JP2016163587A - グルカル酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有意に改善されたグルカル酸生産能を有する形質転換体の作製と当該形質転換
体を利用したグルカル酸の効率的な生産方法を提供する。
【解決手段】 イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォスファ
ターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナーゼ遺
伝子を保有する形質転換体に対して、機能的なイノシトールモノフォスファターゼの過剰
生産又はイノシトールモノフォスファターゼの活性化を誘導する遺伝子組換又は変異を導
入する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グルカル酸の製造における遺伝子組換技術の応用に関する。
グルカル酸(テトラヒドロキシアジピン酸)は、植物や哺乳動物に古くから見出されて
いた化合物である。
近年、米国国立再生エネルギー研究所は、バイオマスから作るべき高付加価値化学品に
ついてのレポート(非特許文献1)の中で、グルカル酸をトップ12以内の化合物として
挙げている。更に、当該レポートは、グルカル酸を原料として調製し得るグルカル酸誘導
体として、グルカロ‐γ‐ラクトン、グルカロ‐δ‐ラクトンやグルカロジラクトン等の
ラクトン類(溶剤としての用途が期待できる。)、ポリヒドロキシポリアミド類(新規ナ
イロンとしての用途が期待できる。)等を例示している。また、当該レポートは、既知の
グルカル酸製造方法として、澱粉の硝酸酸化反応や、塩基性漂白剤の存在下での触媒酸化
反応が利用できるとしている。
更に、ごく最近になって、特許文献1によりグルカル酸を生合成することができる形質
転換体が開示された。すなわち、当該特許文献では、それぞれ、ミオイノシトール‐1‐
リン酸合成酵素(Ino1)、ミオイノシトールオキシゲナーゼ(MIOX)及びウロン
酸デヒドロゲナーゼ(udh)をコードする3つ遺伝子が大腸菌宿主にトランスフェクト
された。そして、そのようにして得られた形質転換体は培地内に0.72〜1.13g/
Lの濃度でグルカル酸を生産したとされる。しかしながら、特許文献1の発明者らは、当
該特許文献の形質転換体に対してイノシトールモノフォスファターゼ(suhB)遺伝子
の導入は不要であるとした。
すなわち、グルコースを基質としてグルカル酸を生合成する経路には、理論上、
活性1: 適当な炭素源からグルコース‐6‐リン酸を生成させる活性;
活性2: グルコース‐6‐リン酸をミオイノシトール‐1‐リン酸へ変換する活性、
つまり、イノシトール‐1‐リン酸合成酵素活性;
活性3: ミオイノシトール‐1‐リン酸をミオイノシトールへ変換する活性、つまり
、ミオイノシトール‐1‐リン酸を基質としたフォスファターゼ活性;
活性4: ミオイノシトールをグルクロン酸へ変換する活性、つまり、ミオイノシトー
ルオキシゲナーゼ活性;及び
活性5: グルクロン酸をグルカル酸へ変換する活性、つまり、ウロン酸デヒドロゲナ
ーゼ活性、
の5つ活性が必要である。しかし、実際には、活性1の生成物であるグルコース‐6‐リ
ン酸は、原核微生物が普遍的に生成する代謝中間体であるので、当該活性を原核微生物に
付与することは必須ではない。
また、活性3についても、少なからぬ微生物株が内因性イノシトールモノフォスファタ
ーゼを発現しているか、ミオイノシトール‐1‐リン酸を基質とできる汎用モノフォスフ
ァターゼ活性を有していることが知られている。従って、特許文献1の形質転換体にもイ
ノシトールモノフォスファターゼ遺伝子が導入されなかったことは頷ける。
しかして、特許文献1は、作製した形質転換体の代謝解析に基づき、グルカル酸を生合
成するための形質転換体にはイノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を導入する必要が
ないと結論している。すなわち、特許文献1は、「我々がsuhB遺伝子または相同のフ
ォスファターゼを過剰発現させなかったこともまた、注目すべきである。しかし、培養産
物の中にミオイノシトール‐1‐リン酸は検出されず、一方、ミオイノシトールは蓄積し
た。従って、我々は、フォスファターゼ活性は、経路を通る代謝の流れ(flux)を制
限しないと結論付けた。」(第33頁、第2〜5行)と記載している。
従って、グルカル酸を生合成するための形質転換体にイノシトールモノフォスファター
ゼ遺伝子を導入する明確な動機付けは存在していなかった。
WO2009/145838号パンフレット
Top Value Added Chemicals from Biomass Volume I−Results of Screenin g for Potential Candidates from Sugars and Synthesis Gas""、http://www1.eere. energy.gov/biomass/pdfs/35523.pdf、T.We rpy及びG.Peterson編、2004年8月発行
本発明が解決しようとする課題は、有意に改善されたグルカル酸生産能を有する形質転
換体の作製とその利用である。
前記のように、グルカル酸を生合成することができる形質転換体を開示した特許文献1
でさえ、イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を当該形質転換体に導入することはな
く、また当該活性に特別の注意を払うことはなかった。
しかしながら、特許文献1の予想に反して、本発明者らは、グルカル酸生合成のための
形質転換体においてイノシトールモノフォスファターゼ活性が重大な役割を持つことを発
見した。とりわけ、イノシトールモノフォスファターゼ活性を強化することにより、その
ような形質転換体のグルカル酸生産能が数十〜百倍も向上したことは驚愕に値する。
従って、本発明の第1の局面は:
(1)グルカル酸の製造方法であって、以下の工程:
1) イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォスファターゼ
遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を
保有する形質転換体であって、該形質転換体内での機能的なイノシトールモノフォスファ
ターゼの過剰生産又はイノシトールモノフォスファターゼの活性化を誘導する遺伝子組換
又は変異を有する形質転換体を用意する工程;
2) 前記形質転換体の生育及び/又は維持に適した条件下で、該形質転換体と該形質
転換体によりグルカル酸に変換され得る炭素源を接触させる工程;及び
3) 前記2)で得られた培養物からグルカル酸あるいはグルカル酸塩を分離する工程

を含む、前記製造方法である。
より特定的には、イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォス
ファターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナー
ゼ遺伝子を保有する形質転換体を用いたグルカル酸の製造方法において、前記形質転換体
が、機能的なイノシトールモノフォスファターゼの過剰生産又はイノシトールモノフォス
ファターゼの活性化を誘導する遺伝子組換又は変異を有する形質転換体であることを特徴
とする、前記製造方法である。
本発明のグルカル酸の発酵生産においては、イノシトール‐1‐リン酸合成酵素(前記
の活性2)の基質であるグルコース‐6‐リン酸の生成に適した化合物を含んだ炭素源を
培養基材として用いることが好適である。従って、本発明の好適な態様は:
(2) 前記炭素源が、前記形質転換体内でグルコース‐6‐リン酸へと変換され得る化
合物を含む、上記(1)に記載の製造方法;及び
(3) 前記炭素源が、D‐グルコース、スクロース、オリゴ糖、多糖、でんぷん、セル
ロース、米ぬか、廃糖密、及びD‐グルコースを含有するバイオマスからなる群から選択
される1つ以上である、上記(2)に記載の製造方法である。
大腸菌に代表される原核微生物は、その迅速な生育能力や発酵管理の容易さ故に工業的
発酵生産の観点から極めて魅力的であるとともに、遺伝子組換技術の適用における実績、
確立した安全性の観点からも利点を有する。また、グルコースからミオイノシトールを経
てグルカル酸を生合成する経路を持たない多くの原核微生物は、遺伝子組換技術と連携し
た合成生物学的手法を用いることで、グルカル酸生産性を制御しやすいという利点を持つ
。殊に大腸菌などの原核微生物宿主は、グルカル酸生合成経路の中間体であるミオイノシ
トールを資化する能力(分解能)を持たないため、合成生物学的手法の適用をいっそう容
易にする。従って、本発明の好適な態様は:
(4) 前記形質転換体が、ミオイノシトール資化能を有さない微生物に由来することを
特徴とする、上記(1)から(3)のいずれかに記載の製造方法;及び
(5) 前記形質転換体が、大腸菌、バチルス属細菌、コリネバクテリウム属細菌、ザイ
モモナス属細菌からなる群から選択される細菌に由来する、上記(1)から(4)のいず
れかに記載の製造方法を含む。
宿主微生物が内因性イノシトールモノフォスファターゼ活性を有しているか否かに関わ
らず、該細胞内でイノシトールモノフォスファターゼを過剰生産させることで、該細胞の
イノシトールモノフォスファターゼ活性を強化できる。様々な公知の技術を適用して細胞
にイノシトールモノフォスファターゼを過剰生産させることができる。従って、本発明は
以下の態様:
(6) 前記イノシトールモノフォスファターゼの過剰生産が、前記形質転換体に対して

a) 外来イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を導入する、
b) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子のコピー数を増加させる、
c) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域に変異を導入する

d) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域を高発現誘導性外
来調整領域で置換する、又は
e) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域を欠失させる、
ことにより誘導される、上記(1)から(5)のいずれかに記載の製造方法;及び
(7) 前記イノシトールモノフォスファターゼの過剰生産が、前記形質転換体に対して
外来イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を導入することにより誘導される、上記(
6)に記載の製造方法を含む。
また、宿主細胞が内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を有している場合は
、以下の態様によっても該細胞のイノシトールモノフォスファターゼ活性を強化できる。
(8) 前記イノシトールモノフォスファターゼの活性化が、前記形質転換体に対して、
f) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子に変異を導入する、
g) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の一部又は全部を置換する、
h) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の一部を欠失させる、
i) イノシトールモノフォスファターゼ活性を低下させる他のタンパク質を減少さ
せる、
j) イノシトールモノフォスファターゼ活性を低下させる化合物の生成を減少させ
る、
ことにより誘導される、上記(1)から(5)のいずれかに記載の製造方法。
また、本発明は、前記グルカル酸の製造方法に用いるための形質転換体も意図する。従
って、本発明の第2の局面は:
(9) イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォスファターゼ
遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を
保有する形質転換体であって、該形質転換体内での機能的なイノシトールモノフォスファ
ターゼの過剰生産又はイノシトールモノフォスファターゼの活性化を誘導する遺伝子組換
又は変異を有する形質転換体である。
より特定的には、イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォス
ファターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナー
ゼ遺伝子を保有する形質転換体において、機能的なイノシトールモノフォスファターゼの
過剰生産又はイノシトールモノフォスファターゼの活性化を誘導する遺伝子組換又は変異
を有することを特徴とする、前記形質転換体である。
また、本発明の第1の局面について記載した態様は、本発明の第2の局面についても当
てはまる。それらの態様は:
(10) 前記形質転換体が、ミオイノシトール資化能を有さない微生物に由来すること
を特徴とする、上記(9)に記載の形質転換体;
(11) 前記形質転換体が、大腸菌、バチルス属細菌、コリネバクテリウム属細菌、ザ
イモモナス属細菌からなる群から選択される細菌に由来する、上記(9)又は(10)に
記載の形質転換体;
(12) 前記イノシトールモノフォスファターゼの過剰生産が、前記形質転換体に対し
て、
a) 外来イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を導入する、
b) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子のコピー数を増加させる、
c) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域に変異を導入する

d) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域を高発現誘導性外
来調整領域で置換する、又は
e) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域を欠失させる、
ことにより誘導される、上記(9)から(11)のいずれかに記載の形質転換体;
(13) 前記イノシトールモノフォスファターゼの過剰生産が、前記形質転換体に対し
て外来イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を導入することにより誘導される、上記
(12)に記載の形質転換体;及び
(14) 前記イノシトールモノフォスファターゼの活性化が、前記形質転換体に対して

f) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子に変異を導入する、
g) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の一部又は全部を置換する、
h) 内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の一部を欠失させる、
i) イノシトールモノフォスファターゼ活性を低下させる他のタンパク質を減少さ
せる、
j) イノシトールモノフォスファターゼ活性を低下させる化合物の生成を減少させ
る、
ことにより誘導される、上記(9)から(11)のいずれかに記載の形質転換体である。
本発明によれば、微生物培養技術による工業的グルカル酸生産の効率化が達成できる。
INO1遺伝子のコード領域を示す(配列番号1)。 suhB遺伝子のコード領域を示す(配列番号3)。 miox遺伝子のコード領域を示す(配列番号5)。 udh遺伝子のコード領域を示す(配列番号7)。
本発明の課題は、イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォス
ファターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナー
ゼ遺伝子を保有する形質転換体中で、イノシトールモノフォスファターゼ活性を強化する
ことにより解決される。
本発明の形質転換体は様々な宿主微生物細胞を用いて作製し得る。特に、原核微生物を
宿主にすることは、当該宿主細胞内にグルカル酸生合成経路を新たに構築(つまり、既存
の内因性経路の影響がない。)することを可能にするので、合成生物学的手法の適用にお
いて極めて魅力的である。例示される原核微生物は:エッシェリシア、シュードモナス、
バチルス、ゲオバチルス、メタノモナス、メチロバシラス、メチロフィリウス、プロタミ
ノバクター、メチロコッカス、コリネバクテリウム、ブレビバクテリウム、ザイモモナス
及びリステリア属の細菌である。工業的発酵生産において好適な原核微生物の非限定的な
例示は、大腸菌、バチルス属細菌、コリネバクテリウム属細菌、ザイモモナス属細菌を含
む。大腸菌は、その迅速な生育能力や発酵管理の容易さ故に特に好ましい本発明の宿主微
生物の例である。
また、本発明の宿主細胞として利用できる細胞株は、通常の意味での野生型であってよ
く、或いは、栄養要求性変異株、抗生物質耐性変異株であってもよい。更に、本発明の宿
主細胞として利用できる細胞株は、上記のような変異に関する各種マーカー遺伝子を有す
るように既に形質転換されていてもよい。これらの変異や遺伝子は、本発明の形質転換体
の作製・維持・管理に有益な性質を提供し得る。好ましくは、クロラムフェニコール、ア
ンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質に耐性を示す株を用いること
により、本発明のグルカル酸生産を簡便に行うことができる。
合成生物学を指向する本発明においては、宿主細胞において新たなグルカル酸生合成経
路を構築するために、宿主細胞が内因性イノシトール‐1‐リン酸合成酵素を発現しない
場合には、外来イノシトール‐1‐リン酸合成酵素遺伝子を導入する。なお、本明細書に
おいて、「外来」ないし「外来性」という用語は、形質転換前の宿主微生物が、本発明に
より導入されるべき遺伝子を有していない場合、その遺伝子によりコードされる酵素を実
質的に発現しない場合、及び異なる遺伝子により当該酵素のアミノ酸配列をコードしてい
るが、形質転換後に匹敵する内因性酵素活性を発現しない場合において、本発明に基づく
遺伝子ないし核酸配列を宿主に導入することを意味するために用いられる。
イノシトール‐1‐リン酸合成酵素遺伝子は公知であり(例えば、GenBank A
ccession Nos.AB032073、AF056325、AF071103、
AF078915、AF120146、AF207640、AF284065、BC11
1160、L23520、U32511)、そのいずれも本発明の目的に使用することが
できる。特に、配列番号1で示されるコード化領域ヌクレオチド配列を有するイノシトー
ル‐1‐リン酸合成酵素遺伝子は、本発明において好適に使用することができる。但し、
本発明に利用できるイノシトール‐1‐リン酸合成酵素遺伝子は上記のものに限られず、
他の生物に由来するものであっても、或いは人工的に合成したものであっても、前記宿主
微生物細胞内で実質的なイノシトール‐1‐リン酸合成酵素活性を発現できるものであれ
ばよい。
従ってまた、本発明の目的に利用できるイノシトール‐1‐リン酸合成酵素遺伝子は、
前記宿主微生物細胞内で実質的なイノシトール‐1‐リン酸合成酵素活性を発現できるも
のであれば、自然界で発生し得るすべての変異や、人工的に導入された変異及び修飾を有
していてもよい。例えば、特定のアミノ酸をコードする種々のコドンには余分のコドン(
redundancy)が存在することが知られている。そのため本発明においても同一
のアミノ酸に最終的に翻訳されることになる代替コドンを利用してよい。つまり、遺伝子
コードは縮重しているので、ある特定のアミノ酸をコードするのに複数のコドンを使用で
き、そのためアミノ酸配列は任意の1セットの類似のDNAオリゴヌクレオチドでコード
され得る。そのセットの唯一のメンバーだけが天然型酵素の遺伝子配列に同一であるが、
ミスマッチのあるDNAオリゴヌクレオチドでさえ適切な緊縮条件下(例えば、3xSS
C、68℃でハイブリダイズし、2xSSC、0.1%SDS及び68℃で洗浄)で天然
型配列にハイブリダイズでき、天然型配列をコードするDNAを同定、単離でき、更にそ
のような遺伝子も本発明において利用できる。特に、ほとんどの生物は特定のコドン(最
適コドン)のサブセットを優先的に用いることが知られているので(Gene、Vol.
105、pp.61−72、1991等)、宿主微生物に応じて「コドン最適化」を行う
ことは本発明においても有用であり得る。
しかして、本発明においても、イノシトール‐1‐リン酸合成酵素遺伝子が「発現カセ
ット」として宿主微生物細胞内に導入されることにより、より安定的で高レベルのイノシ
トール‐1‐リン酸合成酵素活性が得られることを当業者は理解するであろう。本明細書
において、「発現カセット」とは、発現対象の核酸または発現対象の遺伝子に機能的に結
合された転写及び翻訳をレギュレートする核酸配列を含むヌクレオチドを意味する。典型
的に、本発明の発現カセットは、コード配列から5’上流にプロモーター配列、3’下流
にターミネーター配列、場合により更なる通常の調節エレメントを機能的に結合された状
態で含み、そのような場合に、発現対象の核酸または発現対象の遺伝子が宿主微生物に「
発現可能に導入」される。
プロモーターは、構造性プロモーターであるか調節プロモーターであるかに拘わらず、
RNAポリメラーゼをDNAに結合させ、RNA合成を開始させるDNA配列と定義され
る。強いプロモーターとはmRNA合成を高頻度で開始させるプロモーターであり、本発
明においても好適に使用される。lac系、trp系、TAC又はTRC系、λファージ
の主要オペレーター及びプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、解糖系酵
素(例えば、3−ホスホグリセレートキナーゼ、グリセルアルデヒド‐3‐リン酸脱水素
酵素)、グルタミン酸デカルボキシラーゼA、セリンヒドロキシメチルトランスフェラー
ゼに対するプロモーター等が、その宿主細胞の性質等に応じて利用可能である。プロモー
ター及びターミネーター配列のほかに、他の調節エレメントの例として挙げられ得るのは
、選択マーカー、増幅シグナル、複製起点などである。好適な調節配列については、例え
ば、”Gene Expression Technology:Methods in
Enzymology 185”、Academic Press (1990)に記
載されている。
上記で説明した発現カセットは、例えば、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、I
Sエレメント、ファスミド、コスミド、又は線状もしくは環状のDNA等から成るベクタ
ーに組み入れて、宿主微生物中に挿入される。プラスミド及びファージが好ましい。これ
らのベクターは、宿主微生物中で自律複製されるものでもよいし、また染色体により複製
されてもよい。好適なプラスミドは、例えば、大腸菌のpLG338、pACYC184
、pBR322、pUC18、pUC19、pKC30、pRep4、pHS1、pKK
223−3、pDHE19.2、pHS2、pPLc236、pMBL24、pLG20
0、pUR290、pIN−III113−B1、λgt11又はpBdCI;桿菌のp
UB110、pC194又はpBD214;コリネバクテリウム属のpSA77又はpA
J667などである。これらの他にも使用可能なプラスミド等は、”Cloning V
ectors”、Elsevier、1985に記載されている。ベクターへの発現カセ
ットの導入は、適当な制限酵素による切り出し、クローニング、及びライゲーションを含
む慣用の方法によって可能である。
上記ようにして本発明の発現カセットを有するベクターが構築された後、該ベクターを
宿主微生物に導入する際に適用できる手法として、例えば、共沈、プロトプラスト融合、
エレクトロポレーション、レトロウイルストランスフェクションなどの慣用のクローニン
グ法及びトランスフェクション法が使用される。それらの例は、「分子生物学の最新プロ
トコル(Current Protocols in Molecular Biolo
gy)」、F. Ausubelら、Publ.Wiley Interscience
、New York、1997、またはSambrookら、「分子クローニング:実験
室マニュアル」、第2版、Cold Spring Harbor Laborator
y、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Co
ld Spring Harbor、NY、1989に記載されている。
驚くべきことに、本発明者らは、内因性グルカル酸生合成経路を持たない宿主微生物内
にグルカル酸生合成経路を導入して得られる形質転換体では、イノシトールモノフォスフ
ァターゼ活性が重大な役割を持つことを発見した。前記のように、これまでの研究は、イ
ノシトールモノフォスファターゼ活性に特別の注意を払うことはなかった。しかしながら
、予期せぬことに、イノシトールモノフォスファターゼ活性を強化することにより、その
ような形質転換体のグルカル酸生産能が大幅に向上した。
従って、本発明の一態様は、イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトール
モノフォスファターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒ
ドロゲナーゼ遺伝子を保有する形質転換体中で、イノシトールモノフォスファターゼを過
剰生産させることを包含する。
本発明で意図される、イノシトールモノフォスファターゼとは、イノシトール‐1‐リ
ン酸に対して高い基質特異性を示すものの他にも、広範な基質に対して作用し得るリン酸
モノエステル加水分解酵素活性を示すことにより、イノシトール‐1‐リン酸を実質的に
加水分解化できるタンパク質を含む。典型的なイノシトールモノフォスファターゼとして
は、例えば、イノシトール‐1‐モノフォスファターゼが知られており、多くの生物由来
の当該遺伝子(suhB遺伝子)はGenBank Accession Nos.ZP
_04619988、YP_001451848等で公表されている。特に、大腸菌由来
のsuhB遺伝子(配列番号3:AAC75586(MG1655))の使用は、大腸菌
を宿主細胞とする場合に便利である。
本発明の形質転換微生物が有するべき次の生物活性は、ミオイノシトールオキシゲナー
ゼ活性である。当該酵素は、典型的には以下の反応により、ミオイノシトールをグルクロ
ン酸に変換する。
Figure 2016163587
種々のミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子が公知且つ利用可能である。例えば、W
O2002/074926号パンフレットにはクリプトコッカス及びヒト由来のミオイノ
シトールオキシゲナーゼ遺伝子及びその異種発現が開示されている。その他にも、特許文
献1に開示されたミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子が本発明に使用し得る。更に、
例えば以下のGenBank Accession番号が付与された、多くの生物由来の
ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子が公知であり、本発明において有用であり得る。
ACCESSION No.AY738258(Homo sapiens myo−
inositol oxygenase (MIOX))
ACCESSION No.NM101319(Arabidopsis thali
ana inositol oxygenase 1 (MIOX1))
ACCESSION No.NM001101065(Bos taurus myo
−inositol oxygenase (MIOX))
ACCESSION No.NM001030266(Danio rerio my
o−inositol oxygenase (miox))
ACCESSION No.NM214102(Sus scrofa myo−in
ositol oxygenase (MIOX))
ACCESSION No.AY064416(Homo sapiens myo−
inositol oxygenase (MIOX))
ACCESSION No.NM001247664(Solanum lycope
rsicum myo−inositol oxygenase (MIOX))
ACCESSION No.XM630762(Dictyostelium dis
coideum AX4 inositol oxygenase (miox))
ACCESSION No.NM145771(Rattus norvegicus
myo−inositol oxygenase (Miox))
ACCESSION No.NM017584(Homo sapiens myo−
inositol oxygenase (MIOX))
ACCESSION No.NM001131282(Pongo abelii m
yo−inositol oxygenase (MIOX))
特に、配列番号5で示されるコード化領域ヌクレオチド配列を有するmiox遺伝子の
使用は便利である。
本発明の形質転換微生物が有するべき最後の生物活性は、ウロン酸デヒドロゲナーゼ活
性である。当該酵素は、典型的には以下の反応により、NAD+の存在下でグルクロン酸
をグルカル酸に変換する。
Figure 2016163587
種々のウロン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子が公知且つ利用可能である。例えば、特許文献
1に記載された緑膿菌やアグロバクテリウム属細菌のウロン酸デヒドロゲナーゼが本発明
においても使用できる。更に、例えば以下のGenBank Accession番号が
付与されたudh遺伝子が公知であり、本発明において有用であり得る。
ACCESSION No.BK006462(Agrobacterium tum
efaciens str. C58 uronate dehydrogenase
(udh) gene)
ACCESSION No.EU377538(Pseudomonas syrin
gae pv. tomato str. DC3000 uronate dehyd
rogenase (udh) gene)
特に、配列番号7で示されるコード化領域ヌクレオチド配列を有するudh遺伝子の使
用は便利である。
イノシトール‐1‐リン酸合成酵素遺伝子について記載した、変異や修飾及びコドン最
適化、並びに発現カセット、プロモーター等のレギュレーター配列及びプラスミド等とそ
れによる形質転換の説明は、全て本発明のイノシトールモノフォスファターゼ遺伝子、ミ
オイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子についても当
てはまることを当業者は容易に理解するであろう。従って、本発明の形質転体は、イノシ
トール‐1‐リン酸合成酵素をコードする核酸を含む発現カセット、イノシトールモノフ
ォスファターゼ遺伝子をコードする核酸を含む発現カセット、ミオイノシトールオキシゲ
ナーゼをコードする核酸を含む発現カセット及びウロン酸デヒドロゲナーゼをコードする
核酸を含む発現カセットの4つの発現カセットを保有し得る。好適な本発明の形質転換体
は、配列番号1で示されるヌクレオチド配列を有する核酸を含む発現カセット、配列番号
3で示されるヌクレオチド配列を有する核酸を含む発現カセット、配列番号5で示される
ヌクレオチド配列を有する核酸を含む発現カセット、及び配列番号7で示されるヌクレオ
チド配列を有する核酸を含む発現カセットを保有している。
上記の4つ発現カセットは、1つのベクター上に配置されて宿主微生物にトランスフェ
クトされてよい。或いは、そのうちの任意の2つ以上の発現カセットが配置されたベクタ
ーと残りの発現カセットが配置されたベクターが宿主微生物にコ‐トランスフェクトされ
てもよいし、各々の発現カセットが配置された4つのベクターが宿主微生物にコ‐トラン
スフェクトされてもよい。更に、上記4つの発現カセットのうちの任意の1つ以上が宿主
微生物のゲノムに組み込まれ、残りの発現カセットはプラスミドとして当該形質転換微生
物内に存在してよい。例えば、イノシトール‐1‐リン酸合成酵素コード化核酸(INO
1)を含む発現カセット及びイノシトールモノフォスファターゼをコードする核酸(su
hB)を含む発現カセットの双方を染色体上に有する大腸菌AKC−018株(FERM
P−22181として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センターに2
011年10月25日に寄託されている。国際寄託番号:FERM BP−11514)
に対して、ミオイノシトールオキシゲナーゼをコードする核酸を含む発現カセット及びウ
ロン酸デヒドロゲナーゼをコードする核酸を含む発現カセットを配置したプラスミドをト
ランスフェクトすることも可能である。
更にまた、多くの微生物細胞は本発明で意図されるイノシトールモノフォスファターゼ
活性を発現している(つまり、イノシトールモノフォスファターゼ活性をコードする内因
性遺伝子を有している)と考えられる。従って、本発明におけるイノシトールモノフォス
ファターゼの過剰生産は、内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子のコピー数を
増加させる;内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域に変異を導入す
る;内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域を高発現誘導性外来調整
領域で置換する;及び内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の調整領域を欠失
させることによっても誘導し得る。具体的にイノシトールモノフォスファターゼの過剰発
現を達成するためには、内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を含むか、或い
は当該内因性遺伝子のコード化領域に好適な調整領域を付加した発現カセットを含む構築
物により前記宿主微生物を形質転換して、当該形質転換体内での当該イノシトールモノフ
ォスファターゼ遺伝子のコピー数を元の宿主細胞に比べて実質的に増加させるか、内因性
イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子を有する元の宿主細胞に関して、染色体の変異
、付加及び欠失を公知の遺伝子組換え技術により実施するか、あるいは、変異剤などを用
いて染色体にランダムに変異導入を行うことで達成することができる。イノシトールモノ
フォスファターゼの過剰生産の確認には、公知のSDS−PAGE分析法などを用いるこ
とができる
更に、イノシトールモノフォスファターゼ活性を強化するための本発明の別の態様は、
宿主微生物細胞においてイノシトールモノフォスファターゼの活性化を誘導することを含
む。その目的のために、1)内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子に変異を導
入する、2)内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の一部又は全部を置換する
、3)内因性イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子の一部を欠失させる、4)イノシ
トールモノフォスファターゼ活性を低下させる他のタンパク質を減少させる、及び/又は
5)イノシトールモノフォスファターゼ活性を低下させる化合物の生成を減少させる、と
いった手法を例示できる。
上記イノシトールモノフォスファターゼ活性を強化するための1)〜5)の手法に関し
て、具体的には、イノシトールモノフォスファターゼの遺伝子に変異、付加あるいは欠失
を施した後に当該遺伝子をコードするイノシトールモノフォスファターゼの活性を評価す
ることで、イノシトールモノフォスファターゼ活性の強化されたイノシトールモノフォス
ファターゼを得ることができる。
上記のようにして得られる形質転換体は、本発明のグルカル酸生産のために、前記形質
転換体の生育及び/又は維持に適した条件下で培養及び維持される。各種の宿主微生物細
胞に由来する形質転換体のための好適な培地組成、培養条件、培養時間は当業者に公知で
ある。
培地は、1つ以上の炭素源、窒素源、無機塩、ビタミン、及び場合により微量元素ない
しビタミン等の微量成分を含む天然、半合成、合成培地であってよい。しかし、使用する
培地は、培養すべき形質転換体の栄養要求を適切に満たさなければならないことは言うま
でもない。更に、前記形質転換体と該形質転換体によりグルカル酸に変換され得る炭素源
を接触させるために、本発明の培地は、究極的にグルカル酸生産の基質として利用可能な
炭素源、すなわち形質転換体内でグルコース‐6‐リン酸へと変換され得る化合物を含有
すべきである。炭素源は、D‐グルコース、スクロース、オリゴ糖、多糖、でんぷん、セ
ルロース、米ぬか、廃糖密であり得、更にD‐グルコースを含有するバイオマスであり得
る。好適なバイオマスとしては、トウモロコシ分解液やセルロース分解液を例示できる。
また、培地は、形質転換体が有用な付加的形質を発現する場合、例えば抗生物質への耐性
マーカーを有する場合、対応する抗生物質を含んでいてよい。それにより、発酵中の雑菌
による汚染リスクが低減される。
上記、セルロースや多糖類などの炭素源を宿主微生物が資化できない場合は、当該宿主
微生物に外来遺伝子を導入するなどの公知の遺伝子工学的手法を施すことで、これら炭素
源を使用したグルカル酸生産に適応させることができる。外来遺伝子としては、例えば、
セルラーゼ遺伝子やアミラーゼ遺伝子などを挙げることができる。
培養は、バッチ式であっても連続式であってもよい。また、いずれの場合にも、培養の
適切な時点で追加の前記炭素源等を補給する形式であってもかまわない。更に、培養は、
好適な温度、酸素濃度、pH等を維持しながら継続されるべきである。一般的な微生物宿
主細胞に由来する形質転換体の好適な培養温度は、通常15℃〜45℃、好ましくは25
℃〜37℃の範囲である。宿主微生物が好気性の場合、発酵中の適切な酸素濃度を確保す
るために振盪(フラスコ培養等)、攪拌/通気(ジャー・ファーメンター培養等)を行う
必要がある。それらの培養条件は、当業者にとって容易に設定可能である。
当業者に公知の方法を組み合わせることにより上記の培養物からグルカル酸を精製でき
る。例えば、その目的のために有用なグルカル酸の検出や定量方法は、特許文献1に具体
的に記載されている。
以上の説明を与えられた当業者は、本発明を十分に実施できる。以下、更なる説明の目
的として実施例を与え、従って、本発明は当該実施例に限定されるものではない。なお、
本明細書において特に断りのない限りヌクレオチド配列は5’から3’方向に向けて記載
される。
実施例1:プラスミドの構築
1−a)イノシトールモノフォスファターゼ発現カセット
大腸菌株W3110(NBRC 12713)をLB培地中(2ml)で37℃にて振
盪培養した。培養終了後、培養液から菌体を回収し、Nucleo Spin Tiss
ue(製品名、MACHEREY−NAGEL社製)を使用してゲノムDNAを抽出した
。抽出したゲノムDNAを鋳型に用い、以下のプライマーによりPCR増幅し(Prim
eSTAR Max DNA Polymerase(製品名、タカラバイオ製) 反応
条件:98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 20sec,28cycle)
、suhB遺伝子のコード領域(配列番号3)をクローニングした。
Figure 2016163587

得られたsuhBコード領域は下記配列のプロモーターの下流に転写可能に挿入した。
Figure 2016163587

すなわち、プラスミドpNFP−A51(FERM P−22182として、独立行政
法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センターに2011年10月25日に寄託した。
国際寄託番号:FERM BP−11515)のマルチクローニングサイトにターミネー
ター配列及び前記プロモーター配列を挿入した。導入されたプロモーター配列の下流に上
記でクローニングされたsuhBコード領域をライゲーションして、pNFP−A54を
構築した。構築したpNFP−A54を、塩化カルシウム法(羊土社 遺伝子工学実験ノ
ート 上 田村隆明著、参照)により大腸菌AKC−016株(FERM P−2210
4として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年4月
20日に寄託した。国際寄託番号:FERM BP−11512)にトランスフェクトし
た。SDS−PAGEにより当該大腸菌の可溶性画分でのイノシトールモノフォスファタ
ーゼの高発現を確認した。
1−b) イノシトール‐1‐リン酸合成酵素発現カセット
酒精酵母の培養液から菌体を回収し、Nucleo Spin Tissue(製品名
、MACHEREY−NAGEL社製)を使用してゲノムDNAを抽出した。抽出したゲ
ノムDNAを鋳型に用い、以下のプライマーによりPCR増幅し(PrimeSTAR
Max DNA Polymerase(製品名、タカラバイオ製) 反応条件:98℃
10sec,55℃ 5sec,72℃ 20sec,28cycle)、INO1遺
伝子のコード領域(配列番号1)をクローニングした。
Figure 2016163587

得られたino1コード領域は下記配列のプロモーターの下流に転写可能に挿入した。
Figure 2016163587

すなわち、上記プラスミドpNFP−A51のマルチクローニングサイトにターミネー
ター配列及び前記プロモーター配列を挿入した。導入されたプロモーター配列の下流に上
記でクローニングされたino1コード領域をライゲーションして、pNFP−D78を
構築した。構築したpNFP−D78を、塩化カルシウム法(羊土社 遺伝子工学実験ノ
ート 上 田村隆明著、参照)により大腸菌AKC−016株(FERM P−2210
4として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年4月
20日に寄託した。国際寄託番号:FERM BP−11512)にトランスフェクトし
た。SDS−PAGEにより当該大腸菌の可溶性画分でのイノシトール‐1‐リン酸合成
酵素の高発現を確認した。
1−c) ミオイノシトールオキシゲナーゼ発現カセット
ミオイノシトールオキシゲナーゼ(miox)遺伝子は、配列番号5のヌクレオチド配
列を有するDNAを人工合成により作製し、当該DNAを鋳型にして以下のプライマーに
よりPCR(PrimeSTAR Max DNA Polymerase(製品名、タ
カラバイオ製) 反応条件:98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 20se
c,28cycle)を行うことで得た。
Figure 2016163587


得られたmioxコード領域は配列番号11のプロモーターの下流に転写可能に挿入し
た。すなわち、前記pNFP−A51のマルチクローニングサイトにターミネーター配列
及び前記プロモーター配列を挿入した。導入されたプロモーター配列の下流に上記でクロ
ーニングされたmioxコード領域をライゲーションして、pNFP−H26を構築した
。構築したpNFP−H26を、塩化カルシウム法(羊土社 遺伝子工学実験ノート 上
田村隆明著、参照)により大腸菌株FERM P−22104にトランスフェクトした
。SDS−PAGEにより当該大腸菌の可溶性画分でのミオイノシトールオキシゲナーゼ
の高発現を確認した。
1−d) ウロン酸デヒドロゲナーゼ発現カセット
ウロン酸デヒドロゲナーゼ(udh)遺伝子は、配列番号7のヌクレオチド配列を有す
るDNAを人工合成により作製し、当該DNAを鋳型にして以下のプライマーによりPC
R(PrimeSTAR Max DNA Polymerase(製品名、タカラバイ
オ製) 反応条件:98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 20sec,28
cycle)を行うことで得た。
Figure 2016163587

得られたudhコード領域は配列番号11のプロモーターの下流に転写可能に挿入した
。すなわち、前記pNFP−A51のマルチクローニングサイトにターミネーター配列及
び前記プロモーター配列を挿入した。導入されたプロモーター配列の下流に上記でクロー
ニングされたudhコード領域をライゲーションして、pNFP−H45を構築した。構
築したpNFP−H45を、塩化カルシウム法(羊土社 遺伝子工学実験ノート 上 田
村隆明著、参照)により大腸菌株FERM P−22104にトランスフェクトした。S
DS−PAGEにより当該大腸菌の可溶性画分でのウロン酸デヒドロゲナーゼの高発現を
確認した。
1−e) 形質転換のためのプラスミドの構築
上記で作製したpNFP−D78をSalIで消化し、平滑末端化及び5’末端脱リン
酸化した。pNFP−A54中のsuhB発現カセットをクローニングして、pNFP−
D78にライゲーションした。pNFP−D78中のINO1発現カセットと順方向にs
uhB発現カセットがライゲーションしていたpNFP−G22を取得した。次いで、p
NFP−G22をSalIで消化し、平滑末端化及び5’末端脱リン酸化した。実施例1
で作製したpNFP−H26中のmiox発現カセット及びpNFP−H45中のudh
発現カセットをクローニングして、両発現カセットをpNFP−G22にライゲーション
した。pNFP−G22中のINO1発現カセット及びsuhB発現カセットと順方向に
miox発現カセット及びudh発現カセットがライゲーションしていた本発明のプラス
ミドを取得した。
実施例2:
2−a) 発現カセット含有プラスミドでトランスフェクトした形質転換体によるJa
r培養槽を用いたグルカル酸の生産
上記の手順に従って構築した本発明のプラスミドを、大腸菌AKC−016株(FER
M P−22104として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター
に2011年4月20日に寄託した。国際寄託番号:FERM BP−11512)に塩
化カルシウム法(羊土社 遺伝子工学実験ノート 上 田村隆明著、参照)を用いてトラ
ンスフェクトした。
得られた形質転換体を、アンピシリン(100mg/L)含有LBプレート上で、37
℃、一日間培養して、コロニーを形成させた。アンピシリン(100mg/L)を含むL
B培地30mLを150mL容のフラスコに入れ、上記プレートからコロニーを白金耳で
植菌し、37℃で、3〜5時間、OD(600nm)が0.5程度になるまで180rp
mで培養を行い、これを本培養のための前培養液とした。
1000mL容のJar培養装置(丸菱バイオエンジ社製)に、10g/Lのグルコー
スと、100mg/Lのアンピシリンを含む合成培地(表1)を300mL入れ、6mL
の前培養液を添加し本培養(Jar培養装置を用いたグルカル酸生産試験)を行った。培
養条件は次のとおり培養温度 32℃;培養pH 6.0〔下限〕;アルカリ添加 28
%(重量/容量)アンモニア水;攪拌 850rpm;通気 1vvm。原料となるグル
コースフィード溶液(表2)は、培養液中のグルコース濃度が0〜5g/Lとなるように
適宜添加した。
Figure 2016163587

Figure 2016163587

上記の培養液を、4℃で、10,000g×10分間遠心分離して上清を回収し、培養
上清のグルカル酸濃度を測定した。具体的には、Shim−Pak SCR−H(ガード
カラム)及びShim−Pak SCR−101H(いずれも商品名、島津ジーエルシー
社製)を連結して、HPLC分析(検出器:RI、カラム温度:40℃、流速:1mL/
min、移動層:0.1% ギ酸)を行うことで、培養上清中のグルカル酸濃度を定量し
た。
その結果、本発明に従ってイノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノ
フォスファターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロ
ゲナーゼ遺伝子を保有する形質転換体中で、イノシトールモノフォスファターゼ活性を強
化することにより、当該形質転換体の培養上清中に約73g/L(培養時間68時間)も
のグルカル酸が生産された。
参考例:
イノシトールモノフォスファターゼを過剰生産しない形質転換体を作製し、当該イノシ
トールモノフォスファターゼ非強化株を用いた以外は、上記実施例2に従ってグルカル酸
生産試験を行ったところ、培養時間68時間で0.26g/Lしかグルカル酸を生産しな
かった。
本明細書で言及したプラスミド及び微生物は、それらが寄託されていると記載されてい
る場合、いずれも、(寄託機関の名称)「IPOD 独立行政法人 製品評価技術基盤機
構特許 微生物寄託センター(IPOD、NITE)」;(寄託機関のあて名)「日本国
郵便番号305−8566 茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6」に寄託されて
いる。
本発明は、グルカル酸の工業的発酵生産に利用できる。

Claims (4)

  1. グルカル酸の製造方法であって、以下の工程:
    1) イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を保有する、国際寄託番号FERM BP−11512に由来する形質転換体であって、該形質転換体内での機能的なイノシトールモノフォスファターゼの過剰生産を誘導する遺伝子組換を有する形質転換体であり、該形質転換体は、イノシトール−1−リン酸合成酵素をコードする核酸を含む発現カセット、イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子をコードする核酸を含む発現カセット、ミオイノシトールオキシゲナーゼをコードする核酸を含む発現カセット及びウロン酸デヒドロゲナーゼをコードする核酸を含む発現カセットの4つの発現カセットを保有することを特徴とし、但し、イノシトール−1−リン酸合成酵素、ミオイノシトールオキシゲナーゼ及びウロン酸デヒドロゲナーゼのための足場ペプチドを発現する形質転換体を除く形質転換体を用意する工程;
    2) 前記形質転換体の生育及び/又は維持に適した条件下で、該形質転換体と該形質転換体によりグルカル酸に変換され得る炭素源を接触させる工程;及び
    3) 前記2)で得られた培養物からグルカル酸あるいはグルカル酸塩を分離する工程、
    を含む、前記製造方法。
  2. 前記炭素源が、前記形質転換体内でグルコース−6−リン酸へと変換され得る化合物を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記炭素源が、D−グルコース、スクロース、オリゴ糖、多糖、でんぷん、セルロース、米ぬか、廃糖密、及びD−グルコースを含有するバイオマスからなる群から選択される1つ以上である、請求項2に記載の製造方法。
  4. イノシトール−1−リン酸合成酵素遺伝子、イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子、ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子及びウロン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を保有する、国際寄託番号FERM BP−11512に由来する形質転換体であって、該形質転換体内での機能的なイノシトールモノフォスファターゼの過剰生産を誘導する遺伝子組換を有する形質転換体であり、該形質転換体は、イノシトール−1−リン酸合成酵素をコードする核酸を含む発現カセット、イノシトールモノフォスファターゼ遺伝子をコードする核酸を含む発現カセット、ミオイノシトールオキシゲナーゼをコードする核酸を含む発現カセット及びウロン酸デヒドロゲナーゼをコードする核酸を含む発現カセットの4つの発現カセットを保有することを特徴とし、但し、イノシトール−1−リン酸合成酵素、ミオイノシトールオキシゲナーゼ及びウロン酸デヒドロゲナーゼのための足場ペプチドを発現する形質転換体を除く、形質転換体。
JP2016100208A 2012-02-24 2016-05-19 グルカル酸の製造方法 Active JP6144804B2 (ja)

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