JP2016002706A - 包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器 - Google Patents

包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器 Download PDF

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伸彦 今井
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Abstract

【課題】内容物の付着防止性、及び熱シール性を両立し、更には粒子などの脱落がなく、且つ、熱シール工程を経ても所望の撥水機能を確実に発揮することができる包装材料を提供する。更に、熱シールで密封しても、内容物が蓋材に付着しにくい包装容器を提供する。
【解決手段】基材10と、樹脂21と平均粒子径が1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の凹凸形成粒子22とを含み、基材の一方の面に形成された凹凸構造が形成されたアンカーコート層20と、アンカーコート層上に形成されたシーラント層30と、アンカーコート層に混ぜ込まれた凹凸形成粒子よりも小さく、且つ、5ナノメートル以上1000ナノメートル以下である平均粒子径を有する疎水性微粒子を含む、シーラント層上に形成された付着防止層40と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器に関する。より詳しくは、内容物に触れる面の撥水性が高められた包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器に関する。特に、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャム、ムースなどの包装用のカップ状容器に使用する蓋材に用いる包装材料で、その内面に内容物が付着することを防止する包装材料に関する。
従来、ヨーグルト、ゼリー、プリン、シロップ、お粥、スープ等の食品や、液体、半固体、ゲル状等の医薬品、化粧品、化学品等の包装容器に関して、開封時に内容物が包装容器の外部に飛び散る等の不具合を防ぐために、内容物に対向する面に撥水機能が付与され内容物を付着しにくくした蓋材が知られている。このような蓋材は、内容物が充填された容器本体に対して熱シールにより密着されることがあり、その場合は、内容物に対向する蓋材上に、熱シール性樹脂を塗布した上に撥水機能層が設けられる。
カップ状容器に使用される蓋材は、カップ状容器の外側から、基材,バリア層、及びシーラント層の順で積層された構成を有する。このように構成された蓋は、ヨーグルトなどの内容物が充填された容器の上面開口に被せて、蓋周縁部を容器の上縁フランジ部にシールすることによって、密封された容器を形成する。
このような蓋材には、ヒートシール性、密着性、開封時の易剥離性が求められる。また、蓋材として、内容物の非付着性、即ち蓋材の裏面に内容物が付着し難い性能を有することが望まれる。蓋材の裏面に内容物が付着すると、蓋材に付着した内容物の棄損による無駄が生じたり、内容物の付着物を取り除くのに手間が掛かったりするなどの問題が発生する。また、開封時に付着物が手や指、衣類あるいは周辺を汚す恐れがあるなどの問題も出る。
これらの問題を解決するために、特許文献1では、蓋材における最内面のヒートシール層が、付着防止効果を有する非イオン界面活性剤、又は、疎水性添加物を添加したポリオレフィンで形成されている。しかし、このような添加剤は、10重量パーセント以下、好ましくは7%以下の配合しかできない程、相溶性が小さい。この為、エージング条件により表面析出量が大きく変動し、安定性に欠けるなどの問題がある。その為、所望の性能が充分に得られないなどの課題があった。
特許文献2では、蓋材のヒートシール層に、界面活性剤等の非着性添加物を添加せず、最内層に別途付着防止層が形成されている。特許文献2では、付着防止層として、疎水性酸化物微粒子で三次元網目構造のポーラス構造を作ることで、非常に優れた付着防止効果を示すことを開示している。しかし、この付着防止層は、水に対しては十分な付着防止機能を確認できるものの、プリン、ヨーグルトなどの実内容物となると極端に付着防止性が劣る課題があった。
特許文献3には、シーラント層の上に付着防止層を設けることを開示している。付着防止層として、2〜7マイクロメートルと、平均粒径の大きい湿式シリカ粒子を用いることにより、湿式シリカ粒子の沈み込みを少なくした。その為、高温環境や塗布時の乾燥温度が長くなっても付着防止機能を維持できることを開示している。しかし、逆に、湿式シリカ粒子の粒径が大きいために、付着防止層から湿式シリカ粒子が脱落してしまい、付着防止の機能にムラが生じやすく、付着防止効果が安定しないという問題がある。
特許文献4では、シリコーンエラストマーや含フッ素系エラストマーなどの表面を高度に疎水化処理し、付着を防げる、あるいは、付着物の容易な除去効果を示す蓋材を開示している。しかし、シール性に乏しく、蓋材やパウチといった容器包装への適応は困難であった。
特許文献5には、熱シールにより密着させる蓋材に用いることができる積層体が記載されている。この積層体では、熱シール性樹脂として機能する熱可塑性樹脂層に充填粒子を混合して熱シール性樹脂の表面に凹凸を付与することにより最表面に存在する撥水機能を有する疎水性酸化物微粒子の脱落防止性能を向上させている。
しかしながら、特許文献5に記載の積層体では、熱可塑性樹脂の厚みに対して充填粒子の径が大きく熱可塑性樹脂層中に粒子が含まれるため、積層体における充填粒子の接着強度が十分でない。また、加熱時に熱可塑性樹脂が流動的になりやすいために粒子も動きやすい。したがって、容器本体への熱シール工程等において、充填粒子が積層体から脱落する等により、所望の撥水機能を発揮しない恐れがあるという問題がある。
特開2002−37310号公報 特許第4348401号公報 特許第4668352号公報 特開2002−69246号公報 特開2011−093315号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内容物の付着防止性、及び熱シール性を両立し、更には凹凸形成する粒子の脱落がなく、且つ、熱シール工程を経ても所望の撥水機能を確実に発揮することができる包装材料を提供することを目的とする。
更に、本発明は、熱シールで密封しても、内容物が蓋材に付着しにくい包装容器を提供することを目的とする。
本発明の第一態様の包装材料は、
基材と、
樹脂と平均粒子径が1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の凹凸形成粒子とを含み、前記基材の一方の面に形成された凹凸構造が形成されたアンカーコート層と、
前記アンカーコート層上に形成されたシーラント層と、
前記アンカーコート層に混ぜ込まれた凹凸形成粒子よりも小さく、且つ、5ナノメートル以上1000ナノメートル以下である平均粒子径を有する疎水性微粒子を含む、前記シーラント層上に形成された付着防止層と、
を有する。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記樹脂が、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂の少なくとも1つを含んで形成されていることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記凹凸形成粒子が、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいは、金属酸化物、の少なくとも1つを含んで形成されていることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記疎水性微粒子が、アルキルシリル、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、トリメチルシリル、ジメチルシリルの少なくとも1種の官能基で、あるいは、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサンのいずれかで、疎水化表面処理された無機酸化物で形成されていることが好ましい。
本発明の第一態様の包装材料においては、前記無機酸化物が、酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウムの少なくとも1種を含んで形成されていることが好ましい。
本発明の第二態様の包装容器は、上記第一態様の包装材料を蓋材として用い、容器本体に、熱シールによって接合されている。
本発明の第一態様の包装材料、及び第二態様の包装容器の蓋材は、内容物に対して、高い付着防止機能を有することができる。また、凹凸形成粒子が熱硬化性樹脂層内に設けられているため、熱シール工程を経ても凹凸形成粒子が動きにくくかつ脱落の恐れがなく、所望の撥水機能を確実に発揮することができる。
本発明の第1実施形態の包装材料を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の包装材料を蓋材として用いた包装容器を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
図1は、本発明の包装材料を蓋材として使用した場合の層構成の一例を示す断面図である。蓋材1は、外側(包装材料が接合された包装容器の外側)から基材10、樹脂21と、凹凸形成粒子22とを含むアンカーコート層20、シーラント層30が積層されている。蓋材が接合された包装容器における最内層、即ち、包装容器によって包装されている内容物に対向する面には、蓋材1に内容物が付着することを防止する付着防止層40が形成されている。
基材10は、凹凸構造が形成されたアンカーコート層20に含まれる樹脂が十分密着する物であれば特に制限はなく、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙、クラフト紙などの紙、ポリオレフィン樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロースアセテート、セロファン樹脂等からなる延伸・非延伸フィルムを使用することができる。
あるいは、これら材料によって構成された積層体などが使用できる。これらの紙、プラスチックフィルム等を、接着剤等を介して積層された材料を使用しても構わない。そして、これら紙や、フィルム、あるいは、これらの積層体の表面あるいは内側には、印刷・蒸着、金属箔貼り合わせなどの2次加工を施し、意匠性を付与してもよい。
ガスバリア性の要求がある場合は、必要に応じて、無機蒸着フィルムを基材10に用いても構わない。無機蒸着フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどの延伸オレフィン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、セルロースアセテートフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムなどのフィルム表面に、アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどを蒸着したフィルムが好ましい。
無機蒸着フィルム以外にアルミニウムなどの金属箔を使用しても構わない。これら無機蒸着フィルムや金属箔は、内容物の浸透を阻害する、内容物の酸化劣化を防止する、水分の揮発を抑える、内容物の光劣化防止などの機能を有する。
凹凸構造が形成されたアンカーコート層20は、基材10に対する密着性を発揮するとともに、凹凸構造を形成する粒子に対する密着性を発揮する樹脂21としては、熱硬化性樹脂が好ましく、アンカーコート層20の表面に凹凸構造を形成させるための凹凸形成粒子22とを含んで構成されている。
樹脂21は、凹凸形成粒子22を基材10に対して固着させる機能のほか、シーラント層30のアンカーコートとしても機能する。樹脂21に用いる熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂の材料は、1液硬化型、あるいは、これらの樹脂を主剤として、イソシアネートなどの硬化剤とからなる2液硬化型のいずれの材料でも構わない。
凹凸形成粒子22は、平均粒子径が1マイクロメートル(μm)以上100μm以下であり、10μm以上50μm以下が好ましい。平均粒子径が1μmより小さいと、アンカーコート層20の表面に十分な大きさの凹凸を付与することが困難となる。また、平均粒子径が100μmより大きいと、高密度で凹凸を付与させることが困難になり、大きく突出した凹凸形成粒子22が、摩擦などの外部応力によって脱落しやすくなる。
凹凸形成粒子22の材料としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などのプラスチック樹脂、または、酸化珪素(シリカ)や、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)などの金属酸化物を用いることができる。また、これらの材料から複数種類が選択され、異なる材料からなる複数の粒子が混合された混合物、また、平均粒子径が1μm〜100μmの中であれば、異なる粒子径の粒子を組み合わせて用いても構わない。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、EFEPなどがよい。
シリコーン樹脂は、球状シリコーンゴムパウダーの表面がシリコーンレジンで被覆され
た粉末、または、ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つシリコーンゴムの粉末、または(RSiO3/2)nで表される架橋構造を持つポリオルガノシルセスキオキサン硬化物の粉末がよい。
アクリル樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸ブチル、架橋ポリアクリル酸エステルであることが好ましい。
樹脂21中に凹凸形成粒子22を分散させて用いることにより、凹凸構造が形成されている。また、凹凸構造を形成している凹凸形成粒子22は熱硬化性樹脂からなる樹脂21で保持されていることにより耐熱性があり、強固に密着して脱落しにくい。また、アンカーコート層20上に形成されるシーラント層30および付着防止層40の表面形状が凹凸構造となるため、毛細管現象により、包装材料の表面の非付着性機能がさらに向上される。
アンカーコート層20の形成方法は、特に制限はないが、例えば、熱硬化性樹脂からなる樹脂21に凹凸形成粒子22を混合した材料を基材10上に塗布し、加熱エージングして熱硬化性樹脂を硬化させることにより、表面が凹凸構造となったアンカーコート層20を形成することができる。
樹脂21の量と凹凸形成粒子22の径との関係によっては、凹凸形成粒子22の一部が熱硬化性樹脂からなる樹脂21から露出することもあるが、いずれの凹凸形成粒子22も、基材10に近い下方部分に位置する樹脂21に支持されて、基材10上に十分な強度をもって保持される。
本実施形態においては、凹凸形成粒子22の平均粒子径について、レーザー散乱法によって計測された値と定義する。また、JIS B0601の内容は、年によって若干異なるため、本発明の平均粒子径は1994年のJISに定義された計測方法によって定義された値である。
凹凸形成粒子22は、蓋材1を容器本体などの被着体にシールしたときに、一部が被着体に投錨したような構造になるので、投錨効果も得られ、シール強度が大きくなる効果も得られる。
シーラント層30には、図2のように包装容器の容器本体51のフランジ部52に蓋材1をシールするための、シール性と、フランジ部52から蓋材1を剥離するイージーピール性(易剥離性)の両方の性能が求められる。
シール性とイージーピール性が良好であれば、シーラント層30の材料は、特定の材料に限定されないが、シーラント層30の樹脂としては、ホットメルトタイプの樹脂、押出し樹脂、シール性フィルムなど使用でき、特定の材料に限定されないが、溶剤に溶解、又は分散した、コーティングで用いられるラッカータイプの樹脂系材料を用いることが、凹凸構造の形状をより効果的に形成できるので最も好ましい。
ラッカータイプのシーラント層30の樹脂成分としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩酢ビ樹脂、SBR樹脂及びそれらの複合材料を用いる。
このような材料を用いるコート方法としては、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法を採用することができる。
ホットメルトタイプの樹脂系材料を用いることもできる。ホットメルトタイプの樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体又はポリオレフィン樹脂とワックス、タッキファイヤーの混合物からなる。このような材料を用いるコート方法としては、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、押出しラミネーションなどの公知の方法を採用することができる。
シーラント層30の材料として、フィルムタイプの材料を用いることもできる。フィルムタイプの樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、低密度リニアポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレンーメタクリル酸共重合樹脂(EMAA)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂(IO)及びそれらの複合材料、多層材料からなるシーラントフィルムを採用することができる。また、エクストルージョン法により、上述した樹脂で形成された押出し樹脂層が採用されてもよい。
このシーラント層30は、被着体と容易に融着し、落下などの衝撃や、積載における加圧、保管時の高温などの環境においても安定してシール性を保持して密封でき、内容物を使用する時は、容易に剥離して開封できる機能を有する。
容器本体51がポリスチレンの場合は、シーラント層30の主成分は、ポリアクリレート樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、塩酢ビ樹脂、エチレン樹脂等から選定すればよい。
容器がPPの場合は、ポリアクリレート樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等から選定すればよい。容器がPEの場合は、ポリアクリレート樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂から選定すればよい。変性ポリオレフィン樹脂を用いる場合、変性が酸変性であり、不飽和カルボン酸またはその無水物で変性されたオレフィンであることが好ましい。また、オレフィンがポリプロピレン、あるいはポリエチレンであることが好ましい。
また、内容物や充填方法により、容器はチルド仕様、アセプティック仕様、ボイル仕様、レトルト仕様などに分類される。従って、これら用途に応じて容器本体51の材質を選定するとともに蓋材1のシーラント層30の材質が選定される。
シーラント層30の膜厚は0.1μm以上70μm以下の範囲内であることが好ましい。この膜厚が0.1μm以下であると熱シール時に付着防止層40を突き抜けて出てくるシーラント層30の成分の量が少なく、十分なシール強度が得られない。また、この膜厚が70μm以上であると熱硬化性樹脂からなる樹脂21と凹凸形成粒子22からなるアンカーコート層20が構成する凹凸を埋めてしまい、十分な凹凸構造による付着防止機能が発揮できなくなってしまう。
付着防止層40は、少なくとも疎水性微粒子から構成される。疎水性微粒子の材料としては、有機官能基で疎水化表面処理された無機酸化物が使用できる。無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムなどから、1種又は複数種類を組み合わせて使用する。酸化珪素の場合は、燃焼法、アーク法などの乾式製法や沈殿法、ゲル法などの湿式製法から得られる合成シリカ、または天然シリカを用いても構わない。
疎水性微粒子の表面は疎水化処理が施されており、付着防止機能が付与されている。疎水化処理方法については、乾式法、湿式法など各種の処理が可能であるが、微粒子全面を処理するためには、CVD法、プラズマ法等による乾式処理を施すのが好ましい。
疎水性官能基がジメチルシリル基(CHSi(0−R)、トリメチルシリル基(CHSiO−R、ジメチルポリシロキサン基(CH−Si−O−Si(O−R)、ジメチルシロキサン基、アミノアルキルシリル基、アルキルシリル基、メタクリルシリル基を使用することが好ましい。これらの官能基を生成することで、臨界表面張力(表面エネルギー)を小さくして撥水性が向上する。
疎水性微粒子の平均粒子径は、凹凸形成粒子22よりも小さく、5ナノメートル(nm)以上1μm(1000ナノメートル)以下であれば粒度分布には特に制限はないが、大小様々な径の粒子が存在することで、フラクタル構造を形成し撥水性が高まる。
疎水性微粒子の平均粒子径は、付着防止層の表面に付着した疎水性微粒子の粒径を指し、SEMによる目視観察にて計測された値と定義する。目視観察による平均粒子径の測定方法は、SEMにて任意の5箇所の観察表面中にある疎水性微粒子100個の粒径を測定し、全計測値の平均を算出して求める。
疎水性微粒子の粒径が1000ナノメートルより大きい場合、疎水性微粒子が大きすぎて、付着防止層40から脱落しやすくなる。また、疎水性微粒子の粒径が5ナノメートルより小さい場合、ハンドリングが非常に悪くなる。
疎水性微粒子は、水やメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール溶媒、または酢酸エチル、トルエン、アセトンなどの有機溶媒などに分散して用いることができる。このような材料を用いるコート方法としては、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、ディッピング、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法を採用することができる。
疎水性微粒子を塗膜化、固着化をより良くするために疎水性微粒子を含む液体に樹脂バインダーを併用しても構わない。バインダーの樹脂性分としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩酢ビ樹脂、SBR樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、等及びそれらの複合材料を用いることができる。
また、1種以上の金属アルコキシド、及び、その加水分解物と水/アルコール混合溶媒、及び必要に応じてシランカップリング剤を含む主剤とする水溶液を用いることもできる。金属アルコキシドは、M(OR)nで示される。Mは金属原子である。Mの例としては、Li、Na、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Tiなどが挙げられる。nはMの原子価である。Rは低級アルキル基、例えば炭素数が1〜4のアルキル基を示す。
金属アルコキシドの具体例としては、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、アルミニウムプロポキシド、チタンイソプロポキシド、亜鉛t−ブトキシド、亜鉛n−ブトキシド、カルシウムエトキシド、鉄エトキシド、バナジウムイソプロポキシド、錫t−ブトキシド、リチウムエトキシド、ベリリウムエトキシド、ホウ素エトキシド、燐エトキシド、燐メトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等が挙げられる。実際に使用する金属アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、あるいはその混合物を用いることが好ましい。
これ以外に、付着防止層40は、層間および層内の密着性を高めるためにシランカップリング剤や、バインダーの反応をコントロールするために触媒などを含んでも構わない。
付着防止層40の表面は、疎水性微粒子によって形成されたポーラス状の層となっているため、内容物などが付着防止層40に接する時は、疎水性微粒子が内容物に接する。その為、内容物が付着防止層40の表面に付着することを防止できる。熱シール時は、付着防止層40に熱と圧力が付与され、付着防止層40が割れると、生じたクラックにより発生した部分である付着防止層40の隙間に、溶融した被着体(容器本体51のフランジ部52)の表面樹脂、及び溶融したシーラント層30の樹脂が流れ込みシーラント層30と被着体とが直接融着できる領域が生まれる。
付着防止層40の厚みは、0.1μm以上、20μm以下の範囲内であることが好ましい。この膜厚が0.1μm以下であると疎水性微粒子が少なくなり、付着防止機能が低下する。また、20μm以上である付着防止層が厚くなりすぎて熱シール時にシール阻害を起こしやすく、十分に密閉ができない。
付着防止層40は、蓋材1の平面視(厚さ方向に見た状態)において、シーラント層30の30%以上、より好ましくは70%以上を覆うように設けられるのが好ましい。被覆面積比が30%未満であると、内容物が非撥水表面と接触する面積が大きくなり、十分な撥水性能を発揮することができない。また、容器本体に対して熱シールにより接着する等により、内容物と接触しないことが予め明らかである部位等には付着防止層30が設けられなくてもよい。
包装材料において、付着防止層40の表面は、表面粗さRz(JIS B0601 1994年)が5μm以上となるように形成されている。表面粗さRzとは、十点平均粗さである。表面粗さRzを得るには、まず、測定された粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取る。そして、抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を求める。表面粗さRzは、このように得られた値がマイクロメートル(μm)で示された値である。
包装容器においては、被着体となる容器本体51のフランジ部52と、シーラント層30との間のシール性と、被着体となる容器本体51のフランジ部52から蓋材1を剥離するシーラント層30との間のイージーピール性が要求される。
一般的には、容器本体51のフランジ部52の材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどを用いることができる。蓋材1のシーラント層30とシールされない容器本体51の外層部分は、装飾も兼ねて、多層に形成されたり、その部分に印刷が施されたりする。また、バリア性を向上するような素材を積層してもよい。
以上説明したように、内容物に対向する基材10の一方の面にアンカーコート層20が設けられ、さらにアンカーコート層20上にシーラント層30および付着防止層40が設けられている。
アンカーコート層20には、平均粒子径が1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の凹凸形成粒子22が含まれているため、付着防止層40の表面には、5ナノメートル以上1000ナノメートル以下である平均粒子径を有する疎水性微粒子による凹凸よりも相対的に大きい表面粗さRzにして5μm以上の凹凸が形成される。したがって、アンカーコート層20による構造的な付着防止効果(撥水効果)と付着防止層40による疎水成分による付着防止効果(撥水効果)とがあいまって、対向面に高い付着防止効果(撥水性)を実現することができる。
また、凹凸形成粒子22は、熱硬化性樹脂からなる樹脂21により基材10に支持されているため、蓋材1に対して熱シール処理が行われて熱可塑性樹脂からなるシーラント層30が軟化したときも、シーラント層30内で厚さ方向に移動することは殆どない。したがって、凹凸形成粒子が熱可塑性樹脂に埋もれて相対的に大きい凹凸が損なわれたり、凹凸形成粒子が蓋材から脱落したりする等の不具合の発生を好適に抑制して、熱シール処理の前後においても安定した付着防止機能(撥水性能)を発揮することができる。さらに、熱シール処理以外の、例えば搬送等の各種工程において外部から作用する応力等に対しても、凹凸形成粒子の脱落を好適に防止することができる。
蓋材1を、熱シールにより、フランジ部52に接合し、容器本体51の内部を密閉すると、本発明の実施形態の包装容器が完成する。容器本体51の材質には特に制限はなく、紙とポリオレフィン樹脂を積層した積層体や、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂等を用いることができる。
また、蓋材1において熱シールされる部位には、付着防止層40が存在していても問題ない。この場合は、熱シール工程において、容器本体51と接合されるシール部位の付着防止層40にクラックが生じ、当該クラックから溶融した熱可塑性樹脂からなるシーラント層30の一部と溶融した容器本体51の一部が融着し、蓋材1と容器本体51とが接合される。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
以下、本発明の実施例について記載する。
なお、以下の各実施例は、あくまでも本発明の構成の例示であり、これにより本発明の技術的範囲は何ら限定されない。
<実施例1>
厚み79.1グラム/mの片アート紙と、厚み12マイクロメートルのアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを、ドライラミネ―トの方法で貼り合わせて基材を得た。
基材のアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、ポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤を含む2液硬化型の熱硬化性樹脂、及び、凹凸形成粒子の平均粒径20マイクロメートルの球状アクリルビーズを重量部で10対8の比率で混合して、乾燥後の熱硬化性樹脂分の厚みが2マイクロメートルになるようにコーティングし、アンカーコート層を設けた。
その後、さらに、ポリアクリレート樹脂とポリエステル樹脂を主成分とするラッカータイプの熱可塑性樹脂を、アンカーコート層の上に乾燥後の厚みが3マイクロメートルになるようにコーティングし、シーラント層を設けた。
疎水性微粒子の平均粒径15ナノメートルのジメチルポリシロキサン官能基で装飾された疎水性シリカ微粒子を、メタノール中に分散させ、固形分が5%の塗液とし、この塗液をシーラント層の上に乾燥後の厚さが1マイクロメートルになるようにコーティングし、その後、乾燥させ、付着防止層を形成し、実施例1の包装材料を得た。
<実施例2>
凹凸形成粒子の球状アクリルビーズの平均粒径が50マイクロメートルとした以外は、実施例1と同様に作製し、実施例2の包装材料を得た。
<実施例3>
凹凸形成粒子の球状アクリルビーズの平均粒径が80マイクロメートルとした以外は、実施例1と同様に作製し、実施例3の包装材料を得た。
<実施例4>
付着防止層のジメチルポリシロキサン官能基で装飾された疎水性シリカ微粒子の平均粒径を100ナノメートルとした以外は、実施例1と同様に作製し、実施例4の包装材料を得た。
<実施例5>
アンカーコート層の樹脂をイソシアネート樹脂の1液硬化型熱硬化性樹脂とした以外は、実施例1と同様に作製し、実施例5の包装材料を得た。
<実施例6>
アンカーコート層の樹脂をポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂、及び、イソシアネート硬化剤を含む2液硬化型の熱硬化性樹脂とした以外は、実施例1と同様に作製し、実施例6の包装材料を得た。
<実施例7>
凹凸形成粒子を平均粒径20マイクロメートルの球状ナイロンビーズとした以外は、実施例1と同様に作製し、実施例7の包装材料を得た。
<実施例8>
付着防止層の疎水性微粒子の疎水性シリカ微粒子を、平均粒径15ナノメートルのトリメチルシリル官能基で装飾された疎水性シリカ微粒子とした以外は、実施例1と同様に作製し、実施例8の包装材料を得た。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
付着防止層を設けなかった以外は、実施例1と同様に作製し、比較例1の包装材料を得た。
<比較例2>
凹凸形成粒子をアンカーコート層に使用せず、ポリアクリレート樹脂とポリエステル樹脂を主成分とするラッカータイプの熱可塑性樹脂と、凹凸形成粒子の平均粒径20マイクロメートルの球状アクリルビーズを、重量部で10対8の比率で混合して、乾燥後の熱可塑性樹脂分の厚みが3マイクロメートルになるように、シーラント層をアンカーコート層の上に設けた以外は、実施例1と同様に作製し、比較例2の包装材料を得た。
<比較例3>
凹凸形成粒子を、平均粒径が0.5マイクロメートルの球状アクリルビーズとした以外は、実施例1と同様に作製し、比較例3の包装材料を得た。
<比較例4>
凹凸形成粒子を、平均粒径が300マイクロメートルの球状アクリルビーズとした以外は、実施例1と同様に作製し、比較例4の包装材料を得た。
<比較例5>
疎水性微粒子のジメチルポリシロキサン官能基で装飾された疎水性シリカ微粒子の平均粒径を2000ナノメートルとした以外は、実施例1と同様に作製し、比較例5の包装材料を得た。
<比較例6>
疎水性微粒子の代わりに、平均粒径が20ナノメートルの疎水処理をしていない親水性シリカ微粒子を用いた以外は、実施例1と同様に作製し、比較例6の包装材料を得た。
<評価方法>
実施例と比較例の包装材料を下記の方法で試験し、比較評価した。
<付着防止性>
40度傾斜させた台に、実施例と比較例の包装材料を付着防止層を上にして貼り付け、その傾斜した包装材料の付着防止層の上に、ヨーグルト(ダノンジャパン社製「ダノンビオ(登録商標)プレーン加糖」)約0.5ミリリットルを、傾斜面の2センチメートル上から滴下し、液滴の付着状態を目視で観察・評価した。
評価基準は以下の通りである。
「最良」:液滴の付着なし。(付着防止効果が認められる)
「良」:わずかな付着はするが、液滴の大半は付着せず。(付着防止効果が認められる)「不可」:液滴の付着あり。(付着防止効果が認められない)
<密着性>
セロハンテープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標)CT−10)を包装材料の付着防止層に貼り、セロハンテープの上からプラスチック消しゴムで擦って充分に密着させた後、90度の角度で包装材料の付着防止層からセロハンテープを勢い良く剥がし、セロハンテープへの疎水性微粒子の付着の有無を確認した。
評価基準は以下の通りである。
「良」:セロハンテープに疎水性微粒子が取られない。
「不可」:セロハンテープに疎水性微粒子が取られる。
付着防止性、及び、付着防止層の密着性について評価した結果を表1に示した。
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
実施例1から8の包装材料は、付着防止性、密着性ともに、評価が最良ないしは良であった。一方、比較例1の包装材料は、付着防止層が設けられていないので、付着防止性が不可であった。また、比較例2の包装材料は、アンカーコート層に凹凸形成粒子を含まず、シーラント層に凹凸形成粒子を含むようにしたので、密着性が不可となった。
比較例3の包装材料は、平均粒径が0.5マイクロメートルの凹凸形成粒子を用いたため、付着防止性が悪くなった。また、比較例4の包装材料では、平均粒径が300マイクロメートルの凹凸形成粒子を用いたため、これも付着防止性が悪くなった。
比較例5の包装材料は、疎水性微粒子の平均粒径を2000ナノメートルとしたので、疎水性微粒子の密着性が悪く、セロハンテープに疎水性微粒子が取られてしまった。比較例6の包装材料は、疎水性微粒子を用いる代わりに親水性シリカ微粒子を用いたので、付着防止性が悪くなった。
このように、本発明の包装材料は、内容物に対して付着性が低く、付着防止層の疎水性微粒子が脱落することも無い。
また、本発明の包装材料を蓋材として用い、前述のヨーグルトを充填した容器本体のフランジ部に熱シールしたところ、融着性が良く、密封性がすぐれていた。そして、開封するときには容易に剥離でき、易剥離性にも優れていた。また、ヨーグルトが蓋材にほとんど付着することも無かった。
以上のように、本発明の包装材料を蓋材として用いると、容器本体との融着性が良く、かつ、内容物の付着性が低いので、蓋を容器本体から剥離した時、内容物が多量に蓋材内面に付着しない。その為、内容物を有効に使用できると共に、包装容器を使用した後、内容物の残留が少ない。更に、容器本体及び蓋材を廃棄する場合にも、簡単な水洗浄で容易に容器本体及び蓋材を分別廃棄できるので、消費者への負担も少ないなどのメリットも大きい。
1・・・蓋材
10・・・基材
20・・・アンカーコート層
21・・・樹脂
22・・・凹凸形成粒子
30・・・シーラント層
40・・・付着防止層
51・・・容器本体
52・・・フランジ部

Claims (7)

  1. 基材と、
    樹脂と平均粒子径が1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の凹凸形成粒子とを含み、前記基材の一方の面に形成された凹凸構造が形成されたアンカーコート層と、
    前記アンカーコート層上に形成されたシーラント層と、
    前記アンカーコート層に混ぜ込まれた凹凸形成粒子よりも小さく、且つ、5ナノメートル以上1000ナノメートル以下である平均粒子径を有する疎水性微粒子を含む、前記シーラント層上に形成された付着防止層と、
    を備える包装材料。
  2. 前記樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂の中から少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の包装材料。
  4. 前記凹凸形成粒子が、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいは、金属酸化物の中から少なくとも1つを含んで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装材料。
  5. 前記疎水性微粒子が、アルキルシリル、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、トリメチルシリル、ジメチルシリルの中から少なくとも1種の官能基で、疎水化表面処理された無機酸化物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の包装材料。
  6. 前記無機酸化物が、酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウムの中から少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の包装材料。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の包装材料を蓋材として用い、容器本体に熱シールによって接合されていることを特徴とする包装容器。
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