JP2016013815A - 車両用シフト装置 - Google Patents

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【課題】誤操作に対する安全性確保、素早く簡便なレンジ選択、装置の大型化の抑制が可能な車両用シフト装置を提供する。
【解決手段】車両用シフト装置は、シフトレバー10をホーム位置と当該ホーム位置から後方に離れた後方傾動限界位置との間で傾動可能に支持すると共に、傾動後のシフトレバー10をホーム位置に自動的に復帰させる本体部20を備える。シフトレバー10の上端部にノブ11が前後方向に回動可能に支持される。シフトレバー10及びノブ11の操作に基いて変速機のレンジを制御するコントローラが備えられる。コントローラは、シフトレバー10がホーム位置から後方傾動限界位置に傾動操作されたときにレンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態からノブ11が後方に回動操作されたときにレンジをドライブレンジに切り替えるものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両の変速レンジを切り替えるための車両用シフト装置、特に、モメンタリ式の車両用シフト装置に関する。
近年、自動車等の車両用のシフト装置として、シフトレバーのポジションを電気的に検出して変速を行う、いわゆるエレキシフタ装置が知られている。エレキシフタ装置は、機械式の変速機を持たない電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載されることが多かったが、シフトレバーと変速機との機械的な接続が不要でデザイン自由度が高いことから、機械式の変速機を備えた車両、例えばエンジン(内燃機関)のみを動力源とする従来型の自動車にも徐々に搭載されつつある。
エレキシフタ装置は、シフトレバーの操作ストロークに制約がないため、コンパクト化や操作性の向上を図る観点から、モメンタリ式と呼ばれる機構が広く用いられる。例えば、モメンタリ式のエレキシフタ装置は、シフトレバーが直立したホーム位置から所定の方向にシフトレバーが移動操作されると変速機のレンジが変更され、その後シフトレバーから手が放されると、変更後のレンジが維持されたままシフトレバーが自動的にホーム位置に復帰するようになっている。このようなモメンタリ式のエレキシフタ装置は、運転者や他の乗員の手や荷物等がうっかりシフトレバーに触れてしまうこと(誤操作)により不意にレンジが切り替わるおそれがある。
そこで、特許文献1には、ホーム位置から第1の方向にシフトレバーが操作されるとレンジがニュートラルレンジに切り替わり、その時点のレバー位置(ニュートラル位置)を起点として別の方向(第2の方向)にシフトレバーが操作されるとレンジが走行レンジ(ドライブレンジ又はリバースレンジ)に切り替わる技術が開示されている。この構成によれば、乗員がうっかりシフトレバーに触れても、ニュートラルレンジが選択されてエンジンの駆動力伝達が切断されるだけに留まり、レンジが走行レンジに切り替わらないので、仮に誤操作があってもその影響を最小限に抑えることができる。
また、特許文献2には、シフトレバーがホーム位置から上方又は下方に第1ストッパまで短い第1距離だけ移動されるとレンジがニュートラルレンジに切り替わり、シフトレバーがホーム位置から上方又は下方に第1ストッパを飛び越して第2ストッパまで長い第2距離だけ移動されるとレンジが走行レンジに切り替わる技術が開示されている。この構成によれば、乗員がうっかりシフトレバーに触れても、シフトレバーが第1ストッパで止まってニュートラルレンジが選択されるだけに留まり、レンジが走行レンジに切り替わらないので、仮に誤操作があってもその影響を最小限に抑えることができる。
また、特許文献3には、シフトレバーにボタンスイッチが設けられ、上記ボタンスイッチが押圧操作されるとレンジがニュートラルレンジに切り替わり、そのボタンスイッチの押圧操作が継続されたままシフトレバーが移動操作されるとレンジが走行レンジに切り替わる技術が開示されている。この構成によれば、ボタンスイッチの押圧操作とシフトレバーの移動操作とが同時に行われない限りレンジが走行レンジに切り替わらないので、運転者の意に反して走行レンジが選択されるような事態を防止することができる。
特許第4373212号公報 特許第4009405号公報 WO2011/090011号公報
上記各技術は、誤操作に対する安全性を確保できる技術であるが、それぞれ、次のような解決すべき問題がある。
特許文献1の場合、走行レンジを選択するには、シフトレバーを第1の方向に操作した後さらに別の第2の方向に操作しなければならず、操作が二段階になると共にシフトレバーのトータルストロークが長くなる。このことは、素早く簡便に走行レンジを選択したい運転者にとって煩わしさを感じる要因となる。また、シフトレバーの移動範囲が大きくなり、装置の大型化を招く。
特許文献2も同様である。すなわち、走行レンジを選択するには、シフトレバーを第1ストッパを飛び越して長い第2距離だけ移動させなければならず、シフトレバーのトータルストロークが長くなる。このことは、素早く簡便に走行レンジを選択したい運転者にとって煩わしさを感じる要因となる。また、シフトレバーの移動範囲が大きくなり、装置の大型化を招く。加えて、ニュートラルレンジを選択するには、シフトレバーを確実に第1ストッパで止めなければならず、この点においても、シフトレバーの素早い操作がし難くなる。
特許文献3の場合、走行レンジを選択するには、ボタンスイッチを押圧操作した状態でシフトレバーを移動操作しなければならず、レバー操作の軽快感が損なわれる。このこともまた、素早く簡便に走行レンジを選択したい運転者にとって煩わしさを感じる要因となる。
本発明は、モメンタリ式の車両用シフト装置における上記のような現状に鑑みてなされたもので、誤操作に対する安全性を確保しつつ、素早く簡便にニュートラルレンジ及び走行レンジを選択することができ、さらには、装置の大型化を抑制できる車両用シフト装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、運転者により操作される操作部材と、上記操作部材をホーム位置と当該ホーム位置から所定方向に離れた移動限界位置との間で移動可能に支持すると共に、移動後の操作部材をホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、上記操作部材の先端部に上記所定方向に回動可能に支持された把持部と、上記操作部材及び把持部の操作に基いて車両に搭載された変速機のレンジを制御する制御手段とが備えられ、上記制御手段は、上記操作部材が上記ホーム位置から上記移動限界位置に移動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記把持部が上記所定方向に回動操作されたときに、上記レンジを走行レンジに切り替えるものであることを特徴とする車両用シフト装置である。
本発明によれば、ニュートラルレンジを選択するには、運転者は、例えばボタンスイッチの押圧操作等することなく、操作部材をホーム位置から所定方向に移動限界位置まで移動操作するだけでよい。その際、操作部材は移動限界位置を超えて移動できず、移動限界位置で確実に止まるから、操作部材の素早い移動操作がし易くなり、操作性が良好となる。
また、走行レンジを選択するには、運転者は、操作部材が移動限界位置で止まっている状態で、把持部を所定方向に回動操作するだけでよい。その際、把持部の回動方向と操作部材の移動方向とが同じ所定方向であるから、操作部材の移動操作の方向と把持部の回動操作の方向とが一直線上に並び、把持部を操作部材の移動操作に続けて素早くかつ簡便に回動操作することができる。
さらに、操作部材の移動範囲は、ホーム位置とニュートラルレンジ選択のための移動限界位置との間だけであるから、操作部材の移動範囲が小さくて済み、装置のコンパクト化が図られる。
しかも、乗員がうっかり操作部材に触れても、ニュートラルレンジが選択されてエンジンの駆動力伝達が切断されるだけであるから、誤操作に対する安全性が確保される。
以上により、本発明によれば、誤操作に対する安全性を確保しつつ、素早く簡便にニュートラルレンジ及び走行レンジを選択することができ、さらには、装置の大型化を抑制できる車両用シフト装置が提供される。
本発明においては、上記把持部に力を加えて操作部材をホーム位置から移動限界位置に移動操作するのに必要な上記力をF1とし、上記把持部に力を加えて把持部を上記所定方向に回動操作するのに必要な上記力をF2とした場合、F1<F2に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、運転者が把持部を手に持ち所定方向に力を加えることにより操作部材を移動操作した場合に、その移動操作中に把持部が操作部材に対して回動することが抑制される。これにより、運転者は、走行レンジの選択時に必要な操作順序、つまり、操作部材を移動限界位置まで移動させた後に把持部を回動させるという操作順序を、特に力の加え加減を意識することなく自然に守ることができる。そのため、走行レンジ選択時の操作性が向上する。
本発明においては、上記操作部材のホーム位置から移動限界位置への移動操作が完了するまで上記把持部の上記所定方向への回動を規制する規制手段が備えられていることが好ましい。
この構成によれば、運転者が操作部材を移動操作している途中に把持部が回動することが規制される。これにより、操作部材の移動中に把持部が回動することが確実に防止されるので、走行レンジ選択時の操作性がより向上する。
本発明においては、上記規制手段は、上記操作部材の上記移動操作が完了するまでは、上記把持部の上記回動を阻止するように上記把持部と当接する当接位置に位置し、上記移動操作が完了したときは、上記当接位置から退避する規制用可動部材を備えることが好ましい。
この構成によれば、規制用可動部材が当接位置に位置することにより、運転者が操作部材を移動操作している途中に把持部が回動することが確実に規制される。一方、規制用可動部材が当接位置から退避することにより、操作部材の移動操作が完了した後は運転者が把持部を確実に回動操作することができる。
本発明においては、上記操作部材は、ホーム位置と、ホーム位置から第1の方向に離れた第1移動限界位置と、ホーム位置から第1の方向と反対の第2の方向に離れた第2移動限界位置との間で移動可能に支持され、上記把持部は、上記第1の方向及び第2の方向に回動可能に支持され、上記制御手段は、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1移動限界位置に移動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記把持部が上記第1の方向に回動操作されたときに、上記レンジを前進方向の走行レンジであるドライブレンジに切り替え、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2移動限界位置に移動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記把持部が上記第2の方向に回動操作されたときに、上記レンジを後退方向の走行レンジであるリバースレンジに切り替えるものであることが好ましい。
この構成によれば、ホーム位置と第1移動限界位置と第2移動限界位置とが一直線上に並び、ホーム位置を挟んで第1の方向と第2の方向とに操作部材を移動操作し、把持部を回動操作することにより、ドライブレンジとリバースレンジとを確実に切り分けて選択することができる。
本発明においては、上記操作部材が上記移動限界位置にあることを検出する位置検出手段と、上記把持部が上記所定方向に回動したことを検出する回動検出手段とが備えられ、上記制御手段は、上記位置検出手段及び回動検出手段の双方が非検出の状態から位置検出手段が検出の状態となったときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から回動検出手段が検出の状態となったときに、上記レンジを走行レンジに切り替え、上記位置検出手段及び回動検出手段の双方が非検出の状態から先に回動検出手段が検出の状態となったときは、その時点ではレンジの切替えを行わないものであることが好ましい。
この構成によれば、位置検出手段及び回動検出手段の検出結果に基いて、操作部材及び把持部の操作が認識され、レンジが制御される。その上で、検出手段の検出の順番が違うときは、操作が誤っていると判定され、誤ったレンジの切替えが回避される。
本発明は、モメンタリ式の車両用シフト装置において、誤操作に対する安全性を確保しつつ、素早く簡便にニュートラルレンジ及び走行レンジを選択することができ、さらには、装置の大型化を抑制できるので、この種の車両用シフト装置の信頼性・商品性の向上に寄与する。
本発明の第1実施形態に係るシフト装置が適用された車両の車室前部の構成を示す図である。 上記車両のセンターコンソールにおける上記シフト装置が配設された部分の平面図である。 上記シフト装置を左後方から見た一部切り欠きの分解斜視図である。 上記シフト装置を左後方から見た一部切り欠きの斜視図である。 上記シフト装置を右後方から見た一部切り欠きの斜視図である。 上記シフト装置に採用されたディテント機構を説明するための平断面図である。 上記シフトレバーのドライブレンジを選択するときの操作を説明するための左縦断面図であって、(a)はシフトレバーがホーム位置にあるときの状態、(b)はシフトレバーが後方に傾動操作されたときの状態、(c)はノブが後方に回動操作されたときの状態を示すものである。 上記シフトレバーのリバースレンジを選択するときの操作を説明するための左縦断面図であって、(a)はシフトレバーがホーム位置にあるときの状態、(b)はシフトレバーが前方に傾動操作されたときの状態、(c)はノブが前方に回動操作されたときの状態を示すものである。 上記シフト装置の制御システムを示すブロック図である。 上記シフト装置のシフトパターンを説明するためのダイヤグラムであって、(a)はパーキングレンジからのシフトパターン、(b)はリバースレンジからのシフトパターン、(c)はニュートラルレンジからのシフトパターン、(d)はドライブレンジからのシフトパターンを示すものである。 図10に示したシフトパターンを表形式にまとめた図である。 上記シフト装置のコントローラが行うレンジの切り替え動作のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るシフト装置を左後方から見た一部切り欠きの分解斜視図である。 上記シフト装置を左後方から見た一部切り欠きの斜視図である。 上記シフト装置を右前方から見た一部切り欠きの斜視図である。 上記シフトレバーのドライブレンジを選択するときの操作を説明するための左縦断面図であって、(a)はシフトレバーがホーム位置にあるときの状態、(b)はシフトレバーが後方に傾動操作されたときの状態、(c)はノブが後方に回動操作されたときの状態を示すものである。 上記シフトレバーのリバースレンジを選択するときの操作を説明するための左縦断面図であって、(a)はシフトレバーがホーム位置にあるときの状態、(b)はシフトレバーが前方に傾動操作されたときの状態、(c)はノブが前方に回動操作されたときの状態を示すものである。
<第1実施形態>
(1)構成
図1は、本実施形態に係る車両の車室前部の構成を示す図である。図1に示すように、車室前部には、車幅方向に延びるインストルメントパネル2が設けられている。インストルメントパネル2の運転席側(図1において左側)にメータユニット3が設けられ、メータユニット3の後方にステアリングハンドル4が設けられている。インストルメントパネル2の車幅方向中央部から車両後方に向けてセンターコンソール5が設けられ、センターコンソール5にシフト装置1が設けられている。
本実施形態において、車両は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関からなるエンジン(図示せず)のみを動力源とし、上記エンジンの駆動力を車速やエンジン負荷等に応じて自動的に変速しつつ車輪に伝達する有段式の自動変速機(AT)50(図9参照)を備えている。自動変速機50のレンジ(変速レンジ)として、駆動力の伝達が切断されるニュートラルレンジと、駆動力の伝達が切断された上に出力軸がロックされるパーキングレンジと、車両を前進させる方向に駆動力が伝達されるドライブレンジ(前進走行レンジ)と、車両を後退させる方向に駆動力が伝達されるリバースレンジ(後退走行レンジ)とが設けられている。ここで、ニュートラルレンジ及びパーキングレンジは非走行レンジであり、ドライブレンジ及びリバースレンジは走行レンジである。シフト装置1は、これらの複数のレンジの中から所望のレンジを選択するために運転者により操作される。
図2は、上記センターコンソール5における上記シフト装置1の配設部分を拡大して示す平面図である。図2及び図2以降の他の図において、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Lは車両の左方を示している。
図2に示すように、シフト装置1は、パーキングスイッチ8とインジケータ9とを備えている。
パーキングスイッチ8は、押圧式のボタンスイッチであって、レンジをパーキングレンジに切り替えるときに操作される。パーキングスイッチ8の上面に、パーキングレンジを表す「P」の文字が表記された文字盤が設けられ、パーキングレンジが選択されると、LED等の光源により、上記「P」の文字が強調表示される。パーキングスイッチ8は、レンジをパーキングレンジに切り替えるためのスイッチとしての機能と、パーキングレンジが選択されていることを表示するインジケータとしての機能とを兼ね備えている。
インジケータ9は、パーキングレンジ以外の現在選択されているレンジを表示するものである。インジケータ9は、パーキングスイッチ8に近接して、前方から順に、リバースレンジを表す「R」、ニュートラルレンジを表す「N」、ドライブレンジを表す「D」の文字が並んで表記された文字盤が設けられ、次に説明するメイン操作部7の操作に応じて、リバース、ニュートラル、ドライブのいずれかのレンジが選択されると、LED等の光源により、その選択されたレンジに対応した「R」、「N」、「D」のいずれかの文字が強調表示される。
本実施形態では、メータユニット3(図1参照)にも現在選択されているレンジが表示される。メータユニット3は、例えばスピードメータとタコメータとの間に表示部を有し、その表示部に、現在選択されているレンジに対応した「P」、「R」、「N」、「D」のいずれかの文字が表示される。
図2に示すように、シフト装置1は、さらにメイン操作部7を備えている。メイン操作部7は、レンジをパーキングレンジ以外のリバース、ニュートラル、ドライブのいずれかのレンジに切り替えるときに操作される。
図3〜図5に示すように、メイン操作部7は、シフトレバー(本発明の「操作部材」に相当する)10と、シフトレバー10を前後方向に傾動可能に支持する本体部20とを含む。
シフトレバー10は、上下方向に延びるレバー部12と、レバー部12の下端部に設けられて車幅方向に延びる円柱状の傾動軸部13と、レバー部12の上端部に設けられて傾動軸部13よりも車幅方向に短く延びる円柱状の回動軸部14と、レバー部12の中間部よりもやや下方の位置に設けられたブロック体15と、ブロック体15の左側面から左方に突出する棒状のディテント用脚部16と、ブロック体15の右側面から右方に突出する棒状のセンサ用脚部17とを有する。
本体部20は、上面及び前後左右の側面で形成される筐体21(図3〜図5には左側面及び後側面が切り欠かれている)と、筐体21の左側面の内面に設けられたディテント用誘導部材24と、筐体21の右側面に円弧状開口25を介して設けられたレバー回動角センサ(本発明の「位置検出手段」に相当する)29とを有する。
筐体21の上面に前後方向に延びる長円形のゲート22が形成され、このゲート22をシフトレバー10のレバー部12が挿通する。レバー部12のブロック体15は筐体21の内部に配置される。筐体21の左右の側面に円形開口23が形成され、この円形開口23にシフトレバー10の傾動軸部13の左右の端部が回動可能に嵌合される。これにより、シフトレバー10が傾動軸部13を介して本体部20に前後方向に傾動可能に支持される。
シフトレバー10が本体部20に支持された状態で、ブロック体15の左側面に設けられたディテント用脚部16と、筐体21の左側面に設けられたディテント用誘導部材24とが対接する。ディテント用脚部16はブロック体15に対して左右方向に移動可能であり、ブロック体15に内蔵された圧縮スプリング(図示せず)により常時左方に付勢されている。図5に明らかなように、ディテント用誘導部材24のディテント用脚部16との対接面は、左方に凹んだ部分凹球面状の球状受け面24aに形成され、この球状受け面24aにディテント用脚部16の先端部が上記圧縮スプリングの左方への付勢力により常時押し付けられている。
図6に実線で示すように、ディテント用脚部16は球状受け面24aの中心部(凹球面の底部)に対接しているとき、ブロック体15から最も進出する。このとき圧縮スプリングは最も伸びて付勢力が低下する。一方、図6に鎖線で示すように、ディテント用脚部16は球状受け面24aの中心部から離れるほど、ブロック体15の内部に後退する。このとき圧縮スプリングは縮んで付勢力が増大する。そのため、後退したディテント用脚部16は球状受け面24aに強く押し付けられ、その押し付け力がディテント用脚部16を球状受け面24aの中心部に戻す力に変換される。したがって、シフトレバー10に前後方向の操作力が加えられていないときは、シフトレバー10はディテント用脚部16が球状受け面24aの中心部に位置する位置に保持される。このときのシフトレバー10の位置を「ホーム位置」と称する。ホーム位置ではシフトレバー10は鉛直方向に起立した姿勢となる。
ホーム位置にあるシフトレバー10が操作力を受けて前後方向に傾動すると、ディテント用脚部16が球状受け面24aの中心部から離間し、それに伴いディテント用脚部16を球状受け面24aの中心部に戻す力が発生する。そのため、シフトレバー10に対する操作力が解除されると、シフトレバー10は自ずとホーム位置に復帰する。すなわち、本実施形態のシフト装置1は、シフトレバー10を前後方向に傾動可能に支持すると共に傾動後のシフトレバー10をホーム位置に自動的に復帰させる本体部20を備えた、モメンタリ式のシフト装置である。
シフトレバー10がホーム位置から後方(本発明の「第1の方向」に相当する)に傾動し、レバー部12がゲート22の後端部に当接すると、シフトレバー10はその位置を超えて後方に傾動できない。このときのシフトレバー10の位置を「後方傾動限界位置」(本発明の「第1移動限界位置」に相当する)と称する。同様に、シフトレバー10がホーム位置から前方(本発明の「第2の方向」に相当する)に傾動し、レバー部12がゲート22の前端部に当接すると、シフトレバー10はその位置を超えて前方に傾動できない。このときのシフトレバー10の位置を「前方傾動限界位置」(本発明の「第2移動限界位置」に相当する)と称する。すなわち、シフトレバー10は、ホーム位置と、ホーム位置から後方に離れた後方傾動限界位置との間、及び、ホーム位置と、ホーム位置から前方に離れた前方傾動限界位置との間で傾動操作が可能である。
図3〜図5に戻り、シフトレバー10が本体部20に支持された状態で、ブロック体15の右側面に設けられたセンサ用脚部17と、筐体21の右側面に設けられたレバー回動角センサ29とが係合する。レバー回動角センサ29は、センサ用脚部17の位置を検出することにより、シフトレバー10がホーム位置から前後方向に傾動したときのシフトレバー10の回動角を検出するものである。
シフトレバー10がホーム位置にあるときのシフトレバー10の回動角を基準のゼロとすると、シフトレバー10が後方傾動限界位置にあるときのシフトレバー10の回動角(後方限界角)及び前方傾動限界位置にあるときのシフトレバー10の回動角(前方限界角)が予め定まる。したがって、レバー回動角センサ29で後方限界角が検出されたときは、シフトレバー10が後方傾動限界位置にあることが検出され、レバー回動角センサ29で前方限界角が検出されたときは、シフトレバー10が前方傾動限界位置にあることが検出される。シフトレバー10が後方傾動限界位置又は前方傾動限界位置にあることが検出されたとき、レバー回動角センサ29はON(検出の状態)であり、それ以外のとき、OFF(非検出の状態)である。
シフトレバー10の操作時に運転者により把持されるシフトノブ(本発明の「把持部」に相当する)11がシフトレバー10の上端部に前後方向に回動可能に支持されている。具体的に、ノブ11は、運転者が上方から又は後方から握りやすいように全体形状がタマゴ型に形成されている。ノブ11は、相互に鏡像関係にある右半部11aと左半部11bとからなり、右半部11aがシフトレバー10の回動軸部14の右端部に回動可能に嵌合され、左半部11bがシフトレバー10の回動軸部14の左端部に回動可能に嵌合される。
両半部11a,11bとも下部分に所定形状の空間部11xが形成され、この空間部11xに右半部用ねじりコイルバネ(以下「右用バネ」と略称する)26a及び左半部用ねじりコイルバネ(同じく「左用バネ」と略称する)26bがそれぞれ収容される。すなわち、回動軸部14の右部分及び左部分にそれぞれ右用バネ26a及び左用バネ26bが巻装され、各バネ26a,26bの一方のアームがレバー部12の上部分に形成された嵌入孔12y(図7及び図8参照)に嵌入され、他方のアームが対応する半部11a,11bの空間部11xに形成された嵌入孔11yに嵌入される。そして、その状態で右半部11aと左半部11bとが相互に結合され、ノブ11が形成される。これにより、ノブ11が回動軸部14を介してシフトレバー10に前後方向に回動可能に支持される。このとき、各バネ26a,26bが対応する半部11a,11bの空間部11xに収容される。また、レバー部12の上部分が空間部11xの下部分を挿通する。
両バネ26a,26bは相互に仕様が同じであり、共にコイル軸回りにねじりモーメントを受けない自然の状態で空間部11xに収容される。したがって、ノブ11に前後方向の操作力が加えられていないときは、ノブ11は両バネ26a,26bが自然状態にある位置に保持される。このときのノブ11の位置を「初期位置」と称する。初期位置ではノブ11はシフトレバー10に対して軸方向が一致する姿勢となる。
図3に明らかなように、初期位置にあるノブ11が操作力を受けて後方に回動すると、右用バネ26aがコイル径が増大する巻き戻し方向に変形すると共に、左用バネ26bがコイル径が減少する巻き込み方向に変形し、それに伴いノブ11を回動操作前の初期位置に付勢する弾性復元力が発生する。そのため、ノブ11に対する操作力が解除されると、ノブ11は自ずと初期位置に復帰する。同様に、初期位置にあるノブ11が操作力を受けて前方に回動すると、右用バネ26aがコイル径が減少する巻き込み方向に変形すると共に、左用バネ26bがコイル径が増大する巻き戻し方向に変形し、それに伴いノブ11を回動操作前の初期位置に付勢する弾性復元力が発生する。そのため、ノブ11に対する操作力が解除されると、ノブ11は自ずと初期位置に復帰する。
レバー部12の上部分にドライブ用ノブ回動センサ31及びリバース用ノブ回動センサ32(いずれも本発明の「回動検出手段」に相当する)が内蔵されている。両センサ31,32ともタッチセンサであって、その押圧部31a,32aがレバー部12の上部分の後面及び前面から後方及び前方に突出している。
ノブ11が初期位置から後方に回動し、空間部11xを形成するノブ11の内壁部の後面がレバー部12に当接すると、ノブ11はそれ以上後方に回動できない(図7(c)参照)。このとき、レバー部12の後面から後方に突出するドライブ用ノブ回動センサ31の押圧部31aがノブ11の内壁部の後面で押圧されてドライブ用ノブ回動センサ31がOFF(非検出の状態)からON(検出の状態)となる。つまり、ノブ11が初期位置から後方に回動したことが検出される。同様に、ノブ11が初期位置から前方に回動し、空間部11xを形成するノブ11の内壁部の前面がレバー部12に当接すると、ノブ11はそれ以上前方に回動できない(図8(c)参照)。このとき、レバー部12の前面から前方に突出するリバース用ノブ回動センサ32の押圧部32aがノブ11の内壁部の前面で押圧されてリバース用ノブ回動センサ32がOFF(非検出の状態)からON(検出の状態)となる。つまり、ノブ11が初期位置から前方に回動したことが検出される。
図7は、ドライブレンジを選択するとき、図8は、リバースレンジを選択するときのそれぞれシフトレバー10及びノブ11の操作説明図である。図中、運転者は、ノブ11を把持し、ノブ11に力を加えて、ノブ11を前後に動かすことにより、シフトレバー10を前後に傾動操作し、かつノブ11を前後に回動操作するものとする。
図7(a)及び図8(a)は、シフトレバー10がホーム位置に保持され、かつノブ11が初期位置に保持されているデフォルトの状態を示している。シフトレバー10は前後方向に延びるゲート22の中央部で直立姿勢であり、ノブ11もシフトレバー11と軸方向が一致するため直立姿勢である。
ドライブレンジの選択時は、この状態から、シフトレバー10を後方に傾動操作し、図7(b)に示すように、シフトレバー10がゲート22の後端部に当接すると、つまりシフトレバー10がホーム位置から後方傾動限界位置まで傾動操作されると、レバー回動角センサ29がONとなる。
そして、さらにその状態から、初期位置にあるノブ11を後方に回動操作し、図7(c)に示すように、ノブ11の内壁部の後面がシフトレバー10の後面に当接すると、ドライブ用ノブ回動センサ31がONとなる。
一方、リバースレンジの選択時は、図8(a)の状態から、シフトレバー10を前方に傾動操作し、図8(b)に示すように、シフトレバー10がゲート22の前端部に当接すると、つまりシフトレバー10がホーム位置から前方傾動限界位置まで傾動操作されると、レバー回動角センサ29がONとなる。
そして、さらにその状態から、初期位置にあるノブ11を前方に回動操作し、図8(c)に示すように、ノブ11の内壁部の前面がシフトレバー10の前面に当接すると、リバース用ノブ回動センサ32がONとなる。
ここで、図7(b)及び図8(b)に示すように、ノブ11に力を加えてシフトレバー10をホーム位置から後方傾動限界位置又は前方傾動限界位置まで傾動操作するのに必要な操作力F1は、図7(c)及び図8(c)に示すように、ノブ11に力を加えてノブ11を初期位置から後方又は前方に回動操作するのに必要な操作力F2よりも小さい値に設定されている(F1<F2)。このような設定は、ノブ11を初期位置に付勢する右用バネ26a及び左用バネ26bの弾性復元力、ディテント用脚部16を球状受け面24aに押し付ける圧縮スプリングの付勢力、球状受け面24aの曲率等を調整することにより可能である。これにより、ノブ11を把持してシフトレバー10を後方又は前方に傾動操作している最中にノブ11が後方又は前方に回動することが抑制される。
また、図7(b)及び図8(b)に示すように、シフトレバー10がゲート22の後端部又は前端部に当接すると、それ以降はノブ11に加えた力は全てノブ11の後方又は前方への回動に用いられる。そのため、図7(c)及び図8(c)に示すように、シフトレバー10が後方又は前方に傾いたまま、ノブ11だけがさらに後方又は前方に傾く。
図9は、シフト装置1の制御システムを示すブロック図である。図中、コントローラ60は、周知のCPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータからなり、本発明の「制御手段」に相当する。図9では、コントローラ60は、一体のブロックとして表されているが、例えば車体側と自動変速機50側とにそれぞれ分割して設けられた複数のマイクロコンピュータから構成されるものでもよい。
コントローラ60は、上述したメータユニット3、パーキングスイッチ8、インジケータ9、メイン操作部7の各センサ29,31,32の他、ブレーキペダル(図示せず)が踏み込まれているか否かを検出するためのブレーキセンサ42、及び自動変速機50の変速アクチュエータ50aと電気的に接続されている。なお、自動変速機50の変速アクチュエータ50aとは、例えば、自動変速機50に内蔵されるクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素の締結・解放を切り替えるソレノイドバルブ等のことである。すなわち、コントローラ60は、シフト装置1の操作状態に基いて、自動変速機50の変速動作を制御する機能も有している。
コントローラ60は、パーキングスイッチ8に内蔵された接点からの信号に応じて、パーキングスイッチ8が押圧操作されたか否かを判定する。また、レバー回動角センサ29からの信号に応じて、シフトレバー10が前後のいずれの方向に傾動操作されたかを判定する。さらに、ノブ回動センサ31,32に内蔵された接点からの信号に応じて、ノブ回動センサ31,32が押圧操作されたか否かを判定する。そして、このようにして判定されるシフト装置1の操作状態に基いて、コントローラ60は、自動変速機50のレンジの切り替え制御や、メータユニット3及びインジケータ9の表示制御(現在選択されているレンジや操作無効等の警告を表示する制御)等を実行する。
また、コントローラ60は、いわゆるシフトロック機能を有する。すなわち、コントローラ60は、現在選択されているレンジがパーキングレンジである場合に、ブレーキセンサ42からの信号に基いて、ブレーキペダルが踏み込まれていないことが確認されたときは、パーキングレンジから他のレンジへの切り替えを禁止する。
以上のようなコントローラ60の制御の下、本実施形態では、シフト装置1のシフトパターンが図10(a)〜(d)及び図11に示すように設定されている。
図10(a)は、現在のレンジがパーキングレンジである場合のシフトパターンを示している。図中、中央に白抜き表記された「P」は、シフトレバー10がホーム位置に保持され、かつノブ11が初期位置に保持されている現在のデフォルトの状態で、パーキングレンジが選択されていることを示している。
この「P」の前方及び後方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から前方又は後方に傾動限界位置まで傾動操作されるとレンジがいずれもニュートラルレンジに切り替わることを示している。そして、前方の「N」の前方に「△」印を挟んで表記された「R」は、シフトレバー10の前方への傾動操作の後、さらにノブ11が前方に回動操作されるとレンジがリバースレンジに切り替わることを示しており、後方の「N」の後方に「△」印を挟んで表記された「D」は、シフトレバー10の後方への傾動操作の後、さらにノブ11が後方に回動操作されるとレンジがドライブレンジに切り替わることを示している。
以上をまとめると、現在のレンジがパーキングレンジである場合のシフトパターンは、図11において「現レンジ」が「P」の欄にも示すように、次のようになる。
・シフトレバー10の前方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の前方への回動操作 → リバースレンジ
・シフトレバー10の後方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の後方への回動操作 → ドライブレンジ
図10(b)は、現在のレンジがリバースレンジである場合のシフトパターンを示している。図中、中央に白抜き表記された「R」は、シフトレバー10がホーム位置に保持され、かつノブ11が初期位置に保持されている現在のデフォルトの状態で、リバースレンジが選択されていることを示している。
この「R」の前方及び後方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から前方又は後方に傾動限界位置まで傾動操作されるとレンジがいずれもニュートラルレンジに切り替わることを示している。そして、前方の「N」の前方に「△」印を挟んで表記された「空」は、シフトレバー10の前方への傾動操作の後、さらにノブ11が前方に回動操作されてもその回動操作は無効であることを示している。操作が無効であるときは、レンジの切り替えは起こらず、現在のレンジ(ここではリバースレンジ)が維持される。また、メータユニット3(図1参照)の表示部に、操作が無効である旨が表示される。これに対し、後方の「N」の後方に「△」印を挟んで表記された「D」は、シフトレバー10の後方への傾動操作の後、さらにノブ11が後方に回動操作されるとレンジがドライブレンジに切り替わることを示している。
以上をまとめると、現在のレンジがリバースレンジである場合のシフトパターンは、図11において「現レンジ」が「R」の欄にも示すように、次のようになる。
・シフトレバー10の前方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の前方への回動操作 → 無効(リバースレンジ維持)
・シフトレバー10の後方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の後方への回動操作 → ドライブレンジ
図10(c)は、現在のレンジがニュートラルレンジである場合のシフトパターンを示している。図中、中央に白抜き表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置に保持され、かつノブ11が初期位置に保持されている現在のデフォルトの状態で、ニュートラルレンジが選択されていることを示している。
この「N」の前方及び後方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から前方又は後方に傾動限界位置まで傾動操作されるとレンジがいずれもニュートラルレンジに切り替わる(維持される)ことを示している(傾動操作は有効である)。そして、前方の「N」の前方に「△」印を挟んで表記された「R」は、シフトレバー10の前方への傾動操作の後、さらにノブ11が前方に回動操作されるとレンジがリバースレンジに切り替わることを示しており、後方の「N」の後方に「△」印を挟んで表記された「D」は、シフトレバー10の後方への傾動操作の後、さらにノブ11が後方に回動操作されるとレンジがドライブレンジに切り替わることを示している。
以上をまとめると、現在のレンジがニュートラルレンジである場合のシフトパターンは、図11において「現レンジ」が「N」の欄にも示すように、次のようになる。
・シフトレバー10の前方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の前方への回動操作 → リバースレンジ
・シフトレバー10の後方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の後方への回動操作 → ドライブレンジ
図10(d)は、現在のレンジがドライブレンジである場合のシフトパターンを示している。図中、中央に白抜き表記された「D」は、シフトレバー10がホーム位置に保持され、かつノブ11が初期位置に保持されている現在のデフォルトの状態で、ドライブレンジが選択されていることを示している。
この「D」の前方及び後方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から前方又は後方に傾動限界位置まで傾動操作されるとレンジがいずれもニュートラルレンジに切り替わることを示している。そして、前方の「N」の前方に「△」印を挟んで表記された「R」は、シフトレバー10の前方への傾動操作の後、さらにノブ11が前方に回動操作されるとレンジがリバースレンジに切り替わることを示している。これに対し、後方の「N」の後方に「△」印を挟んで表記された「空」は、シフトレバー10の後方への傾動操作の後、さらにノブ11が後方に回動操作されてもその回動操作は無効であることを示している。操作が無効であるときは、レンジの切り替えは起こらず、現在のレンジ(ここではドライブレンジ)が維持される。また、メータユニット3(図1参照)の表示部に、操作が無効である旨が表示される。
以上をまとめると、現在のレンジがドライブレンジである場合のシフトパターンは、図11において「現レンジ」が「D」の欄にも示すように、次のようになる。
・シフトレバー10の前方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の前方への回動操作 → リバースレンジ
・シフトレバー10の後方への傾動操作 → ニュートラルレンジ
・上記操作+ノブ11の後方への回動操作 → 無効(ドライブレンジ維持)
なお、現在のレンジがいずれであるかに拘わらず、シフトレバー10をホーム位置に保持したままノブ11だけを前後に回動した場合、その回動操作は無効とされる。
また、パーキングレンジ以外のレンジからパーキングレンジに切り替えたい場合は、シフトレバー10を用いずに、パーキングスイッチ8を押圧操作する。すなわち、現在のレンジがリバース、ニュートラル、ドライブのいずれかのレンジであるときにパーキングスイッチ8を押圧操作すると、それだけでレンジがパーキングレンジに切り替わる。
まとめとして、コントローラ60が行うレンジの切り替え動作を図12のフローチャートに従って説明する。このレンジの選択動作は、シフトレバー10がホーム位置に保持され、かつノブ11が初期位置に保持されるデフォルトの状態からスタートする。このデフォルトの状態では、レバー回動角センサ29、ドライブ用ノブ回動センサ31、及びリバース用ノブ回動センサ32はいずれもOFF(非検出の状態)である。
ステップS1で、コントローラ60は、ノブ回動センサ31,32がOFFからON(検出の状態)に切り替わったか否かを判定する。つまり、シフトレバー10の傾動操作より先にノブ11が初期位置から後方又は前方に回動操作されたか否かを判定する。その結果、YESのときはリターンし(操作無効)、NOのときはステップS2に進む。
ステップS2で、コントローラ60は、レバー回動角センサ29がOFFからONに切り替わったか否かを判定する。つまり、シフトレバー10がホーム位置から後方傾動限界位置又は前方傾動限界位置まで傾動操作されたか否かを判定する。その結果、YESのときはステップS3に進み、NOのときはリターンする。
ステップS3で、コントローラ60は、レンジをニュートラルレンジに切り替え、ステップS4に進む。
ステップS4で、コントローラ60は、ドライブ用ノブ回動センサ31がOFFからONに切り替わったか否かを判定する。つまり、シフトレバー10がホーム位置から後方傾動限界位置まで傾動操作された後、さらにノブ11が初期位置から後方に回動操作されたか否かを判定する。その結果、YESのときはステップS5に進み、NOのときはステップS6に進む。
ステップS5で、コントローラ60は、レンジをドライブレンジに切り替え、リターンする(ドライブレンジ選択完了)。
ステップS6で、コントローラ60は、リバース用ノブ回動センサ32がOFFからONに切り替わったか否かを判定する。つまり、シフトレバー10がホーム位置から前方傾動限界位置まで傾動操作された後、さらにノブ11が初期位置から前方に回動操作されたか否かを判定する。その結果、YESのときはステップS7に進み、NOのときはリターンする(ニュートラルレンジ選択完了)。
ステップS7で、コントローラ60は、レンジをリバースレンジに切り替え、リターンする(リバースレンジ選択完了)。
(2)作用
以上説明したように、第1実施形態に係るシフト装置1は、運転者により操作されるシフトレバー10と、上記シフトレバー10をホーム位置と当該ホーム位置から前後方向に離れた前方傾動限界位置及び後方傾動限界位置との間で傾動可能に支持すると共に、傾動後のシフトレバー10をホーム位置に自動的に復帰させる本体部20と、上記シフトレバー10の上端部に前後方向に回動可能に支持されたシフトノブ11と、上記シフトレバー10及びノブ11の操作に基いて車両に搭載された自動変速機50のレンジを制御するコントローラ60とが備えられる。上記コントローラ60は、上記シフトレバー10が上記ホーム位置から上記前方傾動限界位置又は後方傾動限界位置に傾動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記ノブ11が前後方向に回動操作されたときに、上記レンジを走行レンジに切り替えるものである。
この構成によれば、ニュートラルレンジを選択するには、運転者は、シフトレバー10をホーム位置から前後方向に傾動限界位置まで傾動操作するだけでよい。その際、シフトレバー10は傾動限界位置を超えて傾動できず、傾動限界位置で確実に止まるから、シフトレバー10の素早い傾動操作がし易くなり、操作性が良好となる。
また、走行レンジを選択するには、運転者は、シフトレバー10が傾動限界位置で止まっている状態で、ノブ11を前後方向に回動操作するだけでよい。その際、ノブ11の回動方向とシフトレバー10の傾動方向とが同じ前後方向であるから、シフトレバー10の傾動操作の方向とノブ11の回動操作の方向とが一直線上に並び、ノブ11をシフトレバー10の傾動操作に続けて素早くかつ簡便に回動操作することができる。
さらに、シフトレバー10の傾動範囲は、ホーム位置とニュートラルレンジ選択のための傾動限界位置との間だけであるから、シフトレバー10の傾動範囲が小さくて済み、装置1のコンパクト化が図られる。
しかも、乗員がうっかりシフトレバー10に触れても、ニュートラルレンジが選択されてエンジンの駆動力伝達が切断されるだけであるから、誤操作に対する安全性が確保される。
以上により、本実施形態によれば、誤操作に対する安全性を確保しつつ、素早く簡便にニュートラルレンジ及び走行レンジを選択することができ、さらには、装置1の大型化を抑制できる車両用シフト装置1が提供される。
本実施形態においては、上記ノブ11に力を加えてシフトレバー10をホーム位置から傾動限界位置に傾動操作するのに必要な傾動操作力をF1とし、上記ノブ11に力を加えてノブ11を前後方向に回動操作するのに必要な回動操作力をF2とした場合、F1<F2に設定されている。
この構成によれば、運転者がノブ11を手に持ち前後方向に力を加えることによりシフトレバー10を傾動操作した場合に、その傾動操作中にノブ11がシフトレバー10に対して回動することが抑制される。これにより、運転者は、走行レンジの選択時に必要な操作順序、つまり、シフトレバー10を傾動限界位置まで傾動させた後にノブ11を回動させるという操作順序を、特に力の加え加減を意識することなく自然に守ることができる。そのため、走行レンジ選択時の操作性が向上する。
本実施形態においては、上記シフトレバー10は、ホーム位置と、ホーム位置から後方に離れた後方傾動限界位置と、ホーム位置から前方に離れた前方傾動限界位置との間で傾動可能に支持され、上記ノブ11は、後方及び前方に回動可能に支持され、上記コントローラ60は、上記シフトレバー10が上記ホーム位置から上記後方傾動限界位置に傾動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記ノブ11が後方に回動操作されたときに、上記レンジをドライブレンジに切り替え、上記シフトレバー10が上記ホーム位置から上記前方傾動限界位置に傾動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記ノブ11が前方に回動操作されたときに、上記レンジをリバースレンジに切り替えるものである。
この構成によれば、ホーム位置と後方傾動限界位置と前方傾動限界位置とが一直線上に並び、ホーム位置を挟んで後方と前方とにシフトレバー10を傾動操作し、ノブ11を回動操作することにより、ドライブレンジとリバースレンジとを確実に切り分けて選択することができる。
本実施形態においては、上記シフトレバー10が傾動限界位置にあることを検出するレバー回動角センサ29と、上記ノブ11が前後方向に回動したことを検出するノブ回動センサ31,32とが備えられ、上記コントローラ60は、上記レバー回動角センサ29及びノブ回動センサ31,32が全てOFFの状態からレバー回動角センサ29がONとなったときに(ステップS2でYES)、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え(ステップS3)、さらにその状態からノブ回動センサ31,32がONとなったときに(ステップS4,S6でYES)、上記レンジを走行レンジに切り替え(ステップS5,S7)、上記レバー回動角センサ29及びノブ回動センサ31,32が全てOFFの状態から先にノブ回動センサ31,32がONとなったときは(ステップS1でYES)、その時点ではレンジの切替えを行わない(操作無効でリターン)ものである。
この構成によれば、レバー回動角センサ29及びノブ回動センサ31,32の検出結果に基いて、シフトレバー10及びノブ11の操作が認識され、レンジが制御される。その上で、上記センサ29,31,32の検出の順番が違うときは、操作が誤っていると判定され、誤ったレンジの切替えが回避される。
<第2実施形態>
次に、図13〜図17を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。図13〜図17は、それぞれ、図3、図4、図5、図7、図8に対応する。これ以外の構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態と同じ又は類似する構成要素には同じ符号を用いて特徴部分のみ説明する。
第1実施形態では、シフトレバー10の傾動操作中にノブ11が回動することを抑制するために、シフトレバー10をホーム位置から傾動限界位置まで傾動操作するのに必要な傾動操作力F1よりも、ノブ11を前後方向に回動操作するのに必要な回動操作力F2を大きい値に設定したが(F1<F2、図7及び図8参照)、この第2実施形態では、シフトレバー10のホーム位置から傾動限界位置への傾動操作が完了するまでノブ11の前後方向の回動を規制する規制機構(本発明の「規制手段」に相当する)80を備えた点が特徴である。また、その場合に、上記規制機構80は、上記シフトレバー10の上記傾動操作が完了するまでは、上記ノブ11の上記回動を阻止するように上記ノブ11と当接する当接位置に位置し、上記傾動操作が完了したときは、上記当接位置から退避する外筒後半部72a及び外筒前半部72b(いずれも本発明の「規制用可動部材」に相当する)を備えた点が特徴である。
図13に示すように、規制機構80は、シフトレバー10のレバー部12のブロック体15の下面に取り付けられたプレート部材70を含む。プレート部材70の前後の端部がブロック体15の前後の側面よりも前方及び後方に張り出し、その張り出したプレート部材70の前後の端部にそれぞれコイルスプリング71が上下方向に延びるように取り付けられている。ブロック体15の前後の側面に上下方向に延びるようにガイド用凹溝15aが形成され、このガイド用凹溝15aに係合し得る突起73を有する外筒後半部72a及び外筒前半部72bがレバー部12に組み付けられる。すなわち、外筒半部72a,72bは相互に鏡像関係にあり、突起73がブロック体15のガイド用凹溝15aに係合した状態でコイルスプリング71を上方から圧縮しつつレバー部12を前後から間に挟んで相互に対向する。
図14及び図15に示すように、シフトレバー10が本体部20に支持された状態で、外筒半部72a,72bは、筐体21の上面に形成されたゲート22を下方から挿通して塞ぐ。両半部72a,72bは、圧縮したコイルスプリング71により常時上方に付勢され、その上部分がゲート22を介して筐体21の上面から上方に突出している。後半部72aの後面及び前半部72bの前面は、それぞれ左右方向の中央部が後方及び前方に膨出する湾曲面に形成され、その湾曲面が長円形のゲート22の後端部及び前端部の円弧形状と一致して、コイルスプリング71の上方への付勢力によりゲート22の後端部及び前端部と常時線接触している。
外筒半部72a,72bは、相互に対向した状態で上部分ほど前後に細い先細り形状に形成され、上端部は上下方向に延びる小径の円筒部となって、ノブ11の空間部11xの下部分に突入している。上記円筒部の内周面はレバー部12の外周面に上下方向に摺動可能に面接触し、外周面は上記空間部11xを形成するノブ11の内壁部の内周面に上下方向に摺動可能に面接触する。
外筒半部72a,72bはコイルスプリング71により上方に付勢され、その付勢力はゲート22の後端部及び前端部で受け止められる。このゲート22の端部と線接触する外筒半部72a,72bの湾曲面は上記先細り形状により側面視で上部分ほどレバー部12側に傾斜している。そのため、外筒半部72a,72bはゲート22の端部からの反力を受けてそれぞれレバー部12側に押し付けられている。両半部72a,72b及び両コイルスプリング71,71は相互に仕様が同じである。そのため、外筒半部72a,72bは上記円筒部を介して前後から同じ力でシフトレバー10を押し合っている。したがって、シフトレバー10に前後方向の操作力が加えられていないときは、シフトレバー10は前後方向に延びるゲート22の中央部で直立姿勢となるホーム位置に保持される。
ホーム位置にあるシフトレバー10が操作力を受けて前後方向に傾動すると、傾いた側ではレバー部12とゲート22の端部との距離が短くなり、反対側では長くなる。したがって、傾いた側では外筒半部72a又は72bがコイルスプリング71をさらに圧縮しつつレバー部12に沿って下方に押し下げられ、それに伴いコイルスプリング71の付勢力が増大し、反対側では外筒半部72b又は72aがコイルスプリング71の付勢力によりレバー部12に沿って上方に押し上げられ、それに伴いコイルスプリング71が伸びて付勢力が減少する。そのため、シフトレバー10に対する操作力が解除されると、シフトレバー10は自ずとホーム位置に復帰する。これにより、本実施形態では、第1実施形態でシフトレバー10をホーム位置に保持するために用いられていたディテント用脚部16及びディテント用誘導部材24が採用されていない。
図16は、ドライブレンジを選択するとき、図17は、リバースレンジを選択するときのそれぞれシフトレバー10及びノブ11の操作説明図である。図中、運転者は、ノブ11を把持し、ノブ11に力を加えて、ノブ11を前後に動かすことにより、シフトレバー10を前後に傾動操作し、かつノブ11を前後に回動操作するものとする。
図16(a)及び図17(a)は、シフトレバー10がホーム位置に保持され、かつノブ11が初期位置に保持されているデフォルトの状態を示している。シフトレバー10は前後方向に延びるゲート22の中央部で直立姿勢であり、ノブ11もシフトレバー11と軸方向が一致するため直立姿勢である。このとき、コイルスプリング71により上方に付勢された外筒半部72a,72bの上端部(円筒部)はノブ11の空間部11xの下部分に突入し、その円筒部の外周面は上記空間部11xを形成するノブ11の内壁部の内周面に面接触している。この状態では、ノブ11に力を加えても、ノブ11は円筒部と当接するため回動が阻止される。言い換えると、ノブ11に加えた力はノブ11の回動に用いられず全てシフトレバー10の傾動に用いられる。したがって、外筒半部72a,72bの上端部がノブ11の空間部11xに突入している外筒半部72a,72bの位置は、本発明の「当接位置」に相当する。
ドライブレンジの選択時は、図16(a)の状態から、シフトレバー10を後方に傾動操作する。上記のように、外筒半部72a,72bの上端部がノブ11の空間部11xに突入しているので、ノブ11に加えた力は全てシフトレバー10の傾動に用いられ、ノブ11が回動しないので、シフトレバー10は良好に後方に傾動操作される。
一方、この傾動により、シフトレバー10の後方側では、レバー部12とゲート22の後端部との距離が短くなるため、外筒後半部72aが後面(湾曲面)でゲート22の後端部と摺接しつつレバー部12に沿って下方に押し下げられる。また、シフトレバー10の前方側では、レバー部12とゲート22の前端部との距離が長くなるため、外筒前半部72bが前面(湾曲面)でゲート22の前端部と摺接しつつレバー部12に沿って上方に押し上げられる。
シフトレバー10の後方への傾動が進むにつれて後半部72aの下方移動が進行し、ついには、図16(b)に示すように、外筒後半部72aの上端部がノブ11の空間部11xから抜け出る(当接位置から退避する)。つまり、外筒後半部72aが当接位置から退避し、この状態では、ノブ11に加えた力はシフトレバー10に伝わらないため、シフトレバー10はその以上後方に傾動できず、この時点でシフトレバー10の後方への傾動操作が完了する。そのため、外筒後半部72aの上端部がノブ11の空間部11xから抜け出たときのシフトレバー10の位置もまた後方傾動限界位置であり、シフトレバー10がこの後方傾動限界位置にあるときのシフトレバー10の回動角もまた後方限界角である。その結果、図16(b)に示すように、シフトレバー10がホーム位置から後方傾動限界位置まで傾動操作されると、レバー回動角センサ29がONとなり、レンジがニュートラルレンジに切り替わる。
シフトレバー10が後方傾動限界位置に傾動操作された以降は、ノブ11に加えた力により、外筒後半部72aとの当接が解除された初期位置にあるノブ11が後方に回動する。その結果、図16(c)に示すように、ノブ11の内壁部の後面がシフトレバー10の後面に当接すると、ドライブ用ノブ回動センサ31がONとなり、レンジがドライブレンジに切り替わる。
リバースレンジの選択時は、図17(a)の状態から、シフトレバー10を前方に傾動操作する。上記のように、外筒半部72a,72bの上端部がノブ11の空間部11xに突入しているので、ノブ11に加えた力は全てシフトレバー10の傾動に用いられ、ノブ11が回動しないので、シフトレバー10は良好に前方に傾動操作される。
一方、この傾動により、シフトレバー10の前方側では、レバー部12とゲート22の前端部との距離が短くなるため、外筒前半部72bが前面(湾曲面)でゲート22の前端部と摺接しつつレバー部12に沿って下方に押し下げられる。また、シフトレバー10の後方側では、レバー部12とゲート22の後端部との距離が長くなるため、外筒後半部72aが後面(湾曲面)でゲート22の後端部と摺接しつつレバー部12に沿って上方に押し上げられる。
シフトレバー10の前方への傾動が進むにつれて前半部72bの下方移動が進行し、ついには、図17(b)に示すように、外筒前半部72bの上端部がノブ11の空間部11xから抜け出る(当接位置から退避する)。つまり、外筒前半部72bが当接位置から退避し、この状態では、ノブ11に加えた力はシフトレバー10に伝わらないため、シフトレバー10はその以上前方に傾動できず、この時点でシフトレバー10の前方への傾動操作が完了する。そのため、外筒前半部72bの上端部がノブ11の空間部11xから抜け出たときのシフトレバー10の位置もまた前方傾動限界位置であり、シフトレバー10がこの前方傾動限界位置にあるときのシフトレバー10の回動角もまた前方限界角である。その結果、図17(b)に示すように、シフトレバー10がホーム位置から前方傾動限界位置まで傾動操作されると、レバー回動角センサ29がONとなり、レンジがニュートラルレンジに切り替わる。
シフトレバー10が前方傾動限界位置に傾動操作された以降は、ノブ11に加えた力により、外筒前半部72bとの当接が解除された初期位置にあるノブ11が前方に回動する。その結果、図17(c)に示すように、ノブ11の内壁部の前面がシフトレバー10の前面に当接すると、リバース用ノブ回動センサ32がONとなり、レンジがリバースレンジに切り替わる。
以上説明したように、第2実施形態においては、シフトレバー10のホーム位置から傾動限界位置への傾動操作が完了するまでノブ11の前後方向の回動を規制する規制機構80が備えられている。
この構成によれば、運転者がシフトレバー10を傾動操作している途中にノブ11が回動することが規制される。これにより、シフトレバー10の傾動中にノブ11が回動することが確実に防止されるので、走行レンジ選択時の操作性がより向上する。
本実施形態においては、上記規制機構80は、上記シフトレバー10の上記傾動操作が完了するまでは、上記ノブ11の上記回動を阻止するように上記ノブ11と当接する当接位置に位置し、上記傾動操作が完了したときは、上記当接位置から退避する外筒半部72a,72bを備える。
この構成によれば、外筒半部72a,72bが当接位置に位置することにより、運転者がシフトレバー10を移動操作している途中にノブ11が回動することが確実に規制される。一方、外筒半部72a,72bが当接位置から退避することにより、シフトレバー10の傾動操作が完了した後は運転者がノブ11を確実に回動操作することができる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、シフト装置1は、ドライブレンジの選択方向が後方、リバースレンジの選択方向が前方であったが、逆に、リバースレンジの選択方向が後方、ドライブレンジの選択方向が前方でもよい。また、シフトレバー10の傾動方向及びノブ11の回動方向を前後方向としたが、これに限らず、例えば左右方向等としてもよい。さらに、シフトレバー10を傾動ではなく、例えばスライド移動してもよい。
上記実施形態では、シフト装置1は、有段式の自動変速機(AT)50のレンジを切り替え操作するものであったが、これに限らず、例えば無段式の自動変速機(CVT)のレンジを切り替え操作するものでもよい。
上記実施形態では、シフト装置1は、いわゆる左ハンドル車に適用されたが(図1参照)、右ハンドル車にも適用可能である。その場合、例えば、図2に示したパーキングスイッチ8及びインジケータ9とシフトレバー10との配置等は、左右反転させることが好ましい。
上記実施形態は、本発明を内燃機関からなるエンジンを備えた車両に適用したものであったが、これに限られないことはいうまでもなく、例えば、動力源として走行用モータを備え、この走行用モータで走行することが可能な電気自動車やハイブリッド自動車等にも本発明を適用することができる。
1 シフト装置
10 シフトレバー(操作部材)
11 シフトノブ(把持部)
20 本体部
29 レバー回動角センサ(位置検出手段)
31 ドライブ用ノブ回動センサ(回動検出手段)
32 リバース用ノブ回動センサ(回動検出手段)
50 自動変速機
60 コントローラ(制御手段)
80 規制機構(規制手段)
72a 外筒後半部(規制用可動部材)
72b 外筒前半部(規制用可動部材)

Claims (6)

  1. 運転者により操作される操作部材と、
    上記操作部材をホーム位置と当該ホーム位置から所定方向に離れた移動限界位置との間で移動可能に支持すると共に、移動後の操作部材をホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、
    上記操作部材の先端部に上記所定方向に回動可能に支持された把持部と、
    上記操作部材及び把持部の操作に基いて車両に搭載された変速機のレンジを制御する制御手段とが備えられ、
    上記制御手段は、
    上記操作部材が上記ホーム位置から上記移動限界位置に移動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記把持部が上記所定方向に回動操作されたときに、上記レンジを走行レンジに切り替えるものであることを特徴とする車両用シフト装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シフト装置において、
    上記把持部に力を加えて操作部材をホーム位置から移動限界位置に移動操作するのに必要な上記力をF1とし、上記把持部に力を加えて把持部を上記所定方向に回動操作するのに必要な上記力をF2とした場合、F1<F2に設定されていることを特徴とする車両用シフト装置。
  3. 請求項1に記載の車両用シフト装置において、
    上記操作部材のホーム位置から移動限界位置への移動操作が完了するまで上記把持部の上記所定方向への回動を規制する規制手段が備えられていることを特徴とする車両用シフト装置。
  4. 請求項3に記載の車両用シフト装置において、
    上記規制手段は、上記操作部材の上記移動操作が完了するまでは、上記把持部の上記回動を阻止するように上記把持部と当接する当接位置に位置し、上記移動操作が完了したときは、上記当接位置から退避する規制用可動部材を備えることを特徴とする車両用シフト装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用シフト装置において、
    上記操作部材は、ホーム位置と、ホーム位置から第1の方向に離れた第1移動限界位置と、ホーム位置から第1の方向と反対の第2の方向に離れた第2移動限界位置との間で移動可能に支持され、
    上記把持部は、上記第1の方向及び第2の方向に回動可能に支持され、
    上記制御手段は、
    上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1移動限界位置に移動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記把持部が上記第1の方向に回動操作されたときに、上記レンジを前進方向の走行レンジであるドライブレンジに切り替え、
    上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2移動限界位置に移動操作されたときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から上記把持部が上記第2の方向に回動操作されたときに、上記レンジを後退方向の走行レンジであるリバースレンジに切り替えるものであることを特徴とする車両用シフト装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用シフト装置において、
    上記操作部材が上記移動限界位置にあることを検出する位置検出手段と、
    上記把持部が上記所定方向に回動したことを検出する回動検出手段とが備えられ、
    上記制御手段は、
    上記位置検出手段及び回動検出手段の双方が非検出の状態から位置検出手段が検出の状態となったときに、上記レンジをニュートラルレンジに切り替え、さらにその状態から回動検出手段が検出の状態となったときに、上記レンジを走行レンジに切り替え、
    上記位置検出手段及び回動検出手段の双方が非検出の状態から先に回動検出手段が検出の状態となったときは、その時点ではレンジの切替えを行わないものであることを特徴とする車両用シフト装置。
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