JP2016075877A - 電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極面との電気的な接続に接着層が不要となる電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体を提供する。【解決手段】光透過性を有する基板10と、電気泳動インク20と、基板10に対向配置され電気泳動インク20を封止するインク封止フィルム30と、基板10とインク封止フィルム30間に形成された構造体15、15…とを有する電気泳動表示媒体用シートAであって、上記インク封止フィルム30は少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなることを特徴とする電気泳動表示媒体用シート。【選択図】図1

Description

本発明は、電界等の作用により可逆的に視認状態を変化させることができる電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体に関し、更に詳しくは、電極面との電気的な接続に接着層が不要となる電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体に関する。
近年、表示ディスプレーの低消費電力化、薄型軽量化、フレキシブル化等の需要が増してきており、その一つとして電子ペーパーに注目が集まってきている。このような電子ペーパーの一つとして電気泳動インク等を用いた電気泳動表示装置が知られている。この電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の電極基板を対向するように配置させ、対向配置した電極間に電気泳動インクを設け、表示パネルとした構成となっている。そして、この表示パネルに電界を印加することにより透明電極面に表示を得ようとするものである。
このような電気泳動表示装置は、電界の向きを制御することにより、電気泳動インク中の電気泳動粒子を移動させて、所望の表示を得ることができるものであり、低コストで、視野角が通常の印刷物並みに広く、消費電力が小さく、表示のメモリ性を有する等の長所を持っている。
これらの電気泳動表示装置の製造の過程等で電気泳動インク等を封止する構成などとしては、例えば、1)カプセル封入された電気泳動ディスプレイを作成するプロセスであって、懸濁流体内に分散されて電界の印加時に該懸濁流体内で移動しうる複数の荷電粒子をそれぞれ含む複数の別個の液滴をポリマー・バインダ内に備える電気泳動媒体を準備する段階と、少なくとも1つの電極を有するバックプレーンを提供する段階と、前記電気泳動媒体を前記バックプレーンに積層する段階とを有するディスプレイの形成プロセスにおいて、前記ポリマー・バインダが流動する温度で前記電気泳動媒体を前記バックプレーンに直接接触するようにし、前記バックプレーンに前記電気泳動媒体を固定させることを特徴とする、ディスプレイの形成プロセス(例えば、特許文献1参照)、2)電気泳動セルを封止するのに適当な組成物であって、a)セル内に収容されるディスプレイ流体と非混和性であり、ディスプレイ流体の比重より小さい比重を示す溶媒または溶媒混合物と、b)熱可塑性エラストマーとを含む、組成物(例えば、特許文献2参照)、3)第1の基材上に少なくとも電界の印加により移動する粒子を分散媒中に分散させて封入したマイクロカプセルからなる表示体及びバリア層を順次積層したことを特徴とする表示パネル用前面板(例えば、特許文献3参照)、4)第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板上に設けられた隔壁と、前記第1の基板と前記第2の基板と前記隔壁とによって形成されたセルに充填された電気泳動材料層と、前記第2の基板と前記隔壁との間に設けられた薄膜層と、前記薄膜層と前記第2の基板との間に設けられた封止層と、を備え、前記封止層は、前記第1の基板に対向する表面の前記薄膜層を介して前記隔壁と接する領域に凹部を有する、電気泳動表示装置(例えば、特許文献4参照)、5)光透過性を有する基板と、100Hzの交流を印加した際の体積固有抵抗が1×107〜1×1013Ω・cmの電気泳動インクと、基板に対向配置され電気泳動インクを封止する100Hz以上の交流を印加した際の抵抗値が電気泳動インクの抵抗値の5倍以下となるポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン又はフッ化ビニリデンなどのフィルムと、基板と封止フィルム間に形成された構造体とを有することを特徴とする電気泳動表示媒体用シート(例えば、特許文献5参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1に記載される技術は、マイクロカプセル層を用いた電気泳動表示媒体であり、電気泳動インクを用いた電気泳動表示媒体ではなく、バインダを液体の状態で流し込み、固定するものであり、電気泳動インクの封止には使えないものであり、本発明とは、発明の課題、その技術思想(構成及びその作用効果、以下同様)が相違するものである。
上記特許文献2に記載される技術は、電気泳動インクを塗布後、電気泳動インクよりも比重が低い、熱可塑性エラストマーを含んだ封止用液体を流し、紫外線や熱を加えてフィルム化、封止するものであり、この方式の場合、使用する電気泳動インクが制限され、また、これもフィルムではなく、液体の流し込みであり、更に、フィルム化した後の電極との電気的な接続については、段落〔0064〕に記載されるように、接着層や粘着層を用いて実現されている。この接着層等を設ける上記文献2の構成等では、接着層または粘着層も抵抗を持つことから電力的なロスが生じるなどの課題があり、また、経時的にフィルムの導電性能が低下するなどの課題があり、本発明とは、発明の課題、その技術思想(構成及びその作用効果、以下同様)が相違するものである。
上記特許文献3の技術は、マイクロカプセル層上にバリア層を設けるものであり、バリア層上に更に接着層を設けるとの記載がある。また、段落〔0014〕には、「バリア層が熱可塑性樹脂が含まれることにより接着性を有している場合は接着層は特に設けなくても良い」との記載もあり、一見すると本発明の近接技術を開示するものであるが、以下の点で全く異なる。この文献3に記載されている、「接着性を有するバリア層」はマイクロカプセルシート上に形成されるものであるのに対して、本発明は電気泳動インクを封止するインク封止フィルムである。インクを封止するフィルムとして機能するためにはそれなりの厚みが必要となる。文献3に記載されているバリア層は実施例の段落〔0027〕に記載を参照すると「真空蒸着法により、膜厚50nmの酸化珪素被膜からなるバリア層を形成した。」とあり、一般にフィルムとは「成型後にそれ単体で薄膜状の構造を成り立たせているものを指し、成型した基板から単独では事実上分離できないものは「膜」や「層」などの用語を使用する場合が多いため、文献3に記載されているバリア層はフィルムとは言えない。また、50nmという厚みは、先にバリア層を形成しておいて工程上で貼り合わせることが実質不可能な厚みであり、本発明とは、その技術思想が異なるものといえる。
上記特許文献4の技術は、第2の基板と隔壁との間に設けられた薄膜層と、該薄膜層と第2の基板との間に設けられた封止層とを備え、前記封止層は、第1の基板に対向する表面の前記薄膜層を介して前記隔壁と接する領域に凹部を有する構成とするものであるので、薄膜層と封止層との二重構造となるため、この構成においても電気的抵抗を持つことから電力的なロスが生じ、また、製造性などに課題があるのが現状である。また、電極層を有する基板の積層手段等についての詳述はなく、接着層等を介するものであれば、上記特許文献3と同様に、本発明とは、発明の課題、その技術思想が相違するものである。
また、上記特許文献5の技術は、得られた電気泳動表示媒体シートは、従来にない構造的耐久性や表示耐久性を向上させるものであるが、任意の基板等に接着することにより積層して使用されるものであるため、電力的なロスがあり、更なる改良などが切望されているのが現状である。
特開2011−253201号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特表2005−509690号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−270673号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2011−248065号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2012−098640号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、電極面との電気的な接続に接着層等が不要となり、電力効率、製造性に優れた電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、光透過性を有する基板と、電気泳動インクと、基板に対向配置され電気泳動インクを封止するインク封止フィルムと、基
板とインク封止フィルム間に形成された構造体とを有する電気泳動表示媒体用シートであって、上記インク封止フィルムを特定の熱可塑性樹脂組成物により構成し、特定物性となる熱可塑性樹脂フィルムとすることにより、上記目的の電気泳動表示媒体用シートが得られることを見出し、また、この電気泳動表示媒体用シートを用いて、これを電極層を有する基板に接着層を介することなく積層することで上記目的の電気泳動表示媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(9)に存する。
(1) 光透過性を有する基板と、電気泳動インクと、基板に対向配置され電気泳動インクを封止するインク封止フィルムと、基板とインク封止フィルム間に形成された構造体とを有する電気泳動表示媒体用シートであって、上記インク封止フィルムは少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなることを特徴とする電気泳動表示媒体用シート。
(2) 一対のインク封止フィルムと、電気泳動インクと、該電気泳動インクを対向配置される一対のインク封止フィルムにより封止すると共に、インク封止フィルム間に形成された構造体とを有する電気泳動表示媒体用シートであって、上記一対のインク封止フィルムは少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルム部の抵抗値が、上記電気泳動インク部の抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなることを特徴とする電気泳動表示媒体用シート。
(3) インク封止フィルムは、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下となることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の電気泳動表示媒体用シート。
(4) 高分子型帯電防止剤はポリエチレンオキシド(PEO)鎖を有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シート。
(5) 高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物には、更に導電性化合物が含有されていることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シート。
(6) 導電性化合物がイオン導電性化合物であることを特徴とする上記(5)に記載の電気泳動表示媒体用シート。
(7) 上記インク封止フィルムの厚さが、1〜100μmであることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シート。
(8) 上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シートのインク封止フィルム上には電極層を有する基板を、接着層を介することなく積層されていることを特徴とする電気泳動表示媒体。
(9) 上記インク封止フィルムと電極層を有する基板とは熱融着により積層されていることを特徴とする上記(8)記載の電気泳動表示媒体。
本発明によれば、インク封止フィルムとして、少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成し、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムを用いると、インク封止フィルムに熱を与えて接着性を発生させることができるので、電極面との電気的な接続に接着層等が不要となり、電力効率、製造性に優れた電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体が提供される。
本発明の電気泳動表示媒体用シートの実施形態の一例を示す概略縦断面図である。 図1の電気泳動表示媒体用シートに電極層を有する基板を積層する工程を説明する概略縦断面図である。 図1より得られる電気泳動表示媒体の一例を示す概略縦断面図である。 本発明の電気泳動表示媒体用シートの実施形態の他例を示す概略縦断面図である。 図4の電気泳動表示媒体用シートに電極層を有する基板を積層する工程を説明する概略縦断面図である。 図4の電気泳動表示媒体用シートより得られる電気泳動表示媒体の一例を示す概略縦断面図である。 (a)及び(b)は、電気泳動表示媒体用シートに電極層を有する基板を積層する他の工程を説明する各概略縦断面図である。 電気泳動表示媒体用シートに電極層を有する基板を積層する他の工程を説明する各概略縦断面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、図1は電気泳動表示媒体用シートの一例を示す概略縦断面図、図2は図1の電気泳動表示媒体用シートに電極層を有する基板を積層する工程を説明する概略縦断面図、図3は、図1により得られる電気泳動表示媒体の一例を示す概略縦断面図である。
本実施形態の電気泳動表示媒体用シートAは、図1に示すように、光透過性を有する基板10と、電気泳動インク20と、基板10に対向配置され電気泳動インク20を封止するインク封止フィルム30と、基板10とインク封止フィルム30間に形成された構造体15とを有し、上記インク封止フィルム30は少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなることを特徴とするものである。
光透過性を有する基板10は、光透過性であって電極を有する基板であればよく、例えば、基材11上に電極層12を設けた構成とし、該電極層12上に絶縁性の構造体15を形成することができる。
基材11は、例えば、ガラス、石英、サファイア、MgO、LiF、CaF等の透明な無機材料、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の有機高分子のフィルムまたはセラミック等を用いて形成することができる。
電極層12は、例えば、ITO、ZnO、SnO等の透明導電性材料や、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等の金属を用いて形成することができる。また、PODET/PVSやPODET/PSSなどの導電性ポリマーや、酸化チタン系、酸化亜鉛系、酸化スズ系などの透明導電材料でも良い。これらの材料は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成することができる。電極層12の形状は、特に限定されるものでなく、適宜選択することができる。なお、この電極層12は、基材11に接して設けてもよいし、基材11上にTFT素子などを設けてもよい。
本実施形態において、電極基板10が前面側電極基板となる場合〔図1中、矢印側から視認する場合(後述する図3、図4及び図6中においても同様。)〕には、電極基板10を介して電気泳動インクで形成される文字等の表示を視認するため、基材11、電極層12としては、透光性を有する材料で形成する。
この光透過性を有する基板10上に、構造体15、15…が立設されている。この構造体15は、PETフィルム等の樹脂材料を用いて形成することができる。例えば、一定の厚みを有するPETフィルムなどの合成樹脂にレーザー加工して正方形や六角形、円形等の形状を形成することにより、構造体15、15…により複数のセル(図示せず)を形成することができる。また、電極層12上に絶縁層を形成した後、フォトリソグラフィ法を用いて当該絶縁層をパターニングすることにより、複数のセルを形成することができる。他にも、電極層12上に熱可塑性の樹脂を形成し、ホットエンボスのような方法で井桁状の構造体15からなるセルを形成することも可能である。
この光透過性を有する基板10上に立設した絶縁性の構造体15、15…により複数のセル(小部屋)が形成され、これらのセルは、立設した構造体15によりそれぞれ分離されており、円形、矩形(長方形、正方形)、六角形等の様々な形状で設けることができる。なお、構造体15は、その形状や目的から、スペーサー、柱、壁、隔壁、リブ等と称される場合がある。
上記電極基板10上に形成されたセルに、電気泳動インク20が充填されている。この電気泳動インク20の充填としては、例えば、ダイコータなどによるコーティングや、電極基板の任意箇所に配した電気泳動インク20をバーコーター、ドクターブレード、コンマロールなど、略接触によって、塗り広げてもよいものであるし、スクリーン印刷などを用いた印刷法、あるいはインクジェットやディスペンサによる充填など、セル内にインクを充填することが可能な方法であれば、各種方法を用いることができる。
本発明に用いる電気泳動インク20としては、特に限定されず、例えば、少なくとも、1種類以上の電気泳動粒子と溶剤などの溶媒とを含むものであれば良いものである。
用いることができる電気泳動粒子としては、例えば、有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子、高分子微粒子等を用いることができ、これらは各単独(1種)又は2種以上を混合して用いることができる。また、親油性表面処理されている微粒子であってよいものである。
具体的な一例としては、正に帯電した白粒子と、負に帯電した黒粒子と、これらの粒子を分散させる溶剤(溶媒)で形成することができる。白粒子としては、酸化チタン等の白色顔料や、白色の樹脂粒子、または白色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。黒粒子としては、チタンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料や、黒色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。これら粒子は、コントラスト表示可能な範囲で様々な色の粒子を任意に用いることも可能であり、白と赤、白と青、黄色と黒などのような組合せとすることもできる。また、白粒子のみ又は黒粒子のみといった1種類の帯電粒子のみを用いる構成とすることもできる。
これらの電気泳動粒子は、平均粒子径が0.05〜20μmのものが用いられ、特に好ましくは、平均粒子径が0.1〜10μmのものが望ましい。また、これらの微粒子の合計含有量は、電気泳動インク全量に対して、好ましくは、5〜95質量%、更に好ましくは、10〜80質量%とすることが望ましい。
また、溶媒としては、例えば、炭化水素系、芳香族系、エステル系、ケトン系、テルペン系、アルコール系、シリコーン系、フッ素系等の溶剤を各単独又は2種類以上を混合して用いることができる。これらの溶媒の含有量としては、用いる電気泳動粒子や溶媒種に応じて適宜選択でき、電気泳動インク全量に対して、20〜80質量%となるように含有することが好ましく、更に好ましくは、35〜65質量%とすることが望ましい。
また、電気泳動インク20としては、1種類以上の電気泳動粒子と溶媒に、更に、分散剤、電荷制御剤とを含有しても良い。用いることができる分散剤としては、慣用的に用いられる各種の分散剤、界面活性剤や高分子界面活性剤、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、高分子型界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの分散剤の含有量としては用いる電気泳動粒子や溶媒種によって適宜決定されるが、電気泳動インク全量に対して、0.01〜50.0質量%となるように含有されることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜30質量%となるように含有することが望ましい。電荷制御剤としては、電気泳動表示に用いられている各種タイプのものを用いることができる。
本発明に用いる電気泳動インク20は、上記電気泳動インクを構成する各成分の種類及び各成分の含有量を好適に組み合わせることにより、各特性の電気泳動インクに調整することができるものとなる。
本発明において、インク封止フィルム30は、少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成(形成)することができ、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インク部の抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなるものである。好ましくは、書換時の電力効率の点、書換機の構成上(フィルム抵抗値が高いと駆動に必要な電圧も高くなり、結果、書換機に搭載する昇圧回路の性能を上げねばならず、書換機の消費電力や価格・サイズなどが大きくなるなど)の点から、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インク部の抵抗値の5倍以下、特に、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インク部の抵抗値の3倍以下、1画素の単セグメントの電気泳動表示媒体を含む場合には、その下限は特に限定されないが、好ましくは、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インク部の抵抗値の0.1倍以上、更に好ましくは、0.5倍以上となるものが望ましい。
本発明に用いるインク封止フィルム30は、上記構成となる抵抗値を有する熱可塑性樹脂フィルムからなるものであり、更に好ましくは、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下、特に、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以下であり、1画素の単セグメントの電気泳動表示媒体を含む場合には、その下限は特に限定されないが、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上、特に好ましくは、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上となるものが望ましい。
この体積固有抵抗、抵抗値を備える熱可塑性樹脂フィルムからなるインク封止フィルム30は、熱可塑性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂種、高分子型帯電防止剤種、並びに、これらの含有量、厚さ、用いる電気泳動インク種等を好適に組み合わせることにより、また、必要に応じて後述する導電性化合物種の含有等を組み合わせることなどにより、調製することができる。
なお、本発明において、上記電気泳動インク、インク封止フィルムにおける「体積固有抵抗」の測定方法は、インピーダンス測定装置により測定した値をいうものである。また、上記電気泳動インク、インク封止フィルムにおける「抵抗値」は、抵抗値=〔(体積固有抵抗×厚さ)/面積〕で算出される。
用いることができる熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンを含む単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン(PO)系樹脂又はポリオレフィン系エラストマー、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、SIS等のポリスチレン系樹脂又はSEBS、SEPS、SEEPS等の水素添加されたスチレン系エラ ストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド(PA)系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂などが挙げられる。
好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点、封止するインクに対する耐性の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)の使用が望ましい。
この熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂組成物全量に対して、30〜95質量%とすることが好ましく、更に好ましくは、50〜90質量%とすることすることが望ましい。
この熱可塑性樹脂の含有量が30質量%未満であると、耐溶剤性や堅ろう性が低下し、一方、95質量%超過であると、フィルムの体積固有抵抗値などが増加して導電性が発現せず、好ましくない。
用いることができる高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエーテルエステルアミド(PEEA)、ポリエーテルエステルアミドイミド(PEAI)、ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステル、ポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド(PEO−PPO)共重合体、ポリエーテルオレフィンブロック共重合体などが挙げられる。
好ましくは、高分子固体電解質を形成できる点から、用いる高分子型帯電防止剤は、分子内にPEO(ポリエチレンオキシド)鎖を導電性ユニットとする高分子化合物であるものが望ましく、具体的には、ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(PEEA)、ポリエーテルエステルアミドイミド共重合体(PEAI)、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド(PEO−PPO)共重合体、ポリエーテルオレフィンブロック共重合体の使用が望ましい。
なお、上記高分子型帯電防止剤は、熱可塑性樹脂であることのほかに、体積固有抵抗が低く、単体でも永久帯電防止効果をもつ、という特徴を有するものであり、表面を覆うことで表面抵抗を下げる原理の「低分子型帯電防止剤」と異なり、制電性や信頼性を備えるという利点を有する。
この高分子型帯電防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物全量に対して、5〜70質量%とすることが好ましく、更に好ましくは、10〜50質量%とすることすることが望ましい。
この高分子型帯電防止剤の含有量が5質量%未満であると、導電性が発現しない可能性があり、一方、70質量%超過であると、耐溶剤性や堅ろう性が低下し、好ましくない。
更に、本発明では、より導電性能を高める点、導電性能のコントロールを容易にする点から、熱可塑性樹脂組成物には、上記高分子型帯電防止剤と共に、導電性化合物を含有せしめることが望ましい。
用いることができる導電性化合物としては、例えば、アルカリ金属塩、エーテル又はエステル結合を有する化合物などが挙げられる。
上記アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩が挙げられるが、リチウム及びナトリウムの金属塩が好ましい。例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、並びに、〔LiC2n+1SO〕に代表されるフルオロアルカンスルホン酸リチウム、Li(C2n)(SO、LiN(C2n+1SO、LiC(CFSO、LiN(CFCO)、LiC2n+1CO、LiB(C、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBFなどの含フッ素リチウム塩等が挙げられる。なお、上記化学式中におけるnは整数である。
エーテル又はエステル結合を有する化合物としては、例えば、アジペート類、フタレート類、ポリエーテルポリオール類等が挙げられる。
これらの導電性化合物の中で、高分子型帯電防止剤と共に含有することにより、制電性に相乗効果を発揮せしめる点、高分子型帯電防止剤の単独使用の場合に加えて基体(フィルム)の高分子の物性の低下やブリード、ブルーミングの移行汚染などを制御できる点から、上記含フッ素リチウム塩などのリチウム及びナトリウムの金属塩などのイオン導電性化合物の使用が好ましく、更に好ましくは、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi(CFSON、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムLi(CFSOC、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CFSO)などが望ましく、特に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム及びトリフルオロメタンスルホン酸リチウムが好ましい。
なお、リチウムイオンはアルカリ金属の中でもイオン半径が最も小さく、イオン移動の自由度が最も高いために、イオン伝導によって速やかに静電気を逸散し帯電圧を減衰させることができるものと推測される。
これらの導電性化合物の含有量は、熱可塑性樹脂組成物全量に対して、0.1〜10質量%とすることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜5質量%とすることが望ましい。
この導電性化合物の含有量が0.1質量%未満であると、導電性化合物の含有効果を発揮することができず、一方、10質量%超過であると、フィルム内に均一に分散することが困難となり、好ましくない。
本発明で使用する高分子型帯電防止剤の市販品としては、各種高分子型帯電防止剤として市販のものを使用でき、好ましくは、イオン導電性化合物を含有した高分子型帯電防止剤として市販の、トリフルオロメタンスルホン酸Li(Li塩、イオン導電性化合物)を含むポリエーテルエステルアミドブロック共重合体〔三光化学工業社製、商品名「サンコノール TBX−25(Li塩濃度5質量%)、TBX−65(Li塩濃度5質量%)、TBX−310(Li塩濃度10質量%)」、ドデシルベンザンスルホン酸ナトリウム(イオン導電性化合物)を含むポリエーテルオレフィンブロック共重合体(三洋化成工業社製、商品名「ペレクトロンHS」、「ペレクトロンPVH」)、ドデシルベンザンスルホン酸ナトリウム(イオン導電性化合物)を含むポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(三洋化成工業社製、商品名「ペレスタットNC6321」、「ペレスタット230」)などが挙げられる。
本発明において、上記少なくとも熱可塑性樹脂、高分子型帯電防止剤などを含む熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、添加剤として、基材となる熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤との相溶性(高分子型帯電防止剤の基材への均質かつ良好な分散)を高めるために、相溶化剤の添加、並びに、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、顔料、抗菌・抗カビ剤、耐光剤、可塑剤、等の各種添加剤を含有せしめることができる。
本発明のインク封止フィルム30は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形加工、具体的には、上記各成分をドライブレンド等により単純に混合した混合物や、二軸混練機等の押出機にて溶融混練しペレット化したものを各種成形品の原料として使用してTダイ押出法によりフィルムに成形加工、または、その後延伸処理やアニリング処理を実施することにより得ることができる。
例えば、上記混合物やペレットを押出成形機、射出成形機等に投入し、好適な固有抵抗、厚さのインク封止フィルムに加工することができ、また、延伸処理やアニリング処理を実施し、好適な固有抵抗、厚さのインク封止フィルムに加工することができる。
本発明において、上記熱可塑性樹脂組成物から形成されるインク封止フィルムの厚さとして、封止性能を維持する点から、好ましくは、1μm以上、より好ましくは、5μm以上、更に好ましくは、10μm以上、一方、フィルムのベンダブル性を確保し、フィルムの抵抗値を下げる点から、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、50μm以下とすることが望ましく、好ましい範囲では、1〜100μm、特に、10〜50μmが望ましい。
このインク封止フィルム30の厚さが1μm未満であると、ガスバリア性が不足し電気泳動インク中の溶剤が蒸発してしまうこととなり、一方、100μmを越えると、インク封止フィルムの抵抗値が高くなることで、電気泳動インクに十分電圧がかからず、表示性能が劣化するとなり、好ましくない。
本発明において、上記特性の電気泳動インク20を封止するインク封止フィルム30は、例えば、図1に示すように、該インク封止フィルム30を各構造体15、シール部16、16上面に貼り合わせることにより、目的の電気泳動表示媒体シートAを得ることができる。
具体的には、図1の図示符号16,16は、表示エリアの中で最外周部となる構造体15、15に接するように電極基板10上に形成したシール部である。このシール部16、16は、熱可塑性、熱硬化性又は光硬化性の前駆体材料などを各種印刷法〔スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版(グラビア)印刷〕、ディスペンサによる塗布法により形成することができる。このシール部16、16を形成する際のシール部16、16の高さは、絶縁性の構造体15,15…の高さよりも、0.01〜2mm程度高く設定、本実施形態では、0.5mm高くなっている。また、本実施形態のシール部16、16は、UV硬化樹脂をディスペンサによる滴下により形成した。
本実施形態では、図1に示すように、前記電気泳動インク20を充填した電極基板10に、対向配置され電気泳動インク20を封止するインク封止フィルム30を各構造体15、シール部16、16上面に貼り合わせることにより、目的の電気泳動表示媒体シートAを得ることができる。
本実施形態では、前記電気泳動インク20を充填した電極基板10に、対向配置され電気泳動インクを封止する上記特性のインク封止フィルム30を各構造体15、シール部26、26上面に貼り合わせ方法としては、例えば、インク封止フィルム30の一端を合わせた後、対向に設置されたローラー間を通すことでインク封止フィルム30を各構造体15、シール部26、26上面に貼り合わせ、その後、シール部にUV照射することで硬化させて、または、加熱することで硬化して、図1に示される電気泳動表示媒体シートAを得ることができる。
また、本発明の電気泳動表示媒体は、得られた電気泳動表示媒体シートAのインク封止フィルム30上に、電極層を有する基板を、接着層を介することなく積層することで電気泳動表示媒体を作製でき、さらに制御部等を設ければ電気泳動表示装置を得ることができる。
電極層を有する基板としては、例えば、上述の光透過性を有する基板10で用いた、基材11上に電極層12を設けた構成などが挙げられ、透明樹脂フィルムや透明ガラス等にITO等の透明導電性材料を塗工法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の蒸着法等により形成した光透過性のものなどを用いることができる。また、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、セラミックス等の非導電性物質表面に金属等の導電性材料膜(層)を形成したものや、金属板を用いることもできる。
図2及び図3は、図1の電気泳動表示媒体シートAを用いて得られる電気泳動表示媒体Bの実施形態である。
電極層13を有する基板14としては、例えば、上述した視認側の電極層12を有する基板11と同様に構成される。
この電気泳動表示媒体Bは、図2及び図3に示すように、図1の電気泳動表示媒体シートAのインク封止フィルム30上に、電極層13を有する基板14を、アイロン、ホットプレートなどの熱源40、本実施形態では、アイロンを用いて、熱融着により、接着層を介することなく積層することで電気泳動表示媒体を作製できるものとなる。この積層を詳述すると、インク封止フィルム30が少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性のフィルムであるので、インク封止フィルム30に熱源40により熱〔図2中の矢印が熱源からの熱を示す(後述する図5,図7(a)においても同様)〕を与えると接着性を発生させることができ、インク封止フィルム30と電極層13を有する基板14とは熱融着により固着することでき、電極層13を有する基板14の電極面との電気的な接続に従来の接着層、粘着層等が不要となるため、電力効率、製造性に優れた電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体が得られることとなる。
なお、本実施形態では、熱源40を視認側から押しつけたが、電極層13を有する基板14側から熱源40を押しつけても良く、また、熱源40の温度は、インク封止フィルム30の各熱可塑性樹脂種、高分子型帯電防止剤種等の各熱溶融温度、厚さ、電気泳動インク30への影響、積層される電極層13を有する基板14の材料種、厚さなどにより変動するが、接着するのに十分ではあるが、フィルム全体が融解するほどではない程度の温度が好ましく、70〜160℃の範囲が望ましい。
また、電気泳動表示媒体の用途(使用用途、書換方法等)に応じて、基板に別の光透過性電極、非光透過性電極、樹脂フィルム、樹脂、木、金属、セラミックス、紙、布及び/又はガラスと貼り合わせることも可能である。また、基板に樹脂フィルムを用いた場合には、溶媒透過抑制効果や気体透過抑制効果を有する樹脂フィルムやその他基材を貼り合わせることによって、その効果を増大させることも可能である。その他、電気泳動表示装置の強度を上げるために、別の基材を貼り合わせて補強することや、表示装置の装飾用に別の基材として紙や布等を貼り合わせることも可能である。
このように構成される本発明となる図1の電気泳動表示媒体用シートAでは、光透過性を有する基板と、電気泳動インクと、基板に対向配置され電気泳動インクを封止するインク封止フィルムと、基板とインク封止フィルム間に形成された構造体とを有する電気泳動表示媒体用シートであって、上記インク封止フィルムは少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなるので、インク封止フィルムに熱を与えて接着性を発生させることができるので、電極面との電気的な接続に接着層等が不要となり、電力効率、製造性に優れた電気泳動表示媒体用シートが得られることとなる。
また、この電気泳動表示媒体シートより得られる電気泳動表示媒体は、高コントラストな表示の実現と、繰り返し表示時においても高い信頼性を持ってコントラスト表示することができ、応答性にも優れ、表示特性の劣化がきわめて少ないものとなる。
なお、インク封止フィルム30の体積固有抵抗と封止フィルムの厚みから算出されるインク封止フィルムの抵抗値が電気泳動インク20の体積固有抵抗とインク部の厚みから算出される電気泳動インクの抵抗値よりも10倍(1×10)を超えて大きいと、インクにかかる電圧が著しく低下することとなり好ましくない。したがって、電気泳動インクよりインク封止フィルム部の方が抵抗値は低いほうが望ましい。しかし、アクティブマトリクスパネルやセグメントパネルのように複数画素を有するパネルには電気泳動インク20の体積固有抵抗とインク部の厚みから算出される電気泳動インクの抵抗値よりも0.1倍(1×10−1)以上低いとインク封止フィルム30を通じて隣接画素へも電圧が印加されてしまうことがあるため好ましくない。したがって、電気泳動インクよりインク封止フィルム部の方が抵抗値は低いほうが望ましく、インク封止フィルム30の体積固有抵抗、抵抗値により好適な体積固有抵抗、抵抗値を有する電気泳動インク20を調製、好適な電気泳動粒子種、溶剤種等を組み合わせることにより微調製することができる。但し、セグメント表示を行わない場合、すなわち、1画素のみの場合は、インク封止フィルム30の体積固有抵抗の下限値は特に限定されるものでない。
図4〜図6は、本発明の他の実施形態の一例を示す電気泳動表示媒体用シートC、このシートを用いた電気泳動表示媒体Dの概略を示す各概略図面である。なお、図1〜図3の実施形態と同様の構成は、図面上に同一符号を表示してその説明を省略する。
本実施形態の電気泳動表示媒体用シートCは、図4に示すように、一対のインク封止フィルム30,30と、電気泳動インク20と、該電気泳動インク20を対向配置される一対のインク封止フィルム30,30により封止すると共に、インク封止フィルム30,30間に形成された構造体15、15…とを有し、上記一対のインク封止フィルム30、30を少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムから構成する点で、図1の実施形態の電気泳動表示媒体用シートAと異なるものである。
図1の実施形態の電気泳動表示媒体用シートAでは、視認側となる方にのみ、電極層11を有する基板12を設けたものであるが、本実施形態では視認側と反対方向となる後方側にもインク封止フィルム30としたものである。視認側となるインク封止フィルム30上に、構造体15,15…、シール部16などを図1の実施形態と同様に形成したものである。また、インク封止フィルム30,30も図1の実施形態の電気泳動表示媒体用シートAと同様に形成したものである。更に、熱源40は視認側、並びに、視認側と反対方向となる後方側の両方から押しつけること形態としたものである。
図5及び図6は、図4の電気泳動表示媒体シートCを用いて得られる電気泳動表示媒体Dの実施形態である。
この電気泳動表示媒体Dは、図5及び図6に示すように、図4の電気泳動表示媒体シートCの一対のインク封止フィルム30,30上の電極層13を有する基板14の両側からアイロンなどの熱源40を用いて、熱融着により、接着層を介することなくそれぞれに積層することで電気泳動表示媒体を作製できるものとなる。この実施形態では、一対のインク封止フィルム30,30が少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性のフィルムであるので、インク封止フィルムに熱を与えると接着性を発生させることができ、一対のインク封止フィルム30,30と電極層13を有する基板14とは熱融着により固着することでき、電極層13を有する基板14の電極面との電気的な接続に従来の接着層、粘着層等が不要となるため、電力効率、製造性に優れた電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体が得られることとなる。
図7及び図8は、本発明において、電気泳動表示媒体用シートにインク封止フィルム30を熱融着する際に用いる熱源40の他の各形態を示すものである。
図7(a)は、熱源40が回転式のローラー型となっており、回転式の熱源40を視認側から押し付けながら順に、図中では左側から右側に、インク封止フィルム30に電極層13を有する基板14を熱融着により固着して積層する形態であり、図3又は図6の各電気泳動表示媒体B、Dを作製することができる。
図7(b)は、インク封止フィルム30の各構造体15、シール部16、16上面に貼り合わせる工程(固着工程)と、電極層13を有する基板14への固着工程とを回転式の熱源40により略同時に行う形態であり、回転式の熱源40によりフィルム表面を融着させたのちに、直ぐに各構造体15、シール部16、16上面に貼り合わせる形態(図面上では左側から右側へ回転式の熱源40の熱融着により同時に固着する形態)としたものであり、図3又は図6の各電気泳動表示媒体B、Dを作製することができる。
図8は、オーブンなどの熱源40の中に投入して、インク封止フィルム30に電極層13を有する基板14を熱融着により固着して積層する形態であり、図3又は図6の各電気泳動表示媒体B、Dを作製することができる。このオーブン型の熱源を用いる場合には、積層の際に、万力のようなもので把持して図中の矢印方向に圧力を加えてインク封止フィルム30に電極層13を有する基板14を熱融着により固着してもよいものである。
本発明は、上述の如く構成されるものであるが、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変更することができる。
次に、本発明を実施するに適した実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、図1〜図3準拠)
下記1)〜4)の各工程等により、電気泳動表示媒体用シート及び電気泳動表示媒体を得た。
1)電極基板上に絶縁性の構造体からなる複数のセルを形成する工程
電極基板として、透明材料であるITO膜を表面抵抗が約100Ω/□となるように形成した
100μm厚のPETシート(6×10cm)を用いた(以下、「ITO−PET」という)。
この電極基板上に、エポキシ系樹脂製の感光性樹脂シートを貼合、UVによる露光、アルカリ現像して、絶縁性の構造体からなる複数の格子状のセル(高さ20μm、セルのサイズピッチ300μm、ギャップ20μm、開口率87%)を上記PETフィルムの30×30mmの範囲に形成した。
2)電気泳動インクをセルに充填する工程
<白色微粒子の作製>
疎水化処理用シリコーンオイル(KF99 信越化学社製)を酸化チタン(CR50、一次平均粒子径:250nm、石原産業社製)100質量部に対して2質量部添加し、ニーダーにて均一に攪拌した。その後、150℃にて20分焼付けを行った。
<黒色微粒子溶液の作製>
カーボンブラックを含んだ架橋アクリルコポリマー粒子(ラブコロール220MD、平均粒子径:9μm、大日精化工業社製)をポリオキシエチレン(6)ソルビタンテトラオレエート(分散剤、和光純薬社製)を添加したノルマルドデカン(液相分散媒、屈折率:1.42、和光純薬社製)に分散し、フィルターを通して粗大粒子を取り除いて黒色微粒子溶液を得た。この溶液の固形分濃度を測定器(メトラー・トレド社製)にて測定し、固形分濃度を25質量%に調整した。
上記の白色微粒子10質量部、黒色微粒子溶液80質量部を混合し、超音波分散を1時間行い電気泳動インクを調製した。
この電気泳動表示用液の体積固有抵抗は、4.6E9Ω・cm、誘電率は3.2であった。測定は、LCRメーター(品名:ZM2410、NF回路ブロック社製)と、液体用測定電極LP−05(株式会社川口電機製作所製)を用いて行った(以下、同様)。
この電気泳動インクを上記セル内に、コーターにより充填した。
3)シール部を形成する工程
上記セルの外周部(表示エリア)にUV硬化樹脂をディスペンサを用いて滴下して、シール部を形成した。
4)電極基板とインク封止フィルムを貼り合わる工程
下記組成の熱可塑性樹脂組成物を用いて、Tダイ押し出し法にてインク封止フィルム30を作製した。
熱可塑性樹脂組成物組成:
PET樹脂(クラレ社製、KS760K−H):57.5質量%
トリフルオロメタンスルホン酸Li(2.13質量%)を含むポリエーテルエステルアミドブロック共重合体:(三光化学工業(株)製、商品名「サンコノール TBX−65」)42.5質量%
この熱可塑性フィルムの体積固有抵抗をハイレスタ(三菱化学アナリテック社製)を用いて測定すると、測定電圧100Vでは5.0E9Ω・cmであった。
前記電気泳動インクを充填した電極基板に、インク封止フィルムの一端を合わせた後、対向に設置されたローラー間を通すことで貼り合わせ、その後、シール部にUVを照射して硬化させて、電気泳動表示媒体シートを得た。
この時のインクの面積Siは、Si=4cm×5cm=20cmであり、インクの厚さTiは、Ti=20μmであったので、インクの抵抗値Riを算出すると、Ri=460kΩであった。
同様に、インク封止フィルムのうちインクに触れている面積Sfは、Sf=4cm×5cm=20cmであり、インク封止フィルムの厚さTfは、Tf=50μmであったので、インク封止フィルムの抵抗値Rfを算出すると、Rf=1250kΩとなり、インク封止フィルムの抵抗値Rfはインクの抵抗値Riの約2.72倍となった。
得られた電気泳動表示媒体シートの表示エリア内には気泡の混入は無く、電極とインク封止フィルムの間隔は均一であった。
更に、得られた電気泳動表示媒体シートにセグメント電極基板(PENフィルムに銅を積層し、エッチングによりパターンを形成)を電気泳動表示シートの封止フィルム面に接触させ、100℃に熱したアイロンを電気泳動表示シート側から押し当てて接着し、電気泳動表示媒体を得た。
得られた電気泳動表示媒体の共通電極にVmidとして0V、電極基盤の白表示部にVLとして−60V、黒表示部にVHとして+60Vを500ms印加した所、表示が得られた。分光測色計SC−T(スガ試験機社製)にて測定した所、白反射率は37.7%、黒反射率は3.8%と良好な値が得られた。
(実施例2、図1〜図3準拠、1画素のみの場合に表示可能な実施例)
上記実施例1の1)〜4)の工程において、4)の工程を下記工程に変更して電気泳動表示媒体シートを作製した。
4)電極基板とインク封止フィルムを貼り合わる工程
下記組成の熱可塑性樹脂組成物を用いて、Tダイ押し出し法にてインク封止フィルム30を作製した。
熱可塑性樹脂組成物組成:
PET樹脂(クラレ社製、KS760K−H):50.0質量%
トリフルオロメタンスルホン酸Li(2.5質量%)を含むポリエーテルエステルアミドブロック共重合体:(三光化学工業(株)製、商品名「サンコノール TBX−65」50.0質量%
この熱可塑性フィルムの体積固有抵抗をハイレスタ(三菱化学アナリテック社製)を用いて測定すると、測定電圧100Vでは1.69E8Ω・cmであった。
前記電気泳動インクを充填した電極基板に、インク封止フィルムの一端を合わせた後、対向に設置されたローラー間を通すことで貼り合わせ、その後、シール部にUVを照射して硬化させて、電気泳動表示媒体シートを得た。
この時のインクの面積Siは、Si=4cm×5cm=20cmであり、インクの厚さTiは、Ti=20μmであったので、インクの抵抗値Riを算出すると、Ri=460kΩであった。
同様に、インク封止フィルムのうちインクに触れている面積Sfは、Sf=4cm×5cm=20cmであり、インク封止フィルムの厚さTfは、Tf=50μmであったので、インク封止フィルムの抵抗値Rfを算出すると、Rf=42.2kΩとなり、インク封止フィルムの抵抗値Rfはインクの抵抗値Riの約0.09倍となった。
(実施例2の電気泳動表示媒体の性能評価)
得られた電気泳動表示媒体シートの表示エリア内には気泡の混入は無く、電極とインク封止フィルムの間隔は均一であった。
更に、得られた電気泳動表示媒体シートにセグメント電極基板(PENフィルムに銅を積層し、エッチングによりパターンを形成)を電気泳動表示シートの封止フィルム面に接触させ、100℃に熱したアイロンを電気泳動表示シート側から押し当てて接着し、電気泳動表示媒体を得た。
得られた電気泳動表示媒体の共通電極にVmidとして0V、電極基板の白表示部にVLとして−60V、黒表示部にVHとして+60Vを500ms印加した所、表示が得られなかった。
得られた電気泳動表示媒体の共通電極にVmidとして0V、電極基板の白表示部及び黒表示部にVLとして−60Vを500ms印加した所、白表示が得られた。また、得られた電気泳動表示媒体の共通電極にVmidとして0V、電極基板の白表示部及び黒表示部にVHとして+60Vを500ms印加した所、黒表示が得られた。
分光測色計SC−T(スガ試験機社製)にて測定した所、白反射率は39.8%、黒反射率は4.2%と良好な値が得られた。
(比較例1、図1〜図3準拠、抵抗値が高すぎる場合)
下記組成の熱可塑性樹脂組成物を用いて、Tダイ押し出し法にてインク封止フィルム30を作製した。
熱可塑性樹脂組成物組成:
PET樹脂(クラレ社製、KS760K−H):60.0質量%
トリフルオロメタンスルホン酸Li(2.0質量%)を含むポリエーテルエステルアミドブロック共重合体:(三光化学工業(株)製、商品名「サンコノール TBX−65」40.0質量%
この熱可塑性フィルムの体積固有抵抗をハイレスタ(三菱化学アナリテック社製)を用いて測定すると、測定電圧100Vでは2.45E10Ω・cmであった。
前記電気泳動インクを充填した電極基板に、インク封止フィルムの一端を合わせた後、対向に設置されたローラー間を通すことで貼り合わせ、その後、シール部にUVを照射して硬化させて、電気泳動表示媒体シートを得た。
この時のインクの面積Siは、Si=4cm×5cm=20cmであり、インクの厚さTiは、Ti=20μmであったので、インクの抵抗値Riを算出すると、Ri=460kΩであった。
同様に、インク封止フィルムのうちインクに触れている面積Sfは、Sf=4cm×5cm=20cmであり、インク封止フィルムの厚さTfは、Tf=50μmであったので、インク封止フィルムの抵抗値Rfを算出すると、Rf=6125kΩとなり、インク封止フィルムの抵抗値Rfはインクの抵抗値Riの約13.32倍となった。
更に、得られた電気泳動表示媒体シートにセグメント電極基板(PENフィルムに銅を積層し、エッチングによりパターンを形成)を電気泳動表示シートの封止フィルム面に接触させ、100℃に熱したアイロンを電気泳動表示シート側から押し当てて接着し、電気泳動表示媒体を得た。
得られた電気泳動表示媒体の共通電極にVmidとして0V、電極基板の白表示部にVLとして−60V、黒表示部にVHとして+60Vを500ms印加した所、表示が得られなかった。
得られた電気泳動表示媒体の共通電極にVmidとして0V、電極基板の白表示部及び黒表示部にVLとして−60Vを500ms印加しても、電極基板の白表示部及び黒表示部にVHとして+60Vを500ms印加しても、表示が変わることはなかった。
(実施例3、図4〜図6準拠)
上記実施例1において、インク封止フィルム30上に、アクリル系樹脂製の感光性樹脂シートを貼合、UVによる露光、アルカリ現像して、絶縁性の構造体からなる複数の格子状のセル(高さ20μm、ピッチ300μm、ギャップ20μm、開口率87%)を上記インク封止フィルム30の30×30cmの範囲に形成した。このセル内に、上記実施例1の電気泳動インクをコーターにより充填した。さらに上記セルの外周部(表示エリア)にUV硬化樹脂をディスペンサを用いて滴下して、シール部を形成した。このようにして得られた前記電気泳動インクを充填した電極基板に、インク封止フィルム30の一端を合わせた後、対向に設置されたローラー間を通すことで貼り合わせ、その後、シール部にUVを照射して硬化させて、電気泳動表示媒体シートを得た。なお、インク封止フィルム30の体積固有抵抗をインピーダンス測定装置ハイレスタ(三菱化学アナリテック社製)を用いて測定すると、測定電圧100Vでは5.0E9Ω・cmであり、インク封止フィルムの抵抗値を上記実施例1と同様にして算出等すると、フィルムの抵抗値はインクの抵抗値の約2.72倍となった。
(実施例3の電気泳動表示媒体の性能評価)
上記実施例3で得られた各電気泳動表示媒体シートの表示エリア内には気泡の混入は無く、電極とインク封止フィルムの間隔は均一であった。
更に、得られた電気泳動表示媒体シートにセグメント電極基板(PENフィルムに銅を積層し、エッチングによりパターンを形成)を電気泳動表示シートの封止フィルム面に接触させ、100℃に熱したアイロンを電気泳動表示シート側から押し当てて接着して電気泳動表示媒体を得た。
得られた電気泳動表示媒体を用いての共通電極にVmidとして0V、電極基盤の白表示部にVLとして−60V、黒表示部にVHとして+60Vを500ms印加した所、表示が得られた。分光測色計SC−T(スガ試験機社製)にて測定した所、白反射率は36.2%、黒反射率は4.5%と良好な値が得られた。
10 電極基板
11 基材
12 電極層
13 基材
14 電極層
15 構造体
16 シール部
20 電気泳動インク
30 インク封止フィルム
40 熱源
本発明の電気泳動表示媒体用シート及びこれを用いた電気泳動表示媒体は、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、電子値札、電子棚札、電子広告、モナイル機器の表示部等の用途に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 光透過性を有する基板と、電気泳動インクと、基板に対向配置され電気泳動インクを封止するインク封止フィルムと、基板とインク封止フィルム間に形成された構造体とを有する電気泳動表示媒体用シートであって、上記インク封止フィルムは少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなることを特徴とする電気泳動表示媒体用シート。
  2. 一対のインク封止フィルムと、電気泳動インクと、該電気泳動インクを対向配置される一対のインク封止フィルムにより封止すると共に、インク封止フィルム間に形成された構造体とを有する電気泳動表示媒体用シートであって、上記一対のインク封止フィルムは少なくとも熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物から構成され、上記インク封止フィルムの抵抗値が、上記電気泳動インクの抵抗値の10倍以下となる熱可塑性樹脂フィルムからなることを特徴とする電気泳動表示媒体用シート。
  3. インク封止フィルムは、体積固有抵抗が1×1011Ω・cm以下となることを特徴とする請求項1又は2記載の電気泳動表示媒体用シート。
  4. 高分子型帯電防止剤はポリエチレンオキシド(PEO)鎖を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シート。
  5. 高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物には、更に導電性化合物が含有されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シート。
  6. 導電性化合物がイオン導電性化合物であることを特徴とする請求項5に記載の電気泳動表示媒体用シート。
  7. 上記インク封止フィルムの厚さが、1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シート。
  8. 請求項1〜7の何れか一つに記載の電気泳動表示媒体用シートのインク封止フィルム上には電極層を有する基板を、接着層を介することなく積層されていることを特徴とする電気泳動表示媒体。
  9. 上記インク封止フィルムと電極層を有する基板とは熱融着により積層されていることを特徴とする請求項8記載の電気泳動表示媒体。
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