JP6790399B2 - 蓋材 - Google Patents

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Description

本発明は、蓋材に関するものである。特に食品、飲料、医薬品、化粧品、化学品等を包装する蓋材、更に具体的には、ヨーグルト、ゼリー、プリン、シロップなどの容器の蓋材や、お粥、スープなどのレトルト食品や、化学品や医薬品等の液体、半固体、ゲル状物質などの保存容器に用いる蓋材に関するものである。
通常の蓋材は、内容物が付着して取りづらく、内容物の無駄や汚れの原因となることが多かった。また、フッ素材やシリコーンを用いると、撥水性や付着防止効果はあるものの、熱シール性に乏しく、蓋材に使用することが困難であった。
これらの問題を解決するために、基材、アンカーコート層、ヒートシール層、内容物の付着を防止する付着防止層をこの順に積層して成る蓋材であって、アンカーコート層が粒子を含有し、付着防止層が粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有していると共に、アンカーコート層の前記粒子に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されている蓋材が提案されている(特許文献1)。この蓋材は、これを容器開口部に配置し、加熱加圧することにより、付着防止層がヒートシール層に埋没して容器開口部の周囲のフランジに熱接着する。ヒートシール層の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体等である。なお、フランジに囲まれた領域、すなわち、容器開口部に向かい合った領域では付着防止層が露出しており、アンカーコート層中の粒子に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されているため、この凹凸と付着防止層の疎水性微粒子とが協働して、高い付着防止効果を発揮する。
特開2015−131658号公報
以上のように特許文献1の蓋材は優れた付着防止効果を発揮するが、これを容器フランジに熱接着するとその接着強度が強くなり、このため、蓋材を剥離して開封しようとすると、蓋材が破損することがあった。
そこで、本発明は、特許文献1の蓋材を前提として優れた付着防止効果を発揮し、しかも、破損することなく剥離開封できる蓋材を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、容器の開口部に熱接着すると共に内容物が付着することを防止する蓋材であって、基材、アンカーコート層、ヒートシール層、内容物の付着を防止する付着防止層をこの順に積層して成る蓋材において、
前記アンカーコート層が、硬化性樹脂をバインダーとし、このバインダー中に平均粒子
径1〜100μmの粒子が分散された組成物によって構成されており、かつ、その表面が前記粒子に基づく凹凸を有しており、
前記ヒートシール層がヒートシール性樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が配合された樹脂組成物によって構成されており、かつ、この樹脂組成物中の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が10〜30質量%であり、
また、このヒートシール層は、蓋材を容器開口部に熱接着した後、剥離する際に凝集破壊する層であり、
前記付着防止層が、粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有する組成物によって構成されており、かつ、アンカーコート層の前記凹凸に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されており、
かつ、前記ヒートシール性樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から構成されていることを特徴とする蓋材袋である。
また、請求項2に記載の発明は、前記疎水性微粒子が、疎水官能基で表面処理した無機酸化物粒子であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材である。
また、請求項3に記載の発明は、前記硬化性樹脂が2液硬化型ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓋材である。
本発明によれば、ヒートシール層がヒートシール性樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が配合された樹脂組成物によって構成されているため、このヒートシール層と容器フランジとの間に付着防止層が存在するにも拘わらず、高い接着強度で熱接着することができ、しかも、こうして容器フランジに熱接着された蓋材を剥離すると、このヒートシール層が凝集破壊を生じて、このヒートシール層から剥離する。このため、蓋材と容器フランジとの間の接着強度に拘わらず安定して蓋材を剥離することができ、その破損も生じない。なお、前記樹脂組成物中の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が10質量%に満たない場合には、蓋材を容器フランジから剥離したときに凝集破壊が生じるとは限らず、蓋材が破損することがある。また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が30質量%を越えると、十分なシールが困難である。
なお、蓋材の一部の領域でアンカーコート層と基材との間の剥離が生じることもあるが、このようにアンカーコート層と基材との間で生じる剥離は、極めて微細な領域に限られており、この剥離が蓋材の破損につながることはない。
本発明の蓋材の具体例の断面説明図である。
本発明は、カップ容器などの容器の開口部に剥離可能に熱接着して、その開口部を密封すると共に、内容物が付着することを防止する蓋材であり、蓋材の基材の上に、アンカーコート層を介して、容器の開口部に熱接着するヒートシール層と、付着防止層とを、この順に積層して構成されるものである。図面の図1はその断面を示している。
アンカーコート層2は、その内部に粒子2aを含有しており、この粒子2aに基づく凹凸を表面に有している。そして、ヒートシール層3と付着防止層4とは、いずれも、この凹凸表面に沿って設けられており、このため、アンカーコート層2表面の凹凸は、ヒートシール層3の表面に反映されており、また、付着防止層4の表面にも反映されている。すなわち、アンカーコート層2の粒子2aに基づく凹凸が付着防止層4の表面、言い換えると、蓋材の表面に形成されている。なお、後述する疎水性微粒子4aと区別するため、以下、アンカーコート層2の粒子2aを「大粒子」と呼ぶ。
そして、付着防止層4は、その内部に粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子4aを含有しており、この疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸が付着防止層4の表面に形成されている。このため、付着防止層4の表面には、大粒子2aに基づく凹凸と疎水性微粒子4aに基づく微細な凹凸とが重畳して形成されている。
なお、疎水性微粒子4aは、それ自体、内容物の付着防止機能を有するが、本発明の蓋材においては、付着防止層4の表面に前記両凹凸が重畳して形成されているため、その付着防止性が増大する。
以下、基材1及び各層の材質と層形成の方法について、順次、説明する。
本発明に係る基材1は、任意のシートであってよい。単一のシートから構成されるものであっても良いし、多層構造を有するシートであってもよい。例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン、アルミニウム箔などを使用することができる。また、これらを積層したものであってもよい。
また、基材1は、金属又は金属酸化物の薄膜を設けた蒸着フィルムを、その層構成中に含むものであってもよい。金属としては、ケイ素、アルミニウムなどが例示できる。また、金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化マグネシウム等が例示できる。また、これらの薄膜を形成する蒸着基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン等が使用できる。そして、これら薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法等の真空プロセスによって、蒸着基材上に設けることが可能である。
次に、アンカーコート層2は、硬化性樹脂をバインダーとし、このバインダー中に大粒子2aが分散された組成物から構成する必要がある。硬化性樹脂としては、アクリル系硬化性樹脂、ウレタン系硬化性樹脂、エポキシ系硬化性樹脂、メラミン系硬化性樹脂、フェノール系硬化性樹脂、シリコーン系硬化性樹脂、ポリエステル系硬化性樹脂等を使用できる。1液硬化型あるいは2液硬化型の樹脂であってよい。望ましくは、2液硬化型ポリエステル系硬化性樹脂である。
前述のように、アンカーコート層2の表面には、大粒子2aに基づく凹凸が形成されており、この凹凸は付着防止層4の表面、すなわち、蓋材の表面にも反映されている。十分な付着防止効果を発揮するためには、蓋材の表面が5μm以上の十点平均粗さを有する必要があることから、大粒子2aの粒子径はこれを実現できる大きさを有するものでなければならない。このような理由から、大粒子2aはその平均粒子径が1〜100μmであることが必要である。大粒子2aの平均粒子径が1μmより小さいと蓋材表面の凹凸が小さくなり、十分な付着防止効果を発揮できない。また、100μmより大きいと、高密度の凹凸を形成し難く、やはり、十分な付着防止効果を発揮できない。その上、粒子径の大きい粒子はバインダーによって固着し難くなり、摩擦等の外部応力によって脱落し易くなる。望ましくは、平均粒子径10〜50μmである。
また、この大粒子2aとしては、任意の材質からなるものであってよいが、例えば、シリコーン製粒子、あるいはアルミナやチタニア等の金属酸化物の粒子を好適に使用することができる。また、この大粒子2aとして、合成樹脂から成る粒子を使用することもできる。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂である。
アンカーコート剤2bと大粒子2aとの配合比は、前述のように、得られるアンカーコート層2表面に大粒子2aに基づく凹凸が形成され、しかも、この大粒子2aが確実に固着されて脱落することがないように決定すればよい。望ましくは、その表面の十点平均粗さRzが5μm以上となるように配合比を決定する。
また、このアンカーコート層2の塗布方法としては、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどを用いることができる。
次に、ヒートシール層3の材料としては、ヒートシール性樹脂を主成分として、これに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を配合した樹脂組成物を使用することが重要である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂をヒートシール性樹脂に配合することにより、ヒートシール層と容器フランジとの間に付着防止層が存在するにも拘わらず、容器フランジに蓋材を熱接着した際の容器フランジと蓋材との間の強い接着強度を維持することができ、しかも、これを剥離する際にはヒートシール層3が凝集破壊するから、その剥離開口が容易となり、蓋材の損傷も生じない。なお、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の配合量は、ヒートシール層3の10〜30質量%を占めることが必要である。後述する実施例から分かるように、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が10質量%に満たない場合には、蓋材を容器フランジから剥離したときに凝集破壊が生じるとは限らず、蓋材が破損することがある。また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が30質量%を越えると、十分なシールが困難である。
ヒートシール層3の主成分(ヒートシール性樹脂)としては、容器の材質やその使用目的に応じて、エチレン系樹脂、ポリアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等を主成分とするヒートシール性樹脂を使用することができる。なお、使用目的とは、内容物を収容した後冷蔵又は冷凍して保存するチルド仕様の容器、無菌雰囲気下で内容物を充填密封するアセプティック仕様の容器、内容物を充填密封した後ボイル処理やレトルト処理を施すボイル仕様又はレトルト仕様の容器を意味する。
容器の材質に関連してヒートシール層3の主成分(ヒートシール性樹脂)の材質を説明すると、まず、容器の材質がポリエチレン又はポリスチレンの場合には、一般に、ヒートシール性樹脂の主成分として、エチレン系樹脂、ポリアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、変性ポリオレフィン樹脂から選択された樹脂を使用することができる。
また、容器の材質がポリプロピレンの場合には、一般に、ヒートシール性樹脂の主成分として、ポリアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、変性ポリオレフィン樹脂から選択された樹脂を使用することができる。
なお、変性ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン又はポリプロピレンを酸変性して得られたものが望ましい。中でも、ポリエチレン又はポリプロピレンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性して得られた樹脂が好適である。
ヒートシール層3は、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどの塗布方法を用いて塗布形成することができる。ヒートシール層3は、アンカーコート層2を被覆して、その全面に塗布すればよい。
また、溶融したヒートシール性樹脂を押し出しコーティングすることによってヒートシール層3を形成することも可能である。
付着防止層4は、粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子4aをバインダー4bで固定し
たもので、その疎水性微粒子4aに基づく微小な凹凸表面によって内容物の付着を防止するものである。このため、付着防止層4は、蓋材の最表面に露出するように配置されている必要がある。また、この蓋材はヒートシール層3によって容器に熱接着するものであるから、このヒートシール層3の上に、他の層を介することなく、直接、付着防止層4が配置されている必要がある。この場合、容器開口部に蓋材を配置し、加熱加圧することにより、付着防止層4がヒートシール層3に埋没して熱接着することができる。
なお、付着防止層4は、疎水性微粒子4aがバインダー4b中に沈みこんで埋没することがなく、疎水性微粒子4aの一部が表面に露出して、この疎水性微粒子4aに基づく微小な凹凸表面を構成していることが望ましい。例えば、付着防止層4の表面の面積の30%以上を疎水性微粒子4aが被覆している状態である。被覆面積がこれより少ないと十分な付着防止効果を発揮できない。好ましくは、付着防止層4の表面の面積の70%以上を疎水性微粒子4aが被覆している状態である。
疎水性微粒子4aとしては、例えば、疎水官能基で表面処理した無機酸化物粒子が好ましく使用できる。コアとなる無機酸化物粒子としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン等の無機酸化物が使用できる。
また、疎水官能基による表面処理としては、例えば、シランカップリング剤による処理が例示でき、この場合には、コアとなる無機酸化物粒子の表面に疎水性の官能基を付与して、その表面を疎水化することができる。この処理は、乾式法と湿式法のいずれによってもよい。望ましくは、CVD法、プラズマ法等の乾式法である。
シランカップリング剤としては、ジメチルシリル系シランカップリング剤(化学式:(CH Si(O−R) )、トリメチルシリル系シランカップリング剤(化学式:(CH SiO−R)、ジメチルポリシロキサン系シランカップリング剤(化学式:Si(CH−O−[Si(CH−O−Si(O−R) )、アミノアルキルシリル系シランカップリング剤、アルキルシリル系シランカップリング剤、メタクリルシリル系シランカップリング剤などが好ましいが、より好ましくはメチル基(化学式:CH )が多いトリメチルシリルシランカップリング剤である。なお、化学式中、「O−R」は加水分解される置換基を示している。
また、シランカップリング剤としてフッ素系シランカップリング剤を使用することもできる。フッ素系シランカップリング剤としては、疎水基としてフルオロアルキル基(CF(CF)n−)を有するシランカップリング剤などを使用することができる。例えば、トリフルオロプロピルトリアルコキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリアルコキシシラン等である。
また、疎水性微粒子4aとしてフッ素系樹脂の微粒子を使用することもできる。フッ素系樹脂の微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロアルコキシ樹脂などの微粒子が例示できる。例えば、ドライパウダーとして市販させているポリテトラフルオロエチレンである。
次に、この疎水性微粒子4aを固定するバインダー4bとしては、金属アルコキシドの硬化物を好ましく使用することができる。また、金属アルコキシドにシランカップリング剤を混合して硬化させた硬化物を利用することもできる。
金属アルコキシドは一般式M(OR)(Mは、Si,Ti,Al,Zr等の金属原子
、RはCH,C等のアルキル基、nは整数)で表される化合物で、中でも、金属元素MがSi,Ti,Alのいずれかから成る金属アルコキシドが好ましい。例えば、テトラエチルオルソシリケート(Si(OC)、トリイソプロピルアルミニウム(Al(OC等である。また、シランカップリング剤としては、官能基として、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基等を有するものであってもよい。
付着防止層4は、これらバインダー4bの素材、例えば、金属アルコキシド又は金属アルコキシドとシランカップリング剤との混合物と、疎水性微粒子4aとを混合して、ヒートシール層3上に塗布し、加熱して乾燥すると共に金属アルコキシドを硬化させることによって形成することができる。
疎水性微粒子4aは付着防止層4中に5〜95質量%含まれることが望ましい。疎水性微粒子4aがこれより少ないであると、十分な付着防止効果を発揮できない。また、これより多いと、疎水性微粒子4aが欠落し易くなり、欠落によって付着防止効果が低下することがある。
付着防止層4の膜厚は0.1〜10μmの範囲内であることが望ましい。これより薄いと疎水性微粒子4aの量が少なくなり、十分な付着防止効果を発揮できない。また、これより厚いと、大粒子2aに基づく凹凸が小さくなって十分な付着防止効果を発揮できず、また、容器フランジに熱接着する際にシール阻害を起こして、十分に密封できない。
なお、塗布方法としては、例えば、ロールコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどを用いることができる。
前述のとおり、本発明の蓋材は、内容物を収容した容器のフランジに熱接着して使用することができる。容器はフランジを有するものであれば任意でよく、例えば、カップ状容器、あるいはトレー状容器を使用することができる。内容物としては、蓋材に付着し易いヨーグルト等のゲル状内容物が適しているが、これに限られず、ゼリー、プリン、シロップや、お粥、スープなどのレトルト食品、あるいは化学品や医薬品等を収容できる。また、チルド用容器、アセプティック用容器、レトルト用容器等、任意の使用目的の容器であってよい。そして、これら容器のフランジに本発明の蓋材を熱接着した後、この蓋材を剥離して容器を開封するときには、蓋材を破損することなく、しかも、内容物が蓋材に付着することなく、蓋材を剥離して開封できる。
(実施例1)
基材1として、コート紙とポリエステルフィルムとの積層体を使用した。なお、このコート紙とポリエステルフィルムとは、ドライラミネート法によって貼り合わせた。
アンカーコート層のバインダーとして2液硬化型ポリエステル系樹脂(DIC社製:A970)の溶液を使用し、大粒子2aとしてアクリル系粒子(平均粒子径15μm)を使用した。そして、このバインダー溶液中に大粒子2aを分散させ、固形分30質量%(バインダー15質量%、大粒子15質量%)の塗布液を調製し、この塗布液を基材1のポリエステルフィルム面に塗布乾燥して、アンカーコート層2を形成した。塗布方法はグラビアコーティングで、ウェット塗布量は4.0g/mである。
次に、ヒートシール層3の主成分としてアクリル系樹脂を使用した。そして、このアク
リル系樹脂80質量%と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂20質量%とを混合して塗布液を調製し、この塗布液をアンカーコート層2の上に塗布乾燥して、ヒートシール層3を形成した。塗布方法はグラビアコーティングで、ウェット塗布量は10.0g/mである。
次に、疎水性微粒子4aとしてジメチルシロキサン系シランカップリング剤で表面処理を施したシリカ微粒子(日本アエロジル社製:RY200S,平均一次粒子径7nm)を使用し、これをメタノールに分散した粒子分散液を準備した。
一方、付着防止層4のバインダーの素材として、テトラエトキシシラン(TEOS)に酸を混合してテトラエトキシシラン(TEOS)を加水分解させてシリカゾルを調製した。
そして、これら粒子分散液とシリカゾルとを、重量比で1:2の割合で混合し、固形分10質量%となるように希釈して、塗布液を調製した。そして、この塗布液をヒートシール層3の上に塗布し、加熱して乾燥硬化させることにより、付着防止層4を形成した。
(実施例2)
ヒートシール層3を、アクリル樹脂70質量%、ポリウレタン樹脂20質量%、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂10質量%の塗布液を塗布乾燥して形成した点を除いて、実施例1と同様に蓋材を製造した。
(実施例3)
ヒートシール層3を、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂70質量%、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂30質量%の塗布液を塗布乾燥して形成した点を除いて、実施例1と同様に蓋材を製造した。
(比較例1)
この例は、ヒートシール層3として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含有しないヒートシール層3を使用した蓋材の例である。すなわち、ヒートシール層3を、分子量15000〜18000のアクリル樹脂の塗布液を塗布乾燥して形成した点を除いて、実施例1と同様に蓋材を製造した。
(比較例2)
ヒートシール層3を、アクリル樹脂70質量%、ポリウレタン樹脂25質量%、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂5質量%の塗布液を塗布乾燥して形成した点を除いて、実施例1と同様に蓋材を製造した。
その他は実施例1と同様である。
(比較例3)
ヒートシール層3を、アクリル樹脂60質量%、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂40質量%の塗布液を塗布乾燥して形成した点を除いて、実施例1と同様に蓋材を製造した。
その他は実施例1と同様である。
(評価)
実施例1〜3、比較例1〜3の蓋材について、はじき性能、開封性、接着強度について評価した。
<はじき性能試験>
各蓋材に対して、水を滴下し、接触角と転落角とを測定した。また、ヨーグルト(ダノンジャパン社製:ダノンBIOヨーグルト/プレーン加糖)を滴下し、はじき性と転落角とを測定した。ヨーグルトの接触角は直接測定することができないためである。このはじき性は、蓋材を傾けて転落すれば○、転落しない場合には×とした。これらの結果を表1に示す。
<開封性試験>
各蓋材をポリスチレンシートに重ね、カップシーラーでヒートシールした。ヒートシール条件は210℃、0.2MPa、1.0秒である。
続いて、冷蔵条件(5℃)にて1晩保存した後、5℃を維持したまま蓋材の端部をめくり、蓋材の基材の破損の有無を確認した。なお、それぞれ20枚の各蓋材について、この試験を行い、基材が破損した枚数を数えて、開封を評価した。この結果を表1に示す。
また、その剥離位置を観察した。表1中、「HS凝集」はヒートシール層3が凝集破壊して剥離したことを示す。また、「AC/PET」はアンカーコート層2と基材1との界面で剥離したことを意味する。
<接着強度の測定>
各蓋材を幅15mmの短冊状に切断し、ポリスチレンシートに重ね、ヒートシールバーでヒートシールして、JISZ0237準拠の方法にて、テンシロンで180度剥離による接着強度を測定した。ヒートシール条件は200℃、0.2MPa、1.0秒である。これら評価の結果を表1に示す。
Figure 0006790399
<考察>
比較例1の蓋材は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含まないヒートシール層を設けたものである。また比較例2の蓋材は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が10質量%未満であるヒートシール層を設けたものである。これらは、いずれも、ポリスチレン樹脂に対する高い接着強度を有しており、こうしてポリスチレン樹脂にヒートシールした蓋材を剥離開封する際には、アンカーコート層と基材との界面で剥離する。そして、このため、剥離に際して基材が破損する場合がある。
これに対して、実施例1〜3の蓋材は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を配合したヒートシール層を設けたものである。これらは、比較例1〜2と同様にポリスチレン樹脂に対する高い接着強度を有するが、剥離開封の際にはヒートシール層の凝集破壊によって剥離する。このため、剥離に際して基材が破損することがない。なお、実施例1〜3の蓋材を相互に比較して分かるように、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の配合量が10〜30質量%の範囲内で、同様に接着強度が高く、しかも、基材の破損が生じないことが理解できる。
また、比較例3の蓋材は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が30質量%を越えて配合されたヒートシール層を設けたものである。この場合、実施例1〜3と同様に剥離開封の際にはヒートシール層の凝集破壊によって剥離する。このため、剥離に際して基材が破損することがない。しかしながら、この場合シーラント自体の密着力が低下して蓋と容器を充分にシールする事が困難になる。
以上の結果から、ヒートシール層を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を配合した樹脂組成物で構成することにより、高い接着強度を維持したまま、剥離開封時に基材が破損しない蓋材が得られることが理解できる。
1・・・基材
2・・・アンカーコート層
2a・・粒子
2b・・アンカーコート剤
3・・・ヒートシール層
4・・・付着防止層
4a・・微粒子
4b・・変性シリコーン化合物

Claims (3)

  1. 容器の開口部に熱接着すると共に内容物が付着することを防止する蓋材であって、基材、アンカーコート層、ヒートシール層、内容物の付着を防止する付着防止層をこの順に積層して成る蓋材において、
    前記アンカーコート層が、硬化性樹脂をバインダーとし、このバインダー中に平均粒子径1〜100μmの粒子が分散された組成物によって構成されており、かつ、その表面が前記粒子に基づく凹凸を有しており、
    前記ヒートシール層がヒートシール性樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が配合された樹脂組成物によって構成されており、かつ、この樹脂組成物中の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が10〜30質量%であり、
    また、このヒートシール層は、蓋材を容器開口部に熱接着した後、剥離する際に凝集破壊する層であり、
    前記付着防止層が、粒子径1.0μm以下の疎水性微粒子を含有する組成物によって構成されており、かつ、アンカーコート層の前記凹凸に基づく凹凸が付着防止層表面に形成されており、
    かつ、前記ヒートシール性樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から構成されていることを特徴とする蓋材。
  2. 前記疎水性微粒子が、疎水官能基で表面処理した無機酸化物粒子であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記硬化性樹脂が2液硬化型ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓋材。
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