JP2016088902A - 徐放担体 - Google Patents
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Abstract
Description
最近の研究で、表皮基底層のケラチノサイトが、メラニン生成に関与していることがわかってきた。メラニンキャップの形成など、表皮基底層近傍で起こる現象に効果的に作用するためには、表皮基底層近傍で有効成分を持続的に作用させることが求められる。
本発明者は、有効成分を表皮基底層近傍まで浸透するように表皮への浸透性を高めようとすると、その高い拡散性により、表皮基底層近傍も素早く通過してしまうという問題を見出した。
本発明は、上記の点を鑑み、表皮への浸透性が高く、かつ表皮基底層近傍で持続的に有効成分の効果を発揮させることができる徐放担体を提供することを課題とする。
[1] オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体。
[2] 前記オレイン酸ポリグリセリル及び/又は前記炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルのHLB値が9以上18以下である、[1]記載の徐放担体。
[3] 前記オレイン酸ポリグリセリルがモノオレイン酸デカグリセリルである、[1]又は[2]記載の徐放担体。
[4] 前記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸がオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びラウリン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]又は[2]記載の徐放担体。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の徐放担体に、有効成分が担持された徐放担体複合体。
[6] 前記有効成分がビワ葉エキスである、[5]記載の徐放担体複合体。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の徐放担体又は徐放担体複合体を1種又は2種以上含有してなる組成物。
[8] 皮膚外用剤である、[7]記載の組成物。
[9] 化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、[7]又は[8]記載の組成物。[10] オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
前記製剤を皮膚に適用することで、前記徐放担体を表皮基底層に貯留させる方法。
[11] オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
前記製剤を皮膚に適用することで、表皮内で前記有効成分の効果を持続的に発揮させる方法。
従来は知られていなかった、徐放担体として使用することに想到した。さらに、該ミセル、ベシクル、又は液晶の内核に有効成分を担持した徐放担体複合体とすることで、表皮中、特に、ケラチノサイト近傍で有効成分の効果を持続的に発揮できることに想到した。
本発明の徐放担体であるミセル、ベシクル、及び液晶がケラチノサイトに貯留するメカニズムは明らかではないが、本発明の徐放担体は親水基が外周となる構成をとるノニオン性界面活性剤であるため、表皮への高い浸透性を有し、かつ表皮基底層ケラチノサイトに吸着し、貯留するため、表皮基底層近傍で有効成分を継続的かつ効率的に効果を発揮できると推察される。
本発明のオレイン酸ポリグリセリルは、グリセリン平均重合度3以上15以下のポリグリセリンと炭素数18の脂肪酸であるオレイン酸とのエステル化合物である。上記構成とすることで、ポリグリセリンを親水基とし、脂肪酸残基を親油基とする、親水性のノニオン性界面活性剤となり、表皮ケラチノサイトは浸透するが、表皮基底層ケラチノサイトに貯留するミセル、ベシクル、又は液晶とすることができる。
HLB値は通常、9以上、18以下であるが、剤形により異なる。例えば、剤形をローションとする場合、水溶性の観点から、通常9以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、通常18以下、好ましくは15以下、より好ましくは13以下である。
なお、本実施形態において、HLB値は、Griffin計算式により求めた値である。
また、本実施形態には市販されているポリグリセリンを用いることもできる。市販されているポリグリセリンとしては、例えば、製品名ポリグリセリン#310(阪本薬品工業株式会社製)が挙げられる。
成抑制剤と組み合わせることで、表皮基底層ケラチノサイト近傍でメラニン生成を抑制し、好ましい。
モノオレイン酸デカグリセリルの純度としては、特に限定されないが、製造の性質上、平均重合度10のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの他に、若干のジエステルやトリエステルを含んでいてもよい。
1−OV、NIKKOL Decaglyn 1−M(日光ケミカルズ株式会社製)、サンソフトA171E(太陽化学株式会社製)が好適に使用できる。
本実施形態のショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と脂肪酸エステルのエステル交換など、常法により製造することができる。
HLB値は通常、9以上、18以下であるが、剤形により異なる。例えば、剤形をローションとする場合、水溶性の観点から、通常9以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、通常18以下、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。
なお、本実施形態において、HLB値は、Griffin計算式により求めた値である。
本実施形態のショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、炭素数10以上20以下の脂肪酸である。炭素数は10以上であり、好ましくは12以上であり、通常20以下であり、好ましくは18以下である。
本実施形態において用いる脂肪酸は、炭素数10以上20以下であれば、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、また直鎖状脂肪酸であっても分岐鎖状脂肪酸であってもよい。このような脂肪酸としては、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸が挙げられる。中でも、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸が好ましい。
このようなショ糖脂肪酸エステルは市販されているものがあり、例えば、商品名リョートーシュガーエステルO−1570(三菱化学フーズ株式会社製)、リョートーシュガーエステルS−1570(三菱化学フーズ株式会社製)が好適に使用できる。
本発明の徐放担体となるミセルとしては、表皮基底層ケラチノサイトへの貯留性の観点から、オレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルのいずれか1種のみから構成されることが最も好ましい。
本発明の徐放担体となるベシクルとしては、その表面層(外殻)はオレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルのいずれか1種のみから構成されることが最も好ましい。
本発明の徐放担体となる液晶としては、その表面層はオレイン酸ポリグリセリル及び脂肪酸の炭素数が10以上20以下であるショ糖脂肪酸エステルのいずれか1種のみから構成されることが最も好ましい。
本発明の徐放担体は表皮基底層ケラチノサイトに吸着するため、内包する水溶性及び/又は油溶性の有効成分を表皮基底層近傍に持続的に作用させることができる。このため、本実施形態の徐放担体複合体は、表皮基底層近傍で起こる現象に作用する有効成分を内包することで、表皮基底層近傍でのメカニズムがキーとなるような、ターンオーバーの正常化、色素沈着等に非常に有効である。
例えば、色素沈着は、紫外線照射や女性ホルモンなどの刺激により、表皮基底層に存在するメラノサイトでメラニンが産生される。メラニンを包んだメラノソームが、ケラチノサイト(表皮細胞)へと供与され、メラノソームはメラニンキャップと呼ばれる構造を作る。メラニンキャップは、通常、ケラチノサイトの分化に伴いバラバラになり、肌の表面から剥がれ落ちる。しかしながら、紫外線や加齢、睡眠不足、栄養不足などにより新陳代謝は鈍り、メラニンの代謝も崩れ、メラニンが過剰に表皮内に蓄積される。この色素沈着のように、表皮基底層近傍でのメカニズムがキーとなる場合、有効成分を表皮基底層近傍で持続的に作用させることが非常に効果的である。
これらの美白成分は、既に市販されているものもあれば、合成により入手することもできる。例えば、3−O−エチルアスコルビン酸は、特開平8−134055号公報に記載の公知の方法で合成することが出来る。市販品(日本精化製「VCエチル」)もあるので、これらを入手して使用することが可能である。1−トリフェニルメチルピペリジン、1−トリフェニルメチルピロリジン、2−(トリフェニルメチルオキシ)エタノール、2−(トリフェニルメチルアミノ)エタノール、2−(トリフェニルメチルオキシ)エチルアミン、トリフェニルメチルアミン、トリフェニルメタノール、トリフェニルメタン、アミノジフェニルメタンは特許文献WO2010/074052号パンフレットに、N−(o−トルオイル)システイン酸、N−(m−トルオイル)システイン酸、N−(p−トルオ
イル)システイン酸、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(p−トルオイル)ホモシステイン酸、はWO2011/087006号パンフレットに、N−ベンゾイル−セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリン、N−(p−エチルベンゾイル)セリン、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(2−ナフトイル)セリン、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(p−メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン等はWO2011/074643号パンフレットに、それぞれその合成方法が公開されているので、該開示に従い合成することができる。
組成物における美白成分の含有量は、通常0.01〜10質量%であり、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜2質量%がより好ましい。
、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、ビワ葉エキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。中でも、ビワ葉エキスが特に好ましい。上記のエキスは1種を含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。化粧料中における動植物由来抽出物の含有量は、通常0.001質量%以上であり、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また、通常10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.001質量%以上であり、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、通常10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
グリセロリン脂質は、グリセロリン酸骨格を有する物質で、親油基として脂肪酸エステル、長鎖アルキルエーテル、ビニルエーテルなどを有している。具体的には、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジイルイノシトール、ホスファチジルイノシトールポリリン酸、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸などが挙げられる。
スフィンゴリン脂質は、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンなどの長鎖塩基又は長鎖脂肪酸と、リン酸又はホスホン酸を有しており、セラミド1−リン酸誘導体(スフィンゴミエリンなど)、セラミド1−ホスホン酸誘導体(セラミドアミノエチルホスホン酸など)が挙げられる。本実施態様において用いるリン脂質は、動植物から抽出、精製した天然物であっても、化学合成したものであってもよく、水素添加、水酸化処理などの加工を施してもよい。天然物としては、大豆又は卵黄等からの抽出・精製物であるレシチンが、市販品の入手が容易であり、好ましく、具体的には、水添大豆リン脂質等が挙げられる。
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンを挙げることができる。
化水素油であっても不揮発性の炭化水素油であってもよい。炭化水素油の具体例としては、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、水添ポリイソブテン、イソドデカン、ステアリン酸、軽質流動イソパラフィン、イソヘキサデカン、流動パラフィン、プリスタン、α−オレフィンオリゴマー、オゾケライト、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン
脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等) 、POEアルキルエーテル類(POE2−
オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)等のノニオン界面活性剤類、等が挙げられる。
ン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
トリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類
等が挙げられる。
各成分を常温で混合し、溶解させて組成物を調製してもよいし、加温下、撹拌して溶解させて組成物を調製してもよい
HLB値が比較的低いノニオン性界面活性剤を含む場合は、加温下、撹拌して溶解することが好ましい。HLB値が高いノニオン性界面活性剤を含む場合は、常温で溶解することもできる。
加温条件としては、例えば湯浴を用い、80℃で10分加温し、その後、放冷する方法が挙げられる。
また、表皮内で前記有効成分の効果を持続的に発揮させる方法として、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、前記製剤を皮膚に適用する場合には、界面活性剤としてオレイン酸ポリグリセリル及びはショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を水に分散させ、前記界面活性剤により形成されたミセル、ベシクル、又は液晶を含む界面活性剤分散液を調製し、前記界面活性剤分散液と有効成分とを混合することで、本発明の徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程により製造された製剤を皮膚に適用すればよい。
下記の手順に従い、有効成分のモデルとして蛍光マーカを内包したミセルを含むサンプルAと、蛍光マーカをミセルに内包せずに含むサンプルBを調製した。
サンプルAは、界面活性剤としてモノオレイン酸デカグリセリル(NIKKOL Decaglyn 1−OV 日光ケミカルズ株式会社製、HLB値=12)を用い、蛍光マーカとしてナイルレッド(和光純薬株式会社)を添加、均一混合した後に、水を加えて分散、静置することで調製した。
サンプルBは、蛍光マーカとしてナイルレッド(和光純薬株式会社)に水を加えて分散、静置することで調製した。
ヒト3次元培養表皮モデルとしてLabcyte EPI-MODEL24(株式会社
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング製)に対し、サンプルAを塗布し、24時間後にヒト3次元培養表皮モデル表面に残存したサンプルを洗浄した後、凍結包埋した。クライオスタットにて調製した断面を、共焦点レーザー走査顕微鏡「LSM510」(Carlzeiss製)を用いて、位相差顕微鏡像及び蛍光顕微鏡像(励起波長561nm、575nmにおける蛍光強度を測定)を観察した。
その結果、図1の位相差顕微鏡像で示される表皮断面において、図2の蛍光顕微鏡像に示されるとおり、表皮断面全体から蛍光が観察された。
表皮全体のケラチノサイトのモデルとして、分化ケラチノサイト(ヒト表皮ケラチノサ
イト 倉敷紡績株式会社「新生児表皮ケラチノサイト」にカルシウムイオンを加えて24時間培養したもの)を用い、サンプルAとサンプルBをそれぞれ塗布し、2時間後に分化ケラチノサイトの表面を洗浄した後、共焦点レーザー走査顕微鏡「LSM510」(Carlzeiss製)にて蛍光顕微鏡像(励起波長561nm、575nmにおける蛍光強度を測定)を得た。
その結果、本発明のミセルを含有しないサンプルBは、図3に示したとおり、全面に渡り蛍光が観察された。一方、本発明のミセルを含有するサンプルAは、図4に示したとおり、蛍光がほとんど観察されなかった。
表皮基底層ケラチノサイトモデルとして未分化ケラチノサイト(倉敷紡績株式会社「新生児表皮ケラチノサイト」)を用い、有効成分の代わりに蛍光マーカとしてナイルレッド(和光純薬株式会社)を内包したミセルを調製し、未分化ケラチノサイトへの吸着性を評価した。表1に実施例1乃至実施例7、表2に比較例1乃至比較例6の各組成を示す。表中、単位は質量%である。
まず、未分化ケラチノサイト(ヒト表皮ケラチノサイト)を、8wellチャンバースライドに播種し、インキュベーターにて37℃、5%CO2条件下で培養した。その後、
蛍光マーカであるナイルレッド 0.1mg/g EtOHと表1の実施例1乃至7、表2の比較例1乃至6夫々のエステルを混合し、培地(未分化ケラチノサイト:ヒト表皮ケラチノサイト)に添加した。
2時間後に未分化ケラチノサイトの表面を洗浄した後、共焦点レーザー走査顕微鏡「LSM510」(Carlzeiss製)にて、夫々の蛍光顕微鏡像(励起波長561nm、575nmにおける蛍光強度を測定)を得た。
蛍光マーカの吸着量は、得られた画像をもとに、画像処理ソフトにて、各ピクセルの蛍光強度を算出し、全ピクセルを積算することにより、定量的に評価した。
具体的には、得られた画像から、ランダムに200ピクセル×200ピクセルのJPEG画像を切り出した。その画像に対して画像解析ソフト(ImageJ)にてヒストグラム解析を実施した。40000ピクセルを256諧調(0〜255)の各値に振り分けた。次に、各諧調と該当するピクセル数を掛け合わせてスコア化した。諧調2が100ピクセル存在した場合、スコアが200となる。最後に、各諧調のスコアを足し合わせて蛍光強度積算値とした。
結果を表1及び表2に示す。また、図5に比較例1の蛍光顕微鏡像を、図6に実施例1の蛍光顕微鏡像を示す。
表皮への浸透性の評価−1において、サンプル塗布から24時間後に、表皮の下のレシーバーに透過した蛍光マーカ量を定量することで、表皮基底層ケラチノサイトへの貯留性を評価した。その結果、ミセルに内包していない蛍光マーカを含有するサンプルの場合、レシーバーの蛍光マーカは2μgであった。一方、ミセルに内包した蛍光マーカを含有するサンプルについては、レシーバーの蛍光マーカは検出限界未満であった。
Claims (11)
- オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含む、ミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体。
- 前記オレイン酸ポリグリセリル及び/又は前記炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルのHLB値が9以上18以下である、請求項1記載の徐放担体。
- 前記オレイン酸ポリグリセリルがモノオレイン酸デカグリセリルである、請求項1又は2記載の徐放担体。
- 前記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸がオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びラウリン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の徐放担体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の徐放担体に、有効成分が担持された徐放担体複合体。
- 前記有効成分がビワ葉エキスである、請求項5記載の徐放担体複合体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の徐放担体又は徐放担体複合体を1種又は2種以上含有してなる組成物。
- 皮膚外用剤である、請求項7記載の組成物。
- 化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、請求項7又は8記載の組成物。
- オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
前記製剤を皮膚に適用することで、前記徐放担体を表皮基底層に貯留させる方法。 - オレイン酸ポリグリセリル及び炭素数10以上20以下の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むミセル、ベシクル、又は液晶からなる徐放担体に有効成分を担持させた製剤を調製する工程、を含み、
前記製剤を皮膚に適用することで、表皮内で前記有効成分の効果を持続的に発揮させる方法。
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