JP2016125058A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明においては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコーティング剤も提供するものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるものである。
かかるnの値が大きすぎると耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
かかるエチレン性不飽和基数が多すぎると復元性が得られにくい傾向がある。
かかる重量平均分子量が高すぎると耐ブロッキング性が低下する傾向があり、低すぎると復元性が得られにくい傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
本発明で用いるポリシロキサン構造含有化合物(B)は、耐ブロッキング性を向上させるために含有されるものであり、公知一般のポリシロキサン構造を含有する化合物を用いればよく、例えば、ポリシロキサン構造含有(メタ)アクリレートモノマー、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)、ポリシロキサン構造含有ポリエーテル(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン構造含有ポリエステル(メタ)アクリレート化合物、ポリシロキサン構造含有ポリカーボネート(メタ)アクリレート化合物等のポリシロキサン構造含有ポリ(メタ)アクリレート系化合物;
ポリシロキサン構造含有ポリエステル化合物;
ポリシロキサン構造含有ポリカーボネート化合物;
ポリシロキサン構造含有(メタ)アクリルポリマー;
不飽和基含有ポリシロキサン構造含有(メタ)アクリレート;
および、上記化合物にフッ素原子を導入した化合物等があげられる。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)は、一般式(2)および(3)両方由来の構造部位を有するものであってもよい。
〔式中、R1はアルキル基を示し、R2はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を示し、R3は炭化水素基又はヘテロ原子を含む有機基を示す。aは1以上の整数であり、bは1〜3の整数である。〕
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、例えば、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む有機基としては、例えば、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、ポリカプロラクトン基、アミノ基等が挙げられる。
これらの中でも、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート系化合物、特にはポリイソシアネートの3量体又は多量体化合物であることが、塗膜硬度、及びブリードの原因となる未反応の低分子量成分を少なくできる点でより好ましい。
これらの中でも、比較的高硬度の塗膜が得られる点でペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
ポリブタジエン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリブタジエンポリオールであってもよい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
(イ):ポリシロキサン系化合物(p1)、ポリイソシアネート系化合物(p2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(p4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(p2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(p3)を一括に仕込み反応させる方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(p1)とポリイソシアネート系化合物(p2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(p4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(p2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(p3)を反応させる方法、
(ハ):ポリイソシアネート系化合物(p2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(p4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(p2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(p3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(p1)を反応させる方法、
(ニ):ポリイソシアネート系化合物(p2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(p4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(p2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(p3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(p1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(p3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらの中でも、(ロ)または(二)の方法が好ましく、反応制御の安定性の点で、特に好ましくは(ロ)の方法である。
尚、粘度の測定法はB型粘度計による。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む有機基としては、例えば、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、ポリカプロラクトン基、アミノ基等が挙げられる。
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
(イ):ポリシロキサン系化合物(q1)、ポリイソシアネート系化合物(q2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(q4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(q2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(q3)を一括に仕込み反応させ
る方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(q1)とポリイソシアネート系化合物(q2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(q4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(q2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(q3)を反応させる方法、
(ハ):ポリイソシアネート系化合物(q2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(q4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(q2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(q3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(q1)を反応させる方法、
(ニ):ポリイソシアネート系化合物(q2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(q4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(q2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(q3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(q1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(q3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらのなかでも(ロ)又は(ニ)の方法が好ましく、反応制御の安定性や相溶性の点で、特に好ましくは(二)の方法である。
尚、粘度の測定法はB型粘度計による。
かかるケイ素原子含有量が多すぎると他の成分との相溶性が低下する傾向があり、少なすぎると耐ブロッキング性改善のために必要とする配合量が多くなり、塗膜の物性バランスを取り難くなる傾向がある。
本発明で用いるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)としては、例えば、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート(例えば、共栄社化学製の「ライトエステルP−1M」、「ライトアクリレートP−1A」等)、リン酸メチレン(メタ)アクリレート、リン酸エチレン(メタ)アクリレート、リン酸プロピレン(メタ)アクリレート、リン酸テトラメチレン(メタ)アクリレート等のリン酸アルキレン(メタ)アクリレート、リン酸1−クロロメチルエチレン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM100」、「Sipomer PAM4000」等)、ポリエチレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM5000」等)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM200」等)、ポリプロピレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM300」等)のようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートのリン酸エステル等のエチレン性不飽和基を1個有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物;
ビス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)ホスフェート(例えば、共栄社化学製の「ライトエステルP−2M」、「ライトアクリレートP−2A」等)、エチレンオキサイド変性リン酸ジアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を2個以上有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物;
トリアクリロイルオキシエチルホスフェート(例えば、大阪有機化学工業社製のビスコート#3PA)等のエチレン性不飽和基を3個以上有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物等が挙げられる。
これらリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、これら光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.1のヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体(y)342g(0.46モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物(x)658g(1.91モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)(重量平均分子量(Mw)3,600;エチレン性不飽和基含有量1.91mmol/g)を得た。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.9のヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体(y)353g(0.37モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン2モル付加物(x)647g(1.88モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−2)(重量平均分子量(Mw)4,000;エチレン性不飽和基含有量1.88mmol/g)を得た。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が4.2のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型多量体(y)330.6g(0.40モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン1モル付加物(x)669.4g(1.95モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−3)(重量平均分子量(Mw)4,930;エチレン性不飽和基含有量1.95mmol/g)を得た。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、平均イソシアネート基数が3.4のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型多量体(y)400.6g(0.65モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン1モル付加物(x)599.4g(2.60モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で6時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−4)(重量平均分子量(Mw)2,920;エチレン性不飽和基含有量2.60mmol/g)を得た。
<ポリシロキサン構造含有化合物(B−1)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(q2)69.1g(イソシアネート基含有量21.0%)、一般式(3)で示されるポリシロキサン系化合物(q1)(R1=−C2H4OC3H6−、R2=メチル基、R3=−C3H6OC2H4−、b=1、c=1、重量平均分子量6000)172.6g、メチルイソブチルケトン500g、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル1.0g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.1gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネートが4.0%になったところでジペンタエリスリトールペンタアクリレート(q3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕258.3g仕込み、そのまま反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−1)溶液を得た(固形分濃度50%)。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネートの3量体(q2)115.7g(イソシアネート基含有量17.2%)、一般式(3)で示されるポリシロキサン系化合物(q1)(R1=−C2H4OC3H6−、R2=メチル基、R3=−C3H6OC2H4−、b=1、c=1、重量平均分子量6000)236.7g、メチルイソブチルケトン500g、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.5g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.05gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネートが3.8%になったところでペンタエリスリトールトリアクリレート〔ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(q3)(水酸基価120mgKOH/g)〕147.6g仕込み、そのまま反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−2)溶液を得た(固形分濃度50%)。
<リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C−1)>
ビス(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(共栄社化学社製:商品名「ライトエステルP−2M」)
上記のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及び上記のポリシロキサン構造含有化合物(B)を表1に示す配合組成とし、光重合開始剤(イルガキュア184、「ビー・エー・エス・エフ社製」)4部、メチルイソブチルケトンを固形分濃度40%となるように配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、下記の通り復元性、耐ブロッキング性、透明性(ヘイズ)を評価した。その評価結果を表1に示した。
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて硬化塗膜が40μm厚となるように黒色ポリカーボネート基材(日本テストパネル株式会社製、2×70×150mm)に塗工し、90℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜を用い、23℃、50%Rhの条件下で、真鍮製2桁ブラシを用い、5往復して塗膜に傷を付け、傷が目視にて確認できなくなる時間を測定し、下記評価基準で評価した。その結果を下記表1に示した。
◎:1分以内で傷が確認できなくなった
○:1分を超え5分以内で傷が確認できなくなった
△:5分を超え10分以内で傷が確認できなくなった
×:10分を超えても傷が確認できた
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて硬化塗膜が40μm厚となるように黒色ポリカーボネート基材(日本テストパネル株式会社製、2×70×150mm)に塗工し、90℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜を用い、23℃、50%Rh条件下にて、硬化塗膜の表面側に、PETフィルムを乗せ、2kg荷重のローラーで1往復し貼り合わせたのち、5分間後にPETフィルムを剥がすことで硬化塗膜表面の粘着性を測定し、下記評価基準で評価した。その結果を下記表1に示した。
◎:PETフィルムが全く密着しない
○:PETフィルムがわずかに密着するが、剥がした跡が残らない
△:PETフィルムが密着するが、剥がした跡が残らない
×:PETフィルムが密着し、剥がした跡が残る
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて硬化塗膜が40μm厚となるように125μm易接着PETフィルム(東洋紡A4300)に塗工し、90℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。
上記で得られた硬化塗膜に対して、ヘイズメータ(日本電色工業株式会社製「NDH
2000」)を用いて、PETフィルムと硬化塗膜を合わせたヘイズ値を測定した。なお、PETフィルム自身のヘイズ値は0.52であった。
評価基準は以下の通りである。
○:ヘイズ値が1.0未満
△:ヘイズ値が1.0以上、3.0未満
×:ヘイズ値が3.0以上
上記のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、上記のポリシロキサン構造含有化合物(B)及びリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を表1に示す配合組成とし、光重合開始剤(イルガキュア184、「ビー・エー・エス・エフ社製」)4部、メチルイソブチルケトンを固形分濃度40%となるように配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、上記の通り復元性、耐ブロッキング性、透明性(ヘイズ)を評価し、更に、下記の通り金属基材密着性を評価した。その評価結果を表2に示した。
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、バーコーターにて硬化塗膜が10μm厚となるように、アルミニウム基材(日本テストパネル株式会社社製;「A1050P」;1.0×70×150mm)に塗工し、90℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜について、JIS K 5400(1990年版)に準じて碁盤目テープ法により金属基材密着性を評価した。
○:碁盤目テープ試験後も80%以上の塗膜が基材に残存している(80/100以上)
△:碁盤目テープ試験後も50%以上、80%未満の塗膜が基材に存在している(50/100以上、80/100未満)
×:碁盤目テープ試験後に50%未満の塗膜が基材に残存している(50/100未満)
Claims (15)
- ε−カプロラクトン由来の構造部位を含む水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)、および多価イソシアネート系化合物(y)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびポリシロキサン構造含有化合物(B)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多価イソシアネート系化合物(y)の平均イソシアネート基数が3.2以上であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x)が、エチレン性不飽和基を1つ含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多価イソシアネート系化合物(y)が、非環式脂肪族系イソシアネートであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多価イソシアネート系化合物(y)の数平均分子量が500〜5,000であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)のエチレン性不飽和基含有量が、0.1〜10mmol/gであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ポリシロキサン構造含有化合物(B)が、エチレン性不飽和基を少なくとも1個以上含有してなることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ポリシロキサン構造含有化合物(B)が、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ポリシロキサン構造含有化合物(B)全体に対するケイ素原子含有量が、0.1〜80重量%であることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ポリシロキサン構造含有化合物(B)の含有量が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して、0.01〜100重量部であることを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を含有してなることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)の含有量が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項12記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜13いずれか記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
- 最表面用コーティング剤として用いることを特徴とする請求項14記載のコーティング剤。
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