JP2016165014A - デスミア処理装置およびデスミア処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デスミア処理を高い処理効率で確実に行うことのできるデスミア処理装置およびデスミア処理方法を提供する。【解決手段】中心波長が172nmの真空紫外線を放射するキセノンエキシマランプよりなる紫外線光源と、紫外線光源が収容された光照射室と、被処理物が配置される処理空間を有する処理室と、光照射室の内部空間と処理室の処理空間とを区画する紫外線透過性の窓部材と、処理用ガスを処理空間内に供給する処理用ガス供給手段と、処理用ガスの露点温度を測定する露点計とを備え、処理用ガス供給手段は、真空紫外線によって活性化される活性種源を含む、酸素濃度が50体積%以上の処理用ガスに水分を含ませる加湿機構を備え、加湿機構によって加湿された処理用ガスを処理空間内に供給し、露点計により測定される処理用ガスの露点温度に基づいて、処理用ガスの絶対容積湿度が制御される。【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板の製造工程において基板材料におけるスミア(残渣)を、紫外線を利用して除去するデスミア処理装置およびデスミア処理方法に関する。
例えば半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するための配線基板としては、絶縁層と導電層(配線導体)とが交互に積層されてなる多層配線基板が知られている。このような多層配線基板においては、一の導電層と他の導電層とを電気的に接続するため、1つの若しくは複数の絶縁層を厚み方向に貫通するビアホールやスルーホールが形成されている。
多層配線基板の製造工程においては、図2(a)に示すように、下層の樹脂絶縁層61上に、導電層(配線導体)62を含めて上層の樹脂絶縁層63を形成し、図2(b)に示すように、レーザ加工を施すことによって樹脂絶縁層63や導電層62の一部を除去することにより、ビアホール65またはスルーホールを形成する。そして、ビアホール65やスルーホールの形成においては、ビアホール65の内側やその近傍に、上層の樹脂絶縁層63の材料に起因するスミア(残渣)Sが残る。スミアSを残したままであると、ビアホール65の内側に導電層62を形成しても、導電層62の導通が不十分になることがある。従って、図2(c)に示すように、導電層62の上面が露出された状態を得るために、スミアSを除去するデスミア処理が行われる。
配線基板材料のデスミア処理方法としては、従来、湿式のデスミア処理方法が知られている。
湿式のデスミア処理方法は、配線基板材料を過マンガン酸カリウムや水酸化ナトリウムが溶解されてなるアルカリ溶液中に浸漬することにより、配線基板材料に残留するスミアを溶解若しくは剥離して除去する方法である(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、湿式のデスミア処理方法においては、配線基板材料をアルカリ溶液に浸漬した後に洗浄処理および中和処理を行う必要があるためスループットが悪くなること、使用済みのアルカリ溶液について廃液処理が必要となることなどから、デスミア処理のコストが相当に高くなる、という問題がある。
また、近年、配線基板における配線パターンの微細化の要請に伴って、径の小さいビアホールを形成することが求められている。そして、径の小さいビアホールを有する配線基板材料に対してデスミア処理を行う場合には、アルカリ溶液がビアホール内に十分に浸入しないため、所要のデスミア処理を確実に行うことが困難となる。
これに対して、乾式のデスミア処理方法によれば、短時間でデスミア処理を行うことが期待でき、また、配線基板材料の洗浄・中和や廃液処理が不要であることから、デスミア処理についてコストの低減化を図ることが可能である。更に、径の小さいビアホールを有する配線基板材料についても対応可能である(例えば特許文献2参照)。
乾式のデスミア処理方法としては、例えば酸素が存在する雰囲気下において、波長200nm以下の真空紫外線を配線基板材料に照射することにより、スミアを分解して除去する方法が考えられる。特に、エキシマランプから放射される真空紫外線により生成されるオゾン等の活性酸素を利用した方法は、より効率良く短時間で所定の処理を行うことが期待される。
特開2010−205801号公報 特開平08−180757号公報
而して、このようなデスミア処理方法においては、デスミア処理を確実に行おうとして、真空紫外線を長時間の時間の間照射すると、本来分解されるべきではない絶縁層も分解されてしまうという問題が生じる。絶縁層が過剰に分解されて絶縁機能を失うと、配線基板としての機能を果たすことができなくなる。一方、絶縁層を保護するために、紫外線の積算照射量を少なく見積もると、スミアを完全に除去することができず、ビアホールを介した配線導体の導通が不十分になる。
このように、配線基板材料のデスミア処理においては、いかに絶縁層に影響が及ばないようにスミアを処理するかが問題となる。すなわち、短時間で確実にスミアを処理できる新たな処理装置や処理方法が求められている。
本発明者らが鋭意検討した結果、配線基板材料に真空紫外線を照射しながら、水分を含ませた(加湿した)処理用ガスを供給することにより、水分を含ませない処理用ガスを供給するよりも早い処理速度でデスミア処理を行うことができることを見出した。
また、処理ガスに含ませる水分の量は、多すぎると処理速度が遅くなること、すなわち、処理ガスに含ませる水分量には適切な範囲が存在することも見出した。
本発明は、デスミア処理を高い処理効率で確実に行うことのできるデスミア処理装置およびデスミア処理方法を提供することを目的とする。
本発明のデスミア処理装置は、中心波長が172nmの真空紫外線を放射するキセノンエキシマランプよりなる紫外線光源と、当該紫外線光源が収容された光照射室と、被処理物が配置される処理空間を有する処理室と、当該光照射室の内部空間と当該処理室の処理空間とを区画する紫外線透過性の窓部材と、処理用ガスを前記処理空間内に供給する処理用ガス供給手段と、処理用ガスの露点温度を測定する露点計とを備えており、
前記処理用ガス供給手段は、前記紫外線光源からの真空紫外線によって活性化される活性種源を含む、酸素濃度が50体積%以上の処理用ガスに水分を含ませる加湿機構を備えており、当該加湿機構によって加湿された処理用ガスを前記処理空間内に供給し、
前記露点計により測定される処理用ガスの露点温度に基づいて、処理用ガスの絶対容積湿度が制御されることを特徴とする。
本発明のデスミア処理方法は、処理室の処理空間内に配置された被処理物に、当該処理室の処理空間と紫外線透過性を有する窓部材によって内部空間が区画された光照射室に収容された紫外線光源から当該窓部材を介して真空紫外線を照射することにより、当該被処理物におけるスミアを除去するデスミア処理方法において、
前記紫外線光源として、中心波長が172nmの真空紫外線を放射するキセノンエキシマランプが用いられ、
真空紫外線が照射されることによって活性化される活性種源を含む、酸素濃度が50体積%以上の処理用ガスに水分を含ませたものを前記処理空間内に供給し、
露点計によって処理用ガスの露点温度を測定し、当該露点計により測定された処理用ガスの露点温度に基づいて、処理用ガスの絶対容積湿度を制御することを特徴とする。
本発明のデスミア処理方法においては、処理用ガスの絶対容積湿度が10〜70g/m3 の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、被処理物に照射される真空紫外線、および真空紫外線が処理用ガスに照射されることにより生成される活性種に加えて、処理用ガスに含まれる水分に真空紫外線が照射されることにより生成される水酸基ラジカル(OH- )を、スミアの分解除去に寄与させることができるので、処理効率を向上させることができる。
また、露点計により測定された処理用ガスの露点温度に基づいて、処理用ガスに含まれる水分量(絶対容積湿度)が制御されていることにより、被処理物に照射される真空紫外線の光量が大幅に低下することを抑制することができ、安定したスミア除去効果を得ることができる。
本発明のデスミア処理装置の一例における要部の構成の概略を示す断面図である。 多層配線基板の製造工程の一例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のデスミア処理装置の一例における要部の構成の概略を示す断面図である。
このデスミア処理装置は、紫外線光源が収容された光照射室10と、被処理物60が配置される処理室20とを備えている。
被処理物60は、図2(b)を参照して説明すると、例えば、樹脂絶縁層61の一面上に導電層(配線導体)62が積層され、この導電層62の一面上にビアホール65が形成された樹脂絶縁層63が積層されてなる配線基板材料であって、製造過程において不可避的に形成された樹脂絶縁層63を由来とするスミアSが残存しているものである。
光照射室10は、下方に開口部を有する略直方体の箱型形状の筐体11を備えており、この筐体11の開口部には、紫外線透過性を有する平板状の窓部材12が気密に設けられている。窓部材12を構成する材料としては、例えば石英ガラスを用いることができる。
筐体11の内部には、紫外線光源である複数本の棒状の紫外線ランプ15が、中心軸が同一水平面内において互いに平行に延びるよう、並設されていると共に、これらの紫外線ランプ15の上方側の位置に、反射鏡16が設けられている。
また、筐体11には、例えば窒素ガスの不活性ガスをパージする不活性ガスパージ手段(図示せず)が設けられている。
紫外線ランプ15としては、真空紫外線の強度が高く、活性種を効率よく生成することができることから、中心波長が172nmの真空紫外線を放射するキセノンエキシマランプが用いられる。
処理室20は、上方向および下方向に開口する矩形枠状の筐体21を備えている。この筐体21の内部には、平坦な被処理物載置面25aを有する処理ステージ25が筐体21の下方側開口から収容されて筐体21の下方側開口を気密に塞ぐよう配置されている。
筐体21における、処理ステージ25の被処理物載置面25aより上方に突出する上端側部分には、被処理物載置面25aに沿って内方に向かって延びる光照射室支持部22が形成されている。図1における30は、光照射室10における窓部材12と処理ステージ25との間の離間距離を一定の大きさとするためのスペーサ部材である。そして、光照射室10の筐体11に設けられた窓部材12の光出射面(下面)における周縁部が、矩形枠状のシール部材31が介在する状態で、光照射室支持部22の上面に気密に配置されることにより、窓部材12によって光照射室10の内部空間と区画された、被処理物60が配置される処理空間Psが形成されている。
処理ステージ25には、給気口26aおよび排気口27aが処理空間Psに開口する、各々処理ステージ25の厚さ方向に貫通して延びる処理用ガス供給用貫通孔およびガス排出用貫通孔が形成されている。処理用ガス供給用貫通孔およびガス排出用貫通孔は、例えば紫外線ランプ15の配列方向に互いに離間した位置に形成されており、被処理物60は、給気口26aと排気口27aとの間の位置に配置される。
処理用ガス供給用貫通孔における給気口26aおよびガス排出用貫通孔における排気口27aは、いずれも、例えば開口形状が紫外線ランプ15のランプ中心軸方向に沿って延びる細長いスリット状の長孔により構成されている。
また、排気口27aの開口面積は、給気口26aの開口面積よりも大きいことが好ましい。このような構成とされていることにより、処理用ガスが処理空間Ps内で停滞することがなく、給気口26aから排気口27aに向かう一方向の一様な流れを安定して形成することができる。従って、処理用ガスが被処理物60の面方向の全体に行きわたるので、処理ムラが発生することを回避することができる。
被処理物60の表面と窓部材12の光出射面との間の離間距離の大きさGは、例えば1mm以下とされ、好ましくは0.3〜1.0mmとされる。被処理物60の表面と窓部材12の光出射面との間の離間距離の大きさGが1mm以下であることにより、オゾンおよび活性種(活性酸素)を安定して生成することができると共に、被処理物60の表面に到達する真空紫外線を十分な大きさの強度(光量)とすることができる。
この光照射装置は、処理室20内に配置された被処理物60と窓部材12との間の間隙に、デスミア処理を行うための処理用ガスを供給する処理用ガス供給手段40を備えている。
処理用ガス供給手段40は、紫外線ランプ15からの真空紫外線によって活性化される活性種源を含む、乾燥した処理用ガスを供給する処理用ガス供給機構41と、処理用ガスに水分を含ませる加湿機構46とを備えており、加湿機構46によって加湿されて絶対容積湿度が制御された処理用ガスを処理室20における処理空間Ps内に供給する。
処理用ガス供給機構41は、例えばガスタンク(ガスボンベ)などのガス供給源42と、ガス供給源42から供給されるガス流量を調整する流量調整弁43と、この流量調整弁43の開閉状態を制御する制御手段44とを備えている。
処理用ガスとしては、例えば、酸素ガスまたは酸素ガスにオゾンが混合された混合ガス、あるいは酸素ガスに窒素ガスなどの不活性ガスが混合された混合ガスなどを用いることができる。
処理用ガスにおける酸素濃度は、例えば50体積%以上であることが好ましく、より好ましくは70体積%以上、特に好ましくは90体積%以上である。酸素濃度が50体積%以上であることにより、真空紫外線によって生成されるオゾンおよび活性種の量を多くすることができて所期の処理を確実に行うことができる。
この例における加湿機構46は、例えば、密閉容器からなる加湿水槽47と、加湿水槽47内の水温を測定する温度測定手段48と、加湿水槽47の底壁の外面に配置された、例えばホットプレートよりなる加熱手段49とを備えている。加湿水槽47内には、例えば純水Wが、密閉容器の上壁の内面と水面との間に空間が形成される状態で、貯留されている。そして、処理用ガス供給機構41における流量調整弁43を介してガス供給源42に接続された処理用ガス供給配管45が、その先端開口が水中に位置された状態で、設けられていると共に、処理ステージ25における処理用ガス供給用貫通孔に接続された処理用ガス供給配管26が、その先端開口が加湿水槽47内の空間中に位置された状態で、設けられている。ここに、処理用ガス供給配管45の開口端面の、水面からの位置(バブリング位置)は、処理用ガス供給配管45の開口端面と水面との距離dが一定の大きさとなるよう維持されている。
このデスミア処理装置においては、処理ステージ25のガス排出用貫通孔に接続された排気配管27に、処理空間Psから排気されるガスの露点温度を測定する露点計55が設けられている。そして、露点計55によって測定された露点温度に基づいて、処理用ガスの絶対容積湿度が図示しない制御機構によって算出され、その結果に基づいて、処理用ガスに含ませる水分量が制御される。
この例のデスミア処理装置においては、加湿機構46における加湿水槽47内の水温が、算出された絶対容積湿度に基づいて、調整されることにより、処理用ガスに含ませる水分量(水蒸気量)が調整され、適正な絶対容積湿度に制御された処理用ガスが処理用ガス供給手段40によって供給される。
処理用ガスの絶対容積湿度(水蒸気量)は、真空紫外線についての処理用ガスの光透過率を考慮して設定することができる。この理由は、後述する実験例の結果に示されるように、処理用ガスの絶対容積湿度(水蒸気量)が高くなると、真空紫外線についての処理用ガスの光透過率が低下し、真空紫外線自体によるエッチング効果が低下するためである。 具体的には例えば、処理用ガスの絶対容積湿度(水蒸気量)は、10〜70g/m3 であることが好ましい。処理用ガスの絶対容積湿度(水蒸気量)が10〜70g/m3 であることにより、水分を含ませない処理用ガス(絶対容積湿度が0g/m3 )を用いた場合よりも処理効率を向上させることができる。一方、絶対容積湿度が70g/m3 を超えると、真空紫外線による十分なエッチング効果を得ることが困難となるため、水分を含ませない処理用ガス(絶対容積湿度が0g/m3 )を用いた場合よりも処理効率が低下してしまう。
以下、上記のデスミア処理装置によるデスミア処理方法について説明する。
このデスミア処理装置においては、処理用ガス供給手段40によって、絶対容積湿度が制御された処理用ガス(図1において斜線を付した矢印で示す。)が給気口26aを介して処理室20の処理空間Ps内に供給される。処理用ガス供給手段40においては、処理用ガス供給機構41より適正に制御されたガス流量で供給される処理用ガス(図1において白抜きの矢印で示す。)が加湿機構46における加湿水槽47に貯留された水中にバブリングされる。これにより、処理用ガスに所定量の水分が含まされ、加湿された処理用ガスが処理室20における処理空間Ps内に供給される。ここに、加湿水槽47に貯留された純水Wの温度は、露点計55により測定される露点温度に基づいて設定された所定温度に加温されており、これにより、処理用ガスに含ませる水分量(供給する処理用ガスの絶対容積湿度)が制御される。
処理室20の処理空間Ps内に供給された処理用ガスは、被処理物60の表面と窓部材12の光出射面との間の間隙を、被処理物60の表面および窓部材12の光出射面に沿って流通されて排気口27aを介して処理空間Psから排出される。
一方、不活性ガス供給手段(図示せず)によって、例えば窒素ガスなどの不活性ガスが光照射室10内に供給され、当該不活性ガスが光照射室10内を流通されることにより光照射室10内の雰囲気が不活性ガス雰囲気に置換される。
この状態で、光照射室10内の複数の紫外線ランプ15が一斉に点灯されることにより、紫外線ランプ15からの真空紫外線が窓部材12を介して被処理物60の表面に向かって照射され、真空紫外線の照射によって活性種源が活性化された処理用ガス(以下、「活性種含有ガス」という。図1においては、塗りつぶした矢印で示してある。)が、被処理物60におけるビアホール65内に進入する。これにより、被処理物60の表面に到達する真空紫外線、並びに、活性種含有ガス中のオゾンや活性種(活性酸素)の作用によって、被処理物60におけるビアホール65に残存するスミアSが分解、除去される。
被処理物60に照射される真空紫外線の積算光量は、スミアSの残留状態などを考慮して適宜設定されるが、例えば30〜120J/cm2 である。なお、上記のようなデスミア処理は、不活性ガスおよび処理用ガスが継続して供給されながら、行われる。
なお、スミアSの分解除去によって生成された、例えば二酸化炭素ガスなどの反応生成ガスは、流通される活性種含有ガスの流れに乗って、排気口27aを介して処理空間Psから排出される。
而して、上記のデスミア処理方法によれば、処理空間Ps内に供給される処理用ガスが加湿されて絶対容積湿度が制御されたものであることにより、紫外線ランプ15から真空紫外線が照射されることによって、水酸基ラジカル(OH- )が生成され、当該水酸基ラジカルをスミアの分解除去処理に寄与させることができる。従って、真空紫外線によるエッチング効果、および処理用ガス中の活性種源が活性化されて生成される酸素ラジカルやオゾンの作用に加えて、水酸基ラジカルの作用が得られるので、水分を含ませない処理用ガス(絶対容積湿度が0g/m3 )を用いた場合よりも、処理効率を向上させることができる。
また、処理用ガスに含まれる水分量(絶対容積湿度)が制御されていることにより、被処理物60に照射される真空紫外線の光量が大幅に低下することを抑制することができ、安定したスミア除去効果を得ることができる。
そして、このようなデスミア処理方法が実施される上記のデスミア処理装置によれば、所期のデスミア処理を高い処理効率で確実に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、処理用ガス供給手段における加湿機構は、バブリング式のものに限定されず、例えば超音波式のものにより構成されていてもよい。
また、処理用ガスに含まれる活性種源としては、真空紫外線が照射されることによって活性種を生成するものであれば、従来より好適に用いられているものを利用することができ、例えば、空気、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガスなどを用いることもできる。
さらにまた、本発明のデスミア処理装置においては、デスミア処理が被処理物における表面の温度を上昇させた状態で行われる構成とされていることが好ましい。
具体的には例えば、処理ステージに、被処理物を加熱する加熱機構が設けられた構成とすることができる。このような構成によれば、被処理物の表面の温度が上昇されることに伴ってオゾンおよび活性種による作用を促進させることができるので、効率よく処理を行うことができる。
さらにまた、処理用ガスを加熱して昇温させた状態で処理用空間を流通させることにより、被処理物の表面の温度を上昇させるようにしても、同様の効果を得ることができる。
加熱条件としては、被処理物の表面の温度が、例えば80℃以上、340℃以下となる条件であることが好ましく、より好ましくは、80℃以上、200℃以下となる条件である。
以下、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
<実験例1>
図1に示す構成に従って本発明に係るデスミア処理装置を作製した。このデスミア処理装置の仕様は、以下のとおりである。
[被処理物(60)]
銅箔上にビアホールを有する絶縁層が積層された試験用配線基板材料
平面の寸法:500mm×500mm、銅箔の厚さ:35μm、絶縁層の厚さ:30μm、ビアホールの底面の直径:φ50μm
[紫外線光源]
5本の紫外線ランプ(15)により構成
紫外線ランプ(15):発光長が700mm、最大外径が40mmであるキセノンエキシマランプ(主たる発光の波長172nm)
紫外線ランプ(15)の配置ピッチ(隣接する紫外線ランプの中心軸間の距離):60mm
定格入力電力:500W
試験用配線基板材料の表面における積算光量:16.2J/cm2
紫外線照射時間:150sec
[窓部材(12)]
材質:合成石英ガラス、厚さ:5mm
〔処理室(20)〕
処理ステージ(25)の寸法:650mm×650mm、厚さ20mm
給気口(26a)の紫外線ランプの配列方向における寸法:3mm、紫外線ランプのランプ中心軸方向における寸法:600mm
排気口(27a)の紫外線ランプの配列方向における寸法10mm、紫外線ランプのランプ中心軸方向における寸法:600mm
加熱手段:被処理物の被処理面の温度が120℃となる加熱条件で動作する抵抗発熱ヒータ
窓部材(12)の光出射面と被処理物(60)の表面との間の離間距離(G):0.3mm
処理空間(Ps)の容積:約100cm3
[処理用ガス供給手段(40)]
処理用ガス:乾燥酸素ガス(濃度100体積%、絶対容積湿度0g/m3
処理用ガス供給配管(45)の開口面からの液面の高さ(d):300mm
処理用ガスの供給量:0.03リットル/min
このデスミア処理装置を用い、処理空間内に供給される処理用ガスの絶対容積湿度を0〜95g/m3 の範囲内で適宜に調整して、試験用配線基板材料のデスミア処理を行った。処理用ガスの絶対容積湿度(処理雰囲気形成用ガスに含ませる水分量)の調整は、加湿水槽(47)内における水温を調整することにより行った。また、絶対容積湿度は、排気配管(27)に取り付けた露点計(55)により測定される処理空間(Ps)内に導入される処理用ガスの露点温度に基づいて算出した。なお、上記の紫外線照射条件は、デスミア処理後においても、敢えて試験用配線基板材料のスミアが残存するよう設定したものである。
そして、デスミア処理が終了した試験用配線基板材料におけるビアホール底部を走査型電子顕微鏡によって観察し、スミアの残り具合を定量化して評価を行なった。結果を、波長172nmの真空紫外線についての処理用ガスの透過率と共に、下記表1に示す。
スミアの残り具合の評価は、次のようにして行った。先ず、デスミア処理後、走査型電子顕微鏡により得られるビアホール底部のSEM画像について二値化処理を行い、ビアホール底部全体の面積と、スミアが残存する領域(SEM画像において黒く見える領域)の面積をそれぞれ求める。そして、(スミアが残存する領域の面積)/(ビアホール底部全体の面積)を「ビア底スミア面積」(%)として算出した。ここに、デスミア処理を行う前の試験用配線基板材料においては、ビア底スミア面積は例えば100%となり、一方、デスミアが完全に完了した場合は、ビア底スミア面積は0%となる。上述したように、本実験では、紫外線照射時間を一定時間に設定することにより、試験用配線基板材料におけるスミアが完全に除去される前の段階でデスミア処理を停止している。従って、ビア底スミア面積の値が小さいほど、スミア処理速度が速いことになる。
Figure 2016165014
以上の結果より、処理用ガスに水分を含ませて絶対容積湿度が10g/ m3 〜70g/ m3 である処理用ガスを用いた場合には、水分を含ませない処理用ガス(絶対容積湿度が0g/m3 )を用いた場合に比べて、スミア処理速度が速くなることが確認された。また、処理用ガスに含ませる水分量が過多であると、スミア処理速度がかえって遅くなることが確認された。この理由は、次のように考えられる。すなわち、処理用ガスに含ませる水分量が過多であると、キセノンエキシマランプからの光(波長172nmの光)の透過率が低下する結果、真空紫外線自体によるエッチング効果が低減すると共に、他の活性種(酸素ラジカル)の生成を阻害して当該活性種の作用を得ることができなくなるためであると推測される。
10 光照射室
11 筐体
12 窓部材
15 紫外線ランプ
16 反射鏡
20 処理室
21 筐体
22 光照射室支持部
25 処理ステージ
25a 被処理物載置面
26 処理用ガス供給配管
26a 給気口
27 排気配管
27a 排気口
30 スペーサ部材
31 シール部材
Ps 処理空間
40 処理用ガス供給手段
41 処理用ガス供給機構
42 ガス供給源
43 流量調整弁
44 制御手段
45 処理用ガス供給配管
46 加湿機構
47 加湿水槽
48 温度測定手段
49 加熱手段
W 純水
55 露点計
60 被処理物
61 樹脂絶縁層
62 導電層(配線導体)
63 樹脂絶縁層
65 ビアホール
S スミア

Claims (2)

  1. 中心波長が172nmの真空紫外線を放射するキセノンエキシマランプよりなる紫外線光源と、当該紫外線光源が収容された光照射室と、被処理物が配置される処理空間を有する処理室と、当該光照射室の内部空間と当該処理室の処理空間とを区画する紫外線透過性の窓部材と、処理用ガスを前記処理空間内に供給する処理用ガス供給手段と、処理用ガスの露点温度を測定する露点計とを備えており、
    前記処理用ガス供給手段は、前記紫外線光源からの真空紫外線によって活性化される活性種源を含む、酸素濃度が50体積%以上の処理用ガスに水分を含ませる加湿機構を備えており、当該加湿機構によって加湿された処理用ガスを前記処理空間内に供給し、
    前記露点計により測定される処理用ガスの露点温度に基づいて、処理用ガスの絶対容積湿度が制御されることを特徴とするデスミア処理装置。
  2. 処理室の処理空間内に配置された被処理物に、当該処理室の処理空間と紫外線透過性を有する窓部材によって内部空間が区画された光照射室に収容された紫外線光源から当該窓部材を介して真空紫外線を照射することにより、当該被処理物におけるスミアを除去するデスミア処理方法において、
    前記紫外線光源として、中心波長が172nmの真空紫外線を放射するキセノンエキシマランプが用いられ、
    真空紫外線が照射されることによって活性化される活性種源を含む、酸素濃度が50体積%以上の処理用ガスに水分を含ませたものを前記処理空間内に供給し、
    露点計によって処理用ガスの露点温度を測定し、当該露点計により測定された処理用ガスの露点温度に基づいて、処理用ガスの絶対容積湿度を制御することを特徴とするデスミア処理方法。
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