JP7325708B2 - 水洗大便器 - Google Patents

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Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により便器を洗浄する水洗大便器に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載されているように、ボウル部と、リム部に沿って洗浄水を吐水するリム吐水部と、を備え、リム吐水部からリム部に沿って吐水される洗浄水がボウル部を旋回流で洗浄する水洗大便器が知られている。
更に詳しくは、特許文献1において、2つのリム吐水部に洗浄水を導くための導水路が、当該導水路に対して給水がなされる給水部(貯水タンク等に接続される)を始点として、ボウル部の左右の一方側へと延在する第1導水部と、ボウル部の左右の他方側へと延在する第2導水部と、を有している。そして、それらの一方の途中に屈曲部が設けられており、給水部から屈曲部まで洗浄水が導水される方向に対して、屈曲部からリム吐水部まで導水される方向が、屈曲されている。
特開2015-190245号公報
本件発明者は、導水路の屈曲部における洗浄水の挙動を解析する中で、以下のような知見を得た。
すなわち、屈曲部においては、洗浄水が導水路の外側壁面に押し付けられることで導水方向が転回される。この際、当該転回の遠心力によって、洗浄水は導水路の外側壁面に更に押し付けられることとなり、洗浄水は導水路の外側壁面の側に偏った状態で流れる。このため、屈曲部の先にあるリム吐水部からの洗浄水の吐水が、外側壁面の側に偏った状態でなされてしまって、吐水に乱れが生じて洗浄作用に悪影響が生じ得る。
本発明は、以上のような背景の下になされたものである。本発明の目的は、洗浄水の導水路が屈曲部を有する水洗大便器であって、屈曲部の先にある吐水口からの洗浄水の吐水の乱れが抑制された水洗大便器を提供することである。
本発明は、ボウル部を規定する便器本体と、前記便器本体の内部に形成され、前記ボウル部内に洗浄水を導くための導水路と、を備えた水洗大便器であって、前記導水路は、当該導水路に対して給水がなされる給水部を始点として、前記ボウル部に配置された吐水口まで延在しており、前記導水路の途中に屈曲部が設けられており、前記給水部から当該屈曲部まで洗浄水が導水される方向に対して、当該屈曲部から前記吐水口まで導水される方向が、屈曲されており、前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出していることを特徴とする水洗大便器である。
本発明によれば、屈曲部における導水路の外側壁面が、鉛直方向の少なくとも一部において外側に膨出しているため、洗浄水が方向を変える際の旋回速度が抑制され、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力が抑制され得る。これにより、洗浄水は、外側壁面の側に偏った状態で導水されることが抑制され、導水路の外側壁面から円滑に剥離することが可能であり、吐水口から所望の整流状態で吐水され得る。
好ましくは、前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向の他の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出していない。
この場合、当該他の少なくとも一部に対応する領域では、洗浄水の旋回速度が従前同様に速い。これにより、当該領域を通過する洗浄水(旋回速度が速い)が、外側に膨出している領域を通過する洗浄水(旋回速度が遅い)を「引っ張る」ような状態となるため、後者の洗浄水が滞留することなく円滑に吐水され得る。また、後者の洗浄水は前者の洗浄水によってより「内側に」引っ張られるため、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力が更に抑制され得る。
なお、少なくとも本件出願の時点においては、前記導水路の外側壁面が、前記屈曲部における鉛直方向の前記他の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して内側に狭められている態様を排除しない。
また、好ましくは、前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向上方の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出しており、前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向下方の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出していない。
この場合、鉛直方向下方の領域を通過する洗浄水(旋回速度が速い)が、鉛直方向上方の外側に膨出している領域を通過する洗浄水(旋回速度が遅い)を「引っ張る」ような状態となって、後者の洗浄水は前者の洗浄水によってより「下側に」引っ張られるため、吐水後の洗浄水が上方に飛散することが効果的に抑制され得る。
また、好ましくは、前記導水路の内側壁面は、前記屈曲部の上流側の屈曲準備部における鉛直方向の少なくとも一部において、当該屈曲準備部の上流側と比較して内側に膨出している。
この場合、屈曲部の上流側の屈曲準備部において洗浄水が減速されるため、屈曲部において洗浄水が方向を変える際の旋回速度が更に抑制され、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力が更に抑制され得る。
また、この場合、前記屈曲準備部において内側に膨出する前記導水路の前記内側壁面に沿って流れる洗浄水の少なくとも一部が、前記屈曲部において外側に膨出する前記導水路の前記外側壁面に向かって流れるようになっていることが好ましい。
これによれば、屈曲準備部において減速された洗浄水が、外側に膨出する導水路の外側壁面に向かって流れるため、屈曲部において洗浄水が方向を変える際の旋回速度がよりお効果的に抑制され、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力がより効果的に抑制され得る。
本発明によれば、屈曲部における導水路の外側壁面が、鉛直方向の少なくとも一部において外側に膨出しているため、洗浄水が方向を変える際の旋回速度が抑制され、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力が抑制され得る。これにより、洗浄水は、外側壁面の側に偏った状態で導水されることが抑制され、導水路の外側壁面から円滑に剥離することが可能であり、吐水口から所望の整流状態で吐水され得る。
本発明の一実施形態による水洗大便器の概略平面図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 図1のIII-III線に沿った断面図である。 図1のIV-IV線に沿った断面図である。 図1に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体における第2リム導水路及び第2リム吐水口を含むボウル部の部分を拡大した部分拡大平面図である。 図3に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体における第2リム吐水口の部分を拡大した部分拡大図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第1リム吐水の旋回流が第2リム吐水の水流に合流する前の状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略平面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第1リム吐水の旋回流が第2リム吐水の水流に合流した後の状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略平面図であり、壺部内に前後方向の縦旋回流が形成される前の状態を示す。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の汚物受け面における棚状面、傾斜面、及び、連結面のそれぞれの領域を概略的に説明する概略平面図であり、壺部内に前後方向の縦旋回流が形成される直前の状態を示す。 図4に示す本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の汚物受け面及び壺部のそれぞれの左側領域部分を拡大した部分拡大図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部における壺部の部分を拡大した部分拡大平面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の壺部内において、前後方向の縦旋回流が形成される直前の状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略側面断面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の壺部内において、前後方向の縦旋回流が形成されている状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略側面断面図である。 図5のXII-XII線に沿った断面図である。 図5のXIII-XIII線に沿った断面図である。 図5のXIV-XIV線に沿った断面図である。 図5のXV-XV線に沿った断面図である。
(本実施形態の概要)
次に、図1~図15を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器について説明する。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の概略平面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、陶器製の便器本体2を備えている。この便器本体2は、上流側から下流側に向かって、導水路4と、ボウル形状のボウル部6と、排水トラップ管路8とを備えている。
なお、便器本体2については、陶器製以外の樹脂製等であってもよい。
次に、図1に示す本実施形態の水洗大便器1の便器本体2の上面においては、便座(図示せず)及び便蓋(図示せず)等が設けられているが、従来の水洗大便器の構造と同様であるため、具体的な説明については省略する。
また、便器本体2の上面においては、便座(図示せず)及び便蓋(図示せず)の後方側には、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄部(図示せず)や便器本体2への給水機能に関与する給水系機能部等の機能部(図示せず)も設けられていてもよいが、これらについても、従来の水洗大便器の構造と同様であるため、具体的な説明については省略する。
次に、図1に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、便器洗浄に使用される洗浄水を貯水して便器本体2へ給水する洗浄水源である重力給水式の貯水タンク10を備えており、便器本体2のボウル部6内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、「洗い落とし式の水洗大便器」である。
なお、本実施形態では、便器本体2へ洗浄水を供給する洗浄水源としては、上述した重力給水式の貯水タンク10のようなタンク式の形態に限定されず、他の形態でも適用可能である。すなわち、便器本体2へ洗浄水を供給する洗浄水源として、水道水の給水圧を直接利用した水道直圧式の形態やフラッシュバルブ式の形態であってもよいし、或いは、ポンプの補圧を利用して洗浄水を供給する形態であってもよい。
次に、図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。また、図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。更に、図4は、図1のIV-IV線に沿った断面図である。
なお、図2~図4に示す本実施形態の水洗大便器1においては、便器本体2の外形部分や貯水タンク10については省略しており、詳細は後述する便器本体2のボウル部6、導水路4、及び、排水トラップ管路8等の便器本体2の主要部分のみを図示している。
ここで、図1に示す本発明の一実施形態による水洗大便器1においては、便器本体2のボウル部6の平面視において、ボウル部6を前後方向に二等分するように水平左右方向に延びる中心軸線を「X」で示し、ボウル部6を左右方向に二等分するように水平前後方向に延びる中心軸線を「Y」で示している。
また、図1では、中心軸線X,Yの互いの交点を平面視のボウル部6の中心Oとし、この中心Oを通る鉛直方向に延びる中心軸線を「Z」で示している。
これらにより、図2及び図3に示す本発明の一実施形態による水洗大便器1においては、便器本体2のボウル部6の側面視において、ボウル部6を前後方向に二等分するように鉛直方向に延びる中心軸線を「Z」で示している。
更に、図1~図3に示すように、水洗大便器1の前後左右の方向については、「前」、「後」、「左」、「右」でそれぞれ示している。また、左右方向のことを「側方」と呼ぶこともある。
次に、図1~図4に示すように、便器本体2の上流側に位置する導水路4は、ボウル部6の後方側に形成され、貯水タンク10から供給された洗浄水をボウル部6に導くようになっている。
また、図1~図4に示すように、便器本体2の導水路4の下流側に位置するボウル部6は、下方から上方に向かって、壺部12、汚物受け面14、棚部16、及び、リム部18を備えている。
まず、図1~図4に示すように、ボウル部6の壺部12は、ボウル部6の下方に設けられており、その内部に溜水W0を貯留し、封水(封水面WL)を形成している。
また、図1~図4に示すように、壺部12は、底壁12aと、この底壁12aの左右側方に設けられた側壁(左側壁12b及び右側壁12c)と、底壁12aの後方に設けられた後壁12dとを備えている。
更に、図1に示すように、壺部12の両側の側壁12b,12cの前方側は、平面視において、後方から前方に向かう程、互いに近接する先細り形状となっており、壺部12の前端が先端部Tとなっている。
ここで、図1~図3に示すように、本実施形態の水洗大便器1のボウル部6内の領域においては、まず、ボウル部6内の左側方のリム部18に設けられて且つ壺部12の前端Tよりも前方に位置する第1リム吐水口20に対し、この第1リム吐水口20の前後方向位置P1よりも前方側の領域を「ボウル部6の前方領域F」と定義する。また、このボウル部6の前方領域Fにおいて、ボウル部6の水平前後方向の中心軸線Yに対して左側領域L、右側領域Rのそれぞれを「ボウル部6の左前方領域LF」、「ボウル部6の右前方領域RF」と定義する。
次に、本実施形態の水洗大便器1のボウル部6内の領域において、壺部12の上縁且つ後端位置P2よりも後方側の領域を「ボウル部6の後方領域B」と定義する。また、このボウル部6の後方領域Bにおいて、ボウル部6の水平前後方向の中心軸線Yに対して左側領域L、右側領域Rのそれぞれを「ボウル部6の左後方領域LB」、「ボウル部6の右後方領域RB」と定義する。
更に、図1~図3に示すように、本実施形態の水洗大便器1のボウル部6内の領域において、前方領域Fと後方領域Bとの間を「ボウル部6の中間領域M」と定義する。また、このボウル部6の中間領域Mにおいて、壺部12の左側壁12bの上縁よりも左側の領域を「ボウル部6の左側方領域LM」と定義し、壺部12の右側壁12cの上縁よりも右側の領域を「ボウル部6の右側方領域RM」と定義する。
次に、図1~図4に示すように、ボウル部6の汚物受け面14は、壺部12の上縁に接続される下縁から棚部16の棚面16a及びリム部18のリム内壁面18aと共に、ボウル状のボウル面を形成しており、汚物を受ける面となっている。
なお、図1~図4では、壺部12と汚物受け面14との境界線(壺部12の上縁及び汚物受け面14の下縁)を「L1」としている。
また、ボウル部6のリム部18は、ボウル部6の上縁を形成しており、リム部18の内周面(リム内壁面18a)は、図1に示す平面視において、概ね卵形の形状に形成されている。
更に、ボウル部6の棚部16は、汚物受け面14の外縁とリム部18の下端との間に形成されている。導水路4内の洗浄水は、詳細は後述する2つのリム吐水口(第1リム吐水口20及び第2リム吐水口22)のそれぞれに導かれるようになっている。これにより第1リム吐水口20及び第2リム吐水口22のそれぞれから第1リム吐水及び第2リム吐水のそれぞれが吐水されるようになっている。
なお、本実施形態においては、必ずしも棚部16を設ける必要はなく、第1リム吐水口20及び第2リム吐水口22のそれぞれから第1リム吐水及び第2リム吐水のそれぞれを汚物受け面14の上縁部に吐水させても良い。
次に、図1~図4に示すように、導水路4は、給水部4aと、共通導水路24と、第1リム導水路26と、第2リム導水路28と、を備えている。
まず、共通導水路24は、貯水タンク10に接続される後方の給水部4aから前方のボウル部6の背面側近傍まで延びるようにボウル部6の後方側の便器本体2の内部に形成されている。
次に、図1、図2及び図4に示すように、第1リム導水路26は、ボウル部6の背面側近傍で共通導水路24からボウル部6の左側に分岐した後、ボウル部6の外周面を迂回しながら前方の第1リム吐水口20まで延びるようにリム部18の内部に形成されている。
これにより、共通導水路24から第1リム導水路26に供給された洗浄水は、第1リム吐水口20から前方の棚部16に第1リム吐水として吐水された後、ボウル部6内の左前方領域LFから右前方領域RFを経て右側方領域RMへと旋回する旋回流を形成するようになっている。
一方、図1、図3及び図4に示すように、第2リム吐水口22は、ボウル部6内の右側方領域RMのリム部18に設けられており、壺部12の前端Tの位置よりも後方且つ後端位置P2よりも前方に配置されている。すなわち、第2リム吐水口22は、第1リム吐水口20よりも後方に配置されている。
また、第2リム吐水口22は、壺部12の前後方向の中央(図1に示す壺部12の前後後方向の中心O1)よりも後方に配置されている。
更に、図1、図2及び図4に示すように、第2リム導水路28は、詳細については後述するが、ボウル部6の背面側近傍で共通導水路24からボウル部6の右側に分岐した後、ボウル部6の外周面を迂回しながら前方のボウル部6の右側方領域RMのリム部18まで延びるように形成されている。
その後、第2リム導水路28は、ボウル部6の右側方領域RMのリム部18の内部において、後方側にUターン(屈曲の一態様)して後方に延びた後、第2リム吐水口22に向けて更に斜め後方に屈曲して第2リム吐水口22まで延びるように形成されている。
次に、図1~図4に示すように、便器本体2の下流側に位置する排水トラップ管路8は、ボウル部6の下方から後方に形成され、ボウル部6内の汚物を排出する排水路(排水トラップ部)である。
また、排水トラップ管路8の入口8aは、ボウル部6の壺部12の下方(底壁12a)の排水口hに接続されている。そして、排水トラップ管路8は、その入口8aから下方且つ後方に下降する下降路8bと、この下降路8bの下流端から上方且つ後方に上昇する上昇路8cと、を備えている。
次に、図1及び図3~図6を参照して、本実施形態の水洗大便器1における第2リム導水路28及び第2リム吐水口22の詳細について説明する。
まず、図5は、図1に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体における第2リム導水路及び第2リム吐水口を含むボウル部の部分を拡大した部分拡大平面図である。また、図6は、図3に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体における第2リム吐水口の部分を拡大した部分拡大図である。
図5に示すように、第2リム導水路28は、その入口28aから下流側に向かって、外側導水部30と、第1屈曲部32と、第2屈曲部34と、を備えている。
図5に示すように、第2リム導水路28の外側導水部30は、その入口28aが後方側(上流側)の共通導水路24に接続され、ボウル部6の外周面を迂回しながら前方のボウル部6の右側方領域RMのリム部18内に形成されている。
次に、図5に示すように、第2リム導水路28の第1屈曲部32は、外側導水部30の前端(下流端)E1から前方に延びた後、後方に向って屈曲するように形成されている。すなわち、第1屈曲部32は、図5の平面視においてU字形形状にターンする部分となっている。これにより、上流側の外側導水部30から前方に向かって第1屈曲部32に流れ込んだ洗浄水は、第1屈曲部32を通過することにより、後方に方向転換されるようになっている。
また、図5に示すように、第2リム導水路28の第2屈曲部34は、第1屈曲部32の下流側後方に設けられている。この第2屈曲部34は、第1屈曲部32の下流端E2から後方に延びた後(第2屈曲上流部34a)、斜め後方のボウル部6の右後方領域RBに向って屈曲し、第2リム吐水口22まで延びている(第2屈曲下流部34b)。
これにより、第1屈曲部32の下流端E2から後方に向って第2屈曲部34の第2屈曲上流部34aに流れ込んだ洗浄水は、第2屈曲部34を通過することにより、ボウル部6の右後方領域RBに向って斜め後方に方向転換されるようになっている。そして、第2屈曲下流部34bを通過した洗浄水が、第2リム吐水口22から第2リム吐水として吐水されるようになっている。
(本発明に特に関連する本実施形態の特徴)
次に、図12は、図5のXII-XII線に沿った断面図である。また、図13は、図5のXIII-XIII線に沿った断面図である。また、図14は、図5のXIV-XIV線に沿った断面図である。更に、図15は、図5のXV-XV線に沿った断面図である。
図5に示すように、外側導水部30の前端(下流端)E1から更に前方の第1屈曲部32においては、後述する第1膨出部32bが設けられている。一方、外側導水部30の前端(下流端)E1と第1リム導水路26の入口26aとの略中間位置から、外側導水部30の前端(下流端)E1までの領域が、屈曲準備部31となっていて、後述する上流膨出部31bが設けられている。
外側導水部30の屈曲準備部31よりも後方の領域は、従前の外側導水部と同様の構成を有している。XII-XII線は、当該領域を横切っている。図12に示す外側導水部30の断面は、例えば高さ15~25mm程度、幅10~20mm程度、を有している。
屈曲準備部31の内側壁面は、鉛直方向に下から略4分の1~上から略3分の1の領域において、当該屈曲準備部31の後方(上流側)の外側導水部30の領域と比較して内側に膨出して、上流膨出部31bを形成している。本実施形態では、屈曲準備部31の内側壁面の当該領域(鉛直方向に下から略4分の1~略上から3分の1)は、リム内壁面18aからの肉厚を略均等に維持する湾曲部31cと、第2屈曲下流部34bの内側壁面からの肉厚を略均等に維持する平面部31pと、からなっている。XIII-XIII線は、湾曲部31cと平面部31pとの接続部を横切っている。図13に示す上流膨出部31bの断面は、例えば高さ5~10mm程度、幅5~10mm程度、を有している。
一方、屈曲準備部31の内側壁面は、鉛直方向に下から略4分の1より下方の領域、及び、上から略3分の1より上方の領域においては、当該屈曲準備部31の後方(上流側)の外側導水部30の領域と比較して内側に膨出しておらず、外側導水部30の領域から滑らかに連続している(図13参照)。但し、外側導水部30の断面は、前端E1に向かうにつれて徐々にスリム化されている。
第1屈曲部32の外側壁面は、鉛直方向に下から略4分の1~上から略8分の1の領域において、外側導水部30の領域と比較して外側に膨出して、第1膨出部32bを形成している。本実施形態では、第1屈曲部32の外側壁面の当該領域(鉛直方向に下から略4分の1~略上から8分の1)は、平面視で(図5参照)屈曲準備部31の平面部31pと略平行な傾斜面部32tと、当該傾斜面部32tの前端から前方に平面視で略真っ直ぐに延びる上流側平面部32uと、当該上流側平面部32uの前端から平面視で略半円弧状に延びる湾曲部32cと、当該湾曲部32cの内側端から後方に平面視で略真っ直ぐに延びる下流側平面部32pと、からなっている。
傾斜面部32tの平面視での長さは、4~8mm程度であり、上流側平面部32uの平面視での長さは、10~20mm程度であり、傾斜面部32tと上流側平面部32uとがなす平面視での角度は、90~120°程度であり、下流側平面部32pの平面視での長さは、5~10mm程度である。
XIV-XIV線は、上流側平面部32u(及び第2屈曲部34の第2屈曲上流部34a)を横切っている。図14に示す第1膨出部32bの断面は、例えば高さ10~18mm程度、幅3~6mm程度、を有している。また、XV-XV線は、湾曲部32cを横切っている。図15に示す第1膨出部32bの断面は、例えば高さ10~20mm程度、幅10~18mm程度、を有している。
一方、第1屈曲部32の外側壁面は、鉛直方向に下から略4分の1より下方の領域、及び、上から略8分の1より上方の領域においては、外側導水部30と比較して外側に膨出しておらず、外側導水部30から滑らかに連続している(図14及び図15参照)。なお、図14に示すように、前端E1から下流端E2に向かうにつれて、第1屈曲部32の鉛直方向の位置は徐々に下がっている。
(その他の本実施形態の特徴)
その他、本実施形態では、図1及び図5に示すように、第2リム導水路28の入口28aから第2リム吐水口22までの経路長さは、第1リム導水路26の入口26aから第1リム吐水口20までの経路長さよりも短い長さに設定されている。
また、第2リム導水路28の入口28aから第2リム吐水口22までの経路における平均流路断面積は、第1リム導水路26の入口26aから第1リム吐水口20までの経路における平均流路断面積よりも小さく設定されている。
これらにより、第2リム吐水口22から吐水される第2リム吐水の吐水量V2[L]及び流量Q2(瞬間流量)[L/min]のそれぞれは、第1リム吐水口20から吐水される第1リム吐水の吐水量V1[L]及び流量Q1(瞬間流量)[L/min]のそれぞれよりも小さく設定されるようになっている(V2<V1、Q2<Q1)。
ちなみに、本実施形態の水洗大便器1において、例えば、貯水タンク10から共通導水路24に供給される洗浄水Wの総吐水量V[L]を100%とすると、共通導水路24から第1リム導水路26に供給される第1リム吐水W1の吐水量V1[L]は、総吐水量V[L]の70%~80%に設定されることが好ましく、共通導水路24から第2リム導水路28に供給される第2リム吐水W2の吐水量V2[L]は、総吐水量V0[L]の20%~30%に設定されることが好ましい。
図5に示すように、第2リム吐水口22は、第2リム吐水W2の水流f2を第1リム吐水W1の旋回流f1よりも幅広で膜状に拡散させる拡散部Dを備えている。
この拡散部Dは、第2リム吐水W2の水流f2の一部がボウル部6の右後方領域RBを経由して壺部12に落下する内側水流f2aの形成を促進する落流促進部としても機能するようになっている。
また、拡散部Dは、第1リム吐水口20から吐水された第1リム吐水W1の旋回流f1と第2リム吐水口22から吐水された第2リム吐水W2の水流f2とが合流して干渉した後のボウル部6の後方領域Bの洗浄水W3の旋回性を維持する旋回維持部としても機能するようになっている。これにより、ボウル部6の後方領域Bの合流後の洗浄水W3は、ボウル部6の左側方領域LMへ旋回した後、第1リム吐水口20よりも前方側のボウル部6の左前方領域LFから右前方領域RF付近まで旋回可能となっている。
ここで、第2リム吐水口22の拡散部Dの具体的な構造としては、図5に示す平面視において、第2屈曲部34の第2屈曲下流部34b及び第2リム吐水口22の流路中心軸線C1の方向が、リム部18における第2リム吐水口22の後端近傍のリム内壁面18aの接平面T1に対して所定角度α1(0°<α1<90°)を成すように設けられている。
なお、図5に示す平面視における流路中心軸線C1と接平面T1とが成す所定角度α1については、10度~20度に設定されていることが好ましく、15度~20度に設定されていることが最も好ましい。
すなわち、図5に示すように、上述した第2リム吐水口22の拡散部Dにより、第2リム吐水口22の開口端面A1は、ボウル部6の右後方領域RBに向けて斜め後方に差し向けられている。
これにより、第2リム吐水口22から予めボウル部6の右後方領域RBに吐水された第2リム吐水W2の水流f2の一部が、壺部12内に後方側から流下することができ、第2リム吐水W2の水流f2の残部が、ボウル部6の右後方領域RBから左後方領域LBまで左右方向を横断することができるようになっている。
一方、図1及び図5に示すように、第1リム吐水口20から前方に吐水された第1リム吐水W1は、ボウル部6内の左前方領域LFから右前方領域RFを経て右側方領域RMに旋回して第2リム吐水口22付近に到達すると、予めボウル部6の右後方領域RBに向けて吐水されて第1リム吐水W1の旋回方向に対して横断している第2リム吐水W2の水流f2に合流して干渉することができるようになっている。
次に、図5に示すように、第2リム吐水口22の拡散部Dとしては、第2屈曲部34の第2屈曲下流部34bの流路幅d2が第2屈曲部34の第2屈曲上流部34aの流路幅d1よりも大きく設定されている。
これにより、第1屈曲部32から第2屈曲部34へ後方に流れた洗浄水について、第2屈曲部34の屈曲部B2で斜め後方に方向転換させた後、第2屈曲導水路の第2屈曲下流部34bを通過させることにより、第2リム吐水口22から斜め後方に吐水された第2リム吐水W2を効果的に放射状に拡散させて、幅広で膜状にすることができるようになっている。
次に、図3~図6に示すように、ボウル部6の右後方領域RBの汚物受け面14において、第2リム吐水口22から斜め後方に向って形成される傾斜面S1が後方側程上昇傾斜している。
また、図3~図6に示すように、ボウル部6の右後方領域RBにおいて、第2リム吐水口22の底面22aからボウル部6の周方向後方側に形成される汚物受け面14の上縁14a及び棚部16の棚面16aが前方側からリム内壁面18aの後端(リム内壁面後端18b)に向かって上昇傾斜している。
更に、図5及び図6に示すように、第2リム吐水口22は、リム部18のリム内壁面後端18bから周方向の前方上流側の所定リム内壁面18cに配置されている。この所定リム内壁面18cの平面視の曲率半径ρ1は、リム内壁面後端18bの平面視の曲率半径ρ2よりも大きく設定されている(ρ1>ρ2)。
次に、図7Aは、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第1リム吐水の旋回流が第2リム吐水の水流に合流する前の状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略平面図である。
また、図7Bは、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第1リム吐水の旋回流が第2リム吐水の水流に合流した後の状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略平面図である。
まず、図1及び図7Aに示すように、本実施形態による水洗大便器1においては、便器洗浄が開始されると、貯水タンク10内の洗浄水が便器本体2の導水路4の給水部4aから共通導水路24に供給されるようになっている。この共通導水路24内の洗浄水Wは、第1洗浄水W1及び第2洗浄水W2のそれぞれとして第1リム導水路26及び第2リム導水路28のそれぞれに分岐するようになっている。
次に、図1及び図7Aに示すように、本実施形態による水洗大便器1においては、第1リム導水路26の第1洗浄水W1が、下流側の第1リム吐水口20から前方に第1リム吐水W1として吐水されるようになっている。この第1リム吐水W1は、ボウル部6内の左前方領域LFから右前方領域RFを経て右側方領域RMへと旋回する旋回流f1を形成するようになっている。
一方、図1、図5及び図7Aに示すように、第2リム導水路28の第2洗浄水W2は、外側導水部30から前方の第1屈曲部32に流れ込み、この第1屈曲部32を通過することにより後方に方向転換して流れるようになっている。
その後、第1屈曲部32を通過した第2洗浄水W2は、その後方の第2屈曲部34の第2屈曲上流部34aに流れ込み、斜め後方の第2屈曲下流部34bに方向転換された後、第2リム吐水口22の拡散部Dを通過するようになっている。
そして、第2洗浄水W2は、第2リム吐水口22から第2リム吐水W2として吐水されるようになっている。この第2リム吐水W2は、ボウル部6内の右後方領域RBに向けて拡散され、第1リム吐水W1の旋回流f1よりも幅広で膜状の水流f2を形成するようになっている。
ここで、第2リム導水路28が第1リム導水路26の経路長さよりも短い経路長さに設定されているため、第1リム吐水W1の旋回流f1がボウル部6の右後方領域RBにおける第2リム吐水W2の水流f2と合流して干渉する領域に到達する前に、予め第2リム吐水口22から第2リム吐水W2が早いタイミングで行われるようになっている。
また、図5及び図7Aに示すように、第2リム吐水口22からの吐水開始直後の第2リム吐水W2の水流f2においては、平面視において上流側から下流側に向って概ね扇形形状に広がるような幅広で膜状の形状となっている。
更に、このような吐水開始直後の第2リム吐水W2の水流f2は、概ね内側水流f2aと外側水流f2bとの間の範囲で幅広で膜状の水流を形成するようになっている。
ここで、図5及び図7Aに示すように、第2リム吐水W2aの内側水流f2aは、第2リム吐水口22からボウル部6の後方領域Bに向けた第1方向の第2リム吐水W2aの水流となっている。
一方、第2リム吐水W2の外側水流f2bは、第1リム吐水W1の旋回流f1の旋回方向と同一の第2方向の第2リム吐水W2bの水流となっている。
また、第2リム吐水W2aの内側水流f2aは、その流量(第1流量Q2a[L/min])が外側水流f2bの流量(第2流量Q2b[L/min])よりも大きい状態(Q2a>Q2b)となっている。
次に、図1、図5及び図7Bに示すように、第1リム吐水口20から吐水された第1リム吐水W1の旋回流f1は、ボウル部6内の左前方領域LFから右前方領域RFを経て右側方領域RMに旋回して第2リム吐水口22付近に到達すると、予めボウル部6の右後方領域RBに向けて吐水されて第1リム吐水W1の旋回方向に対して横断している第2リム吐水W2の水流f2に合流して干渉するようになっている。
これにより、図7Bに示すように、第1リム吐水W1と第2リム吐水W2との合流後の洗浄水W3は、壺部12よりも後方側のボウル部6の右後方領域RBに導かれ、この洗浄水W3の一部の水流f3が壺部12内に後方側から流下するようになっている。
また、図7Bに示すように、ボウル部6の右後方領域RBに導かれた合流後の洗浄水W3の他の一部の水流f4は、ボウル部6の左後方領域LRから左側方領域LMに旋回した後、壺部12内に左側方から流れ込むようになっている。
一方、図7Bに示すように、ボウル部6の右後方領域RBの合流後の洗浄水W3の残部の水流f5は、ボウル部6の左後方領域LBから左側方領域LMを経て前方領域Fまで旋回するようになっている。
そして、図7Bに示すように、このボウル部6の前方領域Fの水流f5は、ボウル部6の前方領域Fで第1リム吐水W1の旋回流f1から早々と分岐して流下している水流と合流することにより水流f6となり、この水流f6が壺部12内に前方側から流れ込むようになっている。
これらにより、汚物が付着し易いボウル部6の後方領域Bの汚物受け面やリム部18が合流後の洗浄水W3により広範囲に洗浄された後に、壺部12内に流れ込むようになっている。
そして、壺部12内に流れ込んだ洗浄水W3は、壺部12内において前後方向且つ前後方向の縦旋回流(詳細は後述する)を形成するようになっており、この壺部12内の縦旋回流により、ボウル部6内で洗浄された汚物が壺部12から排水トラップ管路8へと排出されるようになっている。
次に、図8は、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の汚物受け面における棚状面、傾斜面、及び、連結面のそれぞれの領域を概略的に説明する概略平面図であり、壺部内に前後方向の縦旋回流が形成される直前の状態を示す。
また、図9は、図4に示す本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の汚物受け面及び壺部のそれぞれの左側領域部分を拡大した部分拡大図である。
更に、図10は、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部における壺部の部分を拡大した部分拡大平面図である。
また、図11Aは、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の壺部内において、前後方向の縦旋回流が形成される直前の状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略側面断面図である。
更に、図11Bは、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部の壺部内において、前後方向の縦旋回流が形成されている状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略側面断面図である。
まず、図4及び図8~図10に示すように、ボウル部6の汚物受け面14は、その上縁且つ外縁側から下縁且つ内縁側に向って、棚状面36、傾斜面38、及び、連結面40のそれぞれを左右対称に備えている。
また、図9に示すように、汚物受け面14の棚状面36は、棚部16の棚面16aに接続されている外縁から内縁に向って水平面Hに対して斜め下方に比較的小さい傾斜角度β1で傾斜している。
更に、図9に示すように、汚物受け面14の傾斜面38は、棚状面36の下縁且つ内縁に形成されており、水平面Hに対して棚状面36の傾斜角度β1よりも大きい傾斜角度β2(>β1)で棚状面36よりも下方に大きく傾斜している。
また、図9に示すように、汚物受け面14の連結面40は、傾斜面38の内縁及び下縁L2と壺部12の上縁L1とを連結するように形成されている。
ここで、図9に示す角度β1については、5度~15度に設定されていることが好ましく、5度~10度に設定されていることが最も好ましい。
また、図9に示す角度β2については、20度~40度に設定されていることが好ましく、20度~30度に設定されていることが最も好ましい。
次に、図8に示すように、汚物受け面14の傾斜面38は、ボウル部6の前方領域F及び後方領域Bには形成されておらず、ボウル部6の左右側方領域LM,RMに形成されている。
また、図8及び図9に示すように、汚物受け面14の傾斜面38における上縁及び外縁L3から下縁及び内縁L2までの壺部12の中心O1方向に向かって傾斜する幅(傾斜幅d3)は、傾斜面38が壺部12の前方側から側方側に位置する程小さくなるように設定されている。
次に、図2及び図3に示すように、壺部12の両側壁12b,12c(側壁面)のそれぞれの上縁L1は、前方側から後方側に向って上昇している。
また、図10に示すように、ボウル部6の左右側方領域LM,RMにおける汚物受け面14の連結面40の左右方向の長さd4は、壺部12の前後方向の中心O1の左右方向に位置する壺部12の上縁L1に連結する連結面40aで最大となっている。
次に、図8、図10及び図11Aに示すように、壺部12の底壁12aは、排水トラップ管路8の入口8aが接続される壺部12の排水口hよりも前方に形成される前側底面部12eと、排水口hよりも後方に形成される後側底面部12fと、を備えている。また、壺部12の前側底面部12eの前方側に位置する壺部12の先端部Tには、ガイド部Gが設けられている。
これらにより、図7B、図10及び図11Aに示すように、第1リム吐水W1と第2リム吐水W2との合流後の洗浄水W3が、壺部12よりも後方側のボウル部6の右後方領域RBに導かれた後、壺部12においては、洗浄水W3の一部が水流f3として壺部12内に後方側から流下した際、壺部12の後壁12dの壁面に沿って後側底面部12fに導かれるようになっている。
また、図7B、図10及び図11Aに示すように、ボウル部6の右後方領域RBに導かれた合流後の洗浄水W3の一部の水流f4は、ボウル部6の左後方領域LRから左側方領域LMに旋回した後、壺部12内に左側方から流れ込んだ際、壺部12においては、洗浄水W3の一部が水流f4として壺部12の前側底面部12eよりも後方の壺部12の左側壁12bの壁面から下方且つ前方の前側底面部12eに向って流入し、この前側底面部12eに着水した水流f4が先端部Tのガイド部Gに導かれるようになっている。
次に、図8、図10及び図11Aに示すように、ボウル部6の壺部12の先端部Tにおけるガイド部Gは、下方から上方に向って、下側上昇部G1及び上側拡路部G2をそれぞれ備えている。
まず、図10及び図11Aに示すように、壺部12の先端部Tのガイド部Gにおける下側上昇部G1は、前側底面部12eの前方に設けられており、ボウル部6の右後方領域RBに導かれた合流後の洗浄水W3の一部の水流f4(図7B参照)がボウル部6の左後方領域LRから左側方領域LMに旋回した後、左側方から壺部12内の底壁12aの排水口hよりも前側の底面領域(前側底面部12e)に向けて流れ込んだ際、この洗浄水W3の水流f4を壺部12内の前側に導いた後、この壺部12内の前側で第3洗浄水W3を上昇させることができるようになっている。
また、壺部12の先端部Tのガイド部Gにおける上側拡路部G2は、更に、下側上昇部G1の上方に設けられており、下側上昇部G1により上昇している第3洗浄水W3の水流f4を上方に導きながら左右方向に広げる流路を形成している。
更に、図10に示すように、ガイド部Gの下側上昇部G1及び上側拡路部G2のそれぞれは、壺部12の先端部Tにおいて前方に向って突出するように形成されている曲がり部G3,G4をそれぞれ備えている。
ここで、図10に示すように、下側上昇部G1の曲がり部G3の前端における平面視の曲率半径ρ3は、上側拡路部G2の曲がり部G4の前端における平面視の曲率半径ρ4よりも小さくなるように設定されている(ρ3<ρ4)。
また、下側上昇部G1及び上側拡路部G2の各曲がり部G3,G4の前端における平面視の曲率半径ρ3,ρ4のそれぞれは、曲がり部G3,G4が壺部12の底面側に位置する程、小さくなるように設定されており、曲がり部G3,G4が壺部12の上方側に位置する程、大きくなるように設定されている。
(本実施形態の作用)
次に、図1~図11Bを参照して、本実施形態による水洗大便器1の作用について説明する。
まず、図7Aに示すように、第2リム吐水口22からボウル部6内の壺部12の後方に第2リム吐水W2が吐水され、ボウル部6の右後方領域RBに向けて予め幅広で膜状の水流f2が形成される。その後、第1リム吐水口20からも前方に吐水された第1リム吐水W1により、ボウル部6内の左前方領域LFから右前方領域RFを経て右側方領域RMに旋回する旋回流f1が形成される。
そして、図7Bに示すように、第1リム吐水W1の旋回流f1が第2リム吐水口22付近に到達すると、予めボウル部6の右後方領域RBに向けて吐水されて第1リム吐水W1の旋回方向に対して横断している第2リム吐水W2の水流f2に合流して干渉する(図7B参照)。
これにより、図7Bに示すように、第2リム吐水口22から吐水された第2リム吐水W2の水流f2は、その後、第1リム吐水W1の旋回流f1と合流することにより、壺部12よりも後方側のボウル部6の右後方領域RBに導かれて合流後の洗浄水W3となる。そして、この洗浄水W3の一部は、壺部12内に後方側から流下する水流f3(下降流)を形成する(図8、図10、図11A参照)。
次に、図7Bに示すように、合流後の洗浄水W3のうちの他の一部は、ボウル部6の左後方領域LRから左側方領域LMに旋回した後、壺部12内の前側底面部12eより後方の左側壁12bの上方から前方且つ下方の壺部12の前側底面部12eに向って流れ込む水流f4を形成する(図8、図10、図11A参照)。
これにより、この水流f4は、壺部12の前側底面部12eに着水した後、その前方の壺部12の先端部Tに導かれる。
そして、この水流f4が壺部12の先端部Tに到達した際には、壺部12の先端部Tのガイド部Gにより、壺部12内の前側の溜水に対して上昇する水流f4(上昇流)が形成される。
このとき、図7Bに示すように、ボウル部6の右後方領域RBの合流後の洗浄水W3の残部の水流f5が、ボウル部6の左後方領域LBから左側方領域LMを経て前方領域Fまで旋回し、ボウル部6の前方領域Fで第1リム吐水W1の旋回流f1から早々と分岐して流下している水流と合流することにより水流f6となる。そして、この水流f6が壺部12内に前方側から流れ込むことにより、壺部12内の前側の先端部Tで上昇している水流f4(上昇流)に対して後方に押し込む水流f6が形成される(図8、図10、図11A参照)。
これらの結果、図11A及び図11Bに示すように、壺部12内の溜水においては、第1リム吐水W2と第2リム吐水W2との合流後の洗浄水W3の各水流f3~f6により、壺部12内の前側では、上昇した後に後方側に流れる水流(縦旋回流)f7(図11B参照)が形成されると共に、壺部12内の後側では、水流(縦旋回流)f7の上方且つ後方側が下降した後に前方側に流れる水流(縦旋回流)f8(図11B参照)が形成される。
そして、壺部12内の汚物は、これらの上下方向且つ前後方向の縦旋回流f7,f8により、排水口hから排水トラップ管路8へ排出される。
また、洗浄水が壺部12から溢れ出したり或いは飛び散った場合であっても、壺部12や汚物受け面14の棚状面36、傾斜面38、及び、連結面40により、洗浄水を壺部12内に戻すことができ、壺部12内の縦旋回流f7,f8の縦旋回を弱めることなく、ボウル部6内に汚物が残存することを抑制することができる。
(本発明に特に関連する本実施形態の作用)
また、本実施形態によれば、第2リム導水路28の第1屈曲部32において、給水部4aから第1屈曲部32まで洗浄水が導水される方向に対して、当該第1屈曲部32から第2リム吐水口22まで導水される方向が、屈曲されている。そして、第2リム導水路28の第1屈曲部32の外側壁面は、当該第1屈曲部32における鉛直方向の少なくとも一部(具体的には鉛直方向に下から略4分の1~上から略3分の1の領域)において、当該第1屈曲部32の上流側と比較して外側に膨出して、第1膨出部32bを形成している。
このため、第1屈曲部32において洗浄水が方向を変える際の旋回速度が抑制され、洗浄水が第1屈曲部32の外側壁面に押し付けられる力が抑制され得る。これにより、洗浄水は、外側壁面の側に偏った状態で導水されることが抑制され、第2リム導水路28の外側壁面から円滑に剥離することが可能であり、第2リム吐水口22から所望の整流状態で吐水され得る。
また、本実施形態によれば、第1屈曲部32における鉛直方向の他の少なくとも一部(具体的には鉛直方向に下から略4分の1より下方の領域及び上から略3分の1より上方の領域)においては、当該第1屈曲部32の上流側と比較して外側に膨出していない。
このため、当該他の少なくとも一部に対応する領域では、洗浄水の旋回速度が従前同様に速い。これにより、当該領域を通過する洗浄水(旋回速度が速い)が、外側に膨出している領域を通過する洗浄水(旋回速度が遅い)を「引っ張る」ような状態となるため、後者の洗浄水が滞留することなく円滑に吐水され得る。また、後者の洗浄水は前者の洗浄水によってより「内側に」引っ張られるため、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力が更に抑制され得る。
また、本実施形態によれば、第1屈曲部32における鉛直方向に下から略4分の1~上から略3分の1の領域において、当該第1屈曲部32の上流側と比較して外側に膨出して第1膨出部32bを形成しており、第1屈曲部32における鉛直方向の下から略4分の1より下方の領域において、当該第1屈曲部32の上流側と比較して外側に膨出していない。
このため、鉛直方向下方の領域を通過する洗浄水(旋回速度が速い)が、外側に膨出している領域を通過する洗浄水(旋回速度が遅い)を「引っ張る」ような状態となって、後者の洗浄水(の一部)は前者の洗浄水によってより「下側に」引っ張られるため、吐水後の洗浄水が上方に飛散することが効果的に抑制され得る。
ここで、本実施形態では、第1屈曲部32における鉛直方向の上から略8分の1より上方の領域においても、当該第1屈曲部32の上流側と比較して外側に膨出していない。このため、鉛直方向上方の領域を通過する洗浄水(旋回速度が速い)も、外側に膨出している領域を通過する洗浄水(旋回速度が遅い)を「引っ張る」ような状態となって、後者の洗浄水(の一部)は前者の洗浄水によってより「上側に」引っ張られることになる。
しかしながら、鉛直方向下方(下から略4分の1より下方)の領域を通過する洗浄水の方が、鉛直方向上方(上から略8分の1より上方)の領域を通過する洗浄水よりも多いため、前者の洗浄水による効果の方が後者の洗浄水による効果よりも大きい。この結果、全体としては、吐水後の洗浄水が上方に飛散することが効果的に抑制され得る。
また、本実施形態では、第2リム導水路28の内側壁面は、第1屈曲部32の上流側の屈曲準備部31における鉛直方向の少なくとも一部(具体的には鉛直方向に下から略4分の1~略上から3分の1)において、当該屈曲準備部31の上流側と比較して内側に膨出して、上流膨出部31bを形成している。
このため、第1屈曲部32の上流側の屈曲準備部31において洗浄水が減速されるため、第1屈曲部32において洗浄水が方向を変える際の旋回速度が更に抑制され、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力が更に抑制され得る。
更に、本実施形態では、屈曲準備部31の平面部31pと第1屈曲部32の傾斜面部32tとが平面視で略平行となっていて、屈曲準備部31において内側に膨出する内側壁面に沿って流れる洗浄水の少なくとも一部が、第1屈曲部32において外側に膨出する外側壁面に向かって流れるようになっている。
すなわち、屈曲準備部31において減速された洗浄水が、第1屈曲部32の外側に膨出する外側壁面に向かって流れやすくなっており、第1屈曲部32において洗浄水が方向を変える際の旋回速度がより効果的に抑制され、洗浄水が外側壁面に押し付けられる力がより効果的に抑制され得る。
本実施形態の水洗大便器1において第2リム吐水口22から吐水される洗浄水の整流状態については、試作機において目視で顕著な改善を確認することができた。更に、数値シミュレーションによっても、当該整流状態の顕著な改善を確認することができた。
(その他の本実施形態の作用)
その他、上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、第2リム吐水口22がボウル部6の左右方向の一方側(右側方領域RM)のリム部18に設けられ、壺部12の後端位置P2よりも前方に配置されている。
これにより、第2リム吐水口22からボウル部6内の壺部12の後方に吐水された合流前の第2リム吐水W2の洗浄水W2の一部が、壺部12の後方から壺部12内に適度に流れ込む水流f2a(図7A参照)を形成することができる。これにより、第1リム吐水W1と第2リム吐水W2との合流後の洗浄水W3の一部に対して、壺部12内の後側の溜水に対して適度な下降流f3(図8、図10、図11A参照)を形成することができる。
また、合流後の洗浄水W3のうちの他の一部に対しても、ボウル部6の左後方領域LRから左側方領域LMに旋回させた後、壺部12内に左側方(壺部12の前側底面部12eよりも後方の壺部12の左側壁12bの壁面の上方)から前側底面部12eに向って流れ込む水流f4を形成することができる(図8、図10、図11A参照)。これにより、この水流f4を壺部12の前側底面部12eに着水させた後、その前方の壺部12の先端部Tのガイド部Gに効率良く導くことができる。
そして、この水流f4が壺部12の先端部Tに到達した際には、壺部12の先端部Tのガイド部Gにより、壺部12内の前側の溜水に対して上昇する水流f4(上昇流)を形成することができるため、壺部12内に形成される上下方向且つ前後方向の縦旋回流f7,f8の縦旋回を効果的に促進することができる。
このとき、図7Bに示すように、ボウル部6の右後方領域RBの合流後の洗浄水W3の残部の水流f5が、ボウル部6の左後方領域LBから左側方領域LMを経て前方領域Fまで旋回し、ボウル部6の前方領域Fで第1リム吐水W1の旋回流f1から早々と分岐して流下している水流と合流することにより水流f6となる。そして、この水流f6が壺部12内に前方側から流れ込むことにより、壺部12内の前側の先端部Tで上昇している水流f4(上昇流)に対して後方に押し込む水流f6を形成することができる(図8、図10、図11A参照)。
これらの結果、図11A及び図11Bに示すように、壺部12内の溜水においては、第1リム吐水W2と第2リム吐水W2との合流後の洗浄水W3の各水流f3~f6により、壺部12内の前側では、上昇した後に後方側に流れる水流(縦旋回流)f7(図11B参照)を形成することができると共に、壺部12内の後側では、下降した後に前方側に流れる水流(縦旋回流)f8(図11B参照)を形成することができる。
したがって、壺部12内の溜水全体において、前後方向且つ上下方向に縦旋回する流れ(縦旋回流)f7,f8を安定して形成することができるため、この縦旋回流f7,f8の旋回力についても高めることができる。
これらの結果、第1リム吐水口20から吐水された第1リム吐水W1の合流前の第1洗浄水W1、第2リム吐水口22から吐水された第2リム吐水W2の合流前の第2洗浄水W2、及び、これらの第1リム吐水W1と第2リム吐水W2との合流後の洗浄水W3のそれぞれが、壺部12内の溜水全体において、安定した縦旋回流f7,f8の形成に寄与することができる。
更に、上述した本実施形態の水洗大便器1によれば、第1リム吐水口20がボウル部6の左右方向の他方側(左側方領域LM)のリム部18に設けられ、壺部12の前端Tよりも前方に配置されている。
これにより、第1リム吐水口20から吐水された第1リム吐水W1と第2リム吐水W2との合流後の洗浄水W3の水流f5,f6(図7B,図8、図9、図11A参照)が、壺部12に向って前方から効果的に流れ込むことができ、壺部12内の前側で上昇する上昇流f4(図8、図9、図11A参照)に合流することができる。
その後、これらの合流した洗浄水W3が後方且つ下方の壺部12内の排水口h(排水トラップ管路8の入口8a)に向けて押し込まれるため、壺部12内の前側で溜水を上昇させる水流f7(図11B参照)を形成し、壺部12内の後側で溜水を下降させる水流f8(図11B参照)を形成し、強力な縦旋回流f7,f8を効果的に形成することができる。
したがって、壺部12内で洗浄水の強力な縦旋回を実現することができるため、壺部12内から排水トラップ管路8への汚物排出性能を向上させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、まず、ガイド部Gの下側上昇部G1により、壺部12の前側底面部12eから前側の先端部Tに到達した洗浄水W3の水流f4を下方から上方に確実に導くことができる。
次に、ガイド部Gの上側拡路部G2により、下側上昇部G1で上昇させた洗浄水W3の水流f4を左右方向に広げることができる。
これらにより、壺部12内の前側において、ガイド部Gの下側上昇部G1を上昇して上側拡路部G2で左右方向に広がる洗浄水W3の水流f4と壺部12の前方から流れ込む洗浄水W3の水流f6とをより確実に合流させることができる。
したがって、壺部12内の前側で溜水を上昇させる水流f7(図11B参照)を形成し、壺部12内の後側で溜水を下降させる水流f8(図11B参照)を形成し、強力な縦旋回流f7,f8をより効果的に、かつ、確実に形成することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、ガイド部Gの下側上昇部G1の曲がり部G3の前端における平面視における曲率半径ρ3が、上側拡路部G2の曲がり部G4の前端における平面視の曲率半径ρ4よりも小さくなるように設定されている(ρ3<ρ4)。
これにより、壺部12内に左側方(左側壁12bの上方)から前側底面部12eに向って流れ込んだ洗浄水W3の水流f4が壺部12の先端部Tに到達した際には、先細り形状の曲がり部G3,G4により洗浄水W3を寄せ集めることができ、この洗浄水W3が壺部12の底面側の曲がり部G3に一時的に滞留することにより、上昇流f4を効率良く形成することができる。
また、曲がり部G3,G4の前端における平面視の曲率半径ρ3,ρ4について、曲がり部が壺部12の上方側に位置する程、大きくなるように設定することができるため、洗浄水W3の水流f4が、曲がり部G4の壺部12の上方側で左右方向に広がりながら上昇し易くなる。
したがって、このような洗浄水W3の上昇流f4と壺部12の前方から流れ込む水流f6とが確実に合流することにより、壺部12内において、溜水全体を前側で上昇させ、後側で下降させる強力な縦旋回流f7,f8を形成することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、図7B、図8、図10及び図11Aに示すように、特に、第2リム吐水口22からボウル部6内の壺部12の後方に吐水された第2リム吐水W2と第1リム吐水W1とが合流した後の洗浄水W3が、壺部12の後方から壺部12内に流入した際、壺部12内の後側の溜水に対して下降する水流(下降流f3)を確実に形成することができる。その後、この洗浄水W3の水流f3が壺部12内の後側底面部12fに到達することにより、壺部12内の後側の下降流f3を前方側に旋回させることができる。
したがって、壺部12内において、洗浄水W3の下降流f3による前後方向の強力な縦旋回流f7,f8(図11B参照)を形成し易くすることができる。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 導水路
4a 給水部
6 ボウル部
8 排水トラップ管路(排水トラップ部)
8a 排水トラップ管路の入口
8b 排水トラップ管路の下降路
8c 排水トラップ管路の上昇路
10 貯水タンク(洗浄水源)
12 壺部
12a 壺部の底壁(壺部の底面)
12b 壺部の左側壁
12c 壺部の右側壁
12d 壺部の後壁
12e 壺部の前側底面部
12f 壺部の後側底面部
14 汚物受け面
14a 汚物受け面の上縁
16 棚部
16a 棚面
18 リム部
18a リム内壁面(リム壁面)
18b リム内壁面後端
18c 所定のリム内壁面(所定のリム壁面)
20 第1リム吐水口(第1リム吐水部)
22 第2リム吐水口(第2リム吐水部)
22a 第2リム吐水口の底面
24 共通導水路
26 第1リム導水路
28 第2リム導水路
28a 第2リム導水路の入口
30 第2リム導水路の外側導水部
31 第2リム導水路の屈曲準備部
31b 屈曲準備部の上流膨出部
31c 屈曲準備部の内側壁面の湾曲部
31p 屈曲準備部の内側壁面の平面部
32 第2リム導水路の第1屈曲部
32b 第1屈曲部の第1膨出部
32t 第1屈曲部の外側壁面の傾斜面部
32p 第1屈曲部の外側壁面の下流側平面部
32c 第1屈曲部の外側壁面の湾曲部
32u 第1屈曲部の外側壁面の上流側平面部
34 第2リム導水路の第2屈曲部
34a 第2屈曲部の第2屈曲上流部
34b 第2屈曲部の第2屈曲下流部
36 棚状面
38 傾斜面
40 連結面
40a 壺部の上縁の前後方向の中央付近の領域に連結する汚物受け面の連結面 A1 第2リム吐水口の開口端面
B ボウル部の後方領域
B1 第1屈曲導水路の屈曲部
B2 第2屈曲導水路の屈曲部
C1 第2リム吐水口及び第2屈曲導水路の下流側導水路の流路中心軸線
D 拡散部(落流促進部、旋回維持部)
d1 第2屈曲導水路の上流側導水路の流路幅
d2 第2屈曲導水路の下流側導水路の流路幅
d3 汚物受け面の傾斜面の傾斜幅
d4 ボウル部の左右側方領域における汚物受け面の連結面の左右方向の長さ E1 外側導水路の前端(下流端)、第1屈曲導水路の上流端
E2 第1屈曲導水路の下流端
F ボウル部の前方領域
f1 第1リム吐水の旋回流(第1洗浄水)
f2 第2リム吐水の水流(第2洗浄水)
f2a 第2リム吐水の内側水流(第1方向の第2リム吐水の水流)
f2b 第2リム吐水の外側水流(第1方向の第2リム吐水の水流)
f3 第1リム吐水と第2リム吐水の合流後の洗浄水の一部の流れ(第2洗浄水)
f4 第1リム吐水と第2リム吐水の合流後の洗浄水の一部の流れ(第3洗浄水)
f5 第1リム吐水と第2リム吐水の合流後の洗浄水の一部の流れ
f6 第1リム吐水と第2リム吐水の合流後の洗浄水の一部の流れ(第1洗浄水)
f7 壺部内に形成される縦旋回流
f8 壺部内に形成される縦旋回流
G 壺部の先端部のガイド部
G1 壺部の先端部のガイド部の下側上昇部
G2 壺部の先端部のガイド部の上側拡路部
G3 壺部の先端部のガイド部における下側上昇部の曲がり部
G4 壺部の先端部のガイド部における上側拡路部の曲がり部
H 水平面
h 排水口
L ボウル部の左側領域
LB ボウル部の左後方領域
LF ボウル部の左前方領域
LM ボウル部の左側方領域
L1 壺部と汚物受け面との境界線、壺部の上縁、汚物受け面の下縁
L2 汚物受け面の傾斜面の下縁及び内縁
L3 汚物受け面の傾斜面の上縁及び外縁
M ボウル部の前方領域と後方領域との間の中間領域
O ボウル部の中心
O1 壺部の前後方向の中心
P1 第1リム吐水口の前後方向位置
P2 壺部の上縁且つ後端位置
Q1 第1リム吐水の流量(瞬間流量)
Q2 第2リム吐水の流量(瞬間流量)
Q2a 第1方向の第2リム吐水の流量(瞬間流量)
Q2b 第2方向の第2リム吐水の流量(瞬間流量)
R ボウル部の右側領域
RB ボウル部の右後方領域
RF ボウル部の右前方領域
RM ボウル部の右側方領域
S1 傾斜面(ボウル部の右後方領域の汚物受け面における第2リム吐水口から斜め後方に向って形成される面)
T 壺部の先端部(壺部の前端)
T1 接平面
u1 流速
u2 流速
V1 吐水量
V2 吐水量
W 洗浄水
W0 溜水
W1 第1洗浄水、第1リム吐水
W2 第2洗浄水、第2リム吐水
W2a 第1方向の第2リム吐水
W2b 第2方向の第2リム吐水
W3 第1リム吐水と第2リム吐水との合流後の洗浄水
WL 溜水の水位(溜水面)
X ボウル部の水平左右方向の中心軸線
Y ボウル部の水平前後方向の中心軸線
Z ボウル部の中心を通る鉛直方向の中心軸線
α1 角度
β1 傾斜角度
β2 傾斜角度
ρ1 第2リム吐水口が配置されている所定のリム内壁面の平面視の曲率半径 ρ2 リム部のリム内壁面後端の平面視の曲率半径
ρ3 壺部の先端部のガイド部における下側上昇部の曲がり部の平面視の曲率半径
ρ4 壺部の先端部のガイド部における上側拡路部の曲がり部の平面視の曲率半径

Claims (5)

  1. ボウル部を規定する便器本体と、
    前記便器本体の内部に形成され、前記ボウル部内に洗浄水を導くための導水路と、
    を備えた水洗大便器であって、
    前記導水路は、当該導水路に対して給水がなされる給水部を始点として、前記ボウル部に配置された吐水口まで延在しており、
    前記導水路の途中に屈曲部が設けられており、前記給水部から当該屈曲部まで洗浄水が導水される方向に対して、当該屈曲部から前記吐水口まで導水される方向が、屈曲されており、
    前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出しており、
    前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向の他の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出していない
    ことを特徴とする水洗大便器。
  2. 前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向上方の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出しており、
    前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向下方の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出していない
    ことを特徴とする請求項に記載の水洗大便器。
  3. 前記導水路の内側壁面は、前記屈曲部の上流側の屈曲準備部における鉛直方向の少なくとも一部において、当該屈曲準備部の上流側と比較して内側に膨出している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の水洗大便器。
  4. ボウル部を規定する便器本体と、
    前記便器本体の内部に形成され、前記ボウル部内に洗浄水を導くための導水路と、
    を備えた水洗大便器であって、
    前記導水路は、当該導水路に対して給水がなされる給水部を始点として、前記ボウル部に配置された吐水口まで延在しており、
    前記導水路の途中に屈曲部が設けられており、前記給水部から当該屈曲部まで洗浄水が導水される方向に対して、当該屈曲部から前記吐水口まで導水される方向が、屈曲されており、
    前記導水路の外側壁面は、前記屈曲部における鉛直方向の少なくとも一部において、当該屈曲部の上流側と比較して外側に膨出しており、
    前記導水路の内側壁面は、前記屈曲部の上流側の屈曲準備部における鉛直方向の少なくとも一部において、当該屈曲準備部の上流側と比較して内側に膨出している
    ことを特徴とする水洗大便器。
  5. 前記屈曲準備部において内側に膨出する前記導水路の前記内側壁面に沿って流れる洗浄水の少なくとも一部は、前記屈曲部において外側に膨出する前記導水路の前記外側壁面に向かって流れるようになっている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の水洗大便器。
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