本発明の第1の実施の形態のヘアーアイロンは、第1の毛髪挟持面と略円弧状の第1の外周部とを有する第1の毛髪巻付部と、前記第1の毛髪挟持面に対向する第2の毛髪挟持面と略円弧状の第2の外周部とを有する第2の毛髪巻付部と、前記第1の毛髪挟持面と前記第2の毛髪挟持面との距離が相対的に変化するように前記第1の毛髪巻付部と前記第2の毛髪巻付部とを相対移動させる操作部と、を備え、対向する前記第1の毛髪挟持面と前記第2の毛髪挟持面との間に毛髪を狭持することで使用者の毛髪をストレート状またはカール状に施術するヘアーアイロンであって、前記第1の毛髪巻付部と前記第2の毛髪巻付部とを閉じた状態において、前記第1の毛髪挟持面と前記第2の毛髪挟持面との間に所定の間隔を有するように構成されているものである。
これによって、ストレート施術の際や、対向する第1の毛髪挟持面と第2の毛髪狭持面との間に毛髪を挟み込んだ状態から毛髪巻付部に毛髪を巻き付けて当該ヘアーアイロンを毛先に向かって滑らす、滑らし施術にて行なうカール施術時において、使用時の毛髪を滑らす際に、毛先が一対の毛髪狭時面に挟まれ、毛切れや痛みを感じてしまうことを抑制することができる。
また、隙間が大き過ぎることで毛先が抜け易くなり、毛先にカールが付かなくなるという問題を抑制することや、毛先まできれいにストレート施術ができないという問題を抑制することができる。
したがって、使い勝手のよりよいヘアーアイロンを提供することができる。
本発明の第2の実施の形態のヘアーアイロンは、前記第1の毛髪巻付部と前記第2の毛髪巻付部とを閉じた状態において、前記第1の毛髪挟持面と前記第2の毛髪挟持面との間に所定の間隔を有するように前記第1の毛髪巻付部と前記第2の毛髪巻付部とが閉じる方向への相対移動を規制する規制部が形成されている。
これによって、規制部を設けるという簡単な方法により第1の毛髪挟持面と第2の毛髪挟持面との間に所定の間隔を有する構成とすることができる。
本発明の第3の実施の形態のヘアーアイロンは、前記規制部が、前記第1の毛髪巻付部および前記第2の毛髪巻付部のうち少なくともいずれか一方から他方側に突出する規制リブである。
これによって、より簡素な構成で第1の毛髪挟持面と第2の毛髪挟持面との間に所定の間隔を形成することができる。
本発明の第4の実施の形態のヘアーアイロンは、前記第1の毛髪巻付部および前記第2の毛髪巻付部のうち少なくともいずれか一方に、前記所定の間隔を調整する調整機構が形成されている。
これによって、施術時に毛髪を滑らす際に適正な押圧力に調整をかけることができるようになり、太さ、毛量、キューティクルのダメージといった使用者個々の毛髪状態のバラツキに対し、使用者個々が自身の毛髪の状態に合わせ、隙間を自由に調整することできるようになる。
そのため、バラツキ要素の影響を抑制することができるようになって、ストレート、カール両施術をよりスムーズに行うことができるようになる。その結果、使い勝手のよりよいヘアーアイロンを提供することができるようになる。
本発明の第5の実施の形態のヘアーアイロンは、前記調整機構が前記規制部を兼ねている。
これによって、ヘアーアイロンの構成の簡素化を図ることができるようになる。
本発明の第6の実施の形態のヘアーアイロンは、前記調整機構は、前記第1の毛髪挟持面および前記第2の毛髪挟持面の長手方向の少なくとも一方に設けられている。
これによって、部品や組立バラツキによって第1の毛髪挟持面と第2の毛髪挟持面との間の隙間にバラツキが発生した場合であっても、所定の隙間量を確保することができる。その結果、対向する毛髪狭持面間の距離を所定の状態に安定的に確保することが可能となり、ストレート施術時および、毛髪を挟んで滑らす滑らしカール施術の際に、毛髪に必要以上の押圧力がかからないようにすることができる。
したがって、毛髪への必要以上の過度テンションを抑制することができ、毛髪へのダメージを抑制できることのみならず、毛先が毛髪狭時面に挟まれ、毛切れや痛みを感じることを低減することが可能となり、ストレート、カール両施術において、使用者がスムーズに操作を行うことができるようになる。その結果、使い勝手のよりよいヘアーアイロンを提供することができるようになる。
本発明の第7の実施の形態のヘアーアイロンは、前記第1の毛髪挟持面および前記第2の毛髪挟持面が平坦部を有する。
これによって、第1の毛髪挟持面と第2の毛髪挟持面との間の一部に毛髪が偏ってしまうのを抑制することができ、毛髪をより均等に挟持させることができるようになる。
本発明の第8の実施の形態のヘアーアイロンは、前記第1の毛髪挟持面の全面と前記第2の毛髪挟持面の全面との間に前記所定の間隔が形成されている。
これによって、第1の毛髪挟持面と第2の毛髪挟持面との間に挟持された毛髪の一部に必要以上の過度テンションがかかってしまうのを抑制することができ、挟持された毛髪の全域により適正なテンションをかけることができるようになる。
本発明の第9の実施の形態のヘアーアイロンは、前記第1の毛髪巻付部および前記第2の毛髪巻付部は、前記第1の毛髪挟持面および前記第2の毛髪挟持面の短手方向の両端に、前記第1の毛髪挟持面および前記第2の毛髪挟持面の長手方向に沿って配設されるとともに、前記第1の毛髪挟持面および前記第2の毛髪挟持面の長手方向に沿って視た断面がR形状に形成された第1の毛髪狭持部および第2の毛髪挟持部をそれぞれ備え、前記第1の毛髪狭持部および前記第2の毛髪挟持部のR形状は、前記第1の毛髪挟持面および前記第2の毛髪挟持面の長手方向の一方から他方にかけて曲率が変化するように形成されている。
これによって、滑らし施術の際に発生する、施術毛髪の、根元付近から毛先先端にかけての毛量変化や、ヘアースタイルによる毛量や使用者の毛髪性状変化に対して起こりうる滑らしカール時の毛髪狭持部における毛髪滑り抵抗変化に対して、それぞれの変化に応じて便宜に滑り抵抗低減効果を与えることができる。
また、カールを強くつけるために必要な毛髪狭持部における滑り抵抗に関しては、曲率を変化させることで、一対の毛髪狭持部に毛髪を巻きつけた際に、毛先と根元の毛量の違いによるカーリング時の滑り抵抗を変えることができる。その結果、毛髪狭持部での毛髪のしごき、および滑らしがより容易になり、カール施術をよりスムーズに行うことができるようになる。
本発明の第10の実施の形態のヘアーアイロンは、前記第1の毛髪狭持部のR形状は、前記長手方向において前記第1の毛髪巻付部の先端側から根元側に向けて曲率が大きくなるように形成されており、前記第2の毛髪狭持部のR形状は、前記長手方向において前記第2の毛髪巻付部の先端側から根元側に向けて曲率が大きくなるように形成されている。
これによって、主に毛先が保持される第1および第2の毛髪巻付部の根元側の曲率が大きくなるため、毛先の保持力を上げることができ、毛先までカールを付け易くすることができる。
本発明の第11の実施の形態のヘアーアイロンは、前記第1の毛髪巻付部および前記第2の毛髪巻付部のうち少なくともいずれか一方には、当該毛髪巻付部の毛髪狭持面の短手方向の両端をそれぞれフロート可能とするフロート機構が形成されている。
これによって、第1および第2の毛髪狭持面の間に毛髪を挟み保持力をかける際に、荷重の一点集中を避けることができるため、毛髪の突っ掛かりや髪切れを抑制することができるとともに、施術のバラツキを軽減することができる。その結果、毛髪の滑らしが容易になり、ストレート、カール両施術をよりスムーズに行うことができるようになる。
このように、ヘアーアイロンの構成を本発明の各実施の形態のようにすれば、操作部を操作して離間させた状態で第1および第2の毛髪狭時面の間に毛髪を挟んで狭持することが可能なヘアーアイロンであって、略円形形状の外周面を有する第1および第2の毛髪巻付部を備えるヘアーアイロンを用いて、毛髪へのカール施術をよりスムーズに行うことができるようになる。
本発明の第12の実施の形態のヘアーアイロンの使用方法は、把持部の端部に連設された一対の毛髪巻付部を有し、前記一対の毛髪巻付部は、互いに対向する一対の毛髪狭持面を持つ外周部が略円形形状に形成されており、前記一対の毛髪巻付部を相対移動させる操作部を備えるヘアーアイロンの使用方法であって、使用者が前記把持部を把持する把持ステップと、前記使用者が前記操作部を操作して一対の毛髪狭持面を離間させる離間ステップと、離間した前記一対の毛髪挟持面の間に毛髪を介在させる毛髪介在ステップと、対向する前記一対の毛髪挟持面の間に毛髪を狭持させる毛髪挟持ステップと、毛髪を前記一対の毛髪挟持面の間に狭持させた状態で、挟持された部位以外の毛髪を前記一対の毛髪巻付部の外周部に螺旋状に巻き付ける毛髪巻付ステップと、毛髪を前記一対の毛髪挟持面の間に狭持しつつ前記外周部に巻き付けた状態で、毛髪が前記一対の毛髪挟持面の間および前記外周部を滑るように、前記ヘアーアイロンを毛髪の先端側に引き下ろすことで、毛髪にカール状の施術を施す引き下ろしステップと、を備える。
これによって、より簡単な操作によって、使用者の毛髪をより確実にカール形状に施術することができる。
本発明の第13の実施の形態のヘアーアイロンの使用方法は、前記一対の毛髪巻付部の先端側には、前記使用者がつまむことで前記一対の毛髪巻付部の離間を規制するつまみ部が形成されており、前記引き下ろしステップにおいて、前記使用者が前記つまみ部をつまんだ状態で前記ヘアーアイロンを毛髪の先端側に引き下ろすものである。
これによって、より一層確実に、使用者の毛髪をカール形状に施術することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細を説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
また、以下の説明では、第1の毛髪狭持面と第2の毛髪狭持面とを近づける(第1の毛髪巻付部と第2の毛髪巻付部とを閉じる)とともに、第2の毛髪狭持面が上を向いた状態におけるヘアーアイロンを基準として上下方向を規定する。また、ヘアーアイロンの毛髪巻付部側を前方、把持部側を後方として説明する。
さらに、上記基準における前後方向(第1および第2の毛髪挟持面の長手方向)をX方向、幅方向(第1および第2の毛髪挟持面の短手方向)をY方向、上下方向(上記基準における第1および第2の毛髪巻付部の厚さ方向)をZ方向として説明する。
また、以下の複数の実施の形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図1〜図9は、本発明の実施の形態1にかかるヘアーアイロン10の構成を示すものである。
本実施の形態1にかかるヘアーアイロン10は、図1に示すように、把持部20を備えており、当該把持部20のX方向一端側(前端側)に、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40が連結されている。
さらに、第1の毛髪巻付部30の根元側(X方向後端側)を第2の毛髪巻付部40の根元側(X方向後端側)に相対回動可能に連結することで、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とが回動連結部13を介して拡開可能に連結されている(図6参照)。
そして、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを回動連結部13を介して相対回動させることで、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40を開閉させる(互いに近づけたり遠ざけたりする)ことができるようになっている。
第1の毛髪巻付部30は、略平坦状の第1の毛髪挟持面36aと略円弧状(略半円弧状)の第1の外周部38とを有している。一方、第2の毛髪巻付部40は、第1の毛髪挟持面36aに対向する略平坦状の第2の毛髪挟持面46aと略円弧状(略半円弧状)の第2の外周部48とを有している。この第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとは、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40を閉じるように回動させた際に互いに略平行状態で対向するように形成されている。
したがって、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを回動連結部13を介して相対回動させ、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40を開閉させる(互いに近づけたり遠ざけたりする)ことで、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40との相対回動に伴って、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとが互いに近づいたり遠ざかったりすることとなる。
本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40は、互いに閉じた状態で、外周面の横断面形状(X方向に垂直な断面形状)が略円形形状となるように形成されている。なお、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40の外周面の横断面形状は円形形状に限らず、例えば、外周面の横断面形状を楕円形状とすることも可能である。
さらに、第1の毛髪巻付部30の根元側(X方向後端側)には、上方かつ後方に延在する操作部50が形成されており、この操作部50を使用者等が操作することで、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの距離が相対的に変化するように第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを相対移動(相対回動)させることができるようになっている。
このように、本実施の形態1にかかるヘアーアイロン10の第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40は、略円柱形状の毛髪巻付部を二分割した形状をしている。
そして、ヘアーアイロン10は、一対の毛髪巻付部(第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40)を離間させる操作部50を後方に備えており、操作部50を使用者等が握ることで一対の毛髪巻付部が離間し、離間した一対の毛髪巻付部の毛髪狭時面の間に毛髪を入れ、操作部50を戻すことで毛髪を狭持できる構造となっている。
把持部20は、外壁をなすケース21を備えており、ケース21は、複数の分割体(例えば、上部ケース21aおよび下部ケース21b等)を継ぎ合わせて構成されている。そして、ケース21の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、例えば、制御装置70等の各種電気部品が収容されている。なお、把持部20の上部ケース21aの上側面には、化粧プレート21cが嵌め込まれている。
また、把持部20の側部には、図1および図2に示すように、操作スイッチ(スイッチ)60が前後方向にスライド可能に設けられており、この操作スイッチ60を操作することで、後述するヒータ37およびヒータ47に対する通電のオン・オフ状態を切り換えることができるようになっている。なお、操作スイッチ60は、スライド部61と突部62とで構成されている。
そして、この操作スイッチ60の操作によってヒータ37およびヒータ47を通電させると当該ヒータ37およびヒータ47が発熱し、発熱したヒータ37およびヒータ47から第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aにそれぞれ熱が伝達されることで、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aが加熱される。
把持部20は、横断面形状が円弧状の外周面を有しており、全体として円柱に類似する形状に形成されている。ただし、把持部20の外形は、円柱形状に類似する形状に限定されるものではなく、使用者が握ることができる形状であれば、いかなる形状であってもよい。
また、ヘアーアイロン10の後端部10a(把持部20の後端)からは、回転コネクタ11を介して電源コード12が取り付けられており、電源コード12はリード線71を介して制御装置70に電気的に接続されている(図3および図7参照)。
第1の毛髪巻付部30は、第1の毛髪挟持面36aを有するとともに、毛髪が巻き付けられる第1の外周部38を有する本体部31と、当該本体部31を把持部20に連設する固定部32と、先端につまみ部33pが形成されたキャップ部33と、を備えている。
本体部31は、外壁をなすケース34を備えており、このケース34は、複数の分割体(例えば、上部ケース34aおよび下部ケース34b等))を継ぎ合わせて構成されている。
そして、ケース34の上部ケース34aの外面が、毛髪が巻き付けられる第1の外周部38となっている。
固定部32は、本体部31の後端に連設されており、この固定部32に操作部50が連設されている。
キャップ部33は、本体部31の前端に連設されており、このキャップ部33の先端には、下方に湾曲する凹面状のつまみ部33pが形成されている。本実施の形態1では、つまみ部33pに突部33rが形成されており、この突部33rは、つまみ部33pをつまむ際に、滑り止めとして機能するものである。また、突部33rは、ヒータ37からつまみ部33pに伝わる熱を放熱する機能も有している。
一方、第2の毛髪巻付部40は、第2の毛髪挟持面46aを有するとともに、毛髪が巻き付けられる第2の外周部48を有する本体部41と、当該本体部41を把持部20に連設する固定部42と、先端につまみ部43pが形成されたキャップ部43と、を備えている。
本体部41は、外壁をなすケース44を備えており、このケース44は、複数の分割体(例えば、上部ケース44aおよび下部ケース44b等))を継ぎ合わせて構成されている。
そして、ケース44の下部ケース44bの外面が、毛髪が巻き付けられる第2の外周部48となっている。
固定部42は、本体部41の後端に連設されており、この固定部42には、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40との閉じる方向への相対回動を規制する規制リブ(規制部)42cが形成されている。
キャップ部43は、本体部41の前端に連設されており、このキャップ部43の先端には、上方に湾曲する凹面状のつまみ部43pが形成されている。本実施の形態1では、つまみ部43pにも突部43rが形成されており、この突部43rも、つまみ部43pをつまむ際に、滑り止めとして機能している。また、突部43rも、ヒータ47からつまみ部43pに伝わる熱を放熱する機能を有している。
操作部50は、固定部32にネジにて締結された本体部51と、操作部50および第1の毛髪巻付部30を第2の毛髪巻付部40側に付勢するばね52と、を備えている。なお、固定部32と本体部51との締結方法は、ネジに限らず圧入やコーキング、カシメ等で行うようにしてもよい。
また、本実施の形態1では、ばね52としてねじりばねを用いており、ねじりばねは、一端52bが本体部51の内側(図3の下側)に突出するように形成した突部51bに連結されるとともに、他端52dが固定部42の上端から上方に突出するように形成した突部51bに連結されている。
このとき、操作部50および第1の毛髪巻付部30は、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを閉じる方向に付勢されるようにしている。
さらに、操作部50は、金属ピン54を軸に回動可能に形成された規制板53を備えており、この規制板53を固定部42に形成された回転ストッパリブ42a、42bにそれぞれ当接させることで、操作部50および当接部50と連動して第2の毛髪巻付部40に対して相対的に回動する第1の毛髪巻付部30の回動を規制している。
なお、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30が第2の毛髪巻付部40に対して所定角度(24度)以上に開いてしまわないように設定している。
また、規制板53と回転ストッパリブ42a、規制板53と回転ストッパリブ42bとをそれぞれ面接触させることで、第1の毛髪巻付部30の第2の毛髪巻付部40に対する相対回動を規制するようにしている。
上述したように、操作部50は、ばね52によって付勢されている。したがって、使用者は、ばね52の弾性力に反発しながら操作部50を操作することにより、第1の毛髪巻付部30を第2の毛髪巻付部40から離れるように移動させることができる。
また、使用者が操作部50を離すと、ばね52の復元力により、第1の毛髪巻付部30が第2の毛髪巻付部40に近づくように移動する。したがって、使用者は、操作部50を操作することにより、第1の毛髪巻付部30を第2の毛髪巻付部40から離したり、第2の毛髪巻付部40に近づけたりすることができる。
そして、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40に形成された第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとで毛髪を挟み込み、ヒータ37およびヒータ47で発生させた熱を第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aを介して毛髪に加えることで、毛髪にカール状やストレート状の癖付けを施している。
例えば、毛髪へのカール状の癖付けは、以下のようにして行われる。
まず、加熱した第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aを互いに対向させ、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの幅方向(Y方向:短手方向)に延在するように毛髪を配置した状態で、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとで毛髪を挟み込む。
次に、毛髪を挟み込んだ状態でヘアーアイロン10を回転させて、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとで挟み込まれていない毛髪を第1の外周部38および第2の外周部48のうち少なくともいずれか一方に螺旋状に巻き付ける。
そして、毛髪を第1の外周部38および第2の外周部48のうち少なくともいずれか一方に押し当てた状態で、ヘアーアイロン10を、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで、毛髪にカール状の癖付けが施される。
なお、毛髪へのストレート状の癖付けは、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとで毛髪を挟み込んだヘアーアイロン10を回転させずに、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで行われる。
このように、本実施の形態1にかかるヘアーアイロン10は、毛髪に熱による癖付けを施すことで整髪を行うものである。
上述したように、本体部31および本体部41は、外壁をなすケース34およびケース44を備えており、これらケース34およびケース44は、複数の分割体を継ぎ合わせて構成されている。
本実施形態では、図7に示すように、下方に開口した上部ケース34aの下端に設けた溝部に、上方に開口した下部ケース34bの上端に設けた突部を嵌合させ、溶着や接着等により上部ケース34aおよび下部ケース34bを一体化させることで、内部に空洞が形成されたケース34を形成している。
また、図7に示すように、上方に開口した下部ケース44bの上端側部に設けた溝部に、下方に開口した上部ケース44aの下端側部に設けた突部を嵌合させ、溶着や接着、またはネジ等により上部ケース44aおよび下部ケース44bを一体化させることで、内部に空洞が形成されたケース44を形成している。
また、本実施形態では、ケース34およびケース44に、第1の毛髪挟持面36aを有する毛髪挟持部材35および第2の毛髪挟持面46aを有する毛髪挟持部材45を支持させることで、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40を形成している。
具体的には、毛髪挟持部材35および毛髪挟持部材45は、略板状のプレート部36およびプレート部46を備えており、このプレート部36およびプレート部46の表面に、略平坦状の第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aが形成されている。本実施形態では、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aは、図1に示すように、平面視で、ケース34およびケース44の長手方向に細長い略長方形状に形成されている。
さらに、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの幅方向両端には、幅方向断面視で、斜め外側に向けて凸となる湾曲面(毛髪挟持面側湾曲面)36dおよび湾曲面(毛髪挟持面側湾曲面)46dがそれぞれ形成されている。すなわち、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aは、幅方向中央部の平坦面(平坦部)36b,46bと、当該平坦面36b,46bの幅方向両端に形成される湾曲面36d,46dとで構成されている。
さらに、プレート部36およびプレート部46は、幅方向両端部が、ケース34およびケース44の内側に向けて屈曲しており、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの幅方向両端には、図7に示すように、幅方向断面視で、斜め外側に向けて凸となる第1の毛髪挟持部39および第2の毛髪挟持部49がそれぞれ形成されている。
そして、プレート部36およびプレート部46のケース34およびケース44の内側には、ヒータ37およびヒータ47を収容する収容部S1および収容部S2が形成されており、収容部S1および収容部S2に収容したヒータ37およびヒータ47が、それぞれプレート部36およびプレート部46の裏面に当接するようにしている。
このプレート部36およびプレート部46は、例えば、銅やアルミニウムなど導電性の高い材料で形成し、毛髪に熱を伝えやすくするのが好ましい。
本実施の形態1では、第1の毛髪狭持面36aおよび第2の毛髪狭持面46aに、発熱部としてニクロム線ヒータが配設されており、プレート部36およびプレート部46を瞬時に加熱することができる。なお、本実施の形態1では、ヒータとしてニクロム線ヒータを用いたものを例示したが、これに限らず、PTCヒータ(Positive Temperature Coefficient ヒータ)やその他の加熱手段を用いるようにしてもよい。また、ヒータは、第1の毛髪狭持面36aおよび第2の毛髪狭持面46aのいずれか一方のみに設けられるようにしてもよい。また、本実施の形態1のように、ニクロム線ヒータを用いることで、使用者のカールあるいはストレート施術の際に必要な熱量を十分に確保することが可能となる。
そして、把持部20には、操作スイッチ60が設けられており、この操作スイッチ60を操作することで、ヒータ37およびヒータ47に対する通電のオン・オフを切り換えることができるようになっている。この操作スイッチ60の操作によってヒータ37およびヒータ47を通電させると当該ヒータ37およびヒータ47が発熱し、この発熱したヒータ37およびヒータ47からプレート部36およびプレート部46に熱が伝達されることで、プレート部36およびプレート部46が加熱される。
さらに、本実施形態では、図3に示すように、ヒータ37にサーミスタ73が取り付けられており、ヒータ37の温度変化に伴って変化するサーミスタ73の抵抗値を利用して、ヒータ37およびヒータ47の温度を制御している。なお、符号72はヒューズであり、このヒューズ72を設けることで、制御装置70の破損等により第1の毛髪挟持面36aや第2の毛髪挟持面46aの温度が所定の温度を超えてしまった場合に、ヒータ37およびヒータ47への通電が遮断されるようにしている。
ここで、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを閉じた状態において、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に所定の間隔dを有するようにヘアーアイロン10を構成した。
具体的には、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを閉じた状態において、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に所定の間隔dを有するように第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とが閉じる方向への相対移動を規制する規制リブ(規制部)42cを形成した。
規制リブ(規制部)42cは、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40のうち少なくともいずれか一方である第2の毛髪巻付部40から第1の毛髪巻付部30(他方側)に突出するように形成されている。
さらに、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30(第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40のうち少なくともいずれか一方)に、所定の間隔dを調整する調整機構33aを形成している。
この調整機構33aは、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向の少なくとも一方である先端側(前側)に設けられている。
この調整機構33aは、フロート部材33bと、フロート部材33bを付勢するばね33cと、フロート部材33bの突部33fの突出量の上限を規定する蓋部33dと、を備えている。
そして、この調整機構33aは、ケース33kに取り付けられている。
フロート部材33bは、蓋部33dに形成された挿通孔33jから外部に突出する突部33fと、挿通孔33jの周縁部に当接して突部33fの突出量を規制する段差部33gと、内部にばね受け部33iが形成された筒部33hと、を備えている。
そして、ばね受け部33iとケース33kに形成されたばね受け部33mとの間にばね33cを介在させることで、フロート部材33bを付勢させている。
なお、蓋部33dは、ネジ33eをケース33kに形成された筒状リブ33nの内面に螺合させることで、ケース33kに取り付けられている。
かかる構成の調整機構33aを設けることで、間隔dの量を調整することができるようになる。
さらに、本実施形態では、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとを最も近づけた状態(突部33fの突出量が最小になった状態)においても、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に所定の間隔dが形成されるようにしている。このように、本実施の形態1にかかる調整機構33aは、規制部も兼ねている。
また、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aは、平坦部36b,46bを有している。
そして、第1の毛髪挟持面36aの全面と第2の毛髪挟持面46aの全面との間に所定の間隔dが形成されている。すなわち、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとを最も近づけた状態においても、第1の毛髪挟持面36aの全面と第2の毛髪挟持面46aの全面との間に所定の間隔dが形成されるようにしている。
また、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40は、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの短手方向(Y方向)の両端に、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向(Y方向)に沿って配設されるとともに、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向に沿って視た断面がR形状に形成された第1の毛髪狭持部39および第2の毛髪挟持部49をそれぞれ備えている。
そして、第1の毛髪狭持部39および第2の毛髪挟持部49のR形状は、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向の一方から他方にかけて曲率が変化するように形成されている。
具体的には、第1の毛髪狭持部39のR形状は、長手方向において第1の毛髪巻付部30の先端側から根元側に向けて曲率が大きくなるように形成されており、第2の毛髪狭持部49のR形状は、長手方向において第2の毛髪巻付部40の先端側から根元側に向けて曲率が大きくなるように形成されている。
さらに、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40のうち少なくともいずれか一方には、当該毛髪巻付部30,40の毛髪狭持面36a,46aの短手方向の両端をそれぞれフロート可能とするフロート機構(フロートばね35a,45a)が形成されている。
具体的には、毛髪挟持部材35および毛髪挟持部材45を、それぞれ2個のフロートばね35a,45aにて支持することで、毛髪狭持面36a,46aを各々の毛髪狭持部に対して上下移動できるようにしている。
このとき、フロートばね35a,45aは、毛髪挟持部材35および毛髪挟持部材45の長手方向両端にそれぞれ設けられている。そして、それぞれのフロートばね35a,45aは、幅方向中央部で毛髪挟持部材35および毛髪挟持部材45を支えるようにしている。
そのため。第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向に沿って視た際に、毛髪狭持面36a,46aの短手方向両端がいずれか一方が上方に、他方が下方に移動するように毛髪狭持面36a,46aフロートさせることもできるようになる。
このように、毛髪挟持部材35および毛髪挟持部材45をそれぞれケース34およびケース44に上下フロート可能かつ回動可能に支持することで、第1の毛髪狭持面36aと第2の毛髪狭持面46aとの間に挟み込まれた毛髪に過度の負担がかかってしまうのを抑制し、毛髪へのダメージを抑制することができるようになる。
なお、フロートばね35a,45aの位置や配置個数は、便宜設定することが可能である。また、毛髪狭持面の上下方向の移動可能範囲は、0〜3mm程度となるように設定するのが好ましい。
移動量が3mm以上となると、挟み込んだ毛髪にかかる荷重や引きおろす際に生じる摩擦力が増大してしまい、ヘアーアイロンを毛髪に沿ってスムーズに滑らすことが難しくなってしまうからである。
これにより、毛髪狭持面に毛髪を挟み込み、押圧力を毛髪にかける際に、荷重の一点集中を避け、毛髪の突っかかりや毛切れを防ぐとともに、施術における毛髪ダメージや、施術滑らし荷重のばらつきを低減することが可能となる。その結果、毛髪のすべらし、使い勝手が良好になり、ストレート、カール両施術をスムーズに行うことができるようになる。
次に、かかる構成のヘアーアイロン10を用いて、毛髪にカール状の癖付けを施す際の作用を説明する。
まず、使用者によってヘアーアイロン10の把持部20を把持する(把持ステップ)。
次に、使用者が操作部50を操作して一対の毛髪狭持面36a,46aを離間させる(離間ステップ)。
次に、離間した一対の毛髪挟持面36a,46aの間に毛髪を介在させる(毛髪介在ステップ)。
次に、対向する一対の毛髪挟持面36a,46aで毛髪を狭持させる(毛髪挟持ステップ)。
次に、毛髪を一対の毛髪挟持面36a,46aの間に狭持させた状態で、ヘアーアイロン10を回転(好ましくは半回転以上、より好ましくは1回転以上)させて、挟持された部位以外の毛髪を一対の毛髪巻付部30,40の外周部(第1の外周部38または第2の外周部48)に螺旋状に巻き付ける(毛髪巻付ステップ)。
次に、毛髪を一対の毛髪挟持面36a,46aの間に狭持しつつ外周部に巻き付けた状態で、毛髪が一対の毛髪挟持面36a,46aの間および外周部を滑るように、ヘアーアイロン10を毛髪の先端側に引き下ろすことで、毛髪にカール状の施術を施す(引き下ろしステップ)。
こうして、毛髪にカール状の癖付けが施される。
なお、上記の引き下ろしステップにおいて、使用者がつまみ部33p、43pをつまんだ状態でヘアーアイロン10を毛髪の先端側に引き下ろすようにしてもよい。
上記の引き下ろしステップにおいては、ヘアーアイロン10を水平面に対して所定の角度(例えば10度)となるようにした状態で下側に平行移動させるようにして引き下ろすのが好ましいが、他の方法(平行移動以外の方法)で引き下ろすようにしてもよい。
ここで、本実施の形態1では、毛髪を第1の毛髪狭持面36aおよび第2の毛髪狭持面46aで挟み込むとともに外周部(第1の外周部38や第2の外周部48)に押し当てた状態における毛髪と第1の毛髪狭持部39および第2の毛髪狭持部49との接触摩擦が所定の状態(滑らし荷重値が200g以上から700g以下)となるように、各々の毛髪狭持部39,49の曲率半径を設定した。
また、第1の毛髪狭持面36aおよび第2の毛髪狭持面46aで毛髪を挟み込む際に毛髪にかかる押圧力が所定の状態になるように、互いに対向する両毛髪狭持面36a、46a間の隙間d量を設定した。
具体的には、ヘアーアイロン10の使用時に、使用者にとって使いやすい、滑らしやすい所定の滑らし荷重値(200g以上から700g以下)となるようにした。
すなわち、毛髪を両毛髪狭持面36a、46aに挟み込み、ヘアーアイロン10を回転させ、毛髪巻付部30,40へ巻きつけた状態で、毛髪を毛先に滑らした場合に、滑らし荷重値が所定の範囲を満たす状態となるようにした。
まず、所定の滑らし荷重値となるように、両毛髪狭持面36a、46aが近づいた際に、両毛髪狭持面36a、46aに隙間dを設けることで、使用者の毛量、毛髪性状など種種の環境に対して対応できるように、隙間dの量を設定した。
この隙間量は0mm以上から1.2mm以下の間で設定するのが好ましい。さらに、0.1mm以上0.3mm以下に設定することがより好ましい。こうすれば、図10に示すように、毛髪狭持部39,49の曲率半径が3.0mm〜3.5mmの間であれば、滑らし荷重値を所定の範囲内(滑らし荷重値が200g以上から700g以下)に収めることが可能となる。
本実施形態では、図10の特性図に基づき、対向する両毛髪狭持面36a、46aが最も近づいた状態において、両毛髪狭持面36a、46aの間の隙間量が0.2mmとなるようにしている。こうすれば、使用者の施術ばらつきを考慮した状態でも滑らし荷重値を所定の範囲内に収めることが可能となる。
また、本実施形態では、両毛髪狭持面36a、46a間の隙間d量を便宜調整できるように、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40の前方側にキャップ33,43を設けている。
具体的には、第1の毛髪巻付部30の前方側先端部にキャップ33を、第2の毛髪巻付部40の前方側先端部にキャップ43をそれぞれ形成している。キャップ33には上下に摺動する凸形状の調整機構33aが配設され、調整バネ(ばね33c)を介して突出量を変更できるように構成されている。また、これらの構成部品は、調整蓋(蓋部33d)によって隠されている。
キャップ43には凸形状に突き出した調整機構33aの突部33fをうける凹状の溝部43sが形成されている。これにより、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40の回動自在動作における、左右ずれの規制を行うことができる。
本実施の形態1では、このキャップ33,43間に構成された調整バネ(ばね33c)を介した調整機構33aの上下自在の動作によって、所定の滑り荷重内範囲に収まるように、両毛髪狭持面36a、46a間の押圧力を設定できるようにした。
すなわち、隙間d量を所定の隙間量(例えば、0.1mm以上0.3mm以下の範囲)内で便宜無段階に(連続的に)使用者自ら好みで調整することが可能となるようにすることで、使用者の施術ばらつきを考慮しながら、所定の滑り荷重内範囲に収めることが可能となるようにした。
これにより、ある所定の値に設定する場合よりも、調整範囲を大きく取ることが可能となり、より適宜に、さまざまな使用者の毛髪挿入状態に応じてより広く対応できるようになる。
さらに、本実施の形態1では、隙間d量の調整が使用者の種種の状態に適宜対応できるよう設定するのみならず、使用者の調整力における毛髪ダメージ、つまり毛先の毛切れや痛みなどを感じることがないよう、隙間量が0.1mm以下にならない規制リブ42cを設置している。これにより、両毛髪狭持面36a、46aの過度の近接接触がいかなる場合であっても起きないような構成とすることが可能となる。
また、部品の寸法がばらついた場合や、種種のヘアーアイロン構成部品同士の勘合におけるクリアランスを考慮した設計における寸法公差を必要とする場合であっても、所定の隙間量を確保することが可能となる。
なお、本実施の形態1では、規制リブ42cを固定部42に設置しているが、規制リブは対向する毛髪狭持面36a、46aの間のいずれの場所に設置されていてもよい。本実施の形態1のように、第2の毛髪狭持面46aの近傍に規制リブ42cを設置すれば、この規制リブ42cを、毛髪狭持面36a、46a間で挟んだ毛髪が、加熱可能領域から外れて未加熱状態になってしまう状況が発生してしまうのを抑制できるリブとして併用することが可能である。
さらに、本実施の形態1では、第1の毛髪狭持部39および第2の毛髪狭持部49の断面形状が、前方先端側から根元側にかけて、いずれか一方から曲率が徐々に変化する構造としている。
具体的には、各毛髪狭持部39,49の断面形状に形成されている曲率半径を、3.0mm〜3.5mmとなるように設定した。これにより、所定の滑らし荷重値内にて使用者が使用できるよう便宜対応できるようになる。
なお、曲率半径が3.0mm未満の場合、毛髪に対して、カール状癖付け力は増す傾向となるが、使用者の毛髪にかかるダメージ、負担は大きく、結果として、さまざまな毛髪性状や毛量に対して、所定の滑り荷重値範囲を超える場合がある(図10および図11参照)。
また曲率半径が3.5mmより多い場合、毛髪に対してかかる毛髪滑らし荷重値は所定の滑らし荷重値範囲内に収めることが可能であるが、カール状癖付けのためのテンション力が十分でなく、使用者のカール癖付け力が下回る場合がある(図10および図11参照)。
そこで、本実施の形態1では、各々の曲率半径での利点を活かした形で、毛髪狭持部の曲率半径を3.0mm〜3.5mmの間で徐々に変化するように構成している。
これにより、滑らし施術の際に発生する、施術毛髪の、根元付近から毛先先端にかけての毛量変化や、ヘアースタイルによる毛量や、使用者の毛髪性状変化に対して起こりうる滑らしカール時の毛髪狭持部39,49における毛髪滑り抵抗変化に対して、適宜対応できる滑り抵抗低減効果をあたえることができる。
さらに、毛髪狭持部39,49での毛髪のしごき、および滑らしが容易になり、カール施術をよりスムーズに行うことができるようになる。
さらに、本実施の形態1では、一対の毛髪狭持部39,49の断面形状を、曲率が先端側から根元側に向かって大きくなるように構成している。
具体的には、先端側から根元側に向かって、毛髪狭持部の曲率半径が3.5mmから3.0mmとなるように徐々に変化させている。
通常、使用者が滑らし施術にてカール状癖付けを行う場合、一般的に、ヘアーアイロン10に対して、毛髪の根元側を対向する毛髪狭持面36a、46a間に挟み込み、回転させ、毛先に向かって滑らすように行う。この際、ヘアーアイロン10の外周部に対して毛髪巻付部先端側に施術毛髪が多く巻きつき、毛髪巻付部の根元側には施術毛髪の毛先側が多く巻きつく。
このとき、毛量の多い施術毛髪の根元側部に対して、毛髪しごきテンションが大きくかかると、毛髪に対してダメージを与えたり、滑らし荷重値が大きくなったりして、所定の滑らし荷重値を超える状況が発生する可能性がある。そこで、かかる状態を回避し、カール施術がスムーズに行うことができるようにするためには、曲率を大きくするほうが望ましい。そこで、本実施の形態1では、毛髪狭持部30,40の先端側の曲率半径を3.5mmに設定した。
これに対し、毛先の毛量は施術毛髪根元側より少なく、かつ毛先にはしっかりカール状癖付けを行う必要があるため、曲率半径を小さくするほうが望ましい。こうすれば、毛髪しごきテンションが大きくかかり、しっかりカール状癖付けを行うことができるとともに、滑らし荷重値は毛量も少ないため、所定範囲内に収めることが可能となる。
そこで、本実施の形態1では、毛髪狭持部30,40の根元側曲率半径を3.0mmに設定した。
このように、本実施形態によれば、毛髪の滑り性をより良好にすることのできるヘアーアイロンを得ることができるようになる。
また、本実施形態では、毛髪巻付部30,40の外周部の表面粗さを把持部20の表面粗さよりも大きくしているため、毛髪の滑り性をより一層向上させることができるという利点がある。
以上説明したように、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを閉じた状態において、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に所定の間隔dを有するように構成されている。
これによって、ストレート施術の際や、対向する第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪狭持面46aとの間に毛髪を挟み込んだ状態から毛髪巻付部30,40に毛髪を巻き付けて当該ヘアーアイロン10を毛先に向かって滑らす、滑らし施術にて行なうカール施術時において、使用時の毛髪を滑らす際に、毛先が一対の毛髪狭時面36a、46aに挟まれ、毛切れや痛みを感じてしまうことを抑制することができる。
また、隙間dが大き過ぎることで毛先が抜け易くなり、毛先にカールが付かなくなるという問題を抑制することや、毛先まできれいにストレート施術ができないという問題を抑制することができる。
したがって、使い勝手のよりよいヘアーアイロン10を提供することができる。
また、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とを閉じた状態において、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に所定の間隔dを有するように第1の毛髪巻付部30と第2の毛髪巻付部40とが閉じる方向への相対移動を規制する規制リブ(規制部)42cを形成した。
これによって、規制部を設けるという簡単な方法により第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に所定の間隔dを有する構成とすることができる。
また、本実施の形態1では、規制リブ(規制部)42cは、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40のうち少なくともいずれか一方である第2の毛髪巻付部40から第1の毛髪巻付部30(他方側)に突出するように形成されている。
これによって、より簡素な構成で第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に所定の間隔dを形成することができる。
また、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30(第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40のうち少なくともいずれか一方)に、所定の間隔dを調整する調整機構33aを形成している。
これによって、施術時に毛髪を滑らす際に適正な押圧力に調整をかけることができるようになり、太さ、毛量、キューティクルのダメージといった使用者個々の毛髪状態のバラツキに対し、使用者個々が自身の毛髪の状態に合わせ、隙間を自由に調整することできるようになる。
そのため、バラツキ要素の影響を抑制することができるようになって、ストレート、カール両施術をよりスムーズに行うことができるようになる。その結果、使い勝手のよりよいヘアーアイロン10を提供することができるようになる。
また、本実施の形態1では、調整機構33aは、規制部も兼ねている。
これによって、ヘアーアイロン10の構成の簡素化を図ることができるようになる。
また、本実施の形態1では、調整機構33aは、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向の少なくとも一方である先端側(前側)に設けられている。
これによって、部品や組立バラツキによって第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間の隙間dにバラツキが発生した場合であっても、所定の隙間量を確保することができる。その結果、対向する毛髪狭持面36a、46a間の距離を所定の状態に安定的に確保することが可能となり、ストレート施術時および、毛髪を挟んで滑らす滑らしカール施術の際に、毛髪に必要以上の押圧力がかからないようにすることができる。
したがって、毛髪への必要以上の過度テンションを抑制することができ、毛髪へのダメージを抑制できることのみならず、毛先が毛髪狭時面に挟まれ、毛切れや痛みを感じることを低減することが可能となり、ストレート、カール両施術において、使用者がスムーズに操作を行うことができるようになる。その結果、使い勝手のよりよいヘアーアイロンを提供することができるようになる。
また、本実施の形態1では、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aは、平坦部36b,46bを有している。
これによって、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間の一部に毛髪が偏ってしまうのを抑制することができ、毛髪をより均等に挟持させることができるようになる。
また、本実施の形態1では、第1の毛髪挟持面36aの全面と第2の毛髪挟持面46aの全面との間に所定の間隔dが形成されている。
これによって、第1の毛髪挟持面36aと第2の毛髪挟持面46aとの間に挟持された毛髪の一部に必要以上の過度テンションがかかってしまうのを抑制することができ、挟持された毛髪の全域により適正なテンションをかけることができるようになる。
また、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40は、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの短手方向(Y方向)の両端に、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向(Y方向)に沿って配設されている
さらに、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向に沿って視た断面がR形状に形成された第1の毛髪狭持部39および第2の毛髪挟持部49をそれぞれ備えている。
そして、第1の毛髪狭持部39および第2の毛髪挟持部49のR形状は、第1の毛髪挟持面36aおよび第2の毛髪挟持面46aの長手方向の一方から他方にかけて曲率が変化するように形成されている。
これによって、滑らし施術の際に発生する、施術毛髪の、根元付近から毛先先端にかけての毛量変化や、ヘアースタイルによる毛量や使用者の毛髪性状変化に対して起こりうる滑らしカール時の毛髪狭持部における毛髪滑り抵抗変化に対して、それぞれの変化に応じて便宜に滑り抵抗低減効果を与えることができる。
また、カールを強くつけるために必要な毛髪狭持部39,49における滑り抵抗に関しては、曲率を変化させることで、一対の毛髪狭持部39,49に毛髪を巻きつけた際に、毛先と根元の毛量の違いによるカーリング時の滑り抵抗を変えることができる。その結果、毛髪狭持部での毛髪のしごき、および滑らしがより容易になり、カール施術をよりスムーズに行うことができるようになる。
また、本実施の形態1では、第1の毛髪狭持部39のR形状は、長手方向において第1の毛髪巻付部30の先端側から根元側に向けて曲率が大きくなるように形成されており、第2の毛髪狭持部49のR形状は、長手方向において第2の毛髪巻付部40の先端側から根元側に向けて曲率が大きくなるように形成されている。
これによって、主に毛先が保持される第1および第2の毛髪巻付部30,40の根元側の曲率が大きくなるため、毛先の保持力を上げることができ、毛先までカールを付け易くすることができる。
また、本実施の形態1では、第1の毛髪巻付部30および第2の毛髪巻付部40のうち少なくともいずれか一方には、当該毛髪巻付部30,40の毛髪狭持面36a,46aの短手方向の両端をそれぞれフロート可能とするフロート機構(フロートばね35a,45a)が形成されている。
これによって、第1および第2の毛髪狭持面36a、46aの間に毛髪を挟み保持力をかける際に、荷重の一点集中を避けることができるため、毛髪の突っ掛かりや髪切れを抑制することができるとともに、施術のバラツキを軽減することができる。その結果、毛髪の滑らしが容易になり、ストレート、カール両施術をよりスムーズに行うことができるようになる。
ヘアーアイロン10の構成を上記のようにすれば、操作部50を操作して離間させた状態で第1および第2の毛髪狭時面36a、46aの間に毛髪を挟んで狭持することが可能なヘアーアイロン10であって、略円形形状の外周面(第1の外周部38および第2の外周部48)を有する第1および第2の毛髪巻付部30,40を備えるヘアーアイロン10を用いて、毛髪へのカール施術をよりスムーズに行うことができるようになる。
また、本実施の形態1では、ヘアーアイロンの使用方法は、使用者によってヘアーアイロン10の把持部20を把持するステップ(把持ステップ)と、使用者が操作部50を操作して一対の毛髪狭持面36a,46aを離間させるステップ(離間ステップ)と、離間した一対の毛髪挟持面36a,46aの間に毛髪を介在させるステップ(毛髪介在ステップ)と、を備えている。
さらに、対向する一対の毛髪挟持面36a,46aで毛髪を狭持させるステップ(毛髪挟持ステップ)と、毛髪を一対の毛髪挟持面36a,46aの間に狭持させた状態で、挟持された部位以外の毛髪を一対の毛髪巻付部30,40の外周部(第1の外周部38または第2の外周部48)に螺旋状に巻き付けるステップ(毛髪巻付ステップ)と、を備えている。
そして、毛髪を一対の毛髪挟持面36a,46aの間に狭持しつつ外周部に巻き付けた状態で、毛髪が一対の毛髪挟持面36a,46aの間および外周部を滑るように、ヘアーアイロン10を毛髪の先端側に引き下ろすことで、毛髪にカール状の施術を施すステップ(引き下ろしステップ)を備えており、こうすることで、毛髪にカール状の癖付けが施される。
これによって、より簡単な操作によって、使用者の毛髪をより確実にカール形状に施術することができる。
また、上記の引き下ろしステップにおいて、使用者がつまみ部33p、43pをつまんだ状態でヘアーアイロン10を毛髪の先端側に引き下ろすようにしてもよい。
これによって、より一層確実に、使用者の毛髪をカール形状に施術することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2にかかるヘアーアイロン100は、図12から図16に示すように、回動連結部104を介して略V字状に拡開可能に連結された上側アーム部102および下側アーム部103を備えている。そして、上側アーム部102と下側アーム部103とを回動連結部104を介して相対回動させることで、上側アーム部102および下側アーム部103の先端同士を接離できるようにしている。
すなわち、本実施の形態2では、上側アーム部102と下側アーム部103との相対回動に伴って、後述する第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとを互いに近づけたり遠ざけたりすることができるようにしている。
また、本実施の形態2では、図14に示すように、上側アーム部102の回動連結部104近傍に、下方に開口した筒部102cが設けられているとともに、下側アーム部103の回動連結部104近傍に、上方に開口して、筒部102c内に挿入可能な筒部103cが設けられている。
そして、この筒部102cと筒部103cとで形成された空間部には、コイルスプリング105が収容されており、このコイルスプリング105によって、上側アーム部102と下側アーム部103とを互いに拡開するように付勢している。また、筒部103cを筒部102c内に挿入させることで、ヘアーアイロン100を閉じる際に、上側アーム部102と下側アーム部103とが幅方向にずれてしまうのを抑制している。
なお、本実施の形態2では、図示せぬストッパによって、上側アーム部102と下側アーム部103の拡開方向への回動が規制されている。
また、上側アーム部102および下側アーム部103の回動連結部104側(ヘアーアイロン100の後側)には、上側把持部(第1の把持部)102aおよび下側把持部(第2の把持部)103aがそれぞれ設けられている。そして、先端側には、上側挟持部(第1の挟持部)102bおよび下側挟持部(第2の挟持部)103bがそれぞれ設けられている。
また、上側挟持部(第1の毛髪巻付部)102bおよび下側挟持部(第2の毛髪巻付部)103bは、それぞれ、上側アーム部102および下側アーム部103を閉じるように回動させた際に互いに近づいたり遠ざかったりすることが可能な上側毛髪挟持面(第1の毛髪挟持面)122aおよび下側毛髪挟持面(第2の毛髪挟持面)132aを有している。
そして、挟持部の外表面(本実施の形態2では、上側挟持部102bおよび下側挟持部103bのそれぞれの外表面)には、図18に示すように、毛髪をカールさせるためのカール部(第1および第2の毛髪巻付部の外周部)102d,103dが設けられている。
なお、本実施の形態2では、上側挟持部102bおよび下側挟持部103bの外表面とは、上側挟持部102bおよび下側挟持部103bの外面のうち、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの背面側に存在する面のことをいう。
すなわち、図18において、上側挟持部102bの外面のうち下面以外の面、下側挟持部103bの外面のうち上面以外の面が、それぞれ上側挟持部102bの外表面、下側挟持部103bの外表面に相当する。
さらに、本実施の形態2では、上側挟持部102bおよび下側挟持部103bには、図18に示すように、発熱部としてのヒータ123およびヒータ133が設けられている。
そして、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとで毛髪を挟み込み、ヒータ123およびヒータ133で発生させた熱を第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aを介して毛髪に加えることで、毛髪にカール状やストレート状の癖付けを施している。
例えば、毛髪へのカール状の癖付けは、以下のようにして行われる。まず、加熱した上側挟持部102bおよび下側挟持部103bを互いに対向させる。そして、上側挟持部102bと下側挟持部103bとの間に、上側挟持部102bおよび下側挟持部103bの幅方向に延在するように毛髪を配置した状態で、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとで毛髪を挟み込む。
次に、毛髪を挟み込んだ状態でヘアーアイロン100を回転させて、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとで挟み込まれていない根元側の毛髪をカール部102dまたはカール部103dに押し当てる。そして、毛髪をカール部102dまたはカール部103dに押し当てた状態で、ヘアーアイロン100を、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで、毛髪にカール状の癖付けが施される。
なお、毛髪へのストレート状の癖付けは、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとで毛髪を挟み込んだヘアーアイロン100を回転させずに、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで行われる。
また、上記実施の形態1で示した方法にて毛髪にカール状の癖付けを施すようにしてもよい。
このように、本実施の形態2にかかるヘアーアイロン100も、毛髪に熱による癖付けを施すことで整髪を行うものである。
上述した上側アーム部102および下側アーム部103は、主に外壁をなすケース120およびケース130を備えており、ケース120およびケース130の内部には空洞が形成されており、この空洞内に各種電気部品が収容されている。
本実施の形態2では、図18に示すように、下方に開口した上部ケース120aの下端に設けた凹部に、上方に開口した下部ケース120bの上端に設けた突部を係合させ、溶着や接着、またはネジ等により上部ケース120aおよび下部ケース120bを一体化させている。こうして、内部に空洞が形成されたケース120を形成している。
また、図18に示すように、上方に開口した下部ケース130bの上端側部に設けた溝部に、下方に開口した上部ケース130aの下端側部に設けた突部を嵌合させ、溶着や接着、またはネジ等により上部ケース130aおよび下部ケース130bを一体化させている。こうして、内部に空洞が形成されたケース130を形成している。
なお、下部ケース130bの下面面には、化粧プレート130fが嵌め込まれている。
また、ケース120およびケース130の先端部には、突部120eおよび突部130eがそれぞれ形成されている。
さらに、ケース130の幅方向両側部には、当該ケース130の長手方向に延在する突条130dが設けられている。
この突条130dは、ケース130の下側挟持部103b側に設けられており、側面視で、前端が毛髪挟持面132aの前側短辺よりも前方に突出するとともに、後端が毛髪挟持面132aの後側短辺よりも後方に突出するように延在している。
このように、ケース130に、長手方向に延在する突条130dを設けることで、ヘアーアイロン100の使用時に、ケース130と使用者等の頭皮や肌との接触面積を少なくすることができる。また、長手方向に延在する突条130dを設けることで、ケース130の表面積が増加するため、効率的に放熱を行うことができるようになる。すなわち、突条130dは、放熱部としても機能するものである。
また、本実施の形態2では、ケース(挟持部本体)120およびケース(挟持部本体)130に、第1の毛髪挟持面122aを有する毛髪挟持部材121および第2の毛髪挟持面132aを有する毛髪挟持部材131を支持させている。
このように、ケース120およびケース130に、毛髪挟持部材121および毛髪挟持部材131をそれぞれ支持させることで、上側挟持部(第1の挟持部)102bおよび下側挟持部(第2の挟持部)103bを形成している。
具体的には、毛髪挟持部材121および毛髪挟持部材131は、略板状のプレート部122およびプレート部132を備えており、このプレート部122およびプレート部132の表面に、略平坦状の第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aが形成されている。本実施の形態2では、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aは、平面視で、ケース120の長手方向に細長い略長方形状に形成されている。
さらに、プレート部122およびプレート部132は、幅方向(第1の挟持部および第2の挟持部の幅方向と同一の方向)両端部が、ケース120およびケース130の内側に向けて屈曲している。そして、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの幅方向両端には、図18に示すように、幅方向断面視で、斜め外側に向けて凸となる湾曲面122dおよび湾曲面132dがそれぞれ形成されている。
すなわち、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aは、幅方向中央部の平坦面(平坦部)122b,132bと、当該平坦面122b,132bの幅方向両端に形成される湾曲面122d,132dとで構成されている。
さらに、プレート部122およびプレート部132は、幅方向両端部が、ケース120およびケース130の内側に向けて屈曲しており、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの幅方向両端には、図18に示すように、幅方向断面視で、斜め外側に向けて凸となる第1の毛髪挟持部102eおよび第2の毛髪挟持部103eがそれぞれ形成されている。
そして、プレート部122およびプレート部132の第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの背面側には、ヒータ123およびヒータ133を収容する収容部124および収容部134が形成されている。
本実施の形態2では、プレート部122,132は、毛髪挟持面側プレート122b,132bおよび背面側プレート122c,132cで構成されており、毛髪挟持面側プレート122b,132bと背面側プレート122c,132cとで形成された空間が収容部124,134になっている。
そして、収容部124および収容部134に収容したヒータ123およびヒータ133が、それぞれプレート部122およびプレート部132の内面に当接するようにしている。
このプレート部122およびプレート部132は、例えば、銅やアルミニウムなど熱伝導性の高い材料で形成し、毛髪に熱を伝えやすくするのが好ましい。
また、本実施の形態2では、ヒータ123およびヒータ133としてPTCヒータ(Positive Temperature Coefficient ヒータ)を用いており、これにより連続的な温度制御が可能となる。なお、本実施の形態2では、ヒータ123およびヒータ133としてPTCヒータを用いたものを例示したが、これに限らず、ニクロム線ヒータやその他の加熱手段を用いるようにしてもよい。
また、ヒータ(発熱部)は、上側挟持部(第1の挟持部)102bおよび下側挟持部(第2の挟持部)103bのいずれか一方のみに設けられるようにしてもよい。
また、ケース120の挟持部(第1の挟持部102b)側の内部には、空間部S3が形成されており、この空間部S3内に放電機構200が設けられている。
この放電機構200は、ミストを生成するミスト発生装置や金属微粒子を生成する金属微粒子発生装置を用い、イオン発生装置(ミスト発生装置や金属微粒子発生装置)で生成されたイオン(ミストや金属微粒子)を、イオン放出口190から放出できるようにするものである。
空間部S3は、ケース120に形成されたイオン放出口190および液体吸入口191によって外部に連通されており、空間部S3内には、液体吸入口191からイオン放出口190へと連なる通路192が形成されている。
そして、本実施の形態2では、放電機構200は、電極を保持する本体部210と、本体部210の天壁部211に形成された突部211aに挿通される挿通孔221aが形成された天壁部221を有し、本体部210の天壁部211に保持される板状電極(第1の放電極)220と、本体部210の電極固定部213に保持される針状電極(第2の放電極)と、を備えている。
本体部210には、幅方向両端に外側に向けて開口する窓部212がそれぞれ形成されており、この窓部212がイオン放出口190に連通している。
そして、両端の窓部212の上部に臨むように、板状電極(第1の放電極)220の片部221bが配置されている。この片部221bの先端にはスリット221cが複数形成されている。
一方、両端の窓部212の下部には、板状電極(第1の放電極)220や針状電極(第2の放電極)との間で放電を行う対極(電極)240が、板状電極(第1の放電極)220や針状電極(第2の放電極)と対向するように設けられている。なお、対極240を板状電極(第1の放電極)220や針状電極(第2の放電極)に対向させる必要はない。
また、対極240を設けず、電極とその近傍にある構成部材との間で放電を行うようにしてもよい。
板状電極(第1の放電極)220や針状電極(第2の放電極)、対極(電極)240は、リード線181を介して高出力回路160に電気的に接続されており、板状電極(第1の放電極)220と対極240との間、針状電極(第2の放電極)と対極(電極)240との間に高電圧を印加して放電(コロナ放電等)を生じさせることができるようになっている。
また、本実施の形態2では、イオン放出口190および液体吸入口191は、第1の毛髪挟持面122aの長手方向一端から他端にかけて複数並設されるように形成されている。液体吸入口191は、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aで挟まれた毛髪が保持する水分などの液体(その他の例としては、毛髪用トリートメント剤などがあげられる)を空間部S3内に導入するために形成されている。
一方、イオン放出口190は、板状電極(第1の放電極)220と対極240との間、針状電極(第2の放電極)と対極(電極)240との間で放電を生じさせて生成されたイオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体を空間部S3の外部に放出して毛髪(第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとで挟み込んだ毛髪)に供給できるようにするために形成されている。
かかる構成とすることで、ヘアーアイロン100の使用時に、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aで挟まれた毛髪が保持する水分などの液体が液体吸入口191から内部に導入されることとなる。
そして、空間部S3内に導入された水分などの液体は、板状電極(第1の放電極)220や針状電極(第2の放電極)に接触して結露することとなる。このとき、放電極として板状電極220を用いることで、電極の露出面積が大きくなり、水分などの液体をより効率的に結露させることができる。
さらに、板状電極(第1の放電極)220は、対極(電極)240側に、対極240と対向する部位に、複数のスリット221cを形成している。したがって、板状電極220における対極240と対向する部位に仮想の針が複数形成されることとなり、高電圧を印加した際には、この仮想の針部分に電界集中を生じさせることができるようになる。その結果、より効率的に放電を行うことが可能となる。
なお、水分などの液体を結露させない状態で、放電を行い、イオンのみ生成するようにしてもよい。
また、放電を生じさせる際には、電極間にマイナス電圧を印加してマイナスイオンを発生させるようにしてもよいし、電極間にプラス電圧を印加してプラスイオンを発生させるようにしてもよい。
また、マイナス電圧とプラス電圧を交互に印加して、マイナスイオンとプラスイオンを交互に発生させるようにしてもよいし、複数の電極のいずれかにマイナス電圧を印加し、その他の電極のいずれかにプラス電圧を印加することで、マイナスイオンとプラスイオンを同時に発生させるようにしてもよい。
なお、イオンや帯電微粒子液体を生成する装置として、ミストを生成するミスト発生装置や金属微粒子を生成する金属微粒子発生装置を用いることも可能である。
ミスト発生装置としては、高電圧発生回路からグランド電極を基準として放電極に高電圧を印加して放電(コロナ放電等)を生じさせ、放電作用によって結露水を微粒化する装置を用いることができる。この装置を用い、放電作用によって結露水を微粒化することで、ナノメータサイズの非常に細かいミスト(マイナスイオンを含むマイナスに帯電されたミスト)を生成することができる。
なお、結露水を生じさせるものとして、ペルチェ素子および熱伝導性を有する部材(例えば金属部材等)からなる冷却板と、冷却板を冷却する際に発生する熱量を放熱する放熱フィンとを備える公知のものを用いることも可能である。
また、金属微粒子発生装置としては、高電圧発生回路からグランド電極を基準として放電極に高電圧を印加して放電(コロナ放電等)を生じさせるものを用いることができる。この装置を用い、放電(コロナ放電等)を生じさせることで、放電極やグランド電極等から金属微粒子(金属の分子やイオン等)を放出させることができる。
このような金属微粒子発生装置としても公知のものを用いることができる。例えば、金属微粒子発生装置の放電極を、遷移金属(例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、チタン、ロジウム、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)の単体、合金、あるいは遷移金属をメッキ処理した部材等で構成することが可能である。
ここで、放電部で生成され放出された金属の微粒子に、金や、銀、銅、亜鉛等が含まれている場合には、当該金属の微粒子によって抗菌作用を生じさせることができる。また、金属の微粒子に、白金、亜鉛、チタン等が含まれている場合には、当該金属の微粒子によって抗酸化作用を生じさせることができる。
なお、白金の微粒子は、抗酸化作用が極めて高いことが判明している。また、金属微粒子の放出をさせない部分(例えばグランド電極等)は、ステンレススチールや、タングステン等を用いて構成することができる。
また、放電部は、放電作用によってイオン(例えばマイナスイオン、例えばNO2 −、NO3 −等)を生じさせ、このイオンを、放電極や、グランド電極、他の金属材料や金属成分を含む部材等に衝突させることで、金属微粒子を生成するものであってもよい。すなわち、グランド電極や上記他の部材を、上記遷移金属を含む材料によって構成し、これらから金属微粒子を放出させるようにしてもよい。
さらに、ケース130の内部には、ヒータ123およびヒータ133の温度等を制御する制御装置150が収容されており、この制御装置150にヒータ123およびヒータ133がリード線181を介して接続されている。また、本実施の形態2では、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの温度を段階的に設定できるようにしている。
また、ヘアーアイロン100の後端部100aからは、回転コネクタ101aを介して電源コード101bが取り付けられており、電源コード101bはリード線181を介して制御装置150に電気的に接続されている(図16参照)。
また、ヘアーアイロン100の後端部100aには、ロックボタン125が形成されており、ロックボタン125を操作(押圧)することで、上側アーム部102と下側アーム部103とを閉じた状態で保持できるようになっている。
すなわち、ヘアーアイロン100は、コイルスプリング105の付勢力によって上側アーム部102と下側アーム部103とが互いに拡開してしまうのを、ロックボタン125の操作によって規制できるようになっている。
そして、ケース130の下側把持部103a側には、操作スイッチ106が設けられており、この操作スイッチ106を操作することで、ヒータ123およびヒータ133に対する通電のオン・オフを切り換えることができるようになっている。この操作スイッチ106の操作によってヒータ123およびヒータ133を通電させると当該ヒータ123およびヒータ133が発熱する。
そして、この発熱したヒータ123およびヒータ133からプレート部122およびプレート部132に熱が伝達されることで、プレート部122およびプレート部132が加熱される。
さらに、本実施の形態2では、図16に示すように、プレート部132の背面132eにサーミスタ183が取り付けられており、ヒータ133の温度変化に伴って変化するサーミスタ183の抵抗値を利用して、ヒータ123およびヒータ133の温度を制御している。
なお、符号182はヒューズであり、このヒューズ182を設けることで、制御装置150の破損等により第1の毛髪挟持面122aや第2の毛髪挟持面132aの温度が所定の温度を超えてしまった場合に、ヒータ123およびヒータ133への通電が遮断されるようにしている。
また、ケース130の下側把持部103a側には、温度調節スイッチ106a、106bが設けられており、この温度調節スイッチ106a、106bを操作することで、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの設定温度を切り換えることができるようになっている。そして、ケース130には、図示せぬLEDランプによって点灯する導光部材107が設けられている。
また、ケース130の内部には、ヒータ123およびヒータ133の温度等を制御する制御装置150が収容されており、この制御装置150にヒータ123およびヒータ133がリード線181を介して接続されている。また、本実施形態では、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの温度を段階的に設定できるようにしている。
なお、ケース120、130内の空洞は、図18に示すように、制御装置150とプレート部122、132との間で、リード線181を挿通させるための挿通孔171が設けられたパッキング170によって画成されており、このパッキング170を設けることで制御装置150の防水効果を高めている。
また、本実施の形態2では、ヘアーアイロン100は、上側挟持部102bの下側挟持部103b側への相対移動を規制する規制部材を備えている。
具体的には、ケース120の上側把持部102a側下部に、下方に向けて突出するストッパ突起140を設けるとともに、ケース130にストッパ溝部(図示せず)を設け、ストッパ突起140の先端をストッパ溝部141の底面に当接させることで、上側アーム部102と下側アーム部103との閉じる方向への回動を規制している。
また、上側挟持部102bにおける第1の毛髪挟持面122aの根元側(後方:長手方向一方側)と先端側(前方:長手方向他方側)とには、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとで挟持した毛髪が前後方向にばらけてしまうのを抑制する突起部(突部)120c、130cが設けられている。
本実施の形態2では、突起部120cは、第1の毛髪挟持面122aの前部と後部の幅方向両端にそれぞれ2つずつ設けられている。
また、突起部130cは、第2の毛髪挟持面132aの前部と後部の幅方向両端にそれぞれ2つずつ設けられている。
なお、毛髪を整流するための突起部は、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aのいずれかの前方に設けられていればよい。
また、毛髪挟持部材121,131の少なくともいずれか一方を、ケース(挟持部本体)120,130に対して上下方向(毛髪挟持面の法線方向)に相対的に往復移動可能に支持するのが好ましい。
本実施の形態2では、毛髪挟持部材121,131のうち少なくともいずれか一方である毛髪挟持部材131の4隅を、ケース130内に配置された4個のフロートばね109にて支持することで、毛髪挟持部材131をケース130に対して上下移動できるようにしている。
こうすれば、上側毛髪挟持面(第1の毛髪挟持面)122aと下側毛髪挟持面(第2の毛髪挟持面)132aとの間に挟み込まれた毛髪に過度の負荷がかかってしまうのが抑制され、毛髪へのダメージを抑制することができるようになる。
なお、上側挟持部102bおよび下側挟持部103b(第1および第2の毛髪巻付部)のうち少なくともいずれか一方に、上側挟持部102bおよび下側挟持部103b(第1および第2の毛髪巻付部)の毛髪狭持面122a,132aの短手方向の両端をそれぞれフロート可能とするフロート機構を形成するようにしてもよい。
具体的には、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの長手方向に沿って視た際に、毛髪狭持面122a,132aの短手方向両端がいずれか一方が上方に、他方が下方に移動するように毛髪狭持面122a,132aフロートさせるようにしてもよい。
そして、本実施の形態2においても、上側アーム部102と下側アーム部103とを閉じた状態において、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとの間に所定の間隔dを有するように構成されている。
具体的には、上側アーム部102と下側アーム部103とを閉じた状態において、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとの間に所定の間隔dを有するように上側アーム部102と下側アーム部103とが閉じる方向への相対移動を規制する規制リブ140を形成している。
この規制リブ140も、上側アーム部102と下側アーム部103のうち少なくともいずれか一方である下側アーム部103から上側アーム部102(他方側)に突出するように形成されている。
なお、本実施の形態2においても、上側アーム部102と下側アーム部103のうち少なくともいずれか一方に、所定の間隔dを調整する調整機構を形成するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態2においても、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとを最も近づけた状態においても、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとの間に所定の間隔dが形成されるようにしている。
すなわち、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとを最も近づけた状態においても、第1の毛髪挟持面122aの全面と第2の毛髪挟持面132aの全面との間に所定の間隔dが形成されるようにしている。
また、第1の毛髪挟持部102eおよび第2の毛髪挟持部103eのR形状を、第1の毛髪挟持面122aおよび第2の毛髪挟持面132aの長手方向の一方から他方にかけて曲率が変化するように形成してもよい。このとき、先端側から根元側に向けて曲率が大きくなるように形成することも可能である。
ここで、上記構成のヘアーアイロン100を用いた場合の作用の一例を説明する。
まず、操作スイッチ106を操作することで、ヒータ123およびヒータ133に対する通電をオンにし、第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとを所定温度(例えば、170℃)となるように加熱する。
このとき、板状電極(第1の放電極)220と対極240との間、針状電極(第2の放電極)と対極(電極)240との間に高電圧が印加され、放電(コロナ放電等)が生じ、イオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体が生成される。そして、生成されたイオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体がイオン放出口190から放出される。
かかる状態で、毛髪を第1の毛髪挟持面122aと第2の毛髪挟持面132aとの間に挟み込み、毛髪を挟んだ状態でヘアーアイロン100を半回転以上させて、第1の毛髪挟持面1226aと第2の毛髪挟持面132aとで挟み込まれていない部位の毛髪を毛髪巻付部に螺旋状に巻き付ける。
そして、毛髪を毛髪巻付部に押し当てた状態で、ヘアーアイロン100を、毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすことで、毛髪にカール状の癖付けが施される。このとき、毛髪は、生成されたイオン(マイナスイオンやプラスイオン)や帯電微粒子液体が供給されながらカール状の癖付けが施される。そのため、毛髪が施術により傷んでしまうのを抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態2によっても、上記実施の形態1とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、放電機構200を上記実施の形態1に適用することも可能である。
また、第1の毛髪挟持面と第2の毛髪挟持面とが当接可能なヘアーアイロンに放電機構200を適用することも可能である。
また、把持部や毛髪巻付部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。