JP2016169209A - シート状化粧料 - Google Patents
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Description
その一つに有効成分等を含浸したシートを肌に密着させることによって閉塞効果による有効性の向上を図るシート状化粧料が近年利用が増加している。
このようなシート状化粧料に関しては、有効性を向上させる目的でシートの材質の優位性があるのもののほか、含浸させる化粧料を工夫したもの等が知られている。(特許文献1〜5)
しかしながら、さらに有効性の高い製剤が求められている。
シートに以下の成分を含有するO/W型エマルションを含浸させたシート状化粧料。
(A)油相成分
(B)油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステル
(C)リン脂質
(D)コラーゲン
(E)カルシウムイオン供給化合物
(F)多価アルコールを含む水相成分
以下に詳細に記載する。
さらにこれに油溶性有効成分も配合することは本製剤には有効である。
油溶性有効成分には特に制限はなく、例示すれば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、トコフェロール、カロチノイド、レチノール等及びその類似体と油溶性誘導体、セラミド、油溶性甘草、グリチルレチン酸、油溶性ヨクイニンエキス及び油溶性ローズマリーエキス、クロニジン、スコポラミン、プロプラノロール、エストラジオール、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、ウアバイン、アトロピン、ハロペリドール、イソソルビド、ニトログリセリン、イブプロフェン、ユビキノン、インドメタシン、ステロイド等が挙げられる。
特に有効なとしては、油溶性ビタミン、ビタミンの油溶性誘導体、セラミドが挙げられる。
油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルを例示すれば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベへニル・オクチルドデシル)等がある。
(B)を含む油相成分は、油相成分の種類等によって大きく異なるが、O/W型エマルションの3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
(B)の油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルの配合量は、O/W型エマルションの0.1〜10重量%が好ましく、0.3〜3重量%がより好ましい。さらには、油相成分の1/50〜1/2(重量比)、さらに1/20〜1/3(重量比)がより好ましい。
多価アルコールは特に限定はないが、例示すれば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、それ以上のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、それ以上のポリプロピレングリコール類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のブチレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、それ以上のポリグリセリン類、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール等の糖アルコール類、グリセリン類のエチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)付加物、糖アルコール類のEO、PO付加物、ガラクトース、グルコース、フルクトース等の単糖類とそのEO、PO付加物、マルトース、ラクトース等の多糖類とそのEO、PO付加物などの多価アルコールがが挙げられ、配合量はO/W型エマルションの3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
さらに、多価アルコールの中でグリセリンをO/W型エマルションの2〜15重量%を配合することが好ましい。
多価アルコール以外の水溶性成分の配合は必要に応じて行うが、コラーゲンとカルシウムイオン供給化合物は配合すると、有効性の向上におおきく寄与する。
また、誘導体も利用でき、具体的には、アテロ化、アシル化、サクシニル化、或いは2つ以上の誘導体化、すなわち、サクシニルアテロ化等の誘導体化等が選択できる。
この中で、貝類、特にアコヤ貝由来のコラーゲンが有効で、サクシニルアテロ化したアコヤ貝由来のコラーゲンが最も有効であった。
コラーゲンの配合量は製剤の固形分として0.00001〜10重量%が好ましく、0.00005〜2.0重量%がより好ましい。
カルシウムイオン供給化合物の起原として、真珠及び/又は真珠層を有する貝殻を用いた場合に、これらに含まれる様々なカルシウムイオン以外の成分が有効に働くことがわかり、より有効なことが分かった。
ここでいう真珠とは,生きた真珠貝の中で球状または半球状(多少の変形を含む)に形成される代謝生産物であって,かつ、この外見しうる部分の主たる構成物質が、真珠貝の真珠層と等質であるものをいう。
真珠層を有する貝殻をもつ貝は、二枚貝綱、腹足綱、頭足綱などのうち特定の古い系統の貝を指し、例示すれば、アコヤガイ、シロチョウガイ、クロチョウガイ、ベニコチョウガイ、マベガイ、イガイ、ムラサキイガイ、ヤコウガイ、イケチョウガイ、カワシンジュガイ、カサガイ等が挙げられる。
このうち、アコヤガイ、シロチョウガイ、クロチョウガイが養殖も実施されており原料の確保の点から好ましい。
また、貝殻の内、殻皮層、稜柱層もブラシ、ヘラ、グラインダーを用いて取り除く。また、特開昭62−120319号公報、特開2003−250489号公報、特開2011−72207号公報等にも種々の方法が記載されているので任意の方法を選択すればよい。なお、貝殻付着物はある程度取り除いた方がよいが、殻皮層、稜柱層は場合によっては取り除く必要はない。
真珠は、有核の場合は必要により核を取り除いて用いる。
以上、真珠或いは真珠層を有する貝殻の一方又は両方を用いて、以下の可溶化を行うが可溶化をスムーズに行うために破砕・粉砕工程を必要に応じて加える。
破砕・粉砕は、金槌、棒等で破砕してもよいし、ジャイレトリクラッシャー 、コーンクラッシャー、シングルロールクラッシャー、ダブルロールクラッシャー 、インパクトクラッシャー、ボールミル、ハンマーミル、ロッドミル等のクラッシャーや粉砕機を用いて破砕・粉砕を行ってもよい。
加熱・焼成の条件は通常200〜2000℃で30分〜5時間実施する。
これに、酸を加えて水に可溶化する。
用いる酸は、カルシウムと反応して水に溶解するものであれば用いることができる。例示すれば、塩酸、硝酸、乳酸、酢酸、グリコール酸等の無機酸、有機酸を挙げることができる。
酸は真珠或いは真珠層を有する貝殻が、全て或いは一部が溶解する量を加える。この場合塩酸等の場合、発泡するので、必要に応じて、水を加えて、撹拌する。撹拌は加えた水の量、貝殻の粉砕程度、反応温度、発砲の程度等によって撹拌の強度を選択する。
また、反応時間、反応温度も諸条件によって変化するが、1mm以下に粉砕した場合は、10時間〜1週間程度が好ましい。
これを必要に応じて、濾過、遠心分離等の工程を加えて利用する。
カルシウムイオン供給化合物の配合量は製剤の固形分として0.00001〜10重量%が好ましく、0.00005〜2.0重量%がより好ましい。
勿論、水も重要な配合成分であり、精製水、温泉水等につ様に応じて選択する。
リン脂質の配合量はリン脂質の種類や製剤の目的、他の原料、特に油相のの種類や配合量によって変化するが、0.01〜10重量%が好ましい。特に他の界面活性剤を配合しない場合は0.1〜10重量%、より好ましくは0.3〜5重量%である。
このほか界面活性剤は、配合しなくても乳化するので、必要ではない。しかしながら剤型、製造方法や目的に応じて配合することは可能である。
アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)等が例示される。
また、シートは、上記のO/W型エマルションを吸収し、ある程度保持する材質であれば利用でき、不織布等が利用される。
実施例1〜5を表1に示す。
注1)はアコヤ貝貝肉由来のサクニルアテロ化コラーゲンの1%水溶液
注2)は、真珠より核を取り除き、乳鉢ですり潰した。これを1050℃で、3時間焼成した後、放冷し、これの1gに精製水500gを加え、室温で1時間撹拌したのち、塩酸でpH6.0に調整した。これを濾過滅菌したものである。
なお、シートはコットン由来繊維不織布を用いた。
実施例1〜5、5%グリセリン+0.1%POE(60)硬化ヒマシ油の水溶液、他社商品を対象に以下のように実験した。
使用部位=20名の女性の前腕内側部
方法
両腕を洗顔フォームで洗浄後、恒温恒湿室(23℃±1℃、45%相対湿度)で、20分安静にした後、初期値を測定した。(0分)
試験品0.048gを含ませたシート(コットン由来繊維不織布、2cm×2cm)を前腕屈側に貼り付けた。5分間放置した後シートを除去し、ティッシュで拭き取った。
拭き取り後10分、30分、60分に角層水分量をそれぞれ測定し、高周波電気伝導性測定装置SKICON−200(IBS社製、波長3.5MHz、プローグ2mm)でコンダクタンスを測定した。
結果を図1に示した。
このように、実施例1〜5は、皮膚角層水分量が非常に高くなり、油溶性有効成分の吸収性も高いので、シワ等の美容に有効であった。
Claims (5)
- シートに以下の成分を含有するO/W型エマルションを含浸させたシート状化粧料。
(A)油相成分
(B)油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステル
(C)リン脂質
(D)コラーゲン
(E)カルシウムイオン供給化合物
(F)多価アルコールを含む水相成分 - さらに、油溶性有効成分を含有する多価アルコール中油エマルションを含むO/W型エマルションで含浸させたシート状化粧料。
- レシチン以外の界面活性剤を含まない請求項1乃至2のいずれかのO/W型エマルションを含浸させたシート状化粧料。
- (B)の油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルが、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベへニル・オクチルドデシル)から選択される1種以上である請求項1乃至3のいずれかのO/W型エマルションを含浸させたシート状化粧料。
- (E)のカルシウムイオン供給化合物が真珠及び/又は真珠層を有する貝殻の可溶化物である請求項1乃至4のいずれかのO/W型エマルションを含浸させたシート状化粧料。
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