JP4434382B2 - ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリスチレン系樹脂発泡シートの製法に関する。更に詳しくは、早期に熱成形できると共に熱成形可能な期間が長く、且つ、圧縮物性に優れたポリスチレン系樹脂発泡シートの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系樹脂発泡シートは熱成形性に優れると共に、熱成形によって得られた成形品が軽量で断熱性に優れ、しかも外観が美麗である等の特徴を有するため、弁当箱、トレイ、丼、カップ等の食品用容器等の熱成形用の素材として、近年大量に使用されてきた。
【0003】
該ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、「発泡シート」という。)は、押出機内でポリスチレン系樹脂を加熱し混練し溶融し、得られた溶融樹脂混合物に発泡剤や必要に応じてタルク等の気泡調節剤、流動パラフィン等の潤滑剤を添加し、更に加熱混練して発泡性溶融樹脂混合物とした後、押出機の先端に取付けられたダイから空気中に放出して発泡させる等の方法によって製造されている。
【0004】
上記発泡剤としては、安価である上に、発泡シートを熱成形する際の二次成形性に優れる等の理由から工業用ブタンが広く使用されてきた。又、発泡シートを熱成形すると、加熱により発泡シートが膨張して厚さが増大するという現象(以下、「二次発泡」という。)が起き(以下、この現象が発生した後の発泡シートの厚さを「二次発泡厚」という。)、かかる現象を利用して目的とする厚さの成形品を得ることができる熱成形適性期間(以下、「ライフサイクル」という。)を長くする目的でイソブタンの含量が多い発泡剤を使用することも行われてきた(特願昭62−149883号等)。
【0005】
しかしながら、イソブタンの含量が多い発泡剤を使用した発泡シートはライフサイクルが長い反面、イソブタンが発泡シートから逸散する速度が遅いため2週間から4週間程度の熟成期間を必要とし、ノルマルブタンを主成分とするライフサイクルが比較的短い工業用ブタンを使用した発泡シートであっても、2週間程度の熟成期間を必要とし、熟成期間中は熱成形をすることができないという問題が発生していた。
【0006】
即ち、これらの発泡シートを熟成期間中に無理に熱成形すると、発泡シート中に残存している発泡剤量が多すぎるので、発泡剤による発泡シートの可塑化作用の影響が大きく、得られる成形品に表面荒れ等が発生するという弊害が発生していた。従って、商品として通用する成形品を得るためには、熟成期間中は2〜20倍もの発泡倍率を有する嵩高の発泡シートをロール状に巻いて倉庫に保管しておかなければならず、保管にかかる費用や管理にかかる労力が多大なものになるという問題が発生していた。この問題は、気温が低くなって発泡剤の逸散速度が遅くなる冬季において、特に深刻な問題となっていた。
【0007】
本発明者は上記問題を解決し、熟成期間が2週間以内の発泡シートを開発すべく、比較的沸点が低くポリスチレン系樹脂に対するガス透過速度が速いプロパンを使用することを試みた。しかし、得られた発泡シートは、プロパンのポリスチレン系樹脂に対するガス透過速度が速すぎるため、発泡シート中の発泡剤残存量が早期に少なくなって、製造後1週間程度で発泡シートの二次発泡性が低下して、熱成形時に目的とする厚さの成形品を得ることができなくなるという、ライフサイクルが短すぎるものであった。
【0008】
又、発泡シートは軽量であることを常に要求されるため、軽量化を図るために使用樹脂量を少なくした場合であっても、従来と同程度の圧縮物性等の物性を有することが望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熟成期間が短く早期に使用することができると共に、長期にわたって目的とする二次発泡厚を得ることができる発泡シート、即ちライフサイクルが長い発泡シートを提供することを目的とする。又、本発明は従来の発泡シートに比較すると圧縮物性に優れ、軽量化を図ることが可能な発泡シートを提供することも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、ポリスチレン系樹脂と物理発泡剤とを押出機により溶融混練して発泡性溶融樹脂とし、該発泡性溶融樹脂を環状のダイから円筒状に押出発泡し、該円筒状発泡体を切り開いてシートとする、厚さ0.4〜7mmのポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、物理発泡剤として50重量%以上70重量%未満のイソブタンと15重量%以上30重量%以下のノルマルブタンと0.5重量%以上50重量%未満のプロパンと0重量%以上5重量%以下のその他の物理発泡剤(但し、イソブタントとノルマルブタンとプロパンとその他の物理発泡剤との合計が100重量%)とからなる混合物を、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部用いることを特徴とする。
【0011】
本発明におけるポリスチレン系樹脂は、スチレンの単独重合体及び共重合体を包含する。該共重合体は、下記の一般式(1)で表されるスチレン系モノマーを共重合成分として含有するものが好ましく、該共重合成分のモノマー単位の含有量は、25重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0012】
【化1】
Figure 0004434382
上記一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはハロゲン原子またはメチル基を示し、pは0または1〜3の整数である。
【0013】
上記スチレンの単独重合体や共重合体は、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物などが例示される。
【0014】
上記ポリスチレン系樹脂は、ビカット軟化点が100℃以上のものを使用することが、発泡シートの耐熱性を向上させることができるので好ましい。
尚、該ビカット軟化点はJISK7206(試験荷重はA法、伝熱媒体の昇温速度は50℃/時)にて求められる。
【0015】
本発明で用いられるポリスチレン系樹脂は、その溶融粘度が、190℃、剪断速度100/secの条件において、20〜10000Pa・sであることが好ましく、100〜5000Pa・sであることがより好ましい。該溶融粘度が20Pa・s未満では、発泡シート形成時にダイより押出された溶融樹脂を引取ることができず、発泡シートの形成が困難になる虞れがある。一方、10000Pa・sを超えると、粘度が高すぎて押出圧力が上昇しすぎて押出成形が困難になり、良質の発泡シートを得ることができなくなる虞れがある。
【0016】
本発明においては、必要に応じて気泡調整剤として、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物粉末、又は重炭酸ナトリウム、クエン酸モノナトリウム塩等を添加することができる。これらの気泡調整剤は、通常は単独で使用されるが2種以上組合せて用いてもよい。
【0017】
気泡調整剤として用いる無機物粉末は、粒子系が小さいほど発泡層の気泡径を小さくする効果が大きいので、使用量が少なくても気泡径を小さくすることができる。かかる観点から無機物粉末の平均粒子径(遠心沈降法)は30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることが更に好ましい。但し、平均粒子径が小さくなるほど加工に費用がかかり、無機物粉末の価格が高くなるので、0.1μmを下限とすることが好ましい。上記無機物粉末の中でも、タルクが気泡径を小さくする効果が大きいと共に安価なので最も好ましい。
【0018】
上記ポリスチレン系樹脂には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0019】
本発明の発泡剤は、物理発泡剤としてイソブタンとノルマルブタンとプロパンと必要に応じて添加されるその他の物理発泡剤とからなり、これらの物理発泡剤の合計は100重量%である。
又、本発明においては、これらに熱分解型発泡剤を配合することもできる。
【0020】
上記プロパンの含量は、0.5重量%以上50重量%未満である。プロパンの含量が該範囲内であれば、発泡シート製造後の熟成期間を短縮することによって早期の熱成形が可能となる。更に、発泡剤の含量を変更することにより、季節や顧客の熱成形のスケジュールに対応して熟成期間を自由に制御することができる。
【0021】
プロパンの含量が0.5重量%未満の場合は、熟成期間を短縮して早期の熱成形を可能にするという効果を殆ど得ることができない。一方、プロパンの含量が50重量%以上の場合は、発泡シート中に残存している発泡剤の量(以下、「残存発泡剤量」という。)が早期に少なくなりすぎるので、早期に二次発泡性が低下して、目的とする二次発泡厚を得ることができなくなる。従って、熟成期間を短縮すると同時にライフサイクルの長期化を実現するには、プロパンの含量は0.5重量%以上20重量%未満であることが好ましく、1重量%以上15重量%以下であることがより好ましく、2重量%以上10重量%以下であることが更に好ましい。
【0022】
上記イソブタンの含量は、50重量%以上70重量%未満である。
イソブタンの含量が50重量%未満の場合は、発泡シートに含まれる残存発泡剤量が早期に少なくなるので、ライフサイクルの長期化を実現することができなくなる。一方、イソブタンの含量が70重量%以上の場合は、発泡剤が長期にわたって残存するので、熟成期間が長くなりすぎる。熟成期間が不充分な状態で熱成形を行なうと、熱成形時に発泡シート内の残存発泡剤による可塑化や、発泡シートの表層樹脂中に溶解している発泡剤の気化による発泡シートの表面荒れが発生し、発泡シートの美麗な外観が著しく損なわれる。
【0023】
上記ノルマルブタンの含量は、15重量%以上30重量%以下である。
ノルマルブタンの含量が15重量%未満の場合は、ノルマルブタンを少なくした分をプロパンで補えばライフサイクルの長期化を図ることが困難になり、ノルマルブタンを少なくした分をイソブタンで補えば熟成期間の短縮を図ることが困難になる。一方、ノルマルブタンの含量が30重量%を超える場合は、イソブタンの含量が相対的に減少するので、ライフサイクルの長期化を図ることが難しくなる。
【0024】
上記その他の物理発泡剤の含量は、0重量%以上5重量%以下である。
その他の物理発泡剤は、脂肪族炭化水素としてペンタン、ヘキサン等が挙げられ、環式脂肪族炭化水素としてシクロブタン、シクロペンタン等が挙げられ、ハロゲン化炭化水素として1,1,1,2−テトラフルオロエタン等が挙げられる。これらの含量が5重量%を超える場合は、プロパンとイソブタンとノルマルブタンを特定量配合することによる上記効果を得ることができなくなる虞がある。
【0025】
又、本発明においては、重炭酸ナトリウム、クエン酸モノナトリウム塩等の熱分解型発泡剤を本発明の目的及び効果を阻害しない範囲(通常ポリスチレン系樹脂100重量部に対して10重量%未満)で配合することもできる。
【0026】
本発明によって得られる発泡シートの密度には制限はないが、通常は40kg/m3以上800kg/m3以下である。又、本発明によって得られる発泡シートの厚さにも制限はないが、0.4〜7mmが好ましく、0.5〜4mmがより好ましく、0.6〜3mmがとくに好ましい。
【0027】
本発明の方法によって発泡シートを得るには、押出機にスチレン系樹脂と、必要に応じて前記無機物等とを添加し、加熱して樹脂を溶融した後、上記発泡剤を圧入して混練し、次いで目的とする樹脂温度に調整された発泡性溶融樹脂混合物を、高圧の環状ダイ内から大気圧下に放出し、得られた円筒状の発泡体を切り開いてシートとする方法を採用することができる。又、本発明においては一のダイに複数の押出機を接続し、各押出機から供給されたスチレン系樹脂と必要に応じて添加された気泡調節剤等と上記発泡剤との溶融樹脂混合物とをダイ内で融着し一体としてシート状に押出して発泡させる共押出法を採用することもできる。
【0028】
上記発泡剤の添加量、気泡調整剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂の種類、上記発泡剤の配合、気泡調整剤の種類、目的とする発泡シートの密度によって適宜選択できるが、通常は、基材樹脂100重量部に対して、発泡剤は0.5〜10重量部、気泡調整剤0.1〜10重量部である。又、上記放出される溶融混合物の樹脂温度は、基材樹脂の種類、発泡剤の種類、気泡調整剤の種類、目的とする発泡シートの密度によって適宜選択できるが、通常は120〜190℃である。
【0029】
本発明の方法によって得られる発泡シートには、発泡シートを構成するポリスチレン系樹脂と同様のポリスチレン系樹脂を積層したり、柔軟性があって取り扱いやすい耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を積層することができる。又、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を積層しその上に更に二軸延伸ポリスチレン系樹脂又は二軸延伸耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を積層することもできる。
【0030】
更に本発明の発泡シートには、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物を積層することもできる。但し、ポリスチレン系樹脂との接着性が悪い樹脂を積層する場合は、必要な接着層を介在させる必要がある。
【0031】
上記各種の樹脂を発泡シートに積層する方法は、該発泡シートにTダイやサーキュラーダイ等の各種のダイからシート状に押出す押出ラミネーションによるのが通常であるが、上記発泡剤を含有した発泡性ポリスチレン系樹脂と上記各種の積層用樹脂とを共押出用ダイの中で積層する方法を採用することもできる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0033】
実施例1〜3、比較例1〜3
ポリスチレン系樹脂として、電気化学工業株式会社製ポリスチレン系樹脂「HRM2」を使用し、該ポリスチレン系樹脂100重量部に対してタルク1重量部を配合したものを60mmφの押出機に投入して溶融混練することにより溶融樹脂とし、該溶融樹脂に表1に示す組成のプロパンとイソブタンとプロパンとからなる混合発泡剤を2〜3(重量部/ポリスチレン系樹脂100重量部)の割合で圧入して更に混練した。尚、上記混合発泡剤の配合は表1に示す。
【0034】
次いで上記60mmφの押出機に接続された90mmφの押出機にて、上記溶融混合物を165〜170℃に冷却することにより発泡性溶融混合樹脂とし、該発泡性溶融混合樹脂を環状ダイを通して押出発泡させることにより円筒状の発泡体とし、該発泡体を円柱状の冷却装置側面上を通過させながら冷却した後、押出方向に切開くことにより発泡シートを得た。
得られた発泡シートの密度、厚さを表1に、発泡シートの製造日を基準とする成形可能期間及び該成形可能期間から算出したライフサイクルを表2に、二次発泡厚等の諸物性を表3に示す。
【0035】
実施例4
実施例1において得られた発泡シート上に、Tダイから押出された厚さ0.1mmの耐衝撃性ポリスチレン樹脂層を介して厚さ0.035mmの二軸延伸ポリスチレン樹脂フィルムを積層することにより積層発泡シートを得た。
得られた発泡シートの密度、厚さを表1に、上記フィルムを積層した製造日を基準とする成形可能期間及びライフサイクルを表2に、二次発泡厚等の諸物性を表3に示す。
【0036】
実施例5
実施例2において得られた発泡シート上に、実施例4と同様に耐衝撃性ポリスチレン樹脂層を介して二軸延伸ポリスチレン樹脂フィルムを積層することにより積層発泡シートを得た。
得られた発泡シートの密度、厚さを表1に、上記フィルムを積層した製造日を基準とする成形可能期間及びライフサイクルを表2に、二次発泡厚等の諸物性を表3に示す。
【0037】
比較例4
比較例1において得られた発泡シート上に、実施例4と同様に耐衝撃性ポリスチレン樹脂層を介して二軸延伸ポリスチレン樹脂フィルムを積層することにより積層発泡シートを得た。
得られた発泡シートの密度、厚さを表1に、上記フィルムを積層した製造日を基準とする成形可能期間及びライフサイクルを表2に、二次発泡厚等の諸物性を表3に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004434382
【0039】
【表2】
Figure 0004434382
【0040】
【表3】
Figure 0004434382
【0041】
表3における発泡シートの表面荒れ及び二次発泡厚は、製造後14日の時点での発泡シートから縦10cm×横10cm×シート厚さ(積層シートの場合は全厚さ)のサンプルを切出し、該サンプルを145℃のオーブンにて、実施例1〜3及び比較例1〜3の場合は25秒間加熱した後、実施例4〜5及び比較例4の場合は30秒間加熱した後の発泡シート表面荒れの有無を目視で判断し、各々のサンプル厚さを測定することにより求めた。
【0042】
表3における発泡シートの圧縮降伏点強さ及び圧縮弾性率の値は、製造後63日の発泡シートから縦5cm×横5cm×シート厚さ(積層発泡シートの場合は積層フィルムを含む全厚さ)のサンプルを切出し、JISK7220に準拠して圧縮速度5mm/minの試験条件にて測定した。
【0043】
表2から、本発明によって製造された実施例1〜3の発泡シートは、プロパンを配合していない比較例1,2の発泡シートに比較して熟成期間が短いと共にライフサイクルが長いことが判る。又、実施例4〜5の積層発泡シートは、プロパンの配合量が多すぎる比較例4の積層発泡シートに比較してライフサイクルが長いことが判る。
【0044】
又、表3から、本発明によって製造された実施例1〜5の発泡シートは、プロパンを配合していない比較例1,2の発泡シートに比較して、圧縮降伏点強さ及び圧縮弾性率に優れた発泡シートであることが判る。
【0045】
【発明の効果】
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、ポリスチレン系樹脂と物理発泡剤とを押出機により溶融混練して発泡性溶融樹脂とし、該溶融樹脂を押出して発泡せしめるポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、物理発泡剤として50重量%以上70重量%未満のイソブタンと15重量%以上30重量%以下のノルマルブタンと0.5重量%以上50重量%未満のプロパンと0重量%以上5重量%以下のその他の物理発泡剤(但し、イソブタンとノルマルブタンとプロパンとその他の物理発泡剤との合計が100重量%)とからなる混合物を用いるという構成を採用しているので、本発明の製造方法によれば、製造後の熟成期間が短期間で足りると共に、ライフサイクルが長く、目的とする二次発泡厚の成形品を長期間にわたって得ることが可能なポリスチレン系樹脂発泡シートを提供することができる。
【0046】
即ち、本発明の製造方法は、発泡剤としてポリスチレン系樹脂に対するガス透過速度が速いプロパンと、ガス透過速度が遅いイソブタンと、ガス透過速度がプロパンとイソブタンの中間のノルマルブタンとの混合物を用いているので、プロパンは早期に逸散し、ノルマルブタンは徐々に逸散し、イソブタンは極めて遅く逸散することとなる。従って、残存発泡剤量はプロパンが逸散している間は急激に減少するが、プロパンの逸散が終了した後は、残存発泡剤量が徐々に減少することになるので、熟成期間の短縮化とライフサイクルの長期化を同時に実現することができる。
更に、発泡剤の配合を上記範囲内で調製することにより、熟成期間とライフサイクルを自由に調節することもできる。
【0047】
本発明の製造方法は、従来のポリスチレン系樹脂発泡シートに比較すると、圧縮降伏点強さ及び圧縮弾性率に優れている。従って、使用樹脂量を少なくすることによって成形品の軽量化を図っても、従来品と同程度の圧縮物性の成形品を提供することができる。

Claims (1)

  1. ポリスチレン系樹脂と物理発泡剤とを押出機により溶融混練して発泡性溶融樹脂とし、該発泡性溶融樹脂を環状のダイから円筒状に押出発泡し、該円筒状発泡体を切り開いてシートとする、厚さ0.4〜7mmのポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、
    物理発泡剤として50重量%以上70重量%未満のイソブタンと15重量%以上30重量%以下のノルマルブタンと0.5重量%以上50重量%未満のプロパンと0重量%以上5重量%以下のその他の物理発泡剤(但し、イソブタントとノルマルブタンとプロパンとその他の物理発泡剤との合計が100重量%)とからなる混合物を、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部用いることを特徴とする熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
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