JP2016088902A - 徐放担体 - Google Patents

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雄一郎 竹山
Yuichiro Takeyama
雄一郎 竹山
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Abstract

【課題】本発明は、表皮への浸透性が高く、かつ表皮基底層近傍で持続的に有効成分の効果を発揮させることができる徐放担体を提供することを課題とする。【解決手段】オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体。【選択図】なし

Description

本発明は、オレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に関する。
皮膚は外見的に経年変化し、人に与える印象を大きく変える。そのため、「美しい素肌」を求めて、様々な研究が盛んに行われている。例えば、効果や安全性のより高い、新規な美白成分やしわ改善成分などの有効成分の探求や、植物などからエキスを抽出し新たな作用を見出すアプローチがなされている。近年では、しみやシワ生成のメカニズムそのものに着目し、抑制するアプローチもなされている。例えば、色素沈着に対しては、チロシナーゼ誘導抑制剤やメラニン合成抑制剤が提案されている(特許文献1)。
特開2014−97945号公報
表皮基底層は、ケラチノサイト(表皮細胞)の親となる細胞や、美白に重要なメラニンを生成するメラノサイトが存在する。すなわち、表皮基底層は、健やかな肌を保つ上で、非常に重要な部位であると考えられる。
最近の研究で、表皮基底層のケラチノサイトが、メラニン生成に関与していることがわかってきた。メラニンキャップの形成など、表皮基底層近傍で起こる現象に効果的に作用するためには、表皮基底層近傍で有効成分を持続的に作用させることが求められる。
本発明者は、有効成分を表皮基底層近傍まで浸透するように表皮への浸透性を高めようとすると、その高い拡散性により、表皮基底層近傍も素早く通過してしまうという問題を見出した。
本発明は、上記の点を鑑み、表皮への浸透性が高く、かつ表皮基底層近傍で持続的に有効成分の効果を発揮させることができる徐放担体を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意研究を行い、特定の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、及び液晶が、肌表皮への浸透性が高いのみならず、表皮基底層のケラチノサイトに貯留するという知見を得た。そして、当該知見を元に、特定の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、及び液晶の徐放担体としての用途を見出した。また、該徐放担体に有効成分を担持した徐放担体複合体とすることで、表皮内で持続的に有効成分の効果を発揮できる外用剤を提供できることに想到した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体。
[2] 前記オレイン酸ポリグリセリル及び/又は前記炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルのHLB値が9以上18以下である、[1]記載の徐放担体。
[3] 前記オレイン酸ポリグリセリルがモノオレイン酸デカグリセリルである、[1]又は[2]記載の徐放担体。
[4] 前記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸がオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びラウリン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]又は[2]記載の徐放担体。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の徐放担体に、有効成分が担持された徐放担体複合体。
[6] 前記有効成分がビワ葉エキスである、[5]記載の徐放担体複合体。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の徐放担体又は徐放担体複合体を1種又は2種以上含有してなる組成物。
[8] 皮膚外用剤である、[7]記載の組成物。
[9] 化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、[7]又は[8]記載の組成物。[10] オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
前記製剤を皮膚に適用することで、前記徐放担体を表皮基底層に貯留させる方法。
[11] オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
前記製剤を皮膚に適用することで、表皮内で前記有効成分の効果を持続的に発揮させる方法。
本発明により、表皮への浸透性が高く、かつ表皮基底層のケラチノサイトに貯留する徐放担体が提供される。該徐放担体はミセル内核に有効成分を内包することができ、表皮基底層のケラチノサイトから該有効成分を徐放することができるため、表皮中で持続的に有効成分の効果を発揮させることができる。
ヒト3次元培養表皮モデルに本発明の徐放担体を含有するサンプルA塗布後24時間後の断面の位相差顕微鏡像を示す図である。 ヒト3次元培養表皮モデルに本発明の徐放担体を含有するサンプルA塗布後24時間後の断面の蛍光顕微鏡像を示す図である。 分化ケラチノサイトに本発明の徐放担体を含有しないサンプルBを塗布した2時間後の蛍光顕微鏡像を示す図である。 分化ケラチノサイトに本発明の徐放担体を含有するサンプルAを塗布した2時間後の蛍光顕微鏡像を示す図である。 比較例1の蛍光顕微鏡像を示す図である。 実施例1の蛍光顕微鏡像を示す図である。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は本明細書に明示的又は黙示的に記載された実施形態に限定されるものではない。
本発明の徐放担体は、オレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる。
界面活性剤は通常、洗浄能、乳化能、可溶化能を発揮するために用いられる。本発明者は、特定の界面活性剤を用いて調製されるミセル、ベシクル、及び液晶が、単に表皮中を浸透するのみならず、かつ表皮基底層のケラチノサイトに貯留することを見出した。そして、該ミセル、ベシクル、及び液晶の表皮基底層ケラチノサイトへの貯留性質に基づき、
従来は知られていなかった、徐放担体として使用することに想到した。さらに、該ミセル、ベシクル、又は液晶の内核に有効成分を担持した徐放担体複合体とすることで、表皮中、特に、ケラチノサイト近傍で有効成分の効果を持続的に発揮できることに想到した。
本発明の徐放担体であるミセル、ベシクル、及び液晶がケラチノサイトに貯留するメカニズムは明らかではないが、本発明の徐放担体は親水基が外周となる構成をとるノニオン性界面活性剤であるため、表皮への高い浸透性を有し、かつ表皮基底層ケラチノサイトに吸着し、貯留するため、表皮基底層近傍で有効成分を継続的かつ効率的に効果を発揮できると推察される。
以下、本発明の徐放担体を構成する界面活性剤の1種であるオレイン酸ポリグリセリルについて説明する。
本発明のオレイン酸ポリグリセリルは、グリセリン平均重合度3以上15以下のポリグリセリンと炭素数18の脂肪酸であるオレイン酸とのエステル化合物である。上記構成とすることで、ポリグリセリンを親水基とし、脂肪酸残基を親油基とする、親水性のノニオン性界面活性剤となり、表皮ケラチノサイトは浸透するが、表皮基底層ケラチノサイトに貯留するミセル、ベシクル、又は液晶とすることができる。
本実施形態において、オレイン酸ポリグリセリルのポリグリセリンに対する脂肪酸の付加モル数は、オレイン酸ポリグリセリルがノニオン性界面活性剤として機能する範囲であればよく、脂肪酸の付加モル数が1付近であることが望ましい。すなわち、好ましくはポリグリセリン1モルに対して0.6〜2.0モルであり、さらに好ましくは0.8〜1.5モルである。この範囲の付加モル数とすることで、ミセルとしたときに十分な親水性が得られる。
オレイン酸ポリグリセリルは原料のポリグリセリンの重合度、エステル化率を選択する事によりHLB値を変えることができる。
HLB値は通常、9以上、18以下であるが、剤形により異なる。例えば、剤形をローションとする場合、水溶性の観点から、通常9以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、通常18以下、好ましくは15以下、より好ましくは13以下である。
なお、本実施形態において、HLB値は、Griffin計算式により求めた値である。
本実施形態のオレイン酸ポリグリセリルは、グリセリンと脂肪酸のエステル化、グリセリンと脂肪酸エステルのエステル交換など、常法により製造することができる。
本実施形態のオレイン酸ポリグリセリルを構成するポリグリセリンは、グリセリン平均重合度3以上15以下のポリグリセリンである。グリセリン平均重合度は3以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは7以上であり、15以下であり、好ましく13以下であり、より好ましくは10以下である。また、本発明の効果を損なわない範囲で、平均重合度3未満や15より大きいポリグリセリンを含んでいてもかまわない。
グリセリン平均重合度3以上のポリグリセリンは公知の方法により合成することができ、例えば、グリセリンに水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒を入れて200℃以上に加熱する脱水縮合反応が挙げられる。なお、ポリグリセリンの平均重合度は、末端基分析法により得られる水酸基価から算出される。
また、本実施形態には市販されているポリグリセリンを用いることもできる。市販されているポリグリセリンとしては、例えば、製品名ポリグリセリン#310(阪本薬品工業株式会社製)が挙げられる。
本実施形態のオレイン酸ポリグリセリルを構成するオレイン酸は、炭素数18の一価の不飽和脂肪酸である。本実施形態には市販されているオレイン酸を用いることもできる。市販されているオレイン酸としては、例えば、製品名EXTRA OLEIN 99(日油株式会社製)が挙げられる。
上記の原料を用いて得られるオレイン酸ポリグリセリルとしては、具体的には以下のものが挙げられる。すなわち、モノオレイン酸ペンタグリセリル(オレイン酸ポリグリセリル−5)(HLB値13.0)、モノオレイン酸デカグリセリル(オレイン酸ポリグリセリル−10)(HLB値12.0)などである。なかでも、モノオレイン酸デカグリセリルは4-n−ブチルレゾルシノールや油溶性甘草エキス、ビワ葉エキスなどのメラニン生
成抑制剤と組み合わせることで、表皮基底層ケラチノサイト近傍でメラニン生成を抑制し、好ましい。
モノオレイン酸デカグリセリルの純度としては、特に限定されないが、製造の性質上、平均重合度10のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの他に、若干のジエステルやトリエステルを含んでいてもよい。
このようなオレイン酸ポリグリセリルは市販されているものがあり、例えば、商品名SYグリスターML500(阪本薬品工業株式会社製)、NIKKOL Decaglyn
1−OV、NIKKOL Decaglyn 1−M(日光ケミカルズ株式会社製)、サンソフトA171E(太陽化学株式会社製)が好適に使用できる。
次に、本発明の徐放担体を構成する界面活性剤の1種である脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルについて説明する。ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖の持つ水酸基に脂肪酸をエステル結合させたものである。ショ糖が親水基、脂肪酸が新油基のノニオン性界面活性剤であり、表皮ケラチノサイトは浸透し、表皮基底層ケラチノサイトに貯留するミセル、ベシクル、及び液晶とすることができる。
本実施形態のショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と脂肪酸エステルのエステル交換など、常法により製造することができる。
ショ糖脂肪酸エステルは原料の脂肪酸、エステル化率を選択する事によりHLB値を変えることができる。
HLB値は通常、9以上、18以下であるが、剤形により異なる。例えば、剤形をローションとする場合、水溶性の観点から、通常9以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、通常18以下、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。
なお、本実施形態において、HLB値は、Griffin計算式により求めた値である。
本実施形態のショ糖脂肪酸エステルを構成するショ糖は、C122211で表される、グルコースとフルクトースがグリコシド結合した二糖類である。
本実施形態のショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、炭素数10以上20以下の脂肪酸である。炭素数は10以上であり、好ましくは12以上であり、通常20以下であり、好ましくは18以下である。
本実施形態において用いる脂肪酸は、炭素数10以上20以下であれば、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、また直鎖状脂肪酸であっても分岐鎖状脂肪酸であってもよい。このような脂肪酸としては、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸が挙げられる。中でも、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸が好ましい。
上記の原料から得られるショ糖脂肪酸エステルとしては、具体的には以下のものが挙げられる。ショ糖モノラウリン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノイソステアリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステルなどである。なかでも、基底層ケラチノサイトに対する吸着のしやすさの観点から、モノエステルが好ましく、ショ糖モノイソステアリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステルがより好ましい。
このようなショ糖脂肪酸エステルは市販されているものがあり、例えば、商品名リョートーシュガーエステルO−1570(三菱化学フーズ株式会社製)、リョートーシュガーエステルS−1570(三菱化学フーズ株式会社製)が好適に使用できる。
また、本発明の徐放担体は、オレイン酸ポリグリセリル及び/又は脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステル以外の界面活性剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいてもよいが、徐放担体を構成する界面活性剤の全質量のうち、オレイン酸ポリグリセリル及び/又は脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルが50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の徐放担体となるミセルとしては、表皮基底層ケラチノサイトへの貯留性の観点から、オレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルのいずれか1種のみから構成されることが最も好ましい。
本発明の徐放担体となるベシクルとしては、その表面層(外殻)はオレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルのいずれか1種のみから構成されることが最も好ましい。
本発明の徐放担体となる液晶としては、その表面層はオレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルのいずれか1種のみから構成されることが最も好ましい。
本発明において、オレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセルは、公知の方法で調製することができる。例えば、オレイン酸ポリグリセリル及び/又は脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルを水に分散させ、加温して溶解し、その後、静置することで製造することができる。
ベシクルは、界面活性剤の1種もしくは2種以上を組み合わせることで得られる。本発明において、オレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むベシクルは、構成する界面活性剤として、オレイン酸ポリグリセリル及び/又は脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルを含み、公知の方法で調製することができる。例えば、界面活性剤を有機溶剤で溶解し、該溶液から溶剤を除去し、界面活性剤の薄膜とした後、水を加え静置することで製造することができる。
液晶は、水、油、界面活性剤3成分系において組成を調製することにより得られる。本発明において、オレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含む液晶は、構成する界面活性剤として、オレイン酸ポリグリセリル及び/又は脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルを含む。液晶構造としては、ヘキサゴナル、ラメラ、逆ヘキサゴナルなどが挙げられる。液晶は公知の方法で調製することができる。例えば、界面活性剤と油を混合した後、水を徐々に加えながら撹拌することにより調製することができる。
また、本発明の徐放担体は、有効成分を担持し徐放担体複合体とすることができる。ここで、担持とは、ミセルの場合、ミセル内核に内包すること、ベシクルの場合、ベシクル内核に内包すること、液晶の場合、液晶構造の層間に含むことをいう。なお、本明細書においては、液晶構造の層間に含むことを液晶に内包するという。本実施形態のミセル、ベシクル、又は液晶を構成する脂肪酸残基は親油性であるため、親水基を外周側とすることで、水溶性の低い(油溶性の)有効成分をミセル内核又は液晶の層間に、水溶性の高い有効成分をベシクル内核に又は液晶の層間に担持することができる。このような有効成分としては、美白成分、シワ改善成分、細胞賦活成分、抗炎症成分、動植物由来の抽出物などが挙げられる。
本発明の徐放担体は表皮基底層ケラチノサイトに吸着するため、内包する水溶性及び/又は油溶性の有効成分を表皮基底層近傍に持続的に作用させることができる。このため、本実施形態の徐放担体複合体は、表皮基底層近傍で起こる現象に作用する有効成分を内包することで、表皮基底層近傍でのメカニズムがキーとなるような、ターンオーバーの正常化、色素沈着等に非常に有効である。
例えば、色素沈着は、紫外線照射や女性ホルモンなどの刺激により、表皮基底層に存在するメラノサイトでメラニンが産生される。メラニンを包んだメラノソームが、ケラチノサイト(表皮細胞)へと供与され、メラノソームはメラニンキャップと呼ばれる構造を作る。メラニンキャップは、通常、ケラチノサイトの分化に伴いバラバラになり、肌の表面から剥がれ落ちる。しかしながら、紫外線や加齢、睡眠不足、栄養不足などにより新陳代謝は鈍り、メラニンの代謝も崩れ、メラニンが過剰に表皮内に蓄積される。この色素沈着のように、表皮基底層近傍でのメカニズムがキーとなる場合、有効成分を表皮基底層近傍で持続的に作用させることが非常に効果的である。
美白成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、アスコルビン酸グルコシド、3−O−エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、1−トリフェニルメチルピペリジン、1−トリフェニルメチルピロリジン、2−(トリフェニルメチルオキシ)エタノール、2−(トリフェニルメチルアミノ)エタノール、2−(トリフェニルメチルオキシ)エチルアミン、トリフェニルメチルアミン、トリフェニルメタノール、トリフェニルメタン及びアミノジフェニルメタン、N−(p−トルイル)システイン酸、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸等が挙げられる。更にその他の美白成分として、N−ベンゾイル−セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリン、N−(p−エチルベンゾイル)セリン、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(2−ナフトイル)セリン、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(p−メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン等があげられる。中でも、4−n−ブチルレゾルシノールは色素沈着予防効果が高く好ましい。
これらの美白成分は、既に市販されているものもあれば、合成により入手することもできる。例えば、3−O−エチルアスコルビン酸は、特開平8−134055号公報に記載の公知の方法で合成することが出来る。市販品(日本精化製「VCエチル」)もあるので、これらを入手して使用することが可能である。1−トリフェニルメチルピペリジン、1−トリフェニルメチルピロリジン、2−(トリフェニルメチルオキシ)エタノール、2−(トリフェニルメチルアミノ)エタノール、2−(トリフェニルメチルオキシ)エチルアミン、トリフェニルメチルアミン、トリフェニルメタノール、トリフェニルメタン、アミノジフェニルメタンは特許文献WO2010/074052号パンフレットに、N−(o−トルオイル)システイン酸、N−(m−トルオイル)システイン酸、N−(p−トルオ
イル)システイン酸、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(p−トルオイル)ホモシステイン酸、はWO2011/087006号パンフレットに、N−ベンゾイル−セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリン、N−(p−エチルベンゾイル)セリン、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(2−ナフトイル)セリン、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(p−メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン等はWO2011/074643号パンフレットに、それぞれその合成方法が公開されているので、該開示に従い合成することができる。
組成物における美白成分の含有量は、通常0.01〜10質量%であり、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜2質量%がより好ましい。
シワ改善成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、ビタミンA又はその誘導体であるレチノール、レチナール、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールや、ウルソ−ル酸ベンジルエステル、ウルソール酸リン酸エステル、ベツリン酸ベンジルエステル、ベンジル酸リン酸エステルが挙げられる。組成物におけるシワ改善成分の含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
動植物由来の抽出物としては、一般的に医薬品、化粧料等に用いられているものであれば特に限定はない。動植物由来の抽出物は、動物又は植物由来の抽出物自体のみならず、抽出物の画分、精製した画分、抽出物乃至は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味するものとし、植物由来の抽出物は、自生若しくは生育された植物、漢方生薬原料等として販売されるものを用いた抽出物、市販されている抽出物等が挙げられる。例えば、アケビエキス、アスナロエキス、アスパラガスエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アロニアエキス、アンズエキス、イチョウエキス、インドキノエキス、ウイキョウエキス、ウドエキス、エイジツエキス、エゾウコギエキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オレンジエキス、カキョクエキス、カッコンエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、黒米エキス、クロレラエキス、クワエキス、ケイケットウエキス、ゲットウヨウエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コケモモエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハマメリスエキス
、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、ビワ葉エキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。中でも、ビワ葉エキスが特に好ましい。上記のエキスは1種を含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。化粧料中における動植物由来抽出物の含有量は、通常0.001質量%以上であり、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また、通常10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
抗炎症成分としては、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、パントテニルアルコール等が挙げられ、好ましくは、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸アルキル及びその塩、並びに、グリチルレチン酸及びその塩である。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.001質量%以上であり、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、通常10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
本実施形態の徐放担体は、組成物に含有させることができる。組成物としては、化粧料、医薬品等が好適に例示できる。なお、本発明においては、化粧料とは医薬部外品を含む。日常的に使用できることから、化粧料(但し、医薬部外品を含む)がより好ましい。
本実施形態の組成物中における、徐放担体の含有量(配合量)は、ミセル、ベシクル、又は液晶を構成する界面活性剤の質量で換算した場合、表皮基底層のケラチノサイトへの貯留性の観点から、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.02質量%以上、組成物の処方の自由度の観点から、5質量%以下が好ましく、1質量%以下が好ましい。
組成物の製造に際しては、化粧料、医薬部外品、医薬品等の製剤化で通常使用される成分を、それぞれの用途に応じて、適宜含有させることができる。
化粧料に適用される場合、通常化粧料に使用される成分を広く配合することが可能であり、また、その剤型は、通常知られているローション、乳液、エッセンス、クリーム、ゲル、ムースなどの何れをも取ることが出来るが、表皮への浸透性の観点から、粘性の低いローション剤形が好ましい。さらに、これらの化粧料の形態としては、水性、油性、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/WやO/W/Oなど、種々の形態を取ることが出来る。また、用途についても限定されない。
以下、化粧料に適用される場合、化粧料中に含有させることができる成分について説明する。例えば、炭化水素類、エステル類、トリグリセライド類、脂肪酸、高級アルコール等の通常の油性成分、アニオン界面活性剤類、両性界面活性剤類、カチオン界面活性剤類等の界面活性剤(本発明の徐放担体を構成するノニオン性界面活性剤を除く)、多価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を任意に配合することができる。また、徐放担体に担持させる有効成分と重畳的に、美白成分、シワ改善成分、抗炎症成分、動植物由来の抽出物等の有効成分を含有させることもできる。
本実施形態の化粧料は、オレイン酸ポリグリセリル及び/又はショ糖脂肪酸エステル以外から構成される、ミセル、ベシクル、及び液晶からなる群より選択される徐放担体、又は本発明の徐放担体が有効成分を担持する徐放担体複合体を含有することが好ましい。
本発明の組成物においては、本発明の徐放担体を2種以上含有することにより、単一の製剤で、それぞれに担持する2種以上の有効成分が表皮基底層近傍で持続的に作用することができる。本実施態様の組成物においては、本発明の徐放担体複合体として、異なる有効成分をそれぞれ担持させたミセルとベシクルを含有することで、水溶性及び油溶性それぞれの有効成分について、基底層近傍で効果を持続的に発揮することができ、さらに、2種の有効成分の相乗効果の発揮が期待でき、より好ましい。
また、本実施形態の組成物は、本発明の徐放担体に加え、オレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステル以外から構成されるミセル、ベシクル、又は液晶を含有してもよい。これにより、本発明の徐放担体に担持する有効成分が表皮基底層近傍で持続的に作用し、他の有効成分が表皮中で作用することも、表皮基底層を通過し真皮で作用することもでき、単一の製剤で複数の効果の発揮が期待できる。このような組合せとしては、オレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセルとオレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステル以外から構成されるベシクルの組み合わせが、水溶性が低い有効成分は表皮基底層近傍付近で作用し、かつ水溶性が高い有効成分は表皮又は真皮中でそれぞれ作用する点から、好ましい。また、オレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むベシクルとオレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステル以外から構成されるミセルの組み合わせが、水溶性が高い有効成分は表皮基底層近傍付近で作用し、かつ水溶性が低い有効成分は表皮又は真皮中で、それぞれ作用する点から、好ましい。
オレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステル以外から構成されるミセルは、他の界面活性剤を用いて調製することができる。このような界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリグリセリルなどが挙げられる。
オレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステル以外から構成されるベシクルは、他の界面活性剤の1種もしくは2種以上を組み合わせることで得られる。具体的には、リン脂質などが挙げられる。リン脂質としては、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質などが挙げられる。
グリセロリン脂質は、グリセロリン酸骨格を有する物質で、親油基として脂肪酸エステル、長鎖アルキルエーテル、ビニルエーテルなどを有している。具体的には、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジイルイノシトール、ホスファチジルイノシトールポリリン酸、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸などが挙げられる。
スフィンゴリン脂質は、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンなどの長鎖塩基又は長鎖脂肪酸と、リン酸又はホスホン酸を有しており、セラミド1−リン酸誘導体(スフィンゴミエリンなど)、セラミド1−ホスホン酸誘導体(セラミドアミノエチルホスホン酸など)が挙げられる。本実施態様において用いるリン脂質は、動植物から抽出、精製した天然物であっても、化学合成したものであってもよく、水素添加、水酸化処理などの加工を施してもよい。天然物としては、大豆又は卵黄等からの抽出・精製物であるレシチンが、市販品の入手が容易であり、好ましく、具体的には、水添大豆リン脂質等が挙げられる。
オレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステル以外から構成される液晶は、他の界面活性剤を用いて、公知の方法で調製すればよい。液晶を構成する界面活性剤としては、上述した、ベシクルを構成できる界面活性剤を用いることができる。
本実施形態においては、ミセル、ベシクル、又は液晶そのものが有効成分であってもよいし、ベシクル内核に有効成分を含むこともできる。このような有効成分としては、上述した、ミセル、ベシクル、又は液晶に担持できる有効成分と同様である。
本実施形態の組成物において、徐放担体複合体を構成する界面活性剤としてオレイン酸デカグリセリル、ベシクルを構成する界面活性剤として水添大豆リン脂質の組み合わせが好ましい。徐放担体複合体と該徐放担体複合体を構成する界面活性剤以外の界面活性剤から構成されるミセル、ベシクル、及び液晶の含有量の比は、組成物中の徐放担体複合体の質量%と組成物中の該徐放担体複合体を構成する界面活性剤以外の界面活性剤から構成されるミセル、ベシクル、及び液晶の質量%の比が50:1〜1:20が好ましく、15:1〜1:5がより好ましい。この範囲とすることで、徐放担体複合体に内包される有効成分と、ベシクルの有効成分の効果を相乗的に発揮することができる。
油性成分としては、極性油、炭化水素油等が挙げられる。
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンを挙げることができる。
また、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチルメトキシシンナメート等も挙げられる。
また、天然油として、アボカド油、アマニ油、エノ油、オリーブ油、カヤ油、牛脂、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、スクワラン、大豆油、茶実油、ツバキ油、シナギリ油、タートル油、ナタネ油、トウモロコシ油、胚芽油、パーシック油、ヒマシ油、ホホバ油、日本キリ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、椰子油、落花生油、卵黄油、カルナウバワックス、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、直鎖状又は分岐状の炭化水素油が挙げられ、揮発性の炭
化水素油であっても不揮発性の炭化水素油であってもよい。炭化水素油の具体例としては、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、水添ポリイソブテン、イソドデカン、ステアリン酸、軽質流動イソパラフィン、イソヘキサデカン、流動パラフィン、プリスタン、α−オレフィンオリゴマー、オゾケライト、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
本実施形態の組成物に含有させる油性成分の量は、その適用する剤形により、適宜、調整すればよい。
本実施形態の組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、徐放担体であるミセルを構成するオレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステル以外の界面活性剤を含むことができる。
界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン
脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等) 、POEアルキルエーテル類(POE2−
オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)等のノニオン界面活性剤類、等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサ
ン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
粉体類としては、表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類
等が挙げられる。
本実施形態の組成物の調製方法は、オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分が担持されれば、特に限定されない。
各成分を常温で混合し、溶解させて組成物を調製してもよいし、加温下、撹拌して溶解させて組成物を調製してもよい
HLB値が比較的低いノニオン性界面活性剤を含む場合は、加温下、撹拌して溶解することが好ましい。HLB値が高いノニオン性界面活性剤を含む場合は、常温で溶解することもできる。
加温条件としては、例えば湯浴を用い、80℃で10分加温し、その後、放冷する方法が挙げられる。
本発明の別の実施形態としては、「オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、前記製剤を皮膚に適用することで、前記担体を表皮基底層に貯留させる方法」、「オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、前記製剤を皮膚に適用することで、表皮内で前記有効成分の効果を持続的に発揮させる方法」が挙げられる。
前記担体を表皮基底層に貯留させる方法として、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、前記製剤を皮膚に適用する場合には、界面活性剤としてオレイン酸ポリグリセリル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を水に分散させ、前記界面活性剤により形成されたミセル、ベシクル、又は液晶を含む界面活性剤分散液を調製し、前記界面活性剤分散液と有効成分とを混合することで、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程により製造された製剤を皮膚に適用すればよい。
また、表皮内で前記有効成分の効果を持続的に発揮させる方法として、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、前記製剤を皮膚に適用する場合には、界面活性剤としてオレイン酸ポリグリセリル及びはショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を水に分散させ、前記界面活性剤により形成されたミセル、ベシクル、又は液晶を含む界面活性剤分散液を調製し、前記界面活性剤分散液と有効成分とを混合することで、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程により製造された製剤を皮膚に適用すればよい。
製剤化は、剤型に応じて、常法に従って実施すればよい。ローションの製造方法としては、例えば、任意成分を含有する水相中に、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた組成物を混合することにより調製することができる。エマルションの製造方法としては、例えば、任意成分を含有する油相中に、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた組成物を混合し、通常の乳化工程を経ることにより、調製することができる。
化粧料(但し、医薬部外品を含む)は、皮膚に種々の方法にて塗布或いは散布し、皮膚に付着させて用いることができる。本実施形態において、前記製剤を皮膚に適用するには、皮膚に直接塗布又は噴霧してもよいし、あるいは、予め布、不織布、紙等に含浸させた後にこれを用いて皮膚に塗布してもよい。直接塗布する場合には、適量を手又は指でとり、使用部位に塗り広げて使用することができる。
本実施形態の方法により、表皮基底層近傍でのメカニズムがキーとなるような、ターンオーバーの正常化、色素沈着等に有効な成分を効果的に作用させ、健康で美しい素肌を実現することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<ミセルの調製>
下記の手順に従い、有効成分のモデルとして蛍光マーカを内包したミセルを含むサンプルAと、蛍光マーカをミセルに内包せずに含むサンプルBを調製した。
サンプルAは、界面活性剤としてモノオレイン酸デカグリセリル(NIKKOL Decaglyn 1−OV 日光ケミカルズ株式会社製、HLB値=12)を用い、蛍光マーカとしてナイルレッド(和光純薬株式会社)を添加、均一混合した後に、水を加えて分散、静置することで調製した。
サンプルBは、蛍光マーカとしてナイルレッド(和光純薬株式会社)に水を加えて分散、静置することで調製した。
<表皮への浸透性の評価−1>
ヒト3次元培養表皮モデルとしてLabcyte EPI-MODEL24(株式会社
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング製)に対し、サンプルAを塗布し、24時間後にヒト3次元培養表皮モデル表面に残存したサンプルを洗浄した後、凍結包埋した。クライオスタットにて調製した断面を、共焦点レーザー走査顕微鏡「LSM510」(Carlzeiss製)を用いて、位相差顕微鏡像及び蛍光顕微鏡像(励起波長561nm、575nmにおける蛍光強度を測定)を観察した。
その結果、図1の位相差顕微鏡像で示される表皮断面において、図2の蛍光顕微鏡像に示されるとおり、表皮断面全体から蛍光が観察された。
<表皮への浸透性の評価−2>
表皮全体のケラチノサイトのモデルとして、分化ケラチノサイト(ヒト表皮ケラチノサ
イト 倉敷紡績株式会社「新生児表皮ケラチノサイト」にカルシウムイオンを加えて24時間培養したもの)を用い、サンプルAとサンプルBをそれぞれ塗布し、2時間後に分化ケラチノサイトの表面を洗浄した後、共焦点レーザー走査顕微鏡「LSM510」(Carlzeiss製)にて蛍光顕微鏡像(励起波長561nm、575nmにおける蛍光強度を測定)を得た。
その結果、本発明のミセルを含有しないサンプルBは、図3に示したとおり、全面に渡り蛍光が観察された。一方、本発明のミセルを含有するサンプルAは、図4に示したとおり、蛍光がほとんど観察されなかった。
<表皮基底層ケラチノサイト貯留性評価−1>
表皮基底層ケラチノサイトモデルとして未分化ケラチノサイト(倉敷紡績株式会社「新生児表皮ケラチノサイト」)を用い、有効成分の代わりに蛍光マーカとしてナイルレッド(和光純薬株式会社)を内包したミセルを調製し、未分化ケラチノサイトへの吸着性を評価した。表1に実施例1乃至実施例7、表2に比較例1乃至比較例6の各組成を示す。表中、単位は質量%である。
まず、未分化ケラチノサイト(ヒト表皮ケラチノサイト)を、8wellチャンバースライドに播種し、インキュベーターにて37℃、5%CO2条件下で培養した。その後、
蛍光マーカであるナイルレッド 0.1mg/g EtOHと表1の実施例1乃至7、表2の比較例1乃至6夫々のエステルを混合し、培地(未分化ケラチノサイト:ヒト表皮ケラチノサイト)に添加した。
2時間後に未分化ケラチノサイトの表面を洗浄した後、共焦点レーザー走査顕微鏡「LSM510」(Carlzeiss製)にて、夫々の蛍光顕微鏡像(励起波長561nm、575nmにおける蛍光強度を測定)を得た。
蛍光マーカの吸着量は、得られた画像をもとに、画像処理ソフトにて、各ピクセルの蛍光強度を算出し、全ピクセルを積算することにより、定量的に評価した。
具体的には、得られた画像から、ランダムに200ピクセル×200ピクセルのJPEG画像を切り出した。その画像に対して画像解析ソフト(ImageJ)にてヒストグラム解析を実施した。40000ピクセルを256諧調(0〜255)の各値に振り分けた。次に、各諧調と該当するピクセル数を掛け合わせてスコア化した。諧調2が100ピクセル存在した場合、スコアが200となる。最後に、各諧調のスコアを足し合わせて蛍光強度積算値とした。
結果を表1及び表2に示す。また、図5に比較例1の蛍光顕微鏡像を、図6に実施例1の蛍光顕微鏡像を示す。
<表皮基底層ケラチノサイト貯留性評価−2>
表皮への浸透性の評価−1において、サンプル塗布から24時間後に、表皮の下のレシーバーに透過した蛍光マーカ量を定量することで、表皮基底層ケラチノサイトへの貯留性を評価した。その結果、ミセルに内包していない蛍光マーカを含有するサンプルの場合、レシーバーの蛍光マーカは2μgであった。一方、ミセルに内包した蛍光マーカを含有するサンプルについては、レシーバーの蛍光マーカは検出限界未満であった。
これらの実験結果から、エステルが内核に蛍光マーカを担持したミセルを形成し、表皮中は素早く浸透し、かつ、未分化ケラチノサイトに貯留することがわかった。すなわち、表1に示されるエステルを含むミセルは表皮基底層近傍にとどまり、ミセル内核に担持されていた蛍光マーカが徐々に放出されていくことが推察され、表1に示すエステルは本発明の徐放担体として好適に使用できることが示された。
本発明により、表皮への浸透性が高く、表皮基底層のケラチノサイトに貯留する徐放担体が提供される。また、表皮中で持続的に有効成分の効果を発揮させることができる徐放担体複合体が提供されるため、産業上非常に有用である。

Claims (11)

  1. オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含む、ミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体。
  2. 前記オレイン酸ポリグリセリル及び/又は前記炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルのHLB値が9以上18以下である、請求項1記載の徐放担体。
  3. 前記オレイン酸ポリグリセリルがモノオレイン酸デカグリセリルである、請求項1又は2記載の徐放担体。
  4. 前記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸がオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びラウリン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の徐放担体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の徐放担体に、有効成分が担持された徐放担体複合体。
  6. 前記有効成分がビワ葉エキスである、請求項5記載の徐放担体複合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の徐放担体又は徐放担体複合体を1種又は2種以上含有してなる組成物。
  8. 皮膚外用剤である、請求項7記載の組成物。
  9. 化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、請求項7又は8記載の組成物。
  10. オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
    前記製剤を皮膚に適用することで、前記徐放担体を表皮基底層に貯留させる方法。
  11. オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
    前記製剤を皮膚に適用することで、表皮内で前記有効成分の効果を持続的に発揮させる方法。
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