以下、この発明による電力変換装置の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の回路構成図で、この電力変換装置は、例えば、電動車両の充電器を中心とした電源システムに適用されるものである。
図1において、交流電源1は商用交流電源や自家発電機などであり、第1の直流電圧源2は車両走行用の高圧バッテリ、第2の直流電圧源3は車両電装品の電源である鉛バッテリである。また、インバータ4は車内で使用可能な交流100V電源としたシステムに適用可能である
交流電源1は、電圧検出手段および電流検出手段を有する電圧電流検出部5を介してAC/DCコンバータ6に接続されており、交流電圧Vacinは直流電圧VL1としてコンデンサ7に蓄積され、この直流電圧VL1は第1のスイッチング回路8により交流電圧Vtr1に変換される。第1のスイッチング回路8は、4つのスイッチング素子8a〜8dをブリッジ型に接続したインバータとして構成され、交流電源1からの入力電力の受電量を制御する。
第1のスイッチング回路8の第1交流端に昇圧コイル9の第1端が接続され、昇圧コイル9の第2端に複合巻線トランス(以下、単にトランスという。)10の1次側となる第1の巻線10aの第1端が接続される。また、第1の巻線10aの第2端が第1のスイッチング回路8の第2交流端に接続される。
トランス10の2次側となる第2の巻線10bの第1端は、昇圧コイル11の第1端に接続され、昇圧コイル11の第2端は第2のスイッチング回路12の第1交流端に接続される。また、第2の巻線10bの第2端と第2のスイッチング回路12の第2交流端が接続される。第2のスイッチング回路12は、4つのスイッチング素子12a〜12dをブリッジ型に接続して構成される。
フルブリッジ型に構成された第2のスイッチング回路12の直流プラス端子は、コンデンサ13の一端に接続される。同様に、第2のスイッチング回路12の直流マイナス端子はコンデンサ13のもう一端と接続される。
コンデンサ13のプラス側端子は、電圧検出手段および電流検出手段を有する電圧電流検出部14を介し、DC/DCコンバータ15を構成するスイッチ素子15aのコレクタに接続される。スイッチ素子15aのエミッタは、スイッチ素子15bのコレクタと平滑コイル16の一端に接続される。平滑コイル16のもう一端は電圧検出手段および電流検出手段を有する電圧電流検出部17を介し、第1の直流電圧源2のプラス側端子に接続される。一方、コンデンサ13のマイナス側端子は、電圧電流検出部14を介してスイッチ素子15bのエミッタに接続され、かつ、電圧電流検出部17を介して、第1の直流電圧源2のマイナス側端子に接続される。
DC/DCコンバータ15は、第1の直流電圧源2を充電する際はスイッチ素子15aをスイッチングさせて、コンデンサ13の電圧VL2を第1の直流電圧源2の電圧へ降圧充電する。また、降圧せずに第1の直流電圧源2を充電する場合は、スイッチ素子15aを常時オン状態とし、第1の直流電圧源2の充電を停止する場合は、スイッチ素子15aを常時オフ状態とする。一方、第1の直流電圧源2を放電する際は、スイッチ素子15bをスイッチングさせて、第1の直流電圧源2の電圧をコンデンサ13の電圧VL2へ昇圧放電する。また、昇圧せずに放電する場合はスイッチ素子15bを常時オフ状態とする。
トランス10の3次側となる第3の巻線10cは、第1端が整流回路18の第1交流端に接続され、第3の巻線10cの第2端は、整流回路18の第2交流端に接続される。整流回路18は、整流素子18a〜18dをブリッジ型に接続して構成される。
トランス10の第3の巻線10cに生じた交流電圧Vtr3は、整流回路18で直流変換されて、平滑コイル19と平滑コンデンサ20とで平滑化され、電圧検出手段および電流検出手段を有する電圧電流検出部21を介してコンデンサ22に蓄積されて直流電圧VL3となる。コンデンサ22は、4つのスイッチング素子4a〜4dで構成されるインバータ4の直流入力端に接続される。インバータ4の交流出力端は、平滑コイル23a、23b、平滑コンデンサ24、コモンモードチョークコイル25、電圧検出手段および電流検出手段を有する電圧電流検出部26、および負荷機器接続部27が順次接続され、この負荷機器接続部27において、これに接続される図示しない各種の機器(以下、交流負荷という。)の供給電源である交流電源Vacoutを生成する。
トランス10の4次側となる第4の巻線10d1、10d2は、センタータップ型に構成され、その両端には第3のスイッチング回路28を構成する2つのスイッチング素子28a、28bの第1端がそれぞれ接続される。第4の巻線10d1、10d2のセンタータップとなる接続点には、スイッチ素子29が接続されると共に、2つのスイッチング素子30a、30bで構成されるスイッチ30が接続される。
スイッチ素子29の出力側は、還流ダイオード31と平滑コイル32との接続点に接続される。平滑コイル32の出力側とスイッチ30の出力側と平滑コンデンサ33の第1端がそれぞれ接続され、電圧検出手段および電流検出手段を有する電圧電流検出部34を経て第2の直流電圧源3のプラス端に接続される。スイッチング素子28a、28bの第2端はそれぞれ互いに接続され、還流ダイオード31のアノード端、および平滑コンデンサ33の第2端と第2の直流電圧源3のマイナス端に接続される。第3のスイッチング回路28は、2つのスイッチング素子28a、28b、スイッチ素子29、還流ダイオード31、および平滑コイル32で構成され、スイッチ素子29、還流ダイオード31、および平滑コイル32により降圧チョッパとして機能する。
なお、第1〜第4のスイッチング回路8、12、18、28を構成する各スイッチング素子や、インバータ4を構成する各スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に限らず、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などであってもよい。
また、整流素子18bおよび18dをアクティブ素子で構成し、トランス10の第3の巻線10cの巻線端に昇圧コイルを接続することにより、整流回路18をスイッチング回路で構成し、通常は整流回路として機能させ、また、平滑コンデンサ20に生じる直流電圧VL3が所定値よりも低い場合には昇圧チョッパとして機能させることもできる。
また、制御部35は、第1〜第4のスイッチング回路8、12、18、28、およびDC/DCコンバータ15、インバータ4の動作を制御する役割を果たす。なお、符号36は、電圧検出手段および電流検出手段を有する電圧電流検出部を示している。
実施の形態1による電力変換装置は上記のように構成されており、次に、その電力分配の概要について説明する。
交流電源1が接続されていてこの交流電源1を電力供給源とする場合、交流電源1の電圧VacinをAC/DCコンバータ6で直流電圧VL1に変換し、この直流電圧VL1をトランス10で絶縁された2次側直流電圧、即ち、コンデンサ13の電圧VL2に変換する。そして、DC/DCコンバータ15により、2次側直流電圧VL2を第1の直流電圧源2の電圧Vbat1に変換し、第1の直流電圧源2を充電する。また、直流電圧VL1は、トランス10で絶縁された3次側直流電圧、即ち、平滑コンデンサ20の電圧VL3に変換され、インバータ4により負荷機器接続部27に接続される交流負荷に対する交流電源Vacoutを生成する。さらに、直流電圧VL1はトランス10で絶縁された4次側直流電圧Vbat2に変換されて第2の直流電圧源3を充電する。
交流電源1が接続されていないために第1の直流電圧源2を電力供給源とする場合、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15により2次側直流電圧VL2に変換し、2次側直流電圧VL2はトランス10で絶縁された3次側直流電圧VL3に変換された後、インバータ4により負荷機器接続部27に接続される交流負荷に対する交流電源Vacoutを生成する。同様に、2次側直流電圧VL2は、トランス10で絶縁された4次側直流電圧Vbat2に変換されて第2の直流電圧源3を充電する。
交流電源1が接続されているが、交流電源1からの電力供給が不十分であるため、交流電源1と第1の直流電圧源2とを共に電力供給源とする場合には、交流電源1の電圧VacinをAC/DCコンバータ6で直流電圧VL1に変換すると同時に、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15により2次側直流電圧VL2に変換する。直流電圧VL1、VL2は、トランス10で絶縁された3次側直流電圧VL3に変換され、インバータ4により負荷機器接続部27に接続される交流負荷に対する交流電源Vacoutを生成する。さらに、直流電圧VL1、VL2は、トランス10で絶縁された4次側直流電圧Vbat2に変換されて第2の直流電圧源3を充電する。
次に、実施の形態1による電力変換装置の電力フローについて、図2を参照して説明する。
図2に示すように、交流電源1が接続されていてこれを電力供給源とする場合には、交流電源1からの入力電力P1は、第1の直流電圧源2への充電電力P2と、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とに分配される。
図3および図4は、図2に示した電力フローを実現するための制御部35の制御ブロック図である。
ここで、図3は、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とを優先させ、その残りの電力を第1の直流電圧源2への充電電力P2として供給するように動作させる場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は定電流で電力供給を行う。即ち、AC/DCコンバータ6は、交流電源1の電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差をP制御し、PWM制御することにより、定電流でコンデンサ7に向けて電力を供給する。同時に交流電流を高力率に制御する。このとき、交流電源1の電流指令値Iacin*は任意に設定してよい。
第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御しながらトランス10の第1の巻線10aに電圧Vtr1を印加する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。
第2のスイッチング回路12は、スイッチングを停止して常時オフ状態とし、整流回路となることにより、トランス2次側誘起電圧Vtr2を2次側直流電圧VL2に整流する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15aは、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御を行い、第1の直流電圧源2の電流指令値Ibat1*とする。この電流指令値Ibat1*と電圧電流検出部17の電流検出値Ibat1との偏差をP制御し、PWM制御することにより、第1の直流電圧源2の充電電流制御を行う。このとき、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは常時オフ状態とする。
トランス10の第3の巻線10cに誘起された電圧Vtr3は、整流回路18により3次側直流電圧VL3に整流される。インバータ4は、出力交流電圧の指令値Vacout*と電圧電流検出部21の電圧検出値VL3の商により正弦波インバータの変調率とし、PWM制御により交流電圧Vacoutを負荷機器接続部27へ出力する。
このように、図3に示した制御では、交流電源1から一定の入力電力P1を受電し、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とを出力した残りの電力を第1の直流電圧源2への充電電力P2として供給するように動作する。
図4は、第1の直流電圧源2への充電電力P2を一定にして、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作させる場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御し、交流電源電流指令値Iacin*とする。この交流電源電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差に基づいてP制御し、PWM制御することにより、コンデンサ7の電圧VL1の制御を行ないながら、交流電源電流Iacinを高力率に制御する。
第1のスイッチング回路8は第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御しながらトランス10の第1の巻線10aに電圧Vtr1を印加する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。
第2のスイッチング回路12は、スイッチングを停止して常時オフ状態とし、整流回路となることにより、トランス2次側誘起電圧Vtr2を2次側直流電圧VL2に整流する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15aは、第1の直流電圧源2の電流指令値Ibat1*と電圧電流検出部17の電流検出値Ibat1との偏差をP制御し、PWM制御することにより、第1の直流電圧源2を定電流で充電する。このとき、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは常時オフ状態とする。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図4に示した制御では、第1の直流電圧源2への充電電力P2を一定にして、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作する。
図5に示すように、交流電源1が接続されていてこれを電力供給源とし、第1の直流電圧源2への充電を停止する場合には、交流電源1からの入力電力P1は、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とに分配される。
図6および図7は、図5に示した電力フローを実現するための制御部35の制御ブロック図である。
図6は、第1の直流電圧源2への充電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作させる場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御し、交流電源電流指令値Iacin*とする。この交流電源電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差に基づいてP制御し、PWM制御することにより、コンデンサ7の電圧VL1の制御を行ないながら、交流電源電流Iacinを高力率に制御する。
第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御しながらトランス10の第1の巻線10aに電圧Vtr1を印加する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。
第2のスイッチング回路12は、スイッチングを停止して常時オフ状態とし、整流回路となることにより、トランス2次側誘起電圧Vtr2を2次側直流電圧VL2に整流する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは常時オフ状態とすることにより、第1の直流電圧源2への充電を停止させる。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図6に示した制御では、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作する。
図7は、第1の直流電圧源2への充電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作させると同時に、2次側直流電圧VL2を一定電圧に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御し、交流電源電流指令値Iacin*とする。この交流電源電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差に基づいてP制御し、PWM制御することにより、コンデンサ7の電圧VL1の制御を行ないながら、交流電源電流Iacinを高力率に制御する。
第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御する。これと同時に、第2のスイッチング回路12は、2次側直流電圧指令値VL2*と電圧電流検出部14の電圧検出値VL2との偏差をPI制御する。第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧Vbat2からのPI制御出力と2次側直流電圧VL2からのPI制御出力の差をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、2次側直流電圧VL2からのPI制御出力をPWM制御する。この制御を用いることにより、2次側直流電圧VL2を一定に制御しながら、第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を一定に制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。
DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは常時オフ状態とすることにより、第1の直流電圧源2への充電を停止させる。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図7に示した制御では、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作すると同時に、2次側直流電圧VL2を一定に制御することができる。
図8に示すように、交流電源1が接続されていないために、第1の直流電圧源2を電力供給源とする場合には、第1の直流電圧源2からの入力電力P2は、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とに分配される。このとき交流電源1からの入力電力P1はゼロである。
図9〜図14は、図8に示した電力フローを実現するための制御部35の制御ブロック図である。
図9、図10、図11は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させる場合である。
図9は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、2次側直流電圧VL2を一定に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6と第1のスイッチング回路8は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、2次側直流電圧の電圧指令値VL2*と電圧電流検出部14の電圧検出値VL2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、2次側直流電圧VL2を一定電圧に制御しながら第1の直流電圧源2を放電する。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図9に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、2次側直流電圧VL2を一定に制御することができる。
図10は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6と第1のスイッチング回路8は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。同時に、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは常時オフ状態とすることにより、スイッチ素子15aの逆並列ダイオードを介して第1の直流電圧源2を放電させる。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図10に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御することができる。
図11は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6と第1のスイッチング回路8は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第2のスイッチング回路12は、任意のデューティ指令値Drefに基づき、開ループで2次側直流電圧VL2を交流変換し、トランス10の第2の巻線10bに印加している。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図11に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御することができる。
図12、図13、図14は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御する場合である。
図12は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、コンデンサ7の電圧VL1と2次側直流電圧VL2を一定に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差をPI制御する。これと同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御する。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧Vbat2からのPI制御出力とコンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力との差をPWM制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、2次側直流電圧の電圧指令値VL2*と電圧電流検出部14の電圧検出値VL2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、2次側直流電圧VL2を一定電圧に制御しながら第1の直流電圧源2を放電する。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図12に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、コンデンサ7の電圧VL1と2次側直流電圧VL2を一定に制御することができる。
図13は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差をPI制御する。これと同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御する。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧Vbat2からのPI制御出力とコンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力との差をPWM制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。同時に、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは常時オフ状態とすることにより、スイッチ素子15aの逆並列ダイオードを介して第1の直流電圧源2を放電させる。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、図13に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御することができる。
図14は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第1のスイッチング回路8と第2のスイッチング回路12は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差をPI制御し、第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、任意のデューティ指令値Drefとコンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力との差をPWM制御する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、整流回路18およびインバータ4は、図3の場合と同様に動作する。
このように、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御することができる。
図9〜図14に示したように、DC/DCコンバータ15で第1の直流電圧源2の電圧VL1を昇圧することにより、第2のスイッチング回路12の入力電圧が上昇し、第2のスイッチング回路12を構成する半導体スイッチの通流電流を低減でき、損失を低減できる。
さらに、図9および図12のように、全領域でDC/DCコンバータ15が昇圧動作を行いながら、第2のスイッチング回路12のデューティで負荷側電圧の制御を行う場合、DC/DCコンバータ15で昇圧した電圧を第2のスイッチング回路12で降圧することとなり、損失が増加する。
そこで、図10および図11、図13および図14のように、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が無変換で第2のスイッチング回路12に出力させ、第2のスイッチング回路12のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードと、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が昇圧し、第2のスイッチング回路12が任意のデューティで動作することにより、DC/DCコンバータ15のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードを設け、コンデンサ13の電圧VL2に基づいて上記モードを切り替える。
例えば本システムでは、第2の巻線10bの巻数をN2、第4の巻線10d1、10d2の巻数比をN4とすると、Vbat1>Dref×Vbat2×N2÷N4の領域では、第1の直流電圧源2の電圧Vbatが巻数比で換算した第2の直流電圧源3の電圧Vbat2と比べて高いため、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が無変換で第2のスイッチング回路12に出力させ、第2のスイッチング回路12のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードで動作させる。
一方、Vbat1<Dref×Vbat2×N2÷N4では第1の直流電圧源2の電圧Vbatが巻数比で換算した第2の直流電圧源3の電圧Vbat2と比べて低いため、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が昇圧し、第2のスイッチング回路12が任意のデューティで動作することにより、DC/DCコンバータ15のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードで動作させる。
なお、境界条件はVbat1=Dref×Vbat2×N2÷N4となるが、この境界条件での制御モードは上記2種類の動作モードの内、任意の動作モードを選択して良い。また、境界条件付近でチャタリング等の誤動作が懸念される場合は境界条件に任意のバンド幅を持ったヒステリシスを設けても良い。また、損失低減効果は上記の境界条件で制御を切り替える場合が最良であるが、任意の境界条件を設定し制御モードを切り替えても良い。
図12、図13、図14でAC/DCコンバータ6を入力定電流で動作させることにより、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を、交流電源1の入力電力と第1の直流電圧源2の放電電力の合計電力で賄うよう動作させることができる。
上記の制御部35の制御動作の説明では、第1の直流電圧源2は定電流充電で、また、第2の直流電圧源3は定電圧充電でそれぞれ制御を行なっているが、第1の直流電圧源2、第2の直流電圧源3共に、このような充電方法に限定されるものではなく、第1の直流電圧源2、第2の直流電圧源3のそれぞれに応じた充電方法を採用することができる。例えば、第1の直流電圧源2を定電圧で充電しても構わないし、第2の直流電圧源3を定電流で充電しても構わない。
上記の構成ではDC/DCコンバータ15は、第1の直流電圧源2を充電する方向に降圧、放電する方向に昇圧の構成としたが、その他の構成としても良い。たとえば、充電方向が昇圧、放電方向が降圧の構成でも良いし、両方向に昇降圧できる構成でも良い。また、放電方向にしか電力を伝送しない単方向の変換器で構成することもできる。
さらに、第1の直流電圧源2とDC/DCコンバータ15を、交流電圧源と双方向変換可能なAC/DCコンバータで置き換えることもできる。AC/DCコンバータがAC/DCコンバータの出力電圧を負荷側の電圧もしくは電流に基づいて制御することにより、上記制御と同様の制御が実現できる。
この実施の形態1の電力変換装置によれば、入力電力を第1の直流電圧源2、第2の直流電圧源3、および負荷機器接続部27に接続される交流負荷に対して電力分配制御できるとともに、交流負荷に対して電力供給を行いながら、必要に応じて第1の直流電圧源2に対する充電動作を任意に停止することができる。
さらに、DC/DCコンバータ15が昇圧制御を行うことにより、第1の直流電圧源2あるいは第2の直流電圧源3の電圧が低下した場合に、双方向型スイッチング回路で発生する損失を低減することができる。同時に、トランス10に接続された双方向型スイッチング回路のデューティで負荷の電圧を制御するモードと、第1の直流電圧源2に接続されたDC/DCコンバータ15のデューティで負荷の電圧を制御するモードを設けることにより、全領域を昇圧制御する方式と比較して、DC/DCコンバータ15での損失を低減することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による電力変換装置について説明する。図15は、実施の形態2による電力変換装置の回路構成図であり、実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を示している。
実施の形態2による電力変換装置の特徴は、AC/DCコンバータ6の出力端側に、第1のスイッチング回路8と並列に電圧電流検出部21を介して4つのスイッチング素子4a〜4dで構成されるインバータ4の直流入力端が接続されており、このインバータ4の交流出力端には平滑コイル23a、23b、平滑コンデンサ24、コモンモードチョークコイル25、電圧電流検出部26、および負荷機器接続部27が順次接続されている。そして、この負荷機器接続部27において図示しない交流負荷の供給電源である交流電源Vacoutが生成される。
その他の構成は、実施の形態1の場合と基本的に同じであり、対応する構成部分に同一符号を付すことにより、詳しい説明は省略する。また、第1〜第3のスイッチング回路8、12、28、およびDC/DCコンバータ15、インバータ4などの動作についても、基本的には実施の形態1と同様であり、ここでは詳しい説明を省略する。
次に、実施の形態2による電力変換装置の電力フローについて図16を参照して説明する。
図16に示すように、交流電源1が接続されていてこれを電力供給源とする場合には、交流電源1からの入力電力P1は、第1の直流電圧源2への充電電力P2と、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とに分配される。
図17および図18は、図16に示した電力フローを実現するための制御部35の制御ブロック図である。
ここで、図17は、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とを優先させ、その残りの電力を第1の直流電圧源2への充電電力P2として供給するように動作させる場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は定電流で電力供給を行う。即ち、AC/DCコンバータ6は、交流電源1の電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差をP制御し、PWM制御することにより、定電流でコンデンサ7に向けて電力を供給する。同時に交流電流を高力率に制御する。このとき、交流電源1の電流指令値Iacin*は任意に設定してよい。
第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御しながらトランス10の第1の巻線10aに電圧Vtr1を印加する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29はオン状態とし、スイッチ30はオフ状態とする。
第2のスイッチング回路12は、スイッチングを停止して常時オフ状態とし、整流回路となることにより、トランス2次側誘起電圧Vtr2を2次側直流電圧VL2に整流する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15aは、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御を行い、第1の直流電圧源2の電流指令値Ibat1*とする。この電流指令値Ibat1*と電圧電流検出部17の電流検出値Ibat1との偏差をP制御し、PWM制御することにより、第1の直流電圧源2の充電電流制御を行う。このとき、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bはオフ状態とする。
インバータ4は、出力交流電圧の指令値Vacout*と電圧電流検出部21の電圧検出値VL3の商により正弦波インバータの変調率とし、PWM制御により交流電圧Vacoutを負荷機器接続部27へ出力する。
このように、図17に示した制御では、交流電源1から一定の入力電力P1を受電し、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とを出力した残りの電力を第1の直流電圧源2への充電電力P2として供給するように動作させる。
図18は、第1の直流電圧源2への充電電力P2を一定にして、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作させる場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御し、交流電源電流指令値Iacin*とする。この交流電源電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差に基づいてP制御し、PWM制御することにより、コンデンサ7の電圧VL1の制御を行ないながら、交流電源電流Iacinを高力率に制御する。
第1のスイッチング回路8は第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御しながらトランス10の第1の巻線10aに電圧Vtr1を印加する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29はオン状態とし、スイッチ30はオフ状態とする。
第2のスイッチング回路12は、スイッチングを停止して常時オフ状態とし、整流回路となることにより、トランス2次側誘起電圧Vtr2を2次側直流電圧VL2に整流する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15aは、第1の直流電圧源2の電流指令値Ibat1*と電圧電流検出部17の電流検出値Ibat1との偏差をP制御し、PWM制御することにより、第1の直流電圧源2を定電流で充電する。このとき、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bはオフ状態とする。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図18に示した制御では、第1の直流電圧源2への充電電力P2を一定にして、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作する。
図19に示すように、交流電源1が接続されていてこれを電力供給源とし、第1の直流電圧源2への充電を停止する場合には、交流電源1からの入力電力P1は、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とに分配される。
図20および図21は、図19に示した電力フローを実現するための制御部35の制御ブロック図である。
図20は、第1の直流電圧源2への充電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作させる場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御し、交流電源電流指令値Iacin*とする。この交流電源電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差に基づいてP制御し、PWM制御することにより、コンデンサ7の電圧VL1の制御を行ないながら、交流電源電流Iacinを高力率に制御する。
第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御しながらトランス10の第1の巻線10aに電圧Vtr1を印加する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29はオン状態とし、スイッチ30はオフ状態とする。
第2のスイッチング回路12は、スイッチングを停止して常時オフ状態とし、整流回路となることにより、トランス2次側誘起電圧Vtr2を2次側直流電圧VL2に整流する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは、常時オフ状態とすることにより、第1の直流電圧源2への充電を停止させる。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図20に示した制御では、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作する。
図21は、第1の直流電圧源2への充電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作させると同時に、2次側直流電圧VL2を一定電圧に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差に基づいてPI制御し、交流電源電流指令値Iacin*とする。この交流電源電流指令値Iacin*と電圧電流検出部5の電流検出値Iacinとの偏差に基づいてP制御し、PWM制御することにより、コンデンサ7の電圧VL1の制御を行ないながら、交流電源電流Iacinを高力率に制御する。
第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御する。これと同時に、第2のスイッチング回路12は、2次側直流電圧指令値VL2*と電圧電流検出部14の電圧検出値VL2との偏差をPI制御する。第1のスイッチング回路8は、第2の直流電圧源3の電圧Vbat2からのPI制御出力と2次側直流電圧VL2からのPI制御出力の差をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、2次側直流電圧VL2からのPI制御出力をPWM制御する。この制御を用いることにより、2次側直流電圧VL2を一定に制御しながら、第2の直流電圧Vbat2を一定に制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29はオン状態とし、スイッチ30はオフ状態とする。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは常時オフ状態とすることにより、第1の直流電圧源2への充電を停止させる。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図21に示した制御では、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を交流電源1から受電するように動作すると同時に、2次側直流電圧VL2を一定に制御することができる。
図22に示すように、交流電源1が接続されていないために、第1の直流電圧源2を電力供給源とする場合には、第1の直流電圧源2からの入力電力P2は、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4とに分配される。このとき交流電源1からの入力電力P1はゼロである。
図23〜図28は、図22に示した電力フローを実現するための制御部35の制御ブロック図である。
図23、図24、図25は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させる場合である。
図23は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、2次側直流電圧VL2を一定に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6と第1のスイッチング回路8は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、2次側直流電圧の電圧指令値VL2*と電圧電流検出部14の電圧検出値VL2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、2次側直流電圧VL2を一定電圧に制御しながら第1の直流電圧源2を放電する。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図23に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、2次側直流電圧VL2を一定に制御することができる。
図24は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6と第1のスイッチング回路8は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。同時に、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは常時オフ状態とすることにより、スイッチ素子15aの逆並列ダイオードを介して第1の直流電圧源2を放電させる。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図24に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御することができる。
図25は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6と第1のスイッチング回路8は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第2のスイッチング回路12は、任意のデューティ指令値Drefに基づき、開ループで2次側直流電圧VL2を交流変換し、トランス10の第2の巻線10bに印加している。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図25に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御することができる。
図26、図27、図28は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御する場合である。
図26は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、コンデンサ7の電圧VL1と2次側直流電圧VL2を一定に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差をPI制御する。これと同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御する。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源Vbat2からのPI制御出力とコンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力との差をPWM制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、2次側直流電圧の電圧指令値VL2*と電圧電流検出部14の電圧検出値VL2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、2次側直流電圧VL2を一定電圧に制御しながら第1の直流電圧源2を放電する。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図26に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、コンデンサ7の電圧VL1と2次側直流電圧VL2を一定に制御することができる。
図27は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御する場合の制御部35の制御ブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差をPI制御する。これと同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御する。第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、第2の直流電圧源Vbat2からのPI制御出力とコンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力との差をPWM制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。同時に、DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15a、15bは常時オフ状態とすることにより、スイッチ素子15aの逆並列ダイオードを介して第1の直流電圧源2を放電させる。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図27に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、第2のスイッチング回路12が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御することができる。
図28は、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御する場合の制御部35のブロック図である。
その場合、AC/DCコンバータ6は、系統側からの入力電力が無いため動作を停止し、常時オフ状態としている。第1のスイッチング回路8と第2のスイッチング回路12は、コンデンサ7の電圧指令値VL1*と電圧電流検出部36の電圧検出値VL1との偏差をPI制御し、第1のスイッチング回路8は、コンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力をPWM制御する。同時に、第2のスイッチング回路12は、任意のデューティ指令値Drefとコンデンサ7の電圧VL1からのPI制御出力との差をPWM制御する。DC/DCコンバータ15のスイッチ素子15bは、第2の直流電圧源3の電圧指令値Vbat2*と電圧電流検出部34の電圧検出値Vbat2との偏差をPI制御し、PWM制御することにより、第2の直流電圧源3の充電電力を制御する。このとき、第3のスイッチング回路28のスイッチ素子29は常時オン状態とし、スイッチ30は常時オフ状態とする。スイッチ素子15aは常時オフ状態とする。なお、インバータ4は、図17の場合と同様に動作する。
このように、図28に示した制御では、交流電源1からの受電を停止して、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を第1の直流電圧源2から受電するように動作させると同時に、DC/DCコンバータ15が第2の直流電圧源3の電圧Vbat2を制御しながら、コンデンサ7の電圧VL1を一定に制御することができる。
図23〜図28に示したようにDC/DCコンバータ15で第1の直流電圧源2の電圧VL1を昇圧することにより、第2のスイッチング回路12の入力電圧が上昇し、第2のスイッチング回路12を構成する半導体スイッチの通流電流を低減でき、損失を低減できる。
図23および図26のように、全領域でDC/DCコンバータ15が昇圧動作を行いながら、第2のスイッチング回路12のデューティで負荷側電圧の制御を行う場合、DC/DCコンバータ15で昇圧した電圧を第2のスイッチング回路12で降圧することとなり、損失が増加する。
そこで、図24および図25、図27および図28のように、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が無変換で第2のスイッチング回路12に出力させ、第2のスイッチング回路12のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードと、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が昇圧し、第2のスイッチング回路12が任意のデューティで動作することにより、DC/DCコンバータ15のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードとを設けることにより、コンデンサ13の電圧VL2に基づいて上記モードを切り替える。
例えば本システムでは、第2の巻線10bの巻数をN2、第4の巻線10d1、10d2の巻数比をN4とすると、Vbat1>Dref×Vbat2×N2÷N4の領域では、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1が巻数比で換算した第2の直流電圧源3の電圧Vbat2と比べて高いため、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が無変換で第2のスイッチング回路12に出力させ、第2のスイッチング回路12のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードで動作させる。一方、Vbat1<Dref×Vbat2×N2÷N4では第1の直流電圧源2の電圧Vbat1が巻数比で換算した第2の直流電圧源3の電圧Vbat2と比べて低いため、第1の直流電圧源2の電圧Vbat1をDC/DCコンバータ15が昇圧し、第2のスイッチング回路12が任意のデューティで動作することにより、DC/DCコンバータ15のデューティで負荷となる第2の直流電圧源3の電圧を制御する制御モードで動作させる。
なお、境界条件はVbat1=Dref×Vbat2×N2÷N4となるが、この境界条件での制御モードは上記2種類の動作モードの内、任意の動作モードを選択して良い。また、境界条件付近でチャタリング等の誤動作が懸念される場合は境界条件に任意のバンド幅を持ったヒステリシスを設けても良い。また、損失低減効果は上記の境界条件で制御を切り替える場合が最良であるが、任意の境界条件を設定し制御モードを切り替えても良い。
図26、図27および図28でAC/DCコンバータ6を入力定電流で動作させることにより、負荷機器接続部27に接続される交流負荷への供給電力P3と、第2の直流電圧源3への充電電力P4の合計電力を、交流電源1の入力電力と第1の直流電圧源2の放電電力の合計電力でまかなうよう動作させることができる。
上記の制御部35の制御動作の説明では、第1の直流電圧源2は定電流充電で、また、第2の直流電圧源3は定電圧充電でそれぞれ制御を行なっているが、第1の直流電圧源2、第2の直流電圧源3共に、上記の充電方法に限定されるものではなく、第1の直流電圧源2、第2の直流電圧源3のそれぞれに応じた充電方法を採用することができる。例えば、第1の直流電圧源2を定電圧で充電しても構わないし、第2の直流電圧源3を定電流で充電しても構わない。
上記の構成ではDC/DCコンバータ15は、第1の直流電圧源2を充電する方向に降圧、放電する方向に昇圧の構成としたが、その他の構成としても良い。たとえば、充電方向が昇圧、放電方向が降圧の構成でも良いし、両方向に昇降圧できる構成でも良い。また、放電方向にのみ電力を伝送しない単方向の変換器で構成することもできる。
さらに、直流電圧源とDC/DCコンバータを交流電圧源と双方向変換可能なAC/DCコンバータで置き換えることもできる。AC/DCコンバータが、AC/DCコンバータの出力電圧を負荷側の電圧もしくは電流に基づいて制御することにより、上記制御と同様の制御が実現できる。
実施の形態2の電力変換装置によれば、入力電力を第1の直流電圧源2、第2の直流電圧源3、および負荷機器接続部27に接続される交流負荷に対して電力分配制御できるとともに、交流負荷に対して電力供給を行いながら、必要に応じて第1の直流電圧源2に対する充電動作を任意に停止することができる。
さらに、DC/DCコンバータ15が昇圧制御を行うことにより、直流電圧源の電圧が低下した場合に、双方向型スイッチング回路で発生する損失を低減することができる。同時に、トランス10に接続された双方向型スイッチング回路のデューティで負荷の電圧を制御するモードと、第1の直流電圧源2に接続されたDC/DCコンバータ15のデューティで負荷の電圧を制御するモードを設けることにより、全領域を昇圧制御する方式と比較して、DC/DCコンバータ回路での損失を低減することができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3による電力変換装置について説明する。図29は、実施の形態3による電力変換装置の回路構成図であり、実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を示している。
実施の形態3による電力変換装置の特徴は、図1に示した実施の形態1の構成に対し、トランス10の第4の巻線10d1、10d2、第4の巻線10d1、10d2に接続される第3のスイッチング回路28、および第2の直流電圧源3を含む回路が除かれていることである。その他の構成は、実施の形態1と同じである。従って、実施の形態1における第3のスイッチング回路28と第2の直流電圧源3を含む回路の動作を除けば、基本的な動作は、実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態3の電力変換装置によれば、入力電力を第1の直流電圧源2と負荷機器接続部27に接続される交流負荷に対して電力分配制御できるとともに、交流負荷に対して電力供給を行いながら、必要に応じて第1の直流電圧源2に対する充電動作を任意に停止することができる。
さらに、DC/DCコンバータ15が昇圧制御を行うことにより、直流電圧源の電圧が低下した場合に、双方向型スイッチング回路で発生する損失を低減することができる。同時に、トランス10に接続された双方向型スイッチング回路のデューティで負荷の電圧を制御するモードと、第1の直流電圧源2に接続されたDC/DCコンバータ15のデューティで負荷の電圧を制御するモードを設けることにより、全領域を昇圧制御する方式と比較して、DC/DCコンバータ回路での損失を低減することができる。しかも、実施の形態3の構成の場合、実施の形態1のような第2の直流電圧源3が、例えば車両電装品の電源として、別個独立した電力系統として配備されているような場合に適用可能である。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4による電力変換装置について説明する。図30は、実施の形態4による電力変換装置の回路構成図であり、実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を示している。
実施の形態4による電力変換装置の特徴は、図1に示した実施の形態1の構成に対し、トランス10の第3の巻線10c、第3の巻線10cに接続される整流回路18やインバータ4を含む回路が除かれていることである。その他の構成は、実施の形態1の場合と同じである。従って、実施の形態1における整流回路18やインバータ4を含む回路の動作を除けば、基本的な動作は、実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態4の電力変換装置によれば、入力電力を第1の直流電圧源2と第2の直流電圧源3に対して電力分配制御できるとともに、交流負荷に対して電力供給を行いながら、必要に応じて第1の直流電圧源2に対する充電動作を任意に停止することができる。
さらに、DC/DCコンバータ15が昇圧制御を行うことにより、直流電圧源の電圧が低下した場合に、双方向型スイッチング回路で発生する損失を低減することができる。同時に、トランス10に接続された双方向型スイッチング回路のデューティで負荷の電圧を制御するモードと、第1の直流電圧源2に接続されたDC/DCコンバータ15のデューティで負荷の電圧を制御するモードを設けることにより、全領域を昇圧制御する方式と比較して、DC/DCコンバータ回路での損失を低減することができる。
しかも、実施の形態4の構成の場合、実施の形態1のような交流負荷を負荷機器接続部27に接続する必要性が特に無く、従って、トランス10の第3の巻線10c、整流回路18、およびインバータ4を含む回路を省略できる場合に適用可能である。
以上、この発明の実施の形態1から実施の形態4について説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、これらの構成を適宜組み合わせたり、その構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。