JP2016025321A - エッチング液組成物およびエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングすることが可能であり、かつ、エッチング中におけるInを含む金属酸化物層の損傷を低減させることが可能なエッチング液組成物およびこれを用いたエッチング方法を提供する。
【解決手段】
本発明のエッチング液組成物は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングするためのエッチング液組成物であって、フッ素化合物と、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、酸性である。
【選択図】なし
TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングすることが可能であり、かつ、エッチング中におけるInを含む金属酸化物層の損傷を低減させることが可能なエッチング液組成物およびこれを用いたエッチング方法を提供する。
【解決手段】
本発明のエッチング液組成物は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングするためのエッチング液組成物であって、フッ素化合物と、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、酸性である。
【選択図】なし
Description
本発明は、エッチング液組成物、特にフラットパネルディスプレイのゲート、ソースおよびドレイン電極に使用される金属積層膜のエッチングに用いられるエッチング液組成物に関する。
従来、フラットパネルディスプレイ(FPD)の分野においては、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル材料として、大型テレビ用液晶パネル(LCD)等には、アモルファスシリコン(a−Si)が、小型高精細LCDや有機ELディスプレイ(OLED)等には、低温ポリシリコン(LT p−Si)が用いられてきた。しかしながら、近年、電子機器の小型化、軽量化および低消費電力化が進む中で、チャネル材料として、これらのアモルファスシリコンや低温ポリシリコンに替えて酸化物半導体の導入が検討されている。
酸化物半導体としては、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)および亜鉛(Zn)より構成されるIGZOが実用化されている。IGZOは、低温で成膜したアモルファス状態でも高い電子移動度(〜10cm2/(V・S))、優れた駆動安定性、均一性を示す。また、IGZOで構成された膜は、200℃以下で成膜出来るため、プラスチック基板上への成膜が可能であり、当該膜をOLEDのTFTのチャネル材料として用いることでフレキシブルディスプレイの実現が可能であることが非特許文献1において示されている。
IGZOに加えて、IZO、ITOなどのInを含む金属酸化物半導体は、特性に応じて太陽電池材料、発光ダイオード材料、ワイドバンドギャップ材料、抵抗変化メモリ材料への応用が期待され、多くの用途があり大変注目されている材料である。
また、FPD中のゲート、ソース及びドレイン電極には、電極配線としてAlが用いられることが多い。Alを電極配線として使用する際には、Alの酸化防止、拡散防止などの目的でバリアメタルとしてチタン(Ti)、モリブデン(Mo)が主に使用されており、Al配線の下部、または上部と下部の両方に成膜、配置される。バリアメタルとしては、コストメリットの観点からTiが好ましい。
ゲート、ソース及びドレイン電極をパターニングするためのエッチング加工の方法としては、ウェットエッチングとドライエッチングの2種類が知られている。ドライエッチング処理は、高精細パタンの加工に有効であるが、装置導入によるコスト高、エッチング処理後のダスト発生による歩留り低下、などの問題がある。一方、ウェットエッチング処理については、高精細パタンの加工は困難ではあるが、ドライエッチングほどの高価な装置を必要としないのでコストメリットがあり、歩留り向上も期待できる。
TiまたはTiを主成分とする合金からなる層およびAlまたはAlを主成分とする合金からなる層を有する金属積層膜のウェットエッチングに使用される薬液と、当該薬液を用いたエッチング方法が、特許文献1〜3において示されている。
三浦建太郎、上田知正、山口一、「軽くて薄いシートディスプレイを実現する酸化物半導体TFT」、東芝レビュー、2012年、67巻、1号、34〜37頁
ところで、上述したように、最近では薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル材料として、a−Siに替えてIGZOが使用されることが多く、この場合薄膜トランジスタは、ソース及びドレイン電極の下地にIGZOが存在する構造を有する。特許文献1〜3において開示されたエッチング液は、エッチング対象の積層膜の下地がa−Siである場合には、当該下地を浸食することはない。しかしながら、IGZOは酸性領域で溶解しやすい性質を有する一方で、特許文献1〜3においては、IGZOが下地として存在する場合についての検討を行っていない。
ソース及びドレイン電極の下地にIGZOが存在する場合、すなわち薄膜トランジスタがTi/Al/Ti/IGZO、Al/Ti/IGZOなどの積層膜の構造を有する場合には、同薄膜トランジスタをIGZOの上のTi/Al/Ti層、Al/Ti層をウェットエッチングを用いて処理する際にIGZOを、エッチング液により損傷させやすい。したがって、IGZOの上のTi/Al/Ti層、Al/Ti層をウェットエッチングで処理をする際に、IGZOの上にキャップ膜が必要となり、工程、コストが増大してしまう。また、ドライエッチング処理でも薄膜トランジスタの製造は可能であるが、上述したように、同処理においては、装置導入によるコスト高、エッチング処理後のダスト発生による歩留り低下、などの問題がある。
これらの問題を解決するために、下地のInを含む金属酸化物膜に損傷を与えることなく、上部の金属積層膜のみを一括エッチングすることが可能な薬液、および方法が求められている。
したがって、本発明の目的は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングすることが可能であり、かつ、エッチング中におけるInを含む金属酸化物層の損傷を低減させることが可能なエッチング液組成物および当該エッチング液組成物を用いたエッチング方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討する中で、Ti系金属およびAl系金属で構成される金属積層膜を好適に一括エッチングできるフッ素化合物を含む酸性水溶液に、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上を添加することで、Inを含む金属酸化物層の損傷を抑制できること、さらにリンのオキソ酸を含有する場合は、他の成分と組み合わせることにより上記損傷抑制効果を顕著なものとしつつ、かつTi系金属層およびAl系金属層に対するエッチング性能を損なわないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1) TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングするためのエッチング液組成物であって、
フッ素化合物と、
リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、
酸性である、前記エッチング液組成物。
(2) フッ素化合物として、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸およびテトラフルオロホウ酸からなる群から選択される1種または2種以上を含む、(1)に記載のエッチング液組成物。
(3) 金属塩として、鉄塩、ジルコニウム塩、スズ塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩からなる群から選択される1種または2種以上を含む、(1)または(2)に記載のエッチング液組成物。
(4) アルカリ金属塩が、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カリウムである、(3)に記載のエッチング液組成物。
(5) 有機溶剤として、アルコール化合物および/またはカルボン酸化合物を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(1) TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングするためのエッチング液組成物であって、
フッ素化合物と、
リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、
酸性である、前記エッチング液組成物。
(2) フッ素化合物として、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸およびテトラフルオロホウ酸からなる群から選択される1種または2種以上を含む、(1)に記載のエッチング液組成物。
(3) 金属塩として、鉄塩、ジルコニウム塩、スズ塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩からなる群から選択される1種または2種以上を含む、(1)または(2)に記載のエッチング液組成物。
(4) アルカリ金属塩が、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カリウムである、(3)に記載のエッチング液組成物。
(5) 有機溶剤として、アルコール化合物および/またはカルボン酸化合物を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(6) アンモニウム塩として、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウムからなる群から選択される1種または2種以上を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(7) 金属酸化物層が、Zn、Al、Ga、Snからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(8) pHが、4.0以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(9) さらに、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸および過塩素酸からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上の酸を含む(1)〜(8)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(10) TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを、エッチング液組成物を用いて一括エッチングするステップを有し、
ここで、前記エッチング液組成物が、フッ素化合物と、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、酸性である、金属積層膜のエッチング方法。
(7) 金属酸化物層が、Zn、Al、Ga、Snからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(8) pHが、4.0以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(9) さらに、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸および過塩素酸からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上の酸を含む(1)〜(8)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(10) TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを、エッチング液組成物を用いて一括エッチングするステップを有し、
ここで、前記エッチング液組成物が、フッ素化合物と、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、酸性である、金属積層膜のエッチング方法。
本発明によれば、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングすることが可能であり、かつ、エッチング中におけるInを含む金属酸化物層の損傷を低減させることが可能なエッチング液組成物および当該エッチング液組成物を用いたエッチング方法を提供することができる。
従来の金属積層膜用エッチング液は酸性を呈するため、同エッチング液によるInを含む金属酸化物層の損傷が著しく大きいという問題があった。しかしながら、特定の添加剤を加えることにより、上記損傷の抑制が可能となり、結果としてエッチング工程による薄膜半導体層としての金属酸化物の半導体特性に与える影響を最小限に留めることができ、例えば、フラットパネルディスプレイの表示において金属酸化物に所望される特性を十分に発揮することができる。また、添加剤を加えた本発明のエッチング液組成物は従来のエッチング液と比較してエッチング性能が同等であるため、十分にTi含有層とAl含有層とを一括エッチングすることができる。このため、本発明のエッチング液組成物を用いることにより、ドライエッチングとの組み合わせや複数回エッチング処理等の製造工程の複雑化、増長化を回避し、製造工程のコスト低減に寄与できる。
以下、本発明を好適な実施態様に基づき詳細に説明する。
本発明のエッチング液組成物は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングするためのエッチング液組成物であって、
フッ素化合物と、
リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、
酸性である、前記エッチング液組成物である。
以下、エッチング液組成物の各成分について詳細に説明する。
本発明のエッチング液組成物は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングするためのエッチング液組成物であって、
フッ素化合物と、
リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、
酸性である、前記エッチング液組成物である。
以下、エッチング液組成物の各成分について詳細に説明する。
エッチング液組成物に含まれるフッ素化合物としては、例えば、フッ化水素酸、ヘキサフルオロケイ酸およびテトラフルオロホウ酸、またはこれらの金属塩もしくはアンモニウム塩が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。なお、フッ素化合物が金属塩である場合には、金属塩は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩であることができる。フッ素化合物としては、より具体的には、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化水素アンモニウム、フッ化水素カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウムが挙げられる。
上述した中でも、エッチング液組成物は、フッ素化合物として、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸、テトラフルオロホウ酸からなる群から選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。
さらに、エッチング液組成物に含まれるフッ素化合物として、フッ化水素酸および/またはフッ化アンモニウムを含むことが好ましく、特にフッ化アンモニウムは、エッチング中においてInを含む金属酸化物層の損傷がより確実に抑制されるため好ましい。
さらに、エッチング液組成物に含まれるフッ素化合物として、フッ化水素酸および/またはフッ化アンモニウムを含むことが好ましく、特にフッ化アンモニウムは、エッチング中においてInを含む金属酸化物層の損傷がより確実に抑制されるため好ましい。
エッチング液組成物中におけるフッ素化合物の濃度は、特に限定されないが、例えば、0.01〜5.0質量%、好ましくは0.05〜1.0質量%、より好ましくは0.05〜0.35質量%とすることができる。エッチング液組成物中のフッ素化合物の濃度が5.0質量%以下であれば、金属積層膜を担持する基板の材料、例えばガラスの損傷をより確実に抑制することが可能である。一方で、エッチング液組成物中のフッ素化合物の濃度が0.05質量%以上であれば、Ti含有層のエッチング速度が十分であり、金属積層膜のエッチング処理時間が増大する問題もない。
また、エッチング液組成物は、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上を含む。これにより、エッチング液組成物によるInを含む金属酸化物層に対するエッチング速度を低下させることができ、エッチング中におけるInを含む金属酸化物層の損傷を好適に防止することができる。
エッチング液組成物に含まれ得るリンのオキソ酸としては、特に限定されないが、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、ペルオキソ一リン酸、ピロリン酸等が挙げられる。上述した中でも、金属積層膜のエッチング性能を向上させることができることから、リンのオキソ酸としてはリン酸が好ましい。
エッチング液組成物中におけるリンのオキソ酸の濃度は、特に限定されないが、0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.005〜0.4質量%であることがより好ましい。リンのオキソ酸の濃度が上記範囲内であると、Inを含む金属酸化物層の損傷防止効果を十分に得ることができ、さらにTi含有層のエッチングの均一性が大きく損なわれることもない。
エッチング液組成物中におけるリンのオキソ酸の濃度は、特に限定されないが、0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.005〜0.4質量%であることがより好ましい。リンのオキソ酸の濃度が上記範囲内であると、Inを含む金属酸化物層の損傷防止効果を十分に得ることができ、さらにTi含有層のエッチングの均一性が大きく損なわれることもない。
エッチング液組成物に含まれ得る金属塩としては、特に限定されないが、エッチング液組成物中に溶解して金属イオンを放出するものを適宜用いることができる。金属塩に含まれ得る金属イオンとしては、特に限定されないが、例えば、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Fr+等のアルカリ金属イオン、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+等のアルカリ土類金属イオン、Fe2+、Fe3+、Zr4+、ZrO2+等の遷移金属を含む金属イオン、Sn2+等の12〜14族の金属元素を含む金属イオン等が挙げられる。
また、金属塩中の金属イオンの対イオンとしては、特に限定されないが、例えば、酢酸イオン、シュウ酸イオン、ギ酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、炭酸イオン等の有機酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、塩酸イオン、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、フッ酸イオン、臭素酸イオン、臭化水素酸イオン、ヨウ化水素酸イオン、ヨウ素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、オルト過ヨウ素酸イオン、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、ホスフィン酸イオン、ホスホン酸イオン、ペルオキソ一リン酸イオン、ピロリン酸イオン、ケイ酸イオン、オルトケイ酸イオン、メタケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の無機陰イオン等が挙げられる。
また、金属塩中の金属イオンの対イオンとしては、特に限定されないが、例えば、酢酸イオン、シュウ酸イオン、ギ酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、炭酸イオン等の有機酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、塩酸イオン、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、フッ酸イオン、臭素酸イオン、臭化水素酸イオン、ヨウ化水素酸イオン、ヨウ素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、オルト過ヨウ素酸イオン、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、ホスフィン酸イオン、ホスホン酸イオン、ペルオキソ一リン酸イオン、ピロリン酸イオン、ケイ酸イオン、オルトケイ酸イオン、メタケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の無機陰イオン等が挙げられる。
また、エッチング液組成物は、金属塩として、鉄塩、ジルコニウム塩、スズ塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩からなる群から選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。特に鉄塩はTi含有層のエッチングの均一性及びエッチング速度を向上させることができ、金属積層膜のエッチング特性の向上に有効であるため好ましい。
具体的には、鉄塩としては、硝酸鉄、例えば、酢酸鉄、塩化鉄、リン酸鉄、硫酸鉄等が挙げられる。また、ジルコニウム塩としては、例えば、硝酸酸化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム、硫酸酸化ジルコニウム等が挙げられる。また、スズ塩としては、例えば、酢酸スズ、塩化スズ、硫酸スズ等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、酢酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、過塩素酸カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えば、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等が挙げられる。
具体的には、鉄塩としては、硝酸鉄、例えば、酢酸鉄、塩化鉄、リン酸鉄、硫酸鉄等が挙げられる。また、ジルコニウム塩としては、例えば、硝酸酸化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム、硫酸酸化ジルコニウム等が挙げられる。また、スズ塩としては、例えば、酢酸スズ、塩化スズ、硫酸スズ等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、酢酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、過塩素酸カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えば、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等が挙げられる。
上述した中でも、エッチング液組成物は、鉄塩として、特に、硝酸鉄、酢酸鉄および/または塩化鉄を含むことが好ましい。これにより、Inを含む金属酸化物層の損傷を抑制でき、かつTi系金属およびAl系金属からなる金属積層膜のエッチング特性を向上させることが可能である。
上述した中でも、エッチング液組成物は、ジルコニウム塩として、特に、硝酸酸化ジルコニウムを含むことが好ましい。これによりInを含む金属酸化物層の損傷を抑制できる。
上述した中でも、エッチング液組成物は、スズ塩として、特に、酢酸スズを含むことが好ましい。これにより、Inを含む金属酸化物層の損傷を抑制できる。
上述した中でも、エッチング液組成物は、ジルコニウム塩として、特に、硝酸酸化ジルコニウムを含むことが好ましい。これによりInを含む金属酸化物層の損傷を抑制できる。
上述した中でも、エッチング液組成物は、スズ塩として、特に、酢酸スズを含むことが好ましい。これにより、Inを含む金属酸化物層の損傷を抑制できる。
また、エッチング液組成物は、アルカリ金属塩として、特に、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カリウムを含むことが好ましい。これにより、Inを含む金属酸化物層の損傷を抑制できる。
また、エッチング液組成物は、アルカリ土類金属塩として、特に、酢酸カルシウムおよび/または酢酸マグネシウムを含むことが好ましい。これにより、Inを含む金属酸化物層の損傷を抑制できる。
また、エッチング液組成物は、アルカリ土類金属塩として、特に、酢酸カルシウムおよび/または酢酸マグネシウムを含むことが好ましい。これにより、Inを含む金属酸化物層の損傷を抑制できる。
エッチング液組成物中の金属塩の濃度は、特に限定されないが、例えば0.005〜5.0質量%、好ましくは0.02〜1.0質量%、より好ましくは0.02〜0.5質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、金属塩のエッチング液組成物中における析出を防止しつつ、Inを含む金属酸化物層の損傷を防止することができる。
また、特に金属塩として、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を用いる場合、エッチング液組成物中の金属塩の濃度は例えば0.01〜5.0質量%、好ましくは0.05〜1.0質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、金属積層間のエッチング処理の時間を比較的短いものとしつつ、Inを含む金属酸化物層の損傷を防止することができる。
エッチング液組成物に含まれ得る有機溶剤としては、水と相溶するものであれば、特に限定されず、任意の有機溶剤を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。有機溶剤としては、アルコール化合物、カルボン酸化合物、ケトン化合物、エーテル化合物、有機硫黄化合物、含窒素五員環化合物、アミド化合物、アミン化合物およびイミド化合物等が挙げられる。
アルコール化合物としては、特に限定されないが、例えば、炭素数が1〜10、好ましくは1〜6であるアルコールが挙げられる。これらは飽和もしくは不飽和、または直鎖状、分枝鎖状もしくは環状のいずれの構造であってもよく、一価または多価アルコールであってもよい。アルコール化合物の好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコール、tert−アミルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール等の炭素数が1〜10、好ましくは2〜6の直鎖または分岐一価アルコール;1−シクロペンタノール、1−シクロヘキサノール等の環状アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数が2〜6の直鎖または分岐アルキレングリコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の前記アルキレングリコールのオリゴマー(例えば重合度2〜10、好ましくは2〜4);1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−プロパントリオール(グリセリン)、1,2,3−ヘキサントリオール等のトリオール化合物等が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、液状をなし水と相溶するものであれば特に限定されないが、例えば、炭素数が1〜5である脂肪族カルボン酸が挙げられる。具体的には、カルボン酸化合物として、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等が挙げられる。
ケトン化合物としては、特に限定されないが、例えば炭素数が3〜10であるケトン化合物が挙げられ、ケトン化合物の好ましい具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、4−ヒドロキシ−2−メチルペンタノン等の鎖状ケトン化合物、シクロヘキサノン等の環状ケトン化合物、γ−ブチロラクトン等の環状エステル化合物、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の炭酸エステル化合物等が挙げられる。
エーテル化合物としては、特に限定されないが、例えば水溶性のエーテル化合物が挙げられ、エーテル化合物の好ましい具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
有機硫黄化合物としては、特に限定されないが、例えばジメチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド、メルカプトコハク酸等のメルカプト基含有化合物、2,2’−チオ二酢酸等が挙げられる。
含窒素五員環化合物としては、特に限定されないが、例えばピロリジノン、イミダゾリジノン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアゾール等、またはそれらの誘導体が挙げられる。含窒素五員環化合物の好ましい具体例としては、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、2−ピロリジノン、ポリビニルピロリジノン、1−エチル−2−ピロリジノン等のピロリジノン化合物や、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−イミダゾリジノン、2−イミノ−1−メチル−4−イミダゾリジノン、1−メチル−2−イミダゾリジノン、2,5−ビス(1−フェニル)−1,1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−4,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2,5−ビス(1−ナフチル)−4,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
アミド化合物はアミド基を有するものであれば特に限定されない。また、アミド化合物は、さらにニトロ基、フェニル基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。アミド化合物の好ましい具体例としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、アクリルアミド、アジポアミド、アセトアミド、2-アセトアミドアクリル酸、4−アセトアミド安息香酸、2−アセトアミド安息香酸メチル、アセトアミド酢酸エチル、4−アセトアミドフェノール、2−アセトアミドフルオレイン、6−アセトアミドヘキサン酸、p−アセトアミドベンズアルデヒド、3−アセトアミドマロン酸ジエチル、4-アセトアミド酪酸、アミド硫酸、アミド硫酸アンモニウム、アミドール、3−アミノベンズアミド、p−アミノベンゼンスルホンアミド、アントラニルアミド、イソニコチンアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-イソプロピル−1−ピペラジンアセトアミド、ウレアアミドリアーゼ、2-エトキシベンズアミド、エルシルアミド、オレイン酸アミド、2-クロロアセトアミド、グリシンアミド塩酸塩、コハク酸アミド、コハク酸ジアミド、サリチルアミド、2−シアノアセトアミド、2−シアノチオアセトアミド、ジアセトアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルイソブチルアミド、N,N−ジエチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルドデカン酸アミド、N,N−ジエチルニコチンアミド、ジシアノジアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジブロピルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、ステアリン酸アミド、スルファニルアミド、スルファベンズアミド、スルファミド酸、ダンシルアミド、チオアセトアミド、チオイソニコチンアミド、チオベンズアミド、3−ニトロベンズアミド、2−ニトロベンズアミド、2−ニトロベンゼンスルホンアミド、3−ニトロベンゼンスルホンアミド、4−ニトロベンゼンスルホンアミド、ピロリンアミド、ピラジンアミド、2−フェニルブチルアミド、N−フェニルベンズアミド、フェノキシアセトアミド、フタルアミド、フタルジアミド、フマルアミド、N−ブチルアセトアミド、n−ブチルアミド、プロパンアミド、プロピオンアミド、ヘキサン酸アミド、ベンズアミド、ベンゼンスルホンアミド、ホルムアミド、マロンアミド、マロンジアミド、メタンスルホンアミド、N−メチルベンズアミド、N−メチルマレインアミド酸、ヨードアセトアミド等が挙げられる。
アミン化合物の好ましい具体例としては、特に限定されないが、例えば尿素、グリシン、イミノニ酢酸、N−アセチルエタノールアミン、N−アセチルジフェニルアミン、アリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルシクロヘキシルアミン、イソアリルアミン、イソブチルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、エタノールアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、N−エチルエタノールアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、N−エチル−n−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、N−エチルベンジルアミン、N−エチルメチルアミン、エチレンジアミン硫酸塩、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸三カリウム三水和物、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム二水和物、エチレンジアミン、エトキシアミン塩酸塩、ジアリルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、ジエタノールアミン塩酸塩、ジエチルアミン、ジエチルアミン塩酸塩、ジエチレントリアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、ジフェニルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアリルアミン、スクシアミン酸、ステアリルアミン、ステアリルアミン塩酸塩、スルファミン酸、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、トリイソプロパノールアミン、トリイソペンチルアミン、トリエチレンジアミン、トリファニルアミン、トリベンジルアミン、トリメチレンジアミン、モノエタノールアミン、モノエタノールアミン塩酸塩等が挙げられる。
イミド化合物の好ましい具体例としては、特に限定されないが、例えばコハク酸イミド、ヒドロキシスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、N−アクリロキシスクシンイミド、N−アセチルフタルイミド、3−アミノフタルイミド、4−アミノフタルイミド、N−アミノフタルイミド、イミド尿素、N−エチルフタルイミド、N−エチルマレイミド、N−カルベトキシフタルイミド、カルボジイミド、N−クロロコハク酸イミド、シクロキシイミド、2,6−ジクロロキノンクロロイミド、3,3−ジメチルグルタルイミド、1,8−ナフタルイミド、3−ニトロフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、フタルイミドカリウム、マレイン酸イミド、N−メチルコハク酸イミド、ヨードスクシンイミド等の鎖状または環状のイミド化合物等が挙げられる。
エッチング液組成物は、上述した中でも、アルコール化合物および/またはカルボン酸化合物を含むことが好ましい。
特に、エッチング液組成物は、アルコール化合物としては、炭素数が2〜6の直鎖または分岐アルキレングリコール、当該アルキレングリコールのオリゴマーおよび/またはトリオール化合物を含むことが好ましく、炭素数が2〜6の直鎖または分岐アルキレングリコールを含むことがより好ましく、エチレングリコールを含むことがさらに好ましい。このような化合物は、レジストを溶解しにくく、また、酸化剤として作用する硝酸等が共存した場合の安定性にも優れている。
また、エッチング液組成物は、カルボン酸化合物としては、特に酢酸を含むことが好ましい。
特に、エッチング液組成物は、アルコール化合物としては、炭素数が2〜6の直鎖または分岐アルキレングリコール、当該アルキレングリコールのオリゴマーおよび/またはトリオール化合物を含むことが好ましく、炭素数が2〜6の直鎖または分岐アルキレングリコールを含むことがより好ましく、エチレングリコールを含むことがさらに好ましい。このような化合物は、レジストを溶解しにくく、また、酸化剤として作用する硝酸等が共存した場合の安定性にも優れている。
また、エッチング液組成物は、カルボン酸化合物としては、特に酢酸を含むことが好ましい。
エッチング液組成物中における有機溶剤の濃度は、5〜60質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましい。有機溶剤の濃度が前記上限値以下であれば、レジスト損傷の発生、金属積層膜の処理時間増大、硝酸などの酸化剤として作用する酸との反応、などの問題を避けることが可能である。また、有機溶剤の濃度が前記下限値以上であれば、Inを含む金属酸化物層の損傷防止効果を十分に得ることができる。
エッチング液組成物に含まれ得るアンモニウム塩としては、特に限定されないが、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。特に硝酸アンモニウムは、多量に添加してもエッチング速度に影響を与えにくく、結果として金属積層膜のエッチング処理時間が変化しないため好ましい。
エッチング液組成物中のアンモニウム塩の濃度は、特に限定されないが、5〜40質量%であることが好ましい。上記範囲内であると、エッチング速度に影響を与えて金属積層膜のエッチング処理時間が増大すること、および固形物の発生を防止しつつ、Inを含む金属酸化物層の損傷を防止することができる。
エッチング液組成物に含まれ得る第四級アンモニウム化合物としては、特限定されないが、例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウムや、フッ化テトラアルキルアンモニウム、塩化テトラアルキルアンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム等のハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が挙げられる。水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびハロゲン化テトラアルキルアンモニウムのアルキル基の炭素数は、例えば、1〜5、好ましくは、1〜3であることができる。特に、第4級アンモニウムとしては、水酸化テトラアルキルアンモニウムが好ましく、水酸化テトラメチルアンモニウムがより好ましい。
エッチング液組成物中の第四級アンモニウム化合物の濃度は、特に限定されないが、1.0〜40.0質量%であることが好ましく、10.0〜15.0質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、pH調整のための酸の添加量を比較的少なくすることができるとともに、Inを含む金属酸化物層の損傷を防止することができる。
エッチング液組成物中の第四級アンモニウム化合物の濃度は、特に限定されないが、1.0〜40.0質量%であることが好ましく、10.0〜15.0質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、pH調整のための酸の添加量を比較的少なくすることができるとともに、Inを含む金属酸化物層の損傷を防止することができる。
また、上述したように、エッチング液組成物は、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上含むものであるが、これらのうち2成分以上の添加剤を含む場合、同一種の化合物から2成分以上含むものであってもよいし、また異なる種類の成分を含むものであってもよい。
特に、異なる種類の成分を含む場合、エッチング液組成物は、リンのオキソ酸と、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを組み合わせて含むことが好ましい。
また、エッチング液組成物は、リンのオキソ酸以外の酸を含んでいてもよい。これにより、エッチング液組成物のpHを調節することが可能である。このような酸としては、特に限定されないが、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、臭化水素酸、臭素酸、ヨウ化水素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、オルト過ヨウ素酸、亜硫酸、チオ硫酸、ペルオキソ二硫酸、ケイ酸、オルトケイ酸、メタケイ酸、炭酸、ホウ酸等が挙げられる。上述した中でも、エッチング液組成物は、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸および過塩素酸からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上の酸を含むことが好ましい。特に硝酸は、酸化剤としても作用し、Ti含有層を均一にエッチングすることに寄与できるため好ましい。
エッチング液組成物中のリンのオキソ酸以外の酸の濃度は、特に限定されないが、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量%であることが好ましい。酸の濃度が前記上限値を超えると、エッチング液組成物の組成によっては、Inを含む金属酸化物の損傷が増加するのみならず、金属積層膜に対するエッチング特性が低下する場合がある。一方で、酸の濃度が前記下限値未満であると、Ti含有層、Al含有層に対するエッチング速度が低下する場合があり、金属積層膜のエッチングにかかる処理時間が増大する場合がある。
なお、エッチング液組成物は、上述した各成分に加え、水を含む。エッチング液組成物中の水の含有量は、上述した各成分の残余とすることができるが、例えば、40.00〜99.9質量%である。
また、エッチング液組成物は、酸性であればよいが、pHが4以下であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。これにより、一定以上のTiの溶解速度が得られ、金属積層膜のエッチングが可能となる。なお、pHは、室温、例えば25℃において測定される。
また、上述したようなエッチング液組成物は、上述した各構成成分を混合することにより調製することができる。
以上のようなエッチング液組成物は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングすることが可能であり、かつ、エッチング中におけるInを含む金属酸化物層の損傷を低減させることが可能である。
次に、本発明のエッチング方法の好ましい実施態様について説明する。
本発明のエッチング方法は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを、エッチング液組成物を用いて一括エッチングするステップを有し、
ここで、前記エッチング液組成物が、フッ素化合物と、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、酸性である、金属積層膜のエッチング方法である。
本発明のエッチング方法は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを、エッチング液組成物を用いて一括エッチングするステップを有し、
ここで、前記エッチング液組成物が、フッ素化合物と、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、酸性である、金属積層膜のエッチング方法である。
本方法に用いるエッチング液組成物としては、上述したような本発明のエッチング液組成物を用いることができる。
また、本方法においてエッチング対象となる金属積層膜は、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含むものである。
また、このような金属積層膜は、通常、ガラス、シリコン、樹脂フィルム等によって構成される基板上に担持されている。
また、このような金属積層膜は、通常、ガラス、シリコン、樹脂フィルム等によって構成される基板上に担持されている。
ここで、「Tiを主成分とする」とは、Tiの含有量が、50質量%以上、好ましくは90質量%以上であることをいい、「Alを主成分とする」とは、Alの含有量が、50質量%以上、好ましくは90質量%以上であることをいう。なお、Ti含有層および/またはAl含有層には、それぞれ主成分以外の金属が含まれてもよい。ここで、主成分以外の金属としては、特に限定されないが、例えば、Zr、Ni、W、Nb、Zn、Mg、Cu、Mn、Si等が挙げられる。
また、Inを含む金属酸化物層は、特に限定されないが、例えば、Zn、Al、GaおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種および2種以上の元素を含む。このようなInを含む金属酸化物層としては、具体的にはIZO(In−Zn−O)、ITO(In−Sn−O)、IGZO(In−Ga−Zn−O)等が挙げられる。
また、Inを含む金属酸化物層は、特に限定されないが、例えば、Zn、Al、GaおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種および2種以上の元素を含む。このようなInを含む金属酸化物層としては、具体的にはIZO(In−Zn−O)、ITO(In−Sn−O)、IGZO(In−Ga−Zn−O)等が挙げられる。
金属積層膜の層構成としては、エッチングを受けるTi含有層またはAl含有層が表層として外部に露出しており、一方で、Inを含む金属酸化物層は、例えば基板側に配置され、外部に露出していないことが好ましい。
具体的な金属積層膜の層構成としては、表層から金属積層膜を担持する基板側へ、Al含有層/Ti含有層/Inを含む金属酸化物層、Ti含有層/Al含有層/Inを含む金属酸化物層、Ti含有層/Al含有層/Ti含有層/Inを含む金属酸化物層等の順で配置されていることができる。
具体的な金属積層膜の層構成としては、表層から金属積層膜を担持する基板側へ、Al含有層/Ti含有層/Inを含む金属酸化物層、Ti含有層/Al含有層/Inを含む金属酸化物層、Ti含有層/Al含有層/Ti含有層/Inを含む金属酸化物層等の順で配置されていることができる。
また、金属積層膜中のTi含有層の厚さは特に限定されないが、例えば、10〜500nm、好ましくは、30〜100nmである。
また、金属積層膜中のAl含有層の厚さは特に限定されないが、例えば、50〜10000nm、好ましくは、200〜500nmである。
また、金属積層膜中のInを含む金属酸化物層の厚さは特に限定されないが、例えば、1〜500nm、好ましくは、30〜100nmである。
また、金属積層膜中のAl含有層の厚さは特に限定されないが、例えば、50〜10000nm、好ましくは、200〜500nmである。
また、金属積層膜中のInを含む金属酸化物層の厚さは特に限定されないが、例えば、1〜500nm、好ましくは、30〜100nmである。
また、本方法におけるエッチング条件は、特に限定されず、例えば、公知のエッチング方法の条件に準じて行うことができる。
金属積層膜とエッチング液組成物との接触方法としては、例えば、容器にエッチング液組成物を満たして金属積層膜を浸漬するディップ方式等が挙げられる。
また、エッチング液組成物を噴霧により、エッチング対象物へ付着させるスプレー方式や、回転するエッチング対象物にノズルよりエッチング液組成物を吐出するスピン方式等を用いてもよい。また、これらとディップ方式とを併用してもよい。
エッチングの時間は、特に限定されず、例えば、30秒〜240秒、好ましくは60〜150秒とすることができる。
また、エッチング温度(ディップ方式においてはエッチング液組成物の温度、スプレー方式、スピン方式においては、エッチング液組成物の温度または金属積層膜の温度)は、特に限定されず、例えば、20〜50℃、好ましくは30〜40℃とすることができる。この際、必要に応じて、ヒーター等の加熱手段や、冷却手段によって、エッチング液組成物、金属積層膜等の温度調節を行ってもよい。
金属積層膜とエッチング液組成物との接触方法としては、例えば、容器にエッチング液組成物を満たして金属積層膜を浸漬するディップ方式等が挙げられる。
また、エッチング液組成物を噴霧により、エッチング対象物へ付着させるスプレー方式や、回転するエッチング対象物にノズルよりエッチング液組成物を吐出するスピン方式等を用いてもよい。また、これらとディップ方式とを併用してもよい。
エッチングの時間は、特に限定されず、例えば、30秒〜240秒、好ましくは60〜150秒とすることができる。
また、エッチング温度(ディップ方式においてはエッチング液組成物の温度、スプレー方式、スピン方式においては、エッチング液組成物の温度または金属積層膜の温度)は、特に限定されず、例えば、20〜50℃、好ましくは30〜40℃とすることができる。この際、必要に応じて、ヒーター等の加熱手段や、冷却手段によって、エッチング液組成物、金属積層膜等の温度調節を行ってもよい。
以上、本発明によれば、TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングすることが可能であり、かつ、エッチング中におけるInを含む金属酸化物層の損傷を低減させることができる。このため、本発明により半導体を形成した場合には、形成された半導体においてInを含む金属酸化物層に所望される特性が十分に発揮できるものとなる。
したがって、本発明にかかるエッチング液組成物およびエッチング方法は、半導体の製造プロセスに用いられるのに適している。特に、本発明は、薄膜トランジスタのゲート、ソースおよびドレイン電極の形成に適している。
このようにして形成された薄膜トランジスタは、表示装置、例えばフラットパネルディスプレイの表示素子として好適に用いることができる。
このようにして形成された薄膜トランジスタは、表示装置、例えばフラットパネルディスプレイの表示素子として好適に用いることができる。
以上、好適な実施態様を挙げて本発明を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜38、Ti/Al/Ti積層膜のエッチング特性]
ガラス基板上にスパッタリング法によりTi(100nm)/Al(360nm)/Ti(50nm)を順次成膜した基板を準備した。次にTi/Al/Ti金属積層膜基板上に、レジストを用いてパターニングし、表1〜3に記載される実施例1〜38に記載のエッチング液に当該基板を浸漬した(温度:40℃、撹拌速度:500rpm、ビーカー体積:100ml、浸漬時間:J.E.T.(ジャストエッチング時間)+30秒、基板サイズ:1cm×1.5〜2cm)。その後、基板を超純水で洗浄し、窒素ブローで乾燥後基板形状を電子顕微鏡にて観察した。結果を表1〜3に示す。なお、pHは、室温のエッチング液について測定したものである。また、表1〜3中、各エッチング液の残余の成分は水とした。
[実施例1〜38、Ti/Al/Ti積層膜のエッチング特性]
ガラス基板上にスパッタリング法によりTi(100nm)/Al(360nm)/Ti(50nm)を順次成膜した基板を準備した。次にTi/Al/Ti金属積層膜基板上に、レジストを用いてパターニングし、表1〜3に記載される実施例1〜38に記載のエッチング液に当該基板を浸漬した(温度:40℃、撹拌速度:500rpm、ビーカー体積:100ml、浸漬時間:J.E.T.(ジャストエッチング時間)+30秒、基板サイズ:1cm×1.5〜2cm)。その後、基板を超純水で洗浄し、窒素ブローで乾燥後基板形状を電子顕微鏡にて観察した。結果を表1〜3に示す。なお、pHは、室温のエッチング液について測定したものである。また、表1〜3中、各エッチング液の残余の成分は水とした。
[比較例1〜3、Ti/Al/Ti積層膜のエッチング特性]
エッチング液の組成を表1〜3に記載の比較例1〜3に記載の組成に替えた以外は、実施例1〜38と同様にして、基板のエッチングを行い、観察を行った。結果を表1〜3に示す。
エッチング液の組成を表1〜3に記載の比較例1〜3に記載の組成に替えた以外は、実施例1〜38と同様にして、基板のエッチングを行い、観察を行った。結果を表1〜3に示す。
[実施例1〜38、Inを含む金属酸化物膜の溶解性]
ガラス基板上にスパッタリング法により、ITO(60nm)、IZO(100nm)、IGZO(70nm)を成膜した各種金属酸化物基板を準備した。次に金属酸化物基板上に、レジストを用いてパターニングし、表1、2に記載の実施例1〜38のエッチング液に金属酸化物基板を浸漬させた(温度:40℃、撹拌速度:500rpm、ビーカー体積:100ml、浸漬時間:10〜15秒(実施例1〜15)、10〜15秒(実施例17〜25)、30〜60(実施例26〜38)、基板サイズ:1cm×1.5〜2cm)。その後、基板を超純水で洗浄し、窒素ブローで乾燥後レジストを剥離して各金属酸化物膜のエッチング量を段差計により測定した。結果を金属酸化物膜のエッチングレート(nm/min)として、表1〜3に示す。
ガラス基板上にスパッタリング法により、ITO(60nm)、IZO(100nm)、IGZO(70nm)を成膜した各種金属酸化物基板を準備した。次に金属酸化物基板上に、レジストを用いてパターニングし、表1、2に記載の実施例1〜38のエッチング液に金属酸化物基板を浸漬させた(温度:40℃、撹拌速度:500rpm、ビーカー体積:100ml、浸漬時間:10〜15秒(実施例1〜15)、10〜15秒(実施例17〜25)、30〜60(実施例26〜38)、基板サイズ:1cm×1.5〜2cm)。その後、基板を超純水で洗浄し、窒素ブローで乾燥後レジストを剥離して各金属酸化物膜のエッチング量を段差計により測定した。結果を金属酸化物膜のエッチングレート(nm/min)として、表1〜3に示す。
[比較例1〜3、Inを含む金属酸化物膜の溶解性]
エッチング液の組成を表1〜3に記載の比較例1〜3に記載の組成に替え、浸漬時間を10秒(比較例1)、30秒(比較例2)、5〜10秒(比較例3)とした以外は、実施例1〜38と同様にして、基板の金属酸化物膜エッチングを行い、測定を行った。結果を表1〜3に示す。
エッチング液の組成を表1〜3に記載の比較例1〜3に記載の組成に替え、浸漬時間を10秒(比較例1)、30秒(比較例2)、5〜10秒(比較例3)とした以外は、実施例1〜38と同様にして、基板の金属酸化物膜エッチングを行い、測定を行った。結果を表1〜3に示す。
表1〜3から明らかなように、本発明の所定の添加剤を含むエッチング液を用いてエッチングすることにより、金属酸化物膜の損傷を抑制でき、エッチング液のエッチング性能を低下させることなくTi/Al/Tiの一括エッチングを行うことが可能であった。このため、本発明のエッチング液を用いて、Ti/Al/Ti/金属酸化物膜の4層が積層された場合に、下地の金属酸化物膜に対して高い選択性を持ちながら、すなわち金属酸化物層の溶解を防止しながら、かつTi/Al/Tiを良好に一括エッチングすることができる。
本発明のエッチング液組成物は、半導体の製造のプロセスにおいて、特に、フラットパネルディスプレイの製造工程において、ゲート、ソースおよびドレイン電極を形成する際の、金属積層膜のエッチング液として使用することが可能である。
Claims (10)
- TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを一括エッチングするためのエッチング液組成物であって、
フッ素化合物と、
リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、
酸性である、前記エッチング液組成物。 - フッ素化合物として、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸およびテトラフルオロホウ酸からなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1に記載のエッチング液組成物。
- 金属塩として、鉄塩、ジルコニウム塩、スズ塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩からなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1または2に記載のエッチング液組成物。
- アルカリ金属塩が、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カリウムである、請求項3に記載のエッチング液組成物。
- 有機溶剤として、アルコール化合物および/またはカルボン酸化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
- アンモニウム塩として、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウムからなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
- 金属酸化物層が、Zn、Al、Ga、Snからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
- pHが、4.0以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
- さらに、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸および過塩素酸からなる群から選択されるいずれか1種または2種以上の酸を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
- TiまたはTiを主成分とする合金からなるTi含有層と、AlまたはAlを主成分とする合金からなるAl含有層と、Inを含む金属酸化物層とを含む金属積層膜のTi含有層とAl含有層とを、エッチング液組成物を用いて一括エッチングするステップを有し、
ここで、前記エッチング液組成物が、フッ素化合物と、リンのオキソ酸、金属塩、有機溶剤、アンモニウム塩および第四級アンモニウム化合物からなる群から選択される1種または2種以上とを含み、酸性である、金属積層膜のエッチング方法。
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