JP2014518544A - アルキン置換キナゾリン化合物および使用方法 - Google Patents

アルキン置換キナゾリン化合物および使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014518544A
JP2014518544A JP2013556664A JP2013556664A JP2014518544A JP 2014518544 A JP2014518544 A JP 2014518544A JP 2013556664 A JP2013556664 A JP 2013556664A JP 2013556664 A JP2013556664 A JP 2013556664A JP 2014518544 A JP2014518544 A JP 2014518544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cancer
compound
compound according
alkyl
chloro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013556664A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014518544A5 (ja
JP6006242B2 (ja
Inventor
ワン シェン,
エイミン チャン,
ジャック マウン,
シャオリン チェン,
Original Assignee
ニューゲン セラピューティクス, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ニューゲン セラピューティクス, インコーポレイテッド filed Critical ニューゲン セラピューティクス, インコーポレイテッド
Publication of JP2014518544A publication Critical patent/JP2014518544A/ja
Publication of JP2014518544A5 publication Critical patent/JP2014518544A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6006242B2 publication Critical patent/JP6006242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D405/00Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom
    • C07D405/02Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings
    • C07D405/06Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings linked by a carbon chain containing only aliphatic carbon atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/517Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with carbocyclic ring systems, e.g. quinazoline, perimidine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

本発明は、アルキン置換されたキナゾリン化合物(例えば、式(I)の化合物の化合物)を提供し、これらは、不可逆性ErbBキナーゼインヒビターである。上記化合物は、ErbBキナーゼ活性が関わっている疾患および障害(例えば、過剰増殖性障害(例えば、癌)の処置において有用である。本発明は、I型レセプタープロテインキナーゼの不可逆的インヒビターとしての、アルキン部分を含む新規なキナゾリン誘導体に関する。これらインヒビターは、異常なプロテインキナーゼ活性に関する障害(例えば、哺乳動物における癌および炎症)を処置することにおいて有用である。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2011年3月4日に出願された米国仮特許出願第61/449,088号に対する優先権を主張し、この出願の開示はその全体が本明細書において参照として援用される。
(発明の分野)
本発明は、I型レセプタープロテインキナーゼの不可逆的インヒビターとしての、アルキン部分を含む新規なキナゾリン誘導体に関する。これらインヒビターは、異常なプロテインキナーゼ活性に関する障害(例えば、哺乳動物における癌および炎症)を処置することにおいて有用である。本発明はまた、これらインヒビターを含む薬学的組成物、これらインヒビターおよびそれらの薬学的に受容可能な塩の調製のための方法に関する。
(発明の背景)
I型レセプターチロシンキナーゼファミリーは、4つの密接に関連したレセプター:ErbB1(EFGRまたはHER1)、ErbB2(HER2)、ErbB3(HER)およびErbB4(HER4)から構成される。これらレセプターは、リガンド結合のための細胞外ドメイン(HER3を除く)、細胞内触媒活性チロシンキナーゼドメインを含む、膜貫通型糖タンパク質である。これらレセプターは、核へのシグナル伝達カスケードを介して、細胞外シグナルをサイトゾルを通って伝える。上記細胞外シグナルは、ダイマーレセプターへのリガンド結合によって伝達される(erbB2を除く)。そのうち、高親和性可溶性リガンドは、なお同定されなければならない。リガンド結合の後、上記I型レセプターチロシンキナーゼは、レセプターのサブファミリーの別のメンバーとホモダイマー化するかまたはヘテロダイマー化するかのいずれかである(非特許文献1)。ErbB2は、ヘテロダイマー化によってこのプロセスに関与し、好ましいヘテロダイマー化パートナーである(非特許文献2)。ダイマー化は、上記細胞内ドメインの自己リン酸化によって、上記ErbBレセプターの活性化をもたらす。この自己リン酸化は、アダプタータンパク質を補充し、細胞全体に上記シグナルを伝達するリン酸化カスケードをもたらす。上記I型レセプターチロシンキナーゼファミリー(ErbBファミリー)は、ras/raf/MEK/MAPK経路およびPI3K/Akt経路を介してシグナル伝達する。これらシグナル伝達経路は、アポトーシスの阻害を介して細胞増殖および細胞生存の両方をもたらす。
ErbBファミリーレセプターは、癌において重要な役割を果たす(非特許文献3)。頭頸部および肺の扁平上皮癌は、高レベルのEGFRを発現する。また、構成的に活性なEGFRは、神経膠腫、乳癌および肺癌において見いだされた(非特許文献4;非特許文献5、および非特許文献6)。ErbB2過剰発現は、全ての乳癌のうちの約30%において発生する(非特許文献7)。ErbB2はまた、他のヒト癌(結腸、卵巣、膀胱、胃、食道、肺、子宮および前立腺が挙げられる)に関わっている。ErbB2過剰発現は、転移、および早期再発を含め、ヒト癌における不十分な予後と相関する(非特許文献8)。
上記I型チロシンキナーゼレセプターファミリーは、未だに抗癌研究の活発な分野である(非特許文献9)。上記EGFRおよび上記ErbB2シグナル伝達経路のいくつかのインヒビターは、眼処置において臨床的効力を示した。ハーセプチン(抗ErbB2モノクローナル抗体のヒト化バージョン)、ならびにパニツムマブおよびセツキシマブ(2つの抗EGFRモノクローナル抗体)は、近年米国において、乳癌、結腸直腸癌、および頭頸部癌における使用が承認された。ゲフィチニブ(イレッサ(登録商標))およびエルロチニブ(タルセバ(登録商標))は、特定の固形腫瘍(肺癌が挙げられる)の処置のために市場に出された、EGFRの低分子インヒビターである。さらに、ラパチニブ(EGFRおよびErbB2の二重インヒビター)は、転移性乳癌の処置について2007年にFDAによって認可された。上記I型チロシンキナーゼレセプターシグナル伝達経路の妨害を標的とする多くの他の抗体および低分子は、ErbB1、ErbB2のいくつかの不可逆的二重インヒビター(非特許文献10;非特許文献11)を含め、臨床開発中および前臨床開発中である(非特許文献12)。
1つの重大な未だ満たされていない医療的ニーズは、原発性脳腫瘍、特に、多形性神経膠芽腫(GBM)のための新たな処置である。GBM脳腫瘍のうちの大きなパーセンテージが、疾患促進(disease−driving)EGFR変異(EGFRvIII)を有する。しかし、現在利用可能なEGFR低分子インヒビター(エルロチニブおよびゲフィチニブ)および抗体(セツキシマブおよびパニツムマブ)は、これらが血液脳関門(BBB)を横断できないことに起因して、脳における曝露が制限されている(非特許文献13;非特許文献14)。従って、それらは、GBMの処置のためには使用され得ない。
脳への転移の発生率は、癌患者において、特に、肺癌、乳癌および黒色腫から増大しつつある。脳は、血液脳関門が薬物を進入させ腫瘍細胞の死滅させる能力を制限しているので、「聖地」と考えられている(非特許文献15)。肺癌からの脳転移は、全ての脳転移のうちの40〜50%を占め、これら肺癌脳転移の半分近くは、EGFR変異を有する(非特許文献16)。同様に、ハーセプチンの使用は、HER2陽性乳癌患者の結果を顕著に改善したが、これら乳癌患者の多くは、ハーセプチンによって処置されつつも同時に脳転移を発生させた(非特許文献17;非特許文献18;非特許文献19)。
新たな癌処置および脳における腫瘍を処置し得る化合物についての重大な未だ満たされていない医療的ニーズは、必要とされ続けている。
Lemmon MA, Experiment. Cell Res. (2009), 315:638−648 Brennan PJ, et al., Oncogene (2000), 19:6093 Burgess AW, Growth Factors (2008), 26:263−74 Salomon, et al., Critical Rev. Oncol. Hematol. (1995), 19:183−232 Klapper, et al., Adv. Cancer Res. (2000), 77:25−79 Hynes and Stern, Biochimica Biophysica Acta (1994), 1198:165−184 Milanezi, et al., Expert Rev. Mo. Diagnosis. (2008), 8(4), 417−34 Baselga J and Swain SM, Nature Rev. Cancer (2009), 9:463−75 O’Donovan and Crown, Anticancer Res. (2007) 27(3A):1285−94 Minkovsky N, Berezov A. Curr. Opin. Investig. Drugs. (2008); 9:1336−46 Bose P, Ozer H. Expert Opin. Investig. Drugs. (2009); 18:1735−51 Zhang, et al., J. Clin. Investigation (2007), 117:2051−2058 Broniscer, et al., Clin. Cancer Res. (2007):1511 Lassman, et al., Clin. Cancer Res. 2005:7841 Steeg, PS; et al., Nat. Rev. Cancer (2011) 11:352 Eichler, AF, et al., Neuro−Oncology (2010), 12:1193 http://www.cityofhope.org/eHope, 11(2) Feb. 21, 2012 Heitz, F.; et al., Ann. Oncol. (2011) 22:1571 Bendell, J. et al., Cancer (2003) 97:2972
(発明の要旨)
本発明は、式(I)のアルキニル置換された4−アニリノキナゾリンまたは本明細書で詳述される任意のバリエーション、ならびにその薬学的に受容可能な塩およびプロドラッグを提供する。これらは、過剰増殖性疾患(例えば、癌)の処置において有用である。具体的には、本発明は、EGFRインヒビターおよびErbB2インヒビターとして作用する、式(I)の化合物、または本明細書で詳述される任意のバリエーションに関する。式(I)の化合物を含む処方物およびこれを必要とする個体を処置することにおいて上記化合物を使用する方法もまた、提供する。さらに、式(I)の阻害性化合物を調製するためのプロセスが記載される。
一局面において、式(I)の化合物:
またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供され、ここで:
Wは、NまたはC−CNであり;
は、置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールであり;
各RおよびRは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで上記C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルの各々は、オキソ、ハロゲンおよび−ORからなる群より独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合される窒素原子と一緒になって、4〜7員のヘテロシクリルを形成し、上記4〜7員のヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OR、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される最大3個までの基で必要に応じて置換され;
は、“O”、“N”、“S”、S(O)”、または“S(O)”から選択される1〜3個のヘテロ環原子を含むヘテロシクリルであり、ここで上記ヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OCF、−OR、−CF、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換され;そして
各R、RおよびRは、HおよびC−Cアルキルから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、式(I)のものであるか、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体であり、ここでWは、Nであり、Rは、3−クロロ−4−フルオロフェニルであり、各RおよびRは、メチルであり、そしてRは、テトラヒドロフラニル、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルまたは3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イルである。特定のバリエーションにおいて、Rは、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルである。
別の局面において、必要な個体における過剰増殖性障害を処置する方法が提供され、上記方法は、上記個体に、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の有効量を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記過剰増殖性障害は、脳における腫瘍(例えば、原発性脳腫瘍(例えば、神経膠腫およびGBM)または転移性脳腫瘍(例えば、乳癌または肺癌の脳転移))である。
本発明はまた、式(I)の化合物または本明細書に記載される任意のバリエーションの薬学的に受容可能な塩、薬学的に受容可能なプロドラッグ、および薬学的に活性な代謝産物を提供する。式(I)の化合物を作製する方法もまた、記載される。
本明細書で詳述される化合物(例えば、式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能なプロドラッグ、薬学的に活性な代謝産物、もしくは薬学的に受容可能な塩)、および薬学的に受容可能なキャリアもしくは賦形剤を含む薬学的に組成物もまた、提供される。本明細書で詳述されるとおりの化合物またはその薬学的に受容可能な塩はまた、癌の処置のための医薬の製造のために提供される。本明細書で詳述される化合物を含むキットが提供され、上記キットは、本明細書で詳述される方法において(例えば、脳腫瘍を含む過剰増殖性障害を処置することにおいて)使用するための説明書を必要に応じて含む。
本明細書で記載される種々の実施形態の特徴のうちの1つ、いくつかまたは全ては、組み合わされて、本発明の他の実施形態を形成し得ることは理解されるべきである。本発明のこれらおよび他の局面は、当業者に明らかになる。
図1は、Balb/cヌードマウスにおけるNCI−N87異種移植片に対する化合物KU113の抗癌効果を示す。化合物KU113(「NT113」ともいわれる)の構造は、実施例4に記載される。 図2は、エルロチニブおよびアファチニブとの比較において、ヌードマウスにおけるH1975異種移植片に対する化合物KU113の抗癌効果を示す。 図3は、脳濃度に伴う化合物KU113のラット薬物動態データを示す。 図4は、アファチニブ(KU041)についてのラット薬物動態データを示す。脳濃度は、検出限界未満であった。
(発明の詳細な説明)
本発明は、EGFRおよびHER2キナーゼのインヒビターであり、血液脳関門を横断し得る化合物を提供する。本明細書で提供される、脳において持続性のある曝露を有する化合物および組成物は、脳の癌に罹患している、現在有効な治療の選択肢が制限されている患者を助け得る。
(定義)
別段明示的に定義されている場合を除いて、以下の用語の定義は、本明細書全体を通して使用される。
用語「アルキル」とは、本明細書で使用される場合、1〜12個の炭素原子の飽和した直鎖または分枝鎖の炭化水素であって、上記アルキルラジカルは、以下に記載される1個以上の置換基で独立して置換され得るものをいう。アルキル基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなど。より好ましいアルキルラジカルは、1〜8個の炭素原子を有する(「C−Cアルキル」)。より好ましいアルキルラジカルは、1〜4個の炭素原子を有する(「C−Cアルキル」)。
用語「アルケニル」とは、2〜12個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルであって、少なくとも1個の二重結合を含み(例えば、エテニル、プロペニルなど)、ここで上記アルケニルラジカルは、必要に応じて、本明細書に記載される1個以上の置換基で独立して置換され得、「シス」および「トランス」配向、または代わりに「E」および「Z」配向を有するを有するラジカルを含むものをいう。好ましいアルケニルラジカルは、2〜6個の炭素原子(「C−Cアルケニル」)を有するものである。
用語「アルキニル」とは、2〜12個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルであって、少なくとも1個の三重結合を含むものをいう。例としては、エチニル、プロピニルなどが挙げられ、ここで上記アルキニルラジカルは、必要に応じて、本明細書に記載される1個以上の置換基で独立して置換され得る。好ましいアルキニルラジカルは、2〜6個の炭素原子を有するもの(「C−Cアルキニル」)である。
用語「シクロアルキル」とは、3〜12個の炭素原子を有する飽和または部分不飽和の環式炭化水素ラジカルであって、ここで上記シクロアルキルは、必要に応じて、本明細書に記載される1個以上の置換基で独立して置換され得るものをいう。「シクロアルキル」は、スピロ環式、二環式および三環式のシクロアルキル構造をさらに含み、ここで上記二環式および三環式の構造は、飽和もしくは部分不飽和のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環またはアリールもしくはヘテロアリール環に縮合された、飽和もしくは部分不飽和のシクロアルキルを含み得る。スピロ部分はまた、この定義の範囲内に含まれる。好ましいシクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を有するもの(「C−Cシクロアルキル」)である。より好ましいシクロアルキル基は、3〜6個の炭素原子を有するもの(「C−Cシクロアルキル」)である。シクロアルキル基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボニルなど。
用語「ヘテロアルキル」とは、1〜12個の炭素原子の飽和または部分不飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルであって、ここで上記炭素原子のうちの少なくとも1個は、N、O、またはSから選択されるヘテロ原子で置換されており、上記ラジカルは、炭素ラジカルであってもヘテロ原子ラジカルであり得る(すなわち、上記ヘテロ原子は、上記ラジカルの中間または末端において出現してもよい)ものをいう。上記ヘテロ原子は、酸化されていてもよい(例えば、S(O)およびS(O))。ヘテロアルキルラジカルは、必要に応じて、本明細書に記載される1個以上の置換基で独立して置換され得る。用語「ヘテロアルキル」は、アルコキシおよびヘテロアルコキシラジカルを包含する。
用語「ヘテロシクリル」とは、3〜14個の環原子の飽和または部分不飽和の環式ラジカルであって、ここで少なくとも1個の環原子が、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素であり、1個以上の環原子が、必要に応じて、本明細書に記載される1個以上の置換基で独立して置換され得るものをいう。上記ラジカルは、炭素ラジカルであってもよいし、ヘテロ原子ラジカルであってもよい。「ヘテロシクリル」はまた、複素環ラジカルが芳香族環またはヘテロ芳香族環と縮合しているラジカルを包含する。「ヘテロシクリル」は、単環式、二環式、または多環式であり得る。スピロ部分はまた、この定義の範囲内に含まれる。「ヘテロシクリル」の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、フタルイミジル、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキシル(例えば、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルおよび3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)、およびこれらの誘導体。
用語「アリール」とは、1個の環を有する(例えば、フェニル)、複数の環を有する(例えば、ビフェニル)、または少なくとも1個が芳香族である複数の縮合環を有する(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、ナフチル)芳香族カルボン酸基であって、これらは、必要に応じて、例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルキルオキシ、トリフルオロメチル、アリール、ヘテロアリール、およびヒドロキシでモノ置換、ジ置換またはトリ置換されているものをいう。
「ヘテロアリール」とは、5〜10個の環原子の単環式芳香族ラジカルまたは多環式芳香族ラジカルであって、窒素、酸素、または硫黄から選択される1個以上の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素であるものを意味する。上記芳香族ラジカルは、必要に応じて、本明細書に記載される1個以上の置換基で独立して置換される。例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラジニル、インドリル、チオフェン−2−イル、キノリル、ベンゾピラニル、チアゾリル、およびこれらの誘導体。ヘテロアリールの他の非限定的例としては、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニルおよびインダゾリルが挙げられる。
用語「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを表す。同様に、用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素置換基をいう。
用語「置換された」とは、一価または二価のラジカルでの、ある部分の1個以上の水素原子の置換をいう。「必要に応じて置換された」とは、上記部分が、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよいことを示す。用語「必要に応じて置換された」および「置換された」を欠いている部分は、置換されていない部分を意図する(例えば、「フェニル」は、置換されたフェニルまたは必要に応じて置換されたフェニルと示されなければ、置換されていないフェニルを意図する)。
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」とは、少なくとも一部は、1種以上のErbBファミリーチロシンキナーゼおよび/またはセリン、スレオニンキナーゼの活性によって、影響を及ぼされている哺乳動物(例えば、ヒト)における疾患状態の緩和を少なくとも意味するために意図され、上記疾患状態が哺乳動物において起こらないように予防すること(特に、上記哺乳動物が、上記疾患状態を有する素因があることが分かっているが、上記疾患状態を有するとは未だ診断されていない場合);上記疾患状態を調節および/もしくは阻害すること;ならびに/または上記疾患状態を改善することが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「疾患の発生を遅らせる」とは、上記疾患(例えば、癌)の発生までの時間をかせぐか、その発生を妨げるか、遅らせるか、阻止するか、安定化するか、そして/または延期することを意味する。この遅れは、上記疾患の病歴および/または処置される個体に依存して、時間の長さが変動するものであり得る。当業者に明らかであるように、十分なまたは顕著な遅れは、実質的に、上記個体が上記疾患を発生させないという点で、予防を包含し得る。例えば、後期ステージの癌(例えば、転移の発生)が、遅らせられ得る。
「薬学的に受容可能なキャリア」とは、活性成分以外の、薬学的処方物中の被験体に対して非毒性である成分をいう。薬学的に受容可能なキャリアとしては、緩衝化剤、賦形剤、安定化剤、または保存剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「〜と関連して」とは、1つの処置モダリティーに加えて、別の処置モダリティーの施与に言及する。よって、「〜と関連して」とは、上記個体への1つの処置モダリティーの前、その間またはその後の、他の処置モダリティーの施与に言及する。
別段明確に示されなければ、用語「個体」とは、本明細書で使用される場合、哺乳動物(ウシ、ウマ、ネコ、ウサギ、イヌ、齧歯類、または霊長類(例えば、ヒト)が挙げられるが、これらに限定されない)をいう。いくつかの実施形態において、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態において、個体は、非ヒト霊長類(例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル(apes and monkey)種)である。いくつかの実施形態において、個体は、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ);愛玩動物(例えば、ウサギ、イヌおよびネコ);実験動物(齧歯類(例えば、ラット、マウス、およびモルモット)が挙げられる)などである。本発明は、ヒトの医学および獣医学的状況の両方における使用を見いだし得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの、ある(a)」、「1つの、ある(an)」および「上記、この、その(the)」は、状況が別段明らかに示さなければ、複数形への言及を含む。
本明細書に記載される本発明の局面およびバリエーションは、「〜からなる」および/または「〜から本質的になる」局面およびバリエーションを包含することが理解される。
(化合物)
一局面において、式(I)の化合物:
またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供され、ここで:
Wは、NまたはC−CNであり;
は、置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールであり;
各RおよびRは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで上記C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルの各々は、オキソ、ハロゲンおよび−ORからなる群より独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合される窒素原子と一緒になって、4〜7員のヘテロシクリルを形成し、上記4〜7員のヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OR、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される最大3個までの基で必要に応じて置換され;
は、“O”、“N”、“S”、S(O)”、または“S(O)”から選択される1〜3個のヘテロ環原子を含むヘテロシクリルであり、ここで上記ヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OCF、−OR、−CF、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換され;そして
各R、RおよびRは、HおよびC−Cアルキルから独立して選択される。
式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体において、Rは、置換された単環式、二環式または三環式のアリールまたは置換された単環式、二環式または三環式のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、置換された単環式、二環式または三環式のアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、置換されたフェニルである。1つのバリエーションにおいて、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、エチニル、ベンゼンスルホニル、必要に応じて置換されたC−Cアルキル(例えば、メチル)、および−ORから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;ここでRは、必要に応じて置換されたC−Cアルキル(例えば、置換されたメチル)または必要に応じて置換されたヘテロアリールである。1つのバリエーションにおいて、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、エチニルおよびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルである。
1つのバリエーションにおいて、Rは、以下:
からなる群より選択される置換されたフェニルである。1つの具体的バリエーションにおいて、Rは、以下:
である。
別のバリエーションにおいて、Rは、以下:
からなる群より選択される置換されたフェニルである。
別のバリエーションにおいて、Rは、以下:
からなる群より選択される置換されたフェニルである。
別のバリエーションにおいて、Rは、以下:
からなる群より選択される置換されたフェニルである。
別のバリエーションにおいて、Rは、以下:
からなる群より選択される置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態において、Rは、置換された単環式、二環式または三環式のヘテロアリールである。1つのバリエーションにおいて、Rは、以下:
からなる群より選択される置換されたヘテロアリールである。
本明細書に記載されるRの各バリエーションおよびあらゆるバリエーションは、適用可能である場合、各組み合わせおよびあらゆる組み合わせが別個に列挙されるかのように、本明細書に記載される他の変数(例えば、R、R、RおよびW)の各バリエーションおよびあらゆるバリエーションと組み合わされ得ることが理解され、本明細書に明らかに示唆されている。
いくつかの実施形態において、各RおよびRは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで上記C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルの各々は、オキソ、ハロゲンおよび−ORからなる群より独立して選択される最大3個までの基で必要に応じて置換される。いくつかの実施形態において、各RおよびRは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、各RおよびRは、独立して、C−Cアルキルである。具体的実施形態において、各RおよびRは、メチルである。いくつかの実施形態において、各RおよびRは、独立して、H、またはオキソ、ハロゲンおよび−ORからなる群より独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換されたC−Cアルキルである。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、Rは、Hである。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、Rは、C−Cアルキル(例えば、メチル)である。
いくつかの実施形態において、RおよびRは、これらが結合される窒素原子と一緒になって、4〜7員のヘテロシクリルを形成し、上記4〜7員のヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OR、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換され、ここで各R、RおよびRは、HおよびC−Cアルキルから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、Wは、Nである。いくつかの実施形態において、Wは、C−CNである。
いくつかの実施形態において、Rは、“O”、“N”、“S”、S(O)”、または“S(O)”から選択される1〜3個のヘテロ環原子を含む4〜10員のヘテロシクリルであり、ここで上記ヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OCF、−OR、−CF、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換され、ここで各R、RおよびRは、HおよびC−Cアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、Rは、ハロゲン、オキソ、−OCF、−OR、−CF、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換された、1個の環ヘテロ原子(例えば、酸素)を含む5員または6員のヘテロシクリルである。1つのバリエーションにおいて、Rは、単環式ヘテロシクリル(例えば、テトラヒドロフラニル(例えば、テトラヒドロフラン−3−イル))である。1つのバリエーションにおいて、Rは、二環式ヘテロシクリル(例えば、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキシル(例えば、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルおよび3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル))である。
本明細書に記載されるRの各バリエーションおよびあらゆるバリエーションは、適用可能である場合、各組み合わせおよびあらゆる組み合わせが別個に列挙されるかのように、本明細書に記載される他の変数(例えば、R、R、RおよびW)の各バリエーションおよびあらゆるバリエーションと組み合わされ得ることが理解され、本明細書に明らかに示唆されている。例えば、1つのバリエーションにおいて、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供され、ここでWは、Nであり、Rは、3−クロロ−4−フルオロフェニルであり、各RおよびRは、メチルであり、そしてRは、テトラヒドロフラン−3−イル、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルまたは3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イルである。特定のバリエーションにおいて、Rは、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルである。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、式(I)のもの、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体であり、ここでWは、NまたはC−CN基であり;Rは、置換された単環式、二環式または三環式のアリールまたはヘテロアリール部分であり;各RおよびRは、H、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択され、ここで上記のアルキルおよびシクロアルキルの各々は、オキソ、ハロゲンおよび−ORからなる群より独立して選択される最大3個までの基で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合される原子と一緒になって、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し得、上記4〜7員のヘテロシクリル環は、ハロゲン、オキソ、−OR、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される最大3個までの基で必要に応じて置換され;Rは、“O”、“N”、“S”、S(O)”、または“S(O)”から選択される1〜3個のヘテロ環原子を含む単環式、二環式またはスピロ環式の4〜10員のヘテロシクリル基であるのに対して、上記複素環式環は、ハロゲン、オキソ、−OCF、−OR、−CF、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される最大3個までの基で必要に応じて置換され;そしてR、R、およびRは、HおよびC−Cアルキルから独立して選択される。
好ましい実施形態において、Wは、Nである。
別の好ましい実施形態において、RおよびRは、独立して、CHである。
式(I)におけるRの好ましい例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態において、以下からなる群より選択される化合物が提供される:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((R)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1R,5S,6s)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1R,5S)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミドおよび(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1S,5R)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド;ならびにこれらの塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体。
本明細書に提供される化合物は、1種以上の不斉中心を有していてもよく、このような化合物は、個々の立体異性体(例えば、(R)−もしくは(S)−エナンチオマーまたはジアスレレオマー)またはその混合物として生成され得る。別段示されなければ、本明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の記載または命名は、個々のエナンチオマーおよび混合物、そのラセミ体などの両方を含むことが意図される。よって、本発明はまた、式(I)の化合物または本明細書で詳述される任意のバリエーションのラセミ体および分離したエナンチオマー、ならびにジアステレオマーを含む。原子の空間的配置の決定および立体異性体の分離のための方法は、当該分野で周知である。「March’s Advanced Organic Chemistry」, 6th ed. M. B. Smith and J. March, John Wiley and Sons, New York, (2007)(本明細書に参考として援用される)の第4章における考察を参照のこと。
本発明はまた、式(I)の同位体標識された化合物または本明細書で詳述される任意のバリエーションを含む。上記同位体標識された化合物は、本発明の化合物に同一であるが、実際には(for the faction)、1個以上の原子が、同じ元素の同位体によって置換されている。本発明の化合物に組み込まれ得る例示的同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、塩素の同位体(例えば、H、H、11C、13C、1413N、15O、17O、32P、35S、18F、36Cl)を含む。特定の同位体標識した化合物(例えば、Hおよび14C)は、化合物または基質の組織分布研究において有用である。特定のより重い同位体(例えば、H)は、考えられるより大きな代謝的安定性から生じる特定の治療的利益を提供し得る。
本発明はまた、式(I)の化合物または本明細書で詳述される任意のバリエーションの溶媒和物、薬学的に受容可能なプロドラッグ、薬学的に活性な代謝産物、および薬学的に受容可能な塩を包含する。
用語「溶媒和物」とは、1個以上の溶媒分子を有する分子の集合(例えば、水和物、アルコラート(アルコールを有する集合物または付加物)などをいう。
本明細書で使用される用語「生理学的に機能的な誘導体」とは、本発明の式Iの化合物の任意の生理学的に受容可能な誘導体(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)への投与の際に、式Iの化合物またはその活性な代謝産物を(直接的にまたは間接的に)形成し得るエステル)をいう。
上記生理学的に機能的な誘導体はまた、本発明の化合物のプロドラッグを含む。このようなプロドラッグは、インビボで本発明の化合物へと代謝され得る。これらプロドラッグは、それ自体が活性であってもよいし、活性でなくてもよく、これらはまた、本発明の目的である。
「薬学的に受容可能なプロドラッグ」は、生理学的条件下でまたは加溶媒分解によって、上記特定の化合物またはこのような化合物の薬学的に受容可能な塩へと変換され得る化合物である。
「薬学的に活性な代謝産物」は、特定の化合物またはその塩の、身体における代謝を介して生成される薬理学的に活性な生成物である。化合物の代謝産物は、当該分野で公知の慣用的技術を使用して同定され得、それらの活性は、本明細書において記載されるもののような試験を使用して決定され得る。
化合物のプロドラッグおよび活性な代謝産物は、当該分野で公知の慣用的技術を使用して同定され得る。プロドラッグの種々の形態は、当該分野で公知である。このようなプロドラッグ誘導体の例に関しては、例えば、a)Design of Prodrugs , H. Bundgaard編, (Elsevier, 1985) and Methods in Enzymology , Vol. 42, p. 309−396(K. Widder, et al.編)(Academic Press, 1985);b)Chapter 27, 「Recent Advances in Oral Prodrug Discovery」, A. Cho in Annual Reports in Medicinal Chemistry, A. Wood編 (Academic Press, 2006), 41:395. c)Prodrugs: Challenges and Rewards, Part 1 and 2,(V. J. Stella, et al.編)(Springer, 2007)を参照のこと。
「薬学的に受容可能な塩」とは、上記特定の化合物の遊離酸および遊離塩基の生物学的有効性を保持し、かつ生物学的にも別の点でも望ましくないものではない塩である。本発明の化合物は、十分に酸性の、十分に塩基性の、またはその両方の官能基を有し得、よって、多くの無機塩基または有機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応して、薬学的に受容可能な塩(sale)を形成し得る。薬学的に受容可能な塩の例としては、以下が挙げられる:本発明の化合物と、無機酸もしくは有機酸または無機塩基との反応によって調製されるそれらの塩(このような塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセテート、プロピオネート、デカノエート、カプリレート、アクリレート、ホルメート、イソブチレート、カプロエート、ヘプタノエート、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロネート、スクシネート、スベレート、セバシン酸塩、フマレート、マレエート、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート(hexyne−1,6−dioate)、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート(dinitromenzoate)、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、γ−ヒドロキシブチレート、グリコレート、タートレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネート、トシレート、ベシレート、アセテートおよびマンデル酸塩が挙げられる)。
本発明の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に受容可能な塩は、当該分野で利用可能な任意の適切な方法(例えば、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)での、または有機酸(例えば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシド酸(pyranosidyl acid)(例えば、グルクロン酸またはガラクツロン酸)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸または酒石酸)、アミノ酸(例えば、アスパラギン鎖またはグルタミン酸)、芳香族酸(例えば、安息香酸または桂皮酸)、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸)など)での、遊離塩基の処理)によって調製され得る。
本発明の化合物が酸である場合、所望の薬学的に受容可能な塩は、任意の適切な方法(例えば、無機塩基または有機塩基(例えば、アミン(一級、二級または三級)、アルカリ金属ヒドロキシドまたはアルカリ土類金属ヒドロキシドなどでの、遊離酸の処理)によって調製され得る。適切な塩の例証となる例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アミノ酸(例えば、グリシンおよびアルギニン)、アンモニア、一級アミン、二級アミンおよび三級アミン、ならびに環式アミン(例えば、ピペリジン、モルホリンおよびピペラジン)から得られる有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから得られる無機塩。
本明細書で言及される化合物の塩(例えば、薬学的に受容可能な塩)もまた、提供される。本発明はまた、立体化学的形態(任意のエナンチオマー形態またはジアステレオマ−形態、および任意の互変異性体または本明細書に記載される化合物の他の形態が挙げられる)のうちのいずれかまたは全てを包含する。
本発明の化合物はまた、例えば、無定形形態および結晶質の多形な形態としての、種々の多形の形態において存在し得る。本発明の化合物の全ての多形の形態は、本発明の範囲内に含まれ、本発明の別の局面である。
本明細書で詳述されるとおりの化合物は、一局面において、精製形態にあり得、精製形態にある化合物を含む組成物は、本明細書において詳述される。本明細書で詳述されるとおりの化合物またはその塩を含む組成物が提供される(例えば、実質的に純粋な化合物の組成物)。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるとおりの化合物またはその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態にある。別段述べられなければ、「実質的に純粋な」とは、35%以下の不純物を含む組成物を意図し、ここで上記不純物は、上記組成物の大部分を構成する化合物またはその塩以外の化合物を表す。いくつかの実施形態において、実質的に純粋な化合物またはその塩の組成物が提供され、ここで上記組成物は、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下の不純物を含む。いくつかの実施形態において、実質的に純粋な化合物またはその塩の組成物が提供され、ここで上記組成物は、3%以下、2%以下、1%以下または0.5%以下の不純物を含む。
(一般的合成法)
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発物質を使用して当該分野で利用可能な技術を使用して、本明細書に記載されるとおりの反応経路および合成スキームを使用して調製され得る。例えば、式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、化学的に関連する化合物の調製に適用可能であることが公知の任意のプロセスによって調製され得る。適切なプロセスは、例えば、WO2007/054550、Cha, M. Y.; Lee, K.−O., et al., J. Med. Chem. (2009), 52:6880−6888、およびTsou, H.−R., Overbeek−Klumpers, E.G.; et al., J. Med. Chem. (2005), 48:1107−1131において示されるものを含む。このようなプロセスは、式(I)の化合物を調製するために使用される場合、本発明のさらなる特徴として提供される。必要な出発物質は、合成有機化学の標準的手順によって得られ得る。このような出発物質の調製は、以下の代表的プロセスに関連して、および添付の実施例の中で記載されている。あるいは、上記必要な出発物質は、有機化学者の通常の技術範囲内にある、示されるものに類似の手順によって得られ得る。
以下の合成スキームは、代表例であるに過ぎないことを意味し、本発明を限定するとは如何様にも意味しない。
スキーム1に示されるように、式IIaの化合物(Rewcastle, G.W., et al., J. Med. Chem. (1996), 39:918−928を参照のこと)とアミンRNHとの間の芳香族求核性(nucleophilc)置換から、式IIbの化合物が得られる。式IIcのアニリンは、水性エタノール中の鉄粉および酢酸でニトロ基を還元することを介して得られ得る。あるいは、酸中の塩化スズ(II)または炭素担持白金を、上記還元に使用し得る。次いで、式IIdのアルキンと式IIcの化合物との間の薗頭反応を、無水非プロトン性溶媒(例えば、THFまたはDMF)中のパラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)ClまたはPd(PPh)、ヨウ化銅(I)およびアルキルアミン(例えば、トリエチルアミンまたはブチルアミン)で行って、式IIeの化合物を得る。ジエチルホスホノ酢酸と式IIeの化合物とのカップリングを、通常のアミド形成反応とともに行う(例えば、カルボジイミダゾール(CDI)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC))。得られた式IIfの化合物を、適切な2−アミノアセトアルデヒドとさらに反応させて、式Iの最終化合物を得ることができる。(Dppfは、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(パラジウムに対するビスホスフィンリガンド)である)。
別の見込みとして、スキーム2、式IIdのアルキンの調製のための一般法のうちの1つが例示される。
式IIIaの一級アルコールを、酸化剤(例えば、PDCまたはPCC)またはスワーン酸化で、式IIIbのアルデヒドへと酸化する。式IIdのアルキンへのアルデヒドIIIbのさらなる変換を、ジアゾ化合物IIIcとの反応によって達成し得る(Ohira, S. Synth. Commun. (1989), 19:561−564;およびS. Mueller, S.; Liepold, B.; Roth, G. J.; Bestmann, J. Synlett. (1996), 521−22を参照のこと)。
(処置方法)
本明細書に提供される化合物は、ErbBファミリーレセプターチロシンキナーゼの活性を阻害する。従って、I型レセプターチロシンキナーゼによって媒介される疾患または医学的状態を処置する方法が提供され、上記方法は、必要とする個体(例えば、哺乳動物)に、有効量の、式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはインビボで変換し得るプロドラッグを投与する工程を包含する。本発明の方法に従って処置され得る上記I型レセプターチロシンキナーゼ媒介状態としては、過剰増殖性障害(例えば、過剰増殖性障害の中でもとりわけ、頭頸部癌、肺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、膀胱癌、胃癌、腎臓癌、皮膚癌、膵臓癌、血液の癌(例えば、白血病およびリンパ腫)、食道癌、子宮癌または前立腺癌)が挙げられる。いくつかの実施形態において、上記癌は、頭頸部癌、肺癌(例えば、NSCLC)、乳癌、結腸癌、卵巣癌、膀胱癌、胃癌、腎臓癌、皮膚癌、膵臓癌、白血病、リンパ腫、食道癌、子宮癌、または前立腺癌である。いくつかの実施形態において、上記癌は、乳癌、胃癌または肺癌である。いくつかの実施形態において、本発明の化合物を使用して処置可能なものは、エルロチニブ(タルセバ(登録商標))耐性癌(例えば、エルロチニブ耐性肺癌(例えば、エルロチニブ耐性非小細胞肺癌))である。いくつかの実施形態において、上記個体は、過剰増殖性障害(例えば、本明細書で詳述される癌)を有すると既に診断されている。
一局面において、本明細書に提供される化合物は、血液脳関門を通過し、脳バイオアベイラビリティーを有する。従って、必要とする個体における脳腫瘍を処置する方法が提供され、上記方法は、上記個体に、有効量の、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体を投与する工程を包含する。上記脳腫瘍は、原発性脳腫瘍(例えば、神経膠腫(例えば、再発性悪性神経膠腫)、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、星状細胞腫、多形性神経膠芽腫(GBM)および脳または中枢神経系に起源がある他の癌であり得る。より一般的な脳腫瘍のタイプは、他の器官に起源がある転移性脳腫瘍(病変または脳転移ともいわれる)である。転移性病原は増加してきた。なぜなら、人々は、より長期間にわたって原発性癌から生き延びているからである。転移性脳腫瘍を処置または予防する方法が提供され、上記方法は、上記個体に、有効量の、式(I)の化合物、、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体を投与する工程を包含する。上記方法は、癌(例えば、肺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、膀胱癌、胃癌、腎臓癌、皮膚癌、膵臓癌、白血病、リンパ腫、食道癌、子宮癌、および前立腺癌)の脳転移の発生を予防または遅らせることを包含する。いくつかの実施形態において、上記個体は、脳腫瘍(例えば、原発性脳腫瘍または転移性脳腫瘍)を有すると既に診断されている。
本発明の化合物の治療上有効な量は、ErbBファミリーキナーゼの調節または制御によって媒介される疾患を処置するために使用され得る。「有効量」は、このような処置を必要とする哺乳動物に投与される場合、1種以上のErbBファミリーキナーゼの活性によって媒介される疾患の処置をもたらすために十分である、化合物のその量を意味することが意図される。従って、例えば、式(I)の化合物、またはその塩、活性な代謝産物もしくはプロドラッグの治療上有効な量は、1種以上のErbBファミリーキナーゼの活性を調節するか、制御するか、または阻害し、その結果、その活性によって媒介される疾患状態が低減または改善されるために十分な量である。癌または腫瘍の場合、上記薬物の有効量は、癌細胞の数を低下する;腫瘍サイズを縮小する;周辺器官への癌細胞浸潤を阻害する(すなわち、ある程度遅らせ、好ましくは停止する);腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度遅らせ、好ましくは停止する);腫瘍増殖をある程度阻害する;および/または上記障害と関連する症状のうちの1つ以上をある程度軽減するにあたって、効果を有し得る。有効投与量は、1回以上の投与において投与され得る。本発明の目的で、薬物、化合物、または薬学的組成物の有効投与量は、直接的または間接的のいずれかで、予防的処置または治療的処置を達成するために十分な量である。
このような量に対応する所定の薬剤の量は、特定の化合物、疾患状態およびその重篤度、処置を必要とする哺乳動物の正体(例えば、体重)のような要因に依存して変動するが、にも拘わらず、当業者によって容易に決定され得る。
ヒトを含む哺乳動物の治療的処置(予防的処置を含む)に関して、式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはインビボで切断され得るプロドラッグを使用するために、それらは、薬学的組成物として標準的な製薬実務に従って、通常どおりに処方される。本発明のこの局面によれば、薬学的に受容可能な希釈剤またはキャリアと関連づけて、本明細書中先に定義されるように、式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、もしくはインビボで切断可能なプロドラッグを含む薬学的組成物が提供される。
本発明の化合物は、単独で、または組み合わせのいずれかにおいて、過剰増殖性疾患(例えば、種々のタイプの癌(例えば、結腸、卵巣、膀胱、胃、肺、子宮、および前立腺の癌))を処置するために、哺乳動物に投与される。上記化合物は、任意の受容可能な経路を介して(例えば、静脈内、経口、筋肉内、坐剤を介してなど)投与され得る。上記化合物は、経口投与形態(例えば、錠剤、カプセル剤、液状懸濁物など)として、坐剤として処方されてもよいし、例えば、注射用液体として調製されてもよい。熟練した従事者は、処置されるべき特定の過剰増殖性疾患の処置のための適切な経路および投与量を選択し得る。
式(I)の化合物、または本明細書に詳述される任意のバリエーションは、他の公知の治療剤との組み合わせにおいて、有利に使用され得る。脳を通過する本発明の化合物は、脳に起源を有しない癌を処置して、癌の脳転移を予防するために、治療剤と関連して使用され得る。例えば、式(I)の化合物、または本明細書に詳述される任意のバリエーション(例えば、実施例1〜7の化合物(例えば、化合物KU113))、あるいはこれらの塩、溶媒和物、または生理学的に機能的な誘導体は、乳癌の脳転移を処置または予防するために、ハーセプチンと組み合わせて使用され得る。
(処方物)
本発明の組成物は、経口使用に(例えば、錠剤、トローチ錠、カプセル剤、懸濁物、エマルジョン、分散性の散剤または顆粒剤、シロップ剤またはエリキシル剤として)、局所使用に(例えば、クリーム剤、軟膏、ゲル、または水性もしくは油性の液剤もしくは懸濁物として)、吸入に(例えば、微細に分割した散剤または液体エアロゾルとして)、吸入法による投与に(例えば、微細に分割した散剤として)または非経口投与に(例えば、静脈内投与、皮下投与もしくは筋肉内投与のための滅菌の水性もしくは油性の液剤として、または直腸投与のための坐剤として)適切な形態にあり得る。例えば、経口使用が意図された組成物は、1種以上の着色剤、甘味剤、矯味矯臭剤および/または保存剤を含み得る。
錠剤処方物のための適切な薬学的に受容可能な賦形剤としては、例えば、不活性希釈剤(例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム)、顆粒化剤および崩壊剤(例えば、コーンスターチまたはアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク);保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸プロピル)、および抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)が挙げられる。錠剤処方物は、それらの崩壊および胃腸内での活性成分のその後の吸収を改変するために、または万一に備えて、従来のコーティング剤および当該分野で周知の手順を使用して、それらの安定性および/もしくは外見を改善するために、コーティングされていなくてもコーティングされていてもいずれでもよい。
経口使用のための組成物は、上記活性成分が、不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合される硬質ゼラチンカプセル剤の形態にあり得るか、または上記活性成分が水もしくは油(例えば、ラッカセイ油、もしくはオリーブ油)と混合される軟質ゼラチンカプセルとしてであり得る。
水性懸濁物は、一般に、1種以上の懸濁剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム);分散剤もしくは湿潤剤(例えば、レシチンもしくはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート))、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート))と一緒に、微細に粉末化された形態において上記活性成分を含む。上記水性懸濁物はまた、1種以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸プロピル)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)、着色剤、矯味矯臭剤、および/または甘味剤(例えば、スクロース、サッカリンもしくはアスパルテーム)を含み得る。
油性懸濁物は、上記活性成分を、植物性油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、胡麻油もしくは椰子油)または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に懸濁することによって処方され得る。上記油性懸濁物はまた、濃化剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィン(hard paraffin)もしくはセチルアルコール)を含み得る。甘味剤(例えば、上記に示されるもの)、および矯味矯臭剤は、口に合う経口調製物を提供するために添加され得る。これら組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加によって、保護され得る。
水の添加による水性懸濁物の調製に適している分散性の散剤および顆粒剤は、一般に、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および1種以上の保存剤と一緒に、活性成分を含む。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上記で言及されたものによって例示される。さらなる賦形剤(例えば、甘味剤、矯味矯臭剤および着色剤)もまた、存在し得る。
本発明の薬学的組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態にあり得る。その油相は、植物性油(例えば、オリーブ油またはラッカセイ油)、または鉱油(例えば、流動パラフィン)、またはこれらのうちのいずれかの混合物であり得る。適切な乳化剤は、例えば、天然に存在するガム(例えば、アカシアガムまたはトラガカントガム)、天然に存在するホスファチド(例えば、ダイズ、レシチン、脂肪酸とヘキシトール無水物とから得られるエステルまたは部分捨てる(例えば、ソルビタンモノオレエート)および上記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。上記エマルジョンはまた、甘味剤、矯味矯臭剤および保存剤を含み得る。
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはスクロース)とともに処方され得、そしてまた、粘滑剤、保存剤、矯味矯臭剤および/または着色剤を含み得る。
上記薬学的組成物はまた、滅菌の注射用水性懸濁物または油性懸濁物の形態にあり得、これらは、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤(これらは、上記で言及されている)のうちの1種以上を使用して、公知の手順に従って処方され得る。滅菌の注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の、滅菌の注射用溶液または懸濁物(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)であり得る。
坐剤処方物は、上記活性成分と、適切な非刺激性賦形剤(これは、通常の温度では固体であるが、直腸温では液体であり、従って、直腸で溶融して、薬物を放出する)とを混合することによって、調製され得る。適切な賦形剤としては、例えば、カカオ脂およびポリエチレングリコールが挙げられる。
局所処方物(例えば、クリーム剤、軟膏、ゲルおよび水性または油性の液剤または懸濁物)は、一般に、活性成分を、従来の局所的に受容可能なビヒクルまたは希釈剤を、当該分野で周知の従来の手順を使用して処方することによって、得られ得る。
吸入による投与のための組成物は、例えば、30μm前後(30μm or much less)の平均直径の粒子を含む、微細に分割した散剤の形態にあり得る(上記散剤自体は、活性成分を、単独でまたは1種以上の生理学的に受容可能なキャリア(例えば、ラクトース)で希釈された状態のいずれかで、含む)。次いで、上記吸入のための散剤は、ターボ式吸入デバイス(turbo−inhaler device)(例えば、公知の薬剤であるクロモグリク酸ナトリウムの吸入のために使用される)での使用のために、例えば、1〜50mgの活性成分を含むカプセル中に都合良く保持される。
吸入による投与のための組成物は、上記活性成分を、微細に分割した固体を含むエアロゾルまたは液滴のいずれかとして分散させるように配置された従来の加圧エアロゾルの形態にあり得る。従来のエアロゾルプロペラント(例えば、揮発性フッ素化炭化水素または炭化水素)が使用され得、上記エアロゾルデバイスは、活性成分の計量された量を分与するように都合良く配置されている。
単一投与形態を生成するために1種以上の賦形剤と合わせられる本発明の化合物の量は、処置される宿主および特定の投与経路に依存して、必然的に変動する。例えば、ヒトへの経口投与が意図される処方物は、例えば、適切なかつ都合の良い量の賦形剤と調合された0.5mg〜5gの活性薬剤(これは、組成物全体の約5重量%から約98重量%まで変動し得る)を含み得る。単位投与形態は、一般に、約1mg〜約500mgの活性成分を含む。投与経路および投与レジメンのさらなる情報については、以下を参照のこと:Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, by Loyd V. Allen, Howard C. Ansel, Nicholas G. Popovich, Lippincott Williams & Wilkins, 2004。
式Iの化合物の治療目的または予防目的のための用量の大きさは、当然のことながら、状態の性質および重篤度、上記動物または患者の年齢および性別、ならびに投与経路に従って、医療の周知の原理に従って変動する。
(実施例A:中間体Aおよび中間体Bの合成)
スキーム3
7−ブロモキナゾリン−4(3H)−オン(化合物A.1): 2−アミノ−4−ブロモ安息香酸(15.5g)を、100mLのホルムアミド中に溶解し、上記溶液を、190℃において10時間にわたって加熱した。上記反応系を室温へと冷却した後、上記固体を濾過を介して集め、水ですすぎ、乾燥させて、10.5gの7−ブロモ−4−キナゾリノン(LCMS ESI(+) m/z: 225/227 (M+1))を得た。
7−ブロモ−6−ニトロキナゾリン−4(3H)−オン(化合物A.2): 5mLの濃HSOおよび5mLの発煙HNO中の7−ブロモ−4−キナゾリノン(2.6g)の溶液を、100℃において1時間にわたって加熱した。上記反応系を室温へと冷却した後、上記混合物を氷水へと注いだ。上記固体を濾過を介して集め、さらに精製せずに使用した。7−ブロモ−6−ニトロ−4−キナゾリノン(7−ブロモ−8−ニトロ−4−キナゾリノンと混合,LCMS ESI(+) m/z: 270/271 (M+1))。
4−クロロ−7−ブロモ−6−ニトロキナゾリン(中間体A): 50mLのSOClおよび1mLのDMF中の7−ブロモ−6−ニトロ−4−キナゾリノン(2.8g)の懸濁物を、100℃において、均質な溶液が形成されるまで加熱した。上記反応系を減圧下で濃縮して、中間体A、4−クロロ−7−ブロモ−6−ニトロキナゾリンを黄色固体として得た(3.0g, 91%, 4−クロロ−7−ブロモ−8−ニトロキナゾリンと混合)(LCMS ESI(+) m/z: 270/271 (M+1, LCMS実施の間に化合物A.2へと加水分解して戻った)。
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−ブロモ−6−ニトロキナゾリン−4−アミン(化合物A.3): 50mLのイソプロパノール中の中間体A(2.88g,10 mmol)および3−クロロ−4−フルオロアニリン(1.45g,10mmol)の混合物を、75℃において4時間にわたって加熱した。上記混合物を室温へと冷却し、上記固体を、濾過を介して集め、冷エタノールですすいだ。上記固体の再結晶化から、純粋なN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−ブロモ−6−ニトロキナゾリン−4−アミンを得た(2.03g,52%)。LCMS ESI(+) m/z: 397/399/401 (M+1, BrおよびClの同位体効果)。
7−ブロモ−N4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)キナゾリン−4,6−ジアミン(中間体B): 氷酢酸(3mL)を、EtOH:HO(90mL, 2:1(v/v))中のA.3(588mg,1.47mmol)の撹拌溶液に添加し、続いて、還元鉄(328mg,5.87mmol)を添加した。上記混合物を、1時間にわたって還流し、室温へと冷却した。5M NaOHを添加してpHを7〜8へと調節し、EtOAc(100mL)で希釈し、30分間にわたって激しく撹拌し、セライトを通して濾過した。黒色のケーキを、温EtOAc(2×100mL)で洗浄し、その濾液を濃縮した。その残渣をHO(100mL)中に希釈し、MeOH:DCMで抽出し(2×100mL,1:9(v/v))、その有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、中間体Bとして黄緑色の残渣へと濃縮した(1.21g,高純度)。LCMS ESI(+) m/z: 367/369/371 (M+1, BrおよびClの同位体効果)。
(実施例1:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)
3−エチニル−テトラヒドロフラン(化合物1.1): テトラヒドロフラン−3−カルボキシアルデヒド(市販の50%水溶液から抽出, 2.5g,25mmol)、KCO(5g)、およびMeOH(30mL)の撹拌溶液に、大平・ベストマン試薬(5.0g,26mmol)(参考文献: Ohira, S. Synth. Commun. 1989, 19, 561−4; and S. Muller, S.; Liepold, B.; Roth, G. J.; Bestmann, J. Synlett 1996, 521−22)を室温において添加した。2時間後、上記溶液を、ペンタン/エーテル(1:1,100mL)で希釈し、HOで(50mL,2×)および飽和NaCl溶液(100mL)で洗浄した。その乾燥した抽出物(MgSO)をバス温度を15℃未満に維持しながら真空中で約5mLの容積へと濃縮した。化合物1.1のこの粗製溶液を、次の工程のために使用する。
N4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチニル)キナゾリン−4,6−ジアミン(化合物1.2): 化合物1.1の粗製溶液に、CuI(0.38g,0.20mmol)、Pd(dppf)Cl(70mg,0.10mmol)、中間体B(367mg,1.0mmol)、DMF(3mL)、およびトリエチルアミン(3mL)を添加した。上記反応系を密封し、70℃において14時間にわたって加熱した。次いで、反応系を酢酸エチル(40mL)で希釈し、シリカプラグ(約25g)を通して濾過し、酢酸エチル(50mL)ですすいだ。その濾液を、HOで(50mL,2×)および飽和NaCl溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。その残渣を、ジクロロメタン中の0〜5% メタノールでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物1.2を淡黄色固体として得た(358mg,94%)。LCMS (ESI) m/z = 383 (M+1)。
ジエチル(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチニル)キナゾリン−6−イルカルバモイル)メチルホスホネート(化合物1.3):
THF(5mL)中の1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI,155mg,0.96mmol)およびジエチルホスホノ酢酸(188mg,0.96mmol)を、40℃において30分間にわたって撹拌した。THF(3mL)中の1.2(344mg,0.90mmol)の溶液を添加し、上記混合物を、45℃において一晩撹拌した。上記反応混合物を、EtOAc(100mL)中に希釈し、飽和NaHCO(50mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。その灰色の固体を、エーテル(20mL)中で超音波処理し、濾過し、真空中で乾燥させた。得られた灰白色の生成物1.3を、さらに精製せずに使用した。LCMS (ESI) m/z = 561 (M+1)。
(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド(実施例1): 塩化リチウム一水和物(105mg,1.28mmol)を、EtOH(3mL)中の1.3(358mg,0.64mmol)の溶液に添加し、続いて、KOH(45% wt,0.5mL)を室温において添加した。5分後、HO(2mL)中のジメチルアミノアセトアルデヒド−亜硫酸水素付加物(214mg,1.28mmol)を添加し、2時間にわたって撹拌した。水(5mL)を、上記反応系に添加した。15分後、固体を濾過によって集め、水ですすぎ、乾燥させて、実施例1を白色固体として得た(246mg,78%)。HNMR (CDCl, 300 MHz) δ 9.16 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.98 (dd, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.17 (t, 1H), 7.08 (dt, 1H), 6.24 (d, 1H), 4.10 (m, 2H), 3.97 (m, 2H), 3.41 (m, 1H), 3.21 (d, 2H), 2.44 (m, 1H), 2.35 (s, 6H), 2.23 (m, 1H)。MS (ESI) m/z = 494 (M+1)。
(実施例2:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)
(S)−テトラヒドロフラン−2−カルボキシアルデヒド(化合物2.1): 0℃において、((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(1.02g,10mmol)およびモレキュラーシーブ4A(DCM(40mL)中の活性化粉末(5g))の溶液に、PCC(2.58g,12mmol)を添加した。反応系を0℃において2時間にわたって撹拌した。撹拌している反応混合物に、エーテル/ペンタン(1:1,100mL)を添加した。次いで、上記混合物を、セライト(登録商標)(10g)を通して濾過し、エーテルですすいだ。上記残渣を容積約2mLへと濃縮した(ウォーターバス温度<15℃)。
(S)−2−エチニル−テトラヒドロフラン(化合物2.2): 粗製化合物2.2を、化合物1.1の調製と同じ手順で、テトラヒドロフラン−3−カルボキシアルデヒドの代わりに(S)−テトラヒドロフラン−2−カルボキシアルデヒド(化合物2.1)を使用して調製した。
N4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(2−((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−4,6−ジアミン(化合物2.3): 化合物2.3を、化合物1.2の調製と同じ手順で、(S)−2−エチニル−テトラヒドロフラン(化合物1.1)の代わりに(S)−2−エチニル−テトラヒドロフラン(化合物2.2)を使用して調製した。MS (ESI) m/z = 383 (M+1)。
ジエチル(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イルカルバモイル)メチルホスホネート(化合物2.4): 化合物2.4を、化合物1.3の調製と同じ手順で、化合物1.2の代わりに化合物2.3を使用して調製した。MS (ESI) m/z = 562 (M+1)。
(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド(実施例2): 実施例2を、実施例1の調製と同じ手順で、化合物1.3の変わりに化合物2.4を使用して調製した。HNMR (CDOD, 300 MHz) δ 8.78 (s, 1 H), 8.55 (s, 1 H), 8.03 (s, 1 H), 7.82 (s, 1 H), 7.76 (m, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.01 (m, 1 H), 6.5 (m, 1 H), 4.68 (m, 1 H), 4.01 (m, 1 H), 3.92 (m, 1H), 3.09 (m, 1 H), 2.98 (s, 1H), 2.47 (s, 6 H), 2.20 (m, 2H), 2.06 (m, 2 H)。MS (ESI) m/z = 494 (M+1)。
(実施例3:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((R)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)
実施例3を、実施例2の調製と同じ手順で、合成の開始時に、(S)−テトラヒドロフラン−2−メタノールの代わりに(R)−テトラヒドロフラン−2−メタノールを使用して調製した。HNMR (CDOD, 300 MHz) δ 8.78 (s, 1 H), 8.55 (s, 1 H), 8.03 (s, 1 H), 7.82 (s, 1 H), 7.76 (m, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.01 (m, 1 H), 6.5 (m, 1 H), 4.68 (m, 1 H), 4.01 (m, 1 H), 3.92 (m, 1H), 3.09 (m, 1 H), 2.98 (s, 1H), 2.47 (s, 6 H), 2.20 (m, 2H), 2.06 (m, 2 H)。MS (ESI) m/z = 494 (M+1)。
(実施例4:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1R,5S,6s)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)
実施例4を、実施例2の調製と同じ手順で、合成の開始時に、(S)−テトラヒドロフラン−2−メタノールの代わりに(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)メタノール(調製のための参考文献: US2008/249087)を使用して調製した。HNMR (CDCl, 300 MHz) δ 9.10 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.00 (m, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.15 (m, 3H), 6.23 (d, 1H), 4.05 (d, 1H), 3.81 (d, 1H), 3.23 (d, 1H), 2.36 (s, 4H), 2.19 (d, 1H), 1.65 (s, 6H)。MS (ESI) m/z = 506 (M+1)。
(実施例5:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)
1−((ベンゾイルオキシ)メチル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(化合物5.2): THF(200mL)中の1−(ヒドロキシメチル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(化合物5.1,12.8g,100mmol)(調製: Ostrowski, Tomasz; et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2006 ,14 (10), p.3535 − 3542)の0℃溶液に、水酸化ナトリウム(鉱油中60%,4.8g)を5等分して添加した。10分後、臭化ベンジル(20.5g,120mmol)を添加した。反応系を周囲温度において12時間にわたって撹拌し、次いで、0℃へと冷却した。飽和NHCl水溶液(50mL)を上記反応系に添加し、上記混合物を、エーテル(300mL)と水(50mL)との間で分割した。その有機層を、ブライン(50mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。その残渣を、ヘキサン中0〜30% 酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物5.2を無色液体として得た(20.1g,92%)。MS (ESI) m/z = 219 (M+1)。
1−((ベンジルオキシ)メチル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン(化合物5.3): この調製のための参考文献: Sakai, N., et al. Synthesis, 2008 p.3533 − 3536。クロロホルム(200mL)中の化合物5.2(10.9g,50mmol)、臭化インジウム(InBr,0.35g)の溶液に、トリエチルシラン(23.2g,200mmol)を点火した。上記反応混合物を、65℃において16時間にわたって加熱した。上記反応混合物を室温へと冷却し、濃縮した。次いで、その残渣を、ヘキサン中0〜20% 酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物5.3を無色液体として得た(8.9g,87%)。MS (ESI) m/z = 205 (M+1)。
3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)メタノール(化合物5.4): メタノール中の化合物5.3(4.1g,20mmol)およびPd−C(5%,500mg)の混合物を、水素でフラッシュし、次いで、水素バルーン下で4時間にわたって撹拌した。上記反応混合物を、セライト(登録商標)を通して濾過し、エーテルですすぎ、注意深く濃縮して(揮発性生成物)、所望の生成物5.4を得た。これは、さらに精製することなく使用される。
(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド(実施例5): 実施例5を、実施例2の調製と同じ手順で、(S)−テトラヒドロフラン−2−メタノールの代わりに3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)メタノール(化合物5.4)を使用して調製した。HNMR (DMSO−d, 300 MHz) δ 9.96 (s, 1H), 9.86 (s, 1 H), 8.68 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.13 (dd, 1 H), 7.99 (m, 2H), 7.43 (t, 1H), 6.80 (tt, 1 H), 6.41 (d, 1 H), 3.89 (d, 1 H), 3.76 (s, 2 H), 3.70 (d, 1 H), 3.09 (d, 1H), 2.19 (s, 6 H), 1.21 (m, 4H), 0.95 (m, 1H)。MS (ESI) m/z = 506 (M+1)。
(実施例6:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1R,5S)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)
実施例6を、実施例5の調製と同じ手順で、1−(ヒドロキシメチル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(化合物5.1)の代わりに(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(調製: Moon, H.R.; et al., Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids (2007), 26:975 − 978)を使用して調製した。HNMR (DMSO−d, 300 MHz) δ 9.96 (s, 1H), 9.86 (s, 1 H), 8.68 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.13 (dd, 1 H), 7.99 (m, 2H), 7.43 (t, 1H), 6.80 (tt, 1 H), 6.41 (d, 1 H), 3.89 (d, 1 H), 3.76 (s, 2 H), 3.70 (d, 1 H), 3.09 (d, 1H), 2.19 (s, 6 H), 1.21 (m, 4H), 0.95 (m, 1H)。MS (ESI) m/z = 506 (M+1)。
(実施例7:(E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1S,5R)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)
実施例7を、実施例5の調製と同じ手順で、1−(ヒドロキシメチル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(化合物5.1)の代わりに(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(調製: Moon, H.R.; et al. , Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids (2007), 26:975 − 978)を使用して調製した。HNMR (CDOD, 300 MHz) δ 8.85 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.0 (m, 2H), 6.60 (d, 1H), 6. 40 (d, 1H), 3.95 (d, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.58 (m, 2H), 3.21 (m, 2H), 2.34 (s, 6 H), 1.20 (m, 1H), 1.1 (m, 1H), 0.95 (m, 1H)。LCMS (ESI) m/z = 506 (M+1)。
(実施例8:EGFRのキナーゼアッセイ)
本発明の化合物がEGFRキナーゼ活性を調節する程度を、時間分解(time−resolved)Fret(TR−FRET)アッセイ(LanthaScreen(登録商標)キナーゼ活性アッセイ,InVitrogen製)を使用して決定し得る。上記アッセイは、EGFRキナーゼ(PV3872, Invitrogen)、Tb−Py20抗体(PV3552, InVitrogen)およびフルオレセイン−ポリGT(PV3610, InVitrogen)を使用する。
上記アッセイを、Black 384ウェルプレート(Corningから市販されている)において行う。EGFRキナーゼを、ストック溶液として濃度0.4μg/mlにおいてTR−FRET希釈緩衝液(PV3189, InVitrogen)中で希釈し、次いで、2倍連続希釈する。1mM ATPの添加によって、上記反応を開始し、上記反応系を1時間の反応にわたって室温においてインキュベートする。10μLの上記Tb−抗体(InVitrogen製)+EDTA(InVitrogen製)溶液を調製し、上記アッセイプレートの各ウェルに添加し、短時間混合し、30分にわたってインキュベートした。M5マイクロプレートリーダー(Ex=332nm、Em=488nmおよび518nm)を使用することによってシグナルをモニターする。各化合物を、2連のウェルで試験する。化合物なしのEGFRを、コントロールとして使用する。スタウロスポリン(Sigmaから市販されている)を、陽性コントロール化合物として使用する。阻害を、EGFR活性(化合物なし)のパーセンテージとして計算した。実施例1〜7の各化合物は、100nMにおいて>50%阻害を示した。
(実施例9:ErbB2のキナーゼアッセイ)
上記アッセイを、ErbB2キナーゼタンパク質を、EGFRキナーゼタンパク質の代わりに使用することを除いて、上記に記載されるように、ErbB2のキナーゼ活性と同様に行う。実施例1〜7の各化合物は、100nMにおいて>50%阻害を示した。
(実施例10:BT474の細胞増殖阻害アッセイ)
ヒト乳癌BT474細胞を、37℃において加湿10% CO2、90% 空気インキュベーター中、10% ウシ胎仔血清(FBS)を含む低グルコースDMEM(Life Technologies 12320−032)の中で培養した。細胞を、トリプシン/EDTAを使用して採取し、血球計算板を使用して計数し、96ウェル透明組織培養プレートにおいて、10000細胞/ウェルでプレートした。上記細胞を、24時間にわたって37℃においてインキュベートして、接着させた。96ウェルプレートにおいて各化合物の一連の濃度(30μM〜0.16nMの範囲に及ぶ,5倍希釈)を、72時間にわたってインキュベートした。各濃度を、三連のウェルにおいて試験した。上記細胞増殖アッセイの間に、BT474細胞を、低グルコースDMEM(5% FBS、50μg/ml ゲンタマイシン、および0.3% v/v DMSOを含む)中で培養した。上記培養培地を吸引を介して除去し、細胞生存性を、CCK−8細胞増殖キットを使用することによって検出した。実施例1〜7の各化合物について測定したIC50値は、<100nMである。
(実施例11:NCI−N87細胞に対する抗増殖アッセイ)
抗増殖アッセイを、三連において行った。3000細胞/ウェルのN87細胞を、96ウェルプレートに播種し、上記細胞を、24時間にわたって37℃においてインキュベートして、接着させた。細胞増殖アッセイのために、N87細胞を、0.3% v/v DMSOを含む完全細胞培養培地中で増殖させた。一連の脳のdの上記試験化合物(濃度範囲:30μM〜0.16nM,5倍希釈)を、上記96ウェルプレートに添加した。上記インキュベーションを、72時間にわたって継続した。次いで、上記培養培地を除去し、細胞生存性を、製造業者によって提供されるマニュアルに記載されるように、CCK−8細胞増殖キットを使用することによって測定した。部分的な(fractional)増殖阻害の対数を、薬物濃度の対数に対してプロットし、そのIC50値を、得られた線形回帰曲線フィットから内挿した。化合物NT113について測定した上記IC50値は、<100nMである。
(実施例12:NCI−H1975細胞の抗増殖アッセイ)
上記抗増殖アッセイを、三連において行った。3000細胞/ウェルのN1975細胞を、96ウェルプレートに播種した(培地:RPMI 1640、5% FBS、2mM L−グルタミン)。24時間後、上記プレート中の培地を除去し、続いて、培地中で連続希釈した化合物を、上記ウェルに添加した。3日後、上記細胞を、CCK−8キットで処理し、さらに4時間にわたって37℃においてインキュベートした。上記プレートを、450nmにおいて読み取った。部分的な増殖阻害の対数を、薬物濃度の対数に対してプロットし、そのIC50値を、得られた線形回帰曲線フィットから内挿した。化合物NT113について測定した上記IC50値は、<1000nMである。
EGFRおよびErbB2(HER2)キナーゼ阻害の生物学的活性、ならびにBT474、NCI−N87およびNCI−H1975細胞増殖阻害を、表1に列挙する。
記号:「++」は、100nMにおいて>50%阻害、またはIC50<100nMを示す;「+」は、100nMにおいて20%〜50%の間の阻害、または100〜1000nMの間のIC50を示す。
(実施例13:NCI−N87異種移植片マウスモデルにおけるインビボ効力)
NCI−N87細胞株を、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション)から購入し、RPMI1640+10% FBS+1% P/S 抗生物質中で培養した。
雄性Balb/cヌードマウス(6〜8週齢、18±2g(供給業者: Shanghai SLAC Laboratory Animal Co. Ltd.))を、実験に使用した。購入したマウスを、使用前に7日間にわたって環境に適合させ、22〜25℃において湿度40〜70%および12時間明(8:00〜20:00)12時間暗の蛍光灯での光サイクルで収容した。上記マウスを、飼料および水に自由にアクセスさせた。
上記癌細胞(NCI−N87)を、0.1ml PBS中5.0×10細胞で上記ヌードマウス(右側腹部)へと皮下移植した(50匹のマウス)。腫瘍サイズが容積200(150〜200)mmに達したら、上記腫瘍を有するヌードマウスを、群へと無作為に割り当て(10匹のマウス/群)、1群を、ビヒクルとして供し、1群に、ラパチニブジトシレート一水和物(80mg/kg,ラパチニブ(塩ではない)の遊離塩基、p.o. bid)を投与した。他の2つの群に、NT113(KU113ともいわれる)を投与した(それぞれ、15mg/kgおよび30mg/kg、p.o. q.d)。投与期間を、4週間にわたって継続した。
上記マウスを、外見および行動について、ならびに病的状態および/または死亡について1日に2回モニターした。腫瘍容積を1週間に2回測定し、体重を、全研究を通じて、上記腫瘍容積を測定する直前に測定した。
実験(4週間にわたる化合物投与)の最後に、全ての腫瘍を有するマウスを、深麻酔下で頚椎脱臼によって屠殺した。腫瘍塊を切り出し、秤量した。
腫瘍サイズを、カリパスを使用して2つの寸法において1週間に2回測定し、その容積を、以下の式を使用してmm単位で表した:V=1/2×a×b(ここでaおよびbは、それぞれ、上記腫瘍の長い方の直径および短い方の直径である)。上記腫瘍塊を、採取後、実験の最後に秤量した。
V=1/2×a×b(a、bは、それぞれ、最大直径および最小直径である)
RTV(相対的腫瘍容積)=Vt/Vo
Voは、試験物品が最初に投与されるときの腫瘍容積である。
Vtは、試験物品が投与された後の測定日数ごとの腫瘍容積である
T/C(%)=TRTV/CRTV×100%
TRTV:試験物品処置群のRTV;CRTV:コントロール群のRTV
阻害割合(%)=(コントロール群の平均腫瘍容積−試験物品処置群の平均癌容積)/コントロール群の平均腫瘍容積×100%
上記腫瘍を有するマウスを、4週間にわたって、異なる用量のKU113(15mg/kg、30mg/kg、po,qd)およびラパチニブKUA−1、80mg/kg, p.o.,bid、7日間/週で処置した。処置後7日目に、上記RTV T/C KU113(15mg/kg、30mg/kg)群は、<30%であり、上記腫瘍増殖阻害は>70%であったが、上記RTV T/Cは、31%であり、腫瘍増殖阻害ラットは、ラパチニブ群において69%であった。腫瘍重量になると、同じ結果が同様に観察された。処置後の28日目に、全ての腫瘍を有するマウスを屠殺し、全ての腫瘍塊を採取して、秤量した。
ラパチニブ(KUA−1,GlaxoSmithKline)、EGFRおよびErbB2の低分子キナーゼインヒビターは、28日目(上記研究の最終日)に92.9%の腫瘍阻害率をもたらした。
30mg/kg,p.o.,qd、7日/週でのKU113処置は、上記NCI−N87異種移植片腫瘍も出るにおいて体重減少をもたらした。体重は、30mg/kg,p.o.,qd、7日/週での投与後3日目にKU113処置において減少し始め、11日目に最大体重減少に達するまで、減少し続けた。高用量(30mg/kg)KU113の投与を停止したところ、決して再開しなかった。体重は、28日目までに正常まで回復した。上記15mg/kg, po, qd投与群は、予め定められた副作用なしに続いた。図1を参照のこと。
本明細書で使用される場合、用語「qd」または「q.d.」と組み合わせて使用される用語「po」、「p.o.」または「PO」は、経口投与、1日1回を意味する。
(実施例14:NCI−H1975異種移植片マウスモデルにおけるインビボ効力)
ATCCから購入したH1975細胞を、RPMI1640+10% FBS+1% P/S 抗生物質中で培養した。Balb/cヌードマウス(雌性、6〜8週齢、18+2g)を、Shanghai Laboratory Animal Co. Ltd.から購入した。上記購入したマウスを、使用前に7日間にわたって環境に適合させ、22〜25℃において、湿度40〜70%、および12時間明(8:00〜20:00)12時間暗の蛍光灯での光サイクルで収容した。
処方物:エルロチニブ、アファチニブ(BIBW2992)、およびKU113を、2% DMAおよび98%(脱イオン水中40%HP−β−CD)に溶解した。
癌細胞(H1975)を増幅し、総容積0.1ml/マウスにおいてPBS中およびマトリゲルで1:1で5.0×10細胞で上記ヌードマウス(右側腹部)に移植した。上記腫瘍が容積200(150〜200)mmに達したら、H1975細胞から得られた上記腫瘍を有するヌードマウスを、いくつかの群へと無作為に割り当て(10匹のマウス/群)、群1を、ビヒクルとして供し;群2〜5には、それぞれ、20mg/kg(p.o. q.d.)においてアファチニブ、10mg/kg(po, qd)において化合物KU113;20mg/kg(po,qd)において化合物KU113および100mg/kg(遊離塩基,p.o. q.d.)においてエルロチニブを投与した。上記動物を、4週間後に屠殺した。
上記マウスを、外見および行動について、ならびに病的状態および/または死亡の徴候について1日2回モニターした。腫瘍容積を、1週間に2回測定し、体重を、研究全体を通して、上記腫瘍容積を測定する直前に測定した。
実験(4週間にわたる化合物投与)の最後に、全ての腫瘍を有するマウスを、深麻酔下での頚椎脱臼により屠殺した。腫瘍塊を切り出し、秤量した。
腫瘍サイズを、カリパスを使用して2つの寸法において1週間に2回測定し、その容積を、以下の式を使用してmm単位で表した:V=1/2×a×b(ここでaおよびbは、それぞれ、上記腫瘍の長い方の直径および短い方の直径である)。上記腫瘍塊を、採取後、実験の最後に秤量した。
V=1/2×a×b(a、bは、それぞれ、最大直径および最小直径である)
RTV(相対的腫瘍容積)=Vt/Vo
Voは、試験物品が最初に投与されるときの腫瘍容積である。
Vtは、試験物品が投与された後の測定日数ごとの腫瘍容積である
T/C(%)=TRTV/CRTV×100%
TRTV:試験物品処置群のRTV;CRTV:コントロール群のRTV
阻害割合(%)=(コントロール群の平均腫瘍容積−試験物品処置群の平均癌容積)/コントロール群の平均腫瘍容積×100%
有意な有効性:T/C%<40%,P<0.05
有意でない有効性:T/C%>40%。
図2に示されるように、このモデルにおける化合物KU113は、エルロチニブより有意に有効であり;アファチニブと匹敵する。
(実施例15:頭蓋内脳腫瘍異種移植片研究)
腫瘍細胞調製
ヒト脳腫瘍異種移植片のための細胞は、無胸腺マウスにおける皮下増殖として増殖される腫瘍から、または細胞培養からのいずれかから入手した。頭蓋内区画への移入のために皮下腫瘍から細胞を調製するために、切り出した側腹部の腫瘍を、培養ディッシュの中に入れた。ここで上記組織を、最初に外科用メスで細かく切り刻み、次いで、反復してピペット操作して細胞集合懸濁物を作ることによって、機械的に破壊した。次いで、上記細胞集合懸濁物を、70μM ナイロンメッシュフィルタに通過させて、単一細胞懸濁物を生成する。上記細胞懸濁物を、1000rpmにおいて10分間にわたって、4℃で遠心分離にかけ、その上清を吸引し、その後、上記細胞ペレットを適切な容積の無血清培地中に再懸濁して、最終作業濃度を得る。頭蓋内移植のための樹立された細胞株を調製するために、細胞を、単層をトリプシン処理することによって、またはニューロスフィア懸濁培養物を集め、次いで、遠心分離にかけ、上記に示されるように上記細胞を再懸濁することによって採取する。注射される細胞数は、注射の神経解剖学的位置に依存して変動する。テント上注射のためには、3μLの無血清培地(DMEM)中の3〜5×10細胞を、大して脳幹注射のためには、5×10細胞を0.5μLにおいて注射する。
腫瘍細胞移植
全ての表面を2% クロルヘキシジン溶液でスプレーすることによって手術領域を準備する。消毒薬を使用した後、以下の装備を手術領域に配置する:
マウス体温を維持するための加熱パッド;
2個の小さなペトリ皿;1つは、3% 過酸化水素を含み、もう1つは、2% クロルヘキシジンを含む;
滅菌ガーゼおよびコットンスワブ;
滅菌使い捨て外科用メス;および
オートクレーブにかけた外科用ステープラー。
麻酔用に:ケタミン−キシラジン混合物を使用する。いったんマウスに麻酔をかけたら、頭部の皮を、上記キシラジン溶液に浸漬した滅菌ガーゼの小片で数回拭き取ることによって準備する。眼用軟膏を、上記手順の間に適切な水分を維持するために塗布するべきである。滅菌外科用メスを使用して、頭頂骨−後頭骨(parieto−occipital bone)にわたる矢状方向切開を約1cmの長さで完了する。次いで、露出した頭蓋表面を、3% 過酸化水素溶液に浸漬したコットンスワブを使用してきれいにする。ブレグマを、この時点において明確にするべきである。腫瘍細胞注射の前に、滅菌した25ゲージの鋭いニードルを使用して、頭蓋に、ブレグマの右側2mmおよび冠状縫合の前方1mmにおいて穴を開け、それによって、腫瘍細胞の注射のための開口部を作る。気泡を作らないように注意しながら、シリンジに所望の量の細胞懸濁物を充填する。次いで、シリンジの外側をアルコールスワブできれいにして、いかなる接着性の細胞もないように外側を拭き取るべきである。このことは、頭蓋外腫瘍樹立および増殖の防止を助ける。適切な注射の深さが達成されることを確実にするために、外科用メスを使用して、P20ピペットマンチップの尖った先端から3mmを切る。上記チップの切断部分を、シリンジを覆うようにフィットさせ得、注射深さを制限するように作用させ、さらに、上記シリンジニードルの先端は、頭蓋の下面から3mmであることを確実にする。上記シリンジを頭蓋に対してかつ先に作った穴の中に垂直に配置し、上記細胞懸濁物をゆっくりと注射する(3μL懸濁物を、1分間かけて注射すべきである)。注射が完了した際に、別のときのためにニードルを定位置に残しておき、次いで、ゆっくりと引き抜く:これら工程は、腫瘍細胞逆流の低下を助ける。頭蓋を3% 過酸化水素できれいにし、滅菌乾燥コットンスワブを使用して乾燥させる。滅菌ボーンワックスを上記穴に適用する。鉗子を使用して、頭部の皮を頭蓋骨を覆うように一緒に引っ張り、ステープルで止めて閉じる。最適の治癒のために、上記頭部の皮を、互いに対して(下側に対して下側)頭部の皮の各側の真皮と一緒にステープルで止めるべきである。上記ステープルで止めた頭部の皮を、クロルヘキシジン溶液を使用してきれいにし、次いで、ブプレノルフィンを、術後疼痛軽減のために皮下注射によって投与するべきである。全てのマウスを、歩行するようになり、通常の活動を保持するまで、術後にモニターする。代表的には、回復時間は、約30分間である。
薬物投与および分析
処置群を、治療に対する腫瘍応答またはその欠如に関する結論の統計的確実性を増大させるために、少なくとも8匹の動物から構成する。文献に基づく所定の日数の後に、試験化合物の3つの用量(アファチニブの1用量(20mg/kg)、および1用量のBCNU(20mg/平方メートル)を、経口胃管栄養法を介して経口的に投与する。制御されたビヒクル群もまた、維持される。生存分析については、カプラン−マイヤー推定量を使用し、そこから生存曲線を生成し、メジアン生存値を決定する。生存曲線の間の差異を、ログランク検定を使用して比較する。
(実施例16:薬物動態研究)
サンプル調製: 試験物品各々を、10%DMSOおよび90%の(脱イオン水中40%HP−β−CD)中に溶解して、静脈内投与および経口投与のために2mg/mLの濃度を得る。
方法開発および血漿サンプル分析を、LC−MS/MSによって、Analytical Sciences Division of the Testing Facilityによって行った。分析結果を、アッセイ内バリエーション(日内バリエーション)について品質コントロールサンプルを使用して確認した。上記品質コントロールサンプルのうちの>66%の正確性は、既知の値のうちの80〜120%であった。
各群は、3匹の雄性Sprauge Dawleyラット(7〜8週齢、200〜300g体重)からなった。上記試験物品を、側方の尾静脈を介する単一のボーラス静脈内注射によって、または経口胃管栄養法を介して、投与した。
血液サンプル(約300μl)を、混合ガス(CO:O=7:3)を使用する麻酔後に眼窩後穿刺を介して、適切な時点でEDTA−K3抗凝固剤を含むチューブへと集めた。10個の時点(群1〜2):投与前および投与後5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間。
分析: 上記PK血液サンプルを、約8000rpmにおいて6分間にわたって2〜8℃において遠心分離にかけ、得られた血漿を分離し、約−80℃において凍結保存した(分離後、上記血漿を、−80℃冷凍庫中で保存する前に、最初に氷上に置いてもよい)。上記血漿サンプルに全て、研究番号、動物番号、マトリクス、収集時点および収集日などの詳細な情報を表示した。
曲線下面積(AUC(0−t)およびAUC(0−∞))、***半減期(T1/2)、最大血漿濃度(Cmax)、最大血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)、クリアランス(CL)、および分布容積(V)を含むパラメーターの標準セットを、Study DirectorによるFDA認証薬物動態プログラムWinNonlin Professional v5.2(Pharsight, USA)におけるノンコンパートメント解析モジュール(noncompartmental analysis modules)を使用して、計算する。さらに、バイオアベイラビリティーを、以下の式を使用して概算する:
略語:
AUC(0−t) 投与時から最後の測定可能な濃度までの曲線下面積
AUC(0−∞) 投与時から、最後の観察される濃度に基づいて、無限大まで外挿される曲線下面積
CL 全身クリアランス, CL=用量/AUC
maxmaxにおいて現れる最大観察濃度
F バイオアベイラビリティー
MRT(0−∞) 投与時から無限大までの平均滞留時間
max 最大観察濃度の時間
1/2 終末相半減期=ln(2)/λz
終末相に基づく分布容積。
脳濃度: 3匹のラットは、脳収集(2時間)のみのためである。3匹のラットを脳収集(4時間)のみのためである。残りの3匹のラットは、血漿収集(9つの時点)および脳収集(24時間)のためである。
脳収集および組織加工処理: 血液収集後、脳を、約150mLの氷冷0.1M リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(pH7.4)で最初に心臓内灌流した。次いで、硬膜を除去し、その後、脳を秤量した。次いで、上記脳を、小片へと解剖し、約10mL PBSで2回すすぎ、次いで、ドライアイス上で急速凍結し、分析前まで−80℃で保存した。
組織加工処理前に、ラットの脳を融解した。分析標準の調製のために、購入した凍結ラット脳(Pelfreezから)を同様に融解し、解剖し、PBSですすぎ、100μLの化合物Aストック溶液(アセトニトリル中500ng/mLならびに1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、および50μg/mL)を、上記組織に直接添加した。次いで、化合物Aを投与した脳および化合物Aを添加した脳はともに、以下に記載される同じ加工処理手順を受けた。
簡潔には、2mLの水を、均質化前に各脳に添加した。2〜3回(各々、約15秒間)で脳を均質化する。ホモジナイザーの機械プローブを、各サンプルの後、水、70% エタノールおよび酢酸エチルできれいにした。次いで、得られた脳ホモジネートを、酢酸エチルで3回抽出し(合計14mL)、遠心分離にかけて、各抽出後に水相と油相を分離した。1つの脳につき、プールした有機相を、40℃の窒素のストリーム下でエバポレートし、その残渣を、4mLの移動相Bで再構築した。4mL溶液中で脳サンプルに添加した化合物Aは、終濃度12.5ng/mL、25ng/mL、50ng/mL、125ng/mL、250ng/mL、1250ng/mLを有した。再構築したサンプルを、約15分間にわたって60℃においてインキュベートし、上記分析物が完全に溶解するまで、10分間にわたってボルテックスした。上記サンプルを遠心分離にかけ、次いで、LC/MS/MS分析の前に移動相B(以下に示される)でさらに希釈した。20μLの再構築サンプルを1.5mL 移動相Bで希釈する。上清を、分析のためにLC/MS/MSシステムへと移し、注入する。
脳濃度に伴う化合物KU113(実施例4)のラット薬物動態(PK)を、図3に示す。
化合物KU113について測定したラットPKパラメーター:
注意:経口バイオアベイラビリティーの予測は、最後の3つの観察可能なデータ点における上記POデータの単調な(flat)性質に起因して、大きな不確実性を含み得る。比較として、AUC(0−∞)の代わりにAUC(0−t)を使用する場合、計算した経口バイオアベイラビリティーは、80.5%になる。
化合物KU113について測定した脳での濃度
化合物KU113は、良好な経口アベイラビリティーおよび経口投与での脳への通過を示した一方で、アファチニブ(bibw−2992)(構造的に類似の化合物)は、所定の時点において不十分なPK(図4)を示し、検出可能な脳濃度を示さなかった。脳/血漿濃度比<0.05(脳濃度<1ng/g)。
前述の発明は、理解をする明瞭にする目的で図示および例示によって幾分詳細に記載されてきたが、特定の微細な変更および改変が、上記の教示に鑑みて実施されることは、当業者に明らかである。従って、上記説明および例示は、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきでない。
本明細書で引用される全ての特許および科学文献の開示は、それらの全体において本明細書に参考として援用される。

Claims (36)

  1. 式(I)の化合物:
    またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体であって、ここで:
    Wは、NまたはC−CNであり;
    は、置換されたアリールまたは置換されたヘテロアリールであり;
    各RおよびRは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり、ここで該C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルの各々は、オキソ、ハロゲンおよび−ORからなる群より独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRはこれらが結合される窒素原子と一緒になって、4〜7員のヘテロシクリルを形成し、該4〜7員のヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OR、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換され;
    は、“O”、“N”、“S”、S(O)”、または“S(O)”から選択される1〜3個のヘテロ環原子を含むヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OCF、−OR、−CF、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換され;そして
    各R、RおよびRは、HおよびC−Cアルキルから独立して選択される、
    化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  2. Wは、Nである、請求項1に記載の化合物。
  3. は、置換されたアリールである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. は、置換されたフェニルである、請求項3に記載の化合物。
  5. は、以下:
    からなる群より選択される置換されたフェニルである、請求項4に記載の化合物。
  6. は、3−クロロ−4−フルオロフェニルである、請求項4に記載の化合物。
  7. は、置換されたヘテロアリールである、請求項1または2に記載の化合物。
  8. は、以下:
    からなる群より選択される置換されたヘテロアリールである、請求項7に記載の化合物。
  9. 各RおよびRは、独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 各RおよびRは、独立して、C−Cアルキルである、請求項9に記載の化合物。
  11. 各RおよびRは、メチルである、請求項10に記載の化合物。
  12. 各RおよびRは、独立して、H、またはオキソ、ハロゲンおよび−ORからなる群より独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換されたC−Cアルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  13. およびRは、これらが結合される窒素原子と一緒になって、4〜7員のヘテロシクリルを形成し、該4〜7員のヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OR、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される最大3個までの基で必要に応じて置換される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  14. は、“O”、“N”、“S”、S(O)”、または“S(O)”から選択される1〜3個のヘテロ環原子を含む4〜10員のヘテロシクリルであり、ここで該ヘテロシクリルは、ハロゲン、オキソ、−OCF、−OR、−CF、−NR、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の基で必要に応じて置換される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. は、1個の環ヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロシクリルである、請求項14に記載の化合物。
  16. 前記1個の環ヘテロ原子は、酸素である、請求項15に記載の化合物。
  17. は、テトラヒドロフラン−3−イル、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルまたは3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イルである、請求項14に記載の化合物。
  18. は、3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルである、請求項17に記載の化合物。
  19. 前記化合物は、以下:
    (E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、
    (E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、
    (E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((R)−テトラヒドロフラン−2−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、
    (E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1R,5S,6s)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、
    (E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−(3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、
    (E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1R,5S)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド、および
    (E)−N−(4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−(2−((1S,5R)−3−オキサ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)エチニル)キナゾリン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド
    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  20. 前記化合物は、以下の式:
    のものである、請求項1に記載の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体;および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
  22. 過剰増殖性障害を処置することが必要な個体における過剰増殖性障害を処置する方法であって、該方法は、該個体に、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
  23. 前記過剰増殖性障害は、頭頸部癌、肺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、膀胱癌、胃癌、腎臓癌、皮膚癌、膵臓癌、白血病、リンパ腫、食道癌、子宮癌または前立腺癌である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記過剰増殖性障害は、乳癌、胃癌または肺癌である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記過剰増殖性障害は、エルロチニブ耐性癌である、請求項22に記載の方法。
  26. 前記エルロチニブ耐性癌は、エルロチニブ耐性非小細胞肺癌である、請求項25に記載の方法。
  27. 脳腫瘍を処置することが必要な個体における脳腫瘍を処置する方法であって、該方法は、該個体に、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
  28. 前記脳腫瘍は、原発性脳腫瘍である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記脳腫瘍は、神経膠腫である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記脳腫瘍は、多形性神経膠芽腫である、請求項28に記載の方法。
  31. 前記脳腫瘍は、転移性脳腫瘍である、請求項27に記載の方法。
  32. 癌の脳転移の発生を予防するかまたは遅延することが必要な個体における癌の脳転移の発生を予防するかまたは遅延する方法であって、該方法は、該個体に、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
  33. 過剰増殖性障害の処置のための医薬の製造における、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の使用。
  34. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体を含む、キット。
  35. 過剰増殖性障害の処置における使用のための説明書をさらに含む、請求項34に記載のキット。
  36. 前記過剰増殖性障害は、脳腫瘍である、請求項35に記載のキット。
JP2013556664A 2011-03-04 2012-03-02 アルキン置換キナゾリン化合物および使用方法 Active JP6006242B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161449088P 2011-03-04 2011-03-04
US61/449,088 2011-03-04
PCT/US2012/027614 WO2012122058A2 (en) 2011-03-04 2012-03-02 Alkyne substituted quinazoline compound and methods of use

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014518544A true JP2014518544A (ja) 2014-07-31
JP2014518544A5 JP2014518544A5 (ja) 2015-04-16
JP6006242B2 JP6006242B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=46798728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013556664A Active JP6006242B2 (ja) 2011-03-04 2012-03-02 アルキン置換キナゾリン化合物および使用方法

Country Status (14)

Country Link
US (5) US9090588B2 (ja)
EP (1) EP2680850B1 (ja)
JP (1) JP6006242B2 (ja)
KR (4) KR20210043016A (ja)
CN (1) CN103998040B (ja)
AU (3) AU2012225693A1 (ja)
BR (1) BR112013022552B1 (ja)
CA (1) CA2828713C (ja)
IL (1) IL228072A (ja)
MX (1) MX344302B (ja)
RU (1) RU2013144571A (ja)
SG (3) SG10201601711SA (ja)
TW (1) TWI617556B (ja)
WO (1) WO2012122058A2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG10201601711SA (en) 2011-03-04 2016-04-28 Newgen Therapeutics Inc Alkyne Substituted Quinazoline Compound And Methods Of Use
WO2012155339A1 (zh) 2011-05-17 2012-11-22 江苏康缘药业股份有限公司 4-苯胺-6-丁烯酰胺-7-烷醚喹唑啉衍生物及其制备方法和用途
CN102898386B (zh) * 2011-07-27 2015-07-29 上海医药集团股份有限公司 喹唑啉衍生物、其制备方法、中间体、组合物及其应用
WO2014177038A1 (en) 2013-04-28 2014-11-06 Sunshine Lake Pharma Co., Ltd. Aminoquinazoline derivatives and their salts and methods of use thereof
CN103254183B (zh) * 2013-05-10 2015-11-11 苏州明锐医药科技有限公司 阿法替尼的制备方法
CN103254156B (zh) * 2013-05-10 2015-08-26 苏州明锐医药科技有限公司 阿法替尼中间体的制备方法
CA3228632A1 (en) 2015-12-24 2017-06-29 Kyowa Kirin Co., Ltd. .alpha.,.beta.-unsaturated amide compound
DE102016224889B4 (de) * 2016-12-14 2019-11-07 Airbus Defence and Space GmbH Verfahren zur Vorbeugung einer Ablösung einer Fluidströmung, Strömungskörpersystem und Luftfahrzeug
US11083492B2 (en) * 2018-06-06 2021-08-10 Lifetech Scientific (Shenzhen) Co., Ltd Method for implanting an interventional medical device
US10973321B2 (en) 2018-09-04 2021-04-13 Steelcase Inc. Workspace system and components and method for the use thereof
CA3113241A1 (en) 2018-09-25 2020-04-02 Black Diamond Therapeutics, Inc. Quinazoline derivatives as tyrosine kinase inhibitor, compositions, methods of making them and their use
WO2021030711A1 (en) * 2019-08-15 2021-02-18 Black Diamond Therapeutics, Inc. Alkynyl quinazoline compounds
WO2021209039A1 (zh) * 2020-04-17 2021-10-21 北京赛特明强医药科技有限公司 一种喹唑啉类化合物、制备方法及其应用
CN113527215B (zh) * 2020-04-17 2023-12-05 北京赛特明强医药科技有限公司 一种喹唑啉类化合物、制备方法及其应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006501185A (ja) * 2002-07-09 2006-01-12 アストラゼネカ アクチボラグ Mek阻害剤である置換された3−シアノキノリン
JP2008545688A (ja) * 2005-05-25 2008-12-18 ワイス 置換3−シアノキノリン並びにその中間体を合成する方法
JP2009515851A (ja) * 2005-11-11 2009-04-16 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 癌疾患の治療用キナゾリン誘導体
JP4285996B2 (ja) * 2001-02-21 2009-06-24 田辺三菱製薬株式会社 キナゾリン誘導体

Family Cites Families (51)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4062881A (en) 1974-07-26 1977-12-13 Cincinnati Milacron Chemicals, Inc. Sulfide containing tin stabilizers
US4343940A (en) 1979-02-13 1982-08-10 Mead Johnson & Company Anti-tumor quinazoline compounds
GB2160201B (en) 1984-06-14 1988-05-11 Wyeth John & Brother Ltd Quinazoline and cinnoline derivatives
EP0326307B1 (en) 1988-01-23 1994-08-17 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Novel pyridazinone derivatives and pharmaceutical preparations containing them
US5053227A (en) 1989-03-22 1991-10-01 Cygnus Therapeutic Systems Skin permeation enhancer compositions, and methods and transdermal systems associated therewith
US5721237A (en) 1991-05-10 1998-02-24 Rhone-Poulenc Rorer Pharmaceuticals Inc. Protein tyrosine kinase aryl and heteroaryl quinazoline compounds having selective inhibition of HER-2 autophosphorylation properties
AU661533B2 (en) 1992-01-20 1995-07-27 Astrazeneca Ab Quinazoline derivatives
US6177401B1 (en) 1992-11-13 2001-01-23 Max-Planck-Gesellschaft Zur Forderung Der Wissenschaften Use of organic compounds for the inhibition of Flk-1 mediated vasculogenesis and angiogenesis
GB9314893D0 (en) 1993-07-19 1993-09-01 Zeneca Ltd Quinazoline derivatives
JP3089901B2 (ja) 1993-07-20 2000-09-18 株式会社豊田自動織機製作所 クラッチレス圧縮機における動力伝達構造
AU2096895A (en) 1994-03-07 1995-09-25 Sugen, Incorporated Receptor tyrosine kinase inhibitors for inhibiting cell proliferative disorders and compositions thereof
GB9405355D0 (en) 1994-03-18 1994-05-04 Lucas Ind Plc Vibrating element transducer
AU5108196A (en) 1995-03-20 1996-10-08 Dr. Karl Thomae Gmbh Imidazoquinazolines, drugs containing these compounds, their use and process for their preparation
ES2332984T3 (es) 1995-03-30 2010-02-16 Pfizer Products Inc. Derivados de quinazolinas.
GB9508538D0 (en) 1995-04-27 1995-06-14 Zeneca Ltd Quinazoline derivatives
IL117923A (en) 1995-05-03 2000-06-01 Warner Lambert Co Anti-cancer pharmaceutical compositions containing polysubstituted pyrido¬2,3-d¾pyrimidine derivatives and certain such novel compounds
AU716993B2 (en) 1995-05-12 2000-03-16 Neurogen Corporation Novel deazapurine derivatives; a new class of CRF1 specific ligands
US5747498A (en) 1996-05-28 1998-05-05 Pfizer Inc. Alkynyl and azido-substituted 4-anilinoquinazolines
EP0831829B1 (en) 1995-06-07 2003-08-20 Pfizer Inc. Heterocyclic ring-fused pyrimidine derivatives
DE69618587T2 (de) 1995-06-07 2002-08-29 Sugen Inc Chinazoline und pharmazeutische zusammensetzungen
DK0836605T3 (da) 1995-07-06 2002-05-13 Novartis Ag Pyrrolopyrimidiner og fremgangsmåder til deres fremstilling
GB9514265D0 (en) 1995-07-13 1995-09-13 Wellcome Found Hetrocyclic compounds
GB9520822D0 (en) 1995-10-11 1995-12-13 Wellcome Found Therapeutically active compounds
AR004010A1 (es) 1995-10-11 1998-09-30 Glaxo Group Ltd Compuestos heterociclicos
AU2522197A (en) 1996-04-16 1997-11-07 Ube Industries, Ltd. Hydrazine compounds, process for the preparation thereof, and insecticides for agricultural and horticultural use
PT912559E (pt) 1996-07-13 2003-03-31 Glaxo Group Ltd Compostos heterociclicos fundidos como inibidores de proteina tirosina quinase
GB9718972D0 (en) * 1996-09-25 1997-11-12 Zeneca Ltd Chemical compounds
US6225318B1 (en) 1996-10-17 2001-05-01 Pfizer Inc 4-aminoquinazolone derivatives
CO4940418A1 (es) 1997-07-18 2000-07-24 Novartis Ag Modificacion de cristal de un derivado de n-fenil-2- pirimidinamina, procesos para su fabricacion y su uso
TW436485B (en) 1997-08-01 2001-05-28 American Cyanamid Co Substituted quinazoline derivatives
GB9800569D0 (en) 1998-01-12 1998-03-11 Glaxo Group Ltd Heterocyclic compounds
CN1126743C (zh) 1998-07-30 2003-11-05 惠氏 取代的喹唑啉的衍生物
UA74803C2 (uk) 1999-11-11 2006-02-15 Осі Фармасьютікалз, Інк. Стійкий поліморф гідрохлориду n-(3-етинілфеніл)-6,7-біс(2-метоксіетокси)-4-хіназолінаміну, спосіб його одержання (варіанти) та фармацевтичне застосування
US6627634B2 (en) 2000-04-08 2003-09-30 Boehringer Ingelheim Pharma Kg Bicyclic heterocycles, pharmaceutical compositions containing them, their use, and processes for preparing them
CZ299561B6 (cs) 2000-06-30 2008-09-03 Glaxo Group Limited Chinazolinaminový derivát a farmaceutický prostredek
HU229106B1 (en) 2000-10-27 2013-07-29 Novartis Ag Treatment of gastrointestinal stromal tumors
DE10063435A1 (de) 2000-12-20 2002-07-04 Boehringer Ingelheim Pharma Chinazolinderviate,diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel, deren Verwendung und Verfahren zu ihrer Herstellung
TWI324597B (en) 2002-03-28 2010-05-11 Astrazeneca Ab Quinazoline derivatives
EP1521747B1 (en) 2002-07-15 2018-09-05 Symphony Evolution, Inc. Receptor-type kinase modulators and methods of use
DE10349113A1 (de) 2003-10-17 2005-05-12 Boehringer Ingelheim Pharma Verfahren zur Herstellung von Aminocrotonylverbindungen
JP4353903B2 (ja) 2005-01-07 2009-10-28 東京エレクトロン株式会社 クラスタツールの処理システム
US7960546B2 (en) 2006-01-26 2011-06-14 Boehringer Ingelheim International Gmbh Process for preparing aminocrotonylamino-substituted quinazoline derivatives
CN100345856C (zh) 2006-03-10 2007-10-31 武汉化工学院 一种制备葡萄糖醛酸内酯的酯化及结晶工艺方法
KR101434164B1 (ko) 2006-09-11 2014-08-26 쿠리스 인코퍼레이션 아연 결합 부분을 함유한 퀴나졸린 계열 egfr 억제제
CA2682639A1 (en) 2007-03-29 2008-10-09 F. Hoffmann-La Roche Ag Heterocyclic antiviral compounds
CN101584696A (zh) 2008-05-21 2009-11-25 上海艾力斯医药科技有限公司 包含喹唑啉衍生物的组合物及制备方法、用途
US8735409B2 (en) 2009-12-21 2014-05-27 Qiang Zhang Quinazoline derivatives
US20120195857A1 (en) 2010-08-12 2012-08-02 Bristol-Myers Squibb Company Hepatitis C Virus Inhibitors
CN102382106A (zh) 2010-08-30 2012-03-21 黄振华 苯胺取代的喹唑啉衍生物
SG10201601711SA (en) 2011-03-04 2016-04-28 Newgen Therapeutics Inc Alkyne Substituted Quinazoline Compound And Methods Of Use
WO2012155339A1 (zh) 2011-05-17 2012-11-22 江苏康缘药业股份有限公司 4-苯胺-6-丁烯酰胺-7-烷醚喹唑啉衍生物及其制备方法和用途

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4285996B2 (ja) * 2001-02-21 2009-06-24 田辺三菱製薬株式会社 キナゾリン誘導体
JP2006501185A (ja) * 2002-07-09 2006-01-12 アストラゼネカ アクチボラグ Mek阻害剤である置換された3−シアノキノリン
JP2008545688A (ja) * 2005-05-25 2008-12-18 ワイス 置換3−シアノキノリン並びにその中間体を合成する方法
JP2009515851A (ja) * 2005-11-11 2009-04-16 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 癌疾患の治療用キナゾリン誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
EP2680850B1 (en) 2018-05-23
CA2828713C (en) 2022-08-16
US20140128417A1 (en) 2014-05-08
RU2013144571A (ru) 2015-04-10
CA2828713A1 (en) 2012-09-13
BR112013022552A2 (pt) 2016-12-06
AU2018267622B2 (en) 2020-05-14
TWI617556B (zh) 2018-03-11
US20190382382A1 (en) 2019-12-19
CN103998040A (zh) 2014-08-20
MX2013010016A (es) 2013-11-20
CN103998040B (zh) 2017-03-29
US20180093975A1 (en) 2018-04-05
AU2012225693A1 (en) 2013-09-19
AU2017200984A1 (en) 2017-03-02
KR20200003933A (ko) 2020-01-10
IL228072A0 (en) 2013-09-30
KR20220031732A (ko) 2022-03-11
AU2018267622A1 (en) 2018-12-13
SG193291A1 (en) 2013-10-30
EP2680850A2 (en) 2014-01-08
US20160031860A1 (en) 2016-02-04
WO2012122058A2 (en) 2012-09-13
IL228072A (en) 2016-08-31
BR112013022552B1 (pt) 2021-11-23
US9090588B2 (en) 2015-07-28
US11524956B2 (en) 2022-12-13
MX344302B (es) 2016-12-13
WO2012122058A3 (en) 2014-04-24
TW201249835A (en) 2012-12-16
US20210047303A1 (en) 2021-02-18
KR20210043016A (ko) 2021-04-20
EP2680850A4 (en) 2015-01-28
KR102061743B1 (ko) 2020-01-03
SG10201601711SA (en) 2016-04-28
JP6006242B2 (ja) 2016-10-12
SG10201913982WA (en) 2020-03-30
KR20140020955A (ko) 2014-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6006242B2 (ja) アルキン置換キナゾリン化合物および使用方法
JP5721709B2 (ja) リンを含むキナゾリン化合物および使用方法
CA3093138C (en) Heteroaryl compounds as kinase inhibitor
TWI555745B (zh) 喹唑啉-7-醚化合物及其使用方法
TW201002694A (en) Quinazoline derivatives
CN103717590A (zh) 喹唑啉-7-醚化合物及使用方法
JP7191045B2 (ja) 化合物
JPWO2018159613A1 (ja) ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物を用いた抗腫瘍効果増強剤
RU2774952C2 (ru) Соединения

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150227

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150925

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6006242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250