JP2015183420A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水洗大便器1は、洗浄水を便器本体2に供給して洗浄する水洗大便器1であって、ボウル形状の汚物受け面16と、上縁に位置しボウル部8の内側空間に露出する内周面22を有するリム部18と、を備えたボウル部8と、リム部18の内周面22に沿って洗浄水を吐水し旋回する流れを形成するリム吐水部24、26と、を有し、リム部18の内周面22には、その上側領域にリム吐水部24、26から吐水され旋回する洗浄水の流れを減速させる旋回流減速手段80が設けられている。
【選択図】図1
Description
一方、特許文献2に記載されているように、大流量且つ比較的勢いの強い洗浄水をボウル部に継続的に長時間にわたって供給するために、洗浄水をリム吐水口から大流量を継続的に吐水する(約80L/minの流量を約4秒間にわたって吐水する)ジェットポンプ機構を備えた水洗大便器が知られている。
しかしながら、これらを組み合わせると、大流量の洗浄水が楕円形のリム部の内周面にそって長時間流れるため、洗浄の後半において、内周面を旋回する洗浄水が徐々に上昇して、やがてオーバーハング形状のリム部から便器外へと飛び出てしまうという課題が生じている。特に、リム吐水を100%にするタイプの水洗大便器においては、リム吐水口から吐水される洗浄水量が増加するため、リム部から便器外への水の飛び出しは顕著に生じ、解決すべく必須の課題となっている。
このように構成された本発明においては、洗浄水を便器本体へ供給し、リム部の内周面を旋回する洗浄水が、内周面の下側領域から上側領域に上昇する場合に、旋回流減速手段が旋回する洗浄水の流れを減速させることができ下方へと向きを変えることができる。よって、リム部の内周面における洗浄水の旋回性を維持すると共に、リム部の内周面に沿って洗浄水の旋回流が上昇して便器外へ飛び出すことを抑制することができる。この結果、本発明によれば、洗浄水がボウル部のリム部から便器外へ飛び出すことを抑制し、さらに、洗浄性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第1旋回流減速手段が、リム部の前端の近傍の上流側領域に形成されているので、リム部の内周面を旋回する洗浄水が、内周面の下側領域から上側領域に上昇する場合に、第1旋回流減速手段が、リム部の前端の近傍の上流側領域から、曲率半径の小さいリム部の前端を通過して、洗浄水が便器外へ飛び出しやすいリム部の前端の近傍の下流側領域に至る洗浄水の流れを減速することができる。つまり、便器外へ洗浄水が飛び出しやすいリム部の前端の近傍の下流側領域に至った洗浄水の内、内周面の下側領域から上側領域に上昇する洗浄水の量を減らすことができ、洗浄水が飛び出しやすいリム部の前端の近傍の下流側領域において、洗浄水が便器外へ飛び出すことを防止することができる。
このように構成された本発明においては、リム部の内周面を旋回する洗浄水が、内周面の下側領域から上側領域に上昇する場合に、第2旋回流減速手段が、第2リム吐水部の近傍の上流側領域を通過して、洗浄水が便器外へ飛び出しやすい第2リム吐水部の近傍の合流領域に至る洗浄水の流れを減速させることができ下方へと向きを変えることができる。つまり、便器外へ洗浄水が飛び出しやすい第2リム吐水部の近傍の合流領域に至った洗浄水の内、内周面の下側領域から上側領域に上昇する洗浄水の量を減らすことができ、洗浄水が飛び出しやすい第2リム吐水部の近傍の合流領域において、洗浄水が便器外へ飛び出すことを防止することができる。
このように構成された本発明においては、旋回流減速手段は、平面視で、リム部の内周面からボウル部の内側に突出する凸形状又はボウル部の外側に凹む凹形状に形成されているので、リム部の内周面における洗浄水の旋回性を著しく損なうことなく、リム部の内周面を旋回する洗浄水が、洗浄の後半等において下側領域から上側領域に上昇する場合に、旋回する洗浄水の流れを減速させることができ下方へと向きを変えることができる。
このように構成された本発明においては、供給装置が、一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給するジェットポンプユニットであっても、リム部の内周面における上側領域に旋回流減速手段が設けられているので、供給装置が一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給し、リム部の内周面を旋回する洗浄水が、内周面の下側領域から上側領域に上昇する場合に、旋回する洗浄水の流れを減速させることができ下方へと向きを変えることができる。
図1及び図2に示すように、水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体2に洗浄水を供給する給水装置4(供給装置)を備えている。便器本体2は、表面に釉薬層が形成された陶器製であり、下部にスカート部7が形成され、上半分のうち前方にボウル部8が形成され、後方上部にはその上流端が給水装置4に連通する共通通水路10が形成され、さらに、後方下部に汚物を排出するための排水管路12が形成されている。
この導入管路32は、凹部20の底面と滑らかな連続湾曲面として繋がっており、凹部20から導入管路32に流入した洗浄水が導入管路32内をスムーズに流れるようになっている。
図7は図1のVII−VII線に沿って見た部分断面図であり、図8は図1のVIII−VIII線に沿って見た部分断面図であり、図9は図1のIX−IX線に沿って見た部分断面図である。
図1に示すように、便器本体2のボウル部8には、上述したように、ボウル部8のリム部18の内周面22の前方から見て左側の中央部の少し後方側に、リム部18の内周面22に沿って洗浄水を吐水し旋回する流れを形成する第1リム吐水口24が形成され、前方から見て右側後方側に、リム部18の内周面22に洗浄水を吐水して第1リム吐水口24による旋回流と同一方向の旋回流を形成する第2リム吐水口26とが形成されている。ここで、図1、図2、図7及び図8に示すように、リム部18の第1リム吐水口24から第2リム吐水口26までの領域は、その内周面22に沿って洗浄水が流れる通水路となっている。
旋回流減速手段80は、リム部18の前端18a近傍の上流側領域A1に形成された第1旋回流減速手段82と、リム部18の後方側領域内の第2リム吐水口近傍の上流側領域A3に形成された第2旋回流減速手段84とを備えている。リム部18の前端18aにおいては、リム部18の内周面22の曲率半径が最小に形成されている。
よって、第1旋回流減速手段82における上側領域22cの曲率半径R1は、第1旋回流減速手段82より下方の内周面22の側壁部22bの下側領域22dの曲率半径R2よりも小さくされている。
このように、第1旋回流減速手段82は、内周面22の側壁部22bの下側領域22dよりも外側に湾曲した流路を形成し、リム部18に沿って旋回する旋回流を破壊及び/又は抑制することができる。よって、第1旋回流減速手段82は、リム部18の前端18a近傍の上流側領域A1を通過してリム部18の前端18a近傍の下流側領域A2に至る洗浄水の流れを減速することができる。また、第1旋回流減速手段82は、リム部18に沿って旋回する旋回流が第1旋回流減速手段82より上方に上昇することを抑制することができる。
別の言い方によれば、第2旋回流減速手段84は、前後のリム部18の内周面22に対して局部的に窪んだ凹面を形成している。また、第2旋回流減速手段84より下方の内周面22の側壁部22bの下側領域22dにおいては、前後のリム部18の内周面22と連続したなめらかな流面が形成されている。
よって、第2旋回流減速手段84における上側領域22cの曲率半径R4は、第2旋回流減速手段84より下方の内周面22の側壁部22bの下側領域22dの曲率半径R5よりも小さくされている。
このように、第2旋回流減速手段84は、内周面22の側壁部22bの下側領域22dよりも外側に湾曲した流路を形成し、リム部18に沿って旋回する旋回流を破壊及び/又は抑制することができる。よって、第2旋回流減速手段84は、リム部18の前端18aから後方の第2リム吐水口26近傍の上流側領域A3を通過して第2リム吐水口26近傍の合流領域A4に至る洗浄水の流れを減速することができる。また、第2旋回流減速手段84は、リム部18に沿って旋回する旋回流が第2旋回流減速手段84より上方に上昇することを抑制することができる。
先ず、使用者が給水装置4の手動レバー40を操作すると、給水弁装置38により外部の給水源から供給される洗浄水がジェットノズル44に到達し、ジェットノズル44から洗浄水がスロート管42の吸引口42aに向けて噴射される。このとき、スロート管42の吸引口42a付近は負圧となるので、貯水タンク5内に貯水された洗浄水もスロート管42内に吸引され、給水装置4により外部から供給される洗浄水と貯水タンク5内に洗浄水が一緒になってスロート管42内を流れ、便器本体2に供給され、ボウル部8の洗浄が開始される。このとき、給水装置4からは、図6に示すように、一定の大流量の洗浄水が所定時間継続して便器本体2へ供給される。
給水装置4が一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体2へ供給し、リム部18の内周面22の側壁部22bを旋回する洗浄水が、洗浄の後半等において下側領域22dから上側領域22cに上昇する場合には、洗浄水は、矢印F2に示すように、第1旋回流減速手段82の凹形状に沿って流れることにより流速が減速され、リム部18の前端18a近傍の上流側領域A1を通過して、洗浄水が便器外へ飛び出しやすいリム部18の前端18a近傍の下流側領域A2に至る洗浄水の流れは減速されることができ、重力により下方へ流下しようとする。従って、リム部18の前端18a近傍の下流側領域A2において洗浄水の旋回流が上昇して便器外へ飛び出すことを抑制することができる。
給水装置4が一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体2へ供給し、リム部18の内周面22の側壁部22bを旋回する洗浄水が、洗浄の後半等において下側領域22dから上側領域22cに上昇する場合には、洗浄水は、矢印F4に示すように、リム部18の内周面22の側壁部22bの上側領域22cにおいて形成される第2旋回流減速手段84の凹形状に沿って流れることになる。洗浄水は、矢印F4に示すように、第2旋回流減速手段84の凹形状に沿って流れることにより流速が減速され、第2リム吐水口26近傍の上流側領域A3を通過して、洗浄水が便器外へ飛び出しやすい第2リム吐水口26近傍の合流領域A4に至る洗浄水の流れは減速されることができ、重力により下方へ流下しようとする。従って、第2リム吐水口26近傍の合流領域A4において、第2リム吐水口26近傍の上流側領域A3におけるリム部18の内周面22の側壁部22bの上側領域22cからの洗浄水の流れが、第2リム吐水口26から吐水される洗浄水の流れに乗り上げるように合流して、洗浄水の旋回流が上昇して便器外へ飛び出すことを抑制することができる。
2 便器本体
4 給水装置
6 ジェットポンプユニット
8 ボウル部
18 リム部
18a 前端
22 内周面
22b 側壁部
22c 上側領域
22d 下側領域
24 第1リム吐水口
26 第2リム吐水口
42 スロート管
44 ジェットノズル
45 排水口
80 旋回流減速手段
82 第1旋回流減速手段
84 第2旋回流減速手段
A1 上流側領域
A2 下流側領域
A3 上流側領域
A4 合流領域
Claims (5)
- 洗浄水を便器本体に供給して洗浄する水洗大便器であって、
ボウル形状の汚物受け面と、上縁に位置し内側に露出する内周面を有するリム部と、を備えたボウル部と、
上記リム部の内周面に沿って洗浄水を吐水し旋回する流れを形成するリム吐水部と、を有し、
上記リム部の内周面の上側領域に上記リム吐水部から吐水され旋回する洗浄水の流れを減速させる旋回流減速手段が設けられていることを特徴とする水洗大便器。 - 上記旋回流減速手段は、上記リム部の前端の近傍の上流側領域に形成された第1旋回流減速手段である請求項1記載の水洗大便器。
- 上記リム吐水部は、上記ボウル部の左右方向の一方側に配置されている上記第1リム吐水部と、
上記ボウル部の左右方向を中心とした他方側に配置され、上記リム部の内周面に洗浄水を吐水して上記第1リム吐水部による旋回流と同一方向の旋回流を形成する第2リム吐水部とを有し、
上記旋回流減速手段は、さらに、上記リム部の後方側領域内の上記第2リム吐水部の近傍の上流側領域に形成された第2旋回流減速手段を備え、上記第2旋回流減速手段は、上記リム部の前端から後方の第2リム吐水部の近傍の上流側領域を通過して上記第2リム吐水部近傍の合流領域に至る洗浄水の流れを減速することができる請求項2記載の水洗大便器。 - 上記旋回流減速手段は、平面視で、上記リム部の上記内周面から上記ボウル部の内側に突出する凸形状又は上記ボウル部の外側に凹む凹形状に形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 一定の大流量の洗浄水を所定時間継続して便器本体へ供給する供給装置と、
上記供給装置は、洗浄水を貯水する貯水タンクと、少なくともその一部が上記貯水タンク内で水没した状態で配置されたジェットポンプユニットを備えている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
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