JP6064453B2 - 包装材料およびそれを用いた包装容器 - Google Patents

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Description

本発明は、食品、飲料、医薬品、化粧品などを包装するための包装材料やヨーグルト、ゼリー、プリンなどの密封容器に使用される蓋材に関するものである。
現在、液体状の食品、飲料、化粧品、医薬品を包装する包装材料は、多種多様に使用されている。また包装容器は、包装袋、カップ、トレ―などの容器として使用されている。
これらの包装材料においては、密封性が要求される他に、包装形態、用途などに応じて熱接着性、遮光性、耐熱性、耐久性などが要求される。ところが、これらの特性を満たしている包装材料であっても、次のような問題がある。即ち、内容物が包装材料に付着するという問題である。内容物が包装材料に付着すれば、内容物をすべて使い切ることが困難になり、それだけ無駄が生じることになる。また内容物をすべて使い切るためには包装材料に付着した内容物を別途に回収しなければならず、手間が掛かるなどの問題がある。
内容物の付着を防止する方法として、内容物と接する表面、即ち包装袋であれば、シーラント層に撥水性を付与する方法がある。フッ素系薬剤を用いて撥水性を付与する方法である。しかしフッ素系薬剤は、付着防止効果を発現させるが、表面エネルギーの小さいC8の主鎖を持つ薬剤は、体内残存率が高い可能性があるため、やや撥水性の劣るC6の主鎖を持つ薬剤が使用される場合がある。しかし、C6の主鎖を持つ薬剤は、撥水性が劣るため付着防止効果がない欠点があった。
また付着を防止する別の方法として、基材層と熱接着層と付着防止層とが順に積層された蓋材において、該付着防止層が、ワックスと疎水性微粒子とからなることを特徴とした提案がある(特許文献1)。
この提案では、ワックス中に疎水性微粒子の充填剤を含有させることによる付着防止効果を提案しているが、付着防止層の表面に充填剤が均一に露出されないために、付着防止効果を安定して発現できない問題がある。
また別の方法として、基材層と熱接着層が積層された蓋材であり、該熱接着層に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子を付着させ、該疎水性酸化物微粒子が三次元網目構造からなる多孔質層を形成していることを特徴とする提案がある(特許文献2)。
この提案では、付着防止効果は有するが、熱接着層との密着が弱く、剥離し脱落し易い問題がある。よって機械的強度が弱いために、付着防止効果にバラツキが生じる問題がある。
また熱可塑性樹脂を含有するシーラント層の表面に、一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着している積層体および包装材料の提案がある(特許文献3)。
この提案では、疎水性酸化物微粒子の接着強度が弱いために、脱落して付着防止効果が不足する問題がある。
また基材層とホットメルト接着層と付着防止層が順に積層された蓋材であり、該付着防止層が、平均粒径2.0〜7.0μmの湿式シリカを疎水化した疎水性湿式シリカ粒子で
あり、その付着量が0.1〜1.0g/mであることを特徴とする提案がある(特許文献4)。
この提案では、付着防止効果は有するが、ホットメルト層と疎水性湿式シリカの接着性が弱く、脱落し易い問題がある。特に機械的強度が弱い問題がある。
よって、付着防止性能を備え、かつ機械的強度を有した包装材料およびそれを用いた包装容器の要望がある。
特開2009−73523号公報 特許第4348401号公報 特開2011−93315号公報 特許第4668352号公報
背景技術を鑑みて、内容物の付着防止性能を備え、かつ機械的強度を有した包装材料およびそれを用いた包装容器を提供することである。
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、基材層/熱接着層/付着防止層が順次積層されてなる包装材料であって、
前記熱接着層の表面に、球形粒子または不定形粒子が分散されることによって、前記熱接着層の表面から球形粒子または不定形粒子が飛び出していることにより、凹凸が形成され、
前記付着防止層が、疎水性酸化物微粒子と無機バインダー樹脂からなり、前記凹凸を覆うように積層され、
前記付着防止層の表面の算術平均粗さRaが、Ra>5μmであることを特徴とする包装材料である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記球形粒子または不定形粒子の平均粒径が10〜50μmの範囲であり、前記疎水性酸化物微粒子の平均粒径が5nm〜1μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の包装材料である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記球形粒子または不定形粒子が、前記熱接着層の表面から平均粒径の50%以上飛び出していることを特徴とする請求項1または2記載の包装材料である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装材料を用いたことを特徴とする包装容器である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記包装容器が、包装袋または前記包装材料からなる蓋材を用いた密封容器であること特徴とする請求項4記載の包装容器である。
本発明の包装材料は、熱接着層の表面に、球形粒子または不定形粒子が一様に分散された凹凸を形成し、疎水性酸化物微粒子と無機バインダー樹脂とからなる付着防止層を積層し、該付着防止層の表面の算術平均粗さRaが、Ra>5μmにすることにより、優れた
付着防止性を発現することができる。また無機バインダー樹脂を介することにより、疎水性酸化物微粒子が強固に接着し、機械的強度を有する包装材料を提供できる。
本発明の請求項1によれば、熱接着層の表面に球形粒子または不定形粒子を一様に分散させ凹凸を形成し、撥水性を有する疎水性酸化物微粒子と無機バインダー樹脂からなる付着防止層を積層することにより、付着防止層の表面積が大きくなり、付着防止性を向上させることができる。
特に付着防止層の表面の算術平均粗さRaが、Ra>5μmであることにより、一層付着防止性を向上させることができる。付着防止層の表面積を大きくし、付着防止性を向上させたものである。算術平均粗さRaの測定は、算術平均粗さ測定器を用いて測定することができる。
また付着防止層が、疎水性酸化物微粒子と無機バインダー樹脂からなることにより、疎水性酸化物微粒子の脱落を防ぐことができる。疎水性酸化物微粒子は、無機バインダーを介して、球形粒子または不定形粒子の周りや熱接着層の表面に強固に接着する。即ち、包装材料を製造する時や製袋などの後加工の時、機械的な力が付加されても、機械的強度を備えているために疎水性酸化物微粒子の脱落がない包装材料が提供できる。
本発明の請求項2によれば、平均粒径10〜50μmの範囲の球形粒子または不定形粒子を熱接着層の表面に一様に分散させて凹凸を形成し、該凹凸の全面を覆うように、平均粒径5nm〜1μmの範囲の疎水性酸化物微粒子を積層することにより、優れた付着防止性能を発現させることができる。即ち、撥水性を有する疎水性酸化物微粒子が、飛び出した球形粒子または不定形粒子の周りに付着したり、熱接着層の表面に付着したりして、凹凸が形成された凹凸面のいかなる部位にも配される。
本発明の請求項3によれば、球形粒子または不定形粒子が、前記熱接着層の表面から平均粒径の50%以上飛び出していることにより、付着防止層に凹凸が形成され、付着防止層の面積を大きくすることができる。優れた付着防止性を発現させることができる。
本発明の請求項4によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装材料を用いたことを特徴とする包装容器である。包装容器の内面、即ち内容物と接する面に、付着防止層が形成されているために、内容物の棄損がない包装容器を提供できる。
本発明の請求項5によれば、包装材料の内面同士を熱接着すれば、包装袋として使用することができる。またヨーグルト、プリンなどの密封容器の蓋材にも使用することができる。内容物の付着がなく、内容物の棄損がない包装容器を提供できる。
本発明の包装材料は、包装容器の強度向上やガスバリア性向上などの要求があれば、包装材料に物性を向上させるための素材を中間に積層することができる。食品、飲料品、医薬品、化粧品などを包装するための包装材料およびそれを用いた包装容器に好適である。
本発明の包装材料の構成の一例を示す説明図である。 図1の付着防止層の一例を示す説明図である。 図1の付着防止層の一例を示す説明図である。 図1の付着防止層の一例を示す説明図である。 本発明の包装材料を使用した包装袋の一例を示した説明図である。 本発明の包装材料を使用した蓋材が取り付けられた密封容器の一例を示した説明図である。 図6の密封容器の蓋材を開封した状態の一例を示した説明図である。 従来の蓋材を開封した状態の一例を示した説明図である。 本発明の包装材料の他の構成の一例を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の包装材料の構成の一例を示す説明図である、包装材料30は、基材層1、熱接着層2、付着防止層3が順次積層されてなる。
図2は、図1の付着防止層の一例を示す説明図である。熱接着層2には、球形粒子10が含有され、該球形粒子が熱接着層の表面より平均粒径の50%以上飛び出した状態で形成されている一例を示している。熱接着層の表面が凹凸に形成されている。凹凸が形成された凹凸面の球形粒子10および熱接着層2には、疎水性酸化物微粒子12が無機バインダー樹脂11を介して付着され、付着防止層3が形成されている。付着防止層は、熱接着層および飛び出している球形粒子の周りに均一に積層されている。
図3は、図1の付着防止層の一例を示す説明図である。熱接着層2の表面に球形粒子10を一様に分散させ凹凸面を形成し、該凹凸面に、疎水性酸化物微粒子12と無機バインダー11を介して付着され、付着防止層3が形成されている。付着防止層は、熱接着層、球状粒子の周りに均一に積層されている。
熱シール時では、熱シール部の球形粒子や疎水性酸化物微粒子は、被シール材に埋まるように食い込み熱シールされ、接着強度を維持することができる。付着防止層が凹凸に沿って配されているため、熱圧により付着防止層が一部破壊され、熱接着層が表面に染み出して被シール材との接着性を維持することができる。
図4は、図1の付着防止層の一例を示す説明図である。熱接着層2には、不定形粒子13が含有され、該不定形粒子13が熱接着層の表面より平均粒径の50%以上飛び出した状態で形成されている一例を示している。熱接着層の表面が凹凸に形成されている。凹凸が形成された凹凸面の不定形粒子13および熱接着層2には、疎水性酸化物微粒子12が無機バインダー樹脂11を介して付着され、付着防止層3が形成されている。付着防止層は、熱接着層および飛び出している不定形粒子の周りに均一に積層されている。
図5は、本発明の包装材料を使用した包装袋の一例を示した説明図である。包装袋は、液体洗剤を収納した詰め替え用の自立性包装袋40を一例として示している。内容物が付着しないため、内容物の棄損がない包装袋である。
図6は、本発明の包装材料を使用した蓋材が取り付けられた密封容器の一例を示した説明図である。蓋材60が、容器本体22のフランジにシールされ密封容器50が形成されている。容器本体22には、例えば、ヨーグルトなどの内容物が収納されている。
図7は、図6の密封容器の蓋材を開封した状態の一例を示した説明図である。蓋材60をフランジ21から一部開封した状態の一例を示している。容器本体22には、一例としてヨーグルト20が収納されている。蓋材60の内面には、ヨーグルトが付着されていない状態を示している。図8は、従来の蓋材の一例を示している。従来の蓋材70の内面には、ヨーグルト20が付着している状態を示している。
本発明の包装材料は、内容物によりガスバリア性が要求される場合は、アルミニウム層や無機酸化物を蒸着したフィルムを中間に積層することができる。中でも無機酸化物を蒸着したフィルムは、透明性を備え、かつ異物検査機にて検査が可能なことから好ましい。
図9は、本発明の包装材料の他の構成の一例を示す説明図である。図9−1は、中間にガスバリア層を積層した一例である。基材層1/接着層4/ガスバリア層5/接着層4/熱接着層2/付着防止層3が順次積層されたものである。
ヨーグルトを収納する密封容器の蓋材に用いる場合は、アルミニウム層を中間に積層するのが好ましい。遮光性、デッドホールド性を付与することができる。図9−2は、ヨーグルトの密封容器に使用される蓋材の一例を示している。基材層1/接着層4/アルミニウム層6/接着層4/熱接着層2/付着防止層3が順次積層されたものである。
さらに発明を実施するための形態につき説明する。
基材層1としては、紙、合成紙、フィルムなどが使用できる。フィルムとしては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハンなどの単層フィルムまたはこれらの複合フィルムが使用できる。また該フィルムを紙などに積層した複合材料も使用できる。基材層は通常適宜印刷が施されて意匠性が付与される。
熱接着層2は、一般的にシーラント層と言われる層である。熱融着性を有していれば、特に限定されない。例えば、ワックスとエチレン−不飽和エステル共重合体、粘着付与剤などを含有したホットメルト剤、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂を使用することができる。
熱接着層を形成する方法は、上記樹脂を用いて、塗布液を作成してコーター機を用いコートする方法、樹脂を押出し機を用い押出しコートする方法、樹脂のホットメルトコート方法など公知の方法で可能である。
球形粒子10または不定形粒子13としては、無機成分および有機成分の少なくとも1種を含む球形粒子を使用することができる。無機成分としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、チタン、銀、カルシュウムなどの金属またはこれらを含む合金または金属間化合物、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの酸化物、リン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウムなどの無機酸塩または有機酸塩、ガラス、窒化硼素、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックなどを好適に使用できる。また有機成分としては、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂を使用することができる。また無機成分からなる粒子あるいは有機成分からなる粒子のほか、無機成分および有機成分の両者を含むシリコーン樹脂も用いることができる。特に、熱シール時での接着性から有機成分のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂などが好ましい。
球形粒子10または不定形粒子13は、平均粒子径が10〜50μmの範囲が好ましい。平均粒径が10μm未満では、付着防止層の表面の凹凸形成の点で不十分になる。付着防止性にバラツキが生じる。また平均粒径が50μmを越える場合は、球形粒子の脱落、分散性などの点で問題になる。
また熱接着層に形成する球形粒子10または不定形粒子13は、熱接着層の表面から平均粒径の50%以上が飛び出しするように形成する。熱接着層の表面を凹凸にさせて、そ
の後付着防止層を凹凸が形成された全面を覆うように積層する。付着防止層の表面積が大きくなり付着防止性能が向上される。また熱接着層の表面に球形粒子または不定形粒子を一様に分散して凹凸にしてもよい。
疎水性酸化物微粒子12としては、撥水性を有している。平均粒径5nm〜1μmの範囲の疎水性シリカが好ましい。平均粒径を5nm〜1μmの範囲にすることにより、疎水性酸化物微粒子が均一に分散し、球形粒子や熱接着層の表面に配されるために、優れた付着防止性を得ることができる。疎水性酸化物微粒子としては、酸化物の種類もシリカ、アルミナ、チタニアなどの少なくとも1種を用いることができる。例えばシリカとしては、メチル基を有した疎水性シリカ、トリメチルシリル基を有した疎水性シリカ、ジメチルシリコーンオイルでの疎水性シリカ、オクチルシランでの疎水性シリカ、などを使用することができる。またアルミナとしては、ジメチルシリコーンオイルでの疎水性アルミナが使用できる。チタニアとしては、オクチルシランでの疎水性チタニアが使用できる。とりわけ、より優れた付着防止性が得られるという点においては、トリメチルシリル基を有する疎水性シリカが好ましい。
平均粒径5nm未満では、無機バインダー樹脂の中に混入され、表面には不均一に配されるために、付着防止性にバラツキが生じる。また平均粒径1μmを超えると、該疎水性酸化物微粒子の脱落が生じる恐れがある。
無機バインダー樹脂11としては、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)加水分解溶液からなるシリカゾルバインダーが好適である。疎水性酸化物微粒子をと熱接着層および球形粒子を接着させる効果と若干撥水性を有している。また有機バインダーとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル、スチレン・ブタジエンゴムのいずれか一種またはその混合物を用いても構わない。しかし上記の理由から無機バインダー樹脂が好適である。
付着防止層を形成する方法は、まず、疎水性酸化物微粒子、無機バインダー樹脂を溶剤に分散させて塗布液を作成する。使用する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコールなどの有機溶剤を適宜使用することができる。また塗布液中に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤などを併用することができる。
上記の塗布液を用いて塗布機で付着防止層を形成する。形成された付着防止層の表面が、算術平均粗さRaが、Ra>5μmになるように形成する。また疎水性酸化物微粒子が、球形粒子または不定形粒子、熱接着層に接着するように、無機バインダー樹脂が均一に分散され、ほぼ全面を覆うように配されている。この凹凸により表面積が大きくなり、付着防止性を一層向上させることができる。また疎水性酸化物微粒子が強固に接着されるために機械的強度も強い包装材料ができる。算術平均粗さRaが、5μm未満になると、凹凸により表面積を大きくする効果がなくなり、優れた付着防止性を発現できない。
塗布機としては、ロールコート、グラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、デイップコート、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法が使用できる。付着防止層の厚みとしては、特に限定されない。付着防止性と機械的強度から塗布量を決めればよい。
包装材料にガスバリア性を向上させる場合は、無機酸化物を蒸着したフィルムを中間に積層すればよい。無機酸化物としては、酸化珪藻、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム
、カルシュウム、カリウム、錫、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化マグネシウムが好ましい。無機酸化物の蒸着層の厚みは5〜300nmの範囲が好ましく、中でも5〜100nmの範囲が好ましい。その値は適宜選択すればよい。
またヨーグルトの密封容器の蓋材に用いるアルミニウム層としては、包装材料の中間に積層すればよい。厚さ5〜50μm程度のアルミニウム箔が好適に用いられる。
尚、本発明において、平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で実施することができ、走査型電子顕微鏡の分解能が低い場合には、透過型電子顕微鏡などの他の電子顕微鏡を併用しても可能である。具体的には、粒子形状が球形の場合は、その直径、非球形の場合は、その最長径と最短径との平均値を直径とみなし、走査型電子顕微鏡などによる観察により任意に選んだ20個分の粒子の直径の平均を平均粒径とした。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
ポリエステルフィルム12μmとアルミニウム箔15μmを、二液反応型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート法により貼り合わせた。次にアルミニウム箔面にウレタン系接着剤を用いてアンカーコートして基材層を作成した。
アクリル樹脂からなる平均粒径20μmmの球形粒子とアクリル樹脂からなる熱接着剤を酢酸エチルに分散して固形分30重量%に調整した分散液を作成した。
上記アンカーコート面に、上記分散液をグラビアコート法により4g/m(DRY)塗布し、凹凸面の熱接着層を形成した。
平均一次粒径16nmの疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル株製 RY200S)とTEOS(オルトケイ酸テトラエチル)加水分解溶液からシリカゾルバインダーを固形分重量比1:1で混合し、メタノールで固形分10重量%に希釈して付着防止液を作成した。
上記熱接着層の凹凸面に、上記付着防止液をグラビアコート法により1.5g/m(DRY)塗布し包装材料を作成した。
アクリル樹脂からなる熱接着剤を酢酸エチルに分散して固形分20重量%に調整した分散液を、前記基材層のアンカーコート面にグラビアコート法により2.0g/m(DRY)塗布し熱接着層を形成した。
次にアクリル樹脂からなる平均粒径20μmの球状粒子を酢酸エチルにて分散した分散液を、上記熱接着層の面にバーコートにより均一に塗布した。凹凸面の熱接着層を形成した。
さらに熱接着層の凹凸面に、実施例1と同様に付着防止層を形成して包装材料を作成した。
シリカ粉砕粒からなる平均粒径20μmmの不定形粒子とアクリル樹脂からなる熱接着剤を酢酸エチルに分散して固形分30重量%に調整した分散液を作成した。
前記基材層のアンカーコート面に、上記分散液をグラビアコート法により4g/m(DRY)塗布し、凹凸面の熱接着層を形成した。
さらに熱接着層の凹凸面に、実施例1と同様に付着防止層を形成して包装材料を作成した。
アクリル樹脂からなる熱接着剤を酢酸エチルに分散して固形分20重量%に調整した分散液を、前記基材層のアンカーコート面にグラビアコート法により2.0g/m(DRY)塗布し熱接着層を形成した。
次にアクリル樹脂からなる平均粒径20μmの不定形粒子を酢酸エチルにて分散した分散液を、上記熱接着の面にバーコートにより均一に塗布した。凹凸面の熱接着層を形成した。
さらに熱接着層の凹凸面に、実施例1と同様に付着防止層を形成して包装材料を作成した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
アクリル樹脂からなる熱接着剤を酢酸エチルに分散して固形分20重量%に調整した分散液を、実施例1の基材層のアンカーコート面に、グラビアコート法により2.0g/m(DRY)塗布し熱接着層を形成した。
さらに熱接着層の面に、実施例1と同様に付着防止層を形成し、包装材料を作成した。
<比較例2>
アクリル樹脂からなる平均粒径15μmの球形粒子とアクリル樹脂からなる熱接着剤を酢酸エチルに分散して固形分30重量%に調整した分散液を作成した。該分散液を、実施例1の基材層のアンカーコート面にバーコート法により20.0g/m(DRY)塗布して熱接着層を形成した。尚、熱接着層の表面を、球形粒子による凹凸が熱接着層内にほぼ埋没した状態になるようにした。
さらに熱接着層の面に、実施例1と同様に付着防止層を形成し、包装材料を作成した。
<比較例3>
アクリル樹脂からなる平均粒径15μmの不定形粒子とアクリル樹脂からなる熱接着剤を酢酸エチルに分散して固形分30重量%に調整した分散液を作成した。該分散液を、実施例1の基材層のアンカーコート面にバーコート法により20.0g/m(DRY)塗布して熱接着層を形成した。尚、熱接着層の表面を、不定形粒子による凹凸が熱接着層内にほぼ埋没した状態になるようにした。
さらに熱接着層の面に、実施例1と同様に付着防止層を形成し、包装材料を作成した。
実施例1〜4、比較例1〜3の包装材料の評価として、シール強度、接触角、転落角、付着性を行った。
<シール強度(接着強度)>
・シール強度(N/15mm)、引張り速度300mm/min、剥離角度180°、シール幅10mm、n=3平均、条件で行った。引張り試験機(テンシロン)を用いた。
・シール強度(水浸漬後)(シールしたものを室温の水に7日間浸漬した後のシール強度を測定)。測定条件は、上記同等。
<接触角>
包装材料に水滴およびヨーグルト(ダノンヨーグルト/プレーン無糖)を滴下し、その後接触角および転落角を測定した。接触角は、接触測定装置(固液界面解析装置「Drop
Master300」協和界面科学株式会社)を用いて接触角を測定した。
<転落角>
転落角は、水平な平台を傾け、水およびヨーグルトの液滴が転げ落ちたときの角度を測定した。転落角は、目視により測定した。
<付着性>
水、ヨーグルトの液滴が転落した後の付着性の評価を行った。○:付着あり、×:付着あり、と目視で評価した。
評価結果を表1に示す。
評価結果から、球形粒子または不定形粒子を熱接着層の表面から飛び出させるまたは熱接着層の上に形成し凹凸にすることで、付着防止性の効果が大きくなることが判った。またシール強度の低下もなく維持している。また水、ヨーグルトでの接触角および転落角の評価から十分付着防止性を有していることが判った。また実施例1〜4、比較例1〜3の付着防止層の表面の中心線粗さRaを測定したところ、実施例1〜4ともにRa>5μmで、比較例1〜3ともに5μm未満であった。算術平均粗さRaの測定は、算術平均粗さ測定器を用いた。また接着性の確認も行った。付着防止層を試験面とし、学振型耐磨耗試験機(JIS K 570−1)を用い、往復回数30回、荷重200g、相手材:ポリエステルフィルム12μmにて確認を行ったところ、実施例1〜4、比較例1〜3ともにポリエステルフィルムへの付着防止層の脱落がなく良好であった。内容物の付着防止性能を有し、機械的強度も備えた包装材料であることが判った。
本発明の包装材料およびそれを用いた包装容器は、例えば容器形状として、包装袋、例えば、図5に示すような自立性包装袋、紙と積層してトレ―容器、カップ容器など、またチューブ容器などにも利用できる。また内容物の形状も液体、粘性体、ゲル状物などの他に固体状ものにも利用できる。
1 基材層
2 熱接着層
3 付着防止層
4 接着層
5 ガスバリア層
6 アルミニウム層
10 球形粒子
11 無機バインダー樹脂
12 疎水性酸化物微粒子
13 不定形粒子
20 内容物(ヨーグルト)
21 フランジ
22 容器本体
23 付着物
30 本発明の包装材料
40 包装袋(自立性包装袋)
50 密封容器
60 本発明の蓋材
70 従来の蓋材

Claims (5)

  1. 少なくとも、基材層/熱接着層/付着防止層が順次積層されてなる包装材料であって、前記熱接着層の表面に、球形粒子または不定形粒子が分散されることによって、前記熱接着層の表面から球形粒子または不定形粒子が飛び出していることにより、凹凸が形成され、
    前記付着防止層が、疎水性酸化物微粒子と無機バインダー樹脂からなり、前記凹凸を覆うように積層され、
    前記付着防止層の表面の算術平均粗さRaが、Ra>5μmであることを特徴とする包装材料。
  2. 前記球形粒子または不定形粒子の平均粒径が10〜50μmの範囲であり、前記疎水性酸化物微粒子の平均粒径が5nm〜1μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の包装材料。
  3. 前記球形粒子または不定形粒子が、前記熱接着層の表面から平均粒径の50%以上飛び出していることを特徴とする請求項1または2記載の包装材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装材料を用いたことを特徴とする包装容器。
  5. 前記包装容器が、包装袋または前記包装材料からなる蓋材を用いた密封容器であること特徴とする請求項4記載の包装容器。
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