実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
最初に、図1に示す構造のDFBレーザについて、更に詳細に説明する。DFBレーザにおいては、レーザ発振におけるしきい値電流を下げるためには、結合係数κの値は大きい方が好ましい。しかしながら、現状の技術では、GaAsとAlGaAsとにより回折格子層920を形成した場合、結合係数κを大きくすることは困難である。
ここで、DFBレーザの発振しきい値利得や単一モード歩留りは、回折格子層920における結合係数κと共振器長Lの積に依存するため、結合係数κはDFBレーザの発振特性に影響する重要なパラメータである。ここで、q次の回折モードに対するκは、近似的には数1に示される式により表すことができる。
尚、n1は回折格子層920におけるp−GaAs層924の屈折率であり、n2はp−AlGaAs埋込層925の屈折率である。kは波数、βは導波光モードの伝搬定数、Γgは回折格子層920における光閉じ込め係数、Λは凸部924aと凹部924bにより形成される回折格子の周期、Λ1はp−GaAs層924の凸部924aの幅である。
数1に示される式より、屈折率n1と屈折率n2との屈折率差が大きいほど、結合係数κを大きくすることができる。DFBレーザにおいては、上述したように、発振しきい値利得を下げるためには、結合係数κの値は大きい方が好ましいことから、屈折率n1と屈折率n2との屈折率差は大きい方が好ましい。
図1に示される構造のDFBレーザにおいては、回折格子層920はGaAsとAlGaAsにより形成されており、GaAsとAlAsとの格子定数の差が0.1%程度しかないため、任意のAl組成において、格子整合させることができる。よって、再成長界面において歪みが生じにくいという利点がある。
ところで、回折格子層920は、図2に示されるように、p−GaAs層924の表面に凸部924aと凹部924bを形成し、凸部924aと凹部924bの上に、MOVPEによりp−AlGaAs埋込層925を形成することにより形成される。このように、MOVPEにより形成されるp−AlGaAs埋込層925は、p−GaAs層924の凸部924aの上に形成された領域925aと凹部924bの上に形成された領域925bとでは屈折率が異なる。
これは、p−AlGaAs埋込層925をMOVPE等により形成した場合、p−GaAs層924の凹部924bに埋め込まれるAlGaAsは、凸部924aの上に成長するAlGaAsよりも、Alの組成が低くなるからである。このため、p−GaAs層924の凹部924bに埋め込まれた領域925bにおけるAlGaAsの屈折率は、領域925aよりも低くなり、p−GaAs層924の凸部924aを形成しているGaAsの屈折率に近づくため、屈折率差が小さくなる。このように、回折格子層920において、屈折率差が小さくなると、結合係数κが低くなり、レーザ発振におけるしきい値電流が高くなってしまう。
ここで、図3に示されるように、GaAs基板950の表面に、回折格子を形成するための凸部950aと凹部950bとを形成し、MOVPEにより、AlGaAs層951を結晶成長させる実験を行った。尚、AlGaAs層は、平坦な基板に結晶成長させた場合に、組成がAl0.32Ga0.68Asとなる成長条件により成長させた。図3では、回折格子の形状は便宜上、矩形状で示している。
このように作製した試料を分析した結果、GaAs基板950の凸部950aの上に成長したAlGaAs層951における領域951aのAlの組成比は約0.36であった。また、凹部950bに埋め込まれるAlGaAs層951における領域951bのAlの組成比は約0.25であった。即ち、AlGaAs層951において、GaAs基板950の凹部950bに埋め込まれる領域951bには、略Al0.25Ga0.75Asが形成され、凸部950aの上に成長した領域951aには、略Al0.36Ga0.64Asが形成されていた。
このように、AlGaAs層951において、図3に示されるような組成変調が生じている場合における屈折率の等価モデルを図4に示す。図4に示されるように、GaAs基板950に凸部950aが形成されている領域に対応する領域952aでは、GaAs基板950における組成とAlGaAs層951における領域951aのAlの組成とが平均化され、略Al0.18Ga0.82Asとなる。また、GaAs基板950の凹部950bにAlGaAs層951が埋め込まれる領域951bに対応する領域952bでは、領域951bであるため、組成はAl0.25Ga0.75Asである。よって、図4に示されるように、回折格子層920は、組成がAl0.18Ga0.82Asとなる領域952aと組成がAl0.25Ga0.75Asとなる領域952bとが交互に形成された周期構造の回折格子とみなすことができる。
図4に示されるような周期構造の回折格子では、領域952aと領域952bとにおけるAlの組成の差が0.07しかないため、実効的に得られる屈折率差が小さくなり、数1に示される式より得られる結合係数κは著しく低い値となる。このため、DFBレーザにおいて発振のしきい値電流が高くなり、発振特性が悪くなってしまう。例えば、GaAsの屈折率は波長1.06μm帯において3.49であり、Al0.32Ga0.68Asの屈折率は3.32であり、AlGaAsにおいてはAlの組成に対し、屈折率が線形に変化すると仮定する。この場合、GaAsとAl0.32Ga0.68Asとでは、屈折率差は0.17であり、屈折率の2乗の差は1.2である。これに対し、Al0.18Ga0.82AsとAl0.25Ga0.75Asとでは、屈折率差は約0.03であり、屈折率の2乗の差は0.20であり、屈折率差及び屈折率の2乗の差が極めて小さくなる。尚、AlGaAs層951においてAlの組成の高い条件で結晶成長させたとしても、AlGaAs層951において組成変調が生じ屈折率差が打ち消されてしまうため、結合係数κを大きくすることは困難である。
(光半導体装置)
次に、第1の実施の形態における光半導体装置について説明する。本実施の形態における光半導体装置は、DFBレーザであり、図5に示されるように、GaAs基板の上に形成されたリッジ導波路が形成されている波長1.06μm帯の半導体レーザである。本実施の形態におけるDFBレーザは、n−GaAs基板10の上に、n−AlGaAsにより下部クラッド層21、量子井戸活性層22、p−AlGaAs層23、p−GaAs層24が形成されている。p−GaAs層24の表面には凸部24aと凹部24bが形成されており、凸部24aと凹部24bが形成されたp−GaAs層24の上には、p−AlGaAs層25、p−InGaP層26が積層して形成されている。
本実施の形態における光半導体装置においては、p−GaAs層24、p−AlGaAs層25、p−InGaP層26により回折格子層20が形成されている。図6に示すように、p−GaAs層24における凸部24aと凹部24bは、p−GaAs層24の表面を加工することにより、周期的に形成されており、p−GaAs層24における凸部24aと凹部24bとの高低差T1が約25nmとなるように形成されている。尚、p−GaAs層24を形成しているGaAsの屈折率は、波長1.06μm帯においては約3.49である。
p−GaAs層24の上には、MOVPEによりp−AlGaAs層25が形成されている。p−AlGaAs層25をMOVPEにより形成することにより、p−GaAs層24における凸部24aの上には、厚さS1が約15nm、凹部24bの上には、厚さS2が約30nmとなるように、p−AlGaAs層25が形成される。よって、p−AlGaAs層25の表面には、p−GaAs層24における凸部24a及び凹部24bの形状を反映した凸部25a及び凹部25bが形成される。このように形成されるp−AlGaAs層25における凸部25aと凹部25bとの高低差T2は約10nmである。尚、p−AlGaAs層25は、AlXGa1−XAsと記載した場合に、0<X≦0.5となる組成により形成されており、屈折率は、波長1.06μm帯においておおよそ3.22以上、3.49未満である。尚、Xの値、即ち、Al組成を0.5以下とすることにより、AlGaAsの価電子帯側のバンド端エネルギー準位は、常にGaAsとInGaPの価電子帯バンド端エネルギー準位の間に位置することになる。これにより、n型の半導体基板を用いた半導体レーザにおいては、上面電極41からの正孔の流れを妨げることなく、抵抗を低くすることができる。
p−AlGaAs層25の上には、MOVPEによりp−InGaP層26が形成されている。p−InGaP層26は、In0.49Ga0.51Pにより形成されており、屈折率は、波長1.06μm帯においては約3.12である。p−InGaP層26は、p−AlGaAs層25における凸部25aと凹部25bを埋め込むように形成されており、表面は略平坦となっている。よって、p−InGaP層26は、p−AlGaAs層25における凸部25aの上よりも、凹部25bの上において厚く形成される。即ち、p−GaAs層24の凸部24aの上よりも、凹部24bの上には、p−AlGaAs層25を介し、屈折率の低いp−InGaP層26が厚く形成されている。これにより、p−GaAs層24の凹部24bに形成される半導体層における屈折率を低くすることができ、回折格子層20における屈折率差を大きくすることができる。
尚、本実施の形態においては、p−GaAs層24を第1の回折格子形成層、p−AlGaAs層25を第2の回折格子形成層、p−InGaP層26を埋込層と記載する場合がある。また、本実施の形態においては、p−GaAs層24における屈折率をnAとし、p−AlGaAs層25における屈折率をnBとし、p−InGaP層26における屈折率をnCとした場合、nA>nB>nCとなるように形成されている。
埋込層となるp−InGaP層26の上には、MOVPEにより、p−AlGaAsにより上部クラッド層27が形成されており、上部クラッド層27の上にはp−GaAsによりコンタクト層28が形成されている。このように、上部クラッド層27を形成することにより、上部クラッド層27の直下の領域における量子井戸活性層22には、光導波路が形成される。量子井戸活性層22は、InGaAsにより形成される井戸層とGaAsにより形成されるバリア層とを交互に積層することにより形成されている。
上部クラッド層27及びコンタクト層28は、最初に、上部クラッド層27及びコンタクト層28を形成するための半導体膜をp−InGaP層26の上に形成する。この後、上部クラッド層27等が形成される領域を除く領域の半導体膜をドライエッチング等により除去することにより形成する。ドライエッチング等により露出したp−InGaP層26の表面及び上部クラッド層27及びコンタクト層28の側面には、酸化シリコン等により保護膜31が形成されている。更に、保護膜31及びコンタクト層28の上には、上面電極41が形成されており、n−GaAs基板10の裏面には下面電極42が形成されている。尚、図5には図示されていないが、レーザ光が出射される量子井戸活性層22の一方の端面には反射防止膜が形成されており、一方の端面とは反対の他方の端面には高反射膜が形成されている。
次に、本実施の形態における光半導体装置において、回折格子層20における屈折率差について説明する。尚、GaAsの屈折率は波長1.06μm帯において3.49であり、In0.49Ga0.51Pの屈折率は3.12であり、Al0.32Ga0.68Asの屈折率は3.32であり、AlGaAsはAlの組成に対し、屈折率が線形に変化すると仮定する。また、p−AlGaAs層25では、図3にして説明した場合と同様の組成変調が生じているものとする。
上述した構造の光半導体装置では、回折格子層20において、p−GaAs層24の凸部24aの上には、厚さが15nmのp−AlGaAs層25、厚さが10nmのp−InGaP層26が積層して形成されている。即ち、p−GaAs層24の凸部24aが形成されている領域では、厚さが25nmのGaAs、厚さが15nmのAl0.36Ga0.64As、厚さが10nmのIn0.49Ga0.51Pが積層して形成されている。また、p−GaAs層24の凹部24bの上には、厚さが30nmのp−AlGaAs層25、厚さが20nmのp−InGaP層26が積層して形成されている。即ち、p−GaAs層24の凹部24bが形成されている領域では、厚さが30nmのAl0.25Ga0.75As、厚さが20nmのIn0.49Ga0.51Pが積層して形成されている。
よって、本実施の形態においては、p−GaAs層24の凸部24aが形成されている領域と凹部24bが形成されている領域における屈折率差は、約0.1となり、図1に示される構造のDFBレーザと比べて、屈折率差を大きくすることができる。これにより結合係数を大きくすることができ、レーザ発振におけるしきい値を低くすることができ、動作電流を低くすることができる。
(光半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における光半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図7(a)に示すように、n−GaAs基板10の上に、下部クラッド層21、量子井戸活性層22、p−AlGaAs層23、p−GaAs層24等の半導体層を形成する。これらの半導体層は、MOVPE、または、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)によりエピタキシャル成長させることにより形成する。
n−GaAs基板10は、n型となる不純物元素がドープされたn−GaAs(100)基板である。下部クラッド層21は、n型となる不純物元素がドープされている厚さが約2.0μmのn−Al0.3Ga0.7Asにより形成されている。量子井戸活性層22は、アンドープのInGaAsにより形成された井戸層とアンドープのGaAsにより形成されたバリア層とを交互に積層することにより形成されている。
p−AlGaAs層23は、p型となる不純物元素がドープされている厚さが約300nmのp−Al0.3Ga0.7Asにより形成されている。p−GaAs層24は、p型となる不純物元素がドープされている厚さが約60nmのp−GaAsにより形成されている。
本実施の形態においては、例えば、量子井戸活性層22は、アンドープのInGaAsにより井戸層の厚さが約7nmとなるように形成されており、アンドープのGaAsによりバリア層の厚さが約20nmとなるように形成されている。また、本実施の形態においては、井戸層を形成しているInGaAsにおけるInの組成は約0.25、即ち、InYGa1−YAsと記載した場合に、Yの値が約0.25となるように形成されており、量子井戸活性層22には井戸層が2層形成されている。これにより、量子井戸活性層22における量子井戸構造の遷移波長が約1.06μm(1060nm)となるように調整されている。
次に、図7(b)に示すように、p−GaAs層24の表面に、回折格子を形成するための凸部24aと凹部24bを形成する。
具体的には、p−GaAs層24の表面に、CVD等により厚さが約50nmの不図示の酸化シリコン膜を成膜する。この後、成膜された酸化シリコン(SiO2)膜の上に、レジストを塗布し、EB(Electron Beam:電子ビーム)露光装置による露光、現像を行うことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、CF4ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により、レジストパターンが形成されていない領域における酸化シリコン膜を除去することにより、酸化シリコンによるマスクを形成する。この後、レジストパターンを有機溶剤等により除去し、酸化シリコンにより形成されたマスクを用い、ウェットエッチングにより、酸化シリコンが形成されていない領域におけるp−GaAs層24の表面の一部を除去する。このウェットエッチングでは、エッチング液として、アンモニア水、過酸化水素水、水からなる混合溶液が用いられる。この後、不図示の酸化シリコン膜により形成されたマスクは、バッファードフッ酸等により除去する。
尚、p−GaAs層24の表面に形成される回折格子を形成するための凸部24aと凹部24bのパターンは、p−GaAs層24において<0−11>方向に沿うように形成する。また、p−GaAs層24の表面に形成される回折格子を形成するための凸部24aと凹部24bの周期は、発振波長が1.06μm近傍における所望の値となるように、約160nmとなるように形成する。このようにp−GaAs層24の表面に形成される凸部24aと凹部24bは、凹部24bの深さ、即ち、凸部24aと凹部24bとの高低差は、約25nmとなるように形成する。このようにして、p−GaAs層24の表面に凸部24aと凹部24bを形成することにより、凸部24aと凹部24bの間に形成される斜面は、主に(111)A面となる。
次に、図8(a)に示すように、表面に凸部24aと凹部24bが形成されているp−GaAs層24の上に、MOVPEにより、p−AlGaAs層25及びp−InGaP層26を形成する。
具体的には、p−AlGaAs層25は、平坦なGaAs基板に成膜した際、Al組成が0.32となる条件で、即ち、Al0.32Ga0.68Asが形成される条件で、p型となる不純物元素をドープして形成する。本実施の形態においては、p−AlGaAs層25は、表面に凸部25aと凹部25bが形成されている状態で結晶成長を停止する。例えば、p−AlGaAs層25は、p−GaAs層24の凸部24aの上において厚さが約15nm、凹部24bの上において厚さが約30nmとなった状態で、p−AlGaAs層25の結晶成長を停止する。これにより、p−AlGaAs層25の表面に形成される凸部25aと凹部25bは、凹部25bの深さ、即ち、凸部25aと凹部25bとの高低差が約10nmとなるように形成する。
これにより、p−AlGaAs層25は、p−GaAs層24の凸部24aの上の領域における組成は、略Al0.36Ga0.64Asとなり、凹部24bの上の領域における組成は、略Al0.25Ga0.75Asとなるように形成される。尚、このようにして、p−AlGaAs層25の表面に凸部25aと凹部25bを形成することにより、凸部25aと凹部25bの間に形成される斜面は、主に(311)A面となる。
この後、凸部25aと凹部25bが形成されているp−AlGaAs層25の上に、MOVPEにより、p型となる不純物元素がドープされているp−InGaP層26を表面が略平坦になるまで形成する。p−InGaP層26は、組成がIn0.49Ga0.51Pとなるような条件で形成されている。これにより、p−InGaP層26は、p−AlGaAs層25の凸部25aの上において厚さが約10nm、凹部25bの上において厚さが約20nmとなるように形成される。これにより、p−GaAs層24、p−AlGaAs層25及びp−InGaP層26により回折格子層20が形成される。
次に、図8(b)に示すように、MOVPEにより、p−InGaP層26の上に、上部クラッド層27を形成するためのp−AlGaAs膜27a、コンタクト層28を形成するためのp−GaAs膜28aを順次積層して形成する。具体的には、p−AlGaAs膜27aは、p型となる不純物元素がドープされているAl0.3Ga0.7Asを厚さ約1.0μm結晶成長させることにより形成する。また、p−GaAs膜28aは、p型となる不純物元素をドープしたGaAsを厚さ300nm結晶成長させることにより形成する。
次に、図9(a)に示すように、p−GaAs膜28aの上に、<0−1−1>方向に沿った酸化シリコンマスク61を形成する。具体的には、p−GaAs膜28aの上に、CVDにより酸化シリコン膜を成膜し、酸化シリコン膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、酸化シリコンマスク61が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における酸化シリコン膜をRIE等のドライエッチングまたはウェットエッチングにより除去することにより、酸化シリコンマスク61を形成する。尚、この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
次に、図9(b)に示すように、酸化シリコンマスク61をマスクとして、酸化シリコンマスク61が形成されていない領域におけるp−AlGaAs膜27a及びp−GaAs膜28aをウェットエッチングにより除去する。このウェットエッチングにおいては、例えば、アンモニア水と過酸化水素水、水の混合溶液や、リン酸、過酸化水素水、水の混合溶液をエッチング液として用いる。これらのエッチング液を用いることにより、p−InGaP層26の表面が露出した状態でエッチングがストップするため、エッチングの制御を良好に行うことができる。これにより、酸化シリコンマスク61が形成されている領域において残存するp−AlGaAs膜27a及びp−GaAs膜28aにより、上部クラッド層27及びコンタクト層28が形成される。このように形成された上部クラッド層27の幅Wは約2μmであり、幅Wが約2μmの上部クラッド層27が形成されている領域の下の量子井戸活性層22において、光導波路が形成されるリッジ導波路構造が形成される。この後、酸化シリコンマスク61は、バッファードフッ酸等により除去する。
次に、図10に示すように、上部クラッド層27及びコンタクト層28の側面、p−InGaP層26の上にパッシベーション膜となる保護膜31を形成し、コンタクト層28の上に上面電極41を形成し、n−GaAs基板10の裏面に、下面電極42を形成する。この後、所望の共振器長となるように、n−GaAs基板10をへき開し、へき開面においてレーザ光が出射される一方の端面に反射防止膜を形成し、一方の端面とは反対側の他方の端面に高反射膜を成膜する。
具体的には、上部クラッド層27の側面、コンタクト層28及びp−InGaP層26の上に、CVDによりパッシベーション膜となる保護膜31を形成するための酸化シリコン膜を形成する。この後、形成された酸化シリコン膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、酸化シリコン膜を介したコンタクト層28が形成されている領域の上に、開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における酸化シリコン膜を、エッチング液としてバッファードフッ酸等を用いたウェットエッチングにより除去することにより、残存する酸化シリコン膜により、パッシベーション膜となる保護膜31を形成する。尚、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
この後、コンタクト層28及び保護膜31の上に、真空蒸着またはスパッタリング等により、Ti/Pt/Auからなる金属積層膜を成膜することにより上面電極41を形成する。また、n−GaAs基板10の裏面には、真空蒸着またはスパッタリング等により、AuGe/Auからなる金属積層膜を成膜することにより下面電極42を形成する。この後、所望の共振器長、例えば、共振器長が500μmとなるように、n−GaAs基板10をへき開した後、へき開面においてレーザ光が出射される一方の端面に誘電体膜等により反射防止膜を形成し、他方の端面に誘電体膜等により高反射膜を成膜する。
これにより、本実施の形態における光半導体装置を作製することができる。本実施の形態における光半導体装置は、GaAs基板に形成された波長1.06μm帯のリッジ導波路型のDFBレーザであり、計算により得られる回折格子層20における結合係数κは30cm−1である。
尚、本実施の形態の光半導体装置は、回折格子層20の位置が、量子井戸活性層22の下側となるn−GaAs基板10側に形成されたものであってもよい。また、本実施の形態における光半導体装置とPPLN素子とを用いることにより緑色のレーザ光を出射する緑色レーザモジュールを形成することができる。また、本実施の形態は、レーザ以外の光半導体装置であって、回折格子層が形成される光半導体装置にも適用することが可能である。
〔第2の実施の形態〕
(光半導体装置)
次に、第2の実施の形態における光半導体装置について説明する。本実施の形態における光半導体装置は、DFBレーザであって、図11に示されるように、GaAs基板の上に形成されたリッジ導波路が形成されている波長1.06μm帯の半導体レーザである。
本実施の形態におけるDFBレーザは、n−GaAs基板10の上に、n−AlGaAsにより下部クラッド層21、量子井戸活性層22、p−AlGaAs層23、p−GaAs層24が形成されている。p−GaAs層24の表面には凸部24aと凹部24bが形成されており、凸部24aと凹部24bが形成されたp−GaAs層24の上には、p−AlGaAs層25、上部クラッド層127が積層して形成されている。
本実施の形態における光半導体装置においては、p−GaAs層24、p−AlGaAs層25、上部クラッド層127の一部により回折格子が形成されている。p−GaAs層24における凸部24aと凹部24bは、p−GaAs層24の表面を加工することにより、周期的に形成されており、p−GaAs層24における凸部24aと凹部24bとの高低差が約25nmとなるように形成されている。尚、p−GaAs層24を形成しているGaAsの屈折率は、波長1.06μm帯において約3.49である。
p−GaAs層24の上には、MOVPEによりp−AlGaAs層25が形成されている。p−AlGaAs層25をMOVPEにより形成することにより、p−GaAs層24における凸部24aの上には、厚さが約15nm、凹部24bの上には、厚さが約30nmとなるようにp−AlGaAs層25が形成される。よって、p−AlGaAs層25の表面には、p−GaAs層24における凸部24a及び凹部24bの形状を反映した凸部25a及び凹部25bが形成される。このように形成されるp−AlGaAs層25における凸部25aと凹部25bとの高低差は約10nmである。尚、p−AlGaAs層25は、AlXGa1−XAsと記載した場合に、0<X≦0.5となる組成により形成されており、屈折率は、波長1.06μm帯においておおよそ3.22以上、3.49未満である。
p−AlGaAs層25の上には、MOVPEによりp−InGaPにより上部クラッド層127が形成されている。上部クラッド層127は、p−AlGaAs層25の上に形成されており、これにより、上部クラッド層127の直下の領域における量子井戸活性層22において、光導波路が形成される。量子井戸活性層22は、InGaAsにより形成される井戸層とGaAsにより形成されるバリア層とを交互に積層することにより形成されている。
上部クラッド層127は、In0.49Ga0.51Pにより形成されており、屈折率は、波長1.06μm帯において約3.12である。上部クラッド層127は、p−AlGaAs層25における凸部25aと凹部25bを埋め込むように形成されており、表面は略平坦となっている。よって、上部クラッド層127は、p−AlGaAs層25における凸部25aの上よりも、凹部25bの上において厚く形成されている。即ち、p−GaAs層24の凸部25aの上よりも、凹部24bの上には、p−AlGaAs層25を介し、屈折率の低いInGaPにより形成された上部クラッド層127が厚く形成されている。これにより、p−GaAs層24の凹部24bに形成される半導体層における屈折率を低くすることができ、回折格子層における屈折率差を大きくすることができる。
よって、本実施の形態における光半導体装置においては、上部クラッド層127は、上部クラッド層としての機能と、p−AlGaAs層25における凸部25aと凹部25bの上に形成される埋込層としての機能を有している。このように、本実施の形態においては、回折格子層は、p−GaAs層24、p−AlGaAs層25、上部クラッド層127の一部により形成されている。
尚、本実施の形態においては、p−GaAs層24を第1の回折格子形成層、p−AlGaAs層25を第2の回折格子形成層と記載する場合がある。また、本実施の形態においては、p−GaAs層24における屈折率をnAとし、p−AlGaAs層25における屈折率をnBとし、上部クラッド層127における屈折率をnCとした場合、nA>nB>nCとなるように形成されている。
上部クラッド層127の上には、MOVPEによりp−GaAsによりコンタクト層28が形成されている。
上部クラッド層127及びコンタクト層28は、最初に、p−AlGaAs層25の上に、上部クラッド層127及びコンタクト層28を形成するための半導体膜を形成する。この後、上部クラッド層127等が形成される領域を除く領域の半導体膜をドライエッチング等により除去することにより形成する。ドライエッチング等により露出したp−AlGaAs層25の表面及び上部クラッド層27及びコンタクト層28の側面には、酸化シリコン等により保護膜31が形成されている。更に、保護膜31及びコンタクト層28の上には、上面電極41が形成されており、n−GaAs基板10の裏面には下面電極42が形成されている。尚、図11には不図示であるが、レーザ光が出射される量子井戸活性層22の一方の端面には反射防止膜が形成されており、一方の端面とは反対の他方の端面には高反射膜が形成されている。
(光半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における光半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図12(a)に示すように、n−GaAs基板10の上に、下部クラッド層21、量子井戸活性層22、p−AlGaAs層23、p−GaAs層24等の半導体層を形成する。これらの半導体層は、MOVPE、または、MBEによりエピタキシャル成長させることにより形成する。
n−GaAs基板10は、n型となる不純物元素がドープされたn−GaAs(100)基板である。下部クラッド層21は、n型となる不純物元素がドープされている厚さが約2.0μmのn−Al0.3Ga0.7Asにより形成されている。量子井戸活性層22は、アンドープのInGaAsにより形成された井戸層とアンドープのGaAsにより形成されたバリア層とを交互に積層することにより形成されている。
p−AlGaAs層23は、p型となる不純物元素がドープされている厚さが約300nmのp−Al0.3Ga0.7Asにより形成されている。p−GaAs層24は、p型となる不純物元素がドープされている厚さが約60nmのp−GaAsにより形成されている。
本実施の形態においては、例えば、量子井戸活性層22は、アンドープのInGaAsにより井戸層の厚さが約7nmとなるように形成されており、アンドープのGaAsによりバリア層の厚さが約20nmとなるように形成されている。また、本実施の形態においては、井戸層を形成しているInGaAsにおけるInの組成は約0.25、即ち、InYGa1−YAsと記載した場合に、Yの値が約0.25となるように形成されており、量子井戸活性層22には井戸層が2層形成されている。これにより、量子井戸活性層22における量子井戸構造の遷移波長が約1.06μmとなるように調整されている。
次に、図12(b)に示すように、p−GaAs層24の表面に、回折格子を形成するための凸部24aと凹部24bを形成する。
具体的には、p−GaAs層24の表面に、CVD等により厚さが約50nmの不図示の酸化シリコン膜を成膜する。この後、成膜された酸化シリコン(SiO2)膜の上に、レジストを塗布し、EB露光装置による露光、現像を行うことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、CF4ガスを用いたRIEにより、レジストパターンの形成されていない領域における酸化シリコン膜を除去することにより、酸化シリコンによるマスクを形成する。この後、レジストパターンを有機溶剤等により除去し、酸化シリコン膜により形成されたマスクを用いて、ウェットエッチングにより、酸化シリコンが形成されていない領域におけるp−GaAs層24の表面の一部を除去する。このウェットエッチングでは、エッチング液として、アンモニア水、過酸化水素水、水からなる混合溶液が用いられる。この後、不図示の酸化シリコン膜により形成されたマスクは、バッファードフッ酸等により除去する。
尚、p−GaAs層24の表面に形成される回折格子を形成するための凸部24aと凹部24bのパターンは、p−GaAs層24において<0−11>方向に沿うように形成する。また、p−GaAs層24の表面に形成される回折格子を形成するための凸部24aと凹部24bの周期は、発振波長が1.06μm近傍における所望の値となるように、約160nmとなるように形成する。このようにp−GaAs層24の表面に形成される凸部24aと凹部24bは、凹部24bの深さ、即ち、凸部24aと凹部24bとの高低差は、約25nmとなるように形成する。このようにして、p−GaAs層24の表面に凸部24aと凹部24bを形成することにより、凸部24aと凹部24bの間に形成される斜面は、主に(111)A面となる。
次に、図13(a)に示すように、表面に凸部24aと凹部24bが形成されているp−GaAs層24の上に、MOVPEにより、p−AlGaAs層25を形成する。
具体的には、p−AlGaAs層25は、平坦なp−GaAs基板に成膜した際、Al組成が0.32となる条件で、即ち、Al0.32Ga0.68Asが形成される条件で、p型となる不純物元素をドープして形成する。本実施の形態においては、p−AlGaAs層25は、表面に凸部25aと凹部25bが形成されている状態で結晶成長を停止する。例えば、p−AlGaAs層25は、p−GaAs層24の凸部24aの上において厚さが約15nm、凹部24bの上において厚さが約30nmとなった状態で、p−AlGaAs層25の結晶成長を停止する。これにより、p−AlGaAs層25の表面に形成される凸部25aと凹部25bは、凹部25bの深さ、即ち、凸部25aと凹部25bとの高低差が約10nmとなるように形成する。
これにより、p−AlGaAs層25は、p−GaAs層24の凸部24aの上の領域における組成は、略Al0.36Ga0.64Asとなり、凹部24bの上の領域における組成は、略Al0.25Ga0.75Asとなるように形成される。尚、このようにして、p−AlGaAs層25の表面に凸部25aと凹部25bを形成することにより、凸部25aと凹部25bの間に形成される斜面は、主に(311)A面となる。
次に、図13(b)に示すように、MOVPEにより、p−AlGaAs層25の上に、上部クラッド層127を形成するためのp−InGaP膜127a、コンタクト層28を形成するためのp−GaAs膜28aを順次積層して形成する。具体的には、凸部25aと凹部25bが形成されているp−AlGaAs層25の上に、p−InGaP膜127aを形成し、p−InGaP膜127aの上にp−GaAs膜28aを形成する。p−InGaP膜127aは、p型となる不純物元素がドープされているIn0.49Ga0.51Pを厚さ約1.0μm結晶成長させることにより形成する。また、p−GaAs膜28aは、p型となる不純物元素をドープしたGaAsを厚さ300nm結晶成長させることにより形成する。
これにより、本実施の形態においては、p−AlGaAs層25に形成された凸部25a及び凹部25bは、上部クラッド層127を形成するためのp−InGaP膜127aにより埋込まれる。このように、本実施の形態においては、p−GaAs層24、p−AlGaAs層25及び後述する上部クラッド層127により回折格子層が形成される。
次に、図14(a)に示すように、p−GaAs膜28aの上に、<0−1−1>方向に沿った酸化シリコンマスク61を形成する。具体的には、p−GaAs膜28aの上に、CVDにより酸化シリコン膜を成膜し、酸化シリコン膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、酸化シリコンマスク61が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における酸化シリコン膜をRIE等のドライエッチングまたはウェットエッチングにより除去することにより、酸化シリコンマスク61を形成する。尚、この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
次に、図14(b)に示すように、酸化シリコンマスク61をマスクとして、酸化シリコンマスク61が形成されていない領域におけるp−InGaP膜127a及びp−GaAs膜28aをウェットエッチングにより除去する。このウェットエッチングにおいては、例えば、最初に、アンモニア水と過酸化水素水、水の混合溶液等をエッチング液として用いて、酸化シリコンマスク61が形成されていない領域におけるp−GaAs膜28aを選択的に除去する。この後、塩酸と酢酸を含む混合溶液等をエッチング液として用いて、酸化シリコンマスク61が形成されていない領域におけるp−InGaP膜127aを除去する。この際用いられるp−InGaP膜127aをエッチングするエッチング液では、AlGaAsは殆どエッチングされず、p−AlGaAs層25の表面が露出した状態で選択的にエッチングがストップするため、エッチングの制御を良好に行うことができる。
これにより、酸化シリコンマスク61が形成されている領域において残存するp−InGaP膜127a及びp−GaAs膜28aにより、上部クラッド層127及びコンタクト層28が形成される。このように形成された上部クラッド層127の幅Wは約2μmであり、幅Wが約2μmの上部クラッド層127が形成されている領域の下の量子井戸活性層22において、光導波路が形成されるリッジ導波路構造が形成される。この後、酸化シリコンマスク61は、バッファードフッ酸等により除去する。
次に、図15に示すように、上部クラッド層127及びコンタクト層28の側面、p−AlGaAs層25の上に保護膜31を形成し、コンタクト層28の上に上面電極41を形成し、n−GaAs基板10の裏面に、下面電極42を形成する。この後、所望の共振器長となるように、n−GaAs基板10をへき開し、へき開面においてレーザ光が出射される一方の端面に反射防止膜を形成し、一方の端面とは反対側の他方の端面に高反射膜を成膜する。
具体的には、上部クラッド層127の側面、コンタクト層28及びp−AlGaAs層25の上に、CVDによりパッシベーション膜となる保護膜31を形成するための酸化シリコン膜を形成する。この後、形成された酸化シリコン膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、酸化シリコン膜を介してコンタクト層28が形成されている領域に、開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における酸化シリコン膜を、エッチング液としてバッファードフッ酸等を用いたウェットエッチングにより除去することにより、残存する酸化シリコン膜により、パッシベーション膜となる保護膜31を形成する。尚、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
この後、コンタクト層28及び保護膜31の上に、真空蒸着またはスパッタリング等により、Ti/Pt/Auからなる金属積層膜を成膜することにより上面電極41を形成する。また、n−GaAs基板10の裏面には、真空蒸着またはスパッタリング等により、AuGe/Auからなる金属積層膜を成膜することにより下面電極42を形成する。この後、所望の共振器長、例えば、共振器長が500μmとなるように、n−GaAs基板10をへき開した後、へき開面においてレーザ光が出射される一方の端面に誘電体膜等により反射防止膜を形成し、他方の端面に誘電体膜等により高反射膜を成膜する。
これにより、本実施の形態における光半導体装置を作製することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
(光半導体装置)
次に、第3の実施の形態における光半導体装置について説明する。本実施の形態における光半導体装置は、量子ドットDFBレーザであり、図16に示されるように、GaAs基板に形成されたリッジ導波路が形成されている波長1.3μm帯の半導体レーザである。本実施の形態における量子ドットDFBレーザは、p−GaAs基板210の上に、p−AlGaAsにより下部クラッド層221、量子ドット活性層222、n−GaAs層224が形成されている。n−GaAs層224の表面には凸部224aと凹部224bが形成されており、凸部224aと凹部224bが形成されたn−GaAs層224の上には、n−AlGaAs層225、n−InGaP層226が積層して形成される。
本実施の形態における光半導体装置においては、n−GaAs層224、n−AlGaAs層225、n−InGaP層226により回折格子層220が形成されている。n−GaAs層224における凸部224aと凹部224bは、n−GaAs層224の表面を加工することにより、周期的に形成されており、n−GaAs層224における凸部224aと凹部224bとの高低差が約25nmとなるように形成されている。尚、n−GaAs層224を形成しているGaAsの屈折率は、波長1.3μm帯において約3.42である。
n−GaAs層224の上には、MOVPEによりn−AlGaAs層225が形成されている。n−AlGaAs層225をMOVPEにより形成することにより、n−GaAs層224における凸部224aの上には、厚さが約15nm、凹部224bの上には、厚さが約30nmとなるようにn−AlGaAs層225が形成される。よって、n−AlGaAs層225の表面には、n−GaAs層224における凸部224a及び凹部224bの形状を反映した凸部225a及び凹部225bが形成される。このように形成されるn−AlGaAs層225における凸部225aと凹部225bとの高低差は約10nmである。尚、n−AlGaAs層225は、AlXGa1−XAsと記載した場合に、0<X≦0.5となる組成により形成されており、屈折率は、波長1.3μm帯においておおよそ3.17以上、3.42未満である。
n−AlGaAs層225の上には、MOVPEによりn−InGaP層226が形成されている。n−InGaP層226は、In0.49Ga0.51Pにより形成されており、屈折率は、波長1.3μm帯において約3.16である。n−InGaP層226は、n−AlGaAs層225における凸部225aと凹部225bを埋め込むように形成されており、表面は略平坦となっている。よって、n−InGaP層226は、n−AlGaAs層225における凸部225aの上よりも、凹部225bの上において厚く形成される。即ち、n−GaAs層224の凸部224aの上よりも、凹部224bの上には、n−AlGaAs層225の凹部225bを介し、屈折率の低いn−InGaP層226が厚く形成されている。これにより、n−GaAs層224の凹部224bに形成される半導体層における屈折率を低くすることができ、回折格子層220における屈折率差を大きくすることができる。
尚、本実施の形態においては、n−GaAs層224を第1の回折格子形成層、n−AlGaAs層225を第2の回折格子形成層、n−InGaP層226を埋込層と記載する場合がある。また、本実施の形態においては、n−GaAs層224における屈折率をnAとし、n−AlGaAs層225における屈折率をnBとし、n−InGaP層226における屈折率をnCとした場合、nA>nB>nCとなるように形成されている。
埋込層となるn−InGaP層226の上には、MOVPEにより、n−AlGaAsにより上部クラッド層227が形成されており、上部クラッド層227の上にはn−GaAsによりコンタクト層228が形成されている。これにより、上部クラッド層227の直下の領域における量子ドット活性層222において光導波路が形成される。
本実施の形態においては、量子ドット活性層222は、図17に示すような量子ドット層222aを複数積層することにより形成されている。量子ドット層222aは、アンドープGaAs層251上に、アンドープInAs層252を数原子層(ML)成長させることにより、量子ドット構造を自然形成する。このように、アンドープInAs層252に形成される量子ドット構造は、InAs量子ドット252aとInAs濡れ層252bとからなるものである。この後、量子ドット構造を埋め込むようにアンドープInGaAs歪緩和層253を形成し、更に、アンドープGaAs層254、p−GaAs層255、アンドープGaAs層256を順次積層して形成する。
本実施の形態においては、アンドープGaAs層254とアンドープGaAs層256との間に、p−GaAs層255が設けられている変調pドープ構造となるように形成されている。これにより、量子ドット252aへのホールの供給が改善され、微分利得の向上、温度安定動作性の向上など、発振特性を向上させることができる。
本実施の形態においては、このような量子ドット層222aを10層積層形成することにより、量子ドット活性層222が形成されている。尚、量子ドット活性層222においては、アンドープInGaAs歪緩和層253における組成を調整することにより、量子ドット活性層222における利得波長を調整することができる。本実施の形態においては、利得波長が1.29μmとなるように形成されている。
上部クラッド層227及びコンタクト層228は、最初に、n−InGaP層226の上に、上部クラッド層227及びコンタクト層228を形成するための半導体膜を形成する。この後、上部クラッド層227等が形成される領域を除く領域の半導体膜をドライエッチング等により除去することにより形成する。ドライエッチング等により露出したn−InGaP層226の表面及び上部クラッド層227及びコンタクト層228の側面には、酸化シリコン等により保護膜231が形成されている。更に、保護膜231及びコンタクト層228の上には、上面電極241が形成されており、p−GaAs基板210の裏面には下面電極242が形成されている。尚、図17には不図示であるが、レーザ光が出射される量子ドット活性層222の一方の端面には反射防止膜が形成されており、一方の端面とは反対の他方の端面には高反射膜が形成されている。
(光半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における光半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図18(a)に示すように、p−GaAs基板210の上に、下部クラッド層221、量子ドット活性層222、n−GaAs層224等の半導体層を形成する。これらの半導体層は、MOVPE、または、MBEによりエピタキシャル成長させることにより形成する。
p−GaAs基板210は、p型となる不純物元素がドープされたp−GaAs(100)基板である。下部クラッド層221は、p型となる不純物元素がドープされている厚さが約1.5μmのp−Al0.3Ga0.7Asにより形成されている。量子ドット活性層222は、図17に示される量子ドット層222aを10層積層することにより形成されており、遷移波長が約1.29μmとなるように形成されている。n−GaAs層224は、n型となる不純物元素がドープされている厚さが約60nmのn−GaAsにより形成されている。
次に、図18(b)に示すように、n−GaAs層224の表面に、回折格子を形成するための凸部224aと凹部224bを形成する。
具体的には、n−GaAs層224の表面に、CVD等により厚さが約50nmの不図示の酸化シリコン膜を成膜する。この後、成膜された酸化シリコン(SiO2)膜の上に、レジストを塗布し、EB露光装置による露光、現像を行うことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この後、CF4ガスを用いたRIEにより、レジストパターンの形成されていない領域における酸化シリコン膜を除去することにより、酸化シリコンによるマスクを形成する。この後、レジストパターンを有機溶剤等により除去し、酸化シリコンにより形成されたマスクを用い、ウェットエッチングにより、酸化シリコンが形成されていない領域におけるn−GaAs層224の表面の一部を除去する。このウェットエッチングでは、エッチング液として、アンモニア水、過酸化水素水、水からなる混合溶液が用いられる。この後、不図示の酸化シリコン膜により形成されたマスクは、バッファードフッ酸等により除去する。
尚、n−GaAs層224の表面に形成される回折格子を形成するための凸部224aと凹部224bのパターンは、n−GaAs層224において<0−11>方向に沿うように形成する。また、n−GaAs層224の表面に形成される回折格子を形成するための凸部224aと凹部224bの周期は、発振波長が1.29μm近傍における所望の値となるように、約195nmとなるように形成する。このようにn−GaAs層224の表面に形成される凸部224aと凹部224bは、凹部224bの深さ、即ち、凸部224aと凹部224bとの高低差は、約25nmとなるように形成する。このようにして、n−GaAs層224の表面に凸部224aと凹部224bを形成することにより、凸部224aと凹部224bの間に形成される斜面は、主に(111)A面となる。
次に、図19(a)に示すように、表面に凸部224aと凹部224bが形成されているn−GaAs層224の上に、MOVPEにより、n−AlGaAs層225及びn−InGaP層226を形成する。
具体的には、n−AlGaAs層225は、平坦なGaAs基板等に成膜した際、Al組成が0.32となる条件で、即ち、Al0.32Ga0.68Asが形成される条件で、p型となる不純物元素をドープして形成する。本実施の形態においては、n−AlGaAs層225は、表面に凸部225aと凹部225bが形成されている状態で結晶成長を停止する。例えば、n−AlGaAs層225は、n−GaAs層224の凸部224aの上において厚さが約15nm、凹部224bの上において厚さが約30nmとなった状態で、n−AlGaAs層225の結晶成長を停止する。これにより、n−AlGaAs層225の表面に形成される凸部225aと凹部225bは、凹部225bの深さ、即ち、凸部225aと凹部225bとの高低差が約10nmとなるように形成する。
これにより、n−AlGaAs層225は、n−GaAs層224の凸部224aの上の領域における組成は、略Al0.36Ga0.64Asとなり、凹部224bの上の領域における組成は、略Al0.25Ga0.75Asとなるように形成される。尚、このようにして、n−AlGaAs層225の表面に凸部225aと凹部225bを形成することにより、凸部225aと凹部225bの間に形成される斜面は、主に(311)A面となる。
この後、凸部225aと凹部225bが形成されているn−AlGaAs層225の上に、MOVPEにより、n型となる不純物元素がドープされているn−InGaP層226を表面が略平坦になるまで形成する。n−InGaP層226は、組成がIn0.49Ga0.51Pとなるような条件で形成されている。これにより、n−InGaP層226は、n−AlGaAs層225の凸部225aの上において厚さが約10nm、凹部225bの上において厚さが約20nmとなるように形成される。このように、本実施の形態においては、n−GaAs層224、n−AlGaAs層225及びn−InGaP層226により回折格子層220が形成される。
次に、図19(b)に示すように、MOVPEにより、n−InGaP層226の上に、上部クラッド層227を形成するためのn−AlGaAs膜227a、コンタクト層228を形成するためのn−GaAs膜228aを順次積層して形成する。具体的には、n−AlGaAs膜227aは、n型となる不純物元素がドープされているAl0.3Ga0.7Asを厚さ約1.0μm結晶成長させることにより形成する。また、n−GaAs膜228aは、n型となる不純物元素をドープしたGaAsを厚さ300nm結晶成長させることにより形成する。
次に、図20(a)に示すように、n−GaAs膜228aの上に、<0−1−1>方向に沿った酸化シリコンマスク261を形成する。具体的には、n−GaAs膜228aの上に、CVDにより酸化シリコン膜を成膜し、酸化シリコン膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、酸化シリコンマスク261が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における酸化シリコン膜をRIE等のドライエッチングまたはウェットエッチングにより除去することにより、酸化シリコンマスク261を形成する。尚、この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
次に、図20(b)に示すように、酸化シリコンマスク261をマスクとして、酸化シリコンマスク261が形成されていない領域におけるn−AlGaAs膜227a及びn−GaAs膜228aをウェットエッチングにより除去する。このウェットエッチングにおいては、例えば、アンモニア水と過酸化水素水、水の混合溶液や、リン酸、過酸化水素水、水の混合溶液をエッチング液として用いる。これらのエッチング液を用いることにより、n−InGaP層226の表面が露出した状態で、エッチングがストップするため、エッチングの制御を良好に行うことができる。これにより、酸化シリコンマスク261が形成されている領域において残存するn−AlGaAs膜227a及びn−GaAs膜228aにより、上部クラッド層227及びコンタクト層228が形成される。このように形成された上部クラッド層227の幅Wは約2μmであり、幅Wが約2μmの上部クラッド層227が形成されている領域の下の量子ドット活性層222において、光導波路が形成されるリッジ導波路構造が形成される。この後、酸化シリコンマスク261は、バッファードフッ酸等により除去する。
次に、図21に示すように、上部クラッド層227及びコンタクト層228の側面、n−InGaP層226の上に保護膜31を形成し、コンタクト層228の上に上面電極241を形成し、p−GaAs基板210の裏面に、下面電極242を形成する。この後、所望の共振器長となるように、p−GaAs基板210をへき開し、へき開面においてレーザ光が出射される一方の端面に反射防止膜を形成し、一方の端面とは反対側の他方の端面に高反射膜を成膜する。
具体的には、上部クラッド層227の側面、コンタクト層228及びn−InGaP層226の上に、CVDによりパッシベーション膜となる保護膜31を形成するための酸化シリコン膜を形成する。この後、形成された酸化シリコン膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、酸化シリコン膜を介しコンタクト層228が形成されている領域に、開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における酸化シリコン膜を、エッチング液としてバッファードフッ酸等を用いたウェットエッチングにより除去することにより、残存する酸化シリコン膜により、パッシベーション膜となる保護膜31を形成する。尚、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
この後、コンタクト層228及び保護膜231の上に、真空蒸着またはスパッタリング等により、AuGe/Auからなる金属積層膜を成膜することにより上面電極241を形成する。また、p−GaAs基板210の裏面には、真空蒸着またはスパッタリング等により、Ti/Pt/Auからなる金属積層膜を成膜することにより下面電極242を形成する。この後、所望の共振器長、例えば、共振器長が500μmとなるように、p−GaAs基板210をへき開した後、へき開面においてレーザ光が出射される一方の端面に誘電体膜等により反射防止膜を形成し、他方の端面に誘電体膜等により高反射膜を成膜する。
これにより、本実施の形態における光半導体装置を作製することができる。本実施の形態における光半導体装置は、GaAs基板に形成された波長1.3μm帯のリッジ導波路型の量子ドットDFBレーザであり、計算により得られる回折格子層220における結合係数κは30cm−1である。
尚、本実施の形態の光半導体装置は、回折格子層220の位置が、量子ドット活性層222の下側となるp−GaAs基板210側に形成されたものであってもよい。また、本実施の形態は、レーザ以外の光半導体装置であって、回折格子層が形成される光半導体装置にも適用することが可能である。また、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板の上に、半導体材料により形成された活性層と、
前記活性層の上に、半導体材料により形成された上部クラッド層と、
前記半導体基板と前記活性層との間、または、前記活性層と前記上部クラッド層との間に、半導体材料により形成された回折格子層と、
を有し、
前記回折格子層は、表面に凸部と凹部が形成されている第1の回折格子形成層と、
前記第1の回折格子形成層の上に形成されており、前記第1の回折格子形成層における前記凸部と前記凹部に対応した凸部と凹部が表面に形成されている第2の回折格子形成層と、
前記第2の回折格子形成層における前記凸部と前記凹部の上に形成された埋込層と、
を含むものであって、前記第1の回折格子形成層における屈折率をnAとし、前記第2の回折格子形成層における屈折率をnBとし、埋込層における屈折率をnCとした場合、
nA>nB>nC
であることを特徴とする光半導体装置。
(付記2)
前記回折格子層は、前記活性層と前記上部クラッド層との間に形成されていることを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記3)
前記上部クラッド層は、AlGaAsを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1または2に記載の光半導体装置。
(付記4)
前記埋込層は、InGaPを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記5)
前記埋込層は、前記上部クラッド層の一部であって、前記埋込層と前記上部クラッド層とは、同一の材料により形成されていることを特徴とする付記2に記載の光半導体装置。
(付記6)
前記上部クラッド層は、InGaPを含む材料により形成されていることを特徴とする付記5に記載の光半導体装置。
(付記7)
前記第1の回折格子形成層は、GaAsを含む材料により形成されており、
前記第2の回折格子形成層は、AlGaAsを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記8)
前記上部クラッド層の上には、半導体材料によりコンタクト層が形成されており、
前記コンタクト層に接続される上面電極と、
前記半導体基板の裏面に形成された下面電極と、
を有することを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記9)
前記半導体基板は、GaAs基板であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記10)
前記活性層は、InGaAsとGaAsとを積層することにより形成されていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記11)
前記活性層は、量子井戸活性層であることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記12)
前記活性層は、量子ドット活性層であることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記13)
前記半導体基板は、n型であることを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記14)
前記半導体基板は、p型であることを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記15)
前記光半導体装置は、リッジ導波路型の光半導体装置であることを特徴とする付記1から15のいずれかに記載の光半導体装置。
(付記16)
半導体基板の上に、半導体材料により活性層を形成する工程と、
前記活性層の上に、半導体材料により上部クラッド層を形成する工程と、
前記半導体基板と前記活性層との間、または、前記活性層と前記上部クラッド層との間に、半導体材料により回折格子層を形成する工程と、
を有し、
前記回折格子層を形成する工程は、
表面に凸部と凹部が形成されている第1の回折格子形成層を形成する工程と、
前記第1の回折格子形成層の上に、前記第1の回折格子形成層における前記凸部と前記凹部に対応した凸部と凹部が表面に形成されている第2の回折格子形成層を形成する工程と、
前記第2の回折格子形成層における前記凸部と前記凹部の上に、埋込層を形成する工程と、
を含むものであって、前記第1の回折格子形成層における屈折率をnAとし、前記第2の回折格子形成層における屈折率をnBとし、埋込層における屈折率をnCとした場合、
nA>nB>nC
であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
(付記17)
前記回折格子層を形成する工程は、前記活性層を形成する工程と、前記上部クラッド層を形成する工程との間に行われるものであって、
前記活性層の上に、前記回折格子層が形成され、
前記回折格子層の上に、前記上部クラッド層が形成されることを特徴とする付記16に記載の光半導体装置の製造方法。
(付記18)
前記第2の回折格子形成層及び前記埋込層は、MOCVDにより形成されるものであることを特徴とする付記16または17に記載の光半導体装置の製造方法。
(付記19)
半導体基板の上に、半導体材料により活性層を形成する工程と、
前記活性層の上に、表面に凸部と凹部が形成されている第1の回折格子形成層を半導体材料により形成する工程と、
前記第1の回折格子形成層の上に、前記第1の回折格子形成層における前記凸部と前記凹部に対応した凸部と凹部が表面に形成されている第2の回折格子形成層を半導体材料により形成する工程と、
前記第2の回折格子形成層における前記凸部と前記凹部の上に、上部クラッド層を半導体材料により形成する工程と、
を有し、
前記第1の回折格子形成層における屈折率をnAとし、前記第2の回折格子形成層における屈折率をnBとし、前記上部クラッド層における屈折率をnCとした場合、
nA>nB>nC
であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
(付記20)
前記第2の回折格子形成層及び前記上部クラッド層は、MOCVDにより形成されるものであることを特徴とする付記19に記載の光半導体装置の製造方法。