JP2016184705A - 半導体光素子およびその製造方法 - Google Patents

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有 田中
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幹 高田
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Abstract


【課題】 回折格子の再成長界面での歪みの発生を抑制し、組成変調を防止して、半導体光素子の回折格子で所望の結合係数を得る。
【解決手段】 GaAs基板上に形成される回折格子層を有する半導体光素子において、前記回折格子層は、周期的な凹凸パターンを有するGaAs層と、前記凹凸パターンを平坦に埋め込む繰り返し層とを含み、前記繰り返し層は、1分子層以上の厚さを有するAlAs膜と、1分子層以上の厚さを有するGaAs膜との積層を1サイクル以上繰り返して前記凹凸パターンを平坦に埋め込んでいることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体光素子とその製造方法に関する。
波長1.3μm帯や1.55μm帯の光ファイバ通信の送信用光源に用いられる半導体レーザでは、伝送距離を拡大するために光源の単一波長化が必要とされる。そのため、共振器内に回折格子を形成した分布帰還型(Distributed Feedback;DFB)レーザなどの単一波長レーザが実用化されている。また、単体の半導体レーザでは実現が難しい波長帯のレーザ光を得るために、入射光の周波数を2倍(波長を1/2)に変換して出射する第二高調波発生(Second Harmonic Generation;SHG)結晶と組み合わせる半導体レーザが用いられる。この場合も、SHG結晶に入射させるレーザ光は単一波長であることが望ましい。例えば、波長532nmの純緑色は単体の半導体レーザで実現することは難しいが、波長1064nmの単一波長で発振するDFBレーザとSHG結晶を組み合わせることにより532nmの緑色レーザを実現することができる。このように、DFBレーザなどの単一波長半導体レーザは、光ファイバ通信や映像デバイスにおける光源として有用である。
DFBレーザの発振特性を決める重要なパラメータの一つに、回折格子の結合係数(κ)がある。1次の回折モードに対するκは近似的には式(1)で表すことができる。
Figure 2016184705
式(1)において、n1とn2はそれぞれ回折格子を形成する山部と谷部の2つの材料の屈折率であり、kは波数、βは導波光モードの伝搬定数、Γgは回折格子層における光閉じ込め係数、Λは回折格子の周期、Λ1は山部の幅である。
式(1)からわかるように、一般的には山部と谷部の材料の屈折率差が大きいほど結合係数κを大きくとることができる。DFBレーザの発振しきい値利得を下げるためには、ある程度の結合係数κの値が必要である。そのためにも、山部と谷部を構成する半導体材料の屈折率差が大きい方が望ましい。
波長0.6μm〜1.3μmの半導体レーザにおいては、大口径で安価なGaAs基板が利用されている。GaAs基板上に回折格子を有するDFBレーザを作製する場合、一般にGaAs層表面に凹凸構造を形成し、凹凸構造の溝部をInGaPで埋め込む方法や(たとえば、特許文献1参照)、AlGaAsで埋め込む方法(たとえば、特許文献2参照)が知られている。
特開2007−299791号公報 特開平8−316566号公報
InGaPとGaAsにより回折格子を形成する場合、InGaPとGaAsを格子整合させるために、In組成は0.48とするのが望ましい。In0.48Ga0.52PとGaAsとは、比較的大きな屈折率差を有するため、必要なκの値を得やすいという利点がある。しかしながら、In0.48Ga0.52PによってGaAs凹凸構造を埋め込む場合、InGaPのわずかな組成ずれによって格子不整合による歪が生じやすい。このため、通電によって素子の信頼性が悪化する懸念がある。
他方、AlGaAsとGaAsにより回折格子を形成する場合、GaAsとAlAsの格子定数の差は0.1%程度と小さく、任意のAl組成においてほぼ格子整合条件が成立する。このため、再成長界面に歪が生じにくいという利点がある。しかし、発明者らは、AlとGaの拡散長の違いに起因して、GaAs凹凸構造の凹部に成長するAlGaAlのAl組成と、凸部に成長するAlGaAlのAl組成とが変化してしまうという課題を見出した。このようなAl組成の変化を「組成変調」と称する。
そこで、再成長界面での歪みの発生を抑制し、かつ組成変調を防止して、回折格子の所望の結合係数を得ることのできる半導体光素子とその製造方法の提供を課題とする。
第1の態様では、GaAs基板上に形成される回折格子層を有する半導体光素子において、前記回折格子層は、
周期的な凹凸パターンを有するGaAs層と、
前記凹凸パターンを平坦に埋め込む繰り返し層と、
を含み、前記繰り返し層は、1分子層以上の厚さを有するAlAs膜と、1分子層以上の厚さを有するGaAs膜との積層を1サイクル以上繰り返して前記凹凸パターンを平坦に埋め込んでいることを特徴とする。
第2の態様では、半導体光素子の製造方法を提供する。この製造方法では、
GaAs基板上にGaAs層を形成し、
前記GaAs層の表面に周期的な凹凸パターンを形成し、
1分子層以上の厚さを有するAlAsと、1分子層以上の厚さを有するGaAsをこの順序で交互に繰り返して積層して前記凹凸パターンを平坦化する。
再成長界面での歪みの発生を抑制し組成変調を防止した回折格子を有する半導体光素子を実現することができる。
回折格子に生じる組成変調を説明するための図である。 実施形態の回折格子層の構成を示す図である。 図2の回折格子層を用いた実施例1の半導体光素子の概略構成図である。 図2の回折格子層を用いた実施例2の半導体光素子の概略構成図である。 図4の半導体光素子の活性層として用いられる量子ドット層の模式図である。 実施例3の半導体モジュールの概略構成図である。
以下で、図面を参照して発明の実施形態を説明する。まず、図1を参照して、発明者らが見出したGaAs基板上に形成される回折格子で生じる組成変調について説明する。
図1(A)は、AlGaAs層12によりGaAs凹凸パターン13を埋め込んだときのAl組成変調を示す図、図1(B)は、Al組成変調が生じた場合の回折格子の等価モデルを示す図である。
図1(A)では、AlとGaの拡散長の違いに起因して、GaAs層11の凹部13bに埋め込まれる部分のAlGaAs層12のAl組成が低くなり、GaAs層11の凸部13a上に成長する部分のAlGaAs層12のAl組成が高くなるという組成変調が生じている。たとえば、GaAs凹凸パターン13上に、Al0.32Ga0.68As層12を再成長する場合、凹部13bではAl組成が0.25程度に低下し、凸部13aではAl組成が0.36程度に増加する。
このような組成変調が生じると、実質的に、回折格子は図1(B)の領域Aと領域Bからなる周期構造と等価であると考えることができる。領域Aは凸部13aに対応し、領域Bは凹部13bに対応する。単純化のため、GaAs層11の凸部13aの高さと、凸部13aに成長するAlGaAs層12の高さの比を1:1と考える。
領域Aの組成は、GaAsとAl0.36Ga0.64Asの中間の組成Al0.18Ga0.82Asとみなすことができる。領域Bの組成はAl0.25Ga0.75Asである。このような周期構造とみなした場合、領域Aと領域BのAl組成差が0.07しかなく、実効的に得られる屈折率差が非常に小さくなる。この結果、式(1)で表される結合係数κは大幅に低下し、DFBレーザのしきい値電流が増大するなど、発振特性が悪化する。
そこで、GaAs基板に形成されるDFBレーザにおいて、GaAs凹凸パターン13を埋め込んで回折格子を作製する場合に、再成長界面での歪の発生を抑制し、かつ組成変調を生じさせずに所望の結合係数を得る構成、手法が望まれる。
図2は、実施形態の半導体光素子で用いられる回折格子層15の概略構成図である。回折格子層15は回折格子GRを含み、GaAs層11に形成された周期的な凹凸パターン13と、凹凸パターン13を平坦に埋め込む繰り返し層23を有する。繰り返し層23は互いに異なる種類の第1の二元結晶膜21と第2の二元結晶膜22を交互に繰り返し積層した層である。第1の二元結晶膜21と第2の二元結晶膜22のそれぞれの厚さは1分子層(ML)以上である。第1の二元結晶膜21の成長と、第1の二元結晶膜21上への第2の二元結晶膜22の成長を1サイクルとして、これを1サイクル以上繰り返すことで、凹凸パターン13を繰り返し層23で平坦に埋め込むことができる。平坦化された繰り返し層23の上方に、図示しない上部クラッド層を形成する。
実施形態では、異なる種類の二元結晶膜としてAlAs膜21とGaAs膜22を用いる。たとえば、繰り返し層23が等価的にAl0.3Ga0.7As混晶と同等になるように、AlAs膜21とGaAs膜22の厚さ比率を3:7に制御する。もちろん、目的とするAlGaAs混晶の組成比に応じて、AlAs膜21とGaAs膜22の厚さの比率を適切に調整することができる。
具体的には、GaAs層11の表面にSiO2のマスクパターン(不図示)を形成し、エッチングによりGaAs層11に凹凸パターン(回折格子パターン)13を形成する。凹凸パターン13の凹凸は光の伝搬方向(共振方向)に沿って反復され、その周期は目的とする発振波長に応じて決定される。たとえば、25℃における発振波長を1064nmとする場合、凹凸パターン13の繰返し周期は155nm程度になる。凹凸パターン13の溝部の傾斜面13cは主として(111)A面により形成される。GaAsの(111)A面は、ミラー指数が(111)となる格子面に沿った面のうち、Gaが表面に並ぶ面である。
SiO2マスクパターンを除去した後、MOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法により、AlAs膜21とGaAs膜22の超薄膜を、交互に繰り返し成長して平坦化する。GaAs層11の凹凸パターン13の傾斜面13cを(111)A面とすることで、AlAs膜21とGaAs膜22を傾斜面13c上で優位に成長することができる。他方、凸部13a上での成長レートは傾斜面13c上での成長レートと比較して小さい。傾斜面13cに成長するAlAs膜21とGaAs膜22は、(311)面を形成し、繰り返し成長することで、凹凸パターン13の凹部13bを平坦に埋め込むことができる。
一例として、凹部13bの深さを20nm、AlAs膜21とGaAs膜22の厚さをそれぞれ3MLと7MLとすると、4サイクルほど交互に成長することによって、凹凸パターン13を平坦に埋め込むことができる。これにより、屈折率の異なるGaAs層11と繰り返し層23とを基板と水平な方向に周期的に配列した回折格子GRが形成される。
この構成と手法を用いると、GaAs層11の凹凸パターン13をInGaPで埋め込む場合に見られる格子不整合による歪の発生を抑制することができる。
また、二元結晶での成長のため、三元結晶であるAlGaAsで埋め込む場合に生じる組成変調が抑制され、所望の結合係数を得ることができる。
図1を参照して説明したように、GaAs層11の凹凸パターン13をAl0.32Ga0.68Asにより埋め込む場合、実効的にAl0.18Ga0.82AsとAl0.25Ga0.75Asの周期構造となり、屈折率差が非常に小さくなる。これに対し、図2のように、AlAs膜21とGaAs膜22の厚さ比率を例えば3:7に設定してAl0.3Ga0.7As混晶と等価になるように調整し、(111)A面の傾斜面を有する凹部13bを交互に埋め込むことで、回折格子GRの屈折率差を設計どおりにすることができる。
式(1)の(n1 2−n2 2)の値を図1の構成と図2の構成の間で比較すると、図2(実施形態)の構成により約4.6倍の値が得られる。その結果、式(1)から導かれる結合係数κの値も増大する。回折格子GRを構成する2つの材料の屈折率差を十分に確保できる場合は、必要十分な結合係数κを得るための凹凸パターン13の深さを浅くすることができ、凹凸パターン13上で結晶を再成長する際に、平坦化が容易になるという効果も生じる。
このように、実施形態の構成、方法によると、GaAs基板上に良好な素子信頼性と発振特性を有する単一波長発振のDFBレーザを実現することができる。
図3は、図2の回折格子GRの構成を適用した実施例1の半導体レーザ30の概略構成図である。半導体レーザ30は、1.06μm帯の量子井戸DFBレーザ30である。
半導体レーザ30は、GaAs基板31上に形成された活性層34と、活性層34の上方に形成された回折格子層15Aを含む。回折格子層15Aは、図2に示したように、GaAs層11Aに形成された凹凸パターン13を、AlAs膜21とGaAs膜22の超薄膜で交互に埋め込んで平坦化したものであり、回折格子GRを有する。回折格子GRにより共振器を伝播する縦モードの波が制御され、回折格子GRの周期に応じた単一波長の光だけが反射される。
図3の半導体レーザ30の製造工程例を説明する。まず、n型のGaAs(100)基板31上に、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy)、あるいは有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy, MOVPE)を用いて、厚さ1.5μmのn型Al0.3Ga0.7As下部クラッド層32、厚さ20nmのアンドープGaAs光ガイド層33、量子井戸活性層34、厚さ20nmのアンドープGaAs光ガイド層35、厚さ200nmのp型Al0.3Ga0.7As層36、厚さ30nmのp型GaAs層11Aを成長する。量子井戸活性層34は、特に図示はしないが、アンドープInGaAs井戸層とアンドープGaAsバリア層との積層を繰り返した構成を有する。一例として、アンドープGaAsバリア層の厚さを20nm、アンドープInGaAs井戸層の厚さを約7nm、In組成を0.25に設定する。この場合、量子井戸構造における遷移波長は約1060nmになる。実施例1では量子井戸構造を2回繰り返して積層している。
次に、量子井戸活性層34の上側のp型GaAs層11Aの表面に、凹凸パターンを形成する。具体的には、p型GaAs層11A上にSiO2膜(不図示)をたとえば20nm蒸着し、SiO2上にEB露光用レジスト(不図示)を塗布し、EB露光によりレジストパターンを形成する。レジストパターンは回折格子GRのパターンに対応し、各ストライプは<0−11>方向に沿って形成される。
次に、たとえばCF4ガスを用いた反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching, RIE)により、レジストパターンをSiO2膜に転写する。このようにして形成されたSiO2パターンをマスクとして、たとえばアンモニア水、過酸化水素水、水からなるエッチャントを用いてGaAs層11Aの表面に凹凸パターン13(図2参照)を形成する。上述のように、25℃における発振波長を1064nmとする場合、凹凸パターン13の周期を約155nmとする。凹凸パターンの凹部13bの斜面は、主として(111)A面により形成される。凹凸パターン13の深さはたとえば20nmとする。
EBレジストパターンとSiO2マスクを除去した後、MOVPE法によりGaAs層11A上にp型AlAs膜21とp型GaAs膜22の超薄膜を交互に繰り返して成長し、GaAs層11A表面の凹凸パターン13を平坦化する。AlAs膜21とGaAs膜22の成長温度はたとえば700℃程度、AlAs膜21とGaAs膜22の厚さは、それぞれ3MLと7MLとし、4サイクルほど交互に繰り返す。これにより深さ20nmの凹凸パターン13を平坦化することができる。
平坦化後、引き続き厚さ1.0μmのp型In0.48Ga0.52P上部クラッド層37、厚さ300nmのp型GaAsコンタクト層38を成長する。
次に、GaAsコンタクト層38上に図示しないSiO2ストライプを<0−1−1>方向に形成する。SiO2ストライプをマスクとして、GaAsコンタクト層38とInGaP上部クラッド層37をウェットエッチングする。GaAsコンタクト層38は、たとえばアンモニア水と過酸化水素水、水の混合溶液によりエッチングし、InGaP上部クラッド層37は、例えば塩酸と酢酸を1:2の比率で混合した溶液によりエッチングする。このエッチャントはGaAsをエッチングしないため、InGaP上部クラッド層37に対するエッチングは、繰り返し層23の最上層であるGaAs膜22で停止する。これにより幅2μm程度のリッジ導波路構造が形成される。上部クラッド層37をリッジ形状とすることによって、共振器を伝搬する光の横モードを制御する。
その後、SiO2ストライプマスクを除去して、全面にSiO2層39を形成する。その後、素子の厚さが120μm程度になるようにGaAs基板31の裏面を研磨し、リッジ上部のSiO2層39を除去してp型GaAsコンタクト層38を露出し、素子の上下に電極51、52を形成する。所望の共振器長でへき開した後、前側端面Fに図示しない無反射膜、後側端面に高反射膜を成膜する。
以上のプロセスにより、活性層34の上側に回折格子層15Aを有するリッジ導波路型のDFBレーザ30が作製される。式(1)によって、回折格子GRの結合係数κを計算すると約20cm-1となる。しきい値利得を小さい値に抑えつつ、十分な単一モード歩留まりを得るために、共振器長はたとえば600μmとする。
動作時は、電極51と52の間にバイアス電圧を印加して半導体レーザ30に電流を注入する。量子井戸活性層34に注入された電子と正孔は再結合して光を放出する。キャリアの注入レベルを増大することにより誘導放出が始まり、レーザ発振が起こる。回折格子GRの周期に応じた波長のレーザ光が選択され、GaAs光導波路層33,35によって導波される。
図4は、図2の回折格子GRの構成を適用した実施例2の半導体レーザ40の概略構成図である。半導体レーザ30は、1.3μm帯の量子井戸DFBレーザ40である。
半導体レーザ40は、図3の半導体レーザ30と同様に、GaAs基板41上に形成された活性層44と、活性層44の上方に形成された回折格子層15Bを含む。回折格子層15Bは、図2に示したように、GaAs層11Bに形成された凹凸パターン13を、AlAs膜21とGaAs膜22の超薄膜で交互に埋め込んで平坦化したものであり、回折格子GRを有する。回折格子GRにより共振器を伝播する縦モードの波が制御され、回折格子GRの周期に応じた単一波長の光が取り出される。
図4の半導体レーザ40の製造工程例を説明する。まず、p型のGaAs(100)基板41上に、厚さ1.5μmのp型Al0.3Ga0.7As下部クラッド層42、厚さ50nmのアンドープGaAs光ガイド層43、量子ドット活性層44、厚さ20nmのアンドープGaAs光ガイド層45、厚さ30nmのn型GaAs層11Bを成長する。量子ドット活性層44は、たとえば図5に示す構成を有する。
図5において、アンドープGaAs層43上に、i-InAsを数ML成長することにより、InAs濡れ層62a上にInAs量子ドット62bを自然形成して量子ドット構造62を形成する。量子ドット構造62を埋め込むようにi−InGaAs歪緩和層63を成長し、歪み緩和層63上に、i−GaAs層64、p型GaAs層65、i−GaAs層66を順次積層する。これで、InAs量子ドット層67の一層分の構造とする。
i−GaAs層64、66の間にp型GaAs層65を挿入したいわゆる変調pドープ構造により、InAs量子ドット62bへの正孔(ホール)の供給が改善する。これにより微分利得の向上、温度安定動作の向上など、発振特性が向上する。
実施例2では、図5の量子ドット層67を10層積層して量子ドット活性層44を形成している。InGaAs歪緩和層63の組成を調整することによって、量子ドット活性層44の利得波長を調整することができる。実施例2では利得波長が1290nmとなるように調整されている。
続いて、量子ドット活性層44の上側のn型GaAs層11Bの表面に、実施例1と同様の方法で、深さ約20nmの凹凸パターン13を形成する。凹凸パターンの周期は約195nmとする。GaAs層11Bに形成された凹凸パターン13上に、3MLのn型AlAs膜21と、7MLのn型GaAs膜22を交互に4サイクル程度成長して繰り返し層23Bを形成し、凹凸パターン13を平坦に埋め込む。
平坦化後、厚さ1.0μmのn型In0.48Ga0.52P上部クラッド層47、厚さ300nmのn型GaAsコンタクト層48を成長する。実施例1と同様の方法で、リッジ導波路構造を形成し、リッジ導波路構造上にSiO2層49を形成する。適切な素子の厚さになるようにGaAs基板41の裏面を研磨し、リッジ上部のSiO2層49を除去してn型GaAsコンタクト層48を露出し、素子の上下に電極51、52を形成する。所望の共振器長でへき開した後、前側端面Fに図示しない無反射膜、後側端面に高反射膜を成膜する。
実施例2の構成では、量子ドット活性層44と回折格子層15Bの間に、厚さ20nmのアンドープGaAs光ガイド層45しか存在しないので、活性層44で生成されGaAs光ガイド層45を導波する光の回折格子層15Bにおける光閉じ込め係数Γgが大きくなる(式(1)参照)。したがって、回折格子層15Bの回折格子GRの結合係数κは40cm-1となる。共振器長は、たとえば400μmとする。
図6は、実施例3の半導体レーザモジュール70の概略構成図である。半導体レーザモジュールは、実施例1で示した発振波長1064nmの単一波長半導体レーザ30と、SHG結晶72を組み合わせた緑色レーザモジュール70である。
半導体レーザ30にビデオ信号変調電流などの駆動電流が注入されると、入力信号に応じたレーザ光が出力される。発振波長1064nmの半導体レーザ30をSHG結晶72と組み合わせることにより、波長を1/2にして純緑色である波長532nmのレーザ光を出力することができる。半導体レーザ30の出力光は所定の出射角を有するので、レーザ光は集光レンズ71により非線形光学結晶であるSHG結晶72に導かれる。SHG結晶を通すことによって、2倍の周波数(2ω)の光が得られる。SHG結晶72として、たとえばLBO(LiB3O5)結晶、酸化マグネシウム添加LNO結晶(MgO:LiNbO3)を分極反転させた結晶などを用いることができる。
SHG結晶72自体は、入力レーザ光の周波数(ω)の光に対しても2倍の周波数(2ω)の光に対しても透明であるため、SHG結晶72の後段に基本波光除去フィルタを配置して2倍周波数の光だけを取り出す構成としてもよい。
純緑色レーザモジュール70は、赤色、青色の半導体レーザとともに、RGB光源として用いることができる。このようなRGB光源を用いたレーザプロジェクタは、従来のプロジェクタと比較して小型であり、フォーカス調整が不要になる等の利点を有する。
以上述べたように、実施形態の回折格子GRを用いた半導体光素子によると、格子パターンの再成長界面での歪みの発生を抑制するとともに、組成変調を防止して所望の結合係数を得ることができる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではない。AlAsとGaAsの二元結晶の超薄膜の厚さや繰り返し回数、GaAs層11の凹凸パターン13の深さや周期は、所望の屈折率差に応じて適宜変更することができる。
繰り返し層23を構成するAlAs膜21とGaAs膜22の厚さは、必ずしも一定の膜厚で成長を繰り返す必要はなく、膜厚比を維持したまま積層につれて厚さを変化させてもよい。また、AlGaAsは広い組成範囲でGaAsと構成整合するため、AlAs膜21とGaAs膜22の厚さは、3MLと7MLに限定されない。AlAs膜21とGaAs膜22の双方の厚さが1ML以上であれば、厚さの比率は2:8、4:6、5:5など、所望の屈折率差が得られる範囲で適宜設定することができる。
異なる種類の二元結晶層はAlAs膜とGaAs膜に限定されず、格子整合と組成変調が問題となる三元結晶または四元結晶で凹凸の格子パターンを埋め込む場合に適用することができる。
上部クラッド層37、47はInGaPに限定されず、AlGaAsを用いてもよい。回折格子層15の位置は活性層の上側に限らず、下側にあってもよい。
実施形態の半導体レーザは、光ファイバ通信や映像デバイスなどの光源に用いることができる。
11 GaAs層
13 凹凸パターン
13a 凸部
13b 凹部
13c 傾斜面
15、15A、15B 回折格子層
21 AlAs膜(第1の二元結晶膜)
22 GaAs膜(第2の二元結晶膜)
23、23A、23B 繰り返し層
30、40 半導体レーザ
31、41 GaAs基板
32、42 下部クラッド層
33,35,43、45 光ガイド層
34、44 活性層
65 量子ドット層
70 半導体レーザモジュール
GR 回折格子

Claims (6)

  1. GaAs基板上に形成される回折格子層を有する半導体光素子であって、
    前記回折格子層は、
    周期的な凹凸パターンを有するGaAs層と、
    前記凹凸パターンを平坦に埋め込む繰り返し層と、
    を含み、前記繰り返し層は、1分子層以上の厚さを有するAlAs膜と、1分子層以上の厚さを有するGaAs膜との積層を1サイクル以上繰り返して前記凹凸パターンを平坦に埋め込んでいることを特徴とする半導体光素子。
  2. 前記凹凸パターンの凹部は(111)A面を形成する傾斜面を有し、
    前記AlAs膜及び前記GaAs膜は、前記傾斜面で(311)面を形成する方向に成長していることを特徴とする請求項1に記載の半導体光素子。
  3. 前記GaAs基板上に形成された活性層、
    をさらに有し、電流注入により、前記回折格子層の等価屈折率と前記凹凸パターンの周期とによって決まる波長で発振することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体光素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体光素子と、
    前記半導体光素子の出力側に配置される第二高調波発生結晶と、
    を有する半導体レーザモジュール。
  5. GaAs基板上にGaAs層を形成し、
    前記GaAs層の表面に周期的な凹凸パターンを形成し、
    1分子層以上の厚さを有するAlAsと、1分子層以上の厚さを有するGaAsをこの順序で交互に繰り返して積層して前記凹凸パターンを平坦化する、
    ことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  6. 前記GaAs基板としてGaAs(100)基板を用い、
    前記凹凸パターンの形成時に(111)A面を形成する傾斜面が凹部に形成されることを特徴とする請求項5に記載の半導体光素子の製造方法。
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