JP2015178820A5 - - Google Patents
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Description
前記課題を解決するために、本発明の気体圧縮機は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、前記ロータを該ロータの外周面の外方から取り囲む輪郭形状の内周面を有するシリンダと、前記ロータに形成したベーン溝に摺動可能に挿入され、前記ベーン溝からの背圧を受けて前記シリンダの内周面に先端側が当接可能に設けられた複数枚の板状のベーンと、前記ロータ及び前記シリンダの両端をそれぞれ塞ぐ2つのサイドブロックとを有する圧縮機本体を備え、前記圧縮機本体の内部には、前記ロータの外周面と前記シリンダの内周面と前記両サイドブロックの各内側の面と前記ベーンとによって仕切られた圧縮室が複数形成され、前記圧縮室に供給された媒体を圧縮して、圧縮された高圧の媒体を吐出する気体圧縮機であって、前記2つのサイドブロックのうちの少なくとも一方のサイドブロックの、前記ロータの端面に向いた面に、前記媒体の圧縮過程で前記ベーン溝の底部と連通し、前記ベーン溝の底部に前記ベーンを前記シリンダの内周面側に突出させる前記背圧を供給する背圧供給溝を有し、前記背圧供給溝の外周縁を、ロータ回転方向前側に向かうに従ってロータ回転中心から遠ざかるように形成して、前記圧縮室での媒体の圧縮過程の終盤で、前記ロータの回転にともなって、前記ベーン溝の底部が連通状態にある前記背圧供給溝のロータ回転方向前側の先端部から離れるまでの連通断面積が大きくなるようにすることを特徴としている。
本発明に係る気体圧縮機は、背圧供給溝の外周縁を、ロータ回転方向前側に向かうに従ってロータ回転中心から遠ざかるように形成して、圧縮室での媒体の圧縮過程の終盤で、ロータの回転にともなって、ベーン溝の底部が連通状態にある背圧供給溝のロータ回転方向前側の先端部から離れるまでの連通断面積が大きくなるようにしている。
なお、図3は、フロントサイドブロック14側のサライ溝33を示しており、このサライ溝33は、リアサイドブロック15側の後述するサライ溝30のように、ロータ回転方向前側の外周縁が突出していなく、径方向内側に湾曲している。
この際、冷媒ガスの圧縮過程の終盤では、ロータ11の回転にともなって、連通状態にあるベーン溝23の底部23aをサライ溝30の、ロータ11の回転方向前側(ロータ回転方向前側)の先端部(以下、この先端部を「サライ溝先端部」という)30aから離すことで、サライ溝30(サライ溝先端部30a)とベーン溝23の底部23aとを非連通状態とし、これにより、ベーン溝23の底部23aに冷凍機油を閉じ込めて、ベーン背圧を上昇させるようにしている。このベーン背圧の上昇によって、ベーン13のチャタリングの発生が防止される。
ところで、図5に示す比較例(従来例)のように、冷媒ガスの圧縮過程の終盤で、連通状態にあるベーン溝23の底部23aが、サライ溝30のロータ回転方向前側の湾曲したサライ溝先端部30aから離れる前の状況において、この底部23aとサライ溝先端部30a側との連通断面積Aが小さい。即ち、図5に示す比較例(従来例)では、サライ溝30のサライ溝先端部30aの外周縁を、ロータ回転方向前側に向かうに従ってロータ回転中心から遠ざかるように形成していなく、径方向内側に湾曲している。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、サライ溝30のロータ回転方向前側のサライ溝先端部30aの外周縁30a1を、ロータ回転方向前側に向かうに従ってロータ回転中心から遠ざかるように形成して、サライ溝先端部30aの外周縁30a1と周方向端部30a2を直線的に形成し、外周縁30a1と周方向端部30a2を繋ぐ先端角部30a3を、R(アール)部としている。
よって、図6に示すように、冷媒ガスの圧縮過程の終盤で、ロータ11の回転にともなって連通状態にあるベーン溝23の底部23aが、サライ溝30のサライ溝先端部30aから離れる前の状況において、ベーン溝23の底部23aが直線的な周方向端部30a2を横切っている。
このように、本実施形態では、ロータ11の回転にともなって連通状態にあるベーン溝23の底部23aが、サライ溝30のサライ溝先端部30aから離れる前の状況において、ベーン溝23の底部23aが直線的な周方向端部30a2を横切るため、ベーン溝23の底部23aとサライ溝先端部30a(周方向端部30a2)側との連通断面積Aが、図5に示した比較例(従来例)の場合よりも大幅に大きくなる。
このため、サライ溝30のサライ溝先端部30a(周方向端部30a2)が、ロータ11の回転にともなって連通状態にあるベーン溝23の底部23aから離れる前の状況において、この底部23aとサライ溝先端部30a(周方向端部30a2)側との連通断面積Aを大きくすることができる。
よって、サライ溝30のサライ溝先端部30a(周方向端部30a2)が、ロータ11の回転にともなって連通状態にあるベーン溝23の底部23aから離れる前の状況において、背圧が過剰に上昇することを防止することができる。
また、本実施形態に係るコンプレッサ1aも、図2及び図6に示した実施形態1と同様に、リアサイドブロック15に設けたサライ溝30は、ロータ回転方向前側のサライ溝先端部30aの外周縁30a1を、ロータ回転方向前側に向かうに従ってロータ回転中心から遠ざかるように形成して、サライ溝先端部30aの外周縁30a1と周方向端部30a2を直線的に形成し、外周縁30a1と周方向端部30a2を繋ぐ先端角部30a3を、R(アール)部としている。
なお、前記した実施形態では、リアサイドブロック15に形成したサライ溝30の、ロータ回転方向前側のサライ溝先端部30aの外周縁30a1を、ロータ回転方向前側に向かうに従ってロータ回転中心から遠ざかるように形成した構造であったが、フロントサイドブロック14側のサライ溝33においても同様に本発明を適用することができる。
1、1a コンプレッサ(気体圧縮機)
2 本体ケース
3 フロントヘッド
4 ハウジング
5 圧縮機本体
6 電磁クラッチ
11 ロータ
12 シリンダ
13 ベーン
14 フロントサイドブロック
15 リアサイドブロック
18 油分離器
23 ベーン溝
23a 底部
30、33 サライ溝(背圧供給溝)
30a サライ溝先端部
30a1 外周縁
30a2 周方向端部
30a3 先端角部
35 高圧供給穴
A 連通断面積
2 本体ケース
3 フロントヘッド
4 ハウジング
5 圧縮機本体
6 電磁クラッチ
11 ロータ
12 シリンダ
13 ベーン
14 フロントサイドブロック
15 リアサイドブロック
18 油分離器
23 ベーン溝
23a 底部
30、33 サライ溝(背圧供給溝)
30a サライ溝先端部
30a1 外周縁
30a2 周方向端部
30a3 先端角部
35 高圧供給穴
A 連通断面積
Claims (2)
- 回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、前記ロータを該ロータの外周面の外方から取り囲む輪郭形状の内周面を有するシリンダと、前記ロータに形成したベーン溝に摺動可能に挿入され、前記ベーン溝からの背圧を受けて前記シリンダの内周面に先端側が当接可能に設けられた複数枚の板状のベーンと、前記ロータ及び前記シリンダの両端をそれぞれ塞ぐ2つのサイドブロックとを有する圧縮機本体を備え、
前記圧縮機本体の内部には、前記ロータの外周面と前記シリンダの内周面と前記両サイドブロックの各内側の面と前記ベーンとによって仕切られた圧縮室が複数形成され、前記圧縮室に供給された媒体を圧縮して、圧縮された高圧の媒体を吐出する気体圧縮機であって、
前記2つのサイドブロックのうちの少なくとも一方のサイドブロックの、前記ロータの端面に向いた面に、前記媒体の圧縮過程で前記ベーン溝の底部と連通し、前記ベーン溝の底部に前記ベーンを前記シリンダの内周面側に突出させる前記背圧を供給する背圧供給溝を有し、
前記背圧供給溝の外周縁を、ロータ回転方向前側に向かうに従ってロータ回転中心から遠ざかるように形成して、
前記圧縮室での媒体の圧縮過程の終盤で、前記ロータの回転にともなって、前記ベーン溝の底部が連通状態にある前記背圧供給溝のロータ回転方向前側の先端部から離れるまでの連通断面積が大きくなるようにすることを特徴とする気体圧縮機。 - 前記背圧供給溝のロータ回転方向前側の先端部は、周方向端部が直線的に形成されており、
前記ベーン溝の底部は、前記圧縮室での媒体の圧縮過程の終盤で、前記周方向端部を横切るようにして前記背圧供給溝から離れることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
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