JP2016020204A - 被膜付き自動車用窓ガラス - Google Patents
被膜付き自動車用窓ガラス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016020204A JP2016020204A JP2015154548A JP2015154548A JP2016020204A JP 2016020204 A JP2016020204 A JP 2016020204A JP 2015154548 A JP2015154548 A JP 2015154548A JP 2015154548 A JP2015154548 A JP 2015154548A JP 2016020204 A JP2016020204 A JP 2016020204A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- window glass
- coating liquid
- glass
- nozzle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000000576 coating method Methods 0.000 title claims abstract description 226
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 title claims abstract description 215
- 239000005357 flat glass Substances 0.000 title claims abstract description 131
- 239000011521 glass Substances 0.000 claims abstract description 60
- 239000005871 repellent Substances 0.000 claims description 2
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 abstract description 3
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 141
- 238000000034 method Methods 0.000 description 66
- 239000000243 solution Substances 0.000 description 27
- 238000003860 storage Methods 0.000 description 18
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 16
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 14
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 13
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 6
- 239000003960 organic solvent Substances 0.000 description 4
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 3
- 239000003973 paint Substances 0.000 description 3
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 3
- LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N Ethanol Chemical compound CCO LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 2
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000002087 whitening effect Effects 0.000 description 2
- GRYLNZFGIOXLOG-UHFFFAOYSA-N Nitric acid Chemical compound O[N+]([O-])=O GRYLNZFGIOXLOG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 241001074085 Scophthalmus aquosus Species 0.000 description 1
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N acrylic acid group Chemical group C(C=C)(=O)O NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 239000007864 aqueous solution Substances 0.000 description 1
- WXNRYSGJLQFHBR-UHFFFAOYSA-N bis(2,4-dihydroxyphenyl)methanone Chemical compound OC1=CC(O)=CC=C1C(=O)C1=CC=C(O)C=C1O WXNRYSGJLQFHBR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000005388 borosilicate glass Substances 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000007599 discharging Methods 0.000 description 1
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 1
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 1
- 229910017604 nitric acid Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920000515 polycarbonate Polymers 0.000 description 1
- 239000004417 polycarbonate Substances 0.000 description 1
- 239000005361 soda-lime glass Substances 0.000 description 1
- 238000003756 stirring Methods 0.000 description 1
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 1
- LFQCEHFDDXELDD-UHFFFAOYSA-N tetramethyl orthosilicate Chemical compound CO[Si](OC)(OC)OC LFQCEHFDDXELDD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- BPSIOYPQMFLKFR-UHFFFAOYSA-N trimethoxy-[3-(oxiran-2-ylmethoxy)propyl]silane Chemical compound CO[Si](OC)(OC)CCCOCC1CO1 BPSIOYPQMFLKFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
Description
また、数μm以上の膜厚の被膜が自動車用窓ガラスの面に設けられる場合、該自動車用窓ガラスの上辺近傍の部分の被膜は、窓ガラスを昇降させて繰り返し開閉する際、ドア上部のガラス収納部と擦れることで傷が付いて外観が悪くなることがある。さらに、湾曲した窓ガラスの凹面側に被膜を形成し、且つ被膜が窓ガラスの上辺端部まで存在する被膜付き窓ガラスを、凹面側を下にして加熱炉内に搬送する場合、窓ガラス上辺端部の被膜が加熱された加熱炉のコンベアに接触し、被膜が剥離したり、白化することがある。窓ガラス上辺は自動車に取り付け後も見える部分であり、このような剥離・白化現象は外観品質上大きな問題である。また、特許文献2の方法のように、ガラス板の下辺を上にして該下辺のみから塗布液を供給すると、ガラス板の上辺にまで塗布液が到達してしまうため、前記の外観品質上の問題が生じることがある。
窓ガラス10は、図1(A)に示すように、一方の側辺11(以下、単に「側辺11」という。)が他方の側辺12(以下、単に「側辺12」という。)よりも長く、上辺13が曲線状になっている形状である。また、窓ガラス10の側辺11と下辺14とがなす角度αは90°よりも大きくなっており、側辺12と下辺14とがなす角度βが90°よりも小さくなっている。さらに、窓ガラス10は、図1(B)に示すように、凹面10aが凹状、凸面10bが凸状となるように湾曲している。窓ガラス10は、側辺12側を前、側辺11側を後ろにして、凹面10aが車内側となるように自動車の前部のドアに取り付けられる。窓ガラス10の上辺13は、窓が閉じられた状態では、ドアの上部フレームのガラス収納部内に収納される。窓ガラス10のベルトラインLより下辺14側の領域は、窓ガラスが閉じられた状態でもドア内に収納される。
以下、本発明の被膜付き自動車用窓ガラスの製造方法の一例として、窓ガラス10の凹面10a側に被膜を形成して被膜付き自動車用窓ガラスを得る方法について説明する。
塗布工程においては、図2に示すように、窓ガラス10をその上辺13を上にして立てた状態で保持する。そして、図1(A)に示すように、窓ガラス10の凹面10aにおける上辺13から所定の幅dの領域が、塗布液を塗布しない非塗布領域Aとなるように、凹面10aの非塗布領域A以外の領域Bにフローコート法により塗布液を塗布する。ただし、下辺14近傍をマスク部材によりマスクする場合には、該マスク領域には塗布液は塗布されない。
前記幅dがガラス収納幅以上である場合、自動車のドアの窓を繰り返し開閉しても、領域Bはドアの上部フレームのガラス収納部に収納されなくなる。そのため、領域Bに設けられた被膜は前記ガラス収納部に擦れることがなく、窓を繰り返し開閉しても被膜に傷が付いて外観が悪くなることを抑制できる。また、被膜による機能が充分に得られやすい点から、前記幅dはガラス収納幅にできるだけ近いことが好ましい。
前記幅dがガラス収納幅以下である場合、被膜による機能が充分に得られる。また、領域Bに設けられた被膜がガラス収納部に擦れることを抑制するため、前記幅dはガラス収納幅にできるだけ近いことが好ましい。
被膜の傷付きを抑制するという目的では、前記幅dはガラス収納幅以上であることが好ましい。
具体的には、幅dとガラス収納幅の差は、0mm〜10mmであることが好ましく、0.5mm〜5mmであることがより好ましく、1mm〜3mmであることが特に好ましい。幅dとガラス収納幅の差とは、幅dがガラス収納幅よりも小さい場合、および幅dがガラス収納幅よりも大きい場合のいずれの場合も含む。また、前記幅dとガラス収納幅の差が0mmとは、幅dとガラス収納幅が一致していることを意味する。
方法(i):凹面10aの領域Bへの塗布液の塗布を、側辺11側から開始し、側辺12側で終了する方法。
方法(ii):凹面10aの領域Bへの塗布液の塗布を、側辺12側から開始し、側辺11側で終了する方法。
方法(i)は、図3(A)に示すように、窓ガラス10とノズル20を下記工程(i−1)〜工程(i−3)の順で相対移動させながら塗布液を吐出する方法である。
(i−1)凹面10aの側辺11に沿って、非塗布領域Aの下縁aまでノズル20を上方向に相対移動させる第1工程。
(i−2)凹面10aの非塗布領域Aの下縁aに沿って、側辺11から側辺12までノズル20を相対移動させる第2工程。
(i−3)凹面10aの側辺12に沿って、非塗布領域Aの下縁aから下方向にノズル20を相対移動させる第3工程。
方法(i)における窓ガラス10とノズル20の相対移動は、窓ガラス10の位置を固定してノズル20を移動させてもよく、ノズル20の位置を固定して窓ガラス10を移動させてもよく、窓ガラス10とノズル20を互いに移動させてもよい。なかでも、塗布液の液割れ、塗布液の反対側のガラス面への回り込みを抑制しやすい点から、窓ガラス10の位置を固定してノズル20を移動させることが好ましい。
凹面10aに供給された塗布液は、自重によって凹面10aを下辺14に向かって流れていく。そのため、例えば、工程(i−3)を行わず、工程(i−2)のみで窓ガラス10の凹面10aにおける領域Bに塗布液を塗布しようとすると、側辺12は下辺に行くに従い裾広がりとなっているため、凹面10aの側辺12近傍において、部分的に塗布液が塗布されない塗りもれが生じやすい。また、工程(i−1)を行わず、工程(i−2)のみで窓ガラス10の凹面10aにおける領域Bに塗布液を塗布しようとすると、側辺11は下辺に行くに従いインカーブしているので、窓ガラス10の反対側のガラス面への塗布液の回り込みが生じやすい。
これに対し、方法(i)では、工程(i−1)において側辺11に沿って塗布液が塗布された部分が、側辺11の上部側に供給された塗布液が流れる際、塗布液の流れをガイドする道筋として作用するため、塗布液が側辺11に沿って流れるので、窓ガラス10の反対側のガラス面への塗布液の回り込みを防止できる。また工程(i−3)において側辺12に沿って塗布液を塗布することで、塗り漏れを防ぐことができる。
加えて、工程(i−2)によって領域Bにおける非塗布領域Aの下縁a近傍に供給された塗布液の下辺14への流れは、予め工程(i−1)で塗布された塗布液に沿って流れやすいので、よりスムーズになる。そのため、塗布液の流れが枝分かれすることによる液割れが抑制される。
前記窓ガラス10の水平面に対する傾斜角θとは、窓ガラス10の非塗布面である凸面10bの中央部分に接触する平面と、水平面とがなす角度を意味する。
工程(i−1)と工程(i−3)における窓ガラス10とノズル20の相対移動のベクトルは、垂直方向が主成分であって、水平方向の成分は小さい。一方、工程(i−2)における窓ガラス10とノズル20の相対移動のベクトルは水平方向が主成分である。液割れは水平方向の相対移動速度が大きい程発生しやすいので、工程(i−1)におけるノズル20の相対移動速度v1と、工程(i−2)におけるノズル20の相対移動速度v2と、工程(i−3)におけるノズル20の相対移動速度v3との関係は、相対移動速度v1、v3が相対移動速度v2よりも速いことが好ましい。
前記ノズル20の相対移動速度v1、v2、v3は、各々一定の速度であっても、途中で変化してもよいが、相対移動速度v2は側辺11側が側辺12側よりも遅いことが好ましい。なぜなら、ノズル20から凹面10aに供給された塗布液は、下辺14に向かって流れる距離が長いほど、揮発成分の揮発によって固形分濃度が上昇するので下辺14近傍の流速が低下する。窓ガラス10は、側辺12から側辺11にいくにしたがって高さが高くなっているため、凹面10aの側辺11側の方が塗布液の流れる距離が長い。そのため、工程(i−2)におけるノズル20の相対移動速度v2は、ノズル20が側辺11に近いほど遅いことが好ましい。これにより、高さの高い側辺11側においても、塗布液が下辺14に向かって流れやすくなり、塗布液の流速の低下による液割れが生じ難くなる。
方法(ii)は、図3(B)に示すように、窓ガラス10とノズル20を下記工程(ii−1)〜工程(ii−3)の順で相対移動させながら塗布液を吐出する方法である。
(ii−1)凹面10aの側辺12に沿って、非塗布領域Aの下縁aまでノズル20を上方向に相対移動させる第1工程。
(ii−2)凹面10aの非塗布領域Aの下縁aに沿って側辺12から側辺11までノズル20を相対移動させる第2工程。
(ii−3)凹面10aの側辺11に沿って非塗布領域Aの下縁aから下方向にノズル20を相対移動させる第3工程。
方法(ii)における窓ガラス10とノズル20の相対移動は、方法(i)と同様に、窓ガラス10の位置を固定してノズル20を移動させてもよく、ノズル20の位置を固定して窓ガラス10を移動させてもよく、窓ガラス10とノズル20を互いに移動させてもよい。なかでも、塗布液の液割れ、塗布液の反対側のガラス面への回り込みを抑制しやすい点から、窓ガラス10の位置を固定してノズル20を移動させることが好ましい。
方法(ii)は、窓ガラス10とノズル20の相対移動を開始する位置と終了する位置、すなわち塗布液の塗布を開始する位置と終了する位置が反対である以外は、方法(i)と同じ方法である。方法(ii)によれば、方法(i)と同じ理由で塗布液の塗り斑を抑制できる。
側辺12近傍と側辺11近傍は、工程(ii−1)と工程(ii−3)における窓ガラス10とノズル20の相対移動のベクトルは垂直方向が主成分であり、一方、工程(ii−2)における窓ガラス10とノズル20の相対移動のベクトルは水平方向が主成分である。液割れは水平方向の相対移動速度が大きい程発生しやすいので、工程(ii−1)におけるノズル20の相対移動速度v4と、工程(ii−2)におけるノズル20の相対移動速度v5と、工程(ii−3)におけるノズル20の相対移動速度v6との関係は、相対移動速度v4、v6が相対移動速度v5よりも速いことが好ましい。
また、工程(ii−1)〜(ii−3)におけるノズル20の相対移動速度v4、v5、v6は、各々一定の速度であっても、途中で変化させてもよいが、相対移動速度v5は側辺11に近いほど遅いことが好ましい。これにより、高さの高い側辺11側においても塗布液の液割れが生じ難くなる。ノズル20の相対移動速度v4と、相対移動速度v6は上辺13に近いほど遅いことが好ましい。
窓ガラス10の凹面10aに塗布された塗布液は、有機溶剤等の揮発成分が空気中に揮発し、固形分濃度が上昇して濃縮されながら流れるので、図4(B)に示すように、凹面10aの下辺14側ほど塗布液の厚みが厚くなる傾向がある。この塗布液の厚みの変化は、塗布液が流れる距離が長いほど顕著であるため、側辺12の長さに比べて側辺11の長さが長い窓ガラス10では、側辺11側の方が側辺12側よりも下辺14側の塗布液の厚みが厚くなりやすい。一方、塗布液を塗布してから窓ガラス10が立てられた状態で維持される時間(塗り置き時間)が長いほど、窓ガラス10の下辺14側から塗布液が流れ落ちていくため、凹面10aの下辺14側の塗布液の厚みが薄くなる傾向がある。
方法(i)では、長さがより長い側辺11側に先に塗布液を塗布するので、側辺11側に塗布された塗布液は側辺12側に塗布された塗布液よりも塗り置き時間が長くなり、下辺14側から流れ落ちる量が多くなる。そのため、方法(i)によれば、凹面10aの側辺11側は、側辺12側に比べて塗布液が流れる距離が長いために塗布液の厚みが厚くなりやすい一方で、側辺12側に比べて塗り置き時間が長くなって下辺14側から流れ落ちる塗布液量が多くなるので、塗布液の厚みの増加が小さくなる。そのため、側辺11側と側辺12側の下辺14側の厚みのバランスを取りやすい。
また、ノズル20から、同じ吐出量で塗布液を吐出する場合、前記複合ノズル、スリットノズル等のように吐出される塗布液の幅が広い方が、幅の狭い単一のノズルに比べて、吐出する塗布液の線速度が遅くなるため、特に側辺11側と側辺12側において塗布液が勢い余って凸面10bに回り込んでしまうことを抑制しやすい。
本発明の製造方法における乾燥工程では、塗布液に含まれている有機溶剤等の揮発成分を蒸発させて除去して乾燥する。乾燥工程は、特に限定されず、公知の乾燥工程を採用できる。本発明における乾燥工程としては、例えば、塗布液が塗布された窓ガラス10を一定時間置くことで、凹面10aに塗布した塗布液を仮乾燥する仮乾燥工程と、塗布液が塗布された窓ガラス10を加熱して塗布液を完全に乾燥させる本乾燥工程を有する工程が挙げられる。
塗布液が塗布された窓ガラス10を加熱する方法としては、特に限定されず、例えば、塗布液が塗布された窓ガラス10をコンベア上に載せ、加熱炉内に送ることで加熱する方法が挙げられる。本乾燥工程で凹面を下向きにしてコンベア上に載せる場合、被膜が窓ガラスの上辺端部まで存在すると、窓ガラスの上辺端部の被膜が加熱された加熱炉のコンベアに接触し、塗膜が白化するという外観上の問題が生じる。一方、本発明の製造方法によれば、被膜が窓ガラス10の上辺13端部まで存在しないため、このような外観上の問題は生じない。
本発明では、窓ガラスの上辺側に被膜を形成しない非塗布領域Aを設ける態様とした。これは、窓ガラスにおける非塗布領域Aは、窓を閉じた状態でドアの上部フレーム内に隠れるので、該領域に被膜が形成されていなくても被膜による機能は充分に得られるためである。窓ガラスの非塗布領域Aに被膜を形成しないことで、窓を繰り返し開閉しても、ドアの上部フレームのガラス収納部分と擦れる被膜の領域が小さく、被膜に傷が付いて外観が悪化することを抑制できる。
また、本発明の製造方法では、塗布液は自動車用窓ガラスの少なくとも一方の面に塗布すればよく、窓ガラス10を例にすれば凸面10bのみに塗布液を塗布して被膜を形成してもよく、凹面10aと凸面10bの両方に塗布液を塗布して被膜を形成してもよい。両面に被膜を形成する際は、片面ずつ形成してもよく、両面同時に形成してもよい。
ガラス基板から被膜の一部を削り取り、被膜の存在する部分と被膜の存在しない部分の段差を表面形状測定装置(DEKTAK3、日本真空技術社製)を用いて測定し、その値を被膜の膜厚とした。
塗布液としては、エタノールの40.7g、テトラメトキシシラン17.7g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの6.0g、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの7.6g、純水18.3g、および1%硝酸水溶液の2.4gを混合し、一時間攪拌して調製した紫外線吸収膜形成用塗布液を用いた。
前記紫外線吸収膜形成用塗布液を、方法(i)により、図1に例示した窓ガラス10の凹面10aに塗布した。ノズル20としてシングルノズルを用い、窓ガラス10の位置を固定してノズル20を移動させることで、窓ガラス10とノズル20を相対移動させた。ノズル20の相対移動速度は、工程(i−1)における相対移動速度v1、および工程(i−3)における相対移動速度v3を300mm/秒とした。工程(i−2)におけるノズル20の相対移動速度v2は60mm/秒とした。また、非塗布領域Aの上辺13からの幅dは15mmとした。
該塗布工程では、塗りもれもなく、液割れを抑制して塗布液を塗布できた。また、凸面10bへの塗布液の回り込みもなかった。
塗布液を塗布した窓ガラス10を、凹面10aを下向きにして保持し、その後凹面10aを下向きにしてコンベア上に載せ、加熱炉へと送り窓ガラス10の凹面10a上に紫外線吸収膜を形成した。得られた被膜付き自動車用窓ガラスについて、図5に示すように、凹面10a上に形成した被膜の点ア〜クにおける膜厚を測定した。
各点における被膜の膜厚は、点アが1.55μm、点イが2.74μm、点ウが3.92μm、点エが1.60μm、点オが2.82μm、点カが3.84μm、点キが1.90μm、点クが4.02μmであった。
塗布工程において方法(ii)により塗布液を塗布した以外は、例1と同様にして窓ガラス10の凹面10a上に紫外線吸収膜を形成した。ノズル20の相対移動速度は、工程(ii−1)における相対移動速度v4、および工程(ii−3)における相対移動速度v6を300mm/秒とした。工程(ii−2)におけるノズル20の相対移動速度v5は50mm/秒とした。塗布工程では、塗りもれもなく、液割れを抑制して塗布液を塗布できた。また、凸面10bへの塗布液の回り込みもなかった。
得られた被膜付き自動車用窓ガラスについて、図5に示すように、凹面10a上に形成した被膜の点ア〜クにおける膜厚を測定した。
各点における被膜の膜厚は、点アが1.47μm、点イが3.01μm、点ウが4.98μm、点エが1.48μm、点オが2.81μm、点カが3.92μm、点キが1.44μm、点クが3.05μmであった。
塗布工程において、工程(i−1)および工程(i−3)を行わず、工程(i−2)のみで塗布液を塗布した以外は、実施例1と同様にして窓ガラス10の凹面10a上に紫外線吸収膜を形成した。塗布工程では、凹面10aの側辺11側において塗布液を塗布しない凸面10bへの塗布液の回り込みが生じ、側辺12側に塗りもれが生じた。
10a 凹面
10b 凸面
11、12 側辺
13 上辺
14 下辺
20 ノズル
31 塗布液
A 非塗布領域
B 塗布領域
L ベルトライン
a 非塗布領域の下縁
Claims (6)
- 曲線状となっている上辺と、前記上辺と対向する下辺と、前記下辺となす角度が90°よりも大きい前記第一の側辺と、前記下辺となす角度が90°よりも小さく、前記第一の側辺よりも短い第二の側辺とに囲まれたガラス板と、
前記第一の側辺及び前記第二の側辺に接し、前記上辺と少なくとも所定の幅離れて設けられた第一の被膜とを備え、
前記第一の被膜が最も厚くなる領域が、前記ガラス板の中央よりも前記第二の側辺および前記下辺に近い位置にあることを特徴とする被膜付き自動車用窓ガラス。 - 前記ガラス板は凹面を有するように湾曲しており、前記第一の被膜は前記ガラス板の凹面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の被膜付き自動車用窓ガラス。
- 前記第一の被膜は、下辺側に近いほど厚い請求項1または2に記載の被膜付き自動車用窓ガラス。
- 前記第一の被膜は、紫外線吸収膜、赤外線吸収膜、防曇膜の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被膜付き自動車用窓ガラス。
- 前記ガラス板の凹面に対向する凸面に前記第一の被膜よりも厚さが薄い第二の被膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被膜付き自動車用窓ガラス。
- 前記第二の被膜は、撥水膜であることを特徴とする請求項5に記載の被膜付き自動車用窓ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015154548A JP5867643B2 (ja) | 2015-08-04 | 2015-08-04 | 被膜付き自動車用窓ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015154548A JP5867643B2 (ja) | 2015-08-04 | 2015-08-04 | 被膜付き自動車用窓ガラス |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014042133A Division JP5867529B2 (ja) | 2014-03-04 | 2014-03-04 | 被膜付き自動車用窓ガラス |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015248203A Division JP5983853B2 (ja) | 2015-12-21 | 2015-12-21 | 被膜付き自動車用窓ガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016020204A true JP2016020204A (ja) | 2016-02-04 |
JP5867643B2 JP5867643B2 (ja) | 2016-02-24 |
Family
ID=55265349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015154548A Active JP5867643B2 (ja) | 2015-08-04 | 2015-08-04 | 被膜付き自動車用窓ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5867643B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021020600A (ja) * | 2019-07-29 | 2021-02-18 | 日本板硝子株式会社 | 自動車用窓ガラス |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09141188A (ja) * | 1995-11-22 | 1997-06-03 | Central Glass Co Ltd | 膜の形成法 |
JP2007176771A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 車両用窓ガラス及びその製造方法 |
JP2007176443A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 車両用窓ガラス及びその製造方法 |
-
2015
- 2015-08-04 JP JP2015154548A patent/JP5867643B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09141188A (ja) * | 1995-11-22 | 1997-06-03 | Central Glass Co Ltd | 膜の形成法 |
JP2007176771A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 車両用窓ガラス及びその製造方法 |
JP2007176443A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 車両用窓ガラス及びその製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021020600A (ja) * | 2019-07-29 | 2021-02-18 | 日本板硝子株式会社 | 自動車用窓ガラス |
JP7356838B2 (ja) | 2019-07-29 | 2023-10-05 | 日本板硝子株式会社 | 自動車用窓ガラス |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5867643B2 (ja) | 2016-02-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5494254B2 (ja) | 被膜付き自動車用窓ガラスの製造方法 | |
JP5733197B2 (ja) | 塗膜付き自動車用窓ガラスおよびその製造方法 | |
JP5867529B2 (ja) | 被膜付き自動車用窓ガラス | |
JP5983853B2 (ja) | 被膜付き自動車用窓ガラス | |
US8960123B2 (en) | Coating and curing apparatus and methods | |
TWI515112B (zh) | 光學特性及耐刮性優良的防飛散膜及其製備方法 | |
JP4756732B2 (ja) | 板状塗工物の製造方法及びそれに好適な塗布装置 | |
CH628366A5 (en) | Dyeable coatings and articles provided with such coatings | |
US8613982B2 (en) | Method of producing coated lenses | |
JP5867643B2 (ja) | 被膜付き自動車用窓ガラス | |
JP6579122B2 (ja) | 塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 | |
JP6324932B2 (ja) | 高分子材料をフローコートするための方法 | |
KR100754319B1 (ko) | 사출물에 유브이 경화 및 영구 대전방지성을 처리하기 위한방법 | |
WO2017002592A1 (ja) | 塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 | |
US20150314322A1 (en) | Method of applying a protective coating to substrate edges | |
JP6826285B2 (ja) | 塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 | |
US8962089B2 (en) | Method for the flow coating of a polymeric material | |
JP6826286B2 (ja) | 塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 | |
JP2016055828A (ja) | 窓ガラス及び機能性膜用液の塗布方法 | |
CN113260598B (zh) | 紫外线遮蔽玻璃 | |
JP2005028795A (ja) | 樹脂成形品 | |
JP2021058888A (ja) | 塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 | |
JP2016043744A (ja) | 窓ガラス及びその製造方法 | |
JP2019162567A (ja) | 樹脂製品の製造方法 | |
JP2002088315A (ja) | コーティング組成物および被コーティング物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151221 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5867643 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |