JP2015174242A - 装飾シート - Google Patents

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Abstract

【課題】畳やカーペットのような温感性と、バックスキンやスエードのようなソフトな感触、フローリングやクッションフロアのような清掃性とを併せ持ち、また、これらの効果を長期間に亘って維持することが可能な装飾シートを提供すること。
【解決手段】基材層1、合成樹脂発泡層2、印刷意匠層3、透明摩耗層4、発泡マイクロカプセル含有層5、表面処理層6からなる装飾シートであって、前記マイクロカプセル含有層は発泡マイクロカプセル7を透明樹脂ペースト100重量%に対し1〜10重量%含有し、前記表面処理層4は、機能性層であることを特徴とする装飾シート。
【選択図】図1

Description

本発明は表面がバックスキンやスエードのような感触があり、接触時に優れた温感性を有し、汚れなどに対するメンテナンス性が従来の塩化ビニル樹脂製床材のような装飾シートに関する。
装飾シートとしては、例えば畳、カーペット、フローリング、クッションフロア等の家庭用床材等がある。
それらの中でも、塩化ビニル樹脂製のクッションフロアは、水や汚れを簡単に拭き取ることができるため、手入れがし易く、また、多用な意匠(模様)を表現できることから良く使用されていた。
しかし、近年では低価格化されてきたフローリングが急速に普及し、フローリングに比較して高級感にやや劣る塩化ビニル樹脂製のクッションフロアはキッチンなど水周りの限られた場所にしか使われなくなってきている。
また、フローリングやクッションフロアは共に、寒い冬季などはその表面を「冷たい」と感じることから、床暖房を設置し、その上にカーペットあるいは布製マットを敷く等の対策が取られることが多い。更に、塩化ビニル樹脂製クッションフロア特有のベタつく感触も高級感を劣らせている。
ちなみに、人が物に触れたとき、それぞれが同じ温度であるにもかかわらず、フローリングやクッションフロアは「冷たい」、畳やカーペットは「暖かい」と感じる傾向がある。このような皮膚感覚は、接触冷温感と呼ばれ、人の皮膚から物への熱の移動量の差によって変化するものであり、その物を構成する「素材」だけでなく、「毛羽立ち具合」や「凹凸等の表面形状」も影響するといわれている。
他方、このように温感性(冷たく感じない)には優れている畳やカーペットは、水や汚れが浸透しやすいので、上記フローリングやクッションフロアに比べ、清掃性に劣る欠点がある。
上記のような課題に伴い、最表面に熱膨張マイクロカプセルを含有した塗料を塗布・乾燥させ表面層を形成させた床材の技術がある(特許文献1)。しかし、この方法では歩行が行われる床材において、表面層に充分な耐久性が得られず、短期間で表面層が摩滅してしまい、実用にいたるものではなかった。また、熱膨張マイクロカプセルを含む塗料の塗布によって表面層を形成するため、更に表面処理を行うといった処理をすることが困難であった。
特開2011−46048号
本発明は、畳やカーペットのような温感性と、バックスキンやスエードのようなソフトな感触、フローリングやクッションフロアのような清掃性とを併せ持ち、また、これらの効果を長期間に亘って維持することが可能な装飾シートを提供することを課題とする。
(1)基材層、合成樹脂発泡層、印刷意匠層、透明摩耗層、発泡マイクロカプセル含有樹脂層、表面処理層からなる装飾シートであって、
前記マイクロカプセル含有樹脂層は発泡マイクロカプセルを透明樹脂ペースト100重量%に対し1〜10重量%含有し、
前記表面処理層は、機能性層であることを特徴とする装飾シート。
(2)前記表面処理層の厚みは2〜20μmであることを特徴とする(1)に記載の装飾シート。
(3)前記発泡マイクロカプセルの発泡温度は120〜185℃であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の装飾シート。
(4)基材層上に、発泡剤を含有した樹脂組成物を塗布し、前記樹脂組成物の発泡開始温度未満で加熱乾燥して未発泡状態の発泡層を形成し、その上に印刷意匠層、透明合成樹脂層を順次塗布・乾燥させて積層し、更に発泡マイクロカプセル含有樹脂を塗布し、加熱処理により前記発泡層と発泡マイクロカプセル含有層を発泡させた後、機能性材料を塗布・乾燥させて表面処理層を形成することを特徴とする装飾シートの製造方法。
(5)発泡層と発泡マイクロカプセル含有層を発泡させる前記加熱処理における加熱温度は、前記発泡層の発泡温度以上であり、且つ、前記発泡マイクロカプセルの最大発泡温度よりも高く、前記発泡マイクロカプセルのセル保持率が50%を下回らない温度であることを特徴とする請求項4に記載の装飾シートの製造方法。
本発明の装飾シートは、フローリングやクッションフロアのように水周りの使用が可能で清掃性に優れていながら、塩化ビニル樹脂製クッションフロア特有の感触(ベタつき感)は一切無く、バックスキンやスエードのようなソフトな感触や高級感を有する。
しかも、フローリングだと、寒い冬季などに冷たさを感じることから、床暖房やホットカーペットを使用し暖を取ることが多いのに対し、本発明の装飾シートは、例えば素足などで接触した際、熱の奪われる量が少なく、温感性(冷たく感じ難い)に非常に優れているので、床暖房やホットカーペットを必要とせず、家庭内でのエネルギー使用量の削減(エコ)に繋がるものである。また、装飾シート最表面に表面処理層を設けることが可能であることから、用途によって求める性能(防汚性や撥水性、耐傷性等)を付与することができる。更に、耐久性が塩化ビニル樹脂製クッションフロアと同程度に高く、長期間に亘って上記の効果を発揮することができる。
本発明の装飾シートの一実施形態例の断面構造を示す図である。
本発明の装飾シートの実施形態を、図1に示す概念図により説明する。
本発明の一実施形態例を示す図1において、装飾シート10は、基材層1、発泡層2、印刷意匠層3、透明摩耗層4、発泡マイクロカプセル含有層5、表面処理層6とからなり、発泡マイクロカプセル含有層5は発泡マイクロカプセル7を含む。
基材層1は、装飾シート10の最下層に設けられる。
基材層1としては、装飾シートの基材として一般的に使用されているものであれば特に限定されず、例えば、繊維に合成樹脂を含浸硬化させたものなどが挙げられる。具体的には、合成繊維、天然繊維、無機繊維の少なくとも1種以上からなる不織布、編布または織布、あるいは、合成樹脂バインダーと各種繊維、パルプ素材とを混抄した混抄紙とすることができる。合成樹脂バインダーとしては、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴムなどが挙げられる。
基材層1は、複数の層から構成されても良く、例えば、合成繊維の織布または不織布と、ガラス繊維の不織布とを積層させてもよい。
発泡層2は、基材層の上面に設けられ、その発泡倍率200〜500%とすることが好ましい。使用される素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、エチレンアクリル共重合系樹脂(EMA、EMMA、EEAなど)などのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂の少なくとも1種以上からなる熱可塑性樹脂を発泡させた層である。
発泡層2の発泡方法としては、発泡剤を用いたケミカル発泡が好適に用いられる。ケミカル発泡に使用される発泡剤としては、マイクロカプセル等の熱膨張型発泡剤、アゾジカルボン酸(ADCA)、ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミン(DPI)、オキシビスベンゼン・スルホニルヒドラジド(OBSH)等の熱分解型発泡剤のいずれも使用でき、発泡成形時の加熱温度や加熱時間により適宜選択する。
印刷意匠層3は、例えば、上記発泡層2の表面上、または下記で示す透明摩耗層4の裏面に、インクジェットプリント、グラビアプリント、スクリーンプリント、オフセットプリント、フレキソプリントなどの一般的なプリント方法を用いて形成することができる。このとき使用されるインクは、酢酸ビニル系、アクリル系、ウレタン系など一般に使用される極性のあるインクを用いればよいが、印刷意匠層3を形成させる層に対して接着性を有するインクであることが好ましい。このインクには、発泡剤を含有させ、印刷意匠層3を発泡させることもできる。
あるいは、発泡層2の表面、または透明摩耗層4の裏面に、染色を施したり、柄織布、柄編布などを積層したりすることで、印刷意匠層3を構成してもよい。
透明摩耗層4は、その下層にある印刷意匠層3の意匠を視認できるものであれば、透明な樹脂に限定されず、半透明な樹脂であってもよく、顔料や染料によって着色されたものであってもよい。透明摩耗層4の厚みは、通常0.05〜0.5mm程度である。
透明摩耗層4を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂等の少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂からなる層である。
発泡マイクロカプセル含有層5は、上記のような透明摩耗層4の上に設けられ、装飾シートの表面に微細な凹凸形状を付与する。このため、装飾シート表面接触時の感触、温感性が良好なものとなる。本発明では、発泡マイクロカプセル含有層5が透明樹脂ペーストに発泡マイクロカプセル7を含むことが重要である。
発泡マイクロカプセル含有層5は、例えば、発泡前の発泡マイクロカプセル7を透明樹脂ペーストに含有・分散させた樹脂コンパウンドを、ロールコーター、ロータリースクリーン、グラビアコーター、グラビア・オフセットロールコーターなどの公知の塗工手段によって形成することができる。
発泡マイクロカプセル7は、例えば、液状の低沸点炭化水素(イソブタン、イソペンタンなど)を熱可塑性樹脂(アクリル系共重合体樹脂など)の殻内に封入したもので、加熱処理により直径が4〜5倍程度に膨張するものであればよく、一般に市販されているものをそのまま用いることができる。例えば大日精化工業株式会社製の熱膨張性マイクロスフィア:ダイフォームH750D,ダイフォームH850,ダイフォームH1100等が挙げられる。
発泡マイクロカプセル7のサイズについては、小さすぎると、発泡処理後に得られる装飾シートが、本発明が目的とする接触時のソフト感や温感性が十分に得られず、大きすぎると、発泡マイクロカプセル含有層5の耐久性が低く、歩行や清掃時の摩耗等に耐えられなくなるので、発泡前の平均粒子径が10〜50μm程度のものが好ましい。
また、発泡マイクロカプセル7の発泡温度については、前記発泡層2の樹脂組成によって適宜条件を決めるため、一概には決められないが、発泡開始温度から最大発泡温度が120〜185℃のものが好ましく、135〜165℃のものがより好ましい。前記温度範囲内で且つ発泡層2の発泡温度条件より発泡マイクロカプセル含有層5の発泡温度条件(発泡ピーク)が低くなる発泡マイクロカプセル7を用いると、加熱処理による発泡層2と発泡マイクロカプセル含有層5との同時発泡が良好に行え、良好な触感の装飾シートが得られるため好ましい。なお、発泡開始温度が70℃以下のカプセルでは、装飾シートを使用する段階で直射日光等で床面が温まった際に熱膨張してしまう虞がある。
本発明では、装飾シートの意匠性や、発泡マイクロカプセル含有層5の耐久性を高めるために、色や粒径、膨張開始温度、膨張率、構成材などにおいて異なる発泡マイクロカプセル7を2種以上組み合わせて用いることもできる。
このような発泡マイクロカプセル7を分散させた樹脂コンパウンドについて、用いられる透明樹脂ペーストは、発泡マイクロカプセル7と透明摩耗層4との両方に密着性が良いものを選択すればよい。具体的には、塩化ビニル樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂が挙げられる。
なお、より確実にソフトな感触を得るために、硬度の低い樹脂を選択することが好ましい。
上記樹脂コンパウンドにおいて、透明樹脂ペースト100重量%に対する発泡マイクロカプセル7の含有量は1.0〜10.0重量%が好適であり、より好ましくは3.0〜7.0重量%である。
前記分散媒体である樹脂に対して、発泡マイクロカプセル7の配合量が少なすぎると、本発明が目的とする接触時の感触や温感性が十分に得られず、多すぎると、下層にある印刷意匠層3の意匠の視認性が阻害されるばかりか、発泡マイクロカプセル含有層の耐久性が低くなり、装飾シートとしての使用時に歩行や清掃時の摩耗等に耐えられなくなる虞がある。
このように、発泡マイクロカプセル含有層5が、装飾シート10の透明合成摩耗層4に積層される。
また、本発明の装飾シートにおける発泡マイクロカプセル含有層の厚みについて、薄すぎると、発泡処理後に得られる装飾シートが、本発明が目的とする接触時のソフト感や温感性が十分に得られず、一方厚すぎれば、下層にある印刷意匠層3の意匠を視認しづらくなるばかりか、床材としての表面耐久性が損なわれる傾向にあるので、発泡状態で0.05〜0.5mmあることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.25mmである。
表面処理層6は、得られる装飾シートに機能性を付与するために装飾シートの最表面に設ける。付与する機能性としては、防汚性、撥水性、耐傷性等が挙げられ、使用目的によって適宜選択される。例えば水場周りでの使用を目的とした場合、防汚性や撥水性を有する機能性層を設けることが好ましく、歩行等で人や物が多く通過する箇所での使用の場合、耐傷性に優れた機能性層を設けることが好ましい。該機能性層としては、例えばアクリル系汚れ防止処理剤を塗布・形成した防汚層等が挙げられる。
表面処理層6は、機能性塗料を塗布・乾燥することで構成する。なお、その厚みに関し、薄すぎる場合は求める機能性を充分に発揮することができず、厚すぎる場合は発泡マイクロカプセル含有層5による微細な凹凸形状から奏される表面接触時の感触、温感性といった効果を損ねる虞がある。このため、本発明における好ましい表面処理層6の厚みは、乾燥状態で2〜50μmが好ましく、5〜20μmとするとより好ましい。
本発明では、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、基材層、発泡層、印刷意匠層、透明摩耗層、発泡マイクロカプセル含有層、表面処理層において、無機充填剤、安定剤、帯電防止剤、滑剤、殺菌剤、防虫剤、着色剤などの各種添加剤を適宜添加することができる。なお、これらの添加剤としては、通常の装飾シートに配合する通常のものが使用できる。
本発明の装飾シート10の全厚みは、1.0〜5.0mm程度であり、好ましくは1.5〜3.0mmである。
以上のような装飾シートの製造方法としては、例えば以下のような手順で行うことができる。
基材層1上に発泡層2を未発泡状態で塗布加熱成形し、その上に印刷意匠層3を設け、更に透明摩耗層4を塗布加熱成形する。
続いて発泡マイクロカプセル含有層5を未発泡状態で塗布し、得られた積層体を加熱処理し、発泡層2及び発泡マイクロカプセル含有層5を発泡させる。その後、最表面に機能性処理剤を塗布・加熱乾燥させて表面処理層6を形成する。
尚、発泡層2と発泡マイクロカプセル含有層5を発泡させるための前記加熱処理の温度は、発泡層2の発泡温度以上で、且つ発泡マイクロカプセル7の最大発泡温度以上とし、更に発泡マイクロカプセルのセル保持率が50%を下回らない温度とすることが好ましい。前記加熱処理の温度を高くしすぎ、セル保持率が50%を下回った場合、表面接触時のソフト感や温感性が十分に得られ難くなる虞がある。
各実施例及び比較例における装飾シートについて、以下のように製造及び評価を行った。
実施例1
ガラス繊維含有の繊維質基材層上に、発泡後に発泡倍率が300%となるよう発泡剤を含有した塩化ビニル樹脂ペーストをナイフコーターにて塗布・発泡温度未満の温度にて加熱固化して未発泡状態の発泡層を形成し、その上にグラビア印刷にて印刷意匠層を形成し、その上に塩化ビニル樹脂からなる透明摩耗層を塗布・形成する。その上に発泡マイクロカプセル(H750D)を塩化ビニル樹脂100重量%に対して1重量%含有させた樹脂コンパウンドを乾燥状態での厚みが0.05mmとなるようにスクリーンコーターにて塗布した後、加熱発泡処理を施し、前記発泡層及び発泡マイクロカプセル含有層を発泡させる。その後、最表面に表面処理層としてアクリル系汚れ防止処理剤を塗布乾燥して厚み10μmの防汚層を形成し、装飾シートを得た。
実施例2〜5
発泡マイクロカプセルの含有量が表1に示す含有量以外は実施例1と同様の製造で作成した装飾シート。
実施例6〜9、比較例2
形成した表面処理層の厚みが表1に示す厚み以外は実施例1と同様の方法で製造した装飾シート。
実施例10,11
発泡マイクロカプセル含有層に使用した発泡マイクロカプセルの種類が表2に示した種類であること以外は実施例2と同様の方法で製造した装飾シート。
比較例1
発泡マイクロカプセル及び表面処理層を有しない以外は実施例1と同様の方法で製造した従来の装飾シート。
表1及び表2に記載の実施例及び比較例に用いた試料
(1)発泡マイクロカプセル(発泡マイクロカプセル含有層)
H750D:大日精化工業株式会社製ダイフォーム、発泡開始温度140℃、最大発泡温度160℃、平均粒子径20μm
H850D:大日精化工業株式会社製ダイフォーム、発泡開始温度125℃、最大発泡温度175℃、平均粒子径35μm
H1100D:大日精化工業株式会社製ダイフォーム、発泡開始温度195℃、最大発泡温度210℃、平均粒子径45μm
(2)表面処理剤(表面処理層)
アクリル系汚れ防止処理剤
(3)発泡剤(発泡層)
発泡開始温度170℃、最大発泡温度200℃に調整したADCA系発泡剤
各実施例及び比較例について、(A)表面感触、(B)冷温感、(C)耐汚性、(D)意匠性、(E)耐久性の評価をおこなった。結果を併せて表に示す。
前記(A)〜(E)の評価について以下のように検討した。
(A)表面感触
表面のソフト感について、以下の基準で手の触感により以下の基準にて評価した。
◎:スエードやバックスキンのような優れた柔らかさがある
○:柔らかさがある
△:柔らかさにやや劣り、多少のベタツキ感がある
×:従来の塩化ビニル樹脂製クッションフロアと大差無し
(B)冷温感
室温5℃の部屋の中で各々の表面上に素足で立ち、以下の基準にて評価した。
◎:冷たく感じない
○:あまり冷たく感じない
△:やや冷たく感じる
×:冷たく感じる
(C)耐汚染性
サラダ油に食紅を加えて調整した着色油を資料上に乗せ、24時間放置した後に水拭きし表面状態を目視にて確認し、以下の基準にて評価した。
◎:きれいに拭き取れた
○:汚れは拭き取れたが(着色なし)、わずかに艶が変化した。
△:汚れは拭き取れたが(着色なし)、艶が変化した。
×:汚れが残った(着色あり)
(D)意匠性
発泡マイクロカプセル含有層を設けることによる印刷意匠層の視認度合いを、発泡マイクロカプセル含有層を設けない場合と比較して、以下の基準にて評価した。
◎:発泡マイクロカプセル含有層を設けない場合と同程度に、印刷意匠層が視認できる
○:発泡マイクロカプセル含有層が多少白濁しているが、印刷意匠層が問題なく視認できる
△:発泡マイクロカプセル含有層が白濁し、印刷意匠層が視認し難い
×:印刷意匠層が視認できない
(E)耐久性
JIS L−0849に準拠し、接触片として綿布・ビニルレザー(スリッパの底を想定)・ゴム輪キャスターの三種を用い、荷重75g/cmで10000往復の条件にて学振型摩耗堅牢度試験を行った後、試料の表面状態を目視にて以下の基準にて評価した。
○:特に変化はなく、検討前とほぼ同等な外観を維持した
△:多少の摩耗や艶の変化若しくは多少の着色が生じたが、良好な外観を維持しており、問題なく使用できる
×:表面の摩滅やゴム輪の痕が見られた、又は着色が目立った
表1から、
[実施例1〜5]
発泡マイクロカプセル含有層における発泡マイクロカプセルの含有量が少ない場合、印刷意匠層の視認や耐久性等は良好であるが、表面感触や冷温感に劣り、逆に多すぎると印刷意匠層の視認性が悪化し、耐久性が低下するため、適切な量を設定する必要があった。この為、発泡マイクロカプセル含有量としては透明樹脂ペースト100重量%に対し1.0〜10.0重量%が適切であることがわかった。
[実施例6〜9,比較例2]
発泡マイクロカプセルの含有量が適切な範囲内(3重量%)であっても表面処理層の有無によって対汚染性や耐久性といった表面特性に劣っていることから、表面感触などの効果を長期に亘って維持・発揮させるためには、前記発泡マイクロカプセルの適量含有に加え、表面処理層を設けることが必要であることがわかった。
表2から、
[実施例2,実施例10,実施例11]
実施例10に用いた発泡マイクロカプセルは実施例2にもちいたそれと比較し発泡開始温度が比較的低いため、同発泡条件で他の実施例より発泡マイクロカプセル含有層の発泡が進行したため意匠層の視認性と耐久性が多少劣ったが、表面感触と冷温感に優れたものであった。一方実施例11では実施例2にもちいた発泡マイクロカプセルと比較し発泡開始温度及び最大発泡温度の高いものを用いたため、他の実施例より発泡マイクロカプセル含有層の発泡倍率が低くなり、表面感触や冷温感に多少劣ったが、印刷意匠層の視認性や耐久性に優れたものであった。
本発明の装飾シートは、ソフトな触感や高級感を有するに加え、温感性があり、しかも水や汚れを拭き掃除で簡単に除去でき、これら効果を長期間に亘って維持するものである。
このため、本発明による装飾シートは、従来のクッションフロアのように台所、トイレ、洗面所等の水周りに使用できると共に、スエードやバックスキンのような高級感のある敷物として使用することもできる。また、施工を伴わないものなので、トイレや洗面所などの床タイル、ダイニングや居間、子供部屋などのフローリング、寝室や客間の畳など様々な箇所に置き敷くことができるものである。
さらに、温感性に優れているので、基材層を耐水性のものとすることで、寒い冬季に浴室の洗い場に敷くことも有益である。
1 基材層
2 発泡層
3 印刷意匠層
4 透明摩耗層
5 発泡マイクロカプセル含有層
6 表面処理層
7 発泡マイクロカプセル

Claims (5)

  1. 基材層、発泡層、印刷意匠層、透明摩耗層、発泡マイクロカプセル含有層、表面処理層からなる装飾シートであって、
    前記マイクロカプセル含有樹脂層は発泡マイクロカプセルを透明樹脂ペースト100重量%に対し1.0〜10.0重量%含有し、
    前記表面処理層は、機能性層であることを特徴とする装飾シート。
  2. 前記表面処理層の厚みは2〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の装飾シート。
  3. 前記発泡マイクロカプセルの発泡温度は、発泡開始温度120℃から最大発泡温度185℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装飾シート。
  4. 基材層上に、発泡剤を含有した樹脂組成物を塗布し、前記樹脂組成物の発泡開始温度未満で加熱乾燥して未発泡状態の発泡層を形成し、その上に印刷意匠層、透明合成樹脂層を順次塗布・乾燥させて積層し、更に発泡マイクロカプセル含有樹脂を塗布し、加熱処理により前記発泡層と発泡マイクロカプセル含有層を発泡させた後、機能性材料を塗布・乾燥させて表面処理層を形成することを特徴とする装飾シートの製造方法。
  5. 発泡層と発泡マイクロカプセル含有層を発泡させる前記加熱処理における加熱温度は、前記発泡層の発泡温度以上であり、且つ、前記発泡マイクロカプセルの最大発泡温度よりも高く、前記発泡マイクロカプセルのセル保持率が50%を下回らない温度であることを特徴とする請求項4に記載の装飾シートの製造方法。
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