JP2014219639A - 反射型表示装置 - Google Patents

反射型表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014219639A
JP2014219639A JP2013100655A JP2013100655A JP2014219639A JP 2014219639 A JP2014219639 A JP 2014219639A JP 2013100655 A JP2013100655 A JP 2013100655A JP 2013100655 A JP2013100655 A JP 2013100655A JP 2014219639 A JP2014219639 A JP 2014219639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
reference pattern
partition
partition wall
branch point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013100655A
Other languages
English (en)
Inventor
好 徹 三
Toru Miyoshi
好 徹 三
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013100655A priority Critical patent/JP2014219639A/ja
Publication of JP2014219639A publication Critical patent/JP2014219639A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/17Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on variable-absorption elements not provided for in groups G02F1/015 - G02F1/169
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/19Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on variable-reflection or variable-refraction elements not provided for in groups G02F1/015 - G02F1/169
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F9/00Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements
    • G09F9/30Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements in which the desired character or characters are formed by combining individual elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】表示品質を損なうことなくモアレ現象の発現が十分に抑制された反射型表示装置及びその製造方法を提供すること。【解決手段】対向する2枚の基板間に表示媒体が封入されている、反射型表示装置であって、前記2枚の基板間に配置された複数の領域を区画する隔壁と、前記隔壁と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、前記隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、を備え、前記隔壁の少なくとも一部の分岐点は、同一形状の単位パターンを規則的に配列して基準パターンとした時、当該基準パターンの分岐点を起点として延出する当該基準パターンの各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内に位置し、且つ、前記基準パターンの分岐点とは重なっておらず、前記セルの角部の角度は、いずれも90度以上であることを特徴とする反射型表示装置。【選択図】図6

Description

本発明は、電子ペーパー等に応用されている反射型表示装置に関する。
反射型表示装置として、最近、表示媒体に含まれる電気応答性材料として電気泳動体を用いた電気泳動表示装置が広く用いられている。電気泳動表示装置とは、空気中または溶媒中の電気泳動体(通常は電気泳動する粒子)の電気的な泳動、すなわち粒子移動を利用して情報を表示する装置である。通常、2枚の基板間に電界を与えることで電気的な泳動の状態が制御され、それによって所望の表示が実現されるように構成される。電気泳動体としては、荷電粒子の他、荷電粉体をも利用され得る。その場合、当該荷電粉体は気体中を電気的に泳動する。
電気泳動表示装置は、近年では特に、電子ペーパーとしての応用が注目されている。電子ペーパーとして応用する場合には、印刷物レベルの視認性(目にやさしい)、情報書き換えの容易性、低消費電力、軽量といった利点を享受できる。
電気泳動表示装置では、しかし、粒子や粉体の沈降や偏在に起因して、表示の不良、特にコントラストの低下が生じることがある。この現象を防止するべく、上下の電極基板間に隔壁を形成して、電気泳動する粒子や粉体の泳動空間、すなわち移動空間を微小な空間に分割することが採用されている。この微小な空間は、セルと呼ばれている。各セルの中に、電気泳動体を含むインキやガス(表示媒体)が封入されている。例えば特許文献1(特開2005−202245号公報)及び特許文献2(特開2005−24868号公報)には、そのようなタイプの電気泳動表示装置の従来例が開示されている。
特開2005−202245号公報 特開2005−24868号公報
本件発明者は、隔壁の形成方法について鋭意研究を重ねるうち、以下のような知見を得るに至った。
前述のような反射型表示装置において、隔壁は、表示媒体に含まれる電気応答性材料の電気的な泳動の状態を制御して所望の表示を実現するために基板上に設けられた画素電極の上に配置される。画素電極は、一般的には、全体として長方形を成すようにマトリックス状のパターンで周期的に整列されている必要がある。このため、隔壁も周期性を有するパターンで形成されている場合、隔壁を画素電極の上に配置する際に両者のパターンが精密にアライメントされないと(両者のパターンの位置がずれてしまうと)、モアレ現象が発現して、表示品質を損ねてしまう。特に高精細かつ大画面の反射型表示装置を製造する際には、より一層アライメント精度が重要である。
このようなモアレ現象の発現を抑制するために、隔壁のパターンとして周期性のないパターン、すなわちランダムなパターン、を採用することが考えられる。しかし、鋭角の角部を有するセルが形成されてしまうと、この鋭角の角部内に、隔壁上に基板を接着させるための接着剤が毛細管現象によって侵入したり、表示媒体の粒子が詰まると、点状の表示欠損が生じてしまったり、表示コントラストが低下してしまう。また、接着剤が侵入した角部の付近の隔壁上には、図12に示すように、接着剤が厚く盛られてしまう傾向にある。一部の隔壁上に接着剤が厚く盛られてしまうと、接着層に基板を接着させる際に、厚く盛られた接着剤が邪魔をして、接着層の全面に十分な圧力が与えられず、接着層と基板との間の接着強度が所望の程度以上にならない、という状況が生じることがある。さらに、表示媒体に含まれる粒子の粒径のバラツキが大きく、当該表示媒体のセル内への封入が例えば図14に示すようにセル容積を超える表示媒体を追い出しながら行われる場合には、各セルの体積、したがって開口面積(セル面積)のバラツキが大きすぎると、図15に示すようにセル毎の表示の濃淡の差が大きく異なってしまって、いわゆるザラツキムラと呼ばれる表示ムラが発生してしまうことがある。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、表示品質を損なうことなくモアレ現象の発現が十分に抑制された反射型表示装置、及び、その製造方法であってセル面積のバラツキを制御可能な反射型表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、前記2枚の基板間に配置された複数の領域を区画する隔壁と、前記隔壁と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、前記隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、を備え、前記隔壁の少なくとも一部の分岐点は、同一形状の単位パターンを規則的に配列して基準パターンとした時、当該基準パターンの分岐点を起点として延出する当該基準パターンの各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内に位置し、且つ、前記基準パターンの分岐点とは重なっておらず、前記セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有していることを特徴とする反射型表示装置である。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、前記2枚の基板間に配置された複数の領域を区画する隔壁と、前記隔壁と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、前記隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、を備え、前記隔壁のパターンは、同一形状の単位パターンを規則的に配列して基準パターンとした時、当該基準パターンの各分岐点と、当該基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンであり、前記セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有していることを特徴とする反射型表示装置である。
好ましくは、前記隔壁のパターンは、同一形状の単位パターンを規則的に配列して基準パターンとした時、当該基準パターンの各分岐点と、当該基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に非周期的に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンである。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、前記2枚の基板間に配置された複数の領域を区画する隔壁と、前記隔壁と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、前記隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、を備え、前記隔壁の少なくとも一部の分岐点は、同一形状の単位パターンを規則的に配列して第1基準パターンとした時、当該第1基準パターンを変形させて第2基準パターンとして、当該第2基準パターンの分岐点を起点として延出する当該第2基準パターンの各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内に位置し、且つ、前記第2基準パターンの分岐点とは重なっておらず、前記セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有していることを特徴とする反射型表示装置である。
好ましくは、前記第2基準パターンは、前記第1基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、前記第1基準パターンの各分岐点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンである。この場合、隔壁のパターンの比較対象として用いられる第2基準パターンは、周期性を有する第1基準パターンの周期性が乱されるように変形された非周期的なパターンである。
好ましくは、前記第2基準パターンは、前記第1基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、前記第1基準パターンの各分岐点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に非周期的に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンである。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板上に複数の領域を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁の頂面上に接着剤を付着させて接着層を形成する接着層形成工程と、前記一方の基板または他方の基板上に前記表示媒体を配置する表示媒体配置工程と、前記表示媒体が配置された後に、前記隔壁で区画された各領域をセルとして、前記表示媒体が各セル内に封止されるよう、前記接着層上に前記他方の基板を接着する対向基板接着工程と、を備え、前記隔壁形成工程は、前記隔壁のパターンを、同一形状の単位パターンを規則的に配列して形成されたパターンを基準パターンとして仮形成し、仮形成された前記隔壁のパターンの少なくとも一部の分岐点について、当該分岐点を起点として延出する各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内で変位させて最終の前記隔壁のパターンを形成する最終隔壁パターン形成工程と、最終の前記隔壁のパターンの角部がいずれも90度以上の角度を有していることを確認する角度確認工程と、を含んでいることを特徴とする反射型表示装置の製造方法である。
例えば、前記角度確認工程において、最終の前記隔壁のパターンの角部のいずれかが90度未満の角度を有していることが確認された場合には、当該角部上の最終の前記隔壁のパターンの分岐点について、当該分岐点を当該角部の角度が90度以上となるように変位させ、当該変位された分岐点の周りに位置する最終の前記隔壁のパターンで囲まれる各領域が有する角部のうち、当該変位された分岐点を起点として延出する各辺上にある角部がいずれも90度以上の角度を有していることを確認する。
好ましくは、前記最終隔壁パターン形成工程において、仮形成された前記隔壁のパターンの少なくとも一部の分岐点について、当該分岐点を起点として延出する各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内で非周期的に変位させて、最終の前記隔壁のパターンを形成する。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板上に複数の領域を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁の頂面上に接着剤を付着させて接着層を形成する接着層形成工程と、前記一方の基板または他方の基板上に前記表示媒体を配置する表示媒体配置工程と、前記表示媒体が配置された後に、前記隔壁で区画された各領域をセルとして、前記表示媒体が各セル内に封止されるよう、前記接着層上に前記他方の基板を接着する対向基板接着工程と、を備え、前記隔壁形成工程は、前記隔壁のパターンを、同一形状の単位パターンを規則的に配列して形成されたパターンを基準パターンとして仮形成し、仮形成された前記隔壁のパターンの各分岐点と、前記基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて最終の前記隔壁のパターンを形成する最終隔壁パターン形成工程と、最終の前記隔壁のパターンの角部がいずれも90度以上の角度を有していることを確認する角度確認工程と、を含んでいることを特徴とする反射型表示装置の製造方法である。
例えば、前記角度確認工程において、最終の前記隔壁のパターンの角部のいずれかが90度未満の角度を有していることが確認された場合には、当該角部上の最終の前記隔壁のパターンの分岐点について、当該分岐点を当該角部の角度が90度以上となるように変位させ、当該変位された分岐点の周りに位置する最終の前記隔壁のパターンで囲まれる各領域が有する角部のうち、当該変位された分岐点を起点として延出する各辺上にある角部がいずれも90度以上の角度を有していることを確認する。
また、例えば、前記角度確認工程において、最終の前記隔壁のパターンの角部のいずれかが90度未満の角度を有していることが確認された場合には、前記最終隔壁パターン形成工程を再度実施する。
好ましくは、最終隔壁パターン形成工程において、前記隔壁のパターンを、同一形状の単位パターンを規則的に配列して形成されたパターンを基準パターンとして仮形成し、仮形成された当該隔壁のパターンの各分岐点と、前記基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に非周期的に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させる。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板上に複数の領域を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁の頂面上に接着剤を付着させて接着層を形成する接着層形成工程と、前記一方の基板または他方の基板上に前記表示媒体を配置する表示媒体配置工程と、前記表示媒体が配置された後に、前記隔壁で区画された各領域をセルとして、前記表示媒体が各セル内に封止されるよう、前記接着層上に前記他方の基板を接着する対向基板接着工程と、を備え、前記隔壁形成工程は、前記隔壁のパターンを、同一形状の単位パターンを規則的に配列して形成されたパターンを第1基準パターンとして仮形成し、仮形成された当該隔壁のパターンを変形させて第2基準パターンとして再度仮形成し、再度仮形成された前記隔壁のパターンの少なくとも一部の分岐点について、当該分岐点を起点として延出する各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内で変位させて最終の前記隔壁のパターンを形成する、最終隔壁パターン形成工程と、最終の前記隔壁のパターンの角部がいずれも90度以上の角度を有していることを確認する角度確認工程と、を含んでいることを特徴とする反射型表示装置の製造方法である。
例えば、前記角度確認工程において、最終の前記隔壁のパターンのいずれかの角部の角度が90度未満であることが確認された場合には、当該角部上の最終の前記隔壁のパターンの分岐点について、当該分岐点を起点として延出する各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内で変位させ、当該変位された分岐点の周りに位置する最終の前記隔壁のパターンで囲まれる各領域の角部のうち当該変位された分岐点を起点として延出する各辺上にある角部の角度がいずれも90度以上であることを確認する。
好ましくは、最終隔壁パターン形成工程において、前記隔壁のパターンを、同一形状の単位パターンを規則的に配列して形成されたパターンを第1基準パターンとして仮形成し、仮形成された当該隔壁のパターンを変形させて第2基準パターンとして再度仮形成し、再度仮形成された前記隔壁のパターンの少なくとも一部の分岐点について、当該分岐点を起点として延出する各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内で非周期的に変位させて、最終の前記隔壁のパターンを形成する。
好ましくは、最終隔壁パターン形成工程において、前記第1基準パターンにより仮形成された前記隔壁のパターンの各分岐点と、当該第1基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて、仮形成された前記隔壁のパターンを変形させる。この場合、第2基準パターンは、第1基準パターンの周期性が乱されるように変形されたパターンである。
好ましくは、最終隔壁パターン形成工程において、前記第1基準パターンにより仮形成された前記隔壁のパターンの各分岐点と、当該第1基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に非周期的に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて、仮形成された前記隔壁のパターンを変形させる。
例えば、前記角度確認工程において、最終の前記隔壁のパターンの角部のいずれかが90度未満の角度を有していることが確認された場合には、前記最終隔壁パターン形成工程を再度実施する。
本発明によれば、表示品質を損なうことなくモアレ現象の発現が十分に抑制された反射型表示装置、及び、モアレ現象の発現を抑制し得る反射型表示装置の製造方法を提供することにある。
図1は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。 図2は、図1に示す反射型表示装置の他方の基板上に形成された画素電極を示す平面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図4は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。 図5は、隔壁の頂面の幅の定義について説明する図である。 図6は、隔壁形成工程において、基準パターンから最終の隔壁のパターンを形成する方法を説明するための図。詳しくは、図6(a)が、正六角形のハニカムパターンを基準パターンとして最終の隔壁のパターンを形成する方法を説明するための図であり、図6(b)が、「基準パターンの分岐点を起点として延出する当該基準パターンの各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域」を説明するための図であり、図6(c)が、正方格子パターンを基準パターンとして最終の隔壁のパターンを形成する方法を説明するための図である。 図7は、仮形成された隔壁のパターンの分岐点をランダムに変位させる場合の、ランダム度に応じた当該分岐点の変位範囲を説明するための図。 図8は、ランダム度の違いによる最終の隔壁のパターンの違いを説明するための図。詳しくは、図8(a)が、ランダム度が30%の場合の最終の隔壁のパターンを示す図であり、図8(b)が、ランダム度が50%の場合の最終の隔壁のパターンを示す図であり、図8(c)が、ランダム度が70%の場合の最終の隔壁のパターンを示す図であり、図8(d)が、ランダム度が90%の場合の最終の隔壁のパターンを示す図である。 図9は、モアレ現象の発現を効果的に抑制するための隔壁の最低移動距離を説明するための図である。詳しくは、図9(a)が、隔壁の線幅を等分する隔壁中心線が隣り合う画素電極の対向する縁部の間隔を等分する電極間中心線と一致するように隔壁が画素電極側の基板上に配置されている様子を示す図であり、図9(b)が、図9(a)の隔壁が当該画素電極間の領域と重ならない位置にまで、すなわち隔壁の一方の画素電極側の縁部が他方の画素電極の当該画素電極間の領域側の縁部と一致するように、変位された様子を示す図である。 図10は、図9に示された距離だけ変位される隔壁を含むための、仮形成パターンの分岐点の最低変位範囲を説明するための図である。 図11は、1つの分岐点を起点として延出する隔壁によって当該分岐点の周囲に構成される角部のいずれもが90度以上の角度を有している場合の、当該分岐点の周囲における隔壁への接着剤の付着状況を説明するための図である。詳しくは、図11(a)が当該分岐点の周囲の隔壁に付着した接着剤の平面図であり、図11(b)が図11(a)の11b−11b線断面図である。 図12は、1つの分岐点を起点として延出する隔壁によって当該分岐点の周囲に構成される角部のいずれかが90度未満の角度尾を有している場合の、当該分岐点の周囲における隔壁への接着剤の付着状況を説明するための図である。詳しくは、図12(a)が当該分岐点の周囲の隔壁に付着した接着剤の平面図であり、図12(b)が図12(a)の12b−12b線断面図であって、角度が90度未満の角部に接着剤が侵入している状態を示す図である。 図13は、最終の隔壁のパターンが90度未満の角度を有する角部を含む場合に、当該角部上に位置する分岐点の位置を調節する方法を説明するための図である。 図14は、ザラツキムラの発生のメカニズムを説明するための図である。 図15は、ザラツキムラの発生したパネルにおける表示の濃淡の違いを示す平面図である。 図16は、セル面積分布率の定義を説明するための図である。 図17は、最終の隔壁のパターンに基づいて隔壁を形成する方法を説明するための図である。 図18は、第1の実施の形態による隔壁形成工程で形成された隔壁の一例を示す平面図である。 図19は、第1の実施の形態による隔壁形成工程で形成された隔壁の他の例を示す平面図である。 図20は、接着層形成工程の一例を概略的に示す図である。 図21は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。 図22は、導電性ペーストの機能を説明するための概略図である。 図23は、対向基板配置工程において、一方の基板の隔壁頂面に他方の基板が接着されている様子を示す断面図である。 図24は、本発明の第2の実施の形態による反射型表示装置の製造方法における隔壁の最終パターンの形成方法を説明するための図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。本実施の形態による反射型表示装置は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間11,16に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体13が封入されていて、2枚の基板11,16間に所定の電界が与えられる際に表示媒体13が所望の表示をするようになっている。ここで、本件の明細書及び特許請求の範囲において「透光性」とは、光を透過する性質、という程度の意味である。本実施の形態においては、視認側に配置される基板は、全光透過率が50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上となるような透光性を有している。
図1乃至図24において、一方の基板11の面上には、電極が設けられているが、電極の図示は省略されている。本実施の形態においては、一方の基板11が視認側に配置され、他方の基板16が非視認側に配置される。
一方の基板11としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明フィルムや透明ガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の透光性を有する電極(透光性電極)111を付したものが、典型的に用いられ得る。
透光性電極は、塗工法やスパッタリング、真空蒸着法、CVD法等によって形成され得る。透光性電極は、アクティブマトリクス駆動の場合及びセグメント駆動の場合は共通電極として用いられるので、必ずしもパターンが形成されている必要は無く、基板全面が電極であってよい。
一方の基板11の厚みは、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
一方の基板11は、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
他方の基板16としては、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等の表示媒体側の面に金属等の導電性材料によって電極が形成されたものが用いられ得る。また他方の基板16は、透光性を有する基材が用いられてもよい。さらに透光性を有しているが不透明な基材であってもよく、電極面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等が用いられ得る。本実施の形態では、他方の基板16は、視認側と反対側の位置に配置されるため、透光性を有している必然性はない。しかし、熱膨張特性など一方の基板11と同じ物性が必要とされる場合は、一方の基板11と同様の透光性の部材が使用され得る。
他方の基板16の厚みも、一方の基板11の厚みと同様に、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
他方の基板16も、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
電極としては、セグメント駆動およびパッシブマトリクス駆動の場合はパターン状の電極、また、アクティブマトリクス駆動の場合はTFT(Thin Film Transistor)が配置される画素電極が用いられる。本実施の形態においては、図2に示すように、他方の基板16上には、矩形の画素電極161が、マトリックス状に配列されている。隣り合う画素電極161間の行方向及び列方向の間隔は、共に間隔Sである。ここで、他方の基板16上に設けられる電極16のパターンとしては、マトリックス状のパターン以外のパターンも採用可能であるが、好ましくは、周期性を有するパターンが採用される。
<反射型表示装置の製造方法1>
図3は、本発明の第1の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。
図4は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。図4に示すように、まず、一般には水平方向に載置される一方の基板11の上面に、例えばフォトリソグラフィ法(紫外線(UV)照射による露光→現像→焼成)によって、隔壁12が形成される。隔壁12は、後述する複数のセルを規定する部材である。
隔壁12は、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂等によって構成可能であり、隔壁12の形成方法は、フォトリソグラフィ法の他、エンボス加工などの型転写方法も採用され得る。さらに、所望のパターンの構造物を隔壁として製造しておいて、それを一方の基板11に貼り付けるという方法も採用され得る。
隔壁12の頂面の幅は、9μm〜50μm、好ましくは9μm〜20μmである。9μmというのは、隔壁12が倒れることなくパターニングできる線幅の下限である。隔壁12の頂面の幅が9μm未満である場合、隔壁12の長さが60μm以上に亘るようなパターンでは、少なくとも隔壁12の一部が倒れたり、剥がれたり、剥がれた隔壁12が基板上を移動したりする。そうなった場合には、隔壁12による粒子の移動を防ぐという機能が失われ、表示品質が劣化してしまう。一方、好適な範囲の上限である50μmというのは、目視したときに隔壁121が目立ち過ぎない上限である。
ここで、隔壁12の頂面の幅の定義を、図5に示す。頂面の角が丸まっていなければ、図5(a)や図5(b)に示すように、頂面の幅はそのまま定義される。一方、頂面の角が丸まっている場合には、図5(c)や図5(d)に示すように、頂面の延長面と壁面の延長面との交線間の幅として理解される。評価のための測定方法としては、隔壁12が形成された一方の基板11を硬化性樹脂にて包埋し、ミクロートーム(大和光機工業株式会社製:FX−801)により隔壁12の断面を切り出し、走査電子顕微鏡(SEM)によって撮影した画像に基づいて各幅を測定することができる。
隔壁12の厚みは、5〜50μm、好ましくは10〜50μmである。5μm以下では、充填するインキ量が少なく、十分な表示特性、特にコントラストが得られない一方、50μm以上では、パネルの厚みが厚すぎて、駆動電圧が上昇し過ぎてしまう。低駆動電圧で良好な表示特性が得られるという観点から、10〜50μmの範囲の厚みが好適である。
図6乃至図16を参照して、本実施の形態による隔壁12のパターンの形成方法について説明する。本実施の形態では、隔壁12のパターンは、隔壁12の線幅を等分する隔壁12の中心線(隔壁中心線)を規定するものである。
まず、隔壁12のパターンは、同一形状の単位パターンを規則的に配列して形成されるパターンを基準パターンとして仮形成される。なお、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「単位パターン」とは、全体のパターン(図6(a)の場合であればハニカム状のパターンであり、図6(c)の場合であれば格子状のパターン)によって分割された個々の領域を囲む個々のパターン(図6(a)の場合であれば個々の六角形のパターンであり、図6(c)の場合であれば個々の四角形のパターン)である。また、「基準パターン」とは、最終の隔壁パターンを形成する際に基準(基礎)とされるパターンであり、あるいは、その分岐点の位置が、本発明による反射型表示装置の隔壁の分岐点の位置との比較対象とされるパターンである。
本実施の形態では、単位パターンは、図6(a)に示すように、正六角形のパターンであり、当該単位パターンによって構成される基準パターンは、正六角形のハニカムパターンである。単位パターン及び基準パターンの形状としては、他の形状も採用可能である。例えば、単位パターンは、図6(c)に示すように、正方形のパターンであってもよく、この場合の基準パターンは、正方格子パターンであってよい。もちろん、単位パターンは、正六角形以外の六角形や正方形以外の四角形であってもよいし、他の多角形であってもよい。
本実施の形態では、基準パターンのピッチは、300μmである。ここで、「ピッチ」とは、隣接する単位パターンを重ねるべく移動させるのに必要な距離を意味している。
次に、正六角形のハニカムパターンで仮形成された隔壁12のパターン(以下「仮形成パターン」という。)の少なくとも一部の分岐点について、当該分岐点を起点として延出する各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内で変位させて、最終の隔壁12のパターンを形成する(最終隔壁パターン形成工程)。本実施の形態では、仮形成パターンの全ての分岐点について、当該領域内で、ランダムに変位させる。もっとも、全ての分岐点が変位されなくてもよく、一部の分岐点のみが変位されてもよい。また、分岐点は、ランダムに変位されなくてもよく、一定の規則性をもって変位されてもよい。
ここで、本件の明細書及び特許請求の範囲における「分岐点を起点として延出する(基準パターンの)各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域」の意味を、図6及び図7を参照して説明する。
例えば、図6(a)の分岐点Kについて「当該分岐点Kを起点として延出する辺K−K1の方向に当該辺K−K1の延出長さの1/2の所定倍を最大変位とする」とは、当該所定倍が100%の場合、辺K−K1の方向の分岐点Kの変位量を最大で辺K−K1の長さの1/2とする、ということを意味する。すなわち、辺K−K1の長さを(K−K1)で表すと、図6(b)に示すように、分岐点Kから距離1/2(K−K1)離れた位置で辺K−K1と直交する線L100,K−K1上まで、分岐点Kが辺K−K1の方向に変位可能である、ということを意味する。
同様に、図6(a)の分岐点Kについて「当該分岐点Kを起点として延出する辺K−K2の方向に当該辺K−K2の延出長さの1/2の所定倍を最大変位とする」とは、当該所定倍が100%の場合、辺K−K2の方向の分岐点Kの変位量を最大で辺K−K2の長さの1/2とする、ということを意味する。すなわち、辺K−K2の長さを(K−K2)で表すと、図6(b)に示すように、分岐点Kから距離1/2(K−K2)離れた位置で辺K−K2と直交する線L100,K−K2上まで、分岐点Kが辺K−K2の方向に変位可能である、ということを意味する。
また、同様に、図6(a)の分岐点Kについて「当該分岐点Kを起点として延出する辺K−K3の方向に当該辺K−K3の延出長さの1/2の所定倍を最大変位とする」とは、当該所定倍が100%の場合、辺K−K3の方向の分岐点Kの変位量を最大で辺K−K3の長さの1/2とする、ということを意味する。すなわち、辺K−K3の長さを(K−K3)で表すと、図6(b)に示すように、分岐点Kから距離1/2(K−K3)離れた位置で辺K−K3と直交する線L100,K−K3上まで、分岐点Kが辺K−K3の方向に変位可能である、ということを意味する。
しがたって、図6(a)の分岐点Kについて「分岐点Kを起点として延出する当該基準パターンの各辺K−K1,K−K2,K−K3の方向に当該辺K−K1,K−K2,K−K3の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域」とは、当該所定倍が100%の場合、線L100,K−K1と線L100,K−K2と線L100,K−K3とによって囲まれる領域、すなわち図6(a)の線L100によって囲まれる領域、を意味する。
同様に、図6(c)の仮形成パターンの分岐点Kについて「分岐点Kを起点として延出する当該基準パターンの各辺K−K1,K−K2,K−K3,K−K4の方向に当該辺K−K1,K−K2,K−K3,K−K4の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域」とは、当該所定倍が100%の場合、当該分岐点Kを起点として延出する各辺K−K1,K−K2,K−K3,K−K4と、それぞれ、分岐点Kから辺K−K1、K−K2、K−K3及びK−K4の長さの1/2倍離れた位置で直交する各線によって囲まれる領域、すなわち図6(c)の線L100によって囲まれる領域、を意味する。
より一般的には、「分岐点Kを起点として延出する(基準パターンの)各辺K−K1,K−K2,・・,K−Knの方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域」とは、当該所定倍がA×100%の場合、当該分岐点Kを起点として延出する各辺K−K1,K−K2,・・,K−Knと、それぞれ、分岐点Kから辺K−K1、K−K2、・・及びK−Knの長さのA/2倍離れた位置で直交する各線によって囲まれる領域、を意味する。
分岐点Kが変位され得る範囲は、図7に示すように、Aの値が大きいほど大きい。本実施の形態では、分岐点KはAの値によって決定される領域内でランダムに変位されるため、Aの値が大きいほど、分岐点Kのランダムな変位の程度が大きい。
次に、前述の「所定倍」を「ランダム度」と称して、すなわち、
ランダム度(%)=A×100
として、基準パターンが図6(a)に示す正六角形のハニカムパターンである場合の、ランダム度の違いによる最終の隔壁12のパターンの違いについて、図8を参照して説明する。なお、以下では、「ランダム度」という用語は、本件の明細書及び特許請求の範囲における「所定倍」という用語と代替可能な用語として用いられる。
図8(a)は、ランダム度が30%の場合の最終の隔壁12のパターンを示す図であり、図8(b)は、ランダム度が50%の場合の最終の隔壁12のパターンを示す図である。また、図8(c)は、ランダム度が70%の場合の最終の隔壁12のパターンを示す図であり、図8(d)は、ランダム度が90%の場合の最終の隔壁12のパターンを示す図である。
図8(a)乃至図8(d)から分かるように、ランダム度が大きいほど、得られる最終の隔壁12のパターンと、図6(a)に示す基準パターンと、の違いが顕著になる。
変位されるべき分岐点Kの変位後の位置k'は、本実施の形態においては、以下の式に基づいて決定される。
ここで、kは、変位されるべき分岐点Kの変位前の位置ベクトルであり、c、c、・・、cは、分岐点Kを始点とし、当該分岐点Kの周りの仮形成パターンで区画される各領域の中心点C1、C2、・・、Cnを終点とするベクトルである。また。Aは、0より大きく1以下の定数であり、rは、以下の式を満たす乱数である。
ここで、図9及び図10を参照して、モアレ現象の発現を効果的に抑制するための、分岐点Kの最低変位範囲について説明する。図9は、モアレ現象の発現を効果的に抑制するための隔壁12の平均的な最低変位範囲を説明するための図であり、図10は、図9に示す距離だけ変位される隔壁12を含むための、仮形成パターンの分岐点Kの最低変位範囲を説明するための図である。
まず、モアレ現象の発現を抑制する隔壁12の平均的な最低変位範囲を考えるために、隔壁12が互いに隣り合う画素電極161a及び161bの間の領域(画素電極間領域165)と重なり合う状態(図9(a)参照)から当該間隙と重なり合わない状態(図9(b)参照)まで変位させるために必要な、隔壁12の平均的な最低変位量について考える。具体的には、隔壁12の線幅を等分する隔壁中心線lwが、互いに隣り合う画素電極161a及び161bの間の画素電極間領域165の幅を等分する電極間中心線lsと一致するような位置(図9(a)参照)から、隔壁12の一方の画素電極161b側の縁部が他方の画素電極161aの画素電極間領域165側の縁部と一致するような位置(図9(b))まで変位させることができるような、隔壁12の変位量について考える。
隔壁12の線幅がWであり、画素電極間領域165の幅(互いに隣り合う画素電極161a及び161bの対向する縁部の距離)がSであるとすると、隔壁12の平均的な最低変位距離は、(W/2)+(S/2)である。
仮形成パターンで形成される隔壁12に対して変位量(W/2)+(S/2)で変位される隔壁12が存在するように最終の隔壁12のパターンが形成されれば、モアレ現象の発現を効果的に抑制することができる。
次に、仮形成パターンで形成される隔壁12に対して、変位量(W/2)+(S/2)で変位される隔壁12が存在するように最終の隔壁12のパターンが形成されるためには、少なくとも、仮形成パターンの分岐点のうち最も大きく変位された分岐点Kが、当該分岐点Kを起点として延出される辺を隔壁中心線lwとする隔壁12を変位量(W/2)+(S/2)だけ変位させるように変位される必要がある。
図10を参照して、隔壁12を変位量(W/2)+(S/2)だけ変位させるために必要な分岐点Kの変位量について、説明する。隔壁12が変位量(W/2)+(S/2)だけ変位されるためには、分岐点Kは、基準パターンが正六角形のハニカムパターンである場合、図10に示すように、当該分岐点Kから当該仮形成パターンによって区画される当該分岐点Kの周りの3つの領域の中心点C1、C2またはC3方向に、以下の式で表される距離
{(W/2)+(S/2)}×2/√3
だけ離れた点Zmin1、Zmin2またはZmin3まで変位される必要がある。
したがって、点Zmin1、Zmin2、Zmin3を結ぶ線Lminが、モアレ現象の発現を効果的に抑制することができる分岐点Kの最小の変位範囲を画定する線である。
次に、図11乃至図13を参照して、隔壁12に付着された接着剤221が毛細管現象によりセルの角部に侵入することを抑制するための、分岐点Kの位置の調節方法について説明する。
図11は、1つの分岐点を起点として延出する隔壁12によって当該分岐点の周囲に構成される角部のいずれもが90度以上の角度を有している場合の、当該分岐点の周囲における隔壁12への接着剤221の付着状況を説明するための図である。また、図12は、1つの分岐点を起点として延出する隔壁12によって当該分岐点の周囲に構成される角部のいずれかが90度未満の角度を有している場合の、当該分岐点の周囲における隔壁12への接着剤221の付着状況を説明するための図である。
分岐点の周囲のセルの角部のいずれもが90度以上の角度を有している場合、図11(a)及び図11(b)に示すように、後述する接着層形成工程において隔壁12の頂面に付着された接着剤221は、いずれの角部にも侵入することなく、隔壁12の頂面付近に留まることができる。一方、分岐点の周囲のセルの角部のいずれかが90度未満の角度を有している場合、図12(a)及び図12(b)に示すように、後述する接着層形成工程において隔壁12の頂面に付着された接着剤221は、毛細管現象によって、90度未満の角度を有する角部に侵入してしまうことがある。これにより、当該角部の周囲の隔壁12に付着される接着剤221の量が多くなり、隔壁12の頂面から接着剤221の頂部までの高さhが、図11(b)に示す場合と比較して高くなってしまう。さらに、90度未満の角度を有する角部には、表示媒体13の粒子が詰まってしまうことがある。
セルの角部内に接着剤221が侵入したり表示媒体13の粒子が詰まると、当該接着剤221や粒子が邪魔をして、当該角部内において反射率の変化を生じさせることができない。これにより、例えば、表示パネルの全面に黒色を表示した場合であっても、接着剤221が侵入した箇所は白いまま表示される。また、表示コントラストも低下してしまう。
また、前述のように、セルの角部内に接着剤221が侵入してしまうと、当該角部の付近の隔壁12上には、接着剤221が高く盛られてしまう。このため、後の対向基板接着工程において他方の基板16が接着層22にラミネータ91によって接着される時、隔壁12上に高く盛られた接着剤221が邪魔をしてしまって、接着層22の全面に十分な圧力が与えられず、接着層22と他方の基板16との間の接着強度が所望の程度以上にならない、という状況が生じることがある。
したがって、本実施の形態においては、最終の隔壁12のパターンを形成後、角度確認工程において当該最終の隔壁12のパターンの角部の角度をチェックし、角度が90度未満の角部が存在する場合には、当該角部上の分岐点の位置を再度調節する。
図13を参照して、角度確認工程における分岐点の位置の調節方法を説明する。本実施の形態においては、最終の隔壁12のパターンの分岐点K'上の角部αの角度が90度未満である場合、分岐点K'について、角部αの角度が90度以上となるように変位させる。分岐点K'が変位されることに伴って、当該分岐点K'を起点として延出する各辺K'−K1'、K'−K2'、K'−K3'上の他の角部α1、α2、β、β2、β3、γ、γ1、γ3の角度も変化する。
分岐点K'を変位させた後、角部α1、α2、β、β2、β3、γ、γ1、γ3の角度をチェックし、当該角部のいずれかが90度未満の場合には、再び分岐点K'を角部αの角度が90度以上となるように変位させる。この操作を、角部α、α1、α2、β、β2、β3、γ、γ1、γ3の角部のいずれもが90度以上になるまで繰り返す。この操作を所定回数繰り返しても角部α、α1、α2、β、β2、β3、γ、γ1、γ3の角部のいずれかが90度以上にならない場合には、最終隔壁パターン形成工程を最初からやり直す。
次に、図14乃至図16を参照して、ザラツキムラの発生を効果的に抑制するための、分岐点Kの最大変位範囲、すなわち最大ランダム度について説明する。
まず、図14を参照してザラツキムラの発生のメカニズムについて説明する。ザラツキムラは、表示媒体13の濃度がセルによって大きく異なることに起因して生じる。表示媒体13に含まれる粒子の粒径のバラツキが大きいと、表示媒体13のセルへの封入方法によっては、表示媒体13の濃度がセルによって大きく異なってしまうという現象が生じることがある。
本実施の形態においては、セル内に気泡を発生させないように表示媒体13を当該セル内に封入するために、後述の表示媒体配置工程において、セルの容積を超える量の表示媒体13を一方の基板11上に配置し、後述の対向基板配置工程において、図14に示すように、基板11,16の一方の縁部から当該縁部に対向する他方の縁部に向けて(図14のセルAからセルBの方向に)セルから余剰の表示媒体13を追い出しながら、他方の基板16が、一方の基板11の隔壁12の頂面上にラミネートされて貼り合わされる。この時、セルAの余剰の表示媒体13がセルAとセルBとの間の隔壁12を乗り越えてセルBの方向へ流れるが、当該隔壁12の頂面と他方の基板16との距離がある程度以下になると、粒径の大きな粒子は当該隔壁12の頂面と他方の基板16との間を通過することができなくなってしまい、セルAからセルBに流れる表示媒体13の粒子濃度は、平均的な粒子濃度より低くなる。これにより、セルA内の表示媒体13の濃度が変化する。
セルAにおける表示媒体13の濃度変化は、セルAの容積、したがってセル面積が小さいほど大きい。また、セル間の表示媒体13の濃度の違いが大きいほど、セル間の反射率や色変化速度などの違いが大きい。
以上より、セル面積のバラツキが大きい表示パネルでは、図15に示すようにセル毎の表示の濃淡のバラツキが大きくなってしまって、ザラツキムラが発生してしまうことがある。
本件の明細書及び特許請求の範囲においては、セル面積のバラツキの大きさは、図16を参照して、以下の式で表されるセル面積分布率により表される。
セル面積分布率(%)={(S2−S1)/Sa}×100
ここで、Saは、セル面積の最頻値であり、S1は、セル面積Saより小さく、セル面積Saを有するセルの数をNとした場合に、セル面積S1を有するセルの数がN/2となるようなセル面積であり、S2は、セル面積Saより大きく、セル面積S2を有するセルの数がN/2となるようなセル面積である。
そして、セル面積分布率は、本実施の形態においては、仮形成パターンの分岐点Kの変位範囲、すなわちランダム度、に依存する。図8からも分かるように、例えばランダム度が30%の場合とランダム度が90%の場合とを比較すると、ランダム度が90%の場合の方がセル面積のバラツキが大きい。したがって、セル面積分布率は、ランダム度を制御することにより制御され得る。
ここで、本件発明者の知見によれば、セル面積分布率が38.4%未満であれば、ザラツキムラの発生が十分に抑制される。本実施の形態においては、ランダム度が70%未満であれば、セル面積分布率は、38.4%未満となる。
最終の隔壁12のパターンの角部のいずれもが90度以上であることを確認し、また、必要に応じて、当該最終の隔壁12のパターンのセル面積分布率が38.4%未満であることを確認した後、最終の隔壁12のパターンを構成する線を、隔壁12の線幅を等分する隔壁中心線lwとして、隔壁12の輪郭線を決定する。すなわち、図17に示すように、最終の隔壁のパターンの分岐点K'及びK1'を結ぶ隔壁中心線lwに平行な線であって隔壁中心線lwから一方の側にW/2(隔壁12の線幅の半分の距離)だけ離れた線lwaが、隔壁12の当該一方の側の輪郭線として決定される。同様に、最終の隔壁12のパターンの分岐点K'及びK2'を結ぶ隔壁中心線lwに平行な線であって隔壁中心線lwから当該一方の側にW/2だけ離れた線lwaが、隔壁12の当該一方の輪郭線として決定される。そして、線lwaと線lwaとの交点K'aが、当該一方の側のセルの頂点として決定される。図18及び図19は、本実施の形態の隔壁形成工程によって実際に形成された隔壁12を示す平面図である。
セルの開口率は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。高開口率であるほど、表示可能エリアが広くなるため、高コントラストを得ることができる。
次に、隔壁12上に接着層22が形成される(接着層形成工程:図3の工程(2))。この接着層形成工程では、例えば転写法や印刷法により、ポリエステル系熱可塑性接着剤のような熱可塑性樹脂が、1μm〜100μmの厚みで形成される。好ましくは、1μm〜50μmの厚みで形成され、特に好ましくは、1μm〜20μmの厚みで形成される。
転写法として典型的な熱転写法の一例について具体的な説明を補足すれば、図20に示すように、例えば基材21としてのPETフィルム上に20μmの厚みでポリエステル系熱可塑性接着剤のような接着剤221を形成した転写シート20を用意する。次に、この転写シート20を、接着剤221の面が一方の基板11の隔壁12の頂面上に配置されるように、一方の基板11と対向して配置する。この状態で、一方の基板11と転写シート20とを、常温で1kPaの圧力でラミネートする。ラミネートの後で、一方の基板11を、一方の基板11側の隔壁12の端部が一方の基板11とは反対の側の当該隔壁12の頂面よりも高い位置となるように向けられた状態にして、一方の基板11と転写シート20とを接着剤の軟化温度以上の温度で一方の基板11と転写シート20とを1分間加熱する。これにより、隔壁12上に接着層22が形成される。
接着層22を形成するための接着剤221としては、熱可塑性材料を用いた接着剤が好ましく、加熱により軟化して、冷却すると固化する性質を有し、冷却と加熱を繰り返した場合に、塑性が可逆的に保たれる材料である。
熱可塑性材料からなる接着剤を接着層として用いた場合には、転写シート基材上の固化している接着剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱することにより軟化させて、隔壁上面のみに確実に接着剤を熱転写することもできる。また、熱転写後の接着剤は常温まで冷却して再び固化することにより、タック、すなわちねばつきが無くなるため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、セル内に充填された表示媒体が接着剤と接着してしまうことがない。そして、再び隔壁頂面の接着剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることにより、タック、すなわちねばつきを有するようになるため、他方の基板に確実に接着される。他方の基板との接着後の接着剤は、再び常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、やはり表示媒体が接着剤と接着してしまうことがなく、表示品質の低下のおそれもない。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンなどの熱可塑性ベースポリマーや、天然ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体などの熱可塑性エラストマーを主成分とし、粘着性付与樹脂や可塑剤を配合した樹脂が主に使用される。
隔壁12と接着剤221との密着性を上げるために、隔壁12に紫外線照射やプラズマ処理などにより表面処理が施されてもよいし、プライマーが形成されてもよい。あるいは、接着剤221の方にシランカップリング剤が添加されてもよい。
次に、一方の基板11上に表示媒体としてのインキ13が配置される(表示媒体配置工程:図3の工程(3))。図21は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。ここでは、(1)ディスペンサ31あるいはインクジェット、ダイコートからインキ13が滴下され(インキ滴下工程)、(2)アプリケータ32あるいはドクターブレード、ドクターナイフ、中央スキージによって面内均一となるようにインキ13が塗布される(インキ塗布工程)。なお、インキ13は、一方の基板16上に配置されてもよい。
表示媒体13としては、少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が用いられ得る。電気応答性材料としては、電荷粒子材料、液晶材料があり、電荷粒子材料には白や黒、カラーなどの色づけされた粒子が電場に応答して移動するいわゆる電気泳動材料、または、粒子が二色に色分けされ電場により回転するツイストボールに代表される材料、または、電場により移動するナノ粒子材料等がある。一方、液晶材料は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)で知られる透過と散乱を電気的に制御する材料や、液晶に色素を混合した材料、コレステリック液晶材料などがある。これらの電気応答性を有し光学特性を変化させる材料は、種類を問わずセルに隔離する必要があり、本発明の適用対象である。
図3に戻って、表示媒体配置工程の後で、導電性ペースト塗布工程が実施される(導電性ペースト塗布工程:図3の工程(4))。図22は、導電性ペーストの機能を説明するための概略図である。導電性ペースト14は、例えば銀ペーストのような金属ペーストであり、例えばディスペンサ41あるいはインクジェット、タンポ印刷、パット印刷、スタッピング印刷によって所定位置に塗布される。導電性ペースト14は、図22に示すように、他方の基板16に電圧をかけるための配線として機能する。一方の基板11の電極パターンと他方の基板16の電極パターンとの間に所定の電界(電圧)が与えられる際、表示媒体であるインキ13中の電気応答性材料が駆動され、文字パターン等の所望の情報が表示される。その後、電界が与えられなくなっても、新たな電界が両基板間に与えられるまで、当該情報表示状態が維持される。
その後、隔壁12上の接着層22と一方の基板11に対して対向する他方の基板16とが、隔壁12内のセル容積を超える余剰のインクを押し出しながら接着される(対向基板接着工程:図3の工程(5))。これにより、表示媒体(インキ13)が各セル内に封止される。
対向基板接着工程は、図23に示すように、接着層22として転写された接着剤221を加熱させて接着力を得るようになっている。具体的には、ラミネータ91によって所定の熱圧着圧力(ラミネート圧力)を付与しながら、接着剤221を周辺からその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることによって、隔壁12と他方の基板16とを接着する。もっとも、他の熱圧着の態様が採用されてもよい。
更に、本実施の形態では、ラミネータ91による接着の後で、さらに両基板11、16の四辺(周辺部)を熱圧着する四辺熱圧着工程が実施される。具体的には、両基板11、16の四辺(周辺部)の下方にホットプレート92を敷いておいて、両基板11、16の四辺部を内側から外側に金属片93でラミネート圧を加えることで実施される。
その後、図3に示すように、ギロチン、上刃スライド装置、レーザカット装置、レーザーカッター等の断裁装置51によって所定のサイズに断裁され(断裁工程:図3の工程(6))、所望の反射型表示装置の製造が完了する。
本実施の形態によれば、隔壁12のパターンの一部の分岐点は、周期性を有する基準パターンの分岐点と比較して、当該基準パターンの分岐点とは異なる位置にあり、当該分岐点の周囲において隔壁12によって囲まれるセルの形状が、基準パターンの単位パターンの形状とは異なっている。したがって、モアレ現象の発現が抑制され得る。また、セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有している。このため、セルの角部内に、隔壁12上に付着された接着剤221が毛細管現象によって侵入してしまったり、表示媒体13の粒子が詰まってしまって、点状の表示欠損を生じさせてしまったり、表示コントラストを低下させてしまう、ということが抑制される。また、セルの角部内への接着剤221の侵入が抑制されるため、一部の隔壁12上に接着剤221が厚く盛られることが抑制され、接着層22と基板16との接着強度が所望の程度以上にならない、という状況が生じることも抑制される。
例えば、仮形成された隔壁のパターンの分岐点Kの変位範囲をランダム度が70%未満となる範囲にすれば、セルの面積分布率が38.4%未満となり、隔壁12によって区画されるセルのセル面積のバラツキが十分に小さくなる。このため、表示媒体13に含まれる粒子の粒径のバラツキが大きく、当該表示媒体のセル内への封入が例えば図14に示すようにセル容積を超える表示媒体を追い出しながら隔壁12の頂面上に基板をラミネートすることにより行われても、ザラツキムラが生じることがない。
また、単位パターンで囲まれる領域は、正六角形である。したがって、仮形成された隔壁12のパターンの分岐点の変位範囲を調節することにより、隔壁12により区画されるセル面積のバラツキを所望の程度に制御する、ということが容易である。
また、隔壁形成工程において、仮形成された隔壁12のパターンの少なくとも一部の分岐点Kについて、当該分岐点Kを起点として延出する各隔壁12方向に当該隔壁12の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内で非周期的に変位させて、最終の隔壁12のパターンを形成する。したがって、最終の隔壁12のパターンの一部の分岐点は、周期性を有する基準パターンの分岐点とは異なる位置に非周期的に変位され、隔壁12によって囲まれるセルの形状をランダムな形状とすることができる。したがって、モアレ現象の発現が極めて効果的に抑制され得る。
<反射型表示装置の製造方法2>
図24は、本発明の第2の実施の形態による反射型表示装置の製造方法における隔壁12の最終パターンの形成方法を説明するための図である。
本実施の形態における反射型表示装置の製造方法は、第1の実施の形態による反射型表示装置の製造方法に対して、隔壁形成工程における隔壁12の最終隔壁パターン形成工程が異なるのみであり、その他の工程は、略同一である。
図24を参照して、本実施の形態における最終隔壁パターン形成工程について、説明する。まず、隔壁12のパターンを、同一形状の単位パターンを規則的に配列したパターンを基準パターンとして仮形成する。本実施の形態においては、基準パターンは、図6(a)に示す正六角形のハニカムパターンである。基準パターンのピッチは、300μmである。
次に、基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンを準備する。本実施の形態では、当該格子パターンは、正方格子パターンである。次に、当該正方格子パターンの各格子点と、仮形成パターンの各分岐点と、を関連づける。そして、正方格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に拡大ないし縮小させることにより当該正方格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させる。このようにして、基準パターンから最終の隔壁12のパターンが、形成される。
本実施の形態では、正方格子パターンの図24のx軸方向(行方向)の拡大ないし縮小は、当該正方格子パターンの拡大ないし縮小後において、x=xで表される格子線と、当該格子線の隣の格子線であってx=xn+1で表される格子線と、の間隔pxが、以下の式を満たすように非周期的になされる。
px=P+V×R
ここで、Pは、正方格子パターンのピッチであり、Vは、各格子線の最大変位範囲であり、Rは、−1<R<1を満たす乱数である。
同様に、正方格子パターンの図24のy軸方向(列方向)の拡大ないし縮小は、当該正方格子パターンの拡大ないし縮小後において、y=yで表される格子線と、当該格子線の隣の格子線であってy=yn+1で表される格子線と、の間隔pyが、以下の式を満たすように非周期的になされる。
py=P+V×R
本実施の形態では、正方格子パターンのピッチPを300μmとし、格子線の最大変位Vを50μmとする。
ここで、格子パターンの拡大ないし縮小が非周期的になされるというのは、要するに、拡大ないし縮小後の格子パターンの格子線が、画素電極の周期的なパターンに対してモアレ現象を発生させないような間隔で配列されるように、格子パターンの拡大ないし縮小がなされることを意味する。格子線の間隔の変化の仕方については、周期性があってもよいし、周期性が無くてもよい。
次に、このようにして行方向ないし列方向に拡大ないし縮小された正方格子パターンの格子点の移動に対応させて、仮形成パターンの分岐点が変位される。
例えば、図24に示すように、図6(a)の分岐点K6が格子点p43及びp53に関連付けられ、格子点p43及びp53の変位後の位置ベクトルがそれぞれ(x,y)及び(x,y)である場合、当該分岐点K6の変位後の点K6'の位置ベクトル(図24の点K6'の位置ベクトル)は、(x,y)となるように変位される。ここで、yは、
(y−y):(y−y)=√3:1
を満たす値である。
また、図6(a)の分岐点K2が格子点p52及びp53に関連付けられ、格子点p52の変位後の位置ベクトルがそれぞれ(x,y)及び(x,y)である場合、当該分岐点K2の変位後の位置ベクトル(図24の点K2'の位置ベクトル)が((x+x)/2,y)となるように変位される。ここで、yは、
(y−y):(y−y)=1:2
を満たす値である。
最終隔壁パターン形成工程の後、最終の隔壁12のパターンの角部の角度をチェックする(角度確認工程)。角度が90度未満の角部が存在する場合には、当該角部上の分岐点の位置を、図13に示す方法と同様の方法で調節する。
あるいは、正方格子パターンの格子線の最大変位範囲Vの大きさを変更して、最終隔壁パターン形成工程を最初からやり直す。この操作を、最終の隔壁12のパターンの角部の角度がいずれも90度以上になるまで繰り返す。
また、本実施の形態の場合、最終の隔壁12のパターンのセル面積分布率は、基準パターンに対応する正方格子パターンの格子線の最大変位範囲Vの大きさに依存する。したがって、必要であれば、このようにして得られた最終の隔壁12のパターンについてセル面積分布率を計算し、セル面積分布率が38.4%以上の場合には、最大変位範囲Vを小さくして、再度、隔壁12のパターンの形成を行う。
本実施の形態によれば、隔壁12のパターンは、基準パターンの周期性が乱されるように変形されたパターンである。したがって、モアレ現象の発現が抑制され得る。また、格子パターンの行方向ないし列方向の拡大ないし縮小の程度を調節することにより、隔壁12により区画されるセル面積のバラツキを所望の程度に制御する、ということが可能である。また、セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有している。このため、セルの角部内に、隔壁12上に付着された接着剤221が毛細管現象によって侵入してしまったり、表示媒体13の粒子が詰まってしまって、点状の表示欠損を生じさせてしまったり、表示コントラストを低下させてしまう、ということが抑制される。また、セルの角部内への接着剤221の侵入が抑制されるため、一部の隔壁12上に接着剤221が厚く盛られることが抑制され、接着層22と基板16との接着強度が所望の程度以上にならない、という状況が生じることも抑制される。
例えば、正方格子パターンの行方向ないし列方向の拡大ないし縮小の程度を、セルの面積分布率が38.4%未満となるようにすれば、表示媒体13に含まれる粒子の粒径のバラツキが大きく、当該表示媒体13のセル内への封入が例えば図14に示すようにセル容積を超える表示媒体13を追い出しながら隔壁12の頂面上に基板16をラミネートすることにより行われても、ザラツキムラが生じることがない。
また、単位パターンで囲まれる領域は、正六角形である。このため、仮形成された隔壁12のパターンの分岐点の変位範囲を調節することにより、隔壁12により区画されるセル面積のバラツキを所望の程度に制御する、ということが容易である。
また、本実施の形態においては、最終の隔壁12のパターンは、最終の隔壁12のパターンは、基準パターンの周期性が非周期的に乱されたパターンである。したがって、モアレ現象の発現が効果的に抑制され得る。
<反射型表示装置の製造方法3>
本実施の形態における反射型表示装置に製造方法は、第1及び第2の実施の形態による反射型表示装置の製造方法に対して、隔壁形成工程における隔壁12の最終隔壁パターン形成工程が異なるのみであり、その他の工程は、略同一である。
本実施の形態における最終隔壁パターン形成工程について、説明する。まず、隔壁12のパターンを、同一形状の単位パターンを規則的に配列したパターンを第1基準パターンとして仮形成する。本実施の形態においては、第1基準パターンは、図6(a)に示す正六角形のハニカムパターンである。基準パターンのピッチは、300μmである。
次に、図24に示す第2の実施形態と同様に、仮形成パターンの各分岐点と、第1基準パターンに対応するピッチを有する正方格子パターンの各格子点と、を関連づけ、正方格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向にランダムに拡大ないし縮小させることにより当該正方格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させる。これにより得られたパターンを第2基準パターンとして、隔壁12のパターンを再度仮形成する。
その後、再度仮形成されたパターンの各分岐点を、図6(a)に示す第1の実施の形態と同様の方法で、すなわち当該分岐点を起点として延出する再度仮形成された隔壁12のパターンの各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内でランダムに移動させることにより、最終の隔壁12のパターンを形成する。
最終隔壁パターン形成工程の後、最終の隔壁12のパターンの角部の角度をチェックする(角度確認工程)。角度が90度未満の角部が存在する場合には、当該角部上の分岐点の位置を、図13に示す方法と同様の方法で調節する。
あるいは、正方格子パターンの格子線の最大変位範囲Vの大きさないし分岐点Kの変位範囲(Aの値)を変更して、最終隔壁パターン形成工程を最初からやり直す。この操作を、最終の隔壁12のパターンの角部の角度がいずれも90度以上になるまで繰り返す。
本実施の形態の場合、最終の隔壁12のパターンのセル面積分布率は、基準パターンに対応する正方格子パターンの格子線の最大変位範囲Vの大きさ及び分岐点Kの変位範囲(Aの値)に依存する。したがって、必要であれば、このようにして得られた最終の隔壁12のパターンについてセル面積分布率を計算し、セル面積分布率が38.4%以上の場合には、最大変位範囲Vを小さくして、再度、隔壁12のパターンの形成を行う。
本実施の形態によれば、隔壁12のパターンは、基準パターンの周期性が乱されるように変形されたパターンである。したがって、モアレ現象の発現が抑制され得る。また、セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有している。このため、セルの角部内に、隔壁12上に付着された接着剤221が毛細管現象によって侵入してしまったり、表示媒体13の粒子が詰まってしまって、点状の表示欠損を生じさせてしまったり、表示コントラストを低下させてしまう、ということが抑制される。また、セルの角部内への接着剤221の侵入が抑制されるため、一部の隔壁12上に接着剤が厚く盛られることが抑制され、接着層22と基板16との接着強度が所望の程度以上にならない、という状況が生じることも抑制される。
例えば、正方格子パターンの行方向ないし列方向の拡大ないし縮小の程度、ないし、再度仮形成された隔壁12のパターンの分岐点Kの変位範囲を、セルの面積分布率が38.4%未満となるようにすれば、表示媒体13に含まれる粒子の粒径のバラツキが大きく、当該表示媒体13のセル内への封入が例えば図14に示すようにセル容積を超える表示媒体13を追い出しながら隔壁12の頂面上に基板16をラミネートすることにより行われても、ザラツキムラが生じることがない。
また、単位パターンで囲まれる領域は、正六角形である。このため、正方格子パターンの行方向ないし列方向の拡大ないし縮小の程度、ないし、再度仮形成された隔壁12のパターンの分岐点の変位範囲を調節することにより、隔壁12により区画されるセル面積のバラツキを所望の程度に制御する、ということが容易である。
本実施の形態では、第2基準パターンは、第1基準パターンの周期性がランダムに乱されるように変形されたパターンである。そして、最終の隔壁12のパターンの一部の分岐点は、第2基準パターンの分岐点とは異なる位置に非周期的に変位され、隔壁12によって囲まれるセルの形状を非周期的な形状にされる。したがって、モアレ現象の発現が極めて効果的に抑制され得る。
次に、実際に行われた実施例について説明する。
<反射型表示装置の実施例>
<実施例1>
一方の基板11として、300mm×400mm×厚さ0.1mmのPET基板(東洋紡A4100)の一方の面に透明電極として酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜(厚さ0.2μm)が設けられた基板が用意された。透明電極は、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法などの一般的な成膜方法によって形成され、酸化インジウムスズ(ITO)の他に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等によっても形成され得る。
次に、隔壁12のパターンとして角部のいずれもが90度以上であり、セル面積分布率が16.8%のパターンが形成され、当該隔壁12のパターンに基づいて、一方の基板11上に隔壁12が形成された。具体的には、当該一方の基板11に、ネガ型感光性樹脂材料(デュポンMRCドライフィルムレジスト(株)製のドライフィルムレジスト)を20μmの厚さにラミネートして100℃、1分間の条件で加熱し、次いで露光マスクを使用して露光(露光量500mJ/cm)し、その後、1%KOH水溶液を用いた現像を30秒行い、200℃、60分間の条件で焼成することで、線幅が20μmで、セルの角部の角度のいずれもが90度以上の隔壁12が形成された。
そして、転写フィルム基材21として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム21(帝人・デュポン社製)が用いられ、これにヒートシール剤221(東洋紡製バイロン630)が厚さ20μmでダイコーダにて塗布され、乾燥された。これにより、10μmの接着層を有するロール状の転写シート20が作製された。なお、ヒートシール剤221の軟化温度は約110℃であった。
そして、転写フィルム20の上に、一方の基板11が、その隔壁12が形成されている側の面を下にした状態で載せられ、この状態で、1kPa程度の押圧力で常温でラミネートされた。その後、ヒートシール剤221の周辺がその軟化温度を超える温度、例えば130℃程度にまで加熱され、その状態で一方の基板11が、転写フィルム20から剥離された。その結果、ヒートシール剤221が隔壁12の頂面の全面に熱転写された。隔壁12の頂面からヒートシール剤221の頭頂部までの高さは、約7μmであった。
続いて、表示媒体として、以下の成分を有するインキ13が用いられ、ディスペンサ31から滴下されて、中央スキージ32(ニューロング製のスキージ1:ウレタン樹脂製)にてスキージ処理されて、各セル内に充填された。基板幅方向にはみ出した余剰インキは、別の両端スキージ33a、33b(ニューロング製のスキージ2:ウレタン樹脂製)にて掻き取られ、さらにロールワイパ34にて拭き取られた。
<インキ成分>
・電気泳動粒子(二酸化チタン)・・・60重量部
・分散液 ・・・40重量部
続いて、隔壁パターン外周の一部(2mm×2mmの正方形領域)に、銀ペースト(藤倉化成製)がディスペンサ41によって点塗布された。
次いで、他方の基板16として、300mm×400mm×厚さ0.5mmの無アルカリガラス(日本電気硝子製OA−10G)の一方の面に、200μm×200μmの正方形電極が600個×800個、行列方向に整列されて成るアモルファスTFTアクティブマトリックスが設けられた基板が用意された。アモルファスTFTアクティブマトリックスは、液晶ディスプレイなどで一般的に用いられているものであり、正方形電極の材質は、アルミニウムであった。
そして、大気中にて、一方の基板11の隔壁12上の接着層22の上に他方の基板16を重ね合わせて、ラミネータ91で一定の熱圧着圧力をさらに付与しつつ、隔壁12内のセル容積を超える余剰のインクを押し出しながら、一方の基板11の隔壁12と他方の基板16とが密着された。
熱圧着時の温度は、ヒートシール剤221の軟化点または融点付近の温度であって、インクの蒸発が促進しない温度が好ましく、80℃〜150℃、好ましくは80℃〜90℃であり、本実施例では80℃であった。また、熱圧着圧力は、0.01MPa〜0.7MPaが好ましく、特には0.1MPa〜0.4MPaが好ましく、本実施例では0.3MPaであった。
その後、断裁装置51によって所定のサイズに断裁され、両方の基板11,16の周辺にディスペンサ(不図示)を用いて紫外線硬化樹脂(イー・エッチ・シー(株)製:LCB−610)を塗工して封止し、紫外線を露光(露光量700mJ/cm)して硬化させた(外周封止処理)。以上により表示パネルが作製された。
以上のようにして得られた表示パネルについて表示品質を評価したが、モアレ現象によるムラはなく、点状の表示欠陥やザラツキムラの発生もなく、表示品質は良好であった。
<比較例1>
前記実施例1に対して、隔壁12のパターンとして角度90度未満の角部を有し、セル面積分布率が48.5%のパターンを形成し、その他は同じ工程で、90度未満の角度の角部を有するセルが存在する表示パネルを作製した。
以上の様にして得られた表示パネルについて表示品質を評価したが、画面上に表示が変化しない点在し、コントラストも低下し、ザラツキムラも発生した。また、セルの角部を観察したところ、角度が90度未満の角部において、接着剤221の侵入が確認された。
11 一方の基板
12 隔壁
13 インキ(表示媒体)
14 導電性ペースト
16 他方の基板
161 画素電極
161a 画素電極
161b 画素電極
165 画素電極間領域
20 転写シート
21 PETフィルム
22 接着層
221 ヒートシール剤
31 ディスペンサ
32 アプリケータ
33a スキージ
33b スキージ
34 ロールワイパ
51 断裁装置
91 ラミネータ
92 ホットプレート
93 金属片

Claims (10)

  1. 少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、
    前記2枚の基板間に配置された複数の領域を区画する隔壁と、
    前記隔壁と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、
    前記隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、
    を備え、
    前記隔壁の少なくとも一部の分岐点は、同一形状の単位パターンを規則的に配列して基準パターンとした時、当該基準パターンの分岐点を起点として延出する当該基準パターンの各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内に位置し、且つ、前記基準パターンの分岐点とは重なっておらず、
    前記セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有している
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  2. 前記所定倍は、100%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置。
  3. 前記所定倍は、70%未満である
    ことを特徴とする請求項2に記載の反射型表示装置。
  4. 少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、
    前記2枚の基板間に配置された複数の領域を区画する隔壁と、
    前記隔壁と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、
    前記隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、
    を備え、
    前記隔壁のパターンは、同一形状の単位パターンを規則的に配列して基準パターンとした時、当該基準パターンの各分岐点と、当該基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンであり、
    前記セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有している
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  5. 前記セルの面積分布率は、38.4%未満である
    ことを特徴とする請求項4に記載の反射型表示装置。
  6. 前記隔壁のパターンは、同一形状の単位パターンを規則的に配列して基準パターンとした時、当該基準パターンの各分岐点と、当該基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に非周期的に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンである
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の反射型表示装置。
  7. 少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所望の表示をする、反射型表示装置であって、
    前記2枚の基板間に配置された複数の領域を区画する隔壁と、
    前記隔壁と、少なくとも一方の基板と、の間に配置された接着層と、
    前記隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、
    を備え、
    前記隔壁の少なくとも一部の分岐点は、同一形状の単位パターンを規則的に配列して第1基準パターンとした時、当該第1基準パターンを変形させて第2基準パターンとして、当該第2基準パターンの分岐点を起点として延出する当該第2基準パターンの各辺の方向に当該辺の延出長さの1/2の所定倍を最大変位として規定される領域内に位置し、且つ、前記第2基準パターンの分岐点とは重なっておらず、
    前記セルの角部は、いずれも90度以上の角度を有している
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  8. 前記セルの面積分布率は、38.4%未満である
    ことを特徴とする請求項7に記載の反射型表示装置。
  9. 前記第2基準パターンは、前記第1基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、前記第1基準パターンの各分岐点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンである
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の反射型表示装置。
  10. 前記第2基準パターンは、前記第1基準パターンに対応するピッチを有する格子パターンの各格子点と、前記第1基準パターンの各分岐点と、を関連づけ、前記格子パターンの各行ないし各列を当該行の方向ないし列の方向に非周期的に拡大ないし縮小させることにより当該格子パターンの格子点を移動させると共に、当該格子点の移動に対応させて当該格子点に関連づけられた各分岐点をも移動させて得られるパターンである
    ことを特徴とする請求項9に記載の反射型表示装置。
JP2013100655A 2013-05-10 2013-05-10 反射型表示装置 Pending JP2014219639A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013100655A JP2014219639A (ja) 2013-05-10 2013-05-10 反射型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013100655A JP2014219639A (ja) 2013-05-10 2013-05-10 反射型表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014219639A true JP2014219639A (ja) 2014-11-20

Family

ID=51938090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013100655A Pending JP2014219639A (ja) 2013-05-10 2013-05-10 反射型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014219639A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005024868A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示媒体
JP2005062638A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示媒体
JP2011175225A (ja) * 2010-01-27 2011-09-08 Dainippon Printing Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005024868A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示媒体
JP2005062638A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示媒体
JP2011175225A (ja) * 2010-01-27 2011-09-08 Dainippon Printing Co Ltd 電気泳動表示装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5804401B2 (ja) 反射型表示装置
JP4517620B2 (ja) マイクロカプセル型電気泳動式表示パネル及びその製造方法
JP5765369B2 (ja) 反射型表示装置
JP2014219639A (ja) 反射型表示装置
JP2014219637A (ja) 反射型表示装置
JP2014224870A (ja) 反射型表示装置
JP2014228699A (ja) 反射型表示装置
JP2014032285A (ja) 反射型表示装置
JP2015026015A (ja) 反射型表示装置
JP2014170188A (ja) 反射型表示装置及びその製造方法
JP2014224869A (ja) 反射型表示装置
JP2015011066A (ja) 反射型表示装置及びその製造方法
JP5871202B2 (ja) 反射型表示装置
JP2015004752A (ja) 反射型表示装置
JP2015129883A (ja) 反射型表示装置の製造方法
JP2014211564A (ja) 反射型表示装置
JP2015011327A (ja) 反射型表示装置
JP2015018010A (ja) 反射型表示装置
JP2015172647A (ja) 反射型表示装置の製造方法
JP2014089421A (ja) 反射型表示装置及びその製造方法
JP2014102456A (ja) 反射型表示装置及びその製造方法
JP2014032284A (ja) 反射型表示装置
WO2014034783A1 (ja) 反射型表示装置
JP2015172619A (ja) 反射型表示装置、および反射型表示装置の製造方法
JP2014089423A (ja) 反射型表示装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170725