JP2015168095A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイ表示装置等に好適に用いることができ、光学特性に優れ、且つ、製造工程での破断が抑制されている積層体を提供する。【解決手段】少なくとも、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層された積層体であって、前記硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有し、前記積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上である、ことを特徴とする積層体。【選択図】なし
Description
本発明は、積層体に関する。
近年、フレキシブルデバイス、タッチパネル用透明電極フィルム、ガスバリアフィルム等のディスプレイ表示装置等に用いられるベース基材には、高透過率を示し、低ヘイズである等の光学特性を備えるのみならず、低リタデーション、高耐熱性等の特性が求められている。
上述の特性を有するベース基材として、環状オレフィン樹脂等のオレフィン樹脂を用いた光学透明フィルムが用いられている。このようなオレフィン樹脂を用いた光学透明フィルムは、ガラスに近い特性を示すことから、薄膜トランジスターや、次世代の透明電極フィルムのベース基材として有望視されている。
上記環状オレフィン樹脂等を用いた光学透明フィルムは、薄膜トランジスターの回路形成や、透明電極フィルム形成時に破断や傷付きが生じ易いので、フィルム表面の耐傷性を向上させるために、環状オレフィン樹脂等のオレフィン樹脂層の表面に、表面保護層が設けられている。このような光学透明フィルムは、折り曲げや断裁の際に加えられる応力によって割れを生じてしまうという問題がある。
上述の問題を解消した光学透明フィルムとして、厚み10〜250μmの環状オレフィン系フィルムの少なくとも一方の表面に電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層を有してなり、上記ハードコート層と上記環状オレフィン系フィルムとの間に、熱可塑性エラストマーから形成されてなるエラストマー層を設けてなるハードコートフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1では、表面保護層の組成、及びハードコートフィルムの特性が十分に検討されておらず、製造の際にロールを介してフィルムを送る、いわゆるロールツーロールプロセスにおいてハードコートフィルムが破断するという問題がある。製造の際にフィルムが破断すると、歩留り低下を引き起こすため、製品化の大きな障害となる。
従って、光学特性に優れ、且つ、製造工程での破断が抑制されている、ディスプレイ表示装置等に好適に用いることができる積層体の開発が望まれている。
本発明は、ディスプレイ表示装置等に好適に用いることができ、光学特性に優れ、且つ、製造工程での破断が抑制されている積層体を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層された積層体において、上記硬化性樹脂層Aが特定のウレタンアクリレートを含有し、且つ、上記積層体が特定の範囲のMIT耐折疲労試験における屈曲回数を示し、特定の範囲の引裂伝播強度を示す構成とすることにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層体に関する。
1.少なくとも、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層された積層体であって、
前記硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有し、
前記積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上である、
ことを特徴とする積層体。
2.前記硬化性樹脂層Aが、更に、(b)主鎖にウレタン骨格を有しない、3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートを含有する、上記項1に記載の積層体。
3.前記硬化性樹脂層Cが、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有する、上記項1又は2に記載の積層体。
4.前記硬化性樹脂層Cが、更に、(b)主鎖にウレタン骨格を有しない、3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートを含有する、上記項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
5.前記硬化性樹脂層A、及び前記硬化性樹脂層Cから選択される少なくとも一層が、表面改質剤を含む、上記項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
6.前記表面改質剤は、フッ素修飾されたケイ素化合物である、上記項5に記載の積層体。
7.前記フッ素修飾されたケイ素化合物が、フルオロシルセスキオキサン化合物、又は、フルオロシルセスキオキサンを含む重合体である、上記項6に記載の積層体。
8.前記オレフィン系光学フィルムBは、環状オレフィンポリマーを含有する、上記項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
1.少なくとも、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層された積層体であって、
前記硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有し、
前記積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上である、
ことを特徴とする積層体。
2.前記硬化性樹脂層Aが、更に、(b)主鎖にウレタン骨格を有しない、3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートを含有する、上記項1に記載の積層体。
3.前記硬化性樹脂層Cが、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有する、上記項1又は2に記載の積層体。
4.前記硬化性樹脂層Cが、更に、(b)主鎖にウレタン骨格を有しない、3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートを含有する、上記項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
5.前記硬化性樹脂層A、及び前記硬化性樹脂層Cから選択される少なくとも一層が、表面改質剤を含む、上記項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
6.前記表面改質剤は、フッ素修飾されたケイ素化合物である、上記項5に記載の積層体。
7.前記フッ素修飾されたケイ素化合物が、フルオロシルセスキオキサン化合物、又は、フルオロシルセスキオキサンを含む重合体である、上記項6に記載の積層体。
8.前記オレフィン系光学フィルムBは、環状オレフィンポリマーを含有する、上記項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層体は、少なくとも、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層された積層体であって、上記硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有し、上記積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上である。
上記本発明の積層体は、硬化性樹脂層Aが、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有するので、硬化性樹脂層Aが適度な硬さと柔軟性とを備えることができ、オレフィン系光学フィルムBの上に硬化性樹脂層Aが積層することで破断し難くなっており、本発明の積層体の破断が抑制されている。
また、本発明の積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上であるので、製造工程でのロールツーロールプロセスにおいて、積層体に張力がかかった状態でロールを介してフィルムを送る際に積層体が屈曲したり、ロールとの間で摩擦を生じたりすることにより生じる積層体の破断が抑制されている。
すなわち、本発明の積層体は、硬化性樹脂層Aが(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有し、積層体のJIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上であるとの構成を備えることにより、光学特性に優れ、且つ、製造工程での破断が抑制されている。本発明の積層体は、製造工程での破断が抑制されているので、歩留りが良く、製品化の際に非常に有利である。このような本発明の積層体は、ディスプレイ表示装置等に好適に用いることができる。
(硬化性樹脂層A)
硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレート(以下、単に「(a)成分」ともいう場合がある。)を含有する。
硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレート(以下、単に「(a)成分」ともいう場合がある。)を含有する。
上記(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートとしては特に限定されないが、例えば、2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有し、且つ、ウレタン骨格をもつ、紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。上記(a)成分は、硬化性樹脂層Aに屈曲性を付与する。
上記(a)成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を挙げることができる。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、さらに水酸基含有(メタ)アクリル化合物を反応させることによって得ることができるラジカル重合性不飽和基含有オリゴマー、プレポリマー、ポリマーを挙げることができる。特に、多価アルコール類にポリカーボネート系ポリオール類を用いたポリカーボネート系ウレタンアクリレートが好ましい。ポリカーボネート系ウレタンアクリレートを用いることで、形成された硬化性樹脂層Aが優れた伸縮性と強靭性を示すことができる。
上記ポリイソシアネートとしては、具体的には2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートが挙げられる。
上記ポリイソシアネートの市販品としては、バノックD−750、クリスボンNK(商品名;DIC株式会社製)、デスモジュールL(商品名;住友バイエルウレタン株式会社製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン工業株式会社製)、タケネートD102(商品名;三井武田ケミカル株式会社製)、イソネート143L(商品名;三菱化学株式会社製)等を用いることができる。
上記ポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどが挙げられ、具体的にはグリセリン−エチレンオキシド付加物、グリセリン−プロピレンオキシド付加物、グリセリン−テトラヒドロフラン付加物、グリセリン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−テトラヒドロフラン付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール−エチレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール−テトラヒドロフラン付加物、ジペンタエリスリトール−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
上記多価アルコール類としては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等が挙げられる。
上記水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されないが、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(a)成分、例えばウレタン(メタ)アクリレート樹脂の合成方法としては特に限定されず、従来公知の合成方法で合成することが可能である。このような合成方法としては、例えば、所定量の有機ポリイソシアネート、及びポリカーボネートポリオールを70〜80℃の条件下で残存イソシアネート濃度が所定量になるまで反応させ、その後、さらに所定量の分子内に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートを添加して、重合禁止剤(例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル等)の存在下で、70〜80℃の温度で残存イソシアネート濃度が0.1重量%以下になるまで反応させる合成方法が挙げられる。
(a)成分の含有量は、硬化性樹脂層Aを形成する樹脂組成物を100重量%として、10〜90重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましい。(a)成分の含有量を上述の範囲とすることで、硬化性樹脂層Aが伸張性や屈曲性により優れる。
(a)成分の重量平均分子量(Mw)は3000〜50万が好ましく、5000〜20万がより好ましい。(a)成分の重量平均分子量を上述の範囲とすることで、硬化性樹脂層Aに柔軟性を付与することができる。(a)成分の重量平均分子量が3000以上であると、硬化性樹脂層A中の架橋密度が高くなり過ぎることを抑制することができる。
硬化性樹脂層Aは、更に、(b)主鎖にウレタン骨格を有しない3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレート(以下、単に「(b)成分」ともいう場合がある。)を含有することが好ましい。当該(b)成分は、主鎖にウレタン骨格を有していなければよく、側鎖にウレタン結合を含んでもよい。上記(b)成分は、主鎖にウレタン骨格をもたず、3官能以上の重合性官能基を有することで、硬化性樹脂層A中に架橋構造を形成する。このため、上記(b)成分を含有する構成とすることで、硬化性樹脂層Aの耐擦傷性、耐摩耗性をより向上させることができる。
上記(b)成分としては特に限定されないが、例えば、主鎖にウレタン骨格を有しない3官能以上の重合性官能基を有する活性エネルギー線硬化性アクリレート樹脂が挙げられ、中でも、主鎖にウレタン骨格を有しない3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性樹脂を好適に用いることができる。
上記(b)主鎖にウレタン骨格を有しない3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートとしては、(メタ)アクリル系モノマーを重合して得られる重合体を用いてもよい。
上記「(メタ)アクリル系モノマーを重合して得られる重合体」の合成方法としては特に限定されず、従来公知の方法で合成することが可能である。例えば、先ず単一の、又は異なる(メタ)アクリル系モノマー同士の付加重合により重合体前駆体を得る。上記(メタ)アクリル系モノマーは、反応性基を持つ(メタ)アクリル系モノマーが用いられる。
次いで、上記重合体前駆体の側鎖の反応性基(例えば、エポキシ基、カルボン酸、水酸基、グリシジル基等)と反応し、且つ、アクリロイル基を有する化合物と、上記重合体前駆体とを反応させることにより、上記(メタ)アクリル系モノマーを重合して得られる重合体を得ることができる。
上記重合体前駆体の側鎖の反応性基と反応し、且つ、アクリロイル基を有する化合物としては、上述の反応性基と反応することができ、且つ、1以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを用いることができる。
上記重合体前駆体を調製するための、反応性基を持つ(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、ライトエステルP−2M(2−メタックロイロキシエチルアシッドフォスフェート/共栄社化学株式会社製)、ライトエステルHO−MS(N)(2−メタクリロイロキシエチルコハク酸/商品名;共栄社化学株式会社製)、ライトエステルHO−HH(N)(2−メタリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸/商品名;共栄社化学株式会社製)、ライトエステルEG(エチレングリコールジメタクリレート/商品名;共栄社化学株式会社製)、ライトエステル9EG(PEG#400ジメタクリレート/商品名;共栄社化学株式会社製)、ライトエステルG−101P(グリセリンジメタクリレート/商品名;共栄社化学株式会社製)、ライトエステルM−3F(トリフロロエチルメタクリレート/商品名;共栄社化学株式会社製)、HEA(商品名;東亜合成株式会社製)、ATBS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/商品名;東亜合成株式会社製)、A−SA(2−アクリロイルオキシエチレンサクシネート/商品名;新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
上記重合体前駆体を調製するための(メタ)アクリル系モノマーには、反応性基を持たない(メタ)アクリル系モノマーが含まれていてもよい。重合体前駆体を調製するための、反応性基を持たない(メタ)アクリル系モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸イソブチル等が挙げられる。これらの市販品としえは、例えば、アクリックスC−1(商品名;東亜合成株式会社製)、アクリックスCHA(商品名;東亜合成株式会社製)、アロンDA(商品名;東亜合成株式会社製)、A−LEN−10(エトキシ化フェニルフェノールアクリレート/商品名;新中村化学工業株式会社製)、AM90−G(メトキシポリエチレンアクリレート/商品名;新中村化学工業株式会社製)、S−1800A(イソステリアルアクリレート/商品名;新中村科学工業株式会社製)、AMP−20GY(フェノキシポリエチレングリコールアクリレート/商品名;新中村化学工業株式会社製)、ライトエステルCH(シクロヘキシルメタクリレート/商品名;共栄社化学株式会社製)、ライトエステルBZ(ベンジルメタクリレート/商品名;共栄社化学株式会社製)、ライトエステルIB−X(イソボニルメタクリレート/商品名;共栄社化学株式会社製)等が挙げられる。
重合体前駆体を調製するための、反応性基を持たない(メタ)アクリル系モノマーとしては、また、1つの(メタ)アクリロイル基を有するフルオロシルセスキオキサンが挙げられる。上記(メタ)アクリロイル基を有するフルオロシルセスキオキサンとしては、下記式(1)で示される化合物が挙げられる。
式(1)におけるRfはそれぞれ独立して、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル、トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル、ヘプタデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロデシル、ヘンイコサフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロドデシル、ペンタコサフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロテトラデシル、(3-ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピル、ペンタフルオロフェニルプロピル、ペンタフルオロフェニルまたはα,α,α-トリフルオロメチルフェニルなどが含まれる。
上記重合体前駆体の側鎖の反応性基と反応することができ、且つ、1以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、例えば、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、エポキシ化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル安息香酸等を挙げることができる。(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸化合物を用いて、側鎖に重合性不飽和結合を有する上記(b)成分を得るには、公知のエステル化反応を利用することができる。ここで、エステル化反応は、カルボン酸化合物と活性水素を有する基(好ましくは水酸基)との脱水縮合反応である。
(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、1−プロピル(メタ)アクリレート、1−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸エステル化合物を用いて、側鎖に重合性不飽和結合を有する上記(b)成分を得るには、公知のエステル化反応を利用することができる。ここで、エステル化反応は、カルボン酸エステル化合物と活性水素を有する基(好ましくは水酸基)とのエステル交換反応である。
(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)クリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いて、側鎖に重合性不飽和結合を有する上記(b)成分を得るには、環状エーテルと水酸基との公知のエポキシ開環反応を利用することができる。
また、イソホロンジイソシアネートなどのイソシアネート基を複数個有する化合物のイソシアネート基の一部を2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの水酸基含有付加重合性単量体とウレタン化させ、重合性不飽和結合を有するイソシアネート化合物とし、さらに、上記イソシアネート化合物と活性水素を有する基(好ましくは水酸基)とのウレタン化反応を利用することにより、側鎖に重合性不飽和結合を有する上記(b)成分を得ることができる。
上記(b)成分としては、また、公知の各種重合性化合物を用いることができる。例えば、ヒドロキシル基を分子中に有さない多官能アクリレート系化合物として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(b)成分としては、また、プレポリマー、オリゴマーを用いることができ、これらの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(b)成分に用いられる多官能ポリエステル(メタ)アクリレートとして、市販品では、M−8030(東亜合成株式会社製)等が挙げられる。
さらに、上記(b)成分に用いられる多官能アクリルポリマーとして、市販品では、ヒタロイド7975D(Mw15000/商品名;日立ケミカル)、ヒタロイド7988(Mw60000/商品名;日立ケミカル)、ヒタロイド(Mw78000/商品名;日立ケミカル)、アクリット8kx−01(商品名;大成ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
(b)成分の含有量は、硬化性樹脂層Aを形成する樹脂組成物を100重量%として、5〜60重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。(b)成分の含有量を上述の範囲とすることで、硬化性樹脂層Aが伸張性や屈曲性により優れる。
(b)成分の重量平均分子量(Mw)は、1000〜50万が好ましく、2000〜10万がより好ましい。(b)成分の重量平均分子量が1000以上であると、硬化性樹脂層Aが良好な屈曲性を示し、さらに硬化性樹脂層A内の架橋密度が大きくなり、硬化性樹脂層Aに良好な耐擦傷性、耐摩耗性、耐タック性を付与することができる。
硬化性樹脂層Aは、更に、表面改質剤を含有していてもよい。当該表面改質剤は、硬化性樹脂層A、及び、後述する硬化性樹脂層Cから選択される少なくとも一層に含まれていることが好ましい。硬化性樹脂層A、及び、硬化性樹脂層Cから選択される少なくとも一層が表面改質剤を含有することにより、本発明の積層体が、ロール状に巻き取った際に優れたアンチブロッキング性を示す。
上記表面改質剤としては、例えば、ケイ素化合物を用いることができ、シリコーン化合物を主成分とした一般的な表面改質剤を用いることができる。中でも、フッ素修飾されたケイ素化合物を用いることが好ましい。
上記シリコーン化合物の市販品としては、BYK−UV3500、BYK−UV−3570(いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社製)、TEGO Rad2100、2200N、2250、2500、2600、2700(何れも商品名;エボニックデグサジャパン株式会社製)、X−22−2445、X−22−2455、X−22−2457、X−22−2458、X−22−2459、X−22−1602、X−22−1603、X−22−1615、X−22−1616、X−22−1618、X−22−1619、X−22−2404、X−22−2474、X−22−174DX、X−22−8201、X−22−2426、X−22−164A、X−22−164C(いずれも商品名;信越化学工業株式会社製)等を挙げることができる。
上記ケイ素化合物として、フルオロシルセスキオキサン化合物、WO2008/072766およびWO2008/072765に記載されているフルオロシルセスキオキサン重合体からなる群から選ばれる1種以上の化合物を用いてもよい。
フルオロシルセスキオキサン化合物としては、下記式(1)に示される分子構造を有するフルオロシルセスキオキサン化合物を挙げることができる。
また、フルオロシルセスキオキサン重合体としては、下記式(1)のフルオロシルセスキオキサン化合物を含有する重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)を挙げることができる。下記式(1)に示す化合物を用いて重合された重合体は、フッ素系のシリコーン化合物であるため、硬化膜表面にスリップ性とアンチブロッキング性を付与することができる。
式(1)におけるRfはそれぞれ独立して、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル、トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル、ヘプタデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロデシル、ヘンイコサフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロドデシル、ペンタコサフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロテトラデシル、(3-ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピル、ペンタフルオロフェニルプロピル、ペンタフルオロフェニルまたはα,α,α-トリフルオロメチルフェニルなどが含まれる。
フルオロシルセスキオキサン重合体とは、分子内に一つの付加重合性官能基を有するフルオロシルセスキオキサンに由来する構成単位a、付加重合性官能基を有するオルガノポリシロキサンに由来する構成単位b、付加重合性単量体由来の構成単位であって側鎖に重合性不飽和結合を有する基を有する構成単位cおよび任意に、分子内に一つの付加重合性官能基を有するフルオロシルセスキオキサン、付加重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン、および重合性不飽和結合を有する基を導入できる官能基を有する付加重合性単量体以外の付加重合性単量体に由来する構成単位dを含む重合体である。なお、「由来する」とは、各モノマーがフルオロシルセスキオキサン重合体を構成したときの重合残基を意味する。
構成単位aは、上記式(1)に示される分子構造を有するフルオロシルセスキオキサンに由来する。
構成単位bは、下記式(2)に示される分子構造を有する付加重合性官能基を有するオルガノポリシロキサンに由来する。
付加重合性官能基を有するオルガノポリシロキサンは、好ましくは下記式(2)に示される分子構造を有する。
オルガノポリシロキサンは、上記式(2)において、nは1〜1,000の整数であり;R1、R2、R3、R4、およびR5は、それぞれ独立して水素、炭素数が1〜30であるアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のアリールと、アルキレンとで構成されるアリールアルキルであり、R1、R2、R3、R4、およびR5において、少なくとも1つの水素はフッ素に置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;A2は付加重合性官能基である。
さらに、付加重合性官能基を有するオルガノポリシロキサンは、上記式(2)において、R1、R2、R3およびR4が、それぞれ同時にメチルであることが好ましい。また、上記式(2)においてA2がラジカル重合性官能基であることが好ましく、A2が(メタ)アクリルまたはスチリルを含むことがより好ましく、A2が、下記式(3)、(4)または(5)で示されるいずれかであることがさらに好ましい。
上記式(3)において、Y1が炭素数2〜10のアルキレンであり、R6が水素、または炭素数1〜5のアルキル、または炭素数6〜10のアリールである。上記式(4)において、R7は水素、または炭素数1〜5のアルキル、または炭素数6〜10のアリールであり、X1は炭素数が2〜20のアルキレンであり、Yは−OCH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−、または−OCH2CH(CH3)−であり、pは0〜3の整数である。上記式(5)において、Y2が単結合または炭素数1〜10のアルキレンである。ここで、炭素数1〜5のアルキルは、直鎖状または分岐鎖状のいずれでもよい。
または、上記式(3)において、Y1が炭素数2〜6のアルキレンであり、R6が水素またはメチルである。上記式(4)において、X1は−CH2CH2CH2−であり、Yは−OCH2CH2−であり、pは0または1であり、R7は水素またはメチルである。上記式(5)において、Y2が単結合または炭素数1あるいは2のアルキレンであることが好ましい。
好ましく用いられるオルガノポリシロキサンの例には、サイラプレーン FM0711(商品名;JNC株式会社製)、サイラプレーン FM0721(商品名;JNC株式会社製)、サイラプレーン FM0725(商品名;JNC株式会社製)、サイラプレーン TM0701(商品名;JNC株式会社製)、サイラプレーン TM0701T(商品名;JNC株式会社製)等が含まれる。
上記構成単位cは、付加重合性単量体由来の構成単位であって側鎖に重合性不飽和結合を有する基を有する単量体に由来する。例えば、構成単位a、構成単位b、および下記の活性水素を有する基を含む一価の官能基を含む付加重合性単量体の成分として、水酸基含有ビニルモノマーを用いて得られる前駆体と、重合性不飽和結合を有するイソシアネート化合物とを反応して、構成単位cを含む重合体(フルオロシルセスキオキサン重合体)が得られる。
このように、構成単位cは、重合性不飽和結合を有する基を導入できる官能基を有する付加重合性単量体から得られる。
すなわち、側鎖に重合性不飽和結合を有する基を含むフルオロシルセスキオキサン重合体は、重合性不飽和結合を有する基を導入できる官能基を有する重合体を前駆体として得ることができる。このような重合性不飽和結合を有する基を導入できる官能基としては、活性水素を有する基や環状エーテルを含む一価の官能基を挙げることができる。活性水素とは、有機化合物の分子内に存在している水素原子のうち、電気陰性度の値が炭素以上である原子(例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子)と結合している水素のことである。従って、フルオロシルセスキオキサン重合体を得るための好ましい前駆体は、活性水素を有する基を含む重合体であり、分子内に一つの付加重合性官能基を有するフルオロシルセスキオキサン、付加重合性官能基を有するオルガノポリシロキサンと共に、活性水素を有する基や環状エーテルを含む一価の官能基を含む付加重合性単量体を必須成分として、フルオロシルセスキオキサン重合体の前駆体を得ることができる。
上記活性水素を有する基としては、−OH、−SH、−COOH、−NH、−NH2、−CONH2、−NHCONH−、−NHCOO−、Na+[CH(COOC2H5)]、−CH2NO2、OOH、−SiOH、−B(OH)2、−PH3、−SHなどが挙げられる。カルボキシル、アミノ、ヒドロキシルが好ましく、ヒドロキシルがより好ましい。活性水素を有する基を含む付加重合性単量体cとしては、分子内に活性水素を有する基と付加重合性二重結合とを有する化合物であればよく、活性水素を有する基を含む、ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物のいずれでもよい。好ましくは、活性水素を有する基を含む、アクリル酸誘導体、またはスチレン誘導体である。
活性水素を有する基を含む付加重合性単量体としては、特開平9−208681号公報、特開2002−348344号公報、および特開2006−158961号公報に開示された単量体を挙げることができ、具体的には以下のような単量体が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキサデカンおよび桂皮酸などが挙げられる。
水酸基含有ビニルモノマーとしては、ヒドロキシル基含有単官能ビニルモノマーおよびヒドロキシル基含有多官能ビニルモノマーなどが用いられる。ヒドロキシル基含有単官能ビニルモノマーとしては、ビニル基を一個有するビニルモノマーが用いられ、例えば、ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル(2−プロペノキシエタノール)、16−ヒドロキシヘキサデカンメタアクリレートおよび庶糖アリルエーテルなどが挙げられる。
活性水素基を含む付加重合性単量体としては、ヒドロキシル基含有単官能ビニルモノマーが好ましく、さらには、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
重合性不飽和結合を有する基は、前述したように、フルオロシルセスキオキサン重合体の前駆体と、重合性不飽和結合を有する基を導入できる官能基(活性水素を有する基)と反応する官能基と重合性不飽和結合を有する基を同一分子内に有する化合物とを反応させることにより導入することができる。
このような、活性水素を有する基と反応する官能基と重合性不飽和結合を有する基を同一分子内に有する化合物としては、例えば重合性不飽和結合を有するイソシアネート化合物、重合性不飽和結合を有する酸ハロゲン化物、重合性不飽和結合を有するカルボン酸化合物、重合性不飽和結合を有するカルボン酸エステル化合物およびエポキシ化合物を挙げることができる。このような重合性不飽和結合を有する基としては、ラジカル重合性基が好ましく、(メタ)アクリル、アリル、スチリルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル基を有するイソシアネート化合物としては、以下の構造を有する化合物を用いることができる。
式中、R8、R9は、水素またはメチルであり、Bは酸素、炭素数1〜3のアルキレン、または−OR10−である;R10は炭素数2〜12のアルキレン、炭素数2〜12のオキシアルキレン、炭素数6〜12のアリーレンを表す。
表面改質剤としてのケイ素化合物の含有量は、硬化性樹脂層Aを形成する樹脂組成物を100重量%として、0.01〜20重量%であることが好ましい。表面改質剤により、硬化性樹脂素層Aの表面にスリップ性を付与でき、硬化性樹脂層Aの耐タック性を改善することができる。そのため、ロールツーロールでの塗工の際に積層体(フィルム)同士のくっつきや、金属ロールへのくっつきを抑制することができる。
上記フルオロシルセスキオキサン重合体は、国際公開第2008/072765号または国際公開第2008/072766号に記載されている方法により合成することができる。
硬化性樹脂層Aを形成する樹脂組成物にさらに表面改質剤を加えることで、硬化性樹脂層Aに表面改質(耐擦傷性、耐ブロッキング性、タック性、レべリング性向上等)の効果を付与することができる。
硬化性樹脂層Aの厚みは特に限定されないが、1〜30μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。上記厚みが厚過ぎると、製造が困難になるおそれがあり、また、経済性に劣るおそれがある。上記厚みが薄過ぎると、耐傷性に劣るおそれがある。
(オレフィン系光学フィルムB)
オレフィン系光学フィルムBは、オレフィン系樹脂を含有し、光学用途に用いるのに適したフィルムであれば特に限定されない。上記光学用途に用いるのに適したフィルムとは、例えば、透明性が高いフィルムが挙げられる。上記オレフィン系光学フィルムBの全光線透過率は90%以上が好ましい。また、上記オレフィン系光学フィルムBのヘイズは1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。
オレフィン系光学フィルムBは、オレフィン系樹脂を含有し、光学用途に用いるのに適したフィルムであれば特に限定されない。上記光学用途に用いるのに適したフィルムとは、例えば、透明性が高いフィルムが挙げられる。上記オレフィン系光学フィルムBの全光線透過率は90%以上が好ましい。また、上記オレフィン系光学フィルムBのヘイズは1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。
オレフィン系光学フィルムBに含まれるオレフィン系樹脂としては、オレフィン系光学フィルムBを、光学用途に用いるのに適したフィルムとすることができれば特に限定されないが、環状オレフィンポリマーであることが好ましい。オレフィン系樹脂フィルムB上記環状オレフィンポリマーを含有することで、オレフィン系樹脂フィルムBが光学特性に優れ、且つ、耐熱性に優れる。
上記環状オレフィンポリマーとしては、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するポリマーが挙げられる。耐候性および防湿性等の観点から、主鎖に脂環式構造を有することが好ましい。
環状オレフィンポリマーの脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造等が挙げられるが、機械的強度、耐熱性等に優れる点で、シクロアルカン構造を有するものが好ましい。
上記環状オレフィンポリマーは、環状オレフィンホモポリマーであってもよいし、環状オレフィンコポリマーであってもよい。中でも、耐熱性に優れる点で、環状オレフィンコポリマーが好ましい。
上記環状オレフィンコポリマーとしては、例えば、ノルボルネンとエチレンとのコポリマーが挙げられる。ノルボルネンとエチレンとのコポリマーは、ノルボルネンとエチレンとの質量換算における共重合比率が80:20〜90:10であることが好ましい。共重合比率がこの範囲であれば、ガラス転移温度は170℃〜200℃になる。この範囲よりもノルボルネンの比率が低い場合は、ガラス転移温度が170℃未満となるため耐熱性が低下するおそれがある。また、この範囲よりもエチレンの比率が低い場合は、必要な後工程(コーティング工程、薄膜形成工程等)に耐える強度のフィルムに加工することが困難となるおそれがある。
環状オレフィンコポリマーとして、上記ノルボルネンとエチレンとのコポリマーを含有するフィルムの市販品としては、「F1フィルム」(商品名、グンゼ株式会社製)が挙げられる。
上記ノルボルネンとエチレンとのコポリマーは、通常、屈折率が1.49〜1.55程度であり、通常、光線透過率が90.8%〜93.0%程度である。なお、ノルボルネンとエチレンとのコポリマーには、紫外線吸収剤、無機や有機のアンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、安定剤等の各種公知の添加剤が合目的に添加されていてもよい。
なお、オレフィン系光学フィルムBに含まれるオレフィン系樹脂は、上記樹脂に限定されず、公知のオレフィン系樹脂を用いることができる。このような公知のオレフィン系樹脂としては、例えば、特開2013−202989号公報、特開2003−103718号公報、特開平5−177776号公報、又は特表2003−504523号公報に記載のものが挙げられる。
オレフィン系光学フィルムBのオレフィン系樹脂の含有量は、当該オレフィン系光学フィルムBを100重量%として、70重量%以上が好ましく、80質量%がより好ましく、90重量%以上が更に好ましい。
オレフィン系光学フィルムBの厚みは特に限定されないが、20〜300μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。上記厚みが厚過ぎると、積層体が柔軟性に劣るおそれがある。上記厚みが薄過ぎると、積層体の強度が低下するおそれがある。
(硬化性樹脂層C)
硬化性樹脂層Cは、オレフィン系光学フィルムBの、硬化性樹脂層Aが積層される面とは反対側に積層される層である。
硬化性樹脂層Cは、オレフィン系光学フィルムBの、硬化性樹脂層Aが積層される面とは反対側に積層される層である。
硬化性樹脂層Cを形成する樹脂としては、本発明の積層体の光学特性を低下させず、また、製造工程での破断の抑制を妨げなければ特に限定されない。
硬化性樹脂層Cは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有することが好ましい。上記(a)成分を含有する構成とすることで、積層体の製造工程での硬化性樹脂層Cの破断が抑制され、これにより本発明の積層体の破断がより抑制される。上記(a)ウレタンアクリレートは、上記硬化性樹脂層Aが含有するウレタンアクリレート(a)と同一のものを用いることができる。
硬化性樹脂層Cは、更に、(b)3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートを含有することが好ましい。硬化性樹脂層Cが、上記(b)成分を含有する構成とすることで、硬化性樹脂層Cがより硬度に優れ、これにより本発明の積層体の耐傷性をより向上させることができる。上記多官能アクリレート(b)は、上記硬化性樹脂層Aが含有する多官能アクリレート(b)と同一のものを用いることができる。
硬化性樹脂層Cは、更に、表面改質剤を含有していてもよい。当該表面改質剤は、上記硬化性樹脂層A、及び、硬化性樹脂層Cから選択される少なくとも一層に含まれていることが好ましい。硬化性樹脂層A、及び、硬化性樹脂層Cから選択される少なくとも一層が表面改質剤を含有することにより、本発明の積層体が、ロール状に巻き取った際に優れたアンチブロッキング性を示す。
上記表面改質剤としては、上記硬化性樹脂層Aが含有する表面改質剤と同一のものを用いることができる。
硬化性樹脂層Cの厚みは特に限定されないが、1〜30μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。上記厚みが厚過ぎると、積層体が破断し易くなるおそれがある。上記厚みが薄過ぎると、耐傷性に劣るおそれがある。
(積層体)
本発明の積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上である。MIT耐折疲労試験が上述の範囲であることにより、製造工程でのロールツーロールプロセスにおいて、積層体に張力がかかった状態でロールを介してフィルムを送る際に積層体が屈曲することにより生じる積層体の破断が抑制される。上記MIT耐折疲労試験における屈曲回数は、20回以上が好ましい。
本発明の積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上である。MIT耐折疲労試験が上述の範囲であることにより、製造工程でのロールツーロールプロセスにおいて、積層体に張力がかかった状態でロールを介してフィルムを送る際に積層体が屈曲することにより生じる積層体の破断が抑制される。上記MIT耐折疲労試験における屈曲回数は、20回以上が好ましい。
本発明の積層体は、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上である。引裂伝播強度が上述の範囲であることにより、製造工程でのロールツーロールプロセスにおいて、積層体に張力がかかった状態でロールを介してフィルムを送る際にロールとの間で摩擦を生じることにより生じる積層体の破断が抑制される。
本発明の積層体は、少なくとも、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層されていれば、その層構成については特に限定されず、他の層を備えていてもよい。例えば、硬化性樹脂層Aとオレフィン系光学フィルムBとの間に易接着層を有していてもよく、同様に、硬化性樹脂層Cとオレフィン系光学フィルムBとの間に易接着層を有していてもよい。上記易接着層を形成する接着剤樹脂としては特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂を用いることができる。
上記オレフィン系光学フィルムBの表面には、プラズマ処理、コロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。オレフィン系光学フィルムBの表面に表面処理が施されることにより、本発明の積層体の層間密着性を、より向上させることができる。
(製造方法)
本発明の積層体の製造方法としては、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cをこの順に積層することができれば特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。例えば、オレフィン系光学フィルムBの一方面に硬化性樹脂層A形成用組成物を塗布し、且つ、もう一方の面に硬化性樹脂層C形成用組成物を塗布して、これらの組成物を乾燥させ、UV照射装置により紫外線を照射して硬化させることにより、硬化性樹脂層A及びBを形成する方法により、本発明の積層体を製造することができる。
本発明の積層体の製造方法としては、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cをこの順に積層することができれば特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。例えば、オレフィン系光学フィルムBの一方面に硬化性樹脂層A形成用組成物を塗布し、且つ、もう一方の面に硬化性樹脂層C形成用組成物を塗布して、これらの組成物を乾燥させ、UV照射装置により紫外線を照射して硬化させることにより、硬化性樹脂層A及びBを形成する方法により、本発明の積層体を製造することができる。
上記オレフィン系光学フィルムBに硬化性樹脂層A形成用組成物及びBを塗布する方法としては特に限定されず、例えば、ロール状のオレフィン系光学フィルムBのロールから、オレフィン系光学フィルムBを引き出しながら、これらの組成物をロールナイフで塗布する方法が挙げられる。
硬化性樹脂層A形成用組成物及び硬化性樹脂層C形成用組成物を乾燥させる方法としては特に限定されず、例えば、硬化性樹脂層A形成用組成物及び硬化性樹脂層C形成用組成物を、オレフィン系光学フィルムB上に塗布された状態で乾燥器内を通過させる方法が挙げられる。上記硬化性樹脂層A形成用組成物及び硬化性樹脂層C形成用組成物を乾燥させる際の乾燥温度は、40〜100℃であることが好ましい。
乾燥させた硬化性樹脂層A形成用組成物及び硬化性樹脂層C形成用組成物に紫外線を照射して硬化させる際の紫外線照射の条件は、積算照射量200〜1000mJ/cm2が好ましい。紫外線照射の条件は、硬化させる組成物の粘度等の条件によって適宜設定される。
以上説明した製造方法により、本発明の積層体を製造することができる。
本発明の積層体は、硬化性樹脂層Aが、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有するので、硬化性樹脂層Aが適度な硬さと柔軟性とを備えており、オレフィン系光学フィルムBの上に硬化性樹脂層Aが積層することで破断し難くなっており、本発明の積層体の破断が抑制されている。
また、本発明の積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上であるので、製造工程でのロールツーロールプロセスにおいて、積層体に張力がかかった状態でロールを介してフィルムを送る際に積層体が屈曲したり、ロールとの間で摩擦を生じたりすることにより生じる積層体の破断が抑制されている。
すなわち、本発明の積層体は、硬化性樹脂層Aが(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有し、積層体のJIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上であるとの構成を備えることにより、光学特性に優れ、且つ、製造工程での破断が抑制されている。本発明の積層体は、製造工程での破断が抑制されているので、歩留りが良く、製品化の際に非常に有利である。このため、本発明の積層体は、ディスプレイ表示装置等に好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
(合成例1)
(a)成分の合成(ポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)の合成例)
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(商品名:デスモジュール(登録商標)、住化バイエルウレタン株式会社製)を305.7g(1.17モル)、1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたポリカーボネートポリオール(商品名:ETERNACOLL(登録商標)UC−100、宇部興産株式会社製)を1000g(1モル)、2−ブタノン(MEK、メチルエチルケトン)1699.2gを仕込み、70℃〜80℃の条件にて反応を行い、所定の残存イソシアネート濃度になるまで反応させた。
(a)成分の合成(ポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)の合成例)
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(商品名:デスモジュール(登録商標)、住化バイエルウレタン株式会社製)を305.7g(1.17モル)、1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたポリカーボネートポリオール(商品名:ETERNACOLL(登録商標)UC−100、宇部興産株式会社製)を1000g(1モル)、2−ブタノン(MEK、メチルエチルケトン)1699.2gを仕込み、70℃〜80℃の条件にて反応を行い、所定の残存イソシアネート濃度になるまで反応させた。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート(商品名:BHEA、株式会社日本触媒製)255.2g(2.2モル)、及び重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル(商品名:MQ、川口化学工業株式会社製)0.85gを添加後、さらに70℃〜80℃の条件にて残存イソシアネート濃度が0.1重量%になるまで反応させ、ポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)を得た。得られた重合体(a−1)のGPC分析により求めた重量平均分子量は100,000であった。
(合成例2)
(b)成分の合成
還流冷却器、温度計および滴下ロートを取り付けた内容積200mLの四つ口フラスコに、メチルメタクリレート(MMA)を25.00g、メタクリル酸グリシジル(GMA)を25.00g、2−ブタノン(MEK)を50.00g導入し、窒素シールした。80℃に保ったオイルバスにセットして還流させ、10分間脱酸素を行った。次いで0.70gの2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、及び0.08gのメルカプト酢酸(AcSH)を7.00gのMEKに溶解させた溶液を導入し、還流温度に保ったまま重合を開始した。3時間重合した後、0.70gのAIBNを7.00gのMEKに溶解させた溶液を導入し、さらに5時間重合を継続した。
(b)成分の合成
還流冷却器、温度計および滴下ロートを取り付けた内容積200mLの四つ口フラスコに、メチルメタクリレート(MMA)を25.00g、メタクリル酸グリシジル(GMA)を25.00g、2−ブタノン(MEK)を50.00g導入し、窒素シールした。80℃に保ったオイルバスにセットして還流させ、10分間脱酸素を行った。次いで0.70gの2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、及び0.08gのメルカプト酢酸(AcSH)を7.00gのMEKに溶解させた溶液を導入し、還流温度に保ったまま重合を開始した。3時間重合した後、0.70gのAIBNを7.00gのMEKに溶解させた溶液を導入し、さらに5時間重合を継続した。
重合終了後、重合液に変性アルコール(ソルミックスAP−1、日本アルコール販売株式会社製)を65mL加え、1300mLのソルミックスAP−1に注ぎ込んで重合体を析出させた。上澄みを除去し、減圧乾燥(40℃、3時間、70℃、3時間)させて40gのグリシジル基を有する重合体を得た。得られた重合体のGPC分析により求めた重量平均分子量は31,200、分子量分布は1.43であった。また重合体の1H−NMR測定より求めたモノマー成分の組成モル分率はMMA:GMA=50:50であった。
[側鎖へのアクリロイル基の付加(エポキシ基反応)]
続いて、還流冷却器、温度計およびセプタムキャップを取り付けた内容積200mLの四つ口フラスコに、グリシジル基を有する重合体を50.0g、アクリル酸(AA)を16.48g、MEHQを0.13g、テトラメチルアンモニウムクロライドを1.25g、2−ブタノン(MEK)を33.24g導入し、窒素シールした。80℃に保ったオイルバスにセットし、昇温し反応を開始した。10時間反応した後、室温まで冷却してMeOH10.0gを導入して反応を終了した。反応終了後、反応液にソルミックスAP−1を65mL加えた後、1300mLのソルミックスAP−1に注ぎ込んで反応物を析出させた。上澄みを除去し、減圧乾燥(40℃で3時間乾燥後、70℃で3時間乾燥)させてアクリロイル基を有する重合体(b−1)を得た。得られた重合体(b−1)のGPC分析により求めた重量平均分子量は47,000であった。
続いて、還流冷却器、温度計およびセプタムキャップを取り付けた内容積200mLの四つ口フラスコに、グリシジル基を有する重合体を50.0g、アクリル酸(AA)を16.48g、MEHQを0.13g、テトラメチルアンモニウムクロライドを1.25g、2−ブタノン(MEK)を33.24g導入し、窒素シールした。80℃に保ったオイルバスにセットし、昇温し反応を開始した。10時間反応した後、室温まで冷却してMeOH10.0gを導入して反応を終了した。反応終了後、反応液にソルミックスAP−1を65mL加えた後、1300mLのソルミックスAP−1に注ぎ込んで反応物を析出させた。上澄みを除去し、減圧乾燥(40℃で3時間乾燥後、70℃で3時間乾燥)させてアクリロイル基を有する重合体(b−1)を得た。得られた重合体(b−1)のGPC分析により求めた重量平均分子量は47,000であった。
(合成例3)
表面改質剤の合成(ケイ素化合物としてのフルオロシルセスキオキサン含有化合物(d−1)の合成)
[ヒドロキシル基を有する重合体前駆体の合成]
表面改質剤の合成(ケイ素化合物としてのフルオロシルセスキオキサン含有化合物(d−1)の合成)
[ヒドロキシル基を有する重合体前駆体の合成]
還流冷却器、温度計および滴下ロートを取り付けた内容積200mLの四つ口フラスコに、上記式により示される化合物(d−1)を36.65g、メチルメタクリレート(MMA)を3.37g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を0.97g、片末端メタクリロキシ基変性ジメチルシリコーン(FM−0721、分子量約6,300)を24.00g、2−ブタノン(MEK)を64.45g導入し、窒素シールした。95℃に保ったオイルバスにセットして還流させ、10分間脱酸素を行った。次いで、0.35gの2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と0.20gのメルカプト酢酸(AcSH)を4.94gのMEKに溶解させた溶液を導入し、還流温度に保ったまま重合を開始した。3時間重合した後、0.35gのAIBNを3.16gのMEKに溶解させた溶液を導入し、さらに5時間重合を継続した。重合終了後、重合液に変性アルコール(ソルミックスAP−1、日本アルコール販売株式会社製)を65mL加えた後、1300mLのソルミックスAP−1に注ぎ込んで重合体を析出させた。上澄みを除去し、減圧乾燥(40℃で3時間乾燥後、70℃で3時間乾燥)させて40gのヒドロキシル基を有する重合体前駆体を得た。得られた重合体前駆体のGPC分析により求めた重量平均分子量は31,200、分子量分布は1.43であった。また重合体前駆体の1H−NMR測定より求めたモノマー成分の組成モル分率は、化合物(d−1):MMA:HEMA:FM−0721=41.7:42.8:10.1:5.4であった。また、ヒドロキシル基当量は9,400g/eqであった。
[側鎖にアクリロイル基を有する重合体の合成(フルオロシルセスキオキサン含有化合物(d−1)の合成)
還流冷却器、温度計およびセプタムキャップを取り付けた内容積200mLの四つ口フラスコに、ヒドロキシル基を有する重合体前駆体を15.0g、MEHQを0.015g、DBTDLを0.0263g、酢酸エチルを130g導入し、窒素シールした。48℃に保ったオイルバスにセットし、昇温した。次いで液温が45℃になったところで、アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI、昭和電工株式会社製)2.35gを導入し、反応を開始した。6時間反応した後、室温まで冷却してMeOH10.0gを導入して反応を終了した。反応終了後、反応液にソルミックスAP−1を65mL加え、1300mLのソルミックスAP−1に注ぎ込んで反応物を析出させた。上澄みを除去し、減圧乾燥(40℃で3時間乾燥後、70℃で3時間乾燥)させて11.8gのアクリロイル基を有する重合体(d−1)を得た。得られた重合体のGPC分析により求めた重量平均分子量は32,800、であった。また、重合体(d−1)の1H−NMR測定より求めたアクリロイル基当量は6,900g/eqであった。
還流冷却器、温度計およびセプタムキャップを取り付けた内容積200mLの四つ口フラスコに、ヒドロキシル基を有する重合体前駆体を15.0g、MEHQを0.015g、DBTDLを0.0263g、酢酸エチルを130g導入し、窒素シールした。48℃に保ったオイルバスにセットし、昇温した。次いで液温が45℃になったところで、アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI、昭和電工株式会社製)2.35gを導入し、反応を開始した。6時間反応した後、室温まで冷却してMeOH10.0gを導入して反応を終了した。反応終了後、反応液にソルミックスAP−1を65mL加え、1300mLのソルミックスAP−1に注ぎ込んで反応物を析出させた。上澄みを除去し、減圧乾燥(40℃で3時間乾燥後、70℃で3時間乾燥)させて11.8gのアクリロイル基を有する重合体(d−1)を得た。得られた重合体のGPC分析により求めた重量平均分子量は32,800、であった。また、重合体(d−1)の1H−NMR測定より求めたアクリロイル基当量は6,900g/eqであった。
実施例1
(オレフィン系光学フィルムBの調製)
ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が82:18のエチレン−ノルボルネン共重合体(商品名:「TOPAS」 TOPAS Advanced Polymers社製)を、溶融押出法にて樹脂温度300℃、引取りロール温度130℃の条件で押出成形して、厚みが100μmのオレフィン系光学フィルムBを調製した。
(オレフィン系光学フィルムBの調製)
ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が82:18のエチレン−ノルボルネン共重合体(商品名:「TOPAS」 TOPAS Advanced Polymers社製)を、溶融押出法にて樹脂温度300℃、引取りロール温度130℃の条件で押出成形して、厚みが100μmのオレフィン系光学フィルムBを調製した。
[調製例1(塗料1の調製)]
合成例1により得られたポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)11.4g(固形分100%)、合成例2により得られたアクリロイル基を有する重合体(b−1)25.4g(固形分30重量%MEK溶液)、及び2−ブタノン(MEK)62.2gを遮光されたプラスチックボトルに導入し、攪拌・混合した。透明な溶液になったことを確認した後、光重合開始剤(c)(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.95gを添加し、さらに攪拌・混合することにより、塗料1を調製した。
合成例1により得られたポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)11.4g(固形分100%)、合成例2により得られたアクリロイル基を有する重合体(b−1)25.4g(固形分30重量%MEK溶液)、及び2−ブタノン(MEK)62.2gを遮光されたプラスチックボトルに導入し、攪拌・混合した。透明な溶液になったことを確認した後、光重合開始剤(c)(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.95gを添加し、さらに攪拌・混合することにより、塗料1を調製した。
[調製例2(塗料2の調製)]
合成例1により得られたポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)11.4g(固形分100%)、合成例2により得られたアクリロイル基を有する重合体(b−1)25.3g(固形分30重量%MEK溶液)、及び2−ブタノン(MEK)62.1gを遮光されたプラスチックボトルに導入し、攪拌・混合した。透明な溶液になったことを確認した後、光重合開始剤(c)(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.95g、及びフルオロシルセスキオキサン含有化合物(d−1)0.32g(固形分30重量%MEK溶液)を添加し、さらに攪拌・混合することにより、表面改質剤を含む塗料2を調製した。
合成例1により得られたポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)11.4g(固形分100%)、合成例2により得られたアクリロイル基を有する重合体(b−1)25.3g(固形分30重量%MEK溶液)、及び2−ブタノン(MEK)62.1gを遮光されたプラスチックボトルに導入し、攪拌・混合した。透明な溶液になったことを確認した後、光重合開始剤(c)(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.95g、及びフルオロシルセスキオキサン含有化合物(d−1)0.32g(固形分30重量%MEK溶液)を添加し、さらに攪拌・混合することにより、表面改質剤を含む塗料2を調製した。
[調製例3(塗料3の調製)]
合成例1により得られたポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)15.2g(固形分100%)、合成例2により得られたアクリロイル基を有する重合体(b−1)12.7g(固形分30重量%MEK溶液)、2−ブタノン(MEK)71.1gを遮光されたプラスチックボトルに導入し、攪拌・混合した。透明な溶液になったことを確認した後、光重合開始剤(c)(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.95gを添加し、さらに攪拌・混合することにより、塗料3を調製した。
合成例1により得られたポリカーボネート系ウレタンアクリレート(a−1)15.2g(固形分100%)、合成例2により得られたアクリロイル基を有する重合体(b−1)12.7g(固形分30重量%MEK溶液)、2−ブタノン(MEK)71.1gを遮光されたプラスチックボトルに導入し、攪拌・混合した。透明な溶液になったことを確認した後、光重合開始剤(c)(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.95gを添加し、さらに攪拌・混合することにより、塗料3を調製した。
<積層体の製造>
オレフィン系光学フィルムBの一方面に、上述のようにして調製した塗料1をワイヤーバーを用いて塗布した。塗料1が塗布されたオレフィン系光学フィルムBを80℃の乾燥器内に入れて2分間乾燥し、積算光量500mJ/cm2の条件で紫外線を照射し、オレフィン系光学フィルムBの一方面に厚みが5μmの硬化性樹脂層Aを形成した。
オレフィン系光学フィルムBの一方面に、上述のようにして調製した塗料1をワイヤーバーを用いて塗布した。塗料1が塗布されたオレフィン系光学フィルムBを80℃の乾燥器内に入れて2分間乾燥し、積算光量500mJ/cm2の条件で紫外線を照射し、オレフィン系光学フィルムBの一方面に厚みが5μmの硬化性樹脂層Aを形成した。
上記オレフィン系光学フィルムBの、硬化性樹脂層Aが形成された面とは反対側の面に、上述のようにして調製した塗料2をワイヤーバーを用いて塗布した。また、上記硬化性樹脂層Aを形成したのと同一の方法により、塗料2を硬化させて、厚みが5μmの硬化性樹脂層Cを形成して、積層体を調製した。
実施例2
オレフィン系光学フィルムBとして、厚みが100μmの、ノルボルネンのホモポリマーを含む熱可塑性環状オレフィン系フィルム(商品名:ZENORフィルム ZF16 日本ゼオン株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を調製した。
オレフィン系光学フィルムBとして、厚みが100μmの、ノルボルネンのホモポリマーを含む熱可塑性環状オレフィン系フィルム(商品名:ZENORフィルム ZF16 日本ゼオン株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を調製した。
実施例3
塗料1及び塗料2に代えて、塗料3を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を調製した。
塗料1及び塗料2に代えて、塗料3を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を調製した。
比較例1
硬化性樹脂層A及びCを設けず、オレフィン系光学フィルムB単体を比較例1とした。
硬化性樹脂層A及びCを設けず、オレフィン系光学フィルムB単体を比較例1とした。
比較例2
硬化性樹脂層A及び硬化性樹脂層Cを形成するための塗料として、アクリル系光硬化性樹脂(商品名:NAB001 日本ペイント株式会社製)を用い、硬化性樹脂層A及びCの厚みを3μmとした以外は実施例1と同様にして、積層体を調製した。
硬化性樹脂層A及び硬化性樹脂層Cを形成するための塗料として、アクリル系光硬化性樹脂(商品名:NAB001 日本ペイント株式会社製)を用い、硬化性樹脂層A及びCの厚みを3μmとした以外は実施例1と同様にして、積層体を調製した。
比較例3
オレフィン系光学フィルムBとして、厚みが100μmの、ノルボルネンのホモポリマーを含む熱可塑性環状オレフィン系フィルム(商品名:ZENORフィルム ZF16 日本ゼオン株式会社製)を用いた以外は比較例2と同様にして、積層体を調製した。
オレフィン系光学フィルムBとして、厚みが100μmの、ノルボルネンのホモポリマーを含む熱可塑性環状オレフィン系フィルム(商品名:ZENORフィルム ZF16 日本ゼオン株式会社製)を用いた以外は比較例2と同様にして、積層体を調製した。
上記実施例及び比較例について、以下の評価を行った。
(全光線透過率)
JIS−K7361−1に準拠した測定方法により、ヘイズメーターNDH5000(商品名 日本電色工業株式会社製)を用いて積層体の全光線透過率を測定した。
JIS−K7361−1に準拠した測定方法により、ヘイズメーターNDH5000(商品名 日本電色工業株式会社製)を用いて積層体の全光線透過率を測定した。
(ヘイズ)
JIS−K7136に準拠した測定方法により、ヘイズメーターNDH5000(日本電色工業株式会社製)を用いて積層体のヘイズを測定した。
JIS−K7136に準拠した測定方法により、ヘイズメーターNDH5000(日本電色工業株式会社製)を用いて積層体のヘイズを測定した。
(MIT耐折疲労試験における屈曲回数)
積層体を幅15mm×長さ110mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、JIS−P8115に準拠した測定方法により、MIT耐折疲労試験機D型(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、試験速度90cpm、折り曲げ角度90°、荷重0.25kgf、折り曲げクランプのR0.38mm、折り曲げクランプの開き0.25mmの測定条件により積層体のMIT耐折疲労試験における屈曲回数を測定した。
積層体を幅15mm×長さ110mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、JIS−P8115に準拠した測定方法により、MIT耐折疲労試験機D型(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、試験速度90cpm、折り曲げ角度90°、荷重0.25kgf、折り曲げクランプのR0.38mm、折り曲げクランプの開き0.25mmの測定条件により積層体のMIT耐折疲労試験における屈曲回数を測定した。
(引裂伝播強度)
積層体を幅50mm×長さ63.5mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、JIS P8116に準拠した測定方法により、軽荷重引裂試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて積層体の引裂伝播強度を測定した。測定は、サンプルを試験機にセットし、長さ方向に約10mmのノッチを入れてから行った。
積層体を幅50mm×長さ63.5mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、JIS P8116に準拠した測定方法により、軽荷重引裂試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて積層体の引裂伝播強度を測定した。測定は、サンプルを試験機にセットし、長さ方向に約10mmのノッチを入れてから行った。
(ループ破断強度)
積層体を幅25mm×長さ200mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、剥離強度測定機(商品名:トライボギアHEIDON17 新東科学株式会社製)を用いて積層体のループ破断強度を測定した。測定は、図2に示す方法で、以下の手順により行った。図2はループ破断強度の測定方法を示す断面模式図である。先ず、図2に示すように、試験片10を長さ方向に折り返して長さ方向の端部11,11を重ね、折り返し部分12をループ形状とした。重ねた端部11,11をロール間隙1mmのロール13,13間に通し、引張速度200mm/minで重ねた端部11,11を引張り、ループ形状12の部位がロール間隙を通過する際の引張強度を測定し、積層体のループ強度とした。なお、ループ破断強度は、高い程積層体の破断が抑制されていることを示しており、3.0N/25mm以上であると、製造工程での積層体の破断が十分に抑制される。
積層体を幅25mm×長さ200mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、剥離強度測定機(商品名:トライボギアHEIDON17 新東科学株式会社製)を用いて積層体のループ破断強度を測定した。測定は、図2に示す方法で、以下の手順により行った。図2はループ破断強度の測定方法を示す断面模式図である。先ず、図2に示すように、試験片10を長さ方向に折り返して長さ方向の端部11,11を重ね、折り返し部分12をループ形状とした。重ねた端部11,11をロール間隙1mmのロール13,13間に通し、引張速度200mm/minで重ねた端部11,11を引張り、ループ形状12の部位がロール間隙を通過する際の引張強度を測定し、積層体のループ強度とした。なお、ループ破断強度は、高い程積層体の破断が抑制されていることを示しており、3.0N/25mm以上であると、製造工程での積層体の破断が十分に抑制される。
(摩擦係数)
ASTM−D−1894に準拠した測定方法により、表面性測定機(商品名:トライボギアHEIDON14FW 新東科学株式会社製)を用いて平板圧子63.5×63.5mm、荷重200gf、表面圧力0.49kPa、速度5.0mm/sec、移動距離50mmの条件で測定した。具体的には、試験片を移動テーブルに固定し、平面圧子板(アルミ製)を滑らせたときの試験力(荷重)を計測し、下記式に基づいて摩擦係数を算出した。
[静摩擦係数(μs)]=[ピーク試験力(gf)]/[荷重(gf)]
[動摩擦係数(μk)]=[平均試験力(gf)]/[荷重(gf)]
ASTM−D−1894に準拠した測定方法により、表面性測定機(商品名:トライボギアHEIDON14FW 新東科学株式会社製)を用いて平板圧子63.5×63.5mm、荷重200gf、表面圧力0.49kPa、速度5.0mm/sec、移動距離50mmの条件で測定した。具体的には、試験片を移動テーブルに固定し、平面圧子板(アルミ製)を滑らせたときの試験力(荷重)を計測し、下記式に基づいて摩擦係数を算出した。
[静摩擦係数(μs)]=[ピーク試験力(gf)]/[荷重(gf)]
[動摩擦係数(μk)]=[平均試験力(gf)]/[荷重(gf)]
(剥離力)
積層体を幅50mm×長さ180mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、オートグラフAG−500NX(株式会社島津製作所製)により積層体の剥離力を測定した。具体的には、試験片を2枚重ね合わせ、2kgのゴムロールで5往復し圧着させた。圧着した試験片を端部から剥がしオートグラフに装着して、引張速度200mm/min、荷重レンジ500mN、計測位置30−100mm、チャック間7.5cmの測定条件で引張強度を測定し、平均値を剥離力とした。
積層体を幅50mm×長さ180mmの大きさにサンプリングし、試験片とした。この試験片を用いて、オートグラフAG−500NX(株式会社島津製作所製)により積層体の剥離力を測定した。具体的には、試験片を2枚重ね合わせ、2kgのゴムロールで5往復し圧着させた。圧着した試験片を端部から剥がしオートグラフに装着して、引張速度200mm/min、荷重レンジ500mN、計測位置30−100mm、チャック間7.5cmの測定条件で引張強度を測定し、平均値を剥離力とした。
測定結果を表1に示す。なお、表1の各評価の数値は、5サンプルについて測定した測定値の平均値である。
表1の結果から明らかな通り、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層されており、上記硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有しており、積層体のJIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上である実施例1〜3の積層体は、全光線透過率が高く、ヘイズが低くなっており、光学特性に優れていた。また、実施例1〜3の積層体は、ループ破断強度が高くなっており、製造工程での破断が抑制されていることが分かった。
更に、実施例1及び2の積層体は、硬化性樹脂層A及びCが表面改質剤を含んでいるため、摩擦係数及び剥離力が低くなっており、積層体をロール状に巻き取った際のアンチブロッキング性にも優れるため、製造工程での破断がより抑制されることが分かった。
これに対し、比較例1はオレフィン系光学フィルムBを単層で用いており、また、比較例2及び3の積層体は、硬化性樹脂層A及びCが(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有しておらず、上記MIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回未満であり、且つ、上記引裂伝播強度が110mN未満であるので、ループ破断強度が低くなっており、製造工程での破断が抑制されていないことが分かった。
1…積層体、2…硬化性樹脂層A、3…オレフィン系光学フィルムB、4…硬化性樹脂層C、10…試験片、11…試験片の長さ方向の端部、12…折り返し部分、13…ロール
Claims (8)
- 少なくとも、硬化性樹脂層A、オレフィン系光学フィルムB、及び硬化性樹脂層Cがこの順に積層された積層体であって、
前記硬化性樹脂層Aは、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有し、
前記積層体は、JIS P8115に準拠したMIT耐折疲労試験における屈曲回数が15回以上であり、且つ、JIS P8116に準拠した測定方法により測定した引裂伝播強度が110mN以上である、
ことを特徴とする積層体。 - 前記硬化性樹脂層Aが、更に、(b)主鎖にウレタン骨格を有しない、3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートを含有する、請求項1に記載の積層体。
- 前記硬化性樹脂層Cが、(a)ウレタン骨格と、2官能以上の(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンアクリレートを含有する、請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記硬化性樹脂層Cが、更に、(b)主鎖にウレタン骨格を有しない、3官能以上の重合性官能基を有する多官能アクリレートを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記硬化性樹脂層A、及び前記硬化性樹脂層Cから選択される少なくとも一層が、表面改質剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記表面改質剤は、フッ素修飾されたケイ素化合物である、請求項5に記載の積層体。
- 前記フッ素修飾されたケイ素化合物が、フルオロシルセスキオキサン化合物、又は、フルオロシルセスキオキサンを含む重合体である、請求項6に記載の積層体。
- 前記オレフィン系光学フィルムBは、環状オレフィンポリマーを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
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