス基板を側方から見て示す図である。 クランプに把持されたガラス基板を正面から見て示す図である。 クランプとガラス基板とが接触する部分を拡大した図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の流れを示すフローチャートである。製造されるガラス基板は、特に制限されないが、例えば縦寸法及び横寸法のそれぞれが500mm〜3500mmであることが好ましい。ガラス基板の厚さは、0.1mm〜1.1mm、より好ましくは0.75mm以下の極めて薄い矩形形状の板であることが好ましい。
まず、熔融されたガラスが、例えばフュージョン法あるいはフロート法等の公知の方法により、所定の厚さの帯状ガラスであるシートガラスが成形される(ステップS1)。
次に、成形されたシートガラスが所定の長さの素板であるガラス基板に採板される(ステップS2)。採板により得られたガラス基板は、搬送機構によりピンチング保持されつつ、熱処理炉に搬送され(ステップS3)、次工程のアニーリング(熱処理)工程(ステップS4)までレールに誘導されて搬送される。次に、この搬送されたガラス基板に対して熱処理を行なう(ステップS4)。このステップS3の処理およびステップS4の処理が本実施形態のアニーリング工程である。アニーリング工程の詳細については後述する。
熱処理後のガラス基板は切断工程に搬送され、製品のサイズに切断され、ガラス基板が得られる(ステップS5)。得られたガラス基板には、端面の研削、研磨およびコーナカットを含む端面加工が行われた後、ガラス基板は洗浄される(ステップS6)。洗浄されたガラス基板はキズ、塵、汚れあるいは光学欠陥を含む傷が無いか、光学的検査が行われる(ステップS7)。検査により品質の適合したガラス基板は、ガラス基板を保護する紙と交互に積層された積層体としてパレットに積載されて梱包される(ステップS8)。梱包されたガラス基板は納入先業者に出荷される。
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。つまり、以下のガラス組成のガラス基板が製造されるように、熔融ガラスの原料が調合される。
SiO2 55〜80モル%、
Al23 8〜20モル%、
23 0〜12モル%、
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)。
SiO2は60〜75モル%、さらには、63〜72モル%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10モル%、CaOが0〜15モル%、SrOが0〜10%、BaOが0〜10%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、モル%表示のB23の含有率の2倍とモル%表示のROの含有率の合計は、30モル%以下、好ましくは10〜30モル%であることが好ましい。
また、上記ガラス組成のガラス基板におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、0モル%以上0.4モル%以下であってもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5モル%含み、As、Sb及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。さらに、本実施形態で製造されるガラス基板は、高精細ディスプレイに用いるLTPS(Low-temperature poly silicon)・IGZO(Indium-Gallium-Zinc-Oxide)・TFTディスプレイ用ガラス基板として特に好適である。
本実施形態における熔融ガラスからシートガラスを成形する方法として、フロート法やフュージョン法等が用いられるが、本実施形態のガラス基板のオフラインにおける熱処理を含むガラス基板の製造方法では、フュージョン法(オーバーダウンドロー法)において製造ライン上の徐冷装置を長くすることが困難である点から、フュージョン法に適している。本実施形態の熱処理により熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率は、500℃、10分で熱処理した場合において、80ppm以下であり、より好ましくは40ppm〜60ppmである。
(熱処理炉の構成)
本実施形態の熱処理工程(S4)は、図2に示す熱処理炉を用いて行われる。図2は、熱処理炉1の内部構造を説明する図である。搬送工程も、熱処理炉1を用いて行われる。
熱処理炉1は、ガラス板Gが搬入されるよう開口された入口3と、炉1内を通過したガラス板Gが搬出されるよう開口された出口5と、入口3と出口5とを炉1内で接続するように延びる搬送路7と、を有している。ガラス板Gの搬送方向は、図2において左方から右方に向かう方向であり、矢印Aで示す方向である。なお、図2では、便宜のため、入口3と出口5の間の熱処理炉1の部分を省略している。
ガラス板Gは、熱処理炉1の上流側を、主表面が上下方向を向いた状態で搬送され、入口3において、図示されない吸着機構によって、主表面が吸着され支持されながら、主表面が搬送方向を向くよう立てられる。
ガラス板Gは、出口5において、図示されない他の吸着機構によって、主表面が吸着され支持されながら、主表面が上下方向を向くよう寝かせられる(倒される)。寝かせられたガラス板Gは、熱処理炉1の下流側において、主表面が上下方向を向いた状態で搬送される。
搬送路7は、搬送方向に3つに分けてなる3つの区間を有しており、ガラス板Gが3つの区間を搬送されることで、ガラス板Gに対し、昇温、キープ、降温の各熱処理が順に行われる。3つの区間は、温度、ガラス板Gが搬送される時間等の熱処理条件は異なるが、装置構成は同様である。なお、図2には、昇温区間7a、降温区間7cの各一部が示され、後で参照する図3には、キープ区間7bの一部が示される。
熱処理炉1は、搬送路7上で複数のガラス基板Gを搬送する搬送ユニットと、搬送されるガラス基板Gに対し熱処理を行う熱処理ユニットと、を備える。
(a)搬送ユニット
搬送ユニットは、搬送工程を行うためのものであり、搬送されるガラス板Gの搬送方向の両側に掛け渡された2本のチェーンベルト(搬送ベルト)21(図3参照)と、チェーンベルト21とともに搬送方向に移動する複数のバー23と、バー23に取り付けられた複数のクランプ25と、駆動機構(図示せず)と、を有している。
チェーンベルト21は、例えば、搬送方向の両端のそれぞれにおいて複数のローラに架け渡され、図2に示されるように駆動される。なお、図2には、便宜のため、搬送方向の上流側の複数のローラのうちの一部のローラのみを示す。チェーンベルト21は、図3に示すように、搬送されるガラス板Gの幅方向の両端のそれぞれと対応するよう1本ずつ設けられ(図3参照)、搬送工程の間、駆動機構によって駆動される。駆動機構は、チェーンベルト21の搬送方向の両端が掛け渡される軸、および、軸を回転駆動させるためのモータを有しており、不図示の操作装置を操作することによって駆動および駆動停止される。図3は、本実施形態の搬送工程を説明する図である。図3では、チェーンベルト21のうちの搬送方向に移動する部分を示し、搬送方向と反対方向に移動する部分を省略している。また、図3では、説明の便宜のため、クランプ25の図示を省略し、バー23およびガラス板Gを、互いに間隔をあけた状態で示している。
搬送されるガラス基板Gを挟んでチェーンベルト21と対向する位置には、熱処理炉1の底部を構成するベルト27が、搬送方向にわたって掛け渡されている。ベルト27は、熱処理工程(S4)の間は駆動されないが、必要に応じて不図示の操作装置を操作して駆動させることができる。ベルト27には、例えば、厚み方向に貫通する開孔が面方向に並ぶよう形成されたメッシュベルトが用いられる。メッシュベルトを用いることによって、熱処理工程において送風されるダウンフローの熱風をメッシュベルトを通過させて下方に流すことができ、熱風の下方向への流れを安定させることができる。
バー23は、例えば金属を材質とする板状部材である。バー23は、搬送工程において、長手方向の両端が、搬送方向に移動するチェーンベルト21の部分に載置され、チェーンベルト21に追従するように搬送方向に移動する。バー23には、クランプ25が取り付けられており、熱処理炉1の入口3において、把持機構4によってガラス基板Gがクランプ25に把持されることでガラス基板Gはバー23に吊り下げられる。図4、図5に、バー23およびクランプ25をより詳細に示す。図4は、クランプ25に把持されたガラス基板Gを側方から見て示す図である。図5は、クランプ25に把持されたガラス基板Gを正面から見て示す図である。ガラス基板Gを吊り下げたバー23は、搬送路7においてガラス基板Gを所定の間隔(ピッチ)で搬送するために、搬送路7の上流側の端に配置されたロード機構8によって、1本ずつ、互いに間隔をあけてチェーンベルト21に載置される。これによって、ガラス基板Gは、バー23を介してチェーンベルト21に吊り下げられた状態で搬送(縦吊り搬送)される。ガラス基板Gの間隔は、狭いほど、生産性は高くなるが、熱風の熱がガラス基板Gによって奪われやすくなる。本実施形態の製造方法では、後述するようにガラス基板Gの面内での熱収縮率のばらつきを低減できることから、ガラス基板Gの間隔が狭い場合にも好適である。ガラス基板Gの間隔は、生産性およびガラス基板同士の接触防止の観点から、20〜200mmであることが好ましく、より好ましくは50〜150mmである。なお、図2および図4では、説明の便宜のため、複数のガラス基板Gの間隔を詰めて示す。
ガラス基板Gを吊り下げたバー23は、搬送路7の下流側の端に配置されたアンロード機構9によって、チェーンベルト21から取り外され、熱処理炉1の出口5において、抜き取り機構6によってガラス基板Gはクランプ25から抜き取られる。
クランプ25は、ガラス基板Gの上端部を把持する部材である。クランプ25は、特に制限されないが、例えば、バネ力によってガラス基板Gの両主表面を挟むバネクランプを採用することができる。クランプ25は、図5に示すように、ガラス基板Gの一端を、複数の位置でクランプ(挟持)する。1つのバー23に取り付けられるクランプ25の数は、1つであってもよいが、搬送中のガラス基板Gの姿勢をより安定させるために、2つ以上であることが好ましい。2つ以上のクランプ25がバー23に取り付けられている場合、クランプ25は、バー23に対し幅方向にスライドできるよう構成されていることが好ましい。金属材料で構成されたバー23は、ガラス基板Gよりも熱膨張率が高く幅方向に延びやすい。このため、クランプ25がバー23に対して幅方向に移動することで、バー23が熱膨張してもガラス基板Gの上端部に撓みや変形が生じるのを防止することができる。
図6は、クランプ25とガラス基板Gとが接触する部分を拡大した図である。クランプ25は、同図に示すように、ガラス基板Gと接触する部分について接触挟持部材25aを備える。クランプ25は、熱処理炉1に搬入されるため、熱処理炉1内での熱処理温度(例えば、400℃〜600℃)に耐えられる熱耐性を有し、接触挟持部材25aについても、同様の熱耐性を有する。接触挟持部材25aは、金属、又は、合金を繊維化した部材、より具体的には、ステンレス鋼又はこれに類似する合金鋼を繊維化した部材からなる。接触挟持部材25aは、例えば、SUS316L(ステンレス鋼材)、SUS304(ステンレス鋼材)を、繊維化し、綾織りした構成からなるクロス形状、又は、綾織り構成後に帯状にしたテープ形状のステンレス鋼繊維である。接触挟持部材25aとして、具体的にはナスロン(登録商標)が用いられる。また、接触挟持部材25aは、クロム合金、及び、ニッケル合金から選ばれた一種、又は、それらの組合せからなる合金鋼を繊維化した部材であってもよい。このため、接触挟持部材25aは、ステンレス鋼、クロム合金、及び、ニッケル合金から選ばれた一種、又は、それらの組合せからなる合金鋼を繊維化した部材からなる。また、接触挟持部材25aは、耐熱性を有する繊維フェルト部材、例えば、耐熱性を有するカーボンフェルト、シリカフェルト、アルミナフェルト、チラノフェルト、及び、金属フェルトから選ばれた一種、又は、それらの組合せからなる部材であってもよい。ここで、繊維フェルト部材とは、短繊維により編みこまれた部材であり、繊維径が20μm以下であり、空隙率が50%以上からなる部材である。繊維フェルト部材は、合金鋼と比べて部材から発塵しやすいが、ガラス基板Gを上述のステップS6で洗浄することにより、ガラス基板Gから発塵物を除去できるため、繊維フェルト部材を用いることもできる。
接触挟持部材25aは、ガラス基板Gと接触するため、ガラス基板Gの表面への傷を抑制する弾性力を有する。また、クランプ25は、ガラス基板Gを、割れさせない、破損させない挟持力(例えば、3kgから12kgの範囲の挟持力)により、ガラス基板Gの一端を挟み込む。クランプ25がガラス基板Gを挟み込むことにより、接触挟持部材25aとガラス基板Gとが接触することにより発生する摩擦抵抗により、ガラス基板Gがずれ落ちないように保持される。接触挟持部材25aは、例えば、摩擦係数0.3〜0.6からなる部材である。接触挟持部材25aは熱処理炉1内で加熱されるため、接触挟持部材25aの摩擦係数は、加熱により低下しないことが好ましい。接触挟持部材25aがこのような弾性力を有し、ガラス基板Gを破損させない3kg〜12kgの範囲の挟持力でクランプすることにより、ガラス基板Gの割れを発生させることなくガラス基板Gをクランプすることができる。
クランプ25は、図5に示すように、複数の位置でガラス基板Gをクランプする。ガラス基板Gの重量G、クランプ25によりガラス基板Gをクランプする数N(クランプ25の数N)は、ガラス基板Gがクランプ25によりクランプされた状態を維持し、ずれ落ちないように、以下の式を満たす。
式:(ガラス基板Gの重量G/クランプ25の数N)<(クランプ25の挟持力3kg〜12kg)×(接触挟持部材25aの摩擦係数0.3〜0.6)
ガラス基板Gの重量Gをクランプ25の数Nで割った値が、クランプ25の挟持力と接触挟持部材25aの摩擦係数との積より小さい場合には、クランプされた状態が維持され、ガラス基板Gは落下しない。
また、接触挟持部材25aは、ガラス基板Gと接触することにより、ガラス基板Gに付着する金属異物が10個/m以下となるものである。接触挟持部材25aはステンレス鋼からなるが、ステンレス鋼は金属異物が発塵しにくく、発塵しても容易に落とすことができる。このため、接触挟持部材25aから発生する金属異物量は少なく、接触挟持部材25aとガラス基板Gとが接触した場合であっても、ガラス基板Gに付着する金属異物を抑制することができる。
(b)熱処理ユニット
熱処理ユニットは、熱処理工程(S4)を行うためのものであり、搬送されるガラス基板Gの上方および下方のそれぞれに搬送方向に並ぶよう配置された複数のファン付きヒータ31を有している。ファン付きヒータ31は、搬送されるガラス基板Gに、予め設計された温度プロファイルが形成されるよう、図示しない制御装置によって制御される。
ファン付きヒータ31は、ヒータで加熱された気体をファンで送風するよう、ヒータとファンが互いに隣接して配置された一体の装置であり、熱処理炉1内では、ヒータに対してファンを下方にして配置される。ファン付きヒータ31のヒータには、例えば、バーナーヒータ、電気ヒータが用いられる。ファンは、熱処理工程(S4)の間、ヒータで加熱された空気を、図3に示されるように下方に向けて送風するよう駆動される。図3において、熱風が流れる向きを太い矢印で示す。熱処理炉1内の雰囲気中に粉塵が浮遊している場合であっても、このようなダウンフローの熱風によって大きな粉塵(例えば、直径数μm以上の粉塵)は炉1の底部に運ばれて堆積する。また、小さな粉塵(例えば、直径0.5μm未満)はフィルタによって除去される。このため、粉塵が雰囲気中を浮遊し続けてガラス基板Gの表面に付着するのを抑えることができる。また、ダウンフローの熱風は、熱処理炉1内を循環する空気流を形成できる点で好ましい。熱風は、ガラス基板G間を下方に流れた後、熱処理炉1の底部に沿って熱処理炉1の図示されない側壁まで流れて、側壁に沿って上昇し、さらに熱処理炉1の天井に沿って流れることで、搬送路7の周りを循環する。
(熱処理工程)
熱処理工程(S4)は、上記説明した熱処理炉1を用いて行われる。熱処理工程では、成形されたガラス基板Gに対し、ガラス基板Gの温度が好ましくは400〜600℃、より好ましくは450〜550℃となる範囲で熱処理を行う。具体的には、熱処理炉1内において、互いに間隔をあけて配置された複数のガラス基板Gの間の隙間に熱風を送風して、ガラス基板Gを加熱する。熱処理工程(S4)が行われる間、熱処理炉1において、ガラス基板Gを互いに間隔をあけて搬送する搬送工程が並行して行われる。搬送工程では、ガラス基板Gは、ガラス基板Gの主表面が搬送方向を向くようチェーンベルト21に吊り下げられ、縦吊り搬送される。
上記温度範囲の熱処理はキープ区間で行われる。400〜600℃の温度範囲は、LTPS(低温度ポリシリコン)、IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)から構成される半導体層をガラス基板上に形成するときの温度を含む範囲であり、この温度範囲においてガラス基板の面内での熱収縮率のばらつきを低減できればよい。
本実施形態のガラス基板の製造方法では、複数のガラス基板Gを互いに間隔をあけ、隣り合うガラス基板G間の隙間に熱風を送風することで、各ガラス基板に対して均等な熱処理を行うことができ、ガラス基板Gの間での熱収縮率のばらつきが抑制されている。ガラス基板Gは、熱処理炉1内において熱処理されるが、接触挟持部材25aを有するクランプ25も熱処理される。接触挟持部材25aが熱処理されると摩擦係数が変化するが、接触挟持部材25aの摩擦係数は加熱により上昇するため、クランプ状態が維持されずに熱処理炉1内においてガラス基板Gが落下することはない。また、接触挟持部材25aは、ステンレス鋼からなり熱耐性を有するため、熱処理による破損が抑制される。また、接触挟持部材25aは、ガラス基板Gに傷を付けにくい弾性力を有し、ガラス基板Gを破損させない範囲の挟持力でクランプされるため、ガラス基板Gが割れることなくガラス基板Gをクランプすることができる。また、接触挟持部材25aからの金属異物の発生量が少ないため、接触挟持部材25aに熱風が吹きつけられても、接触挟持部材25a由来の金属異物量は抑制され、ガラス基板Gの洗浄性が保たれる。
以上、本発明のガラス基板の製造方法、及び、製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例等に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 熱処理炉
3 入口
5 出口
7 搬送路
21 チェーンベルト(搬送ベルト)
23 バー
25 クランプ
25a 接触挟持部材
27 ベルト
31 ファン付きヒータ
G ガラス基板

Claims (5)

  1. ディスプレイ用のガラス基板の熱処理工程を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記熱処理工程は、
    前記ガラス基板の平面が鉛直方向になるように前記ガラス基板の一端を、耐熱性を有する挟持部材により複数の位置で挟持する挟持工程と、
    前記挟持されたガラス基板を熱処理することにより、前記ガラス基板の熱収縮率を低下させる処理工程と、を備え、
    前記挟持部材は、前記熱処理に耐性を有し、金属、又は、合金を繊維化した繊維化部材からなる、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記繊維化部材は、ステンレス鋼、クロム合金、及び、ニッケル合金から選ばれた一種、又は、それらの組合せからなる合金鋼を繊維化した部材からなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記挟持工程では、摩擦係数が0.3〜0.6からなる前記挟持部材により、前記ガラス基板の割れを抑制するよう3kgから12kgの範囲の挟持力によりガラス基板を挟持し、前記ガラス基板の重量G、および前記挟持部材により前記ガラス基板を挟持する数Nが、以下の式を満たす、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
    式:(G/N)<(挟持力3kg〜12kg)×(摩擦係数0.3〜0.6)
  4. 前記挟持部材が前記ガラス基板と接触することにより、前記ガラス基板に付着する金属異物が10個/m以下である、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. ディスプレイ用のガラス基板の熱処理装置を含むガラス基板の製造装置であって、
    前記熱処理装置は、
    前記ガラス基板の平面が鉛直方向になるように前記ガラス基板の一端を、耐熱性を有する挟持部材により複数の位置で挟持する挟持部と、
    前記挟持されたガラス基板を熱処理することにより、前記ガラス基板の熱収縮率を低下させる処理部と、を備え、
    前記挟持部材は、前記熱処理に耐性を有し、金属、又は、合金を繊維化した繊維化部材からなる、
    ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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