JP5938054B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダ室内のロータと共に回転するベーンによってシリンダ室内に圧縮室を形成して冷媒の圧縮を行う圧縮機に関する。
従来よりべーンロータリ式の圧縮機が種々提案されている(特許文献1参照)。図5及び図6には、かかる圧縮機の第1従来例が示されている。図5において、圧縮機100は、ハウジング101を有する。このハウジング101は、電動モータ102及び電動モータ102により駆動される圧縮機構部103を収容するハウジング部材101aと、このハウジング部材101aの開口側面に配置されたフロントハウジング部材101bを備えている。圧縮機構部103は、内部にシリンダ室104が設けられるシリンダブロック105と、このシリンダブロック105の両側面にそれぞれ配置されたフロントサイドブロック106及びリアサイドブロック107とを備えている。電動モータ102には、モータ制御部109から駆動電流が通電される。
図6に示すように、シリンダ室104には、ロータ110が回転自在に収容されている。ロータ110は、シリンダ室104の中心に対してシフトした位置を中心として回転自在に配置されている。ロータ110の中心には回転軸111が貫通され、ロータ110と回転軸111は互いに固定されている。この回転軸111は、フロントサイドブロック106とリアサイドブロック107に回転自在に支持されている。回転軸111のフロント側は、フロントサイドブロック106より突出され、電動モータ102に連結されている。
ロータ110には、その外周面に開口する複数のべーン溝112が設けられている。各べーン溝112は、ロータ110の外周面の等間隔位置に配置されている。各べーン溝112には、シリンダ室104の突出・退出方向に移動自在にベーン113が配置されている。各ベーン113は、背圧によって突出方向に付勢されるよう構成されている。シリンダ室104には、2つのベーン113に仕切られて圧縮室114が形成される。フロントサイドブロック106とリアサイドブロック107には、シリンダ室104に開口する吸入口120が形成されている。シリンダブロック105には、圧縮室114で所定の吐出圧に圧縮された冷媒を吐出する2つの吐出口115が形成されている。各吐出口115は、開閉弁116によって開閉される。
図5に示すように、リアサイドブロック107の後端側には、圧縮室114で圧縮された冷媒を吐出する吐出室117が設けられている。吐出室117の底部には、冷媒から分離したオイルが溜められるオイル溜まり118が設けられている。
フロントサイドブロック106とリアサイドブロック107のシリンダ室104側の面には、ロータ110の背圧側に連通する吐出圧供給溝121と中間圧供給溝122が形成されている。吐出圧供給溝121は、主に吐出工程でベーン113の背圧側に連通し、中間圧供給溝122は、吸入工程と圧縮工程でベーン113の背圧側に連通するよう形成されている。
吐出圧供給溝121は、背圧供給通路119を介してオイルだまり18に連通している。これにより、吐出圧供給溝121からベーン113の背圧側には、吐出圧のオイルが供給される。中間圧供給溝122は、背圧供給通路119と回転軸111の軸受け隙間を介して連通している。これにより、中間圧供給溝122からベーン113の背圧側には、吐出圧より低く吸入圧より高い中間圧のオイルが供給される。
上記構成では、圧縮機構部103の吸入工程と圧縮工程において、中間圧供給溝122を介して供給される中間圧のオイルによりべーン113が突出方向に付勢される。又、吐出工程では、吐出圧供給溝121を介して供給される吐出圧のオイルによりべーン113が突出方向に付勢される。その結果、シリンダ室104が隣り合う2つのベーン113により仕切られて圧縮室114が形成された状態に保たれる。
又、かかる圧縮機の第2従来例として、圧縮機構部の圧縮及び吐出工程において背圧供給通路を閉鎖してべーンの背圧室を閉じ込めることにより、べーンの背圧を吐出圧以上の高圧にすることも考えられる。これにより、吐出圧以上の高圧のオイルでべーンが突出方向に付勢されるので、ベーンのチャタリング発生を防止できる。
特開2013−194549号公報
しかしながら、前記第1従来例では、圧縮工程でベーン113をベーン溝112に押し込める力が徐々に強くなり、特に低圧縮比条件下(熱負荷が小さく圧縮室114の吸入圧と吐出圧の差が小さい場合)では、圧縮室114の圧力が吐出圧を大きく超える高圧になるので、ベーン113の背圧が足りずにベーン113のチャタリングが発生する恐れがある。
又、前記第2従来例では、圧縮機構部の圧縮及び吐出工程のうち、べーンの背圧室を閉じ込める必要のない区間もあるが、この不必要な区間においてもべーンの背圧室を閉じ込めるので、ベーンが大きな背圧でシリンダブロックの内周面に押圧される。これによって、ベーンの摺動抵抗が過度に大きくなり、動力増加になる。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、低圧縮比条件下でのベーンのチャタリングの発生を防止できると共に、ベーンに過大な背圧が発生することによる動力増加を防止できる圧縮機を提供することを目的とする。
本発明は、シリンダブロックと一対のサイドブロック内にシリンダ室が設けられ、前記シリンダ室にロータが回転自在に設けられ、前記ロータにはその外周面に開口する複数のべーン溝が設けられ、前記各べーン溝に突出・退出方向に移動自在にべーンが配置され、前記ロータには前記ベーン溝の底面側に背圧室が設けられ、前記サイドブロックには前記ロータの回転位置によって前記背圧室に連通して吐出圧を供給する吐出圧供給溝が設けられ、前記サイドブロックには前記ロータの回転位置によって前記背圧室に連通して吐出圧と吸入圧の間の圧力である中間圧を供給する中間圧供給溝が設けられ、前記シリンダ室には、隣り合う2つの前記ベーンに仕切られて圧縮室が形成され、前記ロータの回転により冷媒を吸入する吸入工程、冷媒を圧縮する圧縮工程及び冷媒を吐出する吐出工程を順次行う圧縮機であって、前記ロータの回転方向で前記ベーンの後側に形成される後側圧縮室における前記吸入工程の少なくとも一部工程は、吐出圧と吸入圧の間の中間圧を前記中間圧供給溝より前記ベーンの背圧室に供給する中間圧供給区間とし、前記ロータの回転方向で前記ベーンの後側に形成される後側圧縮室における前記圧縮工程の少なくとも後半工程は、前記中間圧供給溝と前記吐出圧供給溝より前記背圧室を遮断して前記背圧室を閉じ込める背圧室閉じ込め区間とし、前記ロータの回転方向で前記ベーンの後側に形成される後側圧縮室における前記吐出工程の少なくとも一部工程は、吐出圧を前記吐出圧供給溝より前記背圧室に供給する吐出圧供給区間とし、前記吐出工程では、前記シリンダブロックに設けられた吐出口を通して冷媒を吐出するように構成されており、前記ロータの回転方向で前記後側圧縮室の前側に位置している前記ベーンの前記背圧室に吐出圧の供給が開始されるとき、前記ロータの回転方向で前記後側圧縮室の前側に位置している前記ベーンの円弧状の先端が前記吐出口にかかるように構成されていることを特徴とする圧縮機である。
前記中間圧供給工程は、前記吸入工程の全工程とし、前記吐出圧供給工程は、前記吐出工程の全工程としても良い。前記背圧室閉じ込め区間は、前記圧縮工程の全工程としても良い。前記背圧室閉じ込め区間を前記圧縮工程の後半とする場合には、前記背圧室閉じ込め区間の開始タイミングは、後側の背圧室の圧力が吐出圧以上になる手前のタイミングに設定するようにしても良い。
本発明によれば、圧縮工程では、圧縮室の圧力が徐々に大きくなり、それに連れてベーンをベーン溝に押し込める力が徐々に強くなる。特に、低圧縮比条件では、圧縮室の圧力が吐出圧を大きく超える圧力になる。ここで、圧縮工程の少なくとも後半工程では背圧室閉じ込め区間に移行し、背圧室閉じ込め区間では、ベーンのベーン溝への押し込みによる背圧室の容積縮小によって背圧が吐出圧以上になるため、低圧縮比条件下でのチャタリングの発生を防止できる。又、圧縮工程から吐出工程に移行すると、圧縮室の圧力が吐出圧となるが、吐出工程では吐出圧供給区間となって背圧室には吐出圧が供給されることになり、ベーンに過大な背圧が供給されず、動力増加を招来しない。以上より、低圧縮比条件下でのチャタリングの発生を防止できると共に、ベーンに過大な背圧が発生することによる動力増加を防止できる。つまり、ベーン背圧の適正化を図ることができる。
本発明の一実施形態を示し、圧縮機の断面図である。 本発明の一実施形態を示し、図1のA−A線に沿う断面図及びベーンの背圧室に各背圧を付与する区間を説明する図である。 本発明の一実施形態を示し、図1のA−A線に沿う断面図及び前側圧縮室及び後側圧縮室の各工程を説明する図である。 本発明の一実施形態を示し、低圧縮比条件下での前側圧縮室及び後側圧縮室の圧力の特性図である。 一従来例を示し、圧縮機の断面図である。 一従来例を示し、図5のB−B線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態を示す。尚、図2と図3の断面図では説明を明解にするためハンチングを省略してある。
図1に示すように、圧縮機1は、ハウジング2を有する。このハウジング2は、有底筒状のハウジング部材21と、このハウジング部材21の開口側面に配置されたフロントハウジング部材22とから構成されている。ハウジング部材21には、電動モータ3と、電動モータ3により駆動される圧縮機構部4とが収容されている。
ハウジング部材21には、圧縮機構部4を境として一方に吸入室5が、他方には吐出室6が形成されている。吐出室6の底部には、冷媒から分離したオイルを溜めるオイル溜まり8が設けられている。
圧縮機構部4は、内部にシリンダ室40が設けられるシリンダブロック41と、このシリンダブロック41の両側面にそれぞれ配置されたフロントサイドブロック(サイドブロック)42及びリアサイドブロック(サイドブロック)43とを備え、内部にシリンダ室40が形成されている。フロントサイドブロック42とリアサイドブロック43のシリンダ室40側の各面には、後述する背圧室13に連通する吐出圧供給溝44と中間圧供給溝45が形成されている。吐出圧供給溝44と中間圧供給溝45の間には、背圧供給通路7と背圧室13を遮断して背圧室13を閉じ込める閉じ込め部46が設けられている。
電動モータ3には、モータ制御部32より駆動電流が通電される。モータ制御部32は、フロントハウジング部材22に搭載されている。
図2と図3に示すように、シリンダ室40には、ロータ10が回転自在に収容されている。ロータ10は、シリンダ室40の中心に対してシフトした位置を中心として回転自在に配置されている。ロータ10の中心には回転軸9が貫通され、ロータ10と回転軸9は互いに固定されている。この回転軸9は、フロントサイドブロック42とリアサイドブロック43に回転自在に支持されている。回転軸9のフロント側は、フロントサイドブロック42より突出され、電動モータ3に連結されている。
ロータ10には、その外周面に開口する3つのべーン溝11が設けられている。各べーン溝11は、ロータ10の外周面の等間隔位置の3箇所に配置されている。各べーン溝11には、突出・退出方向に移動自在にべーン12が配置されている。各べーン溝11の底面側には、背圧室13が開口されており、この背圧室13より供給されるオイルが各べーン12の背圧として作用するようになっている。これにより、各べーン12は、突出方向に付勢されるよう構成されている。この詳しい構成については、下記に祥述する。
各べーン12は、回転軸9の回転時に、上記した突出方向の付勢力によってシリンダ室40の内壁に当接しつつ移動する。このとき、隣り合う2つのべーン12によって複数の圧縮室14が形成される。
各べーン12は、板状に形成されてロータ10の軸方向に延びている。各べーン12の先端は、断面が円弧状に形成され、シリンダブロック41の内周面に線接触する。べーン12の先端のうち接触箇所よりベーン12の回転方向の前側の部分には、べーン12の回転方向の前側に位置する圧縮室14(以下、前側圧縮室と称する。)の圧力が働く。べーン12の先端のうち接触箇所よりベーン12の回転方向の後側の部分には、べーン12の回転方向の後側に位置する圧縮室14(以下、後側圧縮室と称する。)の圧力が働く。そして、べーン12の先端には、前側圧縮室14の圧力と後側圧縮室14の圧力が各面積の比率に応じて働くことにより、べーン12がベーン溝11内に押し戻される方向へ付勢される。
フロントサイドブロック42とリアサイドブロック43には、シリンダ室40を開口する吸入口47が設けられている。吸入口47は、冷媒供給通路47a(図2と図3に一部図示)を介して吸入室5に連通している。シリンダブロック41には、シリンダ室40に開口する吐出口48が設けられている。吐出口48は、2箇所に設けられている。各吐出口48は、開閉弁49によって開閉する。2箇所の吐出口48は、冷媒吐出通路(図示せず)を介して吐出室6に連通している。
シリンダブロック41の内周には、ロータ10の外周面が近接する近接部A1と、ロータ10の外周面が最も離れた遠隔部A2とを含む略楕円状の輪郭形状が形成されている。近接部A1をロータ10の回転基準位置として0度とすると、遠隔部A2は、近接部A1から回転角度として例えば90度下流に位置する。シリンダブロック41の内周の輪郭形状は、近接部A1から遠隔部A2に至るまで回転方向に沿ってシリンダブロック41の内周面とロータ10の外周面との距離が徐々に増加するように設定されている。これにより、各圧縮室14は、ロータ10の回転に応じてその容積を拡大し、冷媒を吸入する吸入工程と、容積を縮小し、吸入した冷媒を圧縮する圧縮工程と、圧縮した冷媒を吐出する吐出工程とを繰り返す。これにより、ロータ10の1回転につき冷媒が1回圧縮される。
フロントサイドブロック42とリアサイドブロック43のシリンダ室40側の面には、ロータ10の回転位置によって背圧室13に連通する吐出圧供給溝44と中間圧供給溝45がそれぞれ形成されている。吐出圧供給溝44は、吐出工程でベーン12の背圧室13に連通するよう配置されている。中間圧供給溝45は、吸入工程でベーン12の背圧室13に連通するよう配置されている。
背圧供給通路7は、リアサイドブロック43に形成された油路71,72、73、シリンダブロック41に形成された油路74、フロントサイドブロック42に形成された油路75より形成されている。
吐出圧供給溝44は、背圧供給通路7を介してオイルだまり18に連通している。これにより、吐出圧供給溝44からベーン12の背圧室13には、吐出圧P2のオイルが供給される。中間圧供給溝45は、背圧供給通路7と回転軸9の軸受91,92の隙間を介して連通している。これにより、中間圧供給溝45からベーン12の背圧室13には、吐出圧P2より低く吸入圧P1より高い中間圧のオイルが供給される。
次に、図2を用いて、ベーン12の背圧室13に各背圧を付与する区間R1、R2,R3について説明する。
前記吸入工程は、図4に示す吐出圧P2と吸入圧P1の間の中間圧を背圧供給通路7より背圧室13に供給する中間圧供給区間R1として設定されている。前記圧縮工程は、背圧供給通路7と背圧室13を遮断して背圧室13を閉じ込める背圧室閉じ込め区間R2として設定されている。前記吐出工程は、吐出圧P2を背圧供給通路7より背圧室13に供給する吐出圧供給区間R3として設定されている。この詳しい構成については、下記に詳述する。
中間圧供給区間R1では、背圧室13が中間圧供給溝45と連通し、吐出圧P2と吸入圧P1との間の中間圧のオイルが背圧室13に供給される。
背圧室閉じ込め区間R2では、背圧室13が中間圧供給溝45と吐出圧供給溝44間に介設される閉じ込め部46と対向し、背圧供給通路7が遮断される。
吐出圧供給区間R3では、背圧室13が吐出圧供給溝44と連通し、吐出圧P2のオイルが背圧室13に供給される。
次に、圧縮機1の動作について説明する。圧縮機1の運転時に電動モータ3が回転すると、回転軸9の回転と一体になって圧縮機構部4が回転して、ロータ10がシリンダ室40を回転する。これにより、前側及び後側圧縮室14は下記のように吸入、圧縮、吐出を順次行う。以下、吸入、圧縮、吐出の各説明は、任意のベーン12の回転角度(図2及び図3に示す回転角度)を基準し、その前側圧縮室14と後側圧縮室14について示す。図4は、低圧縮条件下での圧力特性線図を示し、ベーン12の前側圧縮室14の圧力は図4の破線L1で示すように推移し、ベーン12の後側圧縮室14の圧力は図4の実線L2で示すように推移する。
先ず、ベーン12の前側圧縮室14の工程について説明する。ベーン12の0度から回転角度D1までの回転では、吸入工程であり、前側圧縮室14に吸入口47を介して冷媒が吸入される。次に、ベーン12の回転角度D1から回転角度D2までは、前側圧縮室14が吐出口48に開口しないため、少なくとも圧縮行程である。ベーン12が吸入口47の位置を通過して前側圧縮室14が閉じ込められる。次に、D2を過ぎると吐出工程であり、冷媒が吐出口48を通して吐出室6に吐出される。低圧縮比行程では、圧縮室14の圧力が吐出圧P2より確実に大きくなるため、D2を過ぎると確実に吐出工程となる。
次に、ベーン12の後側圧縮室14の工程について説明する。ベーン12が回転角度D3の位置までは、吸入工程として、吸入口47を介して冷媒を吸入する。次に、ベーン12の回転角度D3から回転角度D4までは、後側圧縮室14が吐出口48に開口しないため、少なくとも圧縮行程であり、後側圧縮室14が閉じ込められる。次に、D4を過ぎると吐出工程であり、冷媒が吐出口48を通して吐出室6に吐出される。低圧縮比行程では、圧縮室14の圧力が吐出圧P2より確実に大きくなるため、D4を過ぎると確実に吐出工程となる。
各圧縮工程では、ベーン12をベーン溝11に押し込める力が徐々に強くなり、低圧縮比条件では、後側圧縮室14の圧力が吐出圧P2を超える高圧P3になる。これにより、べーン12の先端のうち接触箇所よりベーン12の回転方向の前側の部分と後側の部分には、前側圧縮室14内の吐出圧P2と後側圧縮室14内の高圧P3が各面積の比率に応じて働いて、べーン12をベーン溝11内に押し戻そうとする。
しかし、この圧縮工程は、背圧室閉じ込め区間R2として設定されているので、背圧供給通路7と背圧室13を遮断して背圧室13を閉じ込めることにより、ベーン12のベーン溝11への押し込みによる背圧室13の容積縮小によって背圧が吐出圧P2以上の高圧になる。これにより、ベーン12が背圧(吐出圧P2以上の高圧)及び回転遠心力により付勢されて、シリンダブロック41の内周面に押圧されるので、べーン12のチャタリングの発生を防止できる。
次に、ベーン12が回転角度D4まで回転し、後側圧縮室14の圧力が吐出圧P2に至ると共に、ベーン12が上流側の吐出口48の位置まで到達すると、吐出工程として、後側圧縮室14内の冷媒が吐出口48を通して吐出室6に吐出する。これにより、後側圧縮室14の圧力が吐出圧P2まで下降する。この吐出工程は、吐出圧供給区間R3として設定されているので、吐出圧P2が背圧供給通路7よりベーン12の背圧室13に供給される。これにより、ベーン12が背圧(吐出圧P2)及び回転遠心力によりシリンダブロック41の内周面に押圧されるので、ベーン12のチャタリングの発生を防止できる。
以上説明したように、圧縮工程では、圧縮室14の圧力が徐々に大きくなり、それに連れてベーン12をベーン溝11に押し込める力が徐々に強くなる。特に、低圧縮比条件では、図4の特性線図で示すように、圧縮室14の圧力が吐出圧P2を大きく超える高圧P3になる。ここで、圧縮工程では背圧室閉じ込め区間R2に移行し、背圧室閉じ込め区間R2では、ベーン12のベーン溝11への押し込みによる背圧室13の容積縮小によって背圧が吐出圧P2以上になるため、低圧縮比条件下でのベーン12のチャタリングの発生を防止できる。又、圧縮工程から吐出工程に移行すると、圧縮室14の圧力が吐出圧P2となるが、吐出工程では吐出圧供給区間R3となって背圧室13には吐出圧P2が供給されることになり、ベーン12に過大な背圧が供給されず、動力増加を招来しない。以上より、低圧縮比条件下でのベーン12のチャタリングの発生を防止できると共に、ベーン12に過大な背圧が発生することによる動力増加を防止できる。つまり、ベーン12の背圧の適正化を図ることができる。
又、上述したように後側圧縮室14の圧縮時には、後側圧縮室14の圧力が吐出圧P2を超える高圧P3になり、しかも、前側圧縮室14の圧力は吐出圧P2である。一方、前側圧縮室14の圧縮時には、前側圧縮室14の圧力が吐出圧P2を超える圧力になるが、後側圧縮室14の圧力は吐出圧P2より小さい吸入圧P1である。このため、後側圧縮室14の圧縮時は、前側圧縮室14の圧縮時と比較すると、ベーン12をベーン溝11に押し込める付勢力が大きいため、後側圧縮室14の圧縮時にベーン12のチャタリングの問題を生じやすい。従って、上記のように後側圧縮室14の圧縮工程を背圧室閉じ込め区間R2として、ベーン12に大きな背圧を付与することが特に必要である。
本実施形態では、中間圧供給工程R1は、吸入工程の全工程とし、吐出圧供給工程R3は、吐出工程の全工程とした。従って、吸入工程及び吐出工程におけるベーン12のチャタリングの発生を確実に防止できる。中間圧供給工程R1と吸入工程は完全に一致する必要はなく、吐出圧供給工程R3と吐出工程も完全に一致する必要はない。吸入工程の少なくとも一部工程を中間圧供給区間R1とし、吐出工程の少なくとも一部工程を吐出圧供給区間R3とすれば良い。又、吸入工程の終了と中間圧供給区間R1の終了がずれている場合でも、吐出工程の開始と吐出圧供給区間R3の開始とがずれている場合でも良い。つまり、圧縮室14の形状やベーン12の先端形状等によってベーン12に作用する背圧が変化することになるので、中間圧供給区間R1と吐出圧供給区間R3と下記する背圧室閉じ込め区間R2は、ベーン12に作用する背圧を配慮し、適宜決定される。
本実施形態では、背圧室閉じ込め区間R2は、圧縮工程の全工程としたので、低圧縮比条件下で確実にベーン12のチャタリングの発生を防止できる。
本実施形態では、背圧室閉じ込め区間R2は、圧縮工程の全工程としたが、圧縮工程の全工程とすることなく後半工程としても良い。これにより、圧縮工程においても、ベーン12に過大な背圧が発生することによる動力増加を極力防止できる。背圧室閉じ込め区間R2の開始タイミングは、図4の特性線において、後側背圧室14の圧力が吐出圧P2以上になる手前とすることが好ましい。後側背圧室14の圧力が吐出圧P2(前側背圧室14の圧力)を超えると、ベーン12をベーン溝11に押し込める付勢力が確実に吐出圧P2以上となるためである。
1 圧縮機
7 背圧供給通路
9 回転軸
10 ロータ
11 べーン溝
12 べーン
13 背圧室
14 圧縮室
40 シリンダ室
41 シリンダブロック
42 フロントサイドブロック
43 リアサイドブロック
44 吐出圧供給溝
45 中間圧供給溝
P1 吸入圧
P2 吐出圧
R1 中間圧供給区間
R2 背圧室閉じ込め区間
R3 吐出圧供給区間

Claims (4)

  1. シリンダブロック(41)と一対のサイドブロック(42)、(43)内にシリンダ室(40)が設けられ、前記シリンダ室(40)にロータ(10)が回転自在に設けられ、前記ロータ(10)にはその外周面に開口する複数のべーン溝(11)が設けられ、前記各べーン溝(11)に突出・退出方向に移動自在にべーン(12)が配置され、前記ロータ(10)には前記ベーン溝(11)の底面側に背圧室(13)が設けられ、前記サイドブロック(42)、(43)には前記ロータ(10)の回転位置によって前記背圧室(13)に連通して吐出圧(P2)を供給する吐出圧供給溝(44)が設けられ、前記サイドブロック(42)、(43)には前記ロータ(10)の回転位置によって前記背圧室(13)に連通して吐出圧(P2)と吸入圧(P1)の間の圧力である中間圧を供給する中間圧供給溝(45)が設けられ、前記シリンダ室(40)には、隣り合う2つの前記ベーン(12)に仕切られて圧縮室(14)が形成され、前記ロータ(10)の回転により冷媒を吸入する吸入工程、冷媒を圧縮する圧縮工程及び冷媒を吐出する吐出工程を順次行う圧縮機(1)であって、
    前記ロータ(10)の回転方向で前記ベーン(12)の後側に形成される後側圧縮室における前記吸入工程の少なくとも一部工程は、吐出圧(P2)と吸入圧(P1)の間の中間圧を前記中間圧供給溝(45)より前記ベーン(12)の背圧室(13)に供給する中間圧供給区間(R1)とし、
    前記ロータ(10)の回転方向で前記ベーン(12)の後側に形成される後側圧縮室における前記圧縮工程の少なくとも後半工程は、前記中間圧供給溝(45)と前記吐出圧供給溝(44)より前記背圧室(13)を遮断して前記背圧室(13)を閉じ込める背圧室閉じ込め区間(R2)とし、
    前記ロータ(10)の回転方向で前記ベーン(12)の後側に形成される後側圧縮室における前記吐出工程の少なくとも一部工程は、吐出圧(P2)を前記吐出圧供給溝(44)より前記背圧室(13)に供給する吐出圧供給区間(R3)とし、
    前記吐出工程では、前記シリンダブロック(41)に設けられた吐出口(48)を通して冷媒を吐出するように構成されており、
    前記ロータ(10)の回転方向で前記後側圧縮室の前側に位置している前記ベーン(12)の前記背圧室(13)に吐出圧(P2)の供給が開始されるとき、前記ロータ(10)の回転方向で前記後側圧縮室の前側に位置している前記ベーン(12)の円弧状の先端が前記吐出口(48)にかかるように構成されていることを特徴とする圧縮機(1)。
  2. 請求項1記載の圧縮機(1)であって、
    前記中間圧供給工程(R1)は、前記吸入工程の全工程とし、
    前記吐出圧供給工程(R3)は、前記吐出工程の全工程としたことを特徴とする圧縮機(1)。
  3. 請求項1又は請求項2記載の圧縮機(1)であって、
    前記背圧室閉じ込め区間(R2)は、前記圧縮工程の全工程としたことを特徴とする圧縮機(1)。
  4. 請求項1記載の圧縮機(1)であって、
    前記背圧室閉じ込め区間(R2)を前記圧縮工程の後半とする場合には、前記背圧室閉じ込め区間(R2)の開始タイミングは、後側の背圧室(14)の圧力が吐出圧以上になる手前のタイミングに設定したことを特徴とする圧縮機(1)。
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