JP2014506607A - 熱可塑性成形材料 - Google Patents

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Abstract

本発明による熱可塑性成形材料は、熱可塑性成形材料に対して、a)ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、及びポリスルホンから選択される少なくとも1種の熱可塑性マトリックスポリマー(成分A)、当該マトリックスポリマーは、ポリマーブレンドとして存在していてもよく、b)成分Aのマトリックスポリマーに対して反応性の官能基を有する高分岐又は超分岐ポリマー少なくとも1種(成分B)を0.1〜5質量%、c)カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック、黒鉛、又はこれらの混合物から選択される導電性炭素充填剤(成分C)を0.2〜15質量%含有し、ここで特定の成形材料は除外される。

Description

本発明は、少なくとも1種の熱可塑性マトリックスポリマー、少なくとも1種の高分岐若しくは超分岐ポリマー、及び導電性炭素充填剤を含有する熱可塑性成形材料に関する。
マトリックスポリマーにおいて、高分岐若しくは超分岐ポリマーとの組み合わせで、炭素充填剤を用いることは、それ自体公知である。
WO 2009/115536は、超分岐ポリエチレンイミンを有するポリアミドのナノ複合材に関する。ここに記載された熱可塑性成形材料は、少なくとも1種の熱可塑性ポリアミド、少なくとも1種の超分岐ポリエチレンイミン、個数基準での一次粒子の平均直径が0.5〜20nmである少なくとも1種の金属若しくは半金属の非晶質酸化物及び/又はオキシ水和物を含有し、ここでこの成型材料は、充填材料としてカーボンナノチューブを含むことができる。顔料としては、カーボンブラックと黒鉛を併用することができる。顔料としては、カーボンブラックと黒鉛を併用することができる。
超分岐ポリエチレンイミンは、溶融粘性を低下させるために、同時に有利な機械的特性で使用される。
WO 2008/074687は、延性が改善された熱可塑性成形材料に関する。この成形材料は、部分芳香族ポリアミドと、エチレン、1−オクテン、若しくは1−ブテン、又はプロペン、又はこれらの混合物からのコポリマー、及び官能性モノマーを含有し、ここで前記官能基は、カルボン酸基、無水カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシド基、ウレタン基、又はオキサゾリン基、又はこれらの混合物から選択される。この成形材料は、繊維状若しくは粒子状の充填剤と、高分岐若しくは超分岐のポリカーボネート、又は高分岐若しくは超分岐のポリエステルを含有することができる。さらに、導電性添加剤を併用することができ、これは例えばカーボンナノチューブ、黒鉛、又は導電性カーボンブラックから選択されている。カーボンブラックのような顔料もまた、併用可能である。
高分岐若しくは超分岐のポリカーボネート又はポリエステルは、流動性と延性を改善させるために使用される。
EP-A-2 151 415は、トリアリールアミン構造を有する特別な超分岐ポリマーを、カーボンナノチューブ用の可溶化剤として用いることを記載しているが、このポリマーはマトリックスポリマーと反応性の官能基を有さないものである。こうして得られる可溶化剤はポリマー樹脂内に、特にポリアミド樹脂又はポリカーボネート樹脂内に導入することができる。
熱可塑性マトリックスポリマー中で充分な導電性を達成するため、通常は導電性改善充填剤(例えばカーボンナノチューブ又は導電性カーボンブラック)を多量に添加することが必要である。これによって熱可塑性ポリマーマトリックスの機械的特性も、しばしば大きく損なわれる。さらに、このように導電性改善充填剤を大量に使用するには、多大なコストがかかる。
本発明の課題は、導電性炭素充填剤を含有する熱可塑性ポリマー成形材料を提供することであり、当該成形材料は、導電性が改善されているか、又は導電性を得ながら、炭素充填剤の含分を低減可能なものである。
この課題は本発明に従って、熱可塑性成形材料によって解決され、当該熱可塑性成形材料は、前記熱可塑性成形材料に対して、
成分Aとして、
a)ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、及びポリスルホンから選択される少なくとも1種の熱可塑性マトリックスポリマー、当該マトリックスポリマーは、ポリマーブレンドとして存在していてもよく、
成分Bとして、
b)前記成分Aのマトリックスポリマーと反応性の官能基を有する少なくとも1種の高分岐又は超分岐ポリマーを0.1〜5質量%、
成分Cとして、
c)カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック、黒鉛、又はこれらの混合物から選択される導電性炭素充填剤を0.1〜15質量%、
含有し、
ここで前記熱可塑性材料は、個数基準での一次粒子の平均直径が0.5〜20nmである少なくとも1種の金属若しくは半金属の非晶質酸化物若しくはオキシ水和物を含有せず、
部分芳香族ポリアミドと、エチレン、1−オクテン、又は1−ブテン、又はプロペン、又はこれらの混合物からのコポリマー、及び官能性モノマーを含有する成形材料は除外され、ここで前記官能基は、カルボン酸基、無水カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシド基、ウレタン基、又はオキサゾリン基から選択される。
この課題はさらに、
・成分Bとして、成分Aのマトリックスポリマーと反応性の官能基を有する高分岐若しくは超分岐のポリマーを、
・成分Aとして、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、及びポリスルホンから選択される少なくとも1種の熱可塑性マトリックスポリマー、当該マトリックスポリマーはまた、ポリマーブレンドとして存在していてよい、及び
・成分Cとして、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック、黒鉛、又はこれらの混合物から選択される導電性炭素充填剤、
を含有する熱可塑性成形材料中で用いることによって解決される。
本発明によれば、熱可塑性成形材料中で導電性炭素充填剤と、高分岐若しくは超分岐ポリマーとを組み合わせることにより、導電性の著しい上昇につながることが判明した。このために高分岐若しくは超分岐ポリマーは、マトリックスポリマーと反応性の官能基を有する。導電特性の改善により、導電性充填剤の含分が低減された材料の調合が可能になる。
本発明による熱可塑性成形材料中で成分Bの割合は、0.1〜5質量%、好適には0.2〜3質量%、特に0.3〜1.3質量%である。
成分Bの高分岐若しくは超分岐ポリマーは、成分Aのマトリックスポリマーと反応性の官能基を有する。ここでこの官能基は、熱可塑性成形材料の成形条件下、例えば熱可塑性成形材料の変形、熱可塑性成形材料の溶融、熱可塑性成形材料の加工に際して、押出機、又は混練機、又はプレス加工機内で反応性である。この際に好適には、加工条件下、特に押出成形下で、分子量変化、好適には分子量合成が、例えば可視的には溶融粘度若しくは溶液粘度の上昇によって起こる。
成分A、B、及びCを有する熱可塑性成形材料は、好適には反応性である。この熱可塑性成形材料は、分子量、又は溶融粘度、又は溶液粘度の実質的な変化が、混合後、特に成分A及びBの混合後、例えば押出成形の際に観察されれば、反応性であるとする。この変化は、測定値の変化が、相応する想定値の標準偏差を超えた場合に、重要となる。
こうして成分Bの高分岐若しくは超分岐ポリマーは、成分Aのマトリックスポリマーに適合されているべきであり、これにより官能基の反応が可能になる。
超分岐化合物とは、その分岐度、すなわちデンドリマー結合の平均数と末端単位との合計を、全結合(デンドリマー、線状、及び末端結合)の平均数の合計で割って、100を掛けたものが、10〜98%、好ましくは25〜90%、特に好ましくは30〜80%である化合物をいう。
本発明において「超分岐」という特徴は、該当するポリマーの分岐度DB(degree of branching)が、10〜98%、好ましくは25〜90%、特に好ましくは30〜80%であることを意味し、ここで分岐度は、DB(%)=100×(T+Z)/(T+Z+L)と規定され、前記式中、Tは、末端結合したモノマー単位の平均数であり、Zは、分岐を形成するモノマー単位の平均数であり、Lは、線状に結合したモノマー単位の平均数である(各物質のマクロ分子内において)。
超分岐ポリマー、また高分岐ポリマーとも言われるが、これはデンドリマーとは異なる。デンドリマーとは、完全な対称構造を有するポリマーであり、中心分子から出発して、制御しながら段階的に、それぞれ2種以上の二官能性若しくは多官能性モノマーと、既に結合された各モノマーとを結合することによって製造される。この際に、各結合工程によってモノマー末端基の数は増大し(これにより結合する)、樹木のような構造を持つポリマーが得られ、理想的には球形で、その枝はそれぞれ正確に同数のモノマー単位を有する。この完全な構造に基づき、ポリマー特性は多くの場合有利であり、例えば低い粘度と高い反応性が、球表面における官能基の数が多いことにより観察される。ただしこの製造は、各連結工程において保護基を導入し、再度除去しなければならず、洗浄措置が必要なため複雑になり、このためデンドリマーは通常、実験室レベルでしか製造しない。
しかしながら大規模工業的な方法で、高分岐又は超分岐ポリマーを製造することができる。本発明の意味合いにおいて超分岐という用語には、高分岐という用語が包含され、以下、これら2つの用語は同義で用いられる。超分岐ポリマーは完全なデンドリマー構造に加えて、線状のポリマー鎖と不均一なポリマー枝も有するが、しかしながらこれによって、完全なデンドリマーに比べてポリマー特性が悪化することはほとんどない。
上記定義の分岐度によって、本発明により用いられる(非デンドリマー状の)超分岐ポリマーは、デンドリマーと区別される。本発明との関連で「デンドリマー」とは、分岐度DBが99.9〜100%のポリマーである。これによってデンドリマーは、分岐箇所の数があり得る最大となり、これは高度な対称構造によってのみ達成可能である。「分岐度(Degree of Branching)」の定義についてはまた、H. Frey et al., Acta Polym. 1997, 48, 30を参照されたい。よって本発明において超分岐ポリマーとは、実質的に非架橋性のマクロ分子と理解されるべきであり、このマクロ分子は構造的にも分子的にも、不均一である。
本発明の範囲において好適には、高官能性の超分岐ポリエチレンイミンB)を使用する。
本発明の意味合いにおいて高官能性の超分岐ポリエチレンイミンとは、ポリマー骨格を形成する第二級及び第三級アミノ基の他に、末端位若しくは側位にさらに平均で少なくとも3個、好ましくは少なくとも6個、特に好ましくは少なくとも10個の官能基を有する生成物であると理解されるべきである。官能基とは、好適には第一級アミノ基である。末端位若しくは側位おける官能基の数について、原則的に上限はないが、非常に多数の官能基を有する生成物は、不所望の特性(例えば高粘度又は溶解性の低さ)を有する。本発明の高官能性の超分岐ポリエチレンイミンは好適には、末端位若しくは側位に官能基を500個以下、特に末端位若しくは側位に官能基を100個以下有する。
本発明の意味合いにおいてポリエチレンイミンとは、ホモポリマーともコポリマーとも理解されるべきであり、これらは例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, "Aziridines", electronic release(2006年12月15日公開)に記載の方法により、又はWO-A 94/12560に従って得られる。
ホモポリマーは好適には、エチレンイミン(アジリジン)の重合によって、水溶液又は有機溶液中、酸放出性化合物、酸、又はルイス酸の存在下で得られる。このようなホモポリマーは好適には、通常第一級、第二級、及び第三級のアミノ基を、約30%:40%:30%の比で有するポリマーである。アミノ基の分布は、13C−NMRスペクトロスコピーを用いて測定することができる。
コモノマーとして好適には、アミノ官能基を少なくとも2つ有する化合物を使用する。適切なコモノマーとしては例えば、アルキレン基中に炭素原子を2〜10個有するアルキレンジアミンが挙げられ、ここでエチレンジアミンとプロピレンジアミンが好ましい。さらに、適切なコモノマーは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、ジヘキサメチレントリアミン、アミノプロピルエチレンジアミン、及びビスアミノプロピルエチレンジアミンである。
ポリエチレンイミンは通常、平均分子量(質量平均)が、100〜3,000,000g/molの範囲、特に800〜2,000,000g/molの範囲である。アジリジンの触媒重合により得られるポリエチレンイミンは通常、質量平均分子量が、800〜50,000g/molの範囲、特に1,000〜30,000g/molの範囲である。高分子量のポリエチレンイミンは特に、上記ポリエチレンイミンと、二官能性アルキル化化合物(例えばクロロメチルオキシラン若しくは1,2−ジクロロエタン)との反応により、又は分子量分布が幅広いポリマーの限外濾過によって(例えばEP-A-0 873 371及びEP-A-1 177 035に記載のように)、又は架橋によって得られる。
さらに、成分B)として適切なのは、ポリエチレンイミンと二官能性若しくは多官能性の架橋剤との反応によって得られる架橋ポリエチレンイミンであり、前記架橋剤は、官能基としてハロゲンヒドリン単位、グリシジル単位、アジリジン単位、イソシアネート単位を少なくとも1つ、又はハロゲン原子を有するものである。その例としては、エピクロロヒドリン、又はエチレンオキシド単位及び/又はプロピレンオキシド単位を2〜100個有するポリアルキレングリコールのビスクロロヒドリンエーテルが、またDE-A 19 93 17 20 及びUS 4 144 123に記載された化合物が挙げられる。架橋されたポリエチレンイミンの製造方法は特に、上記文献とEP-A 895 521及びEP-A 25515から公知である。架橋されたポリエチレンイミンは通常、平均分子量が20,000g/molである。
成分B)としてはさらに、グラフトされたポリエチレンイミンが考慮され、ここでグラフト剤としては、ポリエチレンイミンのアミノ基又はイミノ基と反応可能なあらゆる化合物が使用できる。適切なグラフト剤とグラフト化されたポリエチレンイミンの製造方法は、例えばEP-A 675 914から読み取れる。
同様に適切なポリエチレンイミンは、アミド化されたポリマーであり、これは通常、ポリエチレンイミンと、カルボン酸、カルボン酸エステル、若しくは無水カルボン酸、カルボン酸アミド、又はカルボン酸ハロゲン化物との反応によって得られるものである。ポリエチレンイミン鎖中のアミド化された窒素原子の割合に応じて、アミド化されたポリマーを事後的に上記架橋剤によって架橋させることができる。ここで好適には、最大30%のアミノ官能基がアミド化され、これにより後続の架橋反応のために、なお充分な第一級及び/又は第二級窒素原子が利用できる。
さらに、アルコキシ化されたポリエチレンイミンが適しており、これは例えばポリエチレンイミンと、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドとの反応によって得られる。このようなアルコキシ化されたポリマーは、引き続き架橋できる。
成分B)としてさらに適切なポリエチレンイミンとして挙げられるのは、ヒドロキシ基含有ポリエチレンイミン、及び両性のポリエチレンイミン(アニオン基の組み込み)であり、また通常は長鎖炭化水素基をポリマー鎖に組み込むことによって得られる、親油性のポリエチレンイミンである。このようなポリエチレンイミンの製造方法は当業者に公知であるため、これ以上の詳細な説明は不要である。
適切なポリエチレンイミンの記載については、WO 2009/115536、特にその8〜11pが指摘できる。
成分(B)はそのまま、又は溶液として、特に水溶液として使用できる。
成分(B)は好適には、光散乱法により測定した質量平均分子量が、800〜50,000g/mol、特に好ましくは1000〜40,000g/mol、特に1200〜30,000g/molである。平均分子量(質量平均)は好適には、ゲル透過クロマトグラフィーを用いてプルラン標準で、水溶液中で測定する(水;0.02mol/l、ギ酸;0.2mol/lKCl)。
本発明の範囲において成分B)は、好適にはガラス転移点が50℃未満、特に好適には30℃未満、特に10℃未満である。
DIN53176に従い測定した成分B)のアミン数は、50〜1000mgKOH/gが有利である。成分B)は好適には、DIN53176によるアミン数が、100〜900mgKOH/g、特に好適には150〜800mgKOH/gである。
成分Bとしてはまた、高分岐又は超分岐ポリエーテルアミンを使用することができる。本発明による適切なポリエーテルアミンは例えば、WO 2009/077492に成分B)として記載されている(p6〜16参照)。
成分Bとして、本発明による成形材料はまた、高分岐若しくは超分岐ポリカーボネートを含有することもでき、このポリカーボネートはOH数がポリカーボネート1gあたり、1〜600mgKOH、好適には10〜550mgKOH、特に50〜550mgKOH/である(DIN 53240、第二部による)。
超分岐ポリカーボネートとは、ヒドロキシ基とカーボネート基を有する非架橋のマクロ分子と理解されるべきであり、このマクロ分子は構造的にも分子的にも、不均一である。これらはデンドリマーと同様に中心分子から出発するが、エステルの不均一な鎖長によって構築されていてよい。これらはまた、官能性側基によって線状に構築されていてもよく、又は両方の極地の組み合わせとして、線状、及び分岐状の分子部分を有することができる。
本発明に適切な高分岐若しくは超分岐ポリカーボネート又はポリエステルは例えば、WO 2008/074687に記載されている(ポリカーボネートについては9〜19pを、超分岐ポリエステルについては、19〜29pを参照)。
超分岐ポリエステルは、ポリカーボネートとは異なり、ヒドロキシ基に加えてカルボキシ基を有する。
WO 2008/074687及びWO 2009/115536に記載された、導電性炭素充填剤を有する熱可塑性成形材料は、本発明から除外される。
本発明による熱可塑性成形材料は成分Aとして、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、及びポリスルホンから選択される少なくとも1種の熱可塑性マトリックスポリマーを含有し、当該マトリックスポリマーは、ポリマーブレンドとして存在していてもよい。
本発明によれば好ましくは、ポリアミド、コポリアミド、又はポリアミド含有ポリマーブレンドを少なくとも1種、成分Aとして使用できる。
本発明により使用されるポリアミドは、出発モノマーからの反応によって製造され、当該出発モノマーは例えば、ジカルボン酸とジアミンから、又はジカルボン酸とジアミンから得られる塩から、アミノカルボン酸、アミノニトリル、ラクタム、及びこれらの混合物から選択される。ここで出発モノマーは、任意のポリアミドであってよく、それは例えば脂肪族、部分芳香族、又は芳香族ポリアミドである。ポリアミドは、非晶質、結晶質、又は部分結晶質であってよい。ポリアミドは、さらに任意の適切な粘度又は分子量を有することができる。特に適切なのは、脂肪族、部分結晶性、又は部分芳香族構造を有するポリアミドであり、またあらゆる種類の非晶質構造を有するポリアミドである。
このようなポリアミドは一般的に、ISO 307に従い、硫酸(96質量%)の0.5質量%溶液中において25℃で測定した粘度数が、90〜350ml/g、好適には110〜240ml/gである。
分子量(質量平均値)が少なくとも5,000の半結晶性又は非晶質樹脂が好ましく、これは例えば米国特許文献2 071 250、2 071 251、2 130 523、2 130 948、2 241 322、2 312 966、2 512 606、及び3 393 210に記載されている。この例は、7〜11員環のラクタムから誘導されるポリアミド、例えばポリカプロラクタムとポリカプリルラクタムであり、またジカルボン酸とジアミンとの反応により得られるポリアミドである。
ジカルボン酸としては、炭素原子を6〜12個、特に6〜10個有するアルカンカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸が使用できる。ここでは酸として、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸(=デカンジカルボン酸)、及びテレフタル酸、及び/又はイソフタル酸が挙げられる。
ジアミンとして適しているのは特に、2〜12個、特に6〜8個の炭素原子を有するアルカンジアミン、またm−キシレンジアミン、ジ−(4−アミノフェニル)メタン、ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、2,2−ジ−(アミノフェニル)−プロパン、又は2,2−ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−プロパンであり、またp−フェニレンジアミンである。
好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド(PA66)、及びポリヘキサメチレンセバシン酸アミド(PA610)、ポリカプロラクタム(PA6)、並びにコポリアミド6/66、特にカプロラクタム単位を5〜95質量%の割合で有するものである。PA6、PA66、及びコポリアミド6/66が特に好ましい。
さらにまた、高温下で1,4−ジアミノブタンとアジピン酸との縮合による得られるポリアミドが言及されている(ポリアミド4,6)。この構造を有するポリアミドの製造方法は例えば、EP-A 38 094、EP-A 38 582、及びEP-A 39 524に記載されている。
さらなる例は、2種以上の上記モノマーの共重合により得られるポリアミド、又は複数のポリアミドの混合物であり、ここでその混合比は任意である。
さらに、このような部分芳香族コポリアミド(例えばPA6/6T及びPA66/6T)が特に有利であると実証されており、そのトリアミン含分は0.5質量%未満、好適には0.3質量%未満である(EP-A 299 444参照)。トリアミン含分が低い部分芳香族コポリアミドの製造は、EP-A 129 195 及び129 196に記載された方法に従って行うことができる。部分芳香族ポリアミドについてはさらに、WO 2008/074687が指摘できる。
以下に非限定的な列挙で、本願発明の意味合いにおける上記のポリアミド、また別のポリアミドを挙げ、括弧内にモノマーを記載する:
PA 26(エチレンジアミン、アジピン酸)
PA 210(エチレンジアミン、セバシン酸)
PA 46(テトラメチレンジアミン、アジピン酸)
PA 66(ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸)
PA 69(ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸)
PA 610(ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸)
PA 612(ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸)
PA 613(ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸)
PA 1212(1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸)
PA 1313(1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸)
PA MXD6(m−キシレンジアミン、アジピン酸)
PA TMDT(トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸)
PA 4(ピロリドン)
PA 6(ε−カプロラクタム)
PA 7(ε−アミノ−エナント酸)
PA 8(カプリルラクタム)
PA 9(9−アミノノナン酸)
PA 11(11−アミノウンデカン酸)
PA 12(ラウリンラクタム)
ポリフェニレンジアミンテレフタルアミド(p−フェニレンジアミン、テレフタル酸)。
これらのポリアミドと、その製造方法は公知である。その製造方法の詳細については、Ullmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie, 4. Auflage, Bd. 19, p. 39-54, Verlag Chemie, Weinmann 1980、及びUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A21, p. 179-206, VCH Verlag, Weinheim 1992、及びStoeckhert, Kunststofflexikon, p. 425-428, Hanser Verlag Muenchen 1992 ("Polyamide"の見出し以降)から当業者に公知である。
特に好ましくは、ポリアミド−6、ポリアミド−66、又はMXD6−ポリアミド(アジピン酸/m−キシレンジアミン)を使用する。
さらに本発明によれば、カルボキシ基又はアミノ基への結合が可能なポリアミド中で官能化可能な化合物を企図することが可能であり、当該化合物は例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基、又はアミノ基を少なくとも1つ有するものである。これは好適には、
・分岐作用のあるモノマー、例えばカルボキシ基又はアミノ基を少なくとも3つ有するもの、
・カルボキシ基又はアミノ基に、(例えばエポキシ基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、アミノ基、及び/又はカルボキシ基によって)結合可能であり、かつ、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、アミド基、イミン基、イミド基、ハロゲン基、シアノ基、及びニトロ基、C−C二重結合、又はC−C三重結合から選択される官能基を有するモノマー、又は
・カルボキシ基又はアミノ基と結合可能なポリマーブロック、例えばポリ−p−アラミドオリゴマー、
である。
官能化化合物を用いることによって、製造するポリアミドの特性範囲は、幅広い範囲で自由に調整することができる。
例えばトリアセトンジアミン化合物を、官能化モノマーとして使用することができる。これは好適には、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンであるか、又は4−アミノ−1−アルキル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンであって、そのアルキル基が炭素原子を1〜18個有するか、又はベンジル基によって置き換えられているものである。トリアセトンジアミン化合物は、それぞれポリアミドの酸アミド基1molに対して、好適には0.03〜0.08mol%の量、特に好ましくは0.06〜0.4mol%の量で存在する。さらなる説明については、DE-A-44 13 177が指摘できる。
さらなる官能化モノマーとしてはまた、通常は制御剤として用いられる化合物、例えばモノカルボン酸とジカルボン酸を使用することができる。その説明については同様に、DE-A-44 13 177が指摘できる。
成分Aは1種以上のポリアミド又はコポリアミドの他に、別のブレンドポリマーを少なくとも1種含有することもできる。ここで、ブレンドポリマーの割合は、成分Aに対して好適には0〜60質量%、特に好ましくは0〜50質量%、特に0〜40質量%である。ブレンドポリマーが存在する場合、その最少量は好適には5質量%、特に好ましくは少なくとも10質量%である。
ブレンドポリマーとしては例えば、天然若しくは合成のゴム、アクリレートゴム、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はこれらの混合物を使用することができ、任意で相容性改善剤と組み合わせてよい。
使用可能な合成ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、ヒドリンゴム(ECO)、アクリレートゴム(ASA)が挙げられる。シリコーンゴム、ポリオキシアルキレンゴム、また他のゴムも使用できる。
熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、又はスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)が挙げられる。
さらに、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、又はメラミン樹脂といった樹脂が、ブレンドポリマーとして使用できる。
ブレンドポリマーとしてはさらに、エチレンコポリマー、例えばエチレンと、1−オクテン、1−ブテン、若しくはプロピレンとから得られるコポリマーが考慮され、これは例えばWO 2008/074687に記載されている。このようなエチレン−α−オレフィンコポリマーの分子量は好適には、10,000〜500,000g/molの範囲、好ましくは15,000〜400,000g/molの範囲である(分子量の数平均)。また、純粋なポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレンが使用できる。
適切なポリウレタンについては、EP-B-1 984 438、DE-A-10 2006 045 869、及びEP-A-2 223 904が指摘できる。
さらに適切な熱可塑性樹脂は、JP-A-2009- 155436の段落[0028]に説明されている。
代替的には成分Aとして、ポリエステル、ポリアセタール、及びポリスルホンも使用できる。
ポリエステル中において、任意の適切なジカルボン酸が、任意の適切なジオールと反応していてよい。反応可能なジカルボン酸は例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン−α,ω−ジカルボン酸、ドデカン−α,ω−ジカルボン酸、シス及びトランス−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シス−及びトランス−シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シス−及びトランスシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シス−及びトランスシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸、またシス−及びトランス−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸である。ジカルボン酸は、置換形態でも使用できる。その例としては、2−メチルマロン酸、2−エチルマロン酸、2−フェニルマロン酸、2−メチルコハク酸、2−エチルコハク酸、2−フェニルコハク酸、イタコン酸、3,3−ジメチルグルタル酸が挙げられる。
さらにまた、エチレン性不飽和酸、例えばマレイン酸又はフマル酸、また芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、又はテレフタル酸が使用可能である。
特に好ましくは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、又はこれらのモノメチルエステル若しくはジメチルエステルを使用する。
ジオールとしては例えば、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、ペンタン−1,2−ジオール、ペンタン−1,3−ジオール、ペンタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ペンタン2,3−ジオール、ペンタン−2,4−ジオール、ヘキサン−1,2−ジオール、ヘキサン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,5−ジオール、ヘプタン−1,2−ジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−デカンジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、イノシトールとその誘導体、(2)メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールHO(CH2CH2O)n−H、又はポリプロピレングリコールHO(CH[CH3]CH2O)n、又は上記化合物のうち2種以上の混合物が使用され、ここでnは、4〜25の整数である。ここで上記ジオールにおいて、1つ又は両方のヒドロキシ基が、SH基によって置換されていてもよい。好ましいのは、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、またジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコールである。
ポリエステルは好適には、質量平均分子量が、500〜50,000g/molである。
本発明により使用可能なポリアセタールは特に、ポリオキシメチレンホモポリマーと、ポリオキシメチレンコポリマーである。他のポリアセタールも、本発明により使用可能である。
本発明により使用可能なポリスルホンは、好適には芳香族ポリスルホンである。
ブレンドポリマーについては、ポリアミドのところで述べたブレンドポリマーが指摘できる。ここでも、ブレンドポリマーについて述べた質量割合が当てはまる。
本発明の1つの実施態様によれば、成分Aはポリアミドであり、そして成分Bは高分岐若しくは超分岐のポリエチレンイミンであるか、又は高分岐若しくは超分岐ポリエーテルアミンである。
本発明の別の実施態様によれば、成分Aはポリエステルであり、そして成分Bは高分岐若しくは超分岐のポリカーボネートであるか、又は高分岐若しくは超分岐エステルである。
熱可塑性成形材料は成分Cとして、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック(特に導電性カーボンブラック)、黒鉛、又はこれらの混合物から選択される導電性炭素充填剤を、0.1〜15質量%含有する。カーボンナノチューブ、グラフェン、又はこれらの混合物はその中に、熱可塑性成形材料に対して好適には0.1〜7質量%の量で含まれている。カーボンブラック、黒鉛又はこれらの混合物は好適には、熱可塑性成形材料に対して3〜15質量%の量で使用する。
適切なカーボンナノチューブとグラフェンは、当業者に公知である。適切なカーボンナノチューブ(CNT)については、DE-A-102 43 592、特にその段落[0025]〜[0027]が指摘でき、さらにEP-A-2 049 597、特にそのp16、11〜41行目、又はDE-A-102 59 498の段落[0131]〜[0135]も指摘できる。さらに適切なカーボンナノチューブは、WO 2006/026691の段落[0069]〜[0074]に記載されている。適切なカーボンナノチューブはさらに、WO 2009/000408の2p、28行目〜3pの11行目に記載されている。
本発明の範囲においてカーボンナノチューブとは、炭素が(主に)黒鉛構造を有し、かつそれぞれの黒鉛層が管状に配置されている、炭素含有マクロモノマーと理解される。ナノチューブとその合成は、既に文献から公知である(例えばHu et al., Acc. Chem. Res. 32 (1999), 435 - 445)。本発明の範囲においては基本的に、あらゆるナノチューブが使用できる。
好適にはそれぞれの管状黒鉛層(黒鉛チューブ)の直径が、4〜20nm、特に5〜10nmである。ナノチューブは原則的に、いわゆるシングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT:Single walled nanotubes、単層のカーボンナノチューブ)と、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWNTs:multiwalled nanotubes、複層のカーボンナノチューブ)に区別される。よってマルチウォールカーボンナノチューブでは、複数の黒鉛チューブが相互に折り重なっている。
さらに、チューブの外部形状は多様であり、内側と外側で同じ形状の直径を有することができるが、また結び目のあるチューブ型、及びワーム状(虫状の)の構造も製造できる。
その縦横比(各黒鉛チューブ長の、その直径に対する比の値)は、少なくとも10超、好適には5超である。こうしたナノチューブは、長さが少なくとも10nmである。本発明の範囲において、成分B)としてはマルチウォールカーボンナノチューブが好ましい。マルチウォールカーボンナノチューブは特に、縦横比が約1,000:1であり、平均長が約10,000nmである。
BET比表面積は通常、50〜2000m2/gであり、好適には200〜1200m2/gである。触媒による製造の際に生じる不純物(例えば金属酸化物)は通常、HRTEMによれば0.1〜12%、好適には0.2〜10%である。
適切なナノチューブとしては、Hyperion Catalysis Int., Cambridge MA在(米国)の「multiwall」が挙げられる(EP 205 556、EP 969 128、EP 270 666、US 6,844,061も参照)。
適切なグラフェンは例えば、Macromolecules 2010, 43, p6515〜6530に記載されている。
適切なカーボンブラックと黒鉛は、当業者に公知である。
カーボンブラックは特に、伝導性カーボンブラック又は導電性カーボンブラックである。導電性カーボンブラックとしては、カーボンブラックの慣用のあらゆる形状を使用でき、適しているのは例えば、Akzo社から市販のKetjenblack 300である。
導電性を変性させるため、導電性カーボンブラックも使用できる。非晶質炭素が挿入された黒鉛状の層によって、カーボンブラックは電子を伝導する(F. Camona, Ann. Chim. Fr. 13, 395 (1988))。電流の導通は、アグリゲート間の距離が充分に小さい場合、カーボンブラック粒子アグリゲート内部においてアグリゲート間で行われる。できるかぎり僅かな添加量で導電性を達成するため、好適には異方性構造を有するカーボンブラックを用いる(G. Wehner, Advances in Plastics Technology, APT 2005, Paper 11 , Katowice 2005)。このようなカーボンブラックの場合、一次粒子は集まって異方性構造を形成し、これにより導電性の達成に必要な、コンパウンド中でのカーボンブラック粒子の距離が、比較的僅かな負荷量で可能になる(C. Van Bellingen, N. Probst, E. Grivei, Advances in Plastics Technology, APT 2005, Paper 13, Katowice 2005)。
適切なカーボンブラックの種類は例えば、油吸収性(ASTM D 2414-01により測定)が、少なくとも60ml/100g、好ましくは90ml/100g超である。適切な生成物のBET表面積は、50m2/g超、好ましくは60m2/g超である(ASTM D 3037-89により測定)。カーボンブラックの表面積には、様々な官能基が存在しうる。導電性カーボンブラックの製造は、公知の方法に従って行うことができる(G. Wehner, Advances in Plastics Technology, APT 2005, Paper 11 , Katowice 2005)。
さらに、黒鉛を導電性電荷剤として使用することもできる。黒鉛とは、例えばA. F. Holleman, E. Wiberg, "Lehrbuch der anorganischen Chemie", 91.-100. Aufl., p 701-702に記載されているような炭素の形態である。黒鉛は、相互に積み重なって配置された平面的な炭素層から成る。黒鉛は、粉砕によって微細化できる。その粒径は、0.01μm〜1mmの範囲、好ましくは1〜250μmの範囲にある。
カーボンブラック(Carbon Black)と黒鉛は例えば、J. B. et al., Carbon Black Science and Technology, Second Edition, Marcel Dekker, Inc., New York 1993に記載されている。高度に配置されたカーボンブラックをベースとする導電性カーボンブラックも使用できる。これは例えば、DE-A-102 43 592、特にその[0028]〜[0030]、EP-A-2 049 597、特にそのp17、1〜23行目、DE-A-102 59 498、特にその段落[0136]〜[0140]、及びEP-A-1 999 201、特にその3p、10〜17行目に記載されている。
本発明による熱可塑性成形材料はさらに別の添加剤、例えばガラス繊維、安定剤、酸化遅延剤、熱分解防止剤、紫外線分解防止剤、潤滑剤、離型剤、着色剤、例えば色素と顔料、核形成剤、可塑剤などを含有することができる。これらのさらなる添加剤は通常、0〜50質量%の量、好適には0〜35質量%の量で存在する。あり得る添加剤についてのより詳細な説明については、WO 2008/074687の31〜37pが指摘できる。
本発明はまた、成分を混合、好適には押出機内で混合することにより、上記熱可塑性成形樹脂を製造する方法に関する。
本発明による熱可塑性成形材料の製造は例えば、押し出し成形法によって、熱可塑性樹脂の加工にとって通常の温度で行う。
例えばDE-A-10 2007 029 008に記載された方法を使用することができる。その製造についてはさらに、WO 2009/000408が指摘できる。
この製造は好適には同軸の二軸スクリュー押出機で行い、この中で成分BとCを成分Aに混入する。
成分Cは粉末として、又はマスターバッチとして熱可塑性成形材料中に混入することができる。成分Bの導入は、成分Cの導電性充填剤の導入とは無関係に行うことができ、例えば押出機の「加熱供給部(hot feed)」で行うことができる。代替的には、成分Bを含有するマスターバッチを用いることができる。また、成分BとCは混合して添加することもできる。
熱可塑性成形材料のさらなる加工は、公知の方法、例えば射出成形又はプレス成形によって行うことができる。
本発明による方法によって、成分Cの炭素充填剤で充填された熱可塑性成形材料の製造が、より僅かなエネルギー消費で良好な分散度で可能になる。
本発明による製造によって、熱可塑性成形材料、又は当該成形材料から製造された成形体は、静電防止性又は導電性となる。「静電防止性」とは、体積抵抗が109〜106Ωcmであると理解される。「導電性」とは、体積抵抗が、106Ωcm未満であると理解される。
本発明による熱可塑性成形材料は、特に導電性成形体を製造するために使用される。
本発明はまた、上記熱可塑性成形材料から得られる成形体に関する。
本発明を以下の実施例により、詳細に説明する。
実施例
熱可塑性成形材料を製造するために、以下の出発物質を用いた:
熱可塑性マトリックス:
・A1:ポリアミド−6、粘度(VN)は150ml/g
・A2:ポリアミド−6、粘度(VN)は170ml/g
・A3:ポリブチレンテレフタレート(PBT)、粘度(VN)は130ml/g
・A4:非変性LDPE、密度が0.923g/cm3(ISO 1183)、ショア硬度Dが48(ISO 868)、メルトフローレイトが0.75g/10分(MFR;ISO 1133、190℃、2.16kg)のもの、(Lupolen(登録商標)A 2420 F)。
導電性充填剤:
・C1:Evonik社の導電性カーボンブラック、Printex XE2B
・C2:Vorbeck社の黒鉛で製造したグラフェンのマスターバッチ(9%)
・C3:ポリアミド−6中で15質量%のマスターバッチ形態のカーボンナノチューブ(Nanocyl NC 7000)
・C4:ポリブチレンテレフタレート中で15質量%のマスターバッチ形態のカーボンナノチューブ(Nanocyl NC 7000)。
超分岐ポリマー:
・B1:分子量の質量平均が25,000のポリエチレンイミン、pH値11、20℃での粘度が350Pa・s、第一級/第二級/第三級アミンの比が、1/1.20/0.76のもの(BASF SE社のLupasol(登録商標)WF)
・B2:分子量の質量平均が1,300のポリエチレンイミン、pH値11、20℃での粘度が20,000Pa・s、第一級/第二級/第三級アミンの比が、1/0.91/0.64のもの(BASF SE社のLupasol(登録商標)G20)
・B3:超分岐ポリカーボネート、以下のように製造したもの:
多官能性アルコール、ジエチルカーボネート、及び触媒として炭酸カルシウム0.15質量%(アルコール量に対する量)を、第1表に記載のバッチ量で、撹拌機、還流冷却器、及び内部温度計を備える3つ口フラスコに挿入し、この混合物を140℃に加熱し、2時間、この温度で撹拌した。この際、反応時間がさらに進行するにつれて反応混合物の温度が減少するが、これは放出されるエタノールによる沸騰冷却の開始による。そこで還流冷却器は下降冷却器によって置き換えられ、触媒等量に対して1等量のリン酸が添加され、エタノールが留去され、反応混合物の温度は、ゆっくりと160℃に上昇する。留去されたアルコールは、冷却された丸底フラスコに集められ、秤量され、その変換率が、理論的にあり得る完全な変換率に対してパーセンテージで測定される(表0参照)。
引き続き、160℃で1時間にわたって、乾燥窒素を反応混合物に通し、なお存在するモノマー残量を除去した。それからこの反応混合物を室温に冷却した。
本発明によるポリカーボネートの分析:ポリカーボネートは、ゲル透過クロマトグラフィーによって、検出器として屈折計を用いて分析した。移動相としては、ジメチルアセトアミドを使用し、分子量測定標準としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いた。
OH数の測定は、DIN 53240第二部に従って行った。
Figure 2014506607
TMP=トリメチロールプロパン
PO=プロピレンオキシド。
ここで「TMP×1.2PO」という表記は、トリメチロールプロパン1molあたり、平均で1.2molのプロピレンオキシドが反応している生成物を表す。
同定手法:
ポリアミドの粘度VNは、ISO 307に従って、硫酸(96質量%)の0.5質量%溶液中において25℃で測定した。
ポリエチレンのMFRは、ISO 1133に従って、190℃で2.16kgの負荷下で測定した。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC):
サイズ排除クロマトグラフィーは、光散乱検知器(Dawn EUS)を有するAgilent 1100(濃度検知器(DRI)、脱ガス機、UV、及びポンプ)をベースとする。溶剤としてヘキサフルオロプロパノール(HFIP)を、0.05質量%のトリフルオロ酢酸カリウムとともに1.0mL/分で用いた。このカラム(前カラムはPL HFIPゲルとHTS PL HFIPゲル、Polymer Laboratories社、4.6mm)をカラム炉内で40℃に温度調節した。各サイクルにおいて、濃度約1.5mg/mLで25μLを注入した。全ての試料は、注入前に濾過した(Millipore Millex FG、孔直径0.2μm)。
導電性は、4点測定装置を用いて体積導電性として測定した。各プレートについて、寸法が77×12×4mm3の試料を5個測定し、これらは硬化したプレートから切り出したものである。試料と電極との良好な接触を達成するため、銀電極を4つ、導電性の銀ペースト(Hans Wohlbring GmbHのLeitsilber 200)を用いて、試料に直接塗布した。電流源としては、Current Source 225を、電流測定器としてはProgrammable Electrometer 617を、そして電流装置としてはMultimeter 1000を用いた(それぞれKeithley Instruments社製)。
手法1:
成形材料を製造するため、マスターバッチをポリアミド−6で希釈し、コンパウンド化のために他のものと一緒に押出機DSM 15に導入した。この押出は、溶融温度270℃、回転速度80回転/分、及び滞留時間5分で行った。その後これらの試料はプレートとして、30×30×1.27mm3の寸法で導電性測定のために射出成形した。射出成形したプレートの製造は、Xplor成形機12mLで、溶融温度270℃、成形温度80℃、射出圧力12〜16bar、及び繰り返し時間15秒で行った。成形材料の組成と、測定した体積抵抗は、後述の表1にまとめてある。
プレスした試料(30×31×1.6mm3)を製造するため、押出成形体を集めて、4分間、270℃で20〜30barで溶融させ、2分間270℃で200barで圧縮した。これらの試料をその後、200barで室温に冷却した。
手法2:
同軸式二軸スクリュー押出機による加工
炭素充填された成形材料の製造は、Coperion社の押出機ZSK(スクリュー直径18mm)を用いて行った。この押出機は11のゾーンを有しており、ポリマーはゾーン0と1に、常温で充填した。ゾーン2と3は、溶融と輸送に用いた。ゾーン4には、加熱供給部を通じて超分岐ポリマーを計量供給した。後続のゾーン5と6は分散のために用い、ゾーン6の一部は、ゾーン7と一緒に、均質化のためにも用いた。ゾーン8と9では、再分散を行った。ゾーン10は脱気のため、ゾーン11は排出のために用いた。
ゾーン4への超分岐ポリマーの導入は、ギアポンプを用いて行った。押し出し処理量は5kg/hに調節し、スクリュー速度は400回転/分で一定に保った。押し出し温度は260℃だった。この生成物を顆粒化し、射出成形によってさらに加工した。射出成形はArburg 420Cで溶融温度260℃、成形温度80℃で行った。
成分Bの、成分Aに対する反応性
成分Bの成分Aに対する反応性を測定するため、分子量の測定を2分後、6分後、及び17分後に行った。製造は、手法1に倣って行った。ここで押出機内での滞留時間は、様々に変えた。下記表1に、その結果がまとめてある:
Figure 2014506607
純粋なポリアミドについては、分子量がほとんど変わらないのに対して、実施例1〜4の混合物については、連続的な分子量の増加が確認できた。これは、成分Bが成分Aと反応性であることを示している。分子量は成分Bの添加によりまず低下するが、3分経たないうちに再度増加する。
様々な充填剤の効果
成分A1とB1から出発して、異なる導電性充填剤C1、C2、及びC3を用いた。製造は、手法1に倣って行った。成分Bを含有するもの、不含のものについて、各成形材料を比較した。成分Bを含有していた成形材料は、体積導電性がそれぞれ良好であった。下記表2に、その結果がまとめてある:
Figure 2014506607
圧縮成形と注入により製造された成形体についての体積抵抗(手法2による)
体積抵抗が、下記表3にまとめてある:
Figure 2014506607
圧縮により得られる成形体についての体積抵抗は、注入により製造された成形体よりも明らかに低い。特定の理論に縛られるつもりはないが、射出成形により製造された成形体では、充填剤の長さ配向が起こり、これにより網目構造形成が僅かになることがあり得る。
ポリアミド成形体についての体積抵抗と、炭素充填剤の添加
成形材料と比較成形材料では(これらの体積抵抗は下記表4にまとめてある)、炭素充填剤を含有する成形材料と、炭素充填剤を含有しないが、その代わりに超分岐ポリマーを含有する成形材料とを比較した。これらは手法2に倣って製造した。その結果が、表4にまとめられている。
Figure 2014506607
炭素充填剤を含有する成形材料は、超分岐ポリマーのみを含有するポリマーに比べて、体積抵抗が著しく低い。
PBT含有試料についての体積抵抗
下記の表5には、PBT含有試料についての体積抵抗がまとめてある。これらは手法2に倣って製造した。ここで、超分岐ポリマーを含有する試料を、超分岐ポリマーを含有しない試料と比較した。その結果が、表5にまとめられている。
Figure 2014506607
この結果から、本発明による成形材料がそれぞれ、明らかに体積抵抗が低いことは明らかである。

Claims (9)

  1. 成分Aとして、
    a)ポリアミド及びポリエステルから選択される少なくとも1種の熱可塑性マトリックスポリマー、当該マトリックスポリマーは、ポリマーブレンドとして存在していてもよく、
    成分Bとして、
    b)前記成分Aのマトリックスポリマーと反応性の官能基を有する少なくとも1種の高分岐又は超分岐ポリマーを、熱可塑性成形材料に対して0.1〜5質量%、
    成分Cとして、
    c)カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック、黒鉛、又はこれらの混合物から選択される導電性炭素充填剤を、熱可塑性成形材料に対して0.1〜15質量%、
    含有する、熱可塑性成形材料であって、
    前記熱可塑性材料は、個数基準での一次粒子の平均直径が0.5〜20nmである少なくとも1種の金属若しくは半金属の非晶質酸化物若しくはオキシ水和物を含有せず、
    部分芳香族ポリアミドと、エチレン、1−オクテン、若しくは1−ブテン、又はプロピレン、又はこれらの混合物からのコポリマー、及び官能性モノマーを含有する成形材料は除外され、ここで前記官能基は、カルボン酸基、無水カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシド基、ウレタン基、又はオキサゾリン基から選択される、前記熱可塑性成形材料であって、
    前記成分Aがポリアミドであり、かつ前記成分Bが高分岐若しくは超分岐ポリエチレンイミンであるか、又は前記成分Aがポリエステルであり、かつ前記成分Bが高分岐若しくは超分岐ポリカーボネート、又は高分岐若しくは超分岐ポリエステルである、前記熱可塑性成形材料。
  2. カーボンブラック、黒鉛、又はこれらの混合物を前記成分Cとして、前記熱可塑性成形材料に対して3〜15質量%の量で使用することを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性成形材料。
  3. 前記成分Bを、前記熱可塑性成形材料に対して0.2〜3質量%の量で使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱可塑性成形材料。
  4. 前記成分Aがブレンドポリマーとして天然若しくは合成のゴム、アクリレートゴム、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はこれらの混合物を、任意で相溶性促進剤との組み合わせで含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  5. 前記成分Bが前記成分Aと、熱可塑性樹脂の加工条件下で分子量変化を起こしながら反応することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  6. 前記ポリアミドが前記成分A中で、以下に記載するもの:
    PA 26(エチレンジアミン、アジピン酸)
    PA 210(エチレンジアミン、セバシン酸)
    PA 46(テトラメチレンジアミン、アジピン酸)
    PA 66(ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸)
    PA 69(ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸)
    PA 610(ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸)
    PA 612(ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸)
    PA 613(ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸)
    PA 1212(1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸)
    PA 1313(1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸)
    PA MXD6(m−キシレンジアミン、アジピン酸)
    PA TMDT(トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸)
    PA 4(ピロリドン)
    PA 6(ε−カプロラクタム)
    PA 7(ε−アミノ−エナント酸)
    PA 8(カプリルラクタム)
    PA 9(9−アミノノナン酸)
    ポリ(p−フェニレンジアミンテレフタルアミド)(フェニレンジアミン、テレフタル酸)
    PA 11(11−アミノウンデカン酸)
    PA 12(ラウリンラクタム)
    又はこれらの混合物若しくはコポリマー
    ここで、上記括弧内には出発モノマーが示されている
    から選択されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  7. 前記成分を、好適には押出機中で混合することによる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料の製造方法。
  8. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料を、導電性成形体を製造するために用いる使用。
  9. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料から得られる成形体。
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