JP2014210943A - Cu−Ga合金ターゲット材およびその製造方法 - Google Patents

Cu−Ga合金ターゲット材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 スパッタリング時に安定した成膜が可能なCu−Ga合金ターゲット材を提供する。【解決手段】 Gaを25〜35原子%含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなるCu−Ga合金ターゲット材において、スパッタ面を0.09mm2の視野で5視野観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mm2の視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mm2の視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均とが、いずれも150〜350個であるCu−Ga合金ターゲット材。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、カルコパイライト系薄膜太陽電池の光吸収層を形成するためのCu(InGa)Se合金薄膜を形成するのに使用されるCu−Ga合金ターゲット材およびその製造方法に関するものである。
現在、シリコン太陽電池、薄膜太陽電池、化合物太陽電池等の様々な太陽電池の開発が進んでおり、その中でも、薄膜太陽電池は薄膜技術を応用した光デバイスとして製造プロセスが簡易かつ低エネルギーで可能となる利点から商品化が進んでいる。また、薄膜太陽電池の中でも、カルコパイライト化合物であるCu(InGa)Se(以下「CIGS」という)系を光吸収層として備えた薄膜太陽電池が有望視され、今後市場拡大が見込まれている。
CIGS系薄膜太陽電池は、一般的に、ソーダライムガラス基板、Mo金属からなる背面電極層、CIGS合金薄膜からなる光吸収層、透明導電膜からなる前面電極で構成される多層積層構造である。
このCIGS層を形成する方法としては、例えば、Inターゲットを用いてスパッタリング法によりIn薄膜を成膜した上に、Cu−Ga合金ターゲット材を用いてCu−Ga合金薄膜をスパッタ成膜し、その後、この積層膜をSe雰囲気中で熱処理を施して四元系合金膜であるCIGS層とする方法が用いられている。その際のCu−Ga合金ターゲット材としては、例えば、所望のCu−Ga合金組成の合金を真空溶解し鋳造する溶解鋳造法で作製したものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、Cu−Ga合金は脆弱で成分の偏析を生じやすいため、粉末焼結法による製造も試みられている。具体的には、高Ga含有のCu−Ga合金組成においては、脆弱なCu−Ga合金相が形成されやすく、ターゲット材としての形状に機械加工する際に、欠け等の加工不具合が発生することから、高Ga含有のCu−Ga合金相を低Ga含有のCu−Ga合金相で包囲した二相共存組織に制御された焼結組織とすることで、機械加工時の問題を抑制可能なCu−Ga合金ターゲット材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、Cu−Gaの偏析を抑える方法として、Cu粉末とGa粉末を混合した混合粉末を不活性雰囲気中で撹拌・加熱してCu−Ga合金化した後,その合金化物を粉砕・混合してCu−Ga合金粉末を作製し、それを用いて製造したCu−Ga合金ターゲット材が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−73163号公報 特開2008−138232号公報 特開2012−102358号公報
上述した特許文献1に開示される溶解鋳造法により製造したCu−Ga二元系合金ターゲット材は、脆くて割れやすいという問題や、粒径のばらつきが大きくスパッタリング時に異常放電が発生し、安定したスパッタリングが困難であるという問題がある。
また、特許文献2に開示されるCu−Ga二元系合金ターゲット材は、良好な機械加工が実現できるので有効である。
しかしながら、本発明者の検討によれば、このような二相共存組織の場合には、Ga含有の濃淡を積極的に形成する方法であるため、このCu−Ga二元系合金ターゲット材を用いてスパッタ成膜すると、スパッタレートに差が生じるため、安定して所望のCu−Ga合金薄膜が形成しづらいという問題が生じることを確認した。
また、特許文献3に開示されるCu−Ga合金ターゲット材は、本発明者の検討によれば、上記で説明した粉砕・混合だけでは、その粉末の粒径制御が難しく、製造したCu−Ga合金ターゲット材の粒径差により、スパッタリング時に異常放電が発生し、安定したスパッタリングが困難であることを確認した。
本発明の目的は、上記課題を解決し、スパッタリング時に安定した成膜が可能なCu−Ga合金ターゲット材およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題を検討した結果、組成変動のない均一なCu−Ga合金相で、単位面積当たりの粒子数を有する組織とし、またその組織を得るために一定粒径の粉末と、それとは異なる粒径の粉末とを混合してターゲット材を製造することで、スパッタリング時に安定した成膜が可能なCu−Ga合金ターゲット材を実現できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、Gaを25〜35原子%含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなるCu−Ga合金ターゲット材において、スパッタ面を0.09mmの視野で5視野観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均とが、いずれも150〜350個であるCu−Ga合金ターゲット材である。
また、本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、Gaを25〜35原子%含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなるCu−Ga合金ターゲット材において、スパッタ面を0.09mmの視野で5視野観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をsとし、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をaとし、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をbとしたとき、0.4s≦a≦1.6s、0.4s≦b≦1.6sである。
また、本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、Cu−Gaからなる平均粒径が10〜40μmのアトマイズ粉末Pと50〜100μmのアトマイズ粉末Pを混合し、加圧焼結することにより得ることができる。
前記加圧焼結は、焼結温度700〜900℃、加圧力10〜200MPa、焼結時間1〜10時間の条件で行うことが好ましい。
本発明のCu−Ga合金スパッタリングターゲット材を使用してスパッタ成膜することで、スパッタリング時に異常放電(アーキング)やパーティクルの発生が抑制され、良好なCu−Ga合金薄膜が形成できるため、薄膜太陽電池の製造において有用な技術である。
本発明のCu−Ga合金ターゲット材の光学顕微鏡像の一例である。 比較例のCu−Ga合金ターゲット材の光学顕微鏡像の一例である。 本発明のCu−Ga合金ターゲット材において粒子数を測定する部位の一例を示す図である。 本発明のCu−Ga合金ターゲット材において粒子数を測定する面の一例を示す図である。
本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、Gaを25〜35原子%含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなるCu−Ga合金ターゲット材において、スパッタ面を0.09mmの視野で5視野観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均とが、いずれも150〜350個であることを特徴とする。
各面のCu−Ga粒子数を上記の範囲とした理由は、次のとおりである。
まず、粒径が大きな組織が増えると、スパッタリング時の異常放電の原因となる他、スパッタリング時のターゲット材表面の凹凸が大きくなることで、ターゲット材表面に発生するノジュールの原因となる。
また、粒径が小さな組織が増えると、ターゲット材の硬度が高くなることで機械加工する際に割れや欠けが発生する原因となる。
そのため、粒径が一定の範囲で揃っていることがターゲット材として好ましい。
そして、いずれの視野のCu−Ga粒子数の平均が150個を満たない場合は、粒径が大きな組織が増えることとなり、好ましくない。また、いずれの視野のCu−Ga粒子数の平均が350個を超える場合は、粒径が小さな組織が増えることとなり、好ましくない。このため本発明では、ターゲット材の各面におけるCu−Ga粒子数の平均値をいずれも150〜350個とした。好ましくは、200〜300個である。
これにより本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、組成変動を抑制した均一なCu−Ga合金相にすることで、組成変動におけるスパッタレート差を抑制できる上、ターゲット材表面に生じる局所的な凹凸をなくすことができ、均一なエロージョン面を実現し、ターゲット材表面に発生するノジュールを抑制することができる。また、ノジュールの発生の抑制は、スパッタリング時の異常放電やスパッタ成膜後の薄膜中で欠陥の原因となるパーティクルの発生を抑制することにも寄与する。
本発明におけるCu−Ga粒子数の測定位置は、例えば図3に示すように、得られたターゲット材の外周部に相当する部位i〜部位ivと、中央部に相当する部位vの5か所から観察試料を作製し、それぞれ図4に示すように、スパッタ面1、該スパッタ面1に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた断面2、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた断面3の各面で観察する。そして、本発明では、1観察面の視野を0.09mmとし、上記部位i〜部位vの5視野を観察して各観察面の粒子数を測定するとともに、各面毎の平均値を算出する。
本発明のCu−Ga合金ターゲット材において、Gaの含有量が25原子%に満たないと、完全に合金化しない場合があり、ターゲット材中に偏析が生じやすくなり、均一なCu−Ga合金相を得ることが難しい。また、CIGS光吸収層の形成に適用する際に、ターゲット材のGaの含有量が25原子%に満たないと、CIGS光吸収層のGa濃度が低くなり、薄膜太陽電池にしたときの変換効率が向上しないという問題もある。
一方、Gaの含有量が35原子%を超えると、ターゲット材中に非常に脆弱な相が現れ、ターゲット材をハンドリングする際や機械加工する際に割れや欠けが発生する場合がある。このため本発明では、Gaの含有量を25〜35原子%とする。
また、本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、スパッタ面を0.09mmの視野で5視野観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をsとし、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をaとし、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をbとしたとき、0.4s≦a≦1.6s、0.4s≦b≦1.6sである。
上記のaおよびbの値が0.4sに満たない場合は、sとの粒子数の差が大きくなり、スパッタリング時の異常放電の原因となる他、ターゲット材表面の凹凸が大きくなることで、ターゲット材上のノジュールの発生の原因となり得る。また、aおよびbの値が1.6sを超える場合も同様に、スパッタリング時の異常放電の原因となる他、ターゲット材表面の凹凸が大きくなることで、ターゲット材上のノジュールの発生の原因となり得る。このため本発明では、0.4s≦a≦1.6s、0.4s≦b≦1.6sとした。好ましくは、0.5s≦a≦1.5s、0.5s≦b≦1.5sであり、より好ましくは、0.6s≦a≦1.4s、0.6s≦b≦1.4sである。
次に、本発明のCu−Ga合金ターゲット材を作製するための方法を以下に説明する。
本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、Cu−Gaからなるアトマイズ粉末として、平均粒径が10〜40μmのアトマイズ粉末Pと50〜100μmのアトマイズ粉末Pを用い、これらを混合し、加圧焼結することで得ることができる。
アトマイズ粉末Pの平均粒径が10μmを下回る粉末を用いると、単位体積当たりの比表面積が大きくなるため、粉末全体の酸素含有量が高くなり、ターゲット材の酸素含有量に影響を与える。一方、アトマイズ粉末Pの平均粒径が40μmを超える粉末を用いると、アトマイズ粉末Pの粒径のばらつきが大きくなり、作製したターゲット材の粒径ばらつきが大きくなる。その結果、スパッタリング時の異常放電の原因となる他、ターゲット材表面の凹凸が大きくなることで、ターゲット材表面のノジュールの発生の原因となり得る。
また、アトマイズ粉末Pの平均粒径が50μmを下回る粉末を用いると、アトマイズ粉末Pの粒径のばらつきが大きくなり、作製したターゲット材の粒径ばらつきが大きくなる。その結果、スパッタリング時の異常放電の原因となる他、ターゲット材表面の凹凸が大きくなることで、ターゲット材表面のノジュールの発生の原因となり得る。一方、平均粒径が100μmを超える粉末を用いると、焼結性が低下し、高密度のターゲット材を得ることが困難になる。
このため本発明では、Cu−Gaからなるアトマイズ粉末として、平均粒径が10〜40μmのアトマイズ粉末Pと平均粒径が50〜100μmのアトマイズ粉末Pを用い、これらを均一に混合することで、ターゲット材中の各部位の成分変動をなくすことができる。
また、本発明でいうアトマイズ粉末の平均粒径とは、JIS Z 8901で規定される、レーザー光を用いた光散乱法による球相当径を用い、累積粒度分布のD50で表される。
ガスアトマイズ法によるCu−Ga合金粉末を作製する際は、アトマイズの出湯温度をCu−Ga合金の融点より50〜300℃高い温度にすることが好ましい。Cu−Ga合金の融点より50℃未満の範囲の高い温度で出湯すると、出湯ノズルが閉塞する可能性がある。一方、Cu−Ga合金の融点より300℃を超える高い温度で出湯すると、アトマイズ粉末がアトマイズ装置のチャンバー内で凝集する可能性がある。
また、より球状で酸素含有量を抑制したアトマイズ粉末を得るためには、アトマイズのガス圧力は1〜10MPaとすることが好ましい。
本発明のCu−Ga合金ターゲット材を得るためには、上述したCu−Ga合金からなるアトマイズ粉末の混合粉末を加圧焼結法によって作製する。加圧焼結法としては、ホットプレス、熱間静水圧プレス、通電加圧焼結、熱間押し出し等の方法を適用することができる。
なお、加圧焼結時の焼結温度は、Cu−Ga合金の融点より10〜300℃低い温度に設定することが好ましい。焼結温度がかかる温度範囲よりも低いと緻密なターゲットが得られにくく、高いとアトマイズ粉末が溶融する可能性がある。このため本発明では、焼結温度を700〜900℃とすることが好ましい。
加圧焼結時の加圧力は、10MPa以上に設定することが好ましい。加圧力が10MPaを下回ると、緻密なターゲット材が得にくい。一方、加圧力が200MPaを超えると、耐え得る装置が限られるという問題がある。このため本発明では、加圧力を10〜200MPaとすることが好ましい。
焼結時間は、1時間未満では焼結を十分に進行させるのが難しい。一方、10時間を超える焼結は製造効率において避ける方がよい。このため本発明では、焼結時間を1〜10時間とすることが好ましい。
なお、熱間静水圧プレスやホットプレスで加圧焼結をする際には、混合粉末を加圧容器や加圧用ダイスに充填した後に、加熱しながら減圧脱気をすることが望ましい。減圧脱気は、加熱温度100〜600℃の範囲で、大気圧(101.3kPa)より低い減圧下で行うことが望ましい。それは、得られるターゲット材の酸素をより低減することが可能となるためである。
先ず、Cu原料を70原子%、Ga原料を30原子%の割合になるように秤量して溶解炉内に装填して真空溶解した後、出湯温度1030℃、アトマイズガス圧4MPaでガスアトマイズを行い、Cu−Ga合金粉末を得た。得られた粉末を目開き250μmのふるいを用いて分級を実施し、平均粒径(累積粒度分布のD50)が30μmのアトマイズ粉末Pと、平均粒径(累積粒度分布のD50)が80μmのアトマイズ粉末Pを得た。
次に、上記で得たアトマイズ粉末Pとアトマイズ粉末PをP:P=1:3の比率で混合して、カーボン製の加圧容器に充填し、ホットプレス装置の炉体内部に設置して、750℃、15MPa、2時間の条件で加圧焼結を実施した。加圧焼結後にカーボン製の加圧容器から取り出し、Cu−Ga合金焼結体を得た。
得られた焼結体を、ダイヤモンド砥石を用いて平面研削による板厚加工を実施して、ウォータージェット切断機を用いて切断加工することによって、厚さ20mm×幅225mm×長さ305mmのCu−Ga合金ターゲット材を3枚製作した。3枚のCu−Ga合金ターゲット材は同一原料、同一条件で製作したものである。
比較例として、以下のようにCu−Ga合金ターゲット材を製作した。先ず、Cu原料を70原子%、Ga原料を30原子%の割合になるように秤量して溶解炉内に装填し、真空溶解を行った後、出湯温度1000℃で鋳型に流し込み、Cu−Ga合金塊を得た。得られたCu−Ga合金塊の押し湯部を切除した後、ダイヤモンド砥石を用いて平面研削による板厚加工を実施後、ウォータージェット切断機を用いて切断加工することによって、比較例となるCu−Ga合金ターゲット材を得た。
上記で得た各Cu−Ga合金ターゲット材を図3に示すターゲット材の外周部に相当する部位i〜部位ivと、中央部に相当する部位vの5か所からそれぞれ20mm×20mm×20mmの分析用試料を切り出し、図4に示す各面における0.09mmの視野でCu−Ga粒子数を測定した。図1に本発明例のCu−Ga合金ターゲット材のスパッタ面、断面方向Aから選ばれた断面、断面方向Bから選ばれた断面を光学顕微鏡で観察した一例を示す。また、図2に比較例のCu−Ga合金ターゲット材のスパッタ面を光学顕微鏡で観察した一例を示す。尚、各写真内の四角枠は、Cu−Ga粒子数を測定した0.09mmの視野を示す。
上記で得た3枚のCu−Ga合金ターゲット材の各部位・各面における粒子数と平均値、および部位i〜部位vのスパッタ面におけるCu−Ga粒子数の平均値を1としたときの断面方向Aから選ばれた断面、断面方向Bから選ばれた断面のそれぞれの比率を表1〜表3に示す。
図1および表1〜表3に示すように、本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、部位i〜部位vにおける粒子数の平均がいずれの面においても150〜350個の範囲内であり、均一な組織であることが確認できた。
また、本発明のCu−Ga合金ターゲット材は、観察した5視野のスパッタ面の粒子数の平均値を1とし、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をaとし、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をbとしたときに、いずれも0.4≦a≦1.6、0.4≦b≦1.6の範囲であり、各面における組織のバラツキが小さいことも確認できた。
一方、比較例のCu−Ga合金ターゲット材は、図2に示すように、場所により粒径は異なるが1mmを超える粗大な粒子があり、0.09mmの視野に収まる粒子はなかった。
次に、上記で製作した各ターゲット材のスパッタテストを実施した。スパッタは、Ar雰囲気、圧力0.6Pa、DC電力500Wの条件で積算時間5時間実施した。
比較例のCu−Ga合金ターゲット材を用いてスパッタ成膜すると、アーキングが発生することを確認した。
これに対し、本発明のCu−Ga合金ターゲット材を用いてスパッタ成膜すると、アーキングの発生はなく、安定してスパッタすることができた。
また、スパッタ後のターゲット材の表面観察を目視で行った結果、比較例のCu−Ga合金ターゲット材には、目視で多数のノジュールが確認された。
これに対し、本発明のCu−Ga合金ターゲット材には、目視ではノジュールは確認されず、スパッタリングの際に安定した成膜が可能なCu−Ga合金ターゲット材であることが確認できた。
1 スパッタ面
2 断面方向Aから選ばれた断面
3 断面方向Bから選ばれた断面

Claims (4)

  1. Gaを25〜35原子%含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなるCu−Ga合金ターゲット材において、スパッタ面を0.09mmの視野で5視野観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均と、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均とが、いずれも150〜350個であることを特徴とするCu−Ga合金ターゲット材。
  2. Gaを25〜35原子%含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなるCu−Ga合金ターゲット材において、スパッタ面を0.09mmの視野で5視野観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をsとし、前記スパッタ面に垂直な一つの断面方向Aから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をaとし、前記スパッタ面および前記断面方向Aに垂直な断面方向Bから選ばれた任意の5つの断面を0.09mmの視野で観察し、その5視野のCu−Ga粒子数の平均値をbとしたとき、0.4s≦a≦1.6s、0.4s≦b≦1.6sであることを特徴とするCu−Ga合金ターゲット材。
  3. 加圧焼結するCu−Ga合金ターゲット材の製造方法において、前記Cu−Gaからなるアトマイズ粉末として、平均粒径が10〜40μmのアトマイズ粉末Pと50〜100μmのアトマイズ粉末Pを用い、これらを混合し、加圧焼結することを特徴とするCu−Ga合金ターゲット材の製造方法。
  4. 前記加圧焼結は、焼結温度700〜900℃、加圧力10〜200MPa、焼結時間1〜10時間の条件で行うことを特徴とする請求項3に記載のCu−Ga合金ターゲット材の製造方法。
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