JP6052211B2 - 車両用シフト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の変速レンジを切り替えるための車両用シフト装置に関する。
車両用シフト装置として、近年、シフトレバーに相当する操作部材のポジションを電気的に検出して変速を行う、いわゆるエレキシフタ装置が知られている。エレキシフタ装置は、機械式の変速機を持たない電気自動車またはハイブリッド自動車において使用されることが多かった。ところが、操作部材と変速機との機械的な接続が不要なエレキシフタ装置は、そのデザイン自由度の高さから、機械式の変速機を備えた車両、例えばエンジン(内燃機関)のみを動力源とする従来型の自動車に対しても徐々に用いられつつある。
操作部材の操作量および操作方向の制約が少ないエレキシフタ装置では、コンパクト化や操作性向上の観点から、操作部材をダイヤル式とし、操作部材の回動等により走行レンジを切り替えるものが検討されている。すなわち、このように操作部材をダイヤル式とした装置では、操作部材の操作ストロークを小さく抑えることができコンパクト化を図ることができるとともに、操作時に手首を大きく移動させる必要がない、また、手元を見ずに操作を行うことが可能となるため、高い操作性を得ることができる。このような、エレキシフト装置の一例として、下記特許文献1のものが知られている。
特許文献1の装置では、回動可能な操作ノブが設けられており、この操作ノブが所定の軸線に沿ってスライドされると変速レンジがニュートラルレンジに切り替わり、このスライド後の位置を起点として操作ノブがさらに回動操作されると変速レンジがドライブレンジまたはリバースレンジに切り替わる。
また、エレキシフタ装置では、コンパクト化や操作性の向上をより一層図る観点から、モメンタリ式と呼ばれる機構、すなわち、操作部材から手が離されると操作部材を所定のホーム位置に自動的に復帰させる機構、が用いられることが多い。このようなモメンタリ式のエレキシフタ装置の一例として、下記特許文献2のものが知られている。
具体的には、特許文献2の装置では、スライドおよび回動可能な操作部材が設けられており、ホーム位置から操作部材がスライド操作されると変速レンジがニュートラルレンジに切り替わる。そして、その状態で操作部材から手が離されると、ニュートラルレンジを維持したまま操作部材がホーム位置に復帰する。また、ホーム位置からスライド操作された後、操作部材がさらに回動操作されると変速レンジが走行レンジ(ドライブレンジまたはリバースレンジ)に切り替わる。そして、その状態で操作部材から手が離されると、切り替わった変速レンジを維持しつつ操作部材がホーム位置に復帰する。
特開2010−105621号公報 特許第5021602号公報
前記特許文献2の装置では、ホーム位置から操作部材がスライド変位することで変速レンジがニュートラルレンジに切り替わるよう構成されている。そのため、ドライバーや他の乗員がうっかり操作部材に触れた場合等において、不意に変速レンジがドライブレンジやリバースレンジからニュートラルレンジに切り替わってしまう可能性すなわち誤操作が生じる可能性が高い。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、誤操作の発生を抑制しながら比較的簡便に変速レンジを切り替えることのできる車両用シフト装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、車室内に設けられた操作部材と、前記操作部材を、所定のホーム位置から時計まわりおよび反時計まわりに回動可能に、かつ、これら回動後の位置からそれぞれ車両前後方向の少なくとも一方側に変位可能に支持するとともに、回動後および変位後の前記操作部材を前記ホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、前記操作部材の回動および変位状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、車両の変速レンジを、ニュートラルレンジと、前進方向の走行レンジであるドライブレンジと、後退方向の走行レンジであるリバースレンジとの間で切り替えるレンジ切替部とを備え、前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から回動したと前記判定部が判定した場合は、前記変速レンジをニュートラルレンジに切り替え、前記操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動した後この回動後の位置から車両前に変位したと前記判定部が判定した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジのいずれか一方に切り替えるとともに、前記操作部材が前記ホーム位置から反時計回りに回動した後この回動後の位置から車両後方に変位したと前記判定部が判定した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジの他方に切り替えることを特徴とする車両用シフト装置を提供する(請求項1)。
本発明によれば、操作部材を回動および車両前後方向に変位させるという簡単な操作で、変速レンジをニュートラルレンジと走行レンジ(ドライブレンジまたはリバースレンジ)に切り替えることができるとともに、変速レンジが不意に切り替わるのをより確実に抑制することができ、車両の安全性を確保することができる。
具体的には、本発明では、操作部材をホーム位置から回動させるとニュートラルレンジに切り替わるよう構成されているとともに、操作部材をホーム位置から回動させた後さらに車両前後方向に変位操作させると走行レンジに切り替わるよう構成されており、操作部材がホーム位置から回動しない限り、すなわち、操作部材に有効な回転トルクが付与されない限り、変速レンジの切り替え(ニュートラルレンジへの切り替え)が実施されないようになっている。そのため、誤って手が触れる等により操作部材に予期せぬ力が加えられたとしても、その力の大きさおよびその力が付与された位置が、操作部材に対して有効な回転トルクを付与する大きさかつ位置である場合にしか、変速レンジの切り替えが実施されない。従って、予期せぬ変速レンジの切り替わりをより確実に抑制することができる。すなわち、操作部材がスライド変位することで変速レンジの切り替えが実施される従来の構成では、操作部材のどの部分であってもこの操作部材に対してスライドさせる方向に所定の力が加えられると、操作部材がスライドして変速レンジが切り替わってしまうのに対して、本発明では、操作部材に対して所定の力が加えられた場合であってもその力の作用位置が操作部材の回動中心に近い場合には、操作部材の回動を回避することができ、従来の構成に比べて、予期せぬ変速レンジの切り替わりをより確実に回避することができる。しかも、例え、操作部材が誤って回動した場合であっても、変速レンジはニュートラルレンジにしか切り替わらず、この誤回動後さらに操作部材が前後方向に動かない限り走行レンジには切り替わらないので、車両の不測の前進、後進を抑制することができる。
本発明において、前記操作部材は、運転席に着座したドライバーの左側に配置されており、前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から反時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをリバースレンジに切り替え、前記操作部材が前記ホーム位置から時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをドライブレンジに切り替え、前記本体部は、前記操作部材を前記ホーム位置から時計回りに回動させるのに必要な操作力が、当該操作部材を前記ホーム位置から反時計回りに回動させるのに必要な操作力よりも小さくなるように、前記操作部材を支持しているのが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、リバースレンジとドライブレンジとを誤って反対側に切り替えてしまうのをより確実に回避しつつ各レンジの切替操作の容易性を維持することができる。
具体的には、この構成では、操作部材を回動させるのに必要な操作力が、その回動方向によって(リバースレンジ方向とドライブレンジ方向とで)異なっている。そのため、操作部材の回動操作時において、ドライバーに、その操作方向がリバースレンジ側なのかドライブレンジ側なのかをより確実に認識させることができ、ドライバーがこれらレンジを誤って切り替えてしまうのを抑制することができる。また、リバースレンジ方向(反時計周り方向)についての回動操作力が大きく設定されているため、不意に走行レンジがリバースレンジに切り替わり車両が後進するのをより確実に回避することができ、高い安全性を確保することができる。
しかも、この構成では、操作部材がドライバーの左側に配置された場合において、時計回り方向、すなわち、手首を身体側に回動させる方向であって手首の回転可能角度が小さく比較的操作し難い方向についての回転操作力の方が、反対方向(反時計まわり方向)に比べて小さく設定されている。そのため、この時計回り方向への回動操作の操作性を確保して、ドライブレンジへの切替操作の容易性を維持することができる。
前記とは異なる態様として、前記操作部材は、運転席に着座したドライバーの右側に配置されており、前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から反時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをリバースレンジに切り替え、前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをドライブレンジに切り替え、前記本体部は、前記操作部材を前記ホーム位置から反時計回りに回動させるのに必要な操作力が、当該操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動させるのに必要な操作力以下となるように、前記操作部材を支持していてもよい(請求項3)。
この構成によれば、操作部材がドライバーの右側に配置された場合において、手首を身体側に回動させる方向である反時計回り方向、すなわち手首の回転可能角度が小さく比較的操作し難い方向である反時計回り方向に操作部材を回動させることでリバースレンジに切り替わるよう構成されている。そのため、特に切り替えに注意の要するリバースレンジへの不測の切り替えを抑制することができ、車両安全性を高めることができる。
ここで、このように構成した場合において、仮に、操作部材を反時計回りに回動させるのに必要な操作力を大きくしてしまうと、手首の回転可能角度が小さい上に操作力が大きくなることで、この反時計回り方向への回動操作が極端に悪くなると考えられる。これに対して、この構成では、反時計回りに回動させるのに必要な操作力を、時計回り方向についての操作力以下、すなわち、同じか小さくなるよう構成しているため、前記のように車両安全性を高めつつ、反時計回り方向への回動操作の操作性が極端に悪くなるのを回避することができる。
また、本発明において、前記ホーム位置から回動した前記操作部材を前記ホーム位置に戻す方向にこの操作部材を付勢する回動側付勢手段を有し、前記回動側付勢手段は、前記操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動している場合と、反時計回りに回動している場合とで、当該操作部材に付与する付勢力が異なるよう構成されているのが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、操作部材をホーム位置に自動復帰させるための回動側付勢手段を利用して、操作部材を回動させるのに必要な操作力を、その回動方向によって異ならせることができ、この操作力を変更するための部品を別途設ける場合に比べて装置を簡素化することができる。
また、本発明において、前記変速レンジをリバースレンジに切り替えるために前記操作部材を車両前後方向に変位させる操作に必要な操作力の方が、前記変速レンジをドライブレンジに切り替えるために前記操作部材を車両前後方向に変位させる操作に必要な操作力よりも大きくなるように、前記本体部が、前記操作部材を支持しているのが好ましい(請求項5)。
このようにすれば、変速レンジが、切り替えに特に注意の要するリバースレンジに不意に切り替わってしまうのをより確実に回避することができ、安全性をより一層高めることができる。
前記構成において、前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から回動した後この回動後の位置から車両前方に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをリバースレンジに切り替え、前記操作部材が前記ホーム位置から回動した後この回動後の位置から車両後方に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをドライブレンジに切り替えるのが好ましい(請求項6)。
この構成では、車両前後方向について、より大きな操作力が必要となるリバースレンジへの切り替え方向が、ドライバーがより力を加えやすい方向である前方向に設定されているため、リバースレンジへの不意の切り替えを回避しつつ、操作性を高く維持することができる。また、この構成では、リバースレンジへの切り替えとドライブレンジへの切り替えとが、車両前後方向について異なる方向に設定されているため、これらレンジの切り替えが誤って実施されるのをより確実に回避することができる。
前記構成において、前記ホーム位置から回動した後の位置から車両前後方向に変位した前記操作部材を前記回動後の位置に戻す方向にこの操作部材を付勢する変位側付勢手段を有し、前記変位側付勢手段は、前記操作部材が前記回動後の位置から車両前方に変位している場合と、後方に変位している場合とで、当該操作部材に付与する付勢力が異なるよう構成されているのが好ましい(請求項7)。
この構成によれば、操作部材を回動後の位置に自動復帰させるための変位側付勢手段を利用して、操作部材を前後方向に変位させるのに必要な操作力を、その変位方向によって異ならせることができ、この操作力を変更するための部品を別途設ける場合に比べて装置を簡素化することができる。
以上説明したように、本発明の車両用シフト装置によれば、誤操作の発生を抑制しながら比較的簡便に走行レンジを切り替えることができる。
本発明の第1実施形態にかかるシフト装置が適用された車両の車室前部の構成を示す図である。 前記シフト装置周辺の平面図である。 前記シフト装置の斜視図である。 前記シフト装置の操作例を示す図である。 前記シフト装置の分解斜視図である。 前記シフト装置の分解側面図である。 前記シフト装置の分解背面図である。 筐体の平面図である。 (a)ホーム位置にある状態におけるシフト装置の平面図である。(b)ホーム位置から反時計回りに回動した状態おけるシフト装置の平面図である。(c)回動後前方にスライド変位した状態おけるシフト装置の平面図である。 (a)ダイヤルがホーム位置にある状態における本体部の内部を示した平面図である。(b)ダイヤルがホーム位置から反時計回りに回動した状態おける本体部の内部を示した平面図である。(c)ダイヤルが回動後前方にスライド変位した状態おける本体部の内部を示した平面図である。 (a)ダイヤルがホーム位置にある状態における本体部の内部を示した平面図である。(b)ダイヤルがホーム位置から反時計回りに回動した状態おける本体部の内部を示した平面図である。(c)ダイヤルが回動後前方にスライド変位した状態おける本体部の内部を示した平面図である。 スライドブロック周辺を拡大して示す平面図である。 (a)ダイヤルがホーム位置にある状態における本体部の内部を示した側面図である。(b)ダイヤルがホーム位置から反時計回りに回動した状態おける本体部の内部を示した側面図である。(c)ダイヤルが回動後前方にスライド変位した状態おける本体部の内部を示した側面図である。 スライド側誘導部材の詳細を説明するための側面図である。 シフト装置の制御系統を示すブロック図である。 (a)ホーム位置にあるダイヤルを把持する手の様子を示した図である。(b)ホーム位置からダイヤルを回動させる際の手の様子を示した図である。 本発明の第2実施形態にかかるシフト装置が適用された車両の車室前部の構成を示す図である。 第2実施形態に係るシフト装置周辺の平面図である。 第2実施形態に係るスライドブロック周辺を拡大して示す平面図である。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる車両の車室前部の構成を示す図である。この図1に示すように、第1実施形態にかかる車両は、運転席およびステアリングハンドル4が車両左側に設けられた、いわゆる左ハンドルの車両である。本図に示すように、車室前部には、車幅方向に延びるインストルメントパネル2が設けられている。インストルメントパネル2の運転席側にはメータユニット3が設けられ、このメータユニット3の後方にステアリングハンドル4が設けられている。インストルメントパネル2の車幅方向中央部から車両後方に向かう部分には、センターコンソール5が設けられ、このセンターコンソール5上には、シフト装置(車両用シフト装置)1とパーキングスイッチ8とインジケータ9とが設けられている。
第1実施形態において、車両は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関からなるエンジン(図示省略)と、エンジンの駆動力を減速しつつ車輪に伝達する自動変速機90(図15)とを備えている。自動変速機90は、遊星歯車機構を含み、当該歯車機構によって実現される複数の減速比の中から車速やエンジン負荷等に応じた適切な減速比を自動的に選択する有段式の変速機(AT)である。この自動変速機90の変速レンジには、駆動力伝達が切断されるニュートラルレンジと、駆動力伝達が切断された上に出力軸がロックされるパーキングレンジと、前進方向の走行レンジすなわち車両を前進させる方向に駆動力を伝達するレンジであるドライブレンジと、後退方向の走行レンジすなわち車両を後退させる方向に駆動力を伝達するレンジであるリバースレンジとが存在する。
パーキングスイッチ8は、自動変速機90の変速レンジをパーキングレンジに切り替えるときに操作されるものである。図1に示す例では、パーキングスイッチ8は、プッシュ式のボタンスイッチであり、このパーキングスイッチ8が押圧操作される毎に、パーキングレンジの選択/非選択が切り替えられる。パーキングスイッチ8の上面には、パーキングレンジを表す「P」の文字盤が設けられており、パーキングレンジが選択されるとLED等の光源により「P」の文字が強調表示される。
シフト装置1は、自動変速機90の変速レンジをパーキングレンジ以外のレンジ(つまりドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジ)に切り替えるときに操作されるものである。詳しくは後述するが、シフト装置1は、回動操作および回動後の位置から車両前後方向にスライド操作可能な装置である。このシフト装置1に対する操作パターンの違いにより、自動変速機90の変速レンジがドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジに切り替わる。
インジケータ9は、ドライブ、リバース、ニュートラルのうち現在選択されている変速レンジを表示するものである。図2は、シフト装置1の周辺を拡大して示す平面図である。この図2に例示されるインジケータ9の場合、リバースレンジを表す「R」、ニュートラルレンジを表す「N」、ドライブレンジを表す「D」の文字盤が設けられている。そして、シフト装置1の操作に応じてドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジが選択されたときには、その選択中のレンジに対応した文字(R,N,Dのいずれか)が強調表示されるようになっている。なお、図2における「home」の文字は、ダイヤル10のホーム位置がこの位置にあることを表したものである。
さらに、前記のようなインジケータ9による変速レンジの表示に加えて、図1に示す例では、メータユニット3にも変速レンジが表示されるようになっている。すなわち、メータユニット3は、その所定箇所(例えばスピードメータとタコメータとの間)に液晶画面等からなる表示部を有しており、その表示部に、選択中の変速レンジに対応した文字(P,R,N,D)が表示されるようになっている。
シフト装置1の具体的構造について説明する。
図3は、シフト装置1の概略斜視図である。図4は、シフト装置1を操作する際の操作例を示した図である。図5〜図7は、シフト装置1の分解図である。
これらの図および図2に示すように、シフト装置1は、ダイヤル(操作部材)10と、ダイヤル10を回動可能に、かつ、回動後、その回動後の位置から車両前後方向にスライド変位可能に支持する本体部11とを有している。以下、車両前後方向を単に前後方向といい、この方向の前側・前方を単に前側・前方といい、この方向の後側・後方を単に後側・後方という。また、各図において、「前」は、車両前後方向の前側を意味し、「後」は車両前後方向の後側を意味している。
ダイヤル10は、ドライバー(乗員)により把持される部分である。ダイヤル10は、図2に示す状態となる位置をホーム位置として、このホーム位置から時計周り(右方向)および反時計周り(左方向)に回動可能に、かつ、これら回動後の位置から前後方向にスライド変位可能に支持されている。本実施形態では、ダイヤル10は、ホーム位置から時計回りに回動した場合は、その回動後の位置から後方にのみスライド変位可能に、ホーム位置から反時計周りに回動した場合は、その回動後の位置から前方にのみスライド変位可能に支持されている。また、ダイヤル10は、ダイヤル10の中心Oを中心として回動するよう支持されている。
本実施形態では、ダイヤル10は、図2に示すように、ホーム位置にある状態で、前後方向に延びる線を中心として線対称となる形状を有している。また、ダイヤル10は、その中心線上に位置する後端部を頂点とする正三角形の各辺を外側に膨出するように湾曲させた形状を有している。すなわち、ダイヤル10は、前方に膨出するように湾曲する前端面10aと、この前端面10aの車幅方向両側端からそれぞれ後端に向かって外側に膨出するように湾曲する側面10b、10cとを有している。ドライバーは、例えば、図4に示すように、その親指と小指とをそれぞれ両側面10b、10cに当てた状態でダイヤル10を把持することができる。
図5〜図7に示すように、本体部11は、上面が開口した箱状の筐体50と、筐体50の上面にその開口を覆うように取り付けられるカバー部40とを有する。ダイヤル10は、このカバー部40の上方に配置されている。本体部11は、さらに、カバー部40を貫通してダイヤル10から下方に延びるとともに主として筐体50内に収容されるロッド30と、筐体50内に収容されるスライドブロック20とを有している。
ロッド30は、カバー部40に形成された挿通孔40aに挿通されてダイヤル10から下方に延びる棒状の軸部31と、回動側ディテント用脚部35と、一対のガイド用脚部32、33とを有している。
ロッド30の軸部31はダイヤル10の下面にこれと一体に回動およびスライド変位可能に固定されており、ロッド30は、ダイヤル10と一体に回動および前後方向にスライド変位する。本実施形態では、軸部31は、平面視でその中心軸とダイヤル10の中心(ダイヤル10の回動中心O)とが一致するようにダイヤル10に固定されており、ロッド30は、軸部31の中心軸を中心としてダイヤル10と一体に回動する。なお、ロッド30が回動および前後方向にスライド変位可能なように、カバー部40に形成された前記挿通孔40aの内径は、ロッド30の軸部31の外径よりも所定量大きい値に設定されている。以下、ロッド30およびダイヤル10の回動中心を単に回動中心Oという場合がある。
回動側ディテント用脚部35は、軸部31の上下中間位置から水平方向に突出する棒状部材である。本実施形態では、回動側ディテント用脚部35は、ダイヤル10がホーム位置にある状態で、軸部31から真直ぐ前方に突出するように設けられている。この回動側ディテント用脚部35は、図6等に示すように、軸部31の外周面から前方に延びる中空状の脚本体部35bと、脚本体部35bの先端からさらに前方に突出する付勢部35aとを有している。付勢部35aは、脚本体部35bの内部に設けられた圧縮スプリング(回動側付勢部材、図示省略)により前方に押圧されている。このような付勢部35aは、圧縮スプリングを押し戻す後向きの力を受けて後退し、その力が減少すると前進するというように、脚本体部35bに対し前後方向に進退自在に支持されている。
各ガイド用脚部32、33は、それぞれ棒状部材であって、軸部31の外周面のうち互いに対向する部分からそれぞれ水平方向に突出した後下方に延びている。本実施形態では、これらガイド用脚部32,33は、ダイヤル10がホーム位置にある状態で、一方のガイド用脚部32が、軸部31の外周面から真直ぐ前方に突出した後下方に延びるよう、他方のガイド用脚部33が、軸部31の外周面から真直ぐ後方に突出した後下方に延びるよう構成されている。
スライドブロック20は、ブロック状の本体部21と、この本体部21の側面からそれぞれ外側に突出する一対のガイド用突片22,22と、一方のガイド用突片22からさらに外側に突出するスライド側被検出体23と、本体部21の下面から下方に突出するスライド側ディテント用脚部25と、本体部21の前側に設けられた回動側誘導部材24とを有する。
スライドブロック20の本体部21には、上下に貫通してロッド30の軸部31が挿通される貫通孔21aが形成されている。この貫通孔21a内の内径はロッド30の軸部31の外径と同程度であって軸部31が貫通孔21a内で回動可能な大きさに設定されている。そのため、ロッド30がダイヤル10とともに回動した場合は、ロッド30の軸部31がこの貫通孔21a内で回動するだけとなりスライドブロック20は回動しない。一方、ロッド30がダイヤル10とともに前後方向にスライド変位した場合には、スライドブロック20は、ロッド30およびダイヤル10と一体にスライド変位する。換言すると、ロッド30およびダイヤル10は、スライドブロック20によって、ロッド30の軸部31の中心軸およびダイヤル10の中心を中心として回動可能に支持されている。
本実施形態では、スライドブロック20の本体部21は、車幅方向に延びる略直方体状である。ガイド用突片22,22は、それぞれ、このスライドブロック20の本体部21の車幅方向両側面からそれぞれ車幅方向外側に突出している。
スライド側ディテント用脚部25は、図6等に示すように、前記回動側ディテント用脚部35と同様の構造を有する。すなわち、スライド側ディテント用脚部25は、スライドブロック20の本体部21の下面から下方に延びる中空状の脚本体部25bと、この脚本体部25bの先端からさらに下方に突出する付勢部25aとを有している。付勢部25aは、脚本体部25bの内部に設けられた圧縮スプリング(変位側付勢部材、図示省略)により下方に押圧されており、圧縮スプリングを押し戻す上向きの力を受けて脚本体部25bに対して上方に移動し、その力が減少すると下方に移動する。
図12は、スライドブロック20周辺を拡大して示した平面図である。この図12に示すように、回動側誘導部材24は、スライドブロック20の本体部21の前面からアーチ状に前方に突出しており、回動側誘導部材24と本体部21との間には所定の空間が区画されている。そして、回動側誘導部材24には、この本体部21の前面と対向して前方に凹むように湾曲する回動側誘導面24aが形成されている。回動側誘導部材24と本体部21との間の空間には、ロッド30の回動側ディテント用脚部35が配置されている。この配置状態において、回動側誘導面24aには、回動側ディテント用脚部35の付勢部35aの先端(前端)が、圧縮スプリングによる押圧力を受けて常時押し付けられている。この回動側誘導面24aと回動側ディテント用脚部35とは、ダイヤル10がホーム位置から回動した際に、ダイヤル10をホーム位置に自動的に戻す回動側のモメンタリ機構を構成する。モメンタリ機構の詳細および回動側誘導面24aの詳細については後述する。
図7等に示すように、筐体50の車幅方向両側面には、それぞれ、スライドブロック20のガイド用突片22,22を前後方向にスライド変位可能に支持する一対のスライドブロック支持部51,51が形成されている。具体的には、各スライドブロック支持部51は、筐体50の側面からそれぞれ内側に突出して前後方向に延びる案内壁部51a,51bを有している。これら案内壁部51a、51bは上下に離間しており、これら案内壁部51a、51bの間には前後方向に延びる案内溝51cが区画されている。スライドブロック20のガイド用突片22、22はこの案内溝51c内に挿入されており、これによりガイド用突片22,22ひいてはスライドブロック20は、案内溝51cに沿って前後方向にスライド変位可能に支持されている。
図5等に示すように、一方側の案内溝51cの底面すなわち筐体50の側面には貫通孔59が形成されている。この貫通孔59には、スライドブロック20のスライド側被検出体23が筐体50の外側面から外側に突出するように挿通されている。この貫通孔59は、スライド側被検出体23が前後方向にスライド変位可能なように前後方向に延びる長孔状を有している。
筐体50の底面には、ロッド30のガイド用脚部32、33がそれぞれ挿通されるロッド案内溝52、53が形成されている。各ロッド案内溝52、53にガイド用脚部32、33がそれぞれ挿通された状態で、ロッド30は、軸部31の下端部が筐体50の底面に当接するように筐体50内に配設されている。
図8は、筐体50の平面図である。この図8に示すように、ロッド案内溝52,53は、それぞれ、平面視で回動中心Oを中心とする円の円周に沿って延びる円弧状の回動側溝52a、53aと、この回動側溝52a、53aと連通してこの回動側溝52a、53aの両端からそれぞれ前後に延びるRレンジ側溝52b、53bと、Dレンジ側溝52c、53cとからなる。
具体的には、回動側溝52a、53aは、回動中心Oを通り前後方向に延びるライン上の位置から時計回り方向および反時計回り方向にそれぞれ同じ角度分(例えばそれぞれ15°づつ)延びている。
そして、前側に形成されたロッド案内溝52は、回動側溝52aの反時計回り方向の端部(左側端部)から前方に延びるRレンジ側溝52bと、回動側溝52aの時計回り方向の端部(右側端部)から後方に延びるDレンジ側溝52cとを有する。一方、後側に形成されたロッド案内溝53は、回動側溝53aの反時計周り方向の端部(右側端部)から前方に延びるRレンジ側溝53bと、回動側溝51bの時計回り方向の端部(左側端部)から後方に延びるDレンジ側溝53cとを有する。
ロッド案内溝52、53が前記のように構成されていることで、ダイヤル10がホーム位置にありガイド用脚部32,33が軸部31から真直ぐ前方および後方にそれぞれ突出している状態から、ダイヤル10およびロッド30が時計周りに回動した場合には、これらダイヤル10およびロッド30は、回動後の位置から前方にしか移動できないようになっている。一方、前記状態から反時計周りに回動した場合には、ダイヤル10およびロッド30は、回動後の位置から後方にしか移動できないようになっている。
ダイヤル10、ロッド30およびスライドブロック20の回動およびスライド変位の様子を、図9(a)〜(c)および図10(a)〜(c)に示す。
図9(a)〜(c)は、ダイヤル10の回動およびスライド変位の様子を示した図である。図10(a)〜(c)は、図9(a)〜(c)に対応したロッド30およびスライドブロック20の様子を示した図である。図9(a)および図10(a)は、ダイヤル10がホーム位置にあるときの状態を示している。前述のように、ダイヤル10がホーム位置にある状態では、ロッド30は、ガイド用脚部32、33が軸部31から真直ぐ前方および後方に突出している姿勢となる。
この状態から、図9(b)のようにダイヤル10が反時計回りに回動すると、図10(b)に示すように、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53の回動側溝52a、53aに沿って反時計周りに移動する。ガイド用脚部32、33が回動側溝52a、53aの端部に当接すると、ロッド30およびダイヤル10はそれ以上回動することができなくなる。
この状態から、図9(c)のようにダイヤル10が前方にスライド操作されると、図10(c)に示すように、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53のRレンジ側溝52b、53bに沿って前方に移動する。また、ロッド30とともに、スライドブロック20が前方に移動する。このとき、スライドブロック20のガイド用突片22、22は、筐体50に形成された案内溝51cに沿って摺動する。ガイド用脚部32、33がRレンジ側溝52b、53bの前端に当接すると、ロッド30およびダイヤル10はそれ以上変位することができなくなる。
一方、図示していないが、ダイヤル10がホーム位置にある状態から時計周りに回動した場合は、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53の回動側溝52a、53aに沿って時計周りに移動する。そして、ガイド用脚部32、33が回動側溝52a、53aの端部に当接した状態でダイヤル10が後方にスライド操作されると、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53のDレンジ側溝52c、53cに沿って後方に移動し、ロッド30とともにスライドブロック20が後方に移動する。
図5に戻り、筐体50には、スライドブロック20のスライド側ディテント用脚部25と対向する位置に、スライド側誘導部材55が設けられている。スライド側誘導部材55の上面には、下方に凹み側面視で略半球状のスライド側誘導面55aが形成されている。スライド側誘導面55aには、スライド側ディテント用脚部25の先端部、つまり付勢部25aの先端が、圧縮スプリングによる押圧力を受けて常時押し付けられている。このスライド側誘導面55aとスライド側ディテント用脚部25とは、ダイヤル10およびロッド30がホーム位置から前後方向に変位した際に、これをホーム位置に自動的に戻すためのスライド変位側のモメンタリ機構を構成する。モメンタリ機構の詳細およびスライド側誘導面55aの詳細については後述する。
図3、図5等に示すように、筐体50のうち貫通孔59が形成された側面には、ダイヤル10の前後方向の変位量を検出する変位量センサ61が設けられている。具体的には、変位量センサ61は、ダイヤル10の前後方向の変位量として、ダイヤル10と一体にスライド変位するスライドブロック20に設けられたスライド側被検出体23の前後方向の変位量を検出する。スライド側被検出体23は、この変位量センサ61のハウジング61a内に挿入されており、このハウジング61a内に設けられたセンサ部(不図示)によりスライド側被検出体23の位置が検出される。
また、筐体50の下面には、ダイヤル10の回動量を検出する回動量センサ62が設けられている。具体的には、回動量センサ62は、ダイヤル10の回動量として、ダイヤル10と一体に回動するロッド30のガイド用脚部33の回動量を検出する。ガイド用脚部33の先端は、この回動量センサ62のハウジング62a内に挿入されており、このハウジング62a内に設けられたセンサ部(不図示)によりガイド用脚部33の回動量が検出される。
(2)モメンタリ機構の詳細構成
まず、回動側のモメンタリ機構および回動側誘導面24aについて説明する。
図11(a)〜(c)は、図9(a)〜(c)および図10(a)〜(c)に対応した図であり、ダイヤル10の回動およびスライド変位時の回動側ディテント用脚部35の様子を示したものである。図11(a),(b)に示すように、また、前述のように、ダイヤル10の回動時には、スライドブロック20は変位しない。そのため、ダイヤル10の回動に伴って、回動側ディテント用脚部35は、回動中心Oを中心として回動側誘導面24aに沿って回動する。
回動側誘導面24aは、図12に示すように、その前端P1が、回動中心Oを通り真直ぐ前方に延びるライン上に位置するように湾曲している。そして、回動側誘導面24aは、その前端P1から時計回り側(右側)に位置するD側湾曲面24a_Dと、前端P1から反時計回り側(左側)に位置するR側湾曲面24a_Rとを有している。図11(a)に示すように、また、前述のように、回動側ディテント用脚部35は、ダイヤル10がホーム位置にある状態で、軸部31から真直ぐ前方に突出するように設けられており、この状態において、回動側ディテント用脚部35の付勢部35aは、回動側誘導面24aの前端P1と当接する位置に配置される。
図12に示すように、D側湾曲面24a_DおよびR側湾曲面24a_Rは、それぞれ前端P1から離間するほど回動中心Oからの距離が短くなるように構成されている。そのため、付勢部35aは、回動側誘導面24aの前端P1に当接している状態において脚本体部35bから最も進出し、前端P1から離間するほど後退する。このように、前端P1から離間するのに伴って付勢部35aが後退すると、圧縮スプリングにより回動側誘導面24aに強く押し付けられ、その押し付け力は、付勢部35aを前端P1に戻そうとする力に変換される。そのため、付勢部35a(ロッド30およびダイヤル10)に対しドライバーの手による操作力(ロッド30およびダイヤル10を回動させる力)が加えられていない状態では、付勢部35aは回動側誘導面24aの前端P1に当接する位置に保持され、これにより、ダイヤル10はホーム位置に保持される。また、ホーム位置にあるダイヤル10が操作力を受けて回動しこれに伴い付勢部35aが前端P1から離間する位置に配置された後、この操作力が解除されると、圧縮スプリングの力によって付勢部35aは前端P1に当接する位置に戻され、これに伴いダイヤル10はホーム位置に自動的に復帰する。
本実施形態では、図12に示すように、D側湾曲面24a_Dの曲率は、R側湾曲面24a_Rの曲率よりも大きくされている。すなわち、図12において、一点鎖線で示したラインL_Rは、R側湾曲面24a_Rと同じ曲率を有するラインであり、D側湾曲面24a_DはこのラインL_Rよりも回動中心O側に位置している。
前記のように、付勢部35aが前端P1から離間することに伴い付勢部35aすなわちロッド30およびダイヤル10には、圧縮スプリングの反発力が加えられる。そして、この反発力は、ダイヤル10の回動操作に対する抵抗力として働く。すなわち、ドライバーは、この圧縮スプリングの反発力に抗する力をダイヤル10に加えない限り、ダイヤル10を回動させることができない。そして、この圧縮スプリングの反発力すなわち抵抗力は、付勢部35aの後退量が大きいほど大きくなる。
そのため、本実施形態では、前記のように、D側湾曲面24a_Dの曲率がR側湾曲面24a_Rの曲率よりも大きく設定されていることで、付勢部35aがD側湾曲面24a_Dを移動するときすなわちダイヤル10を時計回りに回動させるときの方が付勢部35aの後退量が大きくなり、ダイヤル10をホーム位置から時計周りに回動させるのに必要な操作量の方が、反時計回りに回動させるのに必要な操作力よりも大きくなっている。
次に、スライド側のモメンタリ機構およびスライド側誘導面55aについて説明する。
図13(a)〜(c)は、図9(a)〜(c)、図10(a)〜(c)および図11(a)〜(c)に対応した図であり、ダイヤル10の回動およびスライド変位時のスライド側ディテント用脚部25の様子を示したものである。図14は、スライド側誘導面55aとスライド側ディテント用脚部25とを拡大して示した図である。図13(b),(c)に示すように、ダイヤル10が回動後スライド変位するのに伴って、スライド側ディテント用脚部25は、スライド側誘導面55aに沿ってスライド変位する。
図14に示すように、また、前述のように、スライド側誘導面55aは、下方に凹み側面視で略半球状を有している。また、図13(a)、(b)および図14に示すように、スライド側ディテント用脚部25は、ダイヤル10が前後方向にスライド変位していない状態で、スライド側誘導面55aの底部Q1と当接するように配置されている。従って、スライド側ディテント用脚部25の付勢部25aは、スライド側誘導面55aの底部Q1に当接している状態において脚本体部25bから最も進出し、底部Q1から離間するほど後退する。そのため、付勢部25a(ロッド30およびダイヤル10)に対しドライバーの手による操作力(ロッド30およびダイヤル10をスライド変位させる力)が加えられていない状態では、付勢部25aはスライド側誘導面55aの底部Q1に当接する位置に保持され、これにより、ダイヤル10はホーム位置に保持される。また、ホーム位置にあるダイヤル10が操作力を受けてスライド変位しこれに伴い付勢部25aが底部Q1から離間する位置に配置された後、この操作力が解除されると、圧縮スプリングの力によって付勢部25aは底部Q1に当接する位置に戻され、これに伴いダイヤル10はホーム位置に自動的に復帰する。
本実施形態では、図14に示すように、スライド側誘導面55aは、底部Q1よりも前側の部分と後側の部分とでその曲率が異なるように設定されている。具体的には、底部Q1から前側に延びるR側湾曲面55a_Rの曲率の方が、底部Q1から後側に延びるD側湾曲面55a_Dの曲率よりも大きく設定されている。すなわち、図14において、一点鎖線で示したラインL_Dは、D側湾曲面55a_Dと同じ曲率を有するラインであり、R側湾曲面55a_RはこのラインL_Dよりも上方に位置している。
そのため、前記回動側ディテント用脚部35と回動側誘導面24aとの関係において説明したのと同様の作用により、付勢部25aがR側湾曲面55a_Rを移動するときすなわちダイヤル10を前方にスライド変位させるときの方が付勢部25aの後退量が大きくなり、ダイヤル10を前方にスライド変位させるのに必要な操作量の方が、後方にスライド変位させるのに必要な操作力よりも大きくなっている。
(3)制御系統
図15は、第1実施形態のシフト装置1に関する制御系統を示すブロック図である。本図に示すコントローラ100は、周知のCPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータからなるもので、シフト装置1の操作状態に応じて自動変速機90の変速動作を制御する等の機能を有している。なお、図15ではコントローラ100が一体のブロックとして表されているが、コントローラ100は、例えば車体側と自動変速機90側とにそれぞれ分割して設けられた複数のマイクロコンピュータから構成されるものであってもよい。
コントローラ100は、上述したパーキングスイッチ8、変位量センサ61、回動量センサ62、自動変速機90(より詳しくはその変速アクチュエータ90a)、インジケータ9、およびメータユニット3と電気的に接続されている。なお、自動変速機90の変速アクチュエータ90aとは、例えば、自動変速機90に内蔵されるクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素の締結・解放を切り替えるソレノイドバルブ等のことである。
コントローラ100は、判定部100a、レンジ切替部100bを機能的に有している。
判定部100aは、ダイヤル10の操作状態を判定するものである。具体的には、判定部100aは、回動量センサ62からの信号に応じてダイヤル10がホーム位置から回動操作されたか否かを判定する。また、判定部100aは、変位量センサ61からの信号に応じて、ダイヤル10が前方に変位したか否か、および、ダイヤル10が後方に変位したか否かを判定する。
レンジ切替部100bは、判定部100aにより判定されたダイヤル10の操作状態に基づいて、自動変速機90の変速レンジの切り替えを実行する。
ダイヤル10がホーム位置から所定量回動操作されたと判定部100aにより判定されると、レンジ切替部100bは、変速レンジをニュートラルレンジに切り替える。本実施形態では、ダイヤル10の回動方向によらず(時計周りか反時計周りかによらず)ダイヤル10が所定の回動量だけ回動されたことが判定部100aにより判定されると、レンジ切替部100bは、変速レンジをニュートラルレンジに切り替える。ここで、本実施形態では、前記所定の回動量は、ホーム位置から、ロッド30のガイド用脚部32、33がロッド案内溝52、53の回動側溝52a、53aの各端部に当接する位置まで、ダイヤル10が回動する量とほぼ同じ値に設定されている。
また、レンジ切替部100bは、ダイヤル10が回動後の位置から前方に所定のスライド量以上変位したと判定部100aにより判定されると、変速レンジをリバースレンジに切り替える。一方、レンジ切替部100bは、ダイヤル10が回動後の位置から後方に所定のスライド量以上変位したと判定部100aにより判定されると、変速レンジをリバースレンジに切り替える。本実施形態では、前記所定のスライド量は、回動後、ロッド30のガイド用脚部32、33がロッド案内溝52、53のRレンジ側溝52b、53bの前端およびDレンジ側溝52c、53cの後端に当接する位置までダイヤル10がスライド変位する量とほぼ同じ値に設定されている。
また、コントローラ100は、変速レンジの切り替えに伴い、インジケータ9およびメータユニット3の表示を変更する制御(現在の変速レンジを表示する制御)等を実行する。
(4)作用等
以上説明したように、第1実施形態にかかるシフト装置1では、ダイヤル10は、ホーム位置から時計回りおよび反時計回りに回動することで変速レンジがニュートラルレンジに切り替わり、この回動後の位置から前後方向にスライド変位することで変速レンジがリバースレンジとドライブレンジのいずれかに切り替わるようになっている。すなわち、このシフト装置1では、ダイヤル10を回動させない限り、変速レンジが切り替わらないよう構成されている。
そのため、誤って手が触れる等によりダイヤル10に予期せぬ力が加えられたとしても、その力の大きさおよびその力が付与された位置が、ダイヤル10に対して有効な回転トルクを付与する大きさかつ位置である場合にしか、走行レンジの切り替えが実施されない。従って、このシフト装置1では、予期せぬ走行レンジの切り替わりをより確実に抑制して、車両の安全性を高めることができる。
例えば、ドライバーにより操作される操作部材がスライド変位することで走行レンジの切り替えが実施される構成を採用した場合には、操作部材のどの部分であってもこの操作部材に対してスライドさせる方向に所定の力が加えられると、操作部材がスライドして走行レンジが切り替わってしまうのに対して、このシフト装置1では、ダイヤル10に対して所定の力が加えられた場合であってもその力の作用位置がダイヤル10の回動中心Oに近い場合には、ダイヤル10の回動を回避することができる。また、例え、ダイヤル10が誤って回動した場合であっても、変速レンジはニュートラルレンジにしか切り替わらず、この回動後さらに操作部材が前後方向に動かない限り走行レンジには切り替わらないので、車両の不測の前進、後進を抑制することができる。
また、このシフト装置1では、ダイヤル10が運転席に着座したドライバーの右側に配置された場合において手首を回動させ難い方向である反時計回り方向にリバースレンジが設定されているため、特に切り替えに注意の要するリバースレンジにドライバーが誤って切り替えてしまうのをより確実に回避することができる。
具体的には、図16(a)に示すように、ダイヤル10がドライバーの右側に配置された状態では、通常、ドライバーは右手でダイヤル10を操作する。そして、右手で右側に配置されたダイヤル10を反時計回りに回動させる場合、図16(b)に示すように、ドライバーは右手を身体側に回動させる。ここで、手首の関節の稼動範囲(回動可能範囲)は身体側に回動させる場合の方が、身体から離間させる方向に回動させる場合よりも小さい。詳細には、手首の関節の稼動範囲は、身体側(内側)に回動させる場合で0〜25度程度、反対側(外側)に回動させる場合で0〜55度程度と言われている。従って、前記配置状態において、ダイヤル10を反時計回りに回動させる方が、操作が困難となる。そして、このシフト装置1では、この方向にリバースレンジへの切り替え方向が設定されていることで、リバースレンジへの誤切り替えをより確実に回避することができる。
ここで、このようにダイヤル10がドライバーの右側に配置された状態においてダイヤル10を反時計回りに回動させるのは比較的やりにくいので、この反時計回りに回動させるために必要な操作力を大きくしてしまうと、この回動操作の操作性が極端に悪化してしまう。これに対して、このシフト装置1では、回動側誘導面24aのうち時計回り方向に位置するD側湾曲面24a_Dの曲率を反時計回り方向に位置するR側湾曲面24a_Rの曲率よりも大きくして、ダイヤル10をホーム位置から反時計回りに回動させるのに必要な操作力を、比較的小さく抑えている。そのため、前記のように、リバースレンジへの誤切り替えを回避しつつ、リバースレンジ側への操作性を確保することができる。
また、このように、回動方向すなわちリバースレンジに切り替える方向とドライブレンジに切り替える方向とで、ダイヤル10を回動させるのに必要な操作力が異なっていることで、ダイヤル10の回動操作時において、ドライバーに、その操作方向がリバースレンジ側なのかドライブレンジ側なのかをより確実に認識させることができ、ドライバーがこれらレンジを誤って切り替えてしまうのを抑制することもできる。
さらに、このシフト装置1では、スライド側誘導面55aのうち前側に設けられたR側湾曲面55a_Rの曲率の方が、後側に設けられたD側湾曲面55a_Dの曲率よりも大きくされて、ダイヤル10を前方にスライド変位させるのに必要な操作力が比較的大きく設定されているとともに、ダイヤル10が前方に移動することでリバースレンジに切り替わるよう構成されている。そのため、切り替えに特に注意の要するリバースレンジに走行レンジが不意に切り替わってしまうのをより確実に回避することができ、安全性をより一層高めることができる。
しかも、このシフト装置1では、ダイヤル10を前方にスライド変位させることでリバースレンジに切り替えるよう構成されていることで、前記のようにリバースレンジに切り替えるのに必要なスライド変位方向の操作力を大きく設定して安全性を高めつつ、リバースレンジへ切り替えるためのダイヤル10のスライド操作を容易に行うことができる。すなわち、前後方向については、前方への押圧操作の方がより力を加えやすいため、前記のように構成することで、ダイヤル10のリバースレンジへの切り替えを容易に行うことができる。
ここで、前記第1実施形態では、ダイヤル10がドライバーの右側に配置されている場合について説明したが、ダイヤル10はドライバーの左側に配置されていてもよい。また、前記第1実施形態では、リバースレンジへ切り替えるための回動方向が、ダイヤル10を手首の関節の稼動範囲が狭い方向に設定された場合について説明したが、リバースレンジへ切り替えるための回動方向が、ダイヤル10を手首の関節の稼動範囲が広い方向に設定されていてもよい。
このように設定された場合について次に説明する。
<第2実施形態>
図17、図18、図19は、ダイヤル10がドライバーの左側に配置された場合の実施形態(第2実施形態)を示す図である。図17に示すように、本第2実施形態にかかる車両は、運転席およびステアリングハンドル4が車両右側に設けられた、いわゆる右ハンドルの車両である。この第2実施形態では、シフト装置201は、運転席の左側に設けられたセンターコンソール5上に配置されており、ドライバーが主として左手でシフト装置201を操作するよう構成されている。
第2実施形態に係るシフト装置201と、第1実施形態に係るシフト装置1とは、回動側誘導部材224の回動側誘導面224aの形状が異なるのみであり、その他の構成については同じである。ここでは、この回動側誘導面224aの形状についてのみ説明する。
第2実施形態では、図19に示すように、第1実施形態と異なり、回動側誘導面224aのうちその前端P1から反時計回り方向(左側)に延びるRレンジ側湾曲面224a_Rの曲率の方が、時計周り方向(右側)に延びるDレンジ側湾曲面224a_Dの曲率よりも大きく設定されている。例えば、第2実施形態の回動側誘導面224aは第1実施形態の回動側誘導面24aの左右を逆転させた形状を有している。
これに伴い、第2実施形態では、ダイヤル10をホーム位置から時計回り方向であってドライブレンジに切り替える方向に回動させる必要な操作力の方が、反対側に回動させるのに必要な操作力よりも小さくなっている。このように構成されることで、この第2実施形態では、ダイヤル10がドライバーの左側に配置された状態において手首の関節の稼動範囲が狭く比較的操作しにくい時計回り方向の回動操作力が小さくされ、この方向の操作性が確保されている。
ここで、この第2実施形態では、回動方向の操作力の大小が第1実施形態の場合と反対に構成される一方、図18に示すように、回動方向についてのリバースレンジとドライブレンジの切り替え方向が第1実施形態の場合と同じに設定されている。すなわち、この第2実施形態においても、ダイヤル10がホーム位置から反時計回りに回動し、その後前方にスライド変位することでリバースレンジに切り替えられ、ダイヤル10がホーム位置から時計回りに回動し、その後後方にスライド変位することでドライブレンジに切り替えられるようになっており、関節の稼動範囲の点において、リバースレンジ側への回動操作の方が容易になっている。ただし、この第2実施形態では、前記のように、このリバースレンジ側への回動操作(反時計回り方向の回動操作)に必要な操作力が大きく設定されており、これにより、変速レンジが予期せずリバースレンジに切り替わるのが抑制されている。
<その他の変形例>
ここで、前記第1実施形態および第2実施形態では、ダイヤル10の回動方向によって回動操作に必要な操作力を異ならせた場合について説明したが、これら操作力を回動方向によらず同じにしてもよい。ただし、前記のように、これらを異ならせれば、ドライバーに、その操作方向がリバースレンジ側なのかドライブレンジ側なのかをより確実に認識させることができ、ドライバーがこれらレンジを誤って切り替えてしまうのを抑制することもできる。
また、特に第2実施形態のように、切り替えに特に注意を要するリバースレンジへ切り替えるための回動操作方向が、手首の関節の可動範囲が広く操作が容易な方向(第2実施形態では反時計回り方向)に設定されている場合には、この回動操作に要する操作力を反対側への回動操作に要する操作力よりも大きくして、リバースレンジへの誤切り替えをより確実に抑制するよう構成するのが好ましい。
また、前記第1実施形態および第2実施形態では、ダイヤル10のスライド変位方向が、回動方向によって異なる場合について説明したが、このスライド変位方向は、回動方向によらず同じとしてもよい。ただし、回動方向によってスライド変位方向を異ならせれば、ドライバーに、切り替えレンジがリバースレンジであるかドライブレンジであるかを容易に認識させることができる。
また、前記第1実施形態および第2実施形態において、リバースレンジとドライブレンジとに切り替えるための回動方向を反対の方向としてもよい。
また、前記ダイヤル10の具体的構成は前記に限らない。
また、前記実施形態では、ダイヤル10の回動角度として15度を例示したが、この角度の具体的値はこれに限らない。ただし、回動操作の容易性から90度以下に設定するのが好ましい。
また、前記実施形態では、回動側誘導面24a、224aの形状を時計回り方向と反時計回り方向とで異ならせることで、ダイヤル10を回動させるのに必要な操作力を回動方向毎に異ならせるよう構成したが、操作力を回動方向によって異ならせるための具体的構成はこれに限らない。ただし、このように構成すれば、モメンタリ機構の一部として機能する回動側誘導面24a、224aを利用して操作力を変更することができ、構造を簡素化することができる。
同様に、前記実施形態では、スライド側誘導面55aの形状を前側と後側とで異ならせることで、ダイヤル10をスライド変位させるのに必要な操作力を前方への操作時と後方への操作時とで異ならせるよう構成したが、操作力をスライド変位方向によって異ならせるための具体的構成はこれに限らない。ただし、このように構成すれば、モメンタリ機構の一部として機能するスライド側誘導面55aを利用して操作力を変更することができ、構造を簡素化することができる。
また、前記各実施形態のシフト装置は、エンジン(内燃機関)と車輪との間に介設された有段式の自動変速機90の変速レンジを切り替え操作するものであったが、本発明が適用可能な変速機は、有段式の自動変速機に限られず、例えば無段式の変速機(CVT)であってもよい。さらには、電気自動車に用いられる変速機のように、前進/後退を電気的に切り替えるものにも本発明を適用することができる。
1 シフト装置
10 ダイヤル(操作部材)
11 本体部
100a 判定部
100b レンジ切替部

Claims (7)

  1. 車室内に設けられた操作部材と、
    前記操作部材を、所定のホーム位置から時計まわりおよび反時計まわりに回動可能に、かつ、これら回動後の位置からそれぞれ車両前後方向の少なくとも一方側に変位可能に支持するとともに、回動後および変位後の前記操作部材を前記ホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、
    前記操作部材の回動および変位状態を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づいて、車両の変速レンジを、ニュートラルレンジと、前進方向の走行レンジであるドライブレンジと、後退方向の走行レンジであるリバースレンジとの間で切り替えるレンジ切替部とを備え、
    前記レンジ切替部は、
    前記操作部材が前記ホーム位置から回動したと前記判定部が判定した場合は、前記変速レンジをニュートラルレンジに切り替え、
    前記操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動した後この回動後の位置から車両前に変位したと前記判定部が判定した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジのいずれか一方に切り替えるとともに、
    前記操作部材が前記ホーム位置から反時計回りに回動した後この回動後の位置から車両後方に変位したと前記判定部が判定した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジの他方に切り替えることを特徴とする車両用シフト装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シフト装置において、
    前記操作部材は、運転席に着座したドライバーの左側に配置されており、
    前記レンジ切替部は、
    前記操作部材が前記ホーム位置から反時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをリバースレンジに切り替え、
    前記操作部材が前記ホーム位置から時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをドライブレンジに切り替え、
    前記本体部は、前記操作部材を前記ホーム位置から時計回りに回動させるのに必要な操作力が、当該操作部材を前記ホーム位置から反時計回りに回動させるのに必要な操作力よりも小さくなるように、前記操作部材を支持している、ことを特徴とする車両用シフト装置。
  3. 請求項1に記載の車両用シフト装置において、
    前記操作部材は、運転席に着座したドライバーの右側に配置されており、
    前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から反時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをリバースレンジに切り替え、
    前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から時計まわりに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをドライブレンジに切り替え、
    前記本体部は、前記操作部材を前記ホーム位置から反時計回りに回動させるのに必要な操作力が、当該操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動させるのに必要な操作力以下となるように、前記操作部材を支持している、ことを特徴とする車両用シフト装置。
  4. 請求項2または3に記載の車両用シフト装置において、
    前記ホーム位置から回動した前記操作部材を前記ホーム位置に戻す方向にこの操作部材を付勢する回動側付勢手段を有し、
    前記回動側付勢手段は、前記操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動している場合と、反時計回りに回動している場合とで、当該操作部材に付与する付勢力が異なるよう構成されていることを特徴とする車両用シフト装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の車両用シフト装置において、
    前記変速レンジをリバースレンジに切り替えるために前記操作部材を車両前後方向に変位させる操作に必要な操作力の方が、前記変速レンジをドライブレンジに切り替えるために前記操作部材を車両前後方向に変位させる操作に必要な操作力よりも大きくなるように、前記本体部が、前記操作部材を支持していることを特徴とする車両用シフト装置。
  6. 請求項5に記載の車両用シフト装置において、
    前記レンジ切替部は、
    前記操作部材が前記ホーム位置から回動した後この回動後の位置から車両前方に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをリバースレンジに切り替え、
    前記操作部材が前記ホーム位置から回動した後この回動後の位置から車両後方に変位したと前記判定部が判定した場合に、前記変速レンジをドライブレンジに切り替えることを特徴とする車両用シフト装置。
  7. 請求項5または6に記載の車両用シフト装置において、
    前記ホーム位置から回動した後の位置から車両前後方向に変位した前記操作部材を前記回動後の位置に戻す方向にこの操作部材を付勢する変位側付勢手段を有し、
    前記変位側付勢手段は、前記操作部材が前記回動後の位置から車両前方に変位している場合と、後方に変位している場合とで、当該操作部材に付与する付勢力が異なるよう構成されていることを特徴とする車両用シフト装置。
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